- 28 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:17:00.85 ID:Ki30QSHu0
- 第二話
そんな楽しいこと、悲しい事、怒られたり誉められたりを繰り返して、ブーンはあと一ヶ月で中学生になる。
( ^ω^)「うう・・なんか制服買うだけでも緊張するお」
ξ゚听)ξ 「なーに緊張してんのよっ!そんなんじゃ中学生活乗り越えられないわよ!?」
思い切り母親に背中を叩かれたブーン。その背中を痛そうにさすりながら、
(#^ω^)「いてーお!かーちゃん!別に緊張するのは普通なんだお!」
それは当然だ。誰でも新しい環境に入ることは緊張して当たり前だ。
- 29 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:18:48.42 ID:Ki30QSHu0
- ξ゚听)ξ 「私はすぐに緊張するような息子に育てたおぼえはないわ!!」
(;^ω^)「ちょwwwwwひでぇwwww」
この家族、おばあちゃんも含め全員仲が良かった。普通の家族から見れば羨ましいにも程があるくらいに。
ξ゚听)ξ 「ほーら、ついたわよ?早くするする!!」
( ^ω^)「ちょ、あんまりせかさないでくれお」
二人は制服屋へと入っていった。まわりを見回せば、色々な中学、高校の制服が並んでいた。
ラウンジ中学、ニュー中学、最悪中学・・色々と中学を探していたブーンにとっては知ってる中学ばかりだった。
- 30 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:19:22.39 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「・・お。あったお、これが僕の行く中学、VIP中の制服かお」
( ^ω^)「見たところ普通の学ラン・・パッとしねーお」
( ^ω^)「もっとかっこいいの着たいんだお」
そう言った瞬間、また背中に衝撃が走り、思わずよろけてしまったブーン。
ξ゚听)ξ 「わがまま言わない!中学いけるだけでいいと思う!世の中には学校行きたくてもいけない人がいるのよ!?」
( ^ω^)「いてーっつってんだお!そんな強い力でたたくんじゃねーお!!このツンデレ母親!!」
プチッ。何かが切れる音がした。
- 31 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:20:36.41 ID:Ki30QSHu0
- ξ゚听)ξ 「・・いま、なんつった?」
ブーンの背筋に悪寒が走る。言ってはいけないことを言ってしまったらしい。
(;^ω^)「い、いえ・・何も・・いってないですお」
店長「そんなことよりこの制服を見てくれ。こいつをどう思う?」
( ^ω^)「・・凄く、丁度いいです」
店長「いい事考えた。お前、この制服を買え。これVIP中学のだから」
ξ゚听)ξ 「ありがとうございます。わざわざピッタリの用意してくれて・・」
店長「いいんですよ。現物がもうここにあるんで、今日持ってちゃってください」
- 32 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:21:20.28 ID:Ki30QSHu0
- 親切な(?)店長さんのおかげで二人はあまり時間をかけずに制服屋を後にした。
ξ゚听)ξ 「じゃあブーン、必要なものを買って帰りましょうか?」
ツンがそういった瞬間に、兄弟がブーンの横を通りすぎる。その姿を羨ましそうに見つめるブーン。
( ^ω^)「僕にも・・兄弟がいたらいいお」
ブーンは一人っ子だった。だから仕事に忙しい父、母はあまり構ってはくれなかった。
そのせいで寂しい思いをしていたようだが、それを支えてくれたのは彼のおばあちゃんの存在だったのだ。
- 35 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:23:24.39 ID:Ki30QSHu0
- ξ゚听)ξ 「・・ごめんね。お父さんと私が忙しくて」
( ^ω^)「い、いいんだお!大丈夫なんだお!!」
無理に笑顔を作って見せたブーン。その笑顔がツンにとっては凄く辛いようなものに見えて仕方なかった。
( ^ω^)「それに・・僕にはおばあちゃんがいるお。おばあちゃんは優しいから大好きなんだお。だから兄弟はいなくても平気だお」
その言葉に嘘は無かった。ツンはそれでも複雑な表情を浮かべたまま・・
ξ゚听)ξ 「ならよかったわ。ブーン、中学も頑張りなさいね?」
( ^ω^)「うん、頑張るお!だから心配しなくていいお!」
- 37 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:24:03.31 ID:Ki30QSHu0
- ブーンはおばあちゃんのおかげもあってか、昔のわがままな姿はもう微塵も残していなかった。
ξ゚听)ξ (この子を育ててきたのは実質、母さんなのよね・・)
ツンには複雑な思いがあった。確かにこの子を産んだのは自分。でも忙しくてほとんど構ってあげられない。
だから世話を見るのはいつも母・・だったら自分はなんなのだろうか?
そう考える機会が多くなっていた。
( ^ω^)「どうしたんだお?カーチャン」
ξ゚听)ξ 「う、ううん。なんでもないわ。早くいきましょう?」
どうやらブーンに見破られてしまっていたようだ。少し恥ずかしくなって、俯いたツン。
- 38 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:26:02.37 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「・・・・?」
何故そんな様子をしているのかはブーンに分かるはずなかった。
( ^ω^)「ばあちゃんに制服着て、見せるの楽しみなんだお!!」
ξ゚听)ξ 「そうね、カッコよく着て、おばあちゃんを驚かすのよ?」
( ^ω^)「おっおっおっ!わかってるお!カーチャン!!」
ξ゚ー゚)ξ 「ふふっ」
ξ゚ー゚)ξ (もう中学生なんだよね。ブーン・・あっという間に大きくなったね)
なんだか感傷に浸ってしまうツン。この前までは小学生だった息子が、もう制服を着ている。それだけでなんだか息子が大人っぽく見えていた。
- 39 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:26:34.63 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)(そういえば、この制服のお金を出してくれたのも、おばあちゃんなんだお)
( ^ω^)(僕はおばあちゃんにお世話になりすぎなのかお・・?)
ブーンの心の中にも何か葛藤が生まれていた。それは自分がある程度大きくなれば必ずぶつかる悩みなのかもしれない。
( ^ω^)(帰ったらバーちゃんにきいてみるかお)
ツンと一緒に買い物してる間もずっとおばあちゃんのことを考えているブーンだった。一方、家では・・
- 40 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:28:27.24 ID:Ki30QSHu0
- ('、`*川「お父さん、今日、ブーンが制服を買いにいったよ」
('、`*川「私はまだ元気みたい。だからまだまだブーンのことは見守ってあげられるわ」
なんだが声に明るさが無い。彼女が夫に話し掛ける時はいつもこうなるのだが。
('、`*川「子どもの成長は早いものね・・ツンもそうだったけど」
('、`*川「もうブーンも中学生なんだよ?ホント、早いよ」
夫の遺影が彼女を真っ直ぐと見つめている。まるで何かを語りかけているように。
- 41 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:28:52.87 ID:Ki30QSHu0
- ('、`*川「ブーンもすぐに一人立ちしていくんだろうね・・私、なんか複雑で」
('、`*川「今のままでいいのかなって思うの・・」
遺影に語り掛けたところで答えは出てこない。たださっきと変わらずに真っ直ぐと見つめ続けるだけだ。
('、`*川「私がブーンから離れることが出来ないかもしれない・・ツンの時みたいに」
('、`*川「・・でも同じ過ちは繰り返さないよ。私、頑張る」
ペニサスは、ツンがお嫁に行くのを必死に引き止めた経歴がある。
その原因は、とても熱い親心故に、素直にツンがお嫁に行くのを認められなかったからだった。
その時は、夫が、必死にペニサスを説得した。
- 43 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:30:17.64 ID:Ki30QSHu0
- ('、`*川「あっ・・もうこんな時間。夕飯の準備をしないとね」
('、`*川「それじゃ、あとでね。あなた」
それだけ言い残し、ペニサスは台所へと降りていった。きっと二人はいつもより遅くなる。そう感じて。
('、`*川「・・一人のこの台所って凄く静かね」
思わずブーンに同情したくなるくらい、寂しい部屋。家族が一人もいない時の寂しさも倍増する。
('、`*川「じゃあ今日はカレーにしようかな」
カレーはペニサスの得意料理だった。その味は家族にも非常に評判が良かった。
('ー`*川「今日はブーンの制服記念日でもあるから、いつもより頑張ろうかしらね」
- 44 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:31:50.36 ID:Ki30QSHu0
- ペニサスは張り切って、調理を開始した。さすがに何十年も主婦をやってきているので包丁さばきから全て手際が良かった。
ある程度作業を進め、もう少しで出来そうなところに・・
( ^ω^)「ただいまだおー!!おっ!今日はカレーかお!!」
ξ゚听)ξ 「ただいま、お母さん」
('、`*川「お帰り、二人とも。もうすぐ出来るから待っててね」
( ^ω^)「wkwksn」
ブーンはペニサスのカレーが大好きだった。だからカレーの日は非常にテンションが高くなる。
( ^ω^)「ショウヘイヘーイ!今日はばーちゃんのカレーだお!セイセーイ!!」
彼のテンションは某ホモ芸人と似たような物になってきた。
- 45 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:32:28.82 ID:Ki30QSHu0
- ξ゚听)ξ 「こらっ!カレーが楽しみなのは分かるけど、静かにしなさい!!」
ツンに怒られ、ブーンはなんとか上がるテンションを押さえる。
('、`*川「はい、出来たよ!」
( ^ω^)「わーい!あ、食べる前にテレビつけとくお!」
今日は「チャーハン作るよ!」の再放送日。再放送ながら、未だに高い人気を誇っているTVだ。
( ^ω^)「はふはふ・・ばーちゃんのカレーおいしいお!!」
そういいながら、TVを覗きこむブーン。
- 46 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:32:51.04 ID:Ki30QSHu0
-
, --- 、i_
__, '´ ヽ、
',ー-- ⌒ヽ ヽ、<ぼくはカイルです。分からないことがあったら
`"'ゝ、_ ', なんでも質問してください。
〈`'ー;==ヽ、〈ー- 、 !
`ー´ ヽi`ヽ iノ
∧,,∧ ! /
(;`・ω・) 。・゚・⌒) r'´、ヽ
/ o━ヽニニフ)) `´ヽノ
しー-J <どうすればこぼさずにチャーハンが作れますか?
( ^ω^)「おっおっ、カイル君なんていうんだお?」
- 47 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:34:58.24 ID:Ki30QSHu0
- __, '´ ヽ、
',ー-- ⌒ヽ ヽ、<質問の内容がわかりませんでした。
`"'ゝ、_ ', もう一度分かりやすい言葉で
〈`'ー;==ヽ、〈ー- 、 ! 質問して下さい。
`ー´ ヽi`ヽ iノ
! /
∧,,∧ ショボーン r'´、ヽ
( ´・ω・) `´ヽノ
c(,_U_U ・゚・。・ ゚・。・゚・ 。・゚・
- 48 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:35:12.06 ID:Ki30QSHu0
- / \ /\ キリリッ
. / (ー) (ー)\
/ ⌒(__人__)⌒ \ <質問の内容がわかりませんでした。
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\ `ー'´ /
ノ \
/´ ヽ
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ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、.
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
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ミ ミ ミ o゚((●)) ((●))゚o ミ ミ ミ
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| / / / |r┬-| | (⌒)/ / / // だっておwwwww
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ヽ / `ー'´ ヽ / / バ
| | l||l 从人 l||l l||l 从人 l||l バ ン
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、 ン
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
- 49 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:35:37.64 ID:Ki30QSHu0
- ξ゚听)ξ 「ブーン!!ご飯中なのにうるさいよ!静かにしなさい!!」
( ^ω^)「おっおっwwwwwwwごめんなさいお。あんまり面白くて・・」
('、`*川「そうよ、ブーンちゃん。静かにしなさい」
( ^ω^)「ごめんなさいお・・」
結局、二人に怒られてしまい、しょげてしまうブーンだった。
( ^ω^)(チャーハン作るよ!はご飯の時は見ちゃいけないお・・)
そう心にとめておくブーンだった。
- 51 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:37:38.98 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「おっおっ、ばーちゃん、手伝うお!!」
('、`*川「あら、ブーンちゃん。ありがとね」
ブーンは今日の自分が考えた事を聞く為にも、食器洗いを手伝う事にした。
('、`*川「あ、その食器はそっちに置いてね」
( ^ω^)「わかったお」
( ^ω^)「・・あの、ばあちゃん?」
('、`*川「なぁに?ブーンちゃん?」
- 52 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:40:00.04 ID:Ki30QSHu0
- ブーンは一瞬聞こうかどうか悩み、沈黙した。だが、すぐに口を開く。
( ^ω^)「あ、あの・・僕、ばあちゃんに頼りすぎてないかお?」
( ^ω^)「いつも遊んでもらって・・料理してもらって・・おこずかいももらって・・」
( ^ω^)「もう中学生なのに・・いいのかお?」
まだ中学生になる直前なのに、妙にブーンの考え方は大人びていた。
('、`*川「ブーンちゃん・・?」
( ^ω^)「?」
- 53 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:40:25.81 ID:Ki30QSHu0
- ('、`*川「ブーンちゃんはまだ中学生じゃない。そんなこと気にしなくてもいいのよ」
( ^ω^)「なんでだお?」
('、`*川「だって・・まだ子どもなのよ?そういうことはもっと歳を取ってから考えればいいの」
ブーンはペニサスを見つめ続ける。
('、`*川「子どもは勉強と遊ぶことを頑張ってれば、それでいいのよ。ブーンちゃん。頼りすぎとか・・そんな事はいいの」
('、`*川「それに親は子どもに頼られれば普通は嬉しいものよ。実際、私は頼られたら嬉しいもの」
( ^ω^)「そうなのかお・・?」
- 54 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:41:34.21 ID:Ki30QSHu0
- ('、`*川「うん!だからそんな心配しなくていいのよ」
( ^ω^)「・・・・・うん。ありがとうだおバーちゃん」
その言葉を聞いてなんだが安心したような表情を見せるブーン。
('、`*川「まぁ・・お返しは大きくなって、自分で仕事できるようになったらしてくれればいいわよw」
冗談めかしに言うバーちゃん。だがブーンは、
( ^ω^)「わかったお!僕、沢山働いてばーちゃんに恩返しするんだお!!」
本気にしてしまったらしい。ちょっとペニサスは困った顔をして、
- 55 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:41:53.49 ID:Ki30QSHu0
- ('、`*川「う、うん。頼んだわね」
自分の言った事を訂正できずに、そのまま返答を返してしまった。
('、`*川(本当はそんな気なかったんだけどな)
自分の言動を少し後悔してしまったペニサスだった。
( ^ω^)「あっ、そうだお!ばーちゃん!ちょっとここで待っててお!」
食器洗いが終わると、すぐに自分の部屋へと走り去ってしまうブーン。
('、`*川「なにかしら・・?」
5分ほど待った時、ドアを叩く音がする。
- 56 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:42:12.54 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「ばーちゃん、はいるおー!!」
そしてドアが開いた。そこにいたのは制服姿のブーンだった。
( ^ω^)「ちゃんとした制服姿は一番最初にバーちゃんに見せるってきめてたんだお」
その姿を見て思わず、顔がほころぶペニサス。
('、`*川「・・凄くよく似合ってるわ。ブーンちゃん」
(*^ω^)「ホントかお!?嬉しいお!バーちゃん!!」
ペニサスは自分に一番最初に制服姿を見せたいという言葉が凄く嬉しかった。
一方のブーンも似合ってると言われ、凄く嬉しそうだ。
- 57 :閉鎖まであと 2日と 11時間:2007/01/21(日) 09:42:27.01 ID:Ki30QSHu0
- ('、`*川「入学式・・そろそろでしょ?中学も楽しくなるといいわね」
( ^ω^)「大丈夫だお!!バーちゃん!!」
そう言って、これ以上制服姿を見られるのが恥ずかしくなったのか、ドアを開いて自分の部屋にいってしまうブーンだった。
('、`*川「・・きっとブーンちゃんなら楽しくできるわ。私ならわかる」
それだけ言い残して、リビングへ向かっていったペニサス。
ペニサスの予言通り、ブーンは素晴らしい入学式を迎える事が出来たのだった。
ブーンの中学生活が幕を開ける。
第二話 完
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