【第13話:拠点でヒート】

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/09(水) 01:10:53.43 ID:3e8EwDRUO
【第13話:拠点でヒート】



あれから1週間程経った。


バーボンハウスは目的地であるFOXの拠点に到着した。
次の目標やこれからについてはショボンや拠点の上の方で話し合うらしい。

俺の怪我は、最初に目が覚めた時にに比べると、だいぶ良くなった。
今は、リハビリも兼ねて、ゴムボールを片手でニギニギしながら拠点内を回っている。

('A`)「…………」

最近は、元居た世界が気にならなくなってきた……。

やることも無く、抜け殻のように生きてたあの世界より
この世界だと生きている実感がある……不思議だ。


ニギニギ


ゴムボールを見つめていると、不意に後ろから声をかけられた。



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/09(水) 01:13:01.87 ID:3e8EwDRUO


「もっと端っこいきなさいよぅ?」
懐かしいCM思い出したわ


('A`)「あ、すんません」
帽子を目深に被った男が沢山の書類を抱え、立っていた。

俺は、スッと通路の隅に寄った。

( ・∀・)「ん? お前は……」

男が俺の顔をじっと見つめてきた。

('A`)「何ですか?」

( ・∀・)「いや、何でもねぇよ。クハハハハハ」
妙な笑い方をしながらドックへ降りていく男の背を見送り、作業中のドックへと、再度目を下ろす。



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/09(水) 01:18:00.34 ID:3e8EwDRUO

('A`)「あれは……。確か、ギコさんの……」


ダークグリーンの機体、ギコのタウルスがハンガーに固定され、装甲が外されているのが目にはいった。


('A`)「どっか壊れたのかな?」

(,,゚Д゚)「いや、大幅に強化するのさ!」

いつの間にか、後ろのベンチにギコが腰掛けていた。

('A`)「どんな強化するんです?」

(,,゚Д゚)「ん〜? どうなるかはヒミツだけどなwww」
ギコはケタケタと笑いながら、タバコを取り出し、火をつけて口にくわえた。



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/09(水) 01:20:45.43 ID:3e8EwDRUO
(,,゚Д゚)「お前のリーブラの強化は?」
煙を吐きながら質問をした。

('A`)「んー……わかりません」

(,,゚Д゚)「なんだそりゃwww」

(;'A`)「ぶっ壊れて改修してるのは知ってますけど、強化については、詳しく知らないんですよ」

(,,゚Д゚)「なんだモララーから聞いてないのか」

('A`)「モララー?」

(,,゚Д゚)「あぁ、基本ドックに居るぜ? いつも帽子被ってるからすぐわかる」

('A`)「帽子か……、さっきの人かな?」
手すりから下を見渡す。



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/09(水) 01:23:49.87 ID:3e8EwDRUO

下からヒートの声が聞こえた。
そちらに目を向けてみる。

ヒートと帽子を被った男が一緒にいた。

('A`)「あれ、かな?」



ノパ听)「良いだろおおお!? 私のブルーキャンサーも強化してくれよおおおう!」

ヒートがモララーの横に立ち大声で話しかけている。

(;・∀・)「ウルセェなぁ……。具体的に言わねぇと、わからねぇよ。
ただ強化するにしてもいろいろあるからなぁ……。」
モララーが、手で耳を押さえながら答える。

( ・∀・)「そうだ、機体強化案の資料あるからよ、この中からして欲しい強化でも選んでこいよ。」

モララーは資料の山の中から、いくつかの書類の束を重ね、ヒートに渡した。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/09(水) 01:26:55.60 ID:3e8EwDRUO

ノハ*゚听)「おぉおおお! 話がわかるなモララアアアアア! これは借りていくぞおおお!」

ヒートは目を輝かせながら、渡された資料を抱えて、ドックから走り去っていった。

( ・∀・)「言われなくても考えてるんだけどな。クハハハハハハ」
モララーはヒートを見送りながら笑うと、作業に戻っていった。




10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/09(水) 01:30:34.15 ID:3e8EwDRUO


ノパ听)「お?」


通路を駆けるヒートがこちらに気づき、猛スピードで迫ってきた。

ノパ听)「ドォクオオオオオオオ!!」
頭からこちらに向け、突っ込んでくる。

(;'A`)「あぶねっ!」
俺は一歩後ろに退き、ヒートのタックルから身をかわした。

脇に抱えていた資料を撒き散らしながら、ヒートは数メーター程転がって止まった。

ノハ#゚听)「避けるなっ! 受け止めろっ! 痛いじゃないくああああああ!!」

スックと立ち上がると、散らかった資料を気にもとめずに、こちらを指さしてヒートはギャンギャン吠える。



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/09(水) 01:36:03.69 ID:3e8EwDRUO

(;'A`)「無茶言うな! まだ怪我完治してないんだぞ!? それより、その紙の山は何だ!?」

ノハ*゚听)「よくぞ聞いてくれたあああ! こいつは何とおおお!」

かき集めた資料を両手で高々と掲げ、ヒートは叫ぶ。

ノパ听)「驚愕せよ! 驚異の熱血究極悶絶激烈機体強化改造案の資料なのだああああああ!!」

(;'A`)「なんか、物凄いのはわかったが……。俺にどうしろと?」

ヒートが資料を一つ取り出し、俺に見せてきた。

ノパ听)「見ての通り文字だらけだ、一人だと眠くなるから付き合え!」

(;'A`)「イヤだ……」
どうせなら、そのまま寝ててくれ。

ノパ听)「どうせ暇なんだろおおお!?」
(;'A`)「暇といえば暇だが……」

ノパ听)「決定! いくぞおおお!」



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/09(水) 01:42:38.38 ID:3e8EwDRUO

(;'A`)「ちょっ、待てぇ! ギ、ギコさぁぁぁん!」

助けをギコに求めたが、俺とヒートのやり取りをボケーッと見ていた。

逃げようとしたが、あっさりと捕まり、引きずられるように連れていかれる。

(,,゚Д゚)「行ってらっしゃーい」

ギコはタバコを灰皿に押しつけながら、ドクオとヒートを見送った。




15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/09(水) 01:49:58.22 ID:3e8EwDRUO


FOX拠点 居住区画


ズンズン先へと行くヒート、俺は書類を抱え、その後をフラフラと着いていく。

(;'A`)「……」

ノパ听)「〜♪」

(;'A`)「ときにヒート?」

ノパ听)「なんだ?」

('A`)「何処向かってんだ?」

ノパ听)「アタシの部屋に決まっているっ!」



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/09(水) 01:54:53.06 ID:3e8EwDRUO

(;'A`)「あぁ、そう……」
女の子の部屋……、若干鼻が膨れた。

不意にヒートが立ち止まった。

ノハ*゚听)「ここだっ!」


ノパ听)「ウェルカム ザ マイ ルゥゥゥムッ!!」


違う意味で期待はぶち破られた




17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/09(水) 01:57:52.65 ID:3e8EwDRUO

棚に飾られた、大小様々なロボットフィギュア達。

壁にはデカデカと《熱血、爆発!!》の文字、わけがわからん……。

ベッドには、古ぼけたテディベアが1体うつ伏せに置かれていた……。

あとは、自分の部屋と同じようなタンスやタッチパネル、モニターがあった。

(;'A`)「なんという……」

ノハ*゚听)「ただいま、ダァイタァァァス!」

ヒートが棚に飾られた漆黒のイカツイロボを手に取る。

ノパ听)「ダァァァイタスナックルッ!!」

カチン、という音と共に右腕が射出され、俺の額に命中し、地に落ちた。



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/09(水) 02:02:36.63 ID:3e8EwDRUO

ヒート、とても楽しそうです……。

ノハ*゚听)「ワハハハハ」
(;'A`)「アハハハ……」


ダメだこりゃ……。

俺の手から機体強化資料がバサバサと地に落ち、ゴムボールは手から転がり落ちていった。



―――――




19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/09(水) 02:06:22.53 ID:3e8EwDRUO

FOX拠点 司令室



(´・ω・`)「次は北、ですか……骨が折れますね」

(???)「まぁ、出発まではまだ、日にちはあるからな。物質補給、機体整備はしっかりしていけ?」

(´・ω・`)「終わり次第北へ向かいます。では、失礼致します」
一礼し、ショボンは会議室を後にした。



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/09(水) 02:09:36.16 ID:3e8EwDRUO

モニターのスイッチを入れ、ドックと通信を繋ぐ。

(???)「モララー、リーブラはどうだ?」

( ・∀・)『断定は出来ないが、例の四体の内の一体の可能性は高いぜ?
ただ、操者が発展途上なのが気になるが……、フォックス司令はどう思う?』

爪'ー`)「彼は《あっち》からの数少ない帰還者だ……、ゆっくり待てば良いさ。
あと、ショボンには整備が終わり次第、北へ行くように指示を出した。
共和国の動きも気になる、整備急いで終わらせてくれよ?」

( ・∀・)『マカセロ』

爪'ー`)「以上だ、通信終わる」


ザー−−−




21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/09(水) 02:11:35.75 ID:3e8EwDRUO


【第13話:拠点でヒート】 〜FIN〜





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