【弟23話:タタカエ】
- 2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/15(日) 21:48:29.16 ID:G3UEeqgGO
- 【弟23話:タタカエ】
南の大陸には緑の広がる世界が広がり、太陽に照らされて生が溢れている。
雪と氷に覆われたノアの眠る北の大陸……、上空から見るとそれは、
ノアを中心に周囲は半径数十キロにも及ぶクレーター状の広大な窪地になっている。
クレーターの外側には緑などほとんど無く、あるのは岩と砂に覆われた荒野のみ。
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/15(日) 21:50:55.00 ID:G3UEeqgGO
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ノアは目覚めさせてはいけない、あれを使えば世界が、大地が死んでしまう……
ノアから見て南側の雪原、黄金の機体が鞘に納めた大刀を手に佇んでいた。
その側にスコーピオとリーブラCが降り立つ。
少し遅れてBキャンサーも、近くに降り立った。
( ^ω^)『遅いぞ』
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( ゚∀゚)『そう言うなよ、ブースターが焦げるかと思うぐらいに急いできたんだぜ?』
( ^ω^)『ブースターが焦げるのと、世界が焦げるの……、どっちが良い?』
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( ゚∀゚)『どっちも嫌だね』
( ^ω^)『まぁ、お前の事はどうでも良いか。寧ろ焼け焦げろ』
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(#゚∀゚)『……』
- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/15(日) 21:55:15.25 ID:G3UEeqgGO
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( ^ω^)『……ところで、あの青い機体はなんだ? 形がアレに似てるが……』
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( ゚∀゚)『まぁ、成り行きというか何というか……。
おい、着いてきたからには戦ってもらうぜ嬢ちゃん?』
ノパ听)『ドクオ! おい、ドクオ!!』
( ^ω^)『無視されとるがな……』
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( ゚∀゚)『……言うな、玉袋マウス』
( ^ω^)『黙れ乳房男爵、変なの連れてくるな』
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(#゚∀゚)『変なのじゃねぇよ! それに乳房言うな、オッパイと言え!』
( ^ω^)『だが断る』
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/15(日) 21:57:50.43 ID:G3UEeqgGO
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(#゚∀゚)『上等だ……、表出ろブーン!』
( ^ω^)『おもしろい……、来いジョルジュ。捻ってやるっ!』
両者がコクピットから外に飛び出す。
同時に着地すると、駆け出し徐々に距離を詰めていく。
(#^ω^)「いくおおおおお!!」
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(#゚∀゚)「うおおおおお!!」
拳が交差し、
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(ヽ゚∀゚)(ヽ゚ω゚)「「さぁぁぁあっむぅぅぅう(お)!!」」
二人は抱き合い、弾けるように離れるとコクピットに戻っていった。
外は一面銀世界、バナナで人を撲殺出来る状態だ
まぁ、こうなるのは当然か……。
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/15(日) 22:01:22.25 ID:G3UEeqgGO
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('A`)『どっちもアホだな……、ん?』
そんな二人をコクピットのモニターから見ていると
直接回線で通信が入ってきた。
ノパ听)『ドックオおおおおおお!!』
(;'A`)『づぁっ! うるせぇな……』
ノパ听)『やっと反応したあ!』
('A`)『なんだよ?』
耳を押さえながら返す。
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/15(日) 22:06:06.70 ID:G3UEeqgGO
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ノパ听)『聞きたい事があるんだけど、あの二人は……、共和国のヤツだよね?』
('A`)『元……な』
ノパ听)『元?』
('A`)『詳しくは聞いてないが、何かしらの不満があったとかかな?』
ノパ听)『フーン……、あと一つ』
('A`)『?』
ノパ听)『何でバーボンハウスを抜けたのさ?』
('A`)『言わない、言ってもわからんだろ?』
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/15(日) 22:07:51.59 ID:G3UEeqgGO
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ノハ#゚听)『聞いてみなきゃわかんないだろおおお!!』
((;'A`))『おあああああ! ちょ、ヤメッ……!』
Bキャンサーに機体を激しく揺らされる。
(;'A`)『お……?』
_
( ゚∀゚)『おいでなすったな』
( ^ω^)『……』
ノハ;゚听)『何……あの数……』
視線の先、雪原の真っ白な地平線が徐々に黒に染まっていく……
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/15(日) 22:09:38.40 ID:G3UEeqgGO
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( ゚∀゚)『覚悟は良いか? 突っ込むぞ?』
( ^ω^)『いかなる敵も、斬り伏せてくれる』
('A`)『残らず叩く……、ヒートは俺に着いてきてくれ』
ノパ听)『オケー』
('A`)『遅れるな、よッ!!』
4体の巨人が黒い地平へ疾走する。
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/15(日) 22:11:39.30 ID:G3UEeqgGO
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(#'A`)(#゚∀゚)(# ^ω^)ノハ#゚听)『おおおおおおおおお!!』
徐々に接近し、三方向へ別れた。
それぞれが黒い波へと突っ込んでいく。
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/15(日) 22:13:50.22 ID:G3UEeqgGO
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スコーピオが1体の黒いZIPに急接近し、掴みかかる。
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( ゚∀゚)『ぶち抜くっ……!』
右腕装甲が解放、射突兵器が現れ黒い装甲に突き立てた。
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( ゚∀゚)『レサートォ!!』
衝撃と共に黒いZIPは、装甲の破片をまき散らして爆散した。
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( ゚∀゚)『まだまだ行くぜっ! らあああああ!!』
後方に跳び退き、ブースターを全開にして黒い塊の中を縫うように駆け抜け、足を止めた。
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/15(日) 22:15:12.62 ID:G3UEeqgGO
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通ったあとには何本ものワイヤーが巻かれ、数10体の黒いZIPが身動きが取れないでいる。
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( ゚∀゚)『散れよ』
ワイヤーが赤熱化していく。
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( ゚∀゚)『アル・シャウラ……』
ワイヤーはスコーピオの肩口の穴へ高速で巻きとられ、黒い機体が次々と熔断され、大破していった。
- 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/15(日) 22:18:32.08 ID:G3UEeqgGO
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黄金の機体、リーオーはゆっくりと前進しながら大刀の柄に手を掛ける。
( ^ω^)『雑魚に用は無いが、胆振出す必要があるか……』
一気に距離を詰め、大刀を振り抜いた。
( ^ω^)『ィヤアアア!!』
前進しながらも、流れるように大刀を振るい、次々と黒い機体を斬り伏せていく。
( ^ω^)『ハッ! ドエエエ!! 無人機如きで止められると思うな』
返り血のようにオイルが飛び散り、黄金の様相を赤黒く染めていく。
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/15(日) 22:21:25.33 ID:G3UEeqgGO
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( ^ω^)『……面倒だな』
刀に付着したオイルを振るい落とし、後退した。
( ^ω^)『大刀タテガミ、真一文字……』
大刀を鞘へ納め、低く構える。
( ^ω^)『 地 平 閃 !!』
前進と共に一気に加速、抜刀と共に斬撃を繰り出す。
( ^ω^)『……』
一瞬の静寂が訪れる。
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/15(日) 22:21:59.25 ID:G3UEeqgGO
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大刀を鞘へと戻し、カチャリと金属音が響く。それと同時に背後の黒い塊が一斉に爆散していった。
( ^ω^)『むぅ……』
しかし、次々と黒い機体が迫り来る。
(;^ω^)『きりがない……お』
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/15(日) 22:25:26.88 ID:G3UEeqgGO
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('A`)『行けいっ……』
リーブラCが黒い塊へ突っ込み、近づくものを次々とはね飛ばしていく。
('A`)『遅れてるぞ?』
アンカーを近距離から撃ち込み、無人機を沈黙させていく。
ノパ听)『うるさいよっ!』
Bキャンサーは左右の拳を振るい、黒い破片をまき散らしながら追随する。
しかし、
所詮は生身の人間の駆るもの、次第に消耗していき、
休むことなく迫り来る無人機の波に押され始める。
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/15(日) 22:28:20.63 ID:G3UEeqgGO
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(;゚∀゚)『くそっ自己修復が追いつかねぇ……。
ミルナの野郎はまだ見つけられねぇのかよブーン!?』
(;^ω^)『無人機が多すぎる、ミルナを探す余裕が無い……。
オワタの奴が居れば……』
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( ゚∀゚)『あいつは……、もう居ねぇよ……』
(;^ω^)『すまん……』
(;'A`)『その分は俺達がやればいい』
ノハ;゚听)『アタシだっているんだから!!』
そのとき、爆音と共に通信が入る。
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/15(日) 22:29:45.32 ID:G3UEeqgGO
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(,,゚Д゚)『俺も居るぜえっ!』
黒い塊の中心で、機体の二倍はある巨大な斧を振り回すタウラスがいた。
ノハ;゚听)『ぎ、ギコさん!?』
次いで両手に細剣を持ち、竜巻のような回転しながら無人機を蹴散らす銀の機体が姿を現す。
川 ゚ ー゚)『ただ見ているだけでいるなど耐えられん、私の性格を忘れたかブーン?』
( ^ω^)『クー……か』
('A`)『って事は……』
- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/15(日) 22:34:36.43 ID:G3UEeqgGO
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砲弾が飛来して黒い固まり弾け飛び、数十体の無人機が鉄クズへと姿を変えていった。
ξ#゚听)ξ『別にあんた達の為に来たわけじゃない、自分達の生きるこの世界を守る為に来たのよ!』
機銃を掃射しながらバーボンハウスが雪原を行く。
(´・ω・`)『雑魚はバーボンハウスとギコ、クーで何とか押さえる。
敵の頭は君達に任せよう。
ノアなど使わせない、あの荒野のような死の大地を作る訳にはいかない!
奴らに一泡いや、二泡吹かせてやろうじゃないかね!!』
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( ゚∀゚)『ヒャハハハハハハハハ!! ありがたいねぇ……。
涙が出そうだぜ……、なぁ?』
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/15(日) 22:38:10.60 ID:G3UEeqgGO
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その時、黒い固まりから離れた雪原を高速で駆け抜けて、ノアへと向かう二つの影。
( ^ω^)『ミルナ……、先に行くぞ!』
('A`)『ヒッキーの野郎……、追うぞ』
ノパ听)『アタシも行くよっ!』
リーオーとリーブラC、Bキャンサーはその影を追って行く。
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/15(日) 22:41:31.37 ID:G3UEeqgGO
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( ゚∀゚)『よっしゃ、俺も行くか……ん?』
そのとき
???『ひはははははははは』
笑い声と共にバーボンハウスの後部ハッチが弾け飛ぶ。
(;´・ω・`)「何だ?」
ξ;゚听)ξ「ドックの……試作機が何者かに動かされてます……!」
そこから紫色の機体が姿を現し、ノアへ向かい疾走していく。
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( ゚∀゚)『あの笑い声……』
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/15(日) 22:42:37.62 ID:G3UEeqgGO
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爪#'ー`)『ノアはぁ、私のモォノだあああ!!』
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(#゚∀゚)『待てっ、クソ狐!!』
スコーピオはそれを追う。
全てをゆっくりと、しかし確実に終焉へと向かっていく……。
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/15(日) 22:43:53.27 ID:G3UEeqgGO
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【弟23話:タタカエ】 〜FIN〜
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