【第26話:枯渇】

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:35:51.56 ID:7xhsbFxOO
【第26話:枯渇】



(-_-)『……』

ノアの頂上を目指し、両腕が棺桶状になった機体、ファウストが行く。


('A`)『ヒッキー……』


ノパ听)『見えたっ!』

その後方から迫るリーブラC、Bキャンサーを駆る二人。


(-_-)『もう来たか……』

ファウストはその場に立ち止まり振り向く。



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:37:02.94 ID:7xhsbFxOO

('A`)『止まった……? よし、一気に仕掛ける、ヒート後ろに乗れ!』


ノパ听)『いょっしゃあああ!!』

Bキャンサーは駆け出し、リーブラCの大型ブースターユニットに飛び乗る。


('A`)『飛ばすぞっ……!』

同時にブースターにエネルギーを集中させ、一気に加速した。


(-_-)『……』

左腕の棺桶が展開し、そこから5本の異形のアームがせり出す。
その先端には猛禽類の足のような爪が取り付けられている。


(-_-)『……!』

それぞれのアームが別々の駆動をしはじめる。



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:39:39.93 ID:7xhsbFxOO

('A`)『くらえ、くらえば、くらえよっ!』

左肩の装甲がパージされ、ニードルが無数に放たれる。


(-_-)『毎度毎度……、邪魔をしに来るね……』

ニードルは全てファウストの左腕で叩き落とされた。


('A`)『……知らねえ、よくは知らねえがそういう運命らしいってのはわかるぞ?』

そのまま一気に詰め寄っていく。


(-_-)『そして、まだ思い出してすらいないのか……
もう、どうしようも無いな……君は!』

ファウストの左腕がリーブラCを捉え、凶爪が漆黒の装甲に食い込んだ。



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:42:51.70 ID:7xhsbFxOO

(;'A`)『ぐうっ、このまま抑え込むっ……!
行け、ヒートっ!』


ノパ听)『応っ! アクベンス展開っ! とぉあああああ!!』

Bキャンサーは右腕にエネルギーを集中させながら、
リーブラCの背面大型ブースターから跳躍した。


ノパ听)『くらえ!!』

ファウストの右側に回り込むように着地し、青白く輝く右拳を振りかぶる。


ノハ#゚听)『キャァンサァァァア・ブロォォッ!!』

ありったけのエネルギーを込めた右正拳が繰り出される。




7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:47:23.19 ID:7xhsbFxOO

(-_-)『遅い、そんなのまともにくらうわけ無いだろ……?』

Bキャンサーの一撃は右腕の棺桶で難なく防いがれた。


ノハ;゚听)『ぐ……!』


('A`)『まだだ』

ファウストの爪がめり込んだリーブラCの漆黒の追加装甲が、全てパージされる。


(-_-)『?』



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:51:41.36 ID:7xhsbFxOO

(#'A`)『がら空きなんだよこの野郎っ!!』

強化装甲の全てをパージし、純白のリーブラがファウストの懐へ滑り込み左拳を放つ。


(;-_-)『チッ……』


('A`)『まだまだぁぁ!』

左右の拳を幾度も打ち込んでいくと、ファウストの胸部装甲に亀裂が走る。


(;-_-)『くっ……』


(#'A`)『もう一発っ!』

右腕を引き下げ、亀裂目掛けて右の拳を見舞う。

胸部装甲を突き破り、右腕が手首までめり込む。



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:55:17.20 ID:7xhsbFxOO

右腕を引き下げ、亀裂目掛けて右の拳を見舞う。

ファウストの胸部装甲を突き破り、右腕が手首までめり込む。


('A`)『貫け……、ぶち抜けっ!』

トリガーを押し込む。

右腕が射出され、ファウストの胴を突き破った。

右腕のワイヤーが火花を散らしながら巻き取られ、
次の瞬間にはリーブラの右腕が引き抜かれ、うなだれるようにファウストは沈黙した。



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 02:59:13.14 ID:7xhsbFxOO

ノパ听)『あっけなかった……ね?』


('A`)『妙だ……、何か……』

ファウストの残骸をコクピットモニターから見下ろす。

そのとき、ノアの眠る氷山全体が激しく揺れだした。


(;'A`)『うおっ!?』


ノハ;゚听)『何だあああ!?』



−−−



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 03:02:35.15 ID:7xhsbFxOO


氷山頂上部 遺跡


(-_-)『人形、壊されちゃったか……。
まぁ、時間稼ぎは出来たし十分かな?』


(-_-)『さてと……』

ヒッキーは遺跡の奥へとファウストを進ませる。


最深部、薄暗い広間に出た。

中心には大穴が空いている以外、何も無い空間。



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 03:04:49.20 ID:7xhsbFxOO

(-_-)『行こうか……』

一瞬、コクピット背面に埋め込まれた棺桶に視線を向けると、
ヒッキーは、大穴にファウストを進ませる。

そのまま底の見えぬ大穴の闇の中へと消えていく……。


直後、氷山全体が激しく揺れだした。



−−−



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 03:09:56.27 ID:7xhsbFxOO

激しい揺れは、北の大地全域に及んでいた。


タウラスとベルジュが、その場に片膝をついた。

周囲を取り囲む無人機はバランスを崩し、転倒していく。


(;゚Д゚)『この揺れは何だ、地震か!?』


川;゚ -゚)『何が起きているんだ……?』

川;゚ -゚)『ツン……、そっちから何かわかるか?』


回線を開くと、直ぐに返事が返ってきた。



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 03:11:33.80 ID:7xhsbFxOO

ξ゚听)ξ『とりあえず、確認出来た事だけを伝えるわ。
震源はノア……、頂上を覆っていた氷が崩れて……』

バーボンハウスのモニターにはノアが大きく映し出されてる。

頂上付近の氷が崩れていき、赤い巨大な何かが姿を現した。


−−−



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 03:16:26.45 ID:7xhsbFxOO


ジョルジュもスコーピオからノアの異変を確認していた。

 _
( ゚∀゚)『始まりやがった……。ドクオの野郎しくじったか?
もう直接やるしかねぇか……』

突如、後方から無数の光弾が迫る。

 _
(;゚∀゚)『っ……!?』

その場から離れ、何とか光弾を回避した。

 _
( ゚∀゚)『こんな時に……』

光弾の放たれた方を睨みつける。



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 03:18:48.90 ID:7xhsbFxOO

視線の先には2体の道化のような機体


( ´_ゝ`)『あぁ〜ん……、惜しい。外しちゃったじゃないのさっ!?』


(´<_` )『何キャラだそれは?
ジョルジュ、悪いがお前はここで終わりだ』

 _
( ゚∀゚)『貴様等、ノアが何なのか知ってて言ってんのか……?』


( ´_ゝ`)『知ってるさ』

 _
(#゚∀゚)『なら、こんな事してる場合じゃないって事を……!』


(´<_` )『知ってるから何が出来るよ?』

 _
(;゚∀゚)『っ……!』



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 03:22:06.11 ID:7xhsbFxOO

( ´_ゝ`)『今はただ、お前を潰すっ!』


(´<_` )『どうこう言うのは俺達を倒してからにするんだな?』

流石兄弟の乗機、ジュミナスが同時に動き出す。

 _
(;゚∀゚)『馬鹿兄弟が……』

スコーピオが地を踏みしめ身構える。


( ´_ゝ`)『さぁ!』
(´<_` )『行くぞ!』

兄弟のジュミナスが一気に加速しスコーピオへ迫る。

 _
( ゚∀゚)『!!』



−−−



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 03:25:08.02 ID:7xhsbFxOO


人形如きにまんまと足止めをされ、ノアを奪われた。

ドクオはリーブラから出て、小さくなって座り込む。
その横ではヒートが立ち尽くしている。


('A`)「もう無理だ……、俺たちは負けたんだ……」


ノパ听)「何言ってんのさ……?」


('A`)「無理なんだよ……、もう……」


ノハ#゚听)「まだ、まだ終わってないぞおおお!!」

ヒートに襟首を捕まれ、無理矢理立たされる。



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 03:28:12.00 ID:7xhsbFxOO

('A`)「何だよ……?」

ヒートの真っ直ぐな視線が痛い……、横に目をそらした。


ノハ#゚听)「何かをする前から諦めるとかドクオらしくない……。
自分で言い出したんだっ! 最後までやり通せよおおお!!」

激しく揺さぶられるが抵抗する気力も無い、もう放っておいて欲しい……。


('A`)「無理なもんは無理なんだ……。それに、俺らしいって何だ?」



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 03:32:17.66 ID:7xhsbFxOO

ノハ#゚听)「−−っ!? 知るかあああああ!!」

言うが早いか、ヒートの右拳が俺の横っ面を捉える。


('A(# )「ブボッ……!?」

襟からヒートの手が放れ、そのまま吹っ飛ばされた。

口の中が少し切れたのか、血の味がする。


ノハ#゚听)「ほら、ウダウダしてないで行くぞっ!!」


('A`(# )「行くなら一人で行けよ、俺は行かないからな!」

血と一緒に言葉も吐き捨てる。



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 03:37:53.33 ID:7xhsbFxOO

ノハ#゚听)「っ……!」

ヒートの右拳が再度握り込まれる。

また殴るのか……、まぁ気の済むまで殴らせて諦めてくれればそれで良いか。


('A(# )「もう、嫌なんだよ……」

頬をさすりながらユラリと立ち上がる。


ノパ听)「……れば、良いじゃん……」

ヒートがノアの方を向き、背を向けてきた。


('A`)「は?」


ノパ听)「当たって砕けたら良いじゃん!! まだ砕けてないんだもん!!
何もしないよりも、アタシは無理だとしてもそっちを選ぶよ、たった一人でもね!!」



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 03:43:13.04 ID:7xhsbFxOO

そう叫びながら、ヒートは握り込んだ右拳を空に向かって思い切突き出した。


('A`)「……」

いや、当たっても砕けちゃ駄目だろ……常考。


ノパ听)「よっしっゃ!!」

ヒートが振り返り、早足でBキャンサーへ向かう。


ノパ听)「アタシ行くからねっ!!」

そう言うと、Bキャンサーに乗り込み起動させ、ノアへと進み出す。


ノパ听)『行くからなあああ!!』



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 03:44:22.80 ID:7xhsbFxOO

('A`)「うるせぇ……」

小さくなっていくBキャンサーの後ろ姿をただ、見つめていた。


('A`)「どうしろってんだ……」

その場にしゃがみ込んで顔を伏せた。



格好悪いな、畜生……





27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/17(金) 03:45:06.93 ID:7xhsbFxOO

【第26話:枯渇】 〜FIN〜




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