- 6 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 21:49:19.27 ID:N5EmYkz20
-
小鳥の声で目が覚めた。ここ数日なかった心地の良い目覚めだ。
( ^ω^)「ぶるっ。寒い朝だお。さっそくデミタスさんに帰る方法を聞きに行くお」
台所に行くとあったかいご飯が並んでいた。先に口を開いたのはデミタスさんだった。
(´・_ゝ・`)「やっぱり、気持ちは変わらんか?」
( ^ω^)「変わりませんお」
(´・_ゝ・`)「・・・・・・そうか。この町は東の大陸の突出した半島にある。
まずは、内陸部に向かって進まなきゃならない」
( ^ω^)「なるほどですお。そういえば、外の国はすごい技術があるって聞いていましたお」
(´・_ゝ・`)「この辺の田舎にはそんな技術はない。あくまで、中心部だけだ」
( ^ω^)「その内陸部まではどう行けばいいんですか?」
(´・_ゝ・`)「馬で二日ほど道沿いに西に行って、ついた街からバスに乗っていける」
( ^ω^)「その後どうすればいいんですかお?」
(´・_ゝ・`)「その街から南に行けば、VIP島に定期船が出てる港に着く。詳しい名前は忘れた。すまない」
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:50:55.95 ID:N5EmYkz20
-
( ^ω^)「ありがとうですお」
(´・_ゝ・`)「馬で二日ほどだ。食料も馬も用意してやる」
( ^ω^)「気をつかっていただいてすいませんお」
(´・_ゝ・`)「かまわんさ。夜と朝は寒い。寝袋もやろう」
デミタスはいろいろなものを次々と出してくれた。まるで、初めからくれるつもりだったみたいに。
(´・_ゝ・`)「出発する前に、子供たちに挨拶しときな」
( ^ω^)「お昼には出発しますお。それじゃあ、挨拶してきますお」
朝ごはんは食べ終わった。
( ^ω^)(お別れをいいにいくお)
家を出て、すぐに気づいた。
( ^ω^)(そういや、モララーってどこにすんでるんだお?)
昨日遊んだ場所に向かった。
( ^ω^)(やっぱりいないお・・・・・・どうするお? いったん帰るお)
そう決めたときに声をかけられた。
- 8 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 21:52:54.34 ID:N5EmYkz20
-
ξ゚听)ξ「アンタ、ブーン。これからモララーんちに行くんだけど来る?」
( ^ω^)「お、お。ちょうど探してたんだお。一緒に行くお」
ξ゚听)ξ「とりあえず、イヨウとオワタを迎えに行くわよ。いつもの場所で待ってるはずだから」
( ^ω^)「わかったお」
ツンデレの横に並んで歩く。すぐに公園が見えてきた。
ξ゚听)ξ「ここにいるはず、あ、いたいた。おーい」
(=゚ω゚)ノ「イヨウ」
\(^o^)/「おはよう」
( ^ω^)「おはようだお」
ξ゚听)ξ「さ、モララーんちに行きましょ」
四人でモララーの家にむかった。
ξ゚听)ξ「おはよー。モララー?」
ツンデレがドアをたたく。
- 9 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 21:54:34.93 ID:N5EmYkz20
-
( -∀-)「あぁ、もう来たのか。おはよう。とりあえずあがってくれ」
( ^ω^)「おじゃましますお」
( ・∀・)「今日は何して遊ぶ?」
(=゚ω゚)ノ「そうだなぁ」
( ^ω^)「・・・・・・みんなに伝えなきゃいけないことがあるお」
( ・∀・)「なんだ?」
( ^ω^)「ブーンは自分の生まれた島に帰るお」
( ・∀・)「そういや、何がどうなってここにきたんだ?」
合成の事を隠しつつ、かいつまんで説明した。
ξ゚听)ξ「そう、帰るの・・・・・・」
( ・∀・)「せっかく友達になれたのにな」
(=゚ω゚)ノ「いつ出発するんだ?」
( ^ω^)「今日の午後だお」
- 10 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 21:56:13.33 ID:N5EmYkz20
-
\(^o^)/「そんなに早く?冬があけてからでもいいじゃん」
( ^ω^)「友達が、待ってるんだお」
( ・∀・)「それなら、早く帰ってやんねーとな」
( ^ω^)「用意があるから、帰るお。来てすぐにごめんだお」
( ・∀・)「気にすることぁない」
\(^o^)/「島に帰れたら手紙とかくれよな」
( ^ω^)「約束するお。それじゃあ、おじゃまでしたお」
(=゚ω゚)ノ「またな」
モララーの家を後にしてデミタスのいる家に帰った。
( ^ω^)「ただいまだお」
(´・_ゝ・`)「おかえり。用意はできたよ」
( ^ω^)「何から何までありがとうございますお」
- 11 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 21:59:17.41 ID:N5EmYkz20
-
(´・_ゝ・`)「気をつけろよ。山は良くない噂が流れてる。ついていってやれればいいんだが」
( ^ω^)「何かあったらすぐ逃げますお」
(´・_ゝ・`)「外に馬と荷物を用意してある」
デミタスと一緒に外に出る。家の裏に馬がつないであった。寒くないようにあったかそうな毛布をかぶせられている。
(´・_ゝ・`)「馬は乗れるか?」
( ^ω^)「まったくしらないですお」
デミタスさんは簡単に説明してくれた。
(´・_ゝ・`)「町に着いたら馬は売って路銀にしなさい」
( ^ω^)「わかりましたお」
教えてもらったとおりに馬にまたがり、手綱を取る。
( ^ω^)「ありがとうございましたお。このご恩は忘れませんお」
(´・_ゝ・`)「・・・・・・じゃあな」
( ^ω^)「元気でお」
馬を歩かせる。振り向きはしなかった。自分は帰らなければならない。
ゆっくり歩かせているが、体で切る風は冷たい。
- 13 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:00:53.55 ID:N5EmYkz20
-
( ^ω^)(デミタスさんのくれたものがなかったらすぐに凍死だお)
平原が続く。遠くには山が見えた。
( ^ω^)「地図は・・・・・・あったお」
かばんの外側のぽっけから地図を取り出した。
( ^ω^)「山を二つ越えて、すぐかお」
太陽は低い位置にある。一度だけ振り返った。高い建物がなかった町はほとんど見えなくなった。
( ^ω^)「ふん、ふん、ふん〜」
休むことなく、ひたすら進んだ。日が落ちるのが早く、宵闇が訪れる。
( ^ω^)「だいぶ暗くなってきたお・・・・・・」
山のふもとは目の前に迫っていた。
( ^ω^)「あそこまでいったら、今日は休むお、っくしゅ」
すぐに焚き火をつける。
- 14 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:02:34.11 ID:N5EmYkz20
-
( ^ω^)「時間かかったお」
冬の枯れ木は湿ってて火がつきにくい。すぐに寝袋に入って丸くなる。
( ^ω^)「あったかいお・・・・・・」
慣れない旅で疲れていたのか、すぐに眠れた。
( ^ω^)「っくしゅん!! 寒いお・・・・・・」
何時だろう?日はまだ上がってなかった。
( ^ω^)「寒さで目が覚めたし、もう出発するお」
馬にまたがり、山道を行く。夜明けはすぐにやってきた。
( ^ω^)「今日もいい天気になるといいお」
数時間後に一回休憩を入れ、再び歩き続けた。
( ^ω^)(何事もなくつきそうだお)
- 15 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:04:17.22 ID:N5EmYkz20
-
一つ目の山を抜けたころに道の反対から歩いて来た人に話しかけられた。
( <●><●>)「おはようございます」
ふと違和感が脳内をよぎる。
( ^ω^)「おはようございますお。漁師の街に向かってるのですかお?」
( <●><●>)「いえ、そういうわけでは」
なにか、おかしい。
( ^ω^)「・・・・・・? この時期は寒いお・・・・・・!?」
違和感に気づいた。こんな山の間にいるのにこの男は何ももっていない。
"何も"この寒い冬を何もなしで山越えなど出来るはずがない。
気づいたら、すぐに手綱を握りなおして逃げようとした。
( <●><●>)「賢いな。もう遅いが」
走り出す前に数人の男に囲まれていた。
- 16 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:06:05.31 ID:N5EmYkz20
-
( ^ω^)(しまったお)
( <●><●>)「さて、わかってるとおもうが荷物を全部よこしてもらおうか」
( ^ω^)「そんなことされたらブーンは死んでしまいますお!!」
( <●><●>)「そんなこと、我々が気にすると思うか?」
(;^ω^)「っ!」
それぞれが武器を手にしている。中には銃を持っているものもいた。
( ^ω^)「お願いですお、見逃してくださいお」
( <●><●>)「はぁ・・・・・・」
刀を突きつけられる。
( <●><●>)「さっさと寄越せ」
( ^ω^)「な、なにをするお! やめてくれお!」
何人かの男に抑えられ、馬の上から落とされた。何人かが、馬を引っ張って連れて行く。
- 17 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:08:01.70 ID:N5EmYkz20
-
( <●><●>)「運が悪かったな」
男たちは去っていった。
( ;ω;)「うっ、うっ、どうすればいいんだお」
来ていた服を取られなかったのが唯一の救いかもしれない。今すぐに凍え死ぬことはない。
だが、夜がやってきたらそれを越えることはできそうもない。
( ;ω;)「どうしようもないお・・・・・・。死にたくないお。ドクオ、ジョルジュ、ヒート・・・・・・みんなぁ」
その場に泣き崩れた。合成が出来ない自分はあの男たちにはまったくかなわない。せめて、合成さえ出来れば・・・・・・。
( ;ω;)「どう、したお? みんななら、こういうときどうするお?」
悩んでも答えは出ない。ふらふら、と盗賊たちの去っていった方向へ向かう。
( ;ω;)「取り返さないといけないお。死ぬわけにはいかないお」
人が通った跡をたどって山を登っていった。
( ;ω;)「どうすれば、助けてくれるお? ・・・・・・お願いするしかないお」
小一時間上ると斜面に大きな口が開いていた。中から話し声が聞こえてくる。臆することなく中に入った。
- 19 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:12:23.64 ID:N5EmYkz20
-
( <●><●>)「今日は楽だった」
最初に話しかけてきた男を中心に十人ほどいた。気づかれないように静かに入る。
中は明るくないっていて、荷物はすぐに見つけることが出来た。まだ、荷も解かれてない。
( ;ω;)(一度に全部はもてないお・・・・・・馬は何処にいるお?)
リーダーらしき男の近くに結ばれていた。
( ^ω^)「あれじゃあ、近づけないお・・・・・・」
ひっそりと荷物に近づいているときに小石を蹴ってしまった。
カンカンカン
洞窟の中に甲高い音が響く。
( <●><●>)「誰だ!?」
光がこちら側に向けられる。まぶしくて一瞬目を瞑った。
( ^ω^)「荷物を、返してほしいですお」
ひざが震える。でも、今の自分には頼むことしか出来ない。
( <●><●>)「馬鹿め。そのまま別のとこへ行けば助かったかもしれん命を」
( ^ω^)「ブーンにはやらなきゃいけないことがあるんですお!」
- 21 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:16:11.43 ID:N5EmYkz20
-
はっきり、一言も聞き漏らされないように叫ぶ。が、返ってきたのは鉛玉だった。
ドォン
オォンオォン
洞窟の中で反響する鈍い音。最初の一発は威嚇だった。ほおが焼けるような痛みを発する。
(−;ω;)「お願いですお! お願いですお!」
( <●><●>)「ハァ。子供ですね。頼めば返してくれると思っている。うっとおしい」
男は再び銃を構える。
(−;ω;)「・・・・・・」
友人たちと過ごした思い出が頭の中を通り過ぎていく。これが走馬灯なんだなぁ、と思ったと同時に発砲音が鳴り響いた。
オォン
(−;ω;)「はぁ、はぁ」
弾丸は自分を逸れて後ろの壁をえぐった。
- 23 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:18:02.22 ID:N5EmYkz20
-
今のは、何だ?
確かに、見えた・・・・・・いや、感じた?
自分に向かってくる玉の動きを。そして逸らした?
( <●><●>)「!?」
(−;ω;)「どういうことだお?」
( <●><●>)「なぜ・・・・・・!? 確かに、当てるつもりであった」
盗賊たちに動揺が走るのが解る。
(;<●><●>)「ちッ」
ドォンドォン
やはり、弾丸は自分をそれて飛んでいく。
(;<●><●>)「直接止めを刺すか」
リーダー格の男は刀を構えてゆっくり近づいてくる。
(−;ω;)(考える時間がほしいお)
敵に背を向けて一直線に横穴から飛び出た。後ろから、銃の音や怒号が聞こえる。
- 24 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:19:49.34 ID:N5EmYkz20
-
(−;ω;)「はぁ、はぁ」
横穴から少し離れたところの茂みに身を隠した。盗賊たちに見つかる前に、情報を知らなければならない。
(;^ω^)「感じた・・・・・・のかお? さっきのがブーンの合成なのは間違いないお。
うまくすれば、馬も荷物も取り返せるお」
だが、肝心の情報がわからない。情報がわからなければ、意図的な合成は不可能に近い。
(;^ω^)「情報が違っててもアウトだお・・・・・・。何も起こらず、殺されるだけ」
盗賊たちは大勢で探しているようだ。声が聞こえてくる。
( ^ω^)「時間がないお・・・・・・」
考えろ。弾丸はどうなった?
それた。ただ逸れただけじゃない。自分が、逸らした。
近い情報は、ジョルジュの【ベクトル】だ。
しかし、能力に目覚めて間もない自分がいきなり弾丸ほどの速さのものを合成できるか?
それに、おそらくクォーターである自分には、弾丸を逸らすための動きを持つものを持ってなければならない。
では少なくとも、ベクトルではない?
- 26 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:22:00.26 ID:N5EmYkz20
-
だったらなんだ?
、、、
そうだ。自分は、弾丸を中から逸らした!
逸らそうと思ったのではなく、逸れよう、と思った。
その違いは、なんだ?
( <●><●>)「こんなとこにいたのか」
考えることに集中しすぎて、すぐ後ろに迫っていることに気づかなかった。
( <●><●>)「こっちいるぞ!!早く来い!」
(;^ω^)「うぅ・・・・・・」
周りを囲まれ逃げれない。
(;^ω^)(やばいお・・・・・・。自分が、思った・・・・・・意思・・・・・・かお。やるしかないお!)
(;^ω^)「【××××】と【土】を合成するお!」
( <●><●>)「終わりだ!」
- 28 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:25:49.74 ID:N5EmYkz20
- 、 、 、 、
男が刀を振り下ろしてくる。自分はそれを自分以外から見ていた。
自分の体がある。集中すると、心臓の音も聞こえる。
だが、心は・・・・・・意識は殆どがここにあった。
(; ω )「とめろ」
振り下ろされた刀は土の塊によって止まる。土の塊が自分をかばうように広がっていた。
(;<●><●>)「なん・・・・・・」
(; ω )「刀を奪え」
土の塊が波のように男に襲い掛かり、後ろの木に叩きつけた。
(;<●><●>)「がふっ!」
(; ω )「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」
それを見ていたほかの盗賊たちはすぐに逃げ出した。誰一人その場にとどまっているものはいなかった。
どさっ
宙に浮いていた土の塊は大地に帰る。
- 30 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:27:26.93 ID:N5EmYkz20
-
(;^ω^)「はぁ、はぁ。間違ってなくてよかったお」
普段より早い鼓動が直に伝わってくる。
足取りはおぼつかず、朝起きたときのように頭がぼうっとする。
(−^ω^)「これは・・・・・・かなり疲れるお。でも、荷物は取り返せたし、情報もわかって一石二鳥だお・・・・・・」
(−^ω^)(情報は【意識】・・・・・・かお?)
土の塊を動かしていたときは、その視点で世界を見ていた。なら、自分が意識を合成できるのは間違いない。
だが、腑に落ちないことがある。先ほどの土砂にしろ、ニダーとの戦いのときの釘にしろ、それ自体に動く力はない。
なのに、自分の意識が混ざっただけで動けるものなのか?
(−^ω^)「この情報はもっと力があるお・・・・・・」
自分の意識とほかの物をリンクさせることが現時点でのブーンの【情報】。
(−^ω^)「みんな・・・・・・すぐに帰るお・・・・・・」
できるだけ早くさっきの場所を離れたいので、馬を少し早めに歩かせる。
町を出発してから二度目の夜が来た。火をおこして寝袋の中で丸くなる。
- 32 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:29:11.78 ID:N5EmYkz20
-
本当の情報を知るために過去の事を考える。
初めて合成を使ったのは、おそらく溺れたとき。
次は土砂崩れに巻き込まれそうになったとき。
そして、ニダーとの戦いのとき。
共通点はいずれのときも意識をうしなってること。
そして、あり得ない現象が起きていること。
(−^ω^)(おそらく、【意識】の合成はブーンの情報の一部だお)
自分の能力はこれがすべてではない、そう考えると何が何でも知りたくなってくる。
だが、いまのところヒントが少ない。
(−^ω^)「やっと意識的に合成できるようになったんだお。あせらず、いろいろ試してみればいいお・・・・・・」
明日の朝もはやくに目が覚めるだろう。そう思って今夜はもう寝ることにした。
- 34 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:31:29.77 ID:N5EmYkz20
-
(−^ω^)「ん・・・・・・もう朝かお」
目を覚ました。
(−^ω^)「さっそく出発するお。予定通りなら、今日中に街に着くはずだお」
馬に乗って出発する。しばらくして、森を抜けると少し先に大きな街があった。
見たことのないほど高い建物が並んでいる。
(−^ω^)「もうすぐだお」
ゆっくり歩を進める。街の外側には大きな農場があった。
(−^ω^)「馬を売ってお金にするお。こんにちは。」
(*'ω' *) 「いらっしゃいなの。何がほしいの?」
(−^ω^)「買い物じゃないですお。馬を買ってほしいんですお」
(*'ω' *) 「馬?その?」
恰幅の良い女性は後ろにいる馬をさす。
(−^ω^)「ですお」
- 36 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:33:57.33 ID:N5EmYkz20
-
(*'ω' *) 「いくらぐらいなの?」
(−^ω^)「ここから、VIP島に行けるぐらいがいいですお」
(*'ω' *) 「ぽー、高すぎるのっ!」
(−^ω^)「VIP島に行くのにはどのくらいかkるんですかお?」
(*'ω' *) 「んぽっ、確か馬十頭分ぐらいなの」
(−^ω^)「そんなにかかるんですかお?」
(*'ω' *) 「一ヶ月に一便しかないの」
(−^ω^)「一番近い便はいつなのですかお?」
(*'ω' *) 「わかんないのっ」
(−^ω^)「ありがとうございましたお」
(*'ω' *)「そういえばVIP島の住民なの?」
(−^ω^)「そうですお」
(*'ω' *)「街の中の一番高い建物の役所ってとこに行くと仕事がもらえると思うの」
(−^ω^)「わかりましたお」
- 37 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:35:46.44 ID:N5EmYkz20
-
馬と、寝具を売ってて手にいれたお金をしまう。
大事な荷物を背負って、街にはいった。
(−^ω^)「まずは、宿を見つけないといけないお」
建物は石に似たものでつくられている。
(−^ω^)「なんで出来ているんだお?」
家の壁に手を当て合成をする。
(− ω )「水と、石・・・・・・かお」
合成をとく。
(−^ω^)「おっとっと。まだ慣れないお」
意識を分割している間は、本体は殆ど動けない。
(−^ω^)「改善しなきゃいけないお。これじゃあ体が危ないお」
ふらふらと一番高い建物に向かった。
- 39 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:37:40.53 ID:N5EmYkz20
-
(−^ω^)「1,2、3、4階建てかお。こんなに大きな建物は初めて見たお」
玄関から中に入る。フロントの女の人に宿泊場所をたずねた。
安い宿への地図をすぐに描いてくれた。お礼をいって、建物を出た。
(−^ω^)「ふんふんふーん」
鼻歌を歌いながら宿に向かう。地図に書いてある最後の角を曲がったときに男の人とぶつかった。
( ´_ゝ`)「すいません」
その人はそのまま走り去っていった。
(−^ω^)「こんにちはー」
(*"ω" *)「いらっしゃいませ。民宿≪ンポ≫へようこそ」
(−^ω^)「あれ、牧場のおばさん。ここでも働いてるのですかお?」
(*"ω" *)「それは私の妹のちんぽっぽだと思います。私は姉のぽんぽっち、と申します」
- 40 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:39:36.38 ID:N5EmYkz20
-
(−^ω^)「そうなんですかお。そっくりだったんでびっくりしましたお」
(*"ω" *)「双子ですから。お客さん何泊されますか?」
(−^ω^)「一週間ほどでお願いしますお」
(*"ω" *)「わかりました。朝食と夕食がついて450chです」
(−^ω^)「ちょっとまってくださいお・・・・・・お? お、お金がないですお」
(*"ω" *)「困ります。先払いですよ」
(−^ω^)「おかしいお! 確かにあるはずだお。さっき馬を売ったばかりなんだお」
(*"ω" *)「馬は、うちの妹の牧場で売ったのですか?」
(−^ω^)「そうですお」
必死で頷いた。ここに泊めてもらえなければ、凍死してしまう。
(*"ω" *)「仕方ないですねぇ。ちょっと待っててください」
- 42 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:41:45.60 ID:N5EmYkz20
-
ぽんぽっちさんがフロントの奥に入っていった。五分とたたず、すぐに出てきた
(*"ω" *)「妹に確認したところ、確かに馬を売っていたみたいですね。お金は後払いでもかまいません。見つかったら払ってください」
(−^ω^)「ありがとうございますお」
(*"ω" *)「では、こちらへどうぞ」
一階の一番奥の部屋に案内された。
(−^ω^)「どうもですお」
(*"ω" *)「夕食は19:00にお持ちいたします。それまでにはこの部屋にお帰りになってください。ごゆっくりどうぞ」
ぽんぽっちさんは部屋を出て行った。時計を見ると2:00を周ったとこだった。
(−^ω^)「いつお金を落としたんだお?」
役所では確かにあった。取り出して、数えたから覚えている。
(−^ω^)「お!」
- 43 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:43:47.27 ID:N5EmYkz20
-
この宿に来る直前に男とぶつかったのを思い出した。
(−^ω^)「あの時・・・・・・かお? とりあえず、あの人を探すお」
勇んで宿から飛び出たが男が何処に向かったのかまったく見等がつかない。
(−^ω^)「この街の地図が必要だお」
部屋に戻って鞄から地図を取り出した。その時、鞄に見覚えのない白い紙が入っていることに気づいた。
(−^ω^)「これは何だお」
きれいな字で簡潔な文が書かれていた。
お金を返してほしければ、×××の店に来い。
場所は地図に載っている。
(−^ω^)「いつの間にこんなもの入れたんだお? まったく気づかなかったお」
地図を広げると目的の店はすぐに目に入った。ここから歩いたら一時間もかからないだろう。
(−^ω^)「お金を返してほしければ、っていうのはおかしいお・・・・・・。そのまま逃げれば、絶対に見つけられないお」
- 44 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:46:35.54 ID:N5EmYkz20
-
男の目的はなにか。このメモが本当であれば、お金ではない。
なら、なんだ?
初めて来た土地に知り合いがいるはずもない。
(−^ω^)「・・・・・・ついたお」
盗っ人の呼び出しに応じるにはきれいな店だ。いまさら、手紙は嫌がらせではないかと不安になってくる。
とりあえず、店の中に入った。
(−^ω^)(どうすればいいんだお?)
数人の客がいて、目的の人物がわからない。おたおたしていたら店員に話しかけられた。
どう応えればいいか迷っていると、先ほど見た男が店員に応えた。
( ´_ゝ`)「この人は俺の連れだ。こっちにきてくれ」
男について入り口から見えない席に向かった。そこには顔がそっくりな男がすでに座っていた。
しばらくの無言のあと、自分を席に案内したほうの男が口を開いた。
( ´_ゝ`)「・・・・・・久しぶりだな」
(−^ω^)「どちら様ですかお? ご存じないですお」
(´<_` )「覚えてないのも当然だアニジャ。俺たちが島を出たときホライゾンは赤ん坊だったからな」
(−^ω^)「!?」
- 46 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:48:23.13 ID:N5EmYkz20
-
驚きで言葉が出ない。自分の名前を知っている。間違いなく島の人間だ。
( ´_ゝ`)「俺はアニジャ」
(´<_` )「俺はオトジャ」
二人が自己紹介をした。
(−^ω^)「ブーンの事はご存知みたいなので、自己紹介は省かせてもらいますお」
( ´_ゝ`)「お前を探していた」
(−^ω^)「どうしいいてこの大陸にいるとわかったんですお?
それに、わかってても見つけられるはずないですお」
(´<_` )「簡単なことだ。俺たち二人が"八本柱"だからだ」
(−^ω^)「!?」
咄嗟にフォークをつかんで席を立った。
( ´_ゝ`)「おちつけ。これでも飲んでな。クックルから話は聞いてるはずだ」
クックルの名前を聞いて、フォークをにぎったまま席に着いた。
アニジャから勧められたコーヒーを飲む。
(´<_` )(確かあれはアニジャソルトスペシャル。飲むとあまりの塩の多さに涙するとか・・・・・・)
- 48 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:50:39.90 ID:N5EmYkz20
-
(−^ω^)「おいしいお」
(;´_ゝ`)(´<_`;)「な、なんというボケ殺し!!」
(−^ω^)「ブーンを呼び出した理由はなんですかお?」
(;´_ゝ`)「あ、あぁ。しばらくVIP島に帰るな」
(−^ω^)「え?」
あまりの唐突な発言に思考がストップする。島に帰るのを助けてくれるものだと思っていた。
(−^ω^)「理由を聞きたいですお」
(´<_` )「VIP島は北の国と戦争をすることになった。島内は安全じゃない」
(−^ω^)「! で、でもブーンの友達もいますお」
( ´_ゝ`)「大丈夫だ。先制攻撃の一撃で北の国の中枢を破壊する」
- 49 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:53:00.31 ID:N5EmYkz20
-
(−^ω^)「北の国の人間を殺すのですかお?」
(´<_` )「間違ってはいない。だが、無差別な殺戮とは違う。上層部の人間だけを消す」
(−^ω^)「人殺しは人殺しですお!」
( ´_ゝ`)「北の国ではお偉いさんだけが贅沢をしていて、民衆の中からは餓死者が出ているとしてもか?」
(−^ω^)「偉い人たちにも、家族が・・・・・・」
(´<_` )「わかってもらおうとは思わん」
( ´_ゝ`)「俺たちには俺たちの守るものがある」
(−^ω^)「でも、それだったらブーンが帰っても大丈夫なはずだお」
(´<_` )「村の子供たちは一時的に南のVISTA諸島に避難させる予定だ」
( ´_ゝ`)「お前はここにいてほしい。滞在金も十分あるはずだ。どのみち、しばらく船は出ないが・・・・・・」
- 51 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:54:46.12 ID:N5EmYkz20
-
アニジャが見覚えのある財布を机の上においた。
(−^ω^)「ブーンの財布・・・・・・」
(´<_` )「すべてカタがついたら必ず迎えに来る」
( ´_ゝ`)「それまでここで暮らしていてほしい」
(−^ω^)「父さんと母さんは元気なのですかお?」
(´<_` )「ああ」
( ´_ゝ`)「少しの辛抱だ。すまない」
(−^ω^)「・・・・・・わかりましたお。待ってますお」
( ´_ゝ`)(´<_` )「それじゃあな」
同時に別れを言い、同時に席を立った二人は店を出て行った。
- 52 名前:( ^ω^)は合成士のようです ◆gMIGdyOjeA :2008/11/19(水) 22:56:28.96 ID:N5EmYkz20
-
(−^ω^)「戦争・・・・・・」
戦争というものは体験したことはない。ただ、授業でどのようなものかは聞いていた。
無関係な人間がたくさん殺されるものだと。
時計を見ると、16:00を少し過ぎたころだった。
(−^ω^)「遠回りして、散歩しながら宿に帰るお」
アニジャさんとオトジャさんが店を出てからさほど時間はたっていなかったが、
店ですることもなかったので。財布をしまい店を出た。
近づいた、と思ったらまた、離れていく。
前に進むことが出来ないときは、立ち止まって考えればよい。
答えがないのなら、作り出せばいい。
to be continued...