【第17話:裏切りと砕けた仮面と】

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 20:24:10.23 ID:zDBwBd9lO
【第17話:裏切りと砕けた仮面と】



バーボンハウスが拠点を発って三日目の深夜……。


FOX拠点


突如、拠点は激しい衝撃、閃光と炎に襲われ、
一瞬、辺りは昼間のように明るくなる。

次いで警報があちこちで鳴り響き、各所から炎が立ち上り
周囲は炎で紅く染められていった。

居住区画からは悲鳴や叫び声が聞こえる。


その様子を静かに見つめる人影。
黒いマントとフード姿の男が一人、背には巨大な棺を背負い、
人気のない通路の真ん中に立っていた。

(???)「うん、問題は無い……、全て順調……。」

爆発を見届けると、
居住区画とは逆方向のドックへと、足早に歩を進めていく。



3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 20:25:38.58 ID:zDBwBd9lO

男が去った数分後……。


川 <〓)「くそっ……」

クーはドックへの通路を全力で駆ける。


川;<〓)「何故だ……、何故なんだっ……!」

角を曲がり、先にある閉まっていく扉を見据えた。


川;<〓)「何故なんだ、ヒッキィィィ!!」

閉じかけの扉の先で、男はクーの声に反応するように、
一瞬足を止め、振り向くような素振りをした


(-_-)「やっぱり……、来ちゃうか……」

だがすぐ前に向きなおり、歩き始めた。



−−−



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 20:28:11.80 ID:zDBwBd9lO

FOX拠点 ドック


薄暗く、広いドックでサジタリウスの前に立ち、機体を見上げた。
モララーに言っておいた改造は既に施されているようだ。


(-_-)「さて、行こうか……」

搭乗用リフトを使い、サジタリウスのコクピットへと上がっていく。

コクピットを開き、担いでいた棺桶をおろし、中へ入ろうと機体に足を掛ける。

そのとき


キィンッ

足元に金属音と共に火花が散った。


川 <〓)「待てっ……」

下を見下ろすと、拳銃の銃口をこちらに向けたクーがいた。




6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 20:31:08.11 ID:zDBwBd9lO

(-_-)「なんだ……、もう来たの?」

ヒッキーはフードを外し、頭を掻きながら、めんどくさそうに言った。


川 <〓)「数日前からお前の様子が変だと思っていて、様子をみていたが……。
今の爆発……、説明してもらうぞヒッキー?」

(-_-)「……断る、それに今説明してどうにかなる問題じゃない」

川;<〓)「どう言うことだっ!」

クーは拳銃の狙いを定めようと身構えた。


(-_-)「今は……、答えられないっ!」


ガキィンッ

クーの拳銃は手から弾かれ、床を転がっていった。


川;<〓)「なっ!?」

ヒッキーは、まばたきをするほんの一瞬で拳銃を引き抜き、
クーの拳銃を狙い、手から撃ち落とした。



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 20:37:02.70 ID:zDBwBd9lO

(-_-)「銃で僕に勝てるわけないだろう?」

そう良いながら拳銃を手の中でクルクルと弄びながら言う、
こころなしか……、ヒッキーの口元は歪んで見えた。
実際はいつもの無表情ままだが……。


川;<〓)「ヒッキィィィ!!」

クーはヒッキーを睨みつけ、叫ぶ。


ガンッ


パキンッ−−−

銃声と同時にクーの仮面が弾け飛ぶ。

川;゚ -゚)「−−−ッ!?」

上半身が後方へ仰け反り、そのまま仰向けに倒れ伏せた。


(-_-)「あと……、コルヴスを撃ち落とさなかったのはワザとなんだ」

言い終わるとヒッキーは拳銃をホルスターに納めた。



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 20:41:34.08 ID:zDBwBd9lO

機体のシートに座り、コクピットを閉じてサジタリウスを起動させた。

ヒッキーは、コクピットのモニターから倒れているクーを見つめた。


(-_-)「君はまだこちら側に来るべきじゃないよ……」

クーの足が僅かに動いていた。

前進してドックの壁を突き破り、外へと出ていく。


(-_-)「目覚めてすらいないしね……」

ヒッキーの乗るサジタリウスは、夜の荒野の闇の中へと消えていった。



−−−



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 20:48:47.31 ID:zDBwBd9lO



ヒッキーがFOX拠点から去った後、ドックにモララーがやって来た。


( ・∀・)「ヒッキーの奴はもう行っちまったか……、
思ったより早かったなぁ」

壁に開けられた穴を見た後、クーの方に視線を移した。


( ・∀・)「この破片は……、クーの仮面かな?
まぁヒッキーがやったんだろ、大体の予想はつく……」

そして、倒れているクーの横にしゃがみ込み、顔をのぞき込む。


( ・∀・)「生きてっかな〜?」


川 - -)「スースー…………」

クーは寝息を立てていた。


(;・∀・)「何だ、寝息たててら……」



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 20:52:28.18 ID:zDBwBd9lO

(;・∀・)「こんなキャラじゃねぇのになぁ。
あらよっと……、重い……な。」


クーを両腕で抱き起こし、立ち上がる。


(;・∀・)「とりあえず死者はゼロ、流石ヒッキーだな……」

フラフラとした足取りで、モララーはその場を後にした。



−−−



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 20:59:07.02 ID:zDBwBd9lO

雪原


吹雪の夜が明け、太陽が真っ白な世界を照らし出す。

雪原の一部がモコモコと盛り上がり、
雪の中から青い腕がズボッと飛び出す。
振り積もった雪を掻き分けて、Bキャンサーの上半身が姿を表した。


ノハ;゚听)「かなり降ったなぁ……」

ヒートはコクピットのモニターから辺りを見渡す。
遥か遠方から、雪を巻き上げながら巨大な物が近づいてくる。


ノパ听)「バーボンハウスだっ!!」

Bキャンサーは雪の中から這いだし、バーボンハウスに向かって両腕を上げる。


ノパ听)『うおおおおおおい!』



−−−



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 21:06:07.32 ID:zDBwBd9lO

バーボンハウス


ドックの方では、Bキャンサーを収容すると、
整備士達が慌ただしく作業を始めた。


ノパ听)「ただいマンボウ!!」

ピッと背筋を伸ばし、ヒートが敬礼のようなポーズをした。


(,,゚Д゚)「おぉ、おかえりぃ! 無事で何よりだ。
機体が傷だらけだがなぁ」

('A`)「おかえり……。どうでも良いがマンボウは無いわ……」

どうでもいいツッコミを返し、素っ気なくあしらう。


(,,゚Д゚)「なんだぁ、昨晩は俺が引き止めた後も。
『やっぱり心配だ!』とか、良いながらそわそわしたり
真夜中にリーブラで一人で探索しようとこそこそしたり……」

(;'A`)「ちょ……」

6割作り話じゃねぇかっ!



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 21:11:14.82 ID:zDBwBd9lO

ノパ听)「うれしいこと言ってくれるじゃないのっ!!」


ノパ听)「 や ら な い か 」


(;'A`)「な……、何を……」

何を言い出すんだキミわ


ノパ听)「組み手だあああ!!」

ヒートに肩をむんずと捕まれ、


(;'A`)「んなっ!?」

逃げる暇もなく、そのままトレーニングルームへと引きずられていく。




16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 21:18:25.86 ID:zDBwBd9lO

ノパ听)「とぇえええい!!」

ヒートが迫ってくる……

(;'A`)「待て待て待て待て!!」

ヒートの拳が迫って……


ズバゴオオオン


その後、トレーニングルームからは大きな衝撃音の後、

(;゚A゚)「アッ−−−−−−!!」

ドクオの悲鳴が響きわたった。



(;'A`)「ぐぇえ……」

床に崩れるように倒れ込み、小さく呻いた。



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 21:22:58.25 ID:zDBwBd9lO

頭の先辺りでヒートがしゃがみ込み、おでこに人差し指を当てて
何か考え込んでいるようだ……。

ノパ、゚)「んー……、何か忘れてるようなぁ……」

横になったまま、視線を天井からヒートに移す。


('A`)「どしたね?」

ノパ听)「崖に赤い機体落ちていったんだけど……、それが気になったの!」

(;'A`)「それってさ……、結構重要な事じゃない?」

俺とヒートはブリッジへ向かい、崖下に落下した機体について話した。

それから直ぐ、崖下探索のための探索部隊が編成された。



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/30(水) 21:25:29.59 ID:zDBwBd9lO


【第17話:裏切りと砕けた仮面と】 〜FIN〜





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