六話 −卒爾−
50 名前: ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 23:04:38.22 ID:E+6HYbv80
六話 −卒爾−



 目が覚めたとき、内藤が居たのは天国でも地獄でもなかった。
そこは誰かの部屋だった。
天井は真白な壁紙が貼られているだけで、何も飾られていない。
体がふわふわと柔らかい何かに包まれていた。
そしてそれはドキドキするような甘い匂いがした。

( ^ω^)「……布団?」

 内藤はベッドの上に寝ていることに、ここで気が付いた。
首を横に向けると、部屋の様子が窺えた。
テレビと、テーブルと、カーペットにカーテン。

 テーブルの上には青いガラス細工のオブジェがあった。
テレビはそれほど大きくなく、またその電源は入っていなかった。
カーテンはゆらゆらと風に靡(なび)き、時より日光をカーペットに差し込ませていた。

 目にも耳にも静かな部屋だった。
まるで家のコマーシャルか何かのようだと、
内藤は枕に顔をうずめながら思った。

( ^ω^)「……あれ、ここどこだお?」

 のんきに枕の感触を楽しんでいる場合ではない。
記憶を掘り返せば自分は間違いなく死にかけているではないか。
多少のデジャヴを覚えながら、内藤は薄ピンクの掛け布団を跳ね除けた。

51 名前: ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 23:07:44.83 ID:E+6HYbv80
 見慣れないワンルームの空間を、
内藤はベッドから降りてキョロキョロと観察し始めた。
簡素と言うほどでもないが、無駄なものが少ないという印象を受けた。

 家具の配色や、ところどころにあるオブジェや小物を見ると、
住人は女なのかもしれないと内藤は思った。

( ^ω^)「とすると……ツン?
      いや、大穴で僕を襲ってきたあの男の部屋とか……」

 想像するに気持ちの悪いものだった。
そう言えばあの男はどうなったのだろうか。
いや、そもそも内藤自身がどうなったのか。

( ^ω^)「とりあえず怪我が無いか確かめてみるお」

 体を動かすのに苦痛は感じなかったが、
意識していないだけで傷はあったなどと言うことはあるものだ。
それに死人になった時だって、血の跡だけは残っていたのだ。

 内藤は上半身に着ていたものを脱ぐと、
前、後ろともに注意深く確認をした。
もちろん目で確認できる胸や腹も確認をする。

( ^ω^)「……なんともないお」

 続いて内藤は少々躊躇いながらも、
辺りに人の気配が無いことを確認するとズボンを脱いだ。

53 名前: ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 23:10:38.27 ID:E+6HYbv80
 足に怪我は無し。
ズボンもシミ一つ無い様子だった。

( ^ω^)「……しかし、妙な開放感があるお」

 他人の家でパンツ一丁になった内藤は、
体内を爽やかな風が駆け巡るのを感じていた。

( ^ω^)「他人の家でパンツって……パンツってwwww」

 自分の状態を今一度確認すると、
内藤は何故かテンションが上がり、ケラケラと笑い始めた。

( ^ω^)「パンツwwwwwパンツだおwwwwwww」

( ^ω^)「パンツってwwwwwwバカすぎるおwwwwwww
      このパンツも脱いだらwwwwwwwwもwwwwwももももwwwwwww」

川 ゚ ?゚)「目が覚めたか」

(;^ω^)「ひいいいいいいいいいいいい!」

 パンツを連呼してはしゃぐ男に対して、
優先事項四番目くらいの言葉を掛けてきた女に内藤は驚愕した。

( ;ω;)「な、なんで僕がこんなところに居るんだお!」

 そして錯乱し、訳の分からない言葉を吐き捨てながら、
内藤はズボンで股間を隠した。

54 名前: ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 23:12:15.65 ID:E+6HYbv80
川 ゚ -゚)「昨夜道端に倒れているのをたまたま見つけて、
      放っておくわけにもいかないし、私の家に来てもらったんだ。
      ちなみに、誤解の無いように言っておくと、私は脱がせてないぞ」

( ;ω;)「はい、それは勿論! 申し訳ありませんでしたお!」

 内藤は謝りながらズボンを穿き、上着もすぐに着た。
そんな内藤を尻目に、女は手にぶら下げていたビニール袋から、
なにやら食材を冷蔵庫に仕舞い始めた。

川 ゚ -゚)「そうだ。あそこに散らばっていた物は君のだろうと踏んで、
      綺麗で食べられそうなものだけ拾ってきたけれど、食べるかい?」

(;^ω^)「あ、それはどうもご丁寧に……」

 服を着た途端、内藤の中で羞恥心が膨れあがった。
普通逆だろうと自分自身で思いながらも、
内藤はしばらく顔の火照りが収まらなかった。

56 名前: ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 23:15:22.23 ID:E+6HYbv80





 カラメルソースとすっかり混ざりあってしまったプリンを食べながら、
内藤は目の前の女を観察していた。
 ダークブラウンのストレートの髪が肩に丁度掛かるくらいまで伸びている。
フェイスラインはほっそりとしていて、肌は若干青白く、
化粧をしているかどうかは内藤には判断できなかった。

川 ゚ -゚)「コーヒーは飲めるかな?」

( ^ω^)「あ、はい」

川 ゚ -゚)「今フレンチローストの豆しかないが、カフェオレとアイスコーヒー、どっちがいい?」

( ^ω^)「えーと……カフェオレで」

川 ゚ -゚)「ああ、わかった」

 立ち上がる女から僅かに匂ったのは恐らく香水。
トップスは細めのブラックの長袖で、細いチェーンに捕らえられ羽根を散らす鳥が、
簡単な白のアウトラインでプリントされていた。
ウエストシェイプされているのか体のラインが強調されており、
内藤は少しの間そのラインに目を奪われた。

 ボトムスは深いブラウンで、こちらはそれほどタイトな作りにはなっていなかった。
しかし一目見るだけで女が細身であることはわかった。

57 名前: ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 23:19:08.95 ID:E+6HYbv80
 女がキッチンへ向かう後姿を見た後、
内藤はプリンを平らげ、改めて部屋を見回した。

(;^ω^)(僕は今まさしく女の人の部屋に居るんだお……)

 呼吸をする度に鼻腔に香る匂いが内藤の心拍数を上げる。
そして内藤はさっきまで自分が寝ていたベッドと、
そこに眠る女の姿を想像し始めた。

(;^ω^)「……くそっ! なんでもっと味わっておかなかったんだお!」

川 ゚ ?゚)「面白い奴だな。そんなにプリンに執着してる奴は初めて見た」

( ^ω^)「え?」

 見ると女がカップを二つ持って内藤を見ていた。
面白いと言う割に表情は固いままであったが。

(;^ω^)「あ、えーと、プリン大好きなんだお」

川 ゚ ?゚)「そうか。ほら、カフェオレだ」

( ^ω^)「あ、どうも」

 テーブルの上にカフェオレを二つ置くと、
女は再び香水の匂いをさせながらゆっくりと座った。
遅れて香ってきたコーヒーの香りに、内藤は思わず唸った。

58 名前: ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 23:21:20.88 ID:E+6HYbv80
( ^ω^)「おいしそうだお」

川 ゚ -゚)「感想は飲んでみてから言ってくれ」

 それもそうだと内藤はさっそくカップに口を付けた。
   _, ,_
( ^ω^)「……」

 内藤はそのままカップをソーサーに置くと、
スティックシュガーを無言で二本加えた。

川 ゚ -゚)「入れすぎだ」
   _, ,_
( ^ω^)「ちょっと予想外のテイストだったお。
      これミルキーなのに全然甘くないお」

川 ゚ -゚)「よく意味が分からんが、体を壊すなよ」

 忠告を聞きながらスプーンで砂糖を溶かし、
再び口を付けると内藤は笑顔になった。

( ^ω^)「おいしいお」

川 ゚ -゚)「複雑だな。そう、ところで名前は?」

( ^ω^)「あ、内藤ですお」

川 ゚ -゚)「そうか、どうりで。お前があの死人(しびと)か」

(;^ω^)「し……」

59 名前: ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 23:23:43.72 ID:E+6HYbv80
 突然の『死人』という言葉に内藤は戸惑い、返答に窮した。
「しにん」ではなく「しびと」なのだ。
だとしたら目の前の女は誰なのか。敵なのか。
肯定するべきか惚(とぼ)けるべきか。
既に詰まってしまった時点で肯定しているようなものだが、
それでもグレーになら出来る。

(;^ω^)「しびとって……死んだ人ってことかお?」

川 ゚ -゚)「ああ。もう話は聞いているんだろ? お前はどっちに付くんだ?」

 揺さぶられているのか。
モララーに付くといわなければ始末されるとでも言うのだろうか。
内藤はにわかに高まる鼓動に負けそうになりながらも、
なんとか思考を続ける。

(;^ω^)「言っておくけど僕は凡人だお。何の力も無いし、何も知らないし――」

川 ゚ -゚)「別に脅しているわけじゃない。世間話だ」

 そう言って女は自分のカップに口を付けた。
カフェオレに浮いた泡が、女のふっくらとした唇の隙間に静かに吸い込まれていく。
その様子を見ながら内藤はポケットをゆっくり探ったが、何も入ってはいなかった。

川 ゚ -゚)「そうそう、私も内藤と同じ死人だ。名前は……クー」

 自分のグループに居ないのだから、目の前のクーと言う女は敵なのだ。
しかし内藤は抵抗する術を持たず、
ただ事態が悪化しないことを祈ること位しか出来なかった。

60 名前: ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 23:26:35.35 ID:E+6HYbv80
川 ゚ -゚)「私はどちらにも付くことなく、しばらく一人で死人としての生活を送っている」

( ^ω^)「え? それはどういう……」

川 ゚ -゚)「どうもこうも、言葉の通りだ」

 どちらにも付くことなく。
それはすなわちモララーの仲間ではないということであった。
しかしその事実に内藤は却(かえ)って混乱した。

( ^ω^)「えーと……どうして?」

川 ゚ -゚)「何がだ」

( ^ω^)「だって、モララーが嫌いだったらジョルジュに付くし、その逆だってあるし……」

川 ゚ -゚)「どっちかに付かなきゃいけない決まりでもあるのか?」

( ^ω^)「いや……」

川 ゚ -゚)「私は別にどちらにも協力したいと思うほど共感しないだけ、ただそれだけだ」

( ^ω^)「……あ」

 そこで内藤はジョルジュに教えられた第三の勢力の存在を思い出した。
未だ死人ではない、あるいは敵でも味方でもない者。
それは立場が未決定ということではなく、
中立な立場だという意味でもあったのかと始めて気付いたのだ。

61 名前: ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 23:29:20.01 ID:E+6HYbv80
川 ゚ -゚)「二つの敵対したグループが居たとしても、
      別にどちらかが必ず正義というわけでもあるまい」

( ^ω^)「じゃあなんで僕に『どっちに付くか』なんて訊いたんだお」

 その問にクーは目を普段よりも少しばかり開いて、内藤の顔を数秒見つめた。
そして薄く笑うと左手をテーブルの端に突いて体を少し傾けた。

川 ゚ -゚)「そうだな。たしかにそうだ」

 一人納得した様子のクーは、それきりしばらく沈黙した。
互いにただカップの中身を減らすことで時間を潰すだけ。
死人には贅沢な時間だったが、
内藤はカップの中身が無くなると共に今度は自分から問を投げかけた。

( ^ω^)「昨日、僕を運んでくれたのは、クーさんかお?」

川 ゚ -゚)「ああ。そうだ」

( ^ω^)「えーと……その時、僕はどんな感じだったか教えて欲しいお」

川 ゚ -゚)「地面に頭を打ち付けて白目を剥いていたぞ」

( ^ω^)「……地面?」

川 ゚ -゚)「ああ」

(;^ω^)「え? え? だって……えーと、僕の他に人とかは」

川 ゚ -゚)「居たぞ。パーカーの男が」

62 名前: ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 23:32:19.32 ID:E+6HYbv80
(;^ω^)「そ、その人はどうなって……」

川 ゚ -゚)「退治した」

( ^ω^)「退治?」

川 ゚ -゚)「ああ、ちなみにいま玄関に寝ているぞ」

(;^ω^)「……」

 無言で立ち上がり玄関へと向かう内藤。

ヽ('∀`)ノ.......
  (  )........
 ノ  |.............

 居た。

 緩んだ表情で諸手を上げ床に寝そべる男は、間違いなく昨晩内藤を襲った者だった。

(;^ω^)「床って……かわいそ過ぎるお」

川 ゚ -゚)「何言ってるんだ。家の中であるだけでもありがたいものだ。
     君はこいつに突然襲われたんだろ?」

( ^ω^)「それは、まあ……」

川 ゚ -゚)「まあ最後は君が勝手に転んで気を失ったみたいだったが」

(;^ω^)「転んで? ……え?」

63 名前: ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/22(日) 23:34:57.12 ID:E+6HYbv80
川 ゚ -゚)「私が助けに入ってこいつの攻撃を無効化した瞬間、
      君は足の力が抜けたように崩れ落ちて一人で地面に頭を打ち付けたんだ」

(;^ω^)「……? と、言うことは、自滅ですか僕」

川 ゚ -゚)「自滅です」

(;^ω^)「は、恥ずかしいお……」

 頭を抱えて俯く内藤。
顔が熱くなっていくのを感じながら、状況の整理をする。
そして一つ、気になることが浮かんだ。

( ^ω^)「なんで僕を助けたんですかお?」

川 ゚ -゚)「咄嗟に助けなければと思ったからだ」

( ^ω^)「そう、ですかお」

 何か深い理由がありそうだと思っていたわけではないが、
それにしても単純なその理由は内藤を少なからず驚かせた。

('A`)「……んぁ」

 と、突然倒れていた男がうめき声を上げた。

67 名前: ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/23(月) 00:00:23.30 ID:E+6HYbv80
(;^ω^)「……お、起きそうだお」

川 ゚ -゚)「そうだな」

(;^ω^)「そうだな、じゃなくて、何かしないと」

川 ゚ -゚)「何もする必要は無い。こいつは君が思っているほど凶暴じゃない」

( ^ω^)「そうなのかお?」

川 ゚ -゚)「ああ」

('A`;)「う……ゲホッ! ゲホッ! う〜……」

( ^ω^)「咳き込んでるお」

川 ゚ -゚)「水でも持ってくるか」

 台所へと向かったクーを尻目に、内藤は倒れたままの男の様子を窺い続けた。

('A`)「……」

( ^ω^)「……」

('A`)「……ん。……んんっ!」

 咳払いのような声を出して、男は手のひらで顔を拭い始めた。

68 名前: ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/23(月) 00:02:58.10 ID:gsqUxCYt0
('A`)「ん〜……ん? ……」

('A`;)「え!?」

 飛び上がるようにして四つん這いになると、
素早く辺りを何度も見回し、最後に内藤と目があった。

('A`)「……」

(;^ω^)「……」

川 ゚ -゚)「水を持ってきたぞ。ほら、飲め」

 緊縛した空気もまるで気にせず、クーは男にグラスを差し出した。

('A`)「……なんで?」

川 ゚ -゚)「咳き込んでいたからだ」

('A`)「そうじゃなくて、なんで俺がここに居るのかって」

川 ゚ -゚)「私がお前を倒したからだ」

('A`)「倒してない。なんで俺をここに連れてきた」

川 ゚ -゚)「それは私の勝手だ」

('A`)「……敵じゃなかったのか」

69 名前: ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/23(月) 00:06:34.29 ID:gsqUxCYt0
 呟くと男は立ち上がり、パーカーのカンガルーポケットをまさぐると、
イヤホンを引き出して耳に着けた。

('A`)「……帰る」

川 ゚ -゚)「そうか」

(;^ω^)「いやいやいや!」

 フードを被り部屋を出て行こうとする男を、内藤が慌てて呼び止めた。

(;^ω^)「えーと、その、そうだ、なんで僕を襲ってきたんだお」

('A`)「……」

 しかし男は何も答えることなくそのままドアを開けて出て行ってしまった。

( ^ω^)「……」

川 ゚ -゚)「水飲むか?」

( ^ω^)「いらないお」

川 ゚ -゚)「ふう、お前は人気がないなあ」

 グラスに語りかけるクーの傍らで、
内藤は男が何を考えていたのかだけを、ずっと考えていた。

70 名前: ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/23(月) 00:09:45.94 ID:gsqUxCYt0





( ^ω^)「――という事があったんだお」
  _
( ゚∀゚)「つまり、夜道で地面に頭をぶつけりゃ美人に拾われると」

ξ゚听)ξ「別に美人なんて言ってないでしょ」

( ^ω^)「いや、結構美人だったお」
  _
( ゚∀゚)「ほれ見ろ。俺の美人センサーに狂いはねえ」

ξ゚听)ξ「あっそ」

 あれからすぐにクーの部屋を後にした内藤は、
そのままジョルジュの家に向かった。
そして幸運なことに二人と再会し、これまでの経緯を説明した。
  _
( ゚∀゚)「冗談は置いといて、大変だったな」

( ^ω^)「うかうか外も歩けないお」

ξ゚听)ξ「それで、その子どうするの?」
  _
( ゚∀゚)「どうするって?」

72 名前: ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/23(月) 00:12:25.94 ID:gsqUxCYt0
ξ゚听)ξ「仲間に誘ったりとか」
  _
( ゚∀゚)「いやー、無理でしょ。
    俺たちの事よく知ってるようなのに、何もアクション取らないんだから」

ξ゚听)ξ「珍しく消極的ね」
  _
( ゚∀゚)「いや、まあな」

 表情を変えずに、首の後ろをニ三度掻くと、
ジョルジュはそのまま黙ってしまった。

ξ゚听)ξ「別に良いけどね。あっちの戦力は大分減ったわけだし」

( ^ω^)「あ、まさか倒したのかお?」

ξ゚听)ξ「いや、倒したって言うか、敵じゃなくなった?」

( ^ω^)「味方でもなく?」

ξ゚听)ξ「何だろうね。最近そういうスタンスが流行ってるのかな」

 中立勢力の増加、あるいは敵が増えたとも取れる。
今でこそ、各々の規模は微々たるものだが、
もし今よりも数十、数百倍の規模にまで拡大したなら、
もはやモララーが云々という事態ではなくなってくるだろう。

73 名前: ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/23(月) 00:14:41.42 ID:gsqUxCYt0
( ^ω^)「これから先、例えばジョルジュやモララーの、あるいは他のグループも、
      数十人とか数百人の規模になったら、戦争みたいになっちゃうのかお?」

ξ゚听)ξ「う〜ん……そしたら私は女王様ね」
  _
( ゚∀゚)「じゃあ俺殿様!」

ξ゚听)ξ「あんたバカ殿ぴったりね」
  _
( ゚∀゚)「喰らえ! ちょんまげビーム!」

 ケラケラと笑うツンに、真顔でとさかのように(本人はちょんまげを意識しているのだろうが)
手のひらを頭の上に乗せるジョルジュ。

(;^ω^)「……」
  _
( ゚∀゚)「どうした、爺」

(;^ω^)「いや、なんでここまで楽天的になれるのかなって」

ξ゚听)ξ「ま、コイツはちょっと異常だよね」
  _
( ゚∀゚)「おいおい、俺だけかよー。
     んー、ま、最初はそんなもんだ。お前も多分何かしらの力が発現すれば楽になる。
     それまでは俺がビシッと守ってやるからまかしとけ」

(;^ω^)「うーん……」

 男にそんなことを言われても嬉しくないなあと思いながら、
内藤はそれでもなんとなく納得をした。

74 名前: ◆CftG3KV7X3mq :2010/08/23(月) 00:19:14.61 ID:gsqUxCYt0
ξ゚听)ξ「そう言えば、この力ってどうなってんだろ?」
  _
( ゚∀゚)「どうなってんだろって?」

ξ゚听)ξ「いや、私とジョルジュの力は違うじゃん。
      当たり前といえば当たり前だけど、みんな何が原因で違うんだろうって」
  _
( ゚∀゚)「さあ? 個性? 運? そんなの俺とお前の顔が違うようなもんじゃねえの」

ξ゚听)ξ「あ、なんかジョルジュのくせにそれっぽいこと言っててムカつく」
  _
( ゚∀゚)「まあ、なんとなく思う節はあるんだけど……まだ良くわかんないって感じだな」

ξ゚听)ξ「なになに?」
  _
( ゚∀゚)「ひ、み、つ」

ξ゚听)ξ「え、キモイ」

(;^ω^)「……はあ」

 結局何一つ前に進まない会議だったが、
それでも今の内藤はそれをどうにかする知識も経験も力も、
まるで持ち合わせていなかった。





76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/23(月) 00:24:08.33 ID:gsqUxCYt0
明日月曜なのでここら辺で止めておきます。
これから先をもう一度練り直したいので、次は早くて一週間後くらいかと思います。
投下すると刺激で先が開けますね。

支援本当にありがとうございました。
後半gdって申し訳ない。

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