【第24話:ノア@】

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/20(金) 00:42:22.44 ID:yJPHD/pmO
【第24話:ノア@】



ノアを目と鼻の先に、雪原の大半が数キロに渡り黒に染まっている。

黒く染まる大地の北寄りの部分の一部は雪原が僅かに覗いていた。


川;゚ -゚)『こっの!』

ベルジュの両手に持った細剣で突き刺し、斬り裂いた。

同じように眼前の敵を次々と葬っていく。


川;゚ -゚)『倒しても倒しても……、次から次へと……』


(,,゚Д゚)『グチったら終わりが来るわけじゃねえぞっ!』

タウラスの図太い両腕を振り回し、黒い機体を叩き潰しながら続ける。



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/20(金) 00:44:27.47 ID:yJPHD/pmO


(,,゚Д゚)『俺たちには、信じて戦い続けるしかねぇからよ……、っとあ!』

迫る無人機の頭部を握りつぶし、持ち上げて引きちぎった。


川 ゚ -゚)『……だな』

両手の細剣を振るい、無人機の胴を斬り裂いた。


バーボンハウスは機銃を掃射し、艦体にまとわりつく無人機を払いのけ、
迫る黒い塊を押しつぶしていく。



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/20(金) 00:46:05.87 ID:yJPHD/pmO

(´・ω・`)『弾幕薄いぞ! 相手を無人機だと思ってナメてかかるな?』


ξ゚听)ξ「ショボン艦長、炸裂砲弾の装填完了しました!」


(´・ω・`)「よし、出きるだけ多数の無人機を巻き込め、味方巻き込むとか論外だぞ。
全部主砲、炸裂弾撃て!」


閃光と共に砲弾が放たれる。

黒い塊の中心に着弾すると、炸裂して爆発が広範囲に拡散する。

衝撃と爆炎が、数百の無人機を鉄クズに変えていった。



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/20(金) 00:48:22.86 ID:yJPHD/pmO

ノアの眠る巨大な氷山のふもと


( ^ω^)『ミルナッ!』

リーオーが無人機の群を抜け、疾走する。

その後ろをリーブラCとBキャンサーが追随していく。


( ゚д゚)『ホライゾン……、やはり来たか』

巨大な翼を模した推進装置を背につけた赤黒い機体が振り向き、足を止めた。


(-_-)『……』

その後に続いていた両腕が棺桶のようになった機体も停止する。




8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/20(金) 00:51:44.05 ID:yJPHD/pmO

( ゚д゚)『ヒッキーよ、貴様は先に行けぃ。
ノアの起動には貴様が不可欠だ……、それを妨げられる訳にはいかん!!』

機体の嘴状の両腕を天に掲げ、ミルナは吼える。


(-_-)『はい……』

ヒッキーは短く答えると、機体のブースターを展開させ、ノアへと向かう。

ミルナはその場に残り、待ちかまえる。


( ゚д゚)『さぁ、来るが良い!!』



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/20(金) 00:53:05.53 ID:yJPHD/pmO


(;'A`)『くそっ、ヒッキーが行っちまう……』


ノパ听)『ここはアタシが!!』

Bキャンサーが一歩前へと踏み出す。


同時に、その横をリーオーが駆け抜けていった。


(#^ω^)『つぁあああああ!!』

鞘から大刀を引き抜き、リーオーがミルナの機体に迫る。



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/20(金) 00:56:10.96 ID:yJPHD/pmO


(#^ω^)『はあっ!!』

地を蹴り、跳躍と共に大刀を振り上げ、斬りる。

轟音と共に火花が散り、衝撃がコクピットまで伝わる。


(#^ω^)『くっ……』

しかし、大刀は展開された巨大な翼で受け止められていた。


( ゚д゚)『ふむ……やはり正面から来るか、相変わらずだなっ!!』


(#^ω^)『ミルナは私がやる、君たちは行け!』



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/20(金) 00:59:41.69 ID:yJPHD/pmO

ノハ;゚听)『でもっ……!』


('A`)『行くぞ……』

リーブラCが加速し、リーオーとミルナの機体の横をすり抜けていく。


ノパ听)『先、行ってます。そんな奴、叩き斬っちゃってください!』

Bキャンサーも横を抜けていった。


( ゚д゚)『ふむ、不完全な偶神と出来損ないを行かせるか……。
だが、あの二人では完全に全てを思い出した奴を止められんぞ』


(#^ω^)『不完全、出来損ない……? 違う、あいつ等は……!』



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/20(金) 01:02:16.87 ID:yJPHD/pmO

( ゚д゚)『フンッ、戯れ言をっ!』


ミルナの機体が巨大な翼を勢いよく広げ、リーオーを弾き飛ばす。


(;^ω^)『うおおっ!?』

空中で体勢を立て直し、上手く着地した。


( ゚д゚)『奴らの事より自分の身を第一に考えるんだな。
その程度の力で、このコルヴスMkUを倒せると思ったか? あ?』


( ^ω^)『ならばその程度の力で……』

大刀を両手で掴み、肩に担ぐように構える。



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/20(金) 01:05:12.59 ID:yJPHD/pmO


( ^ω^)『一刀のもとに斬り伏せてやろお!!』

距離を詰めるべく、背面ブースターにエネルギーを集中させ展開し、


( ^ω^)『いざっ!』

一気に加速した。

同時にコルヴスが両腕の嘴を開き、構えた。


( ゚д゚)『死ねぃッ!!』

そこから光弾が連続して放たれる。


(;^ω^)『くっ……』

左右に機体を激しく揺らし、紙一重で避けて徐々に距離を詰める。



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/20(金) 01:06:08.70 ID:yJPHD/pmO

しかし、次々と向かい来る光弾を全て避けられるわけもなく、被弾してしまう。


(;^ω^)『ぐぅっ!!』

衝撃が機体全体に走る。

左肩の装甲が弾け飛び体勢を崩して、その場に片膝をついた。


( ゚д゚)『フハッ、もらったぞ!!』

コルヴスの右腕の嘴にエネルギーが集束していき、刹那に閃光が走る。


(;^ω^)『うっ……』




16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/20(金) 01:10:34.29 ID:yJPHD/pmO

間一髪、身を捩らせて直撃を免れたが、左腕をかすめ取っていった。


(;^ω^)『左腕を根本から持っていかれた。
しかし……、まだ動けるぞっ!』

体勢を立て直すと大刀を握り直し、残った右腕でゆっくりと持ち上げて肩に乗せる。
そして、再度ミルナとの距離を詰めていく。


(#゚д゚)『チッ、仕留め損なったかっ! だが、次は無いぞっ!!』

コルヴスの両腕の嘴から、またも光弾が乱射される。


( ^ω^)『回避動作は最小限に……、押し通るっ!』

何発かの光弾が機体を掠めていく、その度装甲が削られる。

だが、構わずにどんどん加速していく。


そして




17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/20(金) 01:11:59.29 ID:yJPHD/pmO

(#^ω^)『閃け! 大刀タテガミ!!』


( ゚д゚)『ぬぅっ……!?』


(#^ω^)『 舞 雲 !!』


暫時、大刀を神速で振るった。


鋭い斬撃音と共に赤黒い装甲の破片が舞い散る。





18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/20(金) 01:16:09.04 ID:yJPHD/pmO


( ^ω^)『……』


大刀の一撃がコルヴスMkUの右腕を切断し、胸部装甲を深く斬り裂いた。


( ゚д゚)『……』


リーオーの胸部をコルヴスMkUの左腕突き刺さり、
装甲を突き破って背中から嘴の先端が覗いている。


( ゚д゚)『私の勝ちだなぁ、ホライゾン……?』

コルヴスMkUが右腕を引き抜く。
リーオーの目の光が消えて、胸部から血が噴き出すようにオイルが噴出する。




19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/20(金) 01:18:59.83 ID:yJPHD/pmO

( ゚д゚)『アラマキ総帥の頃だが、君はよく働いたが……、
終わってみると呆気ないものだな。』


( ゚д゚)『渓谷では、まさか器となる偶神リーブラを破壊しようとするとは思っても見なかったが……
まぁ結果としては君の思惑通りにはいかず、リーブラの破壊は失敗に終わったがね』

コルヴスMkUはっくりと背を向ける。


( ゚д゚)『しかし、殺すには惜しい男だった……
裏切らなければ、まだ利用価値があったんだがな。
たしか……、本名はブーン、だったか?』




20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/20(金) 01:22:53.86 ID:yJPHD/pmO

そのとき、リーオーの目に光が戻る。


(#^ω^)『おおおおおおおおお!!』

深く踏み込み、大刀を振るう。


(;゚д゚)『何……、まだ……動くだとおおおおおお!?』

とっさに翼を展開し、防ごうとするが


(#^ω^)『はぁぁっ!!』


(;゚д゚)『馬鹿なっ……、有り得んっ! 心臓部を貫いた筈だ……何故だ!?』

鋭い突きがその間を抜け、コルヴスの頭部を貫いた。


(#^ω^)『つぁっ!』

鋭い斬撃がコルヴスMkUを左肩から斜めに斬り裂く。

コルヴスMkUの左腕が中を舞う。



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/20(金) 01:24:14.55 ID:yJPHD/pmO


(;゚д゚)『俺は、俺はこのような所でえええ!!』

大刀を左へ捻り込むように構え、


(#^ω^)『チィエストォォォオ!!』

そのまま大刀を右へと一閃した。


(;゚д゚)『はあああああああああああああ!!!?』

コルヴスMkUの腹部に、澄んだ金属音と共に一筋の亀裂が走る。

そこから勢いよくオイルが噴き出し、返り血のようにリーオーに振りかかる。

ぐらりとコルヴスMkUの上半身が揺れ、後ろに落ちていき、
下半身は崩れるように前のめりに倒れた。




22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/20(金) 01:28:47.32 ID:yJPHD/pmO

( ^ω^)『ブーンと呼んで良いのは……、この世には二人だけだ。
親しいわけでもない貴様がその名を呼ぶな、反吐がでる……』

コルヴスMkUの残骸を見下ろし、大刀を地面に刺した。


( ^ω^)『その名を、またそいつ等に呼ばれるかは分からんがな……。
しかし……、獅子よ……よく動いてくれた……』


コクピット内を一通り見渡すと、視界が霞んでいく……


( ´ω`)『眠い……な……』


リーオーの目から光が失われ、立ったまま体勢でその場で沈黙した。




23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/20(金) 01:29:29.21 ID:yJPHD/pmO


【第24話:ノア@】 〜FIN〜





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