【第14話:北へ】

2 : ◆8pP6SaUBG6 :2007/05/13(日) 21:16:39.66 ID:eoPpx4yjO
【第14話:北へ】



FOX拠点 ドック



機体の改修強化が完了したという事で、モララーに呼ばれ、俺はドックにやって来た。
横には、二日前に無理矢理手伝わされた、ブルーキャンサー強化案を手にしたヒート。

モララーに着いて薄暗いドックを進んでいく。


薄暗い中一体の機体の前で止まると、モララーが操作パネルをいじりだす。
すると、ライトアップされ、機体が照らし出された。

(;'A`)「おぉぉぉ……!」

ノハ;゚听)「うおぉぉぉ!!」

目の前にそびえ立つ、強化装甲に身を包んだ白い巨人……。



3 : ◆8pP6SaUBG6 :2007/05/13(日) 21:22:38.56 ID:eoPpx4yjO

('A`)「これ、リーブラ?」

ノハ*゚听)「カァァァックイイイイイ!!」

( ・∀・)「鈍そうに見えるが、機体各部の小型ブースターで高速機動戦闘が可能だ。短時間なら空も飛べるんだぜ?
あとは、腕部のアンカーアームが使えない代わりに、左腕に30mm機関砲を2門、右腕にド―――」

ノハ*゚听)「ド リ ル だっー!! うおおおお!! すげえええええ!!」

( ・∀・)「……」

('A`)「なんか、別の機体になっちゃったみたいに……」

( ・∀・)「別の機体と考えても良い。コクピットは他のと同じ型のに乗せ変えた。
武装強化により戦術も幅広くなったしな」



5 : ◆8pP6SaUBG6 :2007/05/13(日) 21:27:04.02 ID:eoPpx4yjO

('A`)「不安だ……」

( ・∀・)「すぐ慣れる、むしろ慣れろ」

ノパ听)「モララアアア!」

( ・∀・)「なんだぁ?」

ノパ听)「これ! アタシの機体の強化案だっ!」

ヒートは、自機強化案の資料をモララーに手渡した。

( ・∀・)「そんな事言ってたっけか?」
モララーは、渡された資料に目を通さず脇に抱え、歩きだした。

ノハ;゚听)「なっ!? あんまりだああああああ!!」

( ・∀・)「強化は終わらせてあるからな。
この資料の中身は次の機会にでも使わせてもらうさ」



6 : ◆8pP6SaUBG6 :2007/05/13(日) 21:30:38.31 ID:eoPpx4yjO


少し進むと、モララーが操作パネルをいじり、青い機体が照らし出された。

ノハ;゚听)「ぬぅおおおおおお!!」

ヒートが頭を抱え絶叫した。

照らし出された、ブルーキャンサーの深青のボディの首には、真紅のマフラーが巻かれていた。

ノハ;゚听)「カァァァッコヨスギルゥゥゥ!!」

ヒートが床を転げ回り、悶絶している……。

('A`)「ぱっと見、首のマフラー以外変わったようには見えないな……」

( ・∀・)「こいつの強化は、基本内側だからな……。
あと、赤マフラーはただの飾りだぜっ!」



7 : ◆8pP6SaUBG6 :2007/05/13(日) 21:33:49.52 ID:eoPpx4yjO

(;'A`)「飾りなのか……」

ノハ*゚听)「むしろ、そこが良いっ!!」

( ・∀・)「操作についてだが――」



―――



数日後、バーボンハウスの補給と機体の改修、強化が終わり、北へと向かう準備が整った




9 : ◆8pP6SaUBG6 :2007/05/13(日) 21:38:04.09 ID:eoPpx4yjO


FOX拠点 地上艦バーボンハウス


バーボンハウス内、ツンから今回の目的等について、簡潔に説明を受けていた。

ξ゚听)ξ「えーっと、目的地は北の氷河地帯にあります。
詳しくは現地で説明しますね。
あと、今回は……、ギコさん、ヒートちゃん、ドクオ君の三人以外は、
拠点でお留守番になります。」

(,,;゚Д゚)「北か……、寒いの苦手なんだよなぁ……」

('A`)「氷河地帯って、どんだけ……」

ノパ听)「鼻水凍るぞ!」

(;'A`)「mjd?」

ノハ;゚听)「でも……、バナナで釘は打てなかったんだ」

ヒートは膝をついて、地に手をつき、大きくため息を吐いた。

(;'A`)「バナナで落ち込むって、どんだけ……?」



10 : ◆8pP6SaUBG6 :2007/05/13(日) 21:40:21.30 ID:eoPpx4yjO


それから数時間後、バーボンハウスはFOX拠点を後にした。


バーボンハウス ブリッジ


(´・ω・`)「コーヒー飲みたいなぁ」

ショボンが空のコーヒーカップを指でつつく。

ξ゚听)ξ以下、ブリッジ乗組員一同「自分で入れろや!!」

(´・ω・`)「ショボーン……」

ショボンはトボトボとコーヒーサーバーの元へ歩いた。


バーボンハウスは、北へと進み行く。



―――




13 : ◆8pP6SaUBG6 :2007/05/13(日) 21:44:16.24 ID:eoPpx4yjO


共和国 通信室



「FOXに潜伏中の間者から伝達、バーボンハウスが拠点より北へと進路を進めた模様です。いかがなされますか?」

( ´_ゝ`)「俺たちが」

(´<_` )「行こうかな?」

操作パネルをいじっていた、よく似た顔の二人組がスックと立ち上がった。

( ´_ゝ`)「流石な俺たち兄弟の!」

(´<_` )「流石なコンビネーションで!」

( ´_ゝ`)「奴らを!」

(´<_` )「捻り潰して!」

( ´_ゝ`)(´<_` )「やろうじゃないの!?」

二人が背中合わせで妙なポーズを決めた。



14 : ◆8pP6SaUBG6 :2007/05/13(日) 21:48:14.10 ID:eoPpx4yjO

(???)「流石兄弟よぉ、お前等にはまだやることがあるだろ〜?」

扉付近に、壁にもたれるようにして、一人の男が立っていた。


(; ´_ゝ`)「ジ、ジョルジュ!? いつからそこにっ!」
 _
( ゚∀゚)「二人でお遊戯してる辺りだな」
(´<_` ;)「確かにやる事はあるが……、我ら兄弟の出番を増やすためにも……!」

 _
( ゚∀゚)「上からも指令受けたんだ。お前等の出る幕じゃねぇ。お前等は死ぬまで、この部屋でモニター見つめてろや?」

ジョルジュはヘラヘラ笑いながら司令室を後にした。



15 : ◆8pP6SaUBG6 :2007/05/13(日) 21:55:15.22 ID:eoPpx4yjO

( #´_ゝ`)「くそっ! 精神崩壊装置を使ってやろうかっ!?
精神崩壊させてやろうかぁぁぁ!!」

兄者が壁を殴りながら叫ぶ。

(´<_` )「まぁ、落ち着け兄者、上から指令が降りてるなら、引き下がるしかねぇジャン?」

それをなだめる弟者。

( #´_ゝ`)「わかってるっ、くそ……」

兄者が操作パネルをカタカタと、いじりはじめた。


( ;゚_ゝ゚)「うぉっ、あぎゃああああああ!!」

(´<_`; )「うわっ!! ブラクラ踏みやがったwww」


通信室から、兄者の悲痛な叫び声が響いた。




17 : ◆8pP6SaUBG6 :2007/05/13(日) 22:01:46.39 ID:eoPpx4yjO


共和国 ドック


_
( ゚∀゚)「おい、オワタ艦長!」

ファー着きジャケットを肩にかけ、通路をズンズンと進みながら、
ヘッドセッドで通信するジョルジュ。

\(^o^)/『はいはい、何でしょうかジョルジュさーん?』
_
( ゚∀゚)「高速艦バクニュー、すぐ出せるか?」

\(^o^)/『いつでも行けるよー』
_
( ゚∀゚)「よっしゃ、エンジン始動だ! 出せえ!」

ジョルジュはジャケットに腕を通し、高速艦バクニューに乗り込んだ。

高速艦バクニューがホバーにより少し浮き上がり、ドックから飛び出していく。




19 : ◆8pP6SaUBG6 :2007/05/13(日) 22:09:37.86 ID:eoPpx4yjO

 _
( ゚∀゚)「いよいよか……」

甲板で、ジョルジュは腕を組み、前を見据えている。
 _
( ゚∀゚)「仇は必ず取るぜ……」

空を仰ぎながらジョルジュは呟いた。

 _
( ゚∀゚)「……ヒート……」



空は雲一つ無く、青く澄んでいた。





20 : ◆8pP6SaUBG6 :2007/05/13(日) 22:10:35.33 ID:eoPpx4yjO


【第14話:北へ】 〜FIN〜





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