第5話

341 : ◆qvQN8eIyTE :2007/03/02(金) 22:46:30.06 ID:hSecLXUh0
(´・ω・`)「じゃあ続きを話そうか」

やっと思い出せたブーンを見据え、マスターは本題に戻る。

(´・ω・`)「『相対の設定』以外にもまだ色々と設定はあるよ。
      僕が今のところわかるのは『能力の設定』と『機能の設定』くらいだけどね」

( ^ω^)「kwsk頼むお」

(´・ω・`)「わかった。まずは『能力の設定』だね。」


342 : ◆qvQN8eIyTE :2007/03/02(金) 22:47:33.05 ID:hSecLXUh0
(´・ω・`)「パラメーターという言葉を知っているかい?」

ブーンはその小さな脳みそをフル活用させ、自分の脳の単語帳にその言葉が載っているのを確認した。

( ^ω^)「そんなの常識だお。なめてもらったら困るぜバーローwwww」

(´・ω・`)「ぶち殺すぞ」

(;^ω^)「サーセンwwwwwww」

(;^ω^)(またこのコンボをやってしまったお)

343 : ◆qvQN8eIyTE :2007/03/02(金) 22:48:19.67 ID:hSecLXUh0
(´・ω・`)「まぁ君の知っている通り、ゲームとかでHPやら攻撃力やらを表示するあれだよ。
      あれなんかはまさに『能力の設定』によって決められている物だね」

( ^ω^)「そんなのがこの世界にもあるのかお?」

(´・ω・`)「あぁ、君のその異常なほどの頭の弱さも『能力の設定』によって決められている」

(;^ω^)「ちょwww何気にヒドスwwww」

344 : ◆qvQN8eIyTE :2007/03/02(金) 22:48:42.66 ID:hSecLXUh0
文句を言うブーンをスルーして、ショボンは話を続ける。

(´・ω・`)「つまりは人それぞれ、バラバラの能力を決めているのが『能力の設定』なんだよ」

スルーされ慣れているブーンは、シカトされたことを大して気にも留めずショボンに尋ねる。

( ^ω^)「ってことはその設定をいじくれば、僕が奇跡の天才村人Aになったり超絶イケメンになって脱童貞できたりするのかお?」

(´・ω・`)「うるさい」

(;^ω^)「……」


346 : ◆qvQN8eIyTE :2007/03/02(金) 22:49:05.19 ID:hSecLXUh0
(´・ω・`)「そして最後に『機能の設定』だ。これは特に便利な物だから覚えておいた方が良いよ」

( ^ω^)「把握した。でも、覚えていられるか不安だお」

(´・ω・`)「その機能してるかわからない脳みそにも役に立つ物だから」

(;^ω^)(なんかショボンさん果てしなく毒舌だお)

347 : ◆qvQN8eIyTE :2007/03/02(金) 22:49:26.38 ID:hSecLXUh0
(´・ω・`)「とりあえず目を瞑ってもらいたい」

( −ω−)「これで良いかお?」

(´・ω・`)「あぁ、それでコマンドを呼び出してごらん」

(;−ω−)(コマンド?何のことだお?)

(´・ω・`)「しばらく待てば浮かんでくるかな」

( −ω−)「アッー!なんか見えてきたお」


348 : ◆qvQN8eIyTE :2007/03/02(金) 22:50:04.96 ID:hSecLXUh0
初めに見えてきたのは縦長の長方形。
何かが書いてあるようだが、靄が掛かっていてよく読めない。

( −ω−)「この四角がどうかしたのかお?」

(´・ω・`)「そのままで待っていてごらん」

だんだんと靄が晴れていく。
そこにあったのは文字の羅列。

350 : ◆qvQN8eIyTE :2007/03/02(金) 22:50:32.58 ID:hSecLXUh0
( −ω−)「なんか四角の中にいろんな文字が見えるお」

(´・ω・`)「それが『機能の設定』の姿だよ」

( −ω−)「これが『機能の設定』……」

(´・ω・`)「うん、それじゃあカーソルを動かしてもらいたい。
      文字の左側に小さな三角が見えるだろう?それがカーソルだよ」

(;−ω−)(動かし方がわからんお……)

とりあえずブーンは念じてみた。
動け。下へと動け。
すると、その小さな三角形はブーンの念に反応して文字の羅列の中を下っていく。


351 : ◆qvQN8eIyTE :2007/03/02(金) 22:51:02.54 ID:hSecLXUh0
( −ω−)「動かしたけど、そこからどうすればいいんだお?」

(´・ω・`)「そこらへんはセーブ方法説明検定1級の村人Bに聞いてごらん。それが彼の仕事だから」

(;−ω−)「なかなかこの人は投げ遣りな人だお」

(´・ω・`)「まぁ気にしないでほしい。村人Bの仕事を奪ったら悪いからね」

( −ω−)「把握したお」


354 : ◆qvQN8eIyTE :2007/03/02(金) 23:03:09.57 ID:hSecLXUh0
(´・ω・`)「それじゃあ『キャンセル』ってところにカーソルを合わせてこっちの世界に戻ってきて欲しい」

( −ω−)「おk」

カーソルを一番下まで持って行く。
そこには『キャンセル』が待ち受けていた。
そこにカーソルを合わす。
すると耳の奥から微かにピピッと電子的な音がしたかと思うと、縦長の長方形はその姿を崩して消えていってしまった。

356 : ◆qvQN8eIyTE :2007/03/02(金) 23:03:40.36 ID:hSecLXUh0
( ^ω^)「ただいまだお」

(´・ω・`)「おかえり。今のところ僕が知っている設定はこれくらいかな」

( ^ω^)「ありがとうだお。でも、まだもっと知りたいんだお」

(´・ω・`)「……」

(´・ω・`)「今日の明け方に君とすれ違いでここに来て、君と同じように設定についての情報を求めたお客さんがいるよ」

( ^ω^)「ん?それがどうしたんだお?」

それが……
そう呟きマスターは話を続ける。

357 : ◆qvQN8eIyTE :2007/03/02(金) 23:04:20.30 ID:hSecLXUh0
(´・ω・`)「僕は君と同じようにそのお客さんに僕の持っている全ての情報を伝えた。
      でも、彼は今君に伝えた情報だけじゃ不満そうだったんだ」

( ^ω^)「だけどショボンさんの話は僕にとっては全部初耳で新鮮そのものだったお」

(´・ω・`)「彼は連絡先を書いたメモ帳を僕に渡してきてこう言ってたよ。
     『設定について新しい情報が入ったら教えてくれ』って」

そういってマスターは村人に一枚のメモ帳を手渡す。
ブーンがそれに目を通している間にショボンはひたすら何かを描き始めている。


358 : ◆qvQN8eIyTE :2007/03/02(金) 23:05:36.71 ID:hSecLXUh0
(´・ω・`)「たぶん彼も設定についてかなり調べているんじゃないかな。僕の提示した情報も全て知っていたらしいし」

手を休めずに彼は話し続ける。

(´・ω・`)「きっとこういうことだろうね。彼はある理由でずっと設定のことを調べていた。たぶん相当な量を調べていたんだろう。
      そしてここでも情報を集めようと僕の元を尋ねてきた。しかし、そこでは新しい情報は得られなかった」

(´・ω・`)「つまり彼の元へ行けば逆に設定についての情報がかなり得られると思うよ」

( ^ω^)「いっつあみらくるだお」



(´・ω・`)「よし……描けた」

そしてマスターは遂に何かを描き上げ、それを客人に見せる。

359 : ◆qvQN8eIyTE :2007/03/02(金) 23:06:18.34 ID:hSecLXUh0
【(,,゚Д゚)】

厳しく冷たい、それでいてどこか寂しげな目付きをした男がその紙の中にいた。
それは絵だとしても、どこかもの悲しい雰囲気を漂わす程の男だった。

(´・ω・`)「これがそのお客さんだよ。そのメモに書いてある住所へと行けば設定について更にわかるんじゃないかな」

(;^ω^)「ちょっと怖そうな人だお……でも設定について知るには行くしかないんだおね」

(´・ω・`)「そうだね。でも、行く前に必ず村人Bの所へ行って『機能の設定』の活用法について聞いておいた方が良い」

( ^ω^)「色々とありがとうだお。それじゃあまた来るお」

(´・ω・`)「もう来るなバーローwwww」

( ^ω^)「ぶち殺すお」

(´・ω・`)「サーセンwwwwwww」

(;^ω^)(この人実はこの流れ好きなんじゃ……)

360 : ◆qvQN8eIyTE :2007/03/02(金) 23:07:03.03 ID:hSecLXUh0
そして村人Aは穏やかな空気が支配するバーボンハウスのドアから、闇が支配する夜の村へと出た。
明日はまず古くからの友人の元へ行こう。
例え仕事中でも彼となら意思疎通できる。
この足が設定の物となり、自分の意志で動かせなくとも必ず近付き会話できるチャンスはあるはずだ。

そして話が聞けたら例の怖そうな人の元へと行こう。
それは業務時間が終わってからかな。
ってことは夜か……
なら用心のために『あれ』を持っていこう。


362 : ◆qvQN8eIyTE :2007/03/02(金) 23:07:51.53 ID:hSecLXUh0
ブーンの中には明日何かをやり遂げるという妙な緊張感が渦巻いていた。
それは新たな出会いへの予兆だったのかもしれない。
そして、その出会いが彼の中の設定への挑戦心に更に火を付ける事になろうとは知るはずもなかった。
ブーンも、ドクオも、ショボンも、ジョン達とかも。


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