【第27話:湧出】
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 23:12:07.04 ID:uPHkaUcAO
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【第27話:湧出】
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 23:12:50.60 ID:uPHkaUcAO
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闇が広がる空間、生物の鼓動のような音だけが響き渡る。
暗い
何も見えないな
でも、良いんだ……
苦しみも、喜びも、悲しみも、怒りも
何もない、何もしなくていい世界
僕はそれだけを……
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 23:15:31.44 ID:uPHkaUcAO
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(-_-)『ただ、邪魔なものが多すぎるんだよね……』
ヒッキーの呟きと共に周囲の闇が掻き消えて、雲一つ無い空と広大な雪原が映りだす。
異様な空間の中で、浮かぶヒッキーと、その周囲をゆっくりと回る棺桶。
下の方へ視線を向け、こちらに向かって来ている豆粒のような青い物体を見つめる。
そう言いながら右腕を前へ向ける。
(-_-)『まぁ、邪魔な事には変わらないか……』
ノアの外殻から棘のような突起が無数に突き出し、それらが一斉に放たれた。
−−−
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 23:19:25.73 ID:uPHkaUcAO
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(;゚∀゚)『っ……!』
( ´_ゝ`)『あらよっ!』
(´<_` )『そらよっ……』
左右から流石兄弟のジュナミスが襲い掛かる。
兄者は素早く、弟者は重く威力のある攻撃を繰り返す。
一方を避けたとしても、もう一方が僅かな隙を突いてくる。
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 23:20:37.99 ID:uPHkaUcAO
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(;゚∀゚)『クソったれ……』
右腕を失い、左腕だけで満足に防御する事も出来ず、反撃する事もままならない。
( ´_ゝ`)『ちょっと物足りない気もするな……』
(´<_` )『兄者が言い出したんだろ?』
( ´_ゝ`)『んー……』
(´<_` )『何考えてんだ?』
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 23:21:36.58 ID:uPHkaUcAO
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( ´_ゝ`)『ジョルジュよぉ』
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( ゚∀゚)『あん?』
( ´_ゝ`)『ハンデくれてやる』
(´<_`;)『ちょっ、何言い出してんの!?』
- 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 23:24:27.49 ID:uPHkaUcAO
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( ゚∀゚)『アホかお前何を……。 む……、ちょっと良いか?』
( ´_ゝ`)『なんだ?』
(´<_` )『……?』
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( ゚∀゚)『いや……、ノアから何か飛んでくるぞ?』
( ´_ゝ`)『んぁ?』
(´<_` )『何だアレ……』
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 23:27:09.63 ID:uPHkaUcAO
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ノアから放たれた無数の棘のような物が飛来してくる。
( ´_ゝ`)『弟者……、アレは俺らに命中するか?』
(´<_` )『速度、距離、角度。当たりはしないが……』
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( ゚∀゚)『何だ?』
スコーピオやジュミナスを囲むように地面に次々と突き刺さっていく。
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 23:27:34.73 ID:uPHkaUcAO
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( ´_ゝ`)『おぉ、マジで当たらないわ』
(´<_` )『逆に命中しないのが不自然過ぎるぞ兄者……』
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( ゚∀゚)『これ、動いてないか……?』
周りを取り囲む棘が微かに蠢きだし、徐々に亀裂が走っていく。
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- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 23:31:21.93 ID:uPHkaUcAO
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(;゚Д゚)『粗方片づいたか……?』
辺り一面に広がる黒い残骸を見渡す。
川;゚ -゚)『動いているヤツより残骸の方が僅かに多いようには見えるが……』
飛びかかる無人機を切り払いながらクーが返す。
川;゚ -゚)『まだ数千は居るんじゃないかこれは?』
その時、バーボンハウスのレーダーには無人機以外に無数の物体が映り出していた。
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 23:31:58.27 ID:uPHkaUcAO
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ξ;゚听)ξ「何よ、コレ……」
(´・ω・`)「どうした?」
ξ;゚听)ξ「ノアから、何かが飛来してきます!!」
(´・ω・`)「!?」
レーダーがメインモニターに映し出される。
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 23:32:40.07 ID:uPHkaUcAO
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白い光点がバーボンハウス、それを取り囲むように無人機を表す赤い光点で埋め尽くされている。
その所々にバーボンハウス所属の機体を表す青い光点。
そして、ノアから高速で迫る無数の物を表す黄色い光点が映し出されていた。
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- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 23:34:08.35 ID:uPHkaUcAO
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地面に突き刺さった棘が、卵から雛が孵るように次々と割れていく。
( ´_ゝ`)『うはwwwグロいwww』
(´<_` )『何か出てくるぞ……』
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( ゚∀゚)『……』
外郭を突き破り、血のように赤い腕が突き出した。
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- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 23:36:41.68 ID:uPHkaUcAO
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ノハ;゚听)『ッ……!?』
突如飛来した無数の棘に周囲を取り囲まれ、ノアへの道を塞がれた。
ノアは目と鼻の先だというのに……。
刺さった棘の中から、流線型のフォルムの赤い機体が計7体次々と這い出してきた。
そのシルエットはBキャンサーに酷似している。
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 23:41:57.22 ID:uPHkaUcAO
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ノハ;゚听)『何の冗談だこれ、FOXの資料室で見た試作型無人機……。
レッドキャンサーまんまじゃないのさ!?』
身構えると同時に正面のRキャンサーが飛びかかって来た。
ノパ听)『このっ……!』
正面のRキャンサーの胸部を左のカウンターで叩き潰し、右腕で首を掴んで持ち上げる。
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 23:45:44.41 ID:uPHkaUcAO
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ノハ#゚听)『だがっ! 無人機ぐらいじゃ止まらない!!
フルパワーだ、こぉんちくしょおおおおお!!』
そのまま飛びかかる別のRキャンサー目掛けて投げ飛ばす。
それをモロにぶつけられると、後方へ吹き飛んび爆散した。
ノハ#゚听)『次っ!!』
振り返り、Rキャンサーに駆け出す。
そのまま掴みかかりマウントをとる。
抗おうと暴れるのを押さえつけ、右拳を頭部に叩き込むと、トマトのように弾け飛んだ。
立ち上がり、周囲を見渡す。
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 23:47:35.30 ID:uPHkaUcAO
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ノパ听)『なんか増えてるな……』
倍以上に増えたRキャンサーの群れる中へ左右の拳にエネルギーを集中させながら駆け出す。
ノハ#゚听)『うおぉぉりゃぁぁぁあああ!!』
輝く拳を振るい、迫り来るRキャンサーを次々と粉砕していく。
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- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 23:52:22.88 ID:uPHkaUcAO
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('A`)『いつまでも、何もしない訳にいかねぇよな……?』
リーブラを再起動させながら呟く。
(-_-)『ハロー』
不意に、ノイズと共にヒッキーがモニターに映り込む。
(-_-)『今更遅いよ……、無理なんだよ君には……』
('A`)『黙れよ……、すぐそっち行って叩き潰してやる』
(-_-)『なら……、更なる絶望を味わえば良いよ』
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 23:55:00.08 ID:uPHkaUcAO
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ヒッキーの言葉と共に遙か前方、
ヒートが倒したRキャンサーが体を起こす。
('A`)『何だ!?』
(-_-)『余興だ』
ヒッキーが不適な笑みを浮かべると、モニターは電子音と共に正常に戻った。
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- 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 23:57:28.44 ID:uPHkaUcAO
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ノハ;゚听)『何!? 消えた反応がまた……』
Bキャンサーが後方へ振り返る。
が、反応が遅れた。
ノハ;゚听)『う……!!』
赤紫に輝くRキャンサーの拳、それが振り抜かれる。
ノハ;゚Д゚)『わぁあぁぁあぁあああぁあ!!?』
グシャリと嫌な音を響かせながら、Bキャンサーの頭部が叩き潰された。
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- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/08(土) 23:59:54.76 ID:uPHkaUcAO
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( ´_ゝ`)『流石兄者の正直しんどい』
(´<_` )『突っ込む気力も無いわ……』
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( ゚∀゚)『まぁ、これ相手にするのは正直しんどいな……』
流石兄弟のジュミナスは両腕をもぎ取られ、攻撃能力を失った。
ジョルジュのスコーピオも避ける以外に何もできない状態。
周りはRキャンサーに取り囲まれ、逃げるのも不可能に近い。
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 00:02:58.81 ID:GgUy3PqDO
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( ゚∀゚)『柄じゃねぇが玉砕覚悟で突っ込むか……』
( ´_ゝ`)『俺は嫌だ、一人で行って逃げ道作れよ』
(´<_` )『玉砕は無いよな』
満身創痍のこの状態では、ジリジリと潰されるのも時間の問題かと思われたそのとき。
地平線が光輝きこちらに迫り、周りを取り囲むRキャンサーの半数以上を消し飛ばした。
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(;゚∀゚)『なっ!?』
( ´_ゝ`)『!!』
(´<_`;)『うおっ!?』
- 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 00:03:43.63 ID:GgUy3PqDO
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バラバラとRキャンサーの残骸と、赤黒いオイルが雨のように降り注ぐ。
( ´_ゝ`)『見たか! これが俺の真の力なのだ!!』
(´<_`;)『兄者何もしてないじゃん……。それより、何だ今のは!?』
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( ゚∀゚)『この反応……』
光の放たれた方へと視線を向ける。
そこには……
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 00:07:15.34 ID:GgUy3PqDO
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( ^ω^)『一掃出来なかったな。少々寝過ぎたか……』
大刀を肩に担いだ黄金のリーオーが立っていた。
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( ゚∀゚)『遅いぜバカ野郎……』
( ^ω^)『間にあったんだから許せ』
( ´_ゝ`)『おk、許しちゃう』
(´<_` )『少し黙れ』
風向きが徐々に変わり始めた
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/09(日) 00:08:03.11 ID:GgUy3PqDO
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【第27話:湧出】 〜FIN〜
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