内藤エスカルゴ - 完結作品一覧 - ( ^ω^)は合成士のようです - 8話
5 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 21:58:42.58 ID:Wd90qnrx0

店を出て地図を見た。

(−^ω^)(ここに行ってみるお)

目にとまったのはお土産屋。

(−^ω^)(どんな物があるかたのしみだお)

地図をしまい歩き出す。道幅は広くたくさんの人が行きかっていた。

(−^ω^)「都心のほうにも行ってみたいお・・・・・・」

店から歩いてすぐのところにお土産屋さんはあった。
昔からあるような建物だ。

(−^ω^)(これが老舗、ってやつかお?)

さっそくのれんをくぐった。中はたくさんの置物があり、中には天井まで届きそうなものもあった。
おくまで進むとガラスのケースの中に手作りらしきお菓子が並んでいる。

7 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:00:07.50 ID:Wd90qnrx0

(−^ω^)「おいしそうだお・・・・・・」

川д川「いらっしゃぁい」

出た。

(−^ω^)「!?」

川д川「あらやだ。人の顔を見て固まるなんて、失礼な子ね」

・・・・・・・・・・・・
・・・・・・

川д川「何処から来たの?」

(−^ω^)「VIP島からですお」

川д川「随分な所から来たわね。楔の島、だっけ?」

(−^ω^)「なんですかお?」

川д川「あら。この呼び方をするのは外の人だけなのかしら?
ちょっとした言い伝えがもとになってるのよ」

(−^ω^)「お暇でしたら、ぜひくわしく聞かせてほしいですお」

8 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:02:42.90 ID:Wd90qnrx0

川д川「暇じゃないように見えるかしら? まぁ、いいわ」

女の人はいすを持って来てくれた。

川д川「どうぞ」

(−^ω^)「ありがとうございますお」


川д川「この世界は一度滅びかけたの」

原因はわからないし、事実かどうかもわからない。突然の大地震。
世界が中心から真っ二つに裂けようとしていた。そこで空から落ちてきたのがVIP島。
島が割れかけていた世界をつないでいる。
という話だった。

川д川「これでわかったでしょ? 楔の島と呼ばれている理由」

(−^ω^)「面白い話でしたお」

川д川「暇つぶしに付き合ってくれてありがとね。これをあげるわ」

11 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:04:33.98 ID:Wd90qnrx0

(−^ω^)「これは、なんですかお?」

川д川「お菓子よ」

(−^ω^)「いただきますお。それではそろそろ・・・・・・」

川д川「じゃあね〜」

お菓子を受け取って店を後にした。

(−^ω^)「七時までに帰らないといけないお」

民宿≪ンポ≫に着いたときには七時少し前で、すぐに女将さんが晩御飯を持ってきてくれた。

(*"ω" *)「どうぞ。食べ終わりましたら、食器はドアの前に出しておいてください」

(−^ω^)「わかりましたお」

女将さんは部屋を出て行った。はやばやと食べ終わり今後について考える。

12 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:06:16.24 ID:Wd90qnrx0

(−^ω^)「アニジャさんとオトジャさんは迎えに来るっていってくれたお」

でもいつになるかわからない・・・・・・。

(−^ω^)「! バイトでもしてお金を貯めとくお。明日は早速役所にいくお」

先ほどもらったお菓子を食べながらうとうとしているうちに眠りに落ちた。

コンコンコン

(*"ω" *)「もしもし、すいません」

扉をノックする音で目が覚めた。

( ^ω^)「なんでしょうか?」

(*"ω" *)「朝ごはんをお持ちしました」

( ^ω^)「ん・・・・・・。どうもですお」

眠気のせいで朝ごはんの鮭がなかなかくずせない。
朝ごはんを食べ終わった頃には目は覚めていた。

( ^ω^)「さて・・・・・・でかけるお」

役所にはすぐ着いて、中に入り受付の人に事情を話すと奥の部屋に通してもらえた。
そこにかけてお待ちください、といわれ椅子に座る。

13 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:08:12.34 ID:Wd90qnrx0

( ^ω^)「VIP島住民専用の仕事かお・・・・・・。儲かりそうだお」

扉が急に開いて女の人が入ってきた。

从 ゚∀从「ん? ガキをここに入れたのは誰だ! 俺が用あるのは合成士だけだ」

( ^ω^)「ブーンがそうですお」

从 ゚∀从「へぇ。何ができんだよ?」

女性は偉そうに椅子にふんぞり返っていた。

( ^ω^)「意識、の合成ですお」

从 ゚∀从「ちっ」

舌打ちを隠そうともしない。

(;^ω^)「なんで舌打ちされるんだお」

从 ゚∀从「説明すんのもめんどくせぇ。帰っていいぞ」

(;^ω^)「わけわかんないですお」

14 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:10:10.77 ID:Wd90qnrx0

ちゃんと説明してあげてください。
声がしたかと思うと、おしとやかな感じの女性が入ってきた。

lw´- _-ノv 「彼だって合成士じゃないですか」

从 ゚∀从「てめぇがいうんなら・・・・・・」

しぶしぶ、という感じで話し始めた。

从 ゚∀从「ここから東に向かう道中の山に山賊が出没してんだ。
そいつらの退治に合成士サマに付き合ってもらえたら楽に倒せるだろ?
だから、攻撃面に応用のきく合成士に来てほしかったんだよ」

( ^ω^)「山賊ですかお? それならここに来る途中に遭いましたお」

从 ゚∀从「は?」

( ^ω^)「いや、ですから山賊なら来る途中に遭いましたお。逃げてきましたが・・・・・・」

lw´- _-ノv「ふむ」

从 ゚∀从「そんなハズはねぇ。俺の部下が数人帰ってこねえんだ」

16 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:12:19.32 ID:Wd90qnrx0

( ^ω^)「でも・・・・・・」

从 ゚∀从「まぁ、いい。やつとやりあって生きてきてるんなら戦力になんだろ」

適当に流されてる気がする。

lw´- _-ノv「では、私とハインリッヒ警部とあなたで出発しますか。名前は?」

( ^ω^)「内藤ホライゾン、ブーンって呼んでくださいお。あなたは?」

lw´- _-ノv「シュールです。私も合成士ですよ」

( ^ω^)「そうなんですかお?」

lw´- _-ノv「ええ。情報は【純】です。名前の通り一部合成ではなく純粋な合成をします」

( ^ω^)「よろしくですお」

シュールさんと仲良く話してたところにイライラとした声が割り込んできた。

从#゚∀从「出発は今日の午後だ。それまでに準備しておけ」

( ^ω^)「どこにいけばいいですかお?」

从 ゚∀从「準備が出来たらここに来い。シューは俺の暇つぶしに付き合え」

( ^ω^)「失礼しましたお」

ことわって、部屋をでる。

17 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:14:29.31 ID:Wd90qnrx0

( ^ω^)「んー特にすべきこともないお」

宿に戻ってもって来る必要のものはない。外に出たところで、すぐに折り返し、再び役所に入って奥の部屋に向かった。
扉に手をかけようと思い、手を伸ばしたら中から声が聞こえてきた。

    「だ、駄目ですよ」

   「いいじゃねぇかよ。少しだけだ。その手をどけな」

    「や、やめてください」

( ゜ω゜)!?

   「俺に任せろって」

    「いあっ・・・・・・」

( ゜ω゜)「何をしてるんだおー!?」

扉を開けて中に入った。そこではハインさんがシュールさんを壁際に追い詰めていた。

从;゚∀从「うお! なな何してんだ?」

( ゜ω゜)「ここここっちのセリフですお!」

ハインリッヒさんはすぐにシュールさんから離れた。

19 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:16:18.06 ID:Wd90qnrx0

( ^ω^)「百合ンリッヒ警部。いますぐにでも出発できますお」

从 ゚∀从「? 何を言ってるんだ? 俺は子犬を抱かせてもらおうと思ってただけだが?」

シュールさんは子犬を抱えていた。

lw´- _-ノv「ここで飼っている犬らしいんですが、凄くなつかれちゃって」

( ^ω^)「・・・・・・」

从 ゚∀从ニヤニヤ

( ^ω^)「シュールさん、行きますお」

lw´- _-ノv「はい」

( ^ω^)「この荷物もって行くんですかお?」

lw´- _-ノv「ええ」

( ^ω^)「テントとかあるんですが・・・・・・」

lw´- _-ノv「何日か泊り込みで探す予定になっているんです」

( ^ω^)「ですかお。わかりましたお」

シュールさんと荷物を運んだ。

20 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:18:25.90 ID:Wd90qnrx0

lw´- _-ノv「この車で麓まで行きます。荷物は載せといてください」

( ^ω^)「行きますよ! ハインリッヒ警部」

荷物を運んでいる間、ニヤニヤ笑いを崩さなかった。

从 ゚∀从「わかってるよ」

三人で車に乗り込んだ。運転席にはシュールさんが座っている。
馬とは違い車はすぐに山のふもとに着く。

从 ゚∀从「よし、行くぞ。荷物もて」

車から降りたときには元通りになっていた。

( ^ω^)「重たいですお・・・・・・」

lw´- _-ノv「ハインリッヒ警部ももってください」

从 ゚∀从「しゃーねーな」

ハインさんに荷物を渡した。

从 ゚∀从「もう少し進んだとこでテントを建てるぞ」

lw´- _-ノv「わかりました」

21 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:20:53.53 ID:Wd90qnrx0

( ^ω^)「テントなんてどうやって建てるんですかお?」

lw´- _-ノv「それは私の合成ですよ。もっててください」

シュールさんにテントの骨組みを一本渡された。それを建てた状態で支える。

lw´- _-ノv「地面と骨を合成。・・・・・・離してくださって結構ですよ」

骨はその場に固定されていた。

( ^ω^)「これなら楽に建てられますお!」

从 ゚∀从「ちったぁ役に立つじゃなえぇか。合成ってのはよ」

あっという間にテントは完成した。

从 ゚∀从「まずは、ブーン。おめぇの話を聞かせろ」

横柄な態度は相変わらずだった。

( ^ω^)「ブーンは東の漁村からこっちに向かって馬で来てたんですお。
その途中、山賊達にからまれて荷物を全部ひったくられたんですお」

从 ゚∀从「なんで合成をしなかったんだ?」

嫌なとこをついてくる。

23 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:22:38.92 ID:Wd90qnrx0

( ^ω^)「でも、ちょうどその後に合成が使えるようになったんですお」

そのときの事を思い出すとニヤニヤがとまらない。

( ^ω^)ニヤニヤ

lw´- _-ノv「最初に合成できた時って快感ですよね」

( ^ω^)「そうなんですお。ブーンもあの時合成できなかったr」

从#゚∀从「いいから続きを話せ」

なんか嫌われてるみたいだ・・・・・・。

( ^ω^)「それで合成を使ってやつらから荷物を取り返して逃げてきたんですお」

・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・

沈黙が場を支配している。

( ^ω^)「ブーンの話はもう、終わりましたお?」

ハインさんが複雑な表情で頷いた。

24 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:24:54.65 ID:Wd90qnrx0

从 ゚∀从「いや、おかしいんだ。お前は"やつら"と言った。俺が探してるのは"やつ"だ。
それに、合成で逃げ切れたっていうのもおかしい。やつは不思議な能力を使う、と生き残った旅人から聞いた」

( ^ω^)「ブーンの会った山賊達は合成にびびってましたお」

从 ゚∀从「そいつらとあった場所まで案内してほしい」

( ^ω^)「わかりましたお。でも、ここからは少し遠いので明日の朝出発でいいですかお?」

从 ゚∀从「わかった」

( ^ω^)「今からはどうしますお?」

从 ゚∀从「俺は付近の偵察に言ってくる」

そういって銃を腰に挿し、その上からオーバーコートを羽織って出て行った。
ハインさんが出て行って手持ち無沙汰になったのでシュールさんに話しかけた。

( ^ω^)「シュールさんはどうしてこの大陸に?」

lw´- _-ノv「私ですか? 私は北の国から来たのです。この国に要請されたので」

( ^ω^)(っ!)

一瞬身がこわばる。落ち着け。バレたらまずい。

25 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:26:41.99 ID:Wd90qnrx0

lw´- _-ノv「ブーン君はどうしてこの国に? そんなに若いのに」

( ^ω^)「親が若いうちに旅に出なさいっていうんですお。この国に一週間ぐらいは滞在してきなさいって・・・・・・」

lw´- _-ノv「厳しいですね。お金に困ってこの仕事に来たの?」

( ^ω^)「いえ、違いますお。自分が役に立つ場所がある、と思ったからですお」

lw´- _-ノv「ブーン君の情報は意識だって? ちょっとやってみてくれないかな」

シュールさんが外に出ていく。後を追うようにしてすぐに出た。

( ^ω^)「疲れるんで、すこしだけですお」

ブーンは地面に手をつけ意識を流し込む。

lw´- _-ノv「すごい・・・・・・」

土の塊が地面から持ち上がり、ふよふよと形を変化させながら浮いている。

( ^ω^)「ふぅ・・・・・・」

集中を解く。土は重力に逆らわず、まっすぐに落ちた。

26 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:29:10.42 ID:Wd90qnrx0

lw´- _-ノv「うーん、でも【意識】って何かしっくり来ないね。
意識共有しているだけで、土が浮くなんてことはないとおもうけど・・・・・・」

( ^ω^)「そうなんですお」

lw´- _-ノv「これは一つの例として聞いてほしいんだけど、昔【時】の合成が出来る人がいてね、
その人は年をとってから【時】が合成できると気づいたの」

( ^ω^)「聞いたことありますお」

lw´- _-ノv「うん。それで、その人はその年まで合成できなかったか、といえばそうじゃなくて、
その人は、自分は【腐】の情報だと考えていたらしいの」

( ^ω^)「【腐】ですか?」

lw´- _-ノv「【時間】の合成が強すぎて生き物が枯れちゃうのよ。"時間を足す"ことしか出来なかったみたい」

( ^ω^)「ブーンの情報はより強いものの一部、だということですか?」

心が躍る。強い情報だったらどれほどうれしいだろう。

lw´- _-ノv「可能性の話よ」

シュールさんは若いのにとても物知りで、島の歴史なんかも教えてもらった。
夕日が沈む前にハインリッヒ警部が帰ってきた。

28 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:30:28.90 ID:Wd90qnrx0

从 ゚∀从「だいぶ早いが飯にすんぞ、ほれっ」

ビスケットみたいな物を投げてきた。

( ^ω^)「これは何ですか?」

从 ゚∀从「は? 何って、飯以外になにがあるんだよ」

( ^ω^)「もぐもぐ・・・・・・あんまりおいしくないですお」

从 ゚∀从「黙って食え」

( ^ω^)「食べ終わりましたお」

从 ゚∀从「なら寝ろ」

( ^ω^)「こんなに早くにですか!?」

从 ゚∀从「っせーな。別にすることなんてねーよ。遠足じゃねぇんだぞ?」

lw´- _-ノv「ブーンさん。合成の上達はイメージですよ。目を瞑ってイメージを思い浮かべるのも大事です」

シュールさんが助け舟を出してくれた。

29 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:32:50.45 ID:Wd90qnrx0

( ^ω^)「やってみますお・・・・・・」

( −ω−)・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・

( −ω−)スヤスヤ

从 ゚∀从「・・・・・・結局眠ってんじゃねぇか。てめぇも寝ていいぞ。俺が見張りをやっとく」

lw´- _-ノv「それでは、お言葉に甘えまして。おやすみなさい・・・・・・」

从 ゚∀从「ふぅ・・・・・・しっかし、こいつらで勝てんのかねぇ」


( −ω−)ん・・・・・・

( ^ω^)「朝・・・・・・かお?」

从 ゚∀从「やっと起きたか。出発するぞ」

( ^ω^)「まだ寒いですお」

朝日がわずかに空を照らしている。

从 ゚∀从「うるせぇ!」

( ^ω^)「わかりましたお・・・・・・」

30 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:35:28.69 ID:Wd90qnrx0

たくさん着込んでテントから出る。
外にはシュールさんが待っていた。口から白い息を吐きながら挨拶をする。
すぐ盗賊たちのいた横穴へ出発した。

歩き始めて数時間がたった。

(;^ω^)「ちょっと、休憩しませんかお」

lw´- _-ノv「私は平気ですがブーン君が言うなら・・・・・・」

从 ゚∀从「しゃーねーな。んじゃ、三十分ほどだけだ」

その辺に荷物を置いて座る。

从 ゚∀从「不安だ・・・・・・。暇だからその辺歩いてくる」

lw´- _-ノv「私もついていきますね」

从 ゚∀从「心配いらん。そいつについといてやれ」

lw´- _-ノv「わかりました」

ハインさんは歩いていった。




    「どういうことだ!?」

33 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:43:25.17 ID:Wd90qnrx0

少し先の茂みからハインさんの声が聞こえてきた。

lw´- _-ノv「行くよっ!」

(;^ω^)「はいっ」

すぐにお荷物を担いで声のした方向へ走る。ハインさんが呆然と固まっていた。

lw´- _-ノv「どうしたんです・・・・・・ッ!」

そこには警察の服が何かに巻きついて散らばっていた。

・・・・・・いや巻きついてるんじゃない。
もとは人だったんだ。よく見ると腕や足が落ちている。
それも一人分ではない。どうみても数人分の部品があった。
凄惨な現場だった。血は土に染み込みその部分の色を変えている。

(;^ω^)「うっ・・・・・・」

ひどい異臭がする。肉片には黒いものが集まっていた。
付近の木にも大きな傷跡がいくつもあった。

从 ゚−从「こいつらは俺の部下で間違いない」

lw´- _-ノv「ハインさん! ここから離れましょう!」

从 ゚−从「ああ・・・・・・」

34 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:45:37.22 ID:Wd90qnrx0

(;^ω^)「どうやったらこんなひどいことに・・・・・・」

lw´- _-ノv「例の犯人で間違いないでしょうね」

从 ゚−从「・・・・・・」

(;^ω^)「人にあんなことを出来るなんて人間じゃないですお」

lw´- _-ノv「ええ・・・・・・少し休憩しましょう」

ハインさん?

从 ゚−从「・・・・・・」

シュールさんが話しかけても返事が返ってこない。
死体を見てから一言もしゃべっていない。

(;^ω^)(自分の送った部下があんなふうになってたら落ち着いていられるわけないお・・・・・・)

三人とも無言で荷物の上に座り込む。無言の空気が重くのしかかる。

35 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:47:51.48 ID:Wd90qnrx0

(;^ω^)(どんな合成であんな風になるんだお?)

思い出したくない現場だが、犯人を倒すヒントになるかもしれない。
彼らはバラバラの状態だった。一撃であんなにバラバラにできるのだろうか?
そうだとすればこちらに勝ち目はまったくない。
そんな強力な合成なんかあったか?
シュールさんを横目で見る。

lw´- _-ノv「・・・・・・」

当然だが顔が白い。

(;^ω^)「っぅぅ・・・・・・」

茂みの奥で食べ物を戻す。凄惨な現場が脳裏を離れない。

lw´- _-ノv「帰り・・・・・・ますか」

シュールさんが呟いた。

(;^ω^)「そうしましょうお」

正直心がもちそうになかった。それにハインさんも心配だ。

36 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:50:54.13 ID:Wd90qnrx0

lw´- _-ノv「荷物は私が持ちます。ハインさんを支えてもらってよいですか?」

(;^ω^)「はい」

ハインさんを支えて立ち上がった。休憩を何度も挟み、来るときの何倍もかけてテントのところまで戻った。

陽は暮れかけていた。

lw´- _-ノv「今日はテントで休もう・・・・・・。明日、起きたら車のところまで行き、帰る。それでいいね?」

(;^ω^)「問題ないですお」

ハインさんをテントの中に寝かせ、自分も横になる。
目を閉じるとあの光景が浮かぶ。

(;^ω^)「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」


眠気に負けて瞼を閉じるとすぐに浮かんでくる。

何者かが追いかけてくる。必死に逃げる。

(;^ω^)「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」

37 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:52:53.53 ID:Wd90qnrx0

夢の中にいた。
周りはすべて真っ白。
逃げても逃げてもだんだん距離をつめて来る。

(;^ω^)「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・うわっ!」

何かにつまずいてこけた。振り返ると白だけの世界に赤色が広がっていた。
そこには人間の部品があった。

(; ω )「ぉぅぇ・・・・・・」

口から吐いた。それは真っ赤な人の指だった。

(; ω )「ごぼっ・・・・・・」

誰か、は自分に追いついた。姿は見えなかったがそう感じた。
巨大な何かが迫ってくる。
死にかけてきたことは何度もあったが、これほどおぞましい悪意は体験したことはなかった。

シュッ・・・・・・ドス

世界が回転している。

・・・・・・いや、回っているのは自分の頭か。
一言も発せない。そのまま眠るように意識が落ちようとした瞬間、声が聞こえた。

ブーン君!

38 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:56:12.53 ID:Wd90qnrx0

その声のほうに向かって最後の意識を伸ばした。

ブーン君!

lw´- _-ノv「ブーン君!」

シュールさんに揺すられていた。

(;^ω^)「どうしたんですかお?」

lw´- _-ノv「どうしたも何も、ものすごくうなされてたから・・・・・・」

(;^ω^)「そうなんですかお」

lw´- _-ノv「ひどかったわよ・・・・・・」

いわれて気がついたが、確かに凄い量の寝汗を書いている。

(;^ω^)「今は何時ですかお?」

lw´- _-ノv「夜明けは近いと思うんだけど・・・・・・それよりも聞いて! ハインさんがいないの!」

(;^ω^)「お?」

39 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 22:58:36.06 ID:Wd90qnrx0

lw´- _-ノv「さっき、ブーン君の寝言で起きたんだけどハインさんがテントの中にいなくて・・・・・・」

(;^ω^)「昨日の・・・・・・とこですかね」

lw´- _-ノv「車のほうかもしれない」

シュールさんはあまり感情を表に出さない女性だったけど、相当あせってるのがわかった。

(;^ω^)「分かれるのは、まずいですお・・・・・・」

lw´- _-ノv「うん。でも・・・・・・どうしよう」

どうするのが最善か・・・・・・迷っている時間も惜しい。

(;^ω^)「シュールさんは車のほうに向かってください。ブーンが奥へ向かいますお!」

lw´- _-ノv「でも、もしアイツにあったら・・・・・・」

シュールさんを納得させるために大きく息を吸って落ち着いた言葉で話す。

41 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 23:02:58.10 ID:Wd90qnrx0

( ^ω^)「ブーンの合成は【意識】ですお。シュールさんより戦闘にむいてますお。
それにきっと大丈夫だと思うお」

lw´- _-ノv「・・・・・・。わかったわ。ブーン君が昨日のほうへ、私が車のほうへ。
お互い今日の晩までには必ず戻ってきましょう」

( ^ω^)「はいですお」

返事をしてすぐに昨日のほうへ向かう。

( ^ω^)(気丈なハインさんは正気を取り戻したら、敵をとりたいと考えるはずだお・・・・・・)


最低限の荷物だけを背負い昨日と同じルートを急ぐ。
休憩を何回か挟んだが、予想よりも早くつくことができた。
茂みの奥を覗いてみると、昨日は踏み入らなかった場所に足跡がついていた。

( ^ω^)(おそらくハインさんの足跡だお・・・・・・)

辺りを見回してもハインさんらしき影は見当たらない。
もう少し奥まで行こうとすると、背後で人の音がした。
振り向くとそこには真っ黒なコートを着た長髪の男が、
手に死神の鎌も顔負けなほど巨大な扇を持って立っている。

42 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 23:06:16.63 ID:Wd90qnrx0

川V・VJノ「迷い人か?・・・・・・黄泉の国への案内ならしてやれるんだがな」

(;^ω^)「おっ・・・・・・」

これだけ距離が離れているのに振るえがとまらない。
この男が犯人だとすぐに感じた。まずい・・・・・・。

川V・VJノ「今日最初の獲物か。楽だな・・・・・・」

男は扇を構える。

ヤバイ・・・・・・直感で木の後ろに回りこんだ。

ドガガガガガガ

木に鎌で切り裂いたかのような瑕後ができる。

(;^ω^)(あの人たちがあんな風になっていたのはこれが理由かお・・・・・・)

自分が同じようにバラバラにされる映像が脳裏に浮かんだ。
逃げなきゃ殺られる。

45 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 23:09:28.38 ID:Wd90qnrx0

(;^ω^)「何で人を殺すんだお!」


意味はないとわかっていても問いかける。


川V・VJノ「理由はないさ。ただ自分が人外であること。それを確認し続けているだけ・・・・・・だっ」


顔を出していたところに大きな切り傷がつく。


(;^ω^)(こいつの情報・・・・・・【鋭】だお。風を鋭さと合成してるんだお。
相手がこっちを合成士だと思ってない今がチャンスだお!)


川V・VJノ「ふむ・・・・・・どうしてそんなに落ち着いていられる?
ただの馬鹿か? それとも・・・・・・人外か?」

46 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 23:12:23.74 ID:Wd90qnrx0

(;^ω^)(っ・・・・・・!)


川V・VJノ「終わりだ」


何度も何度も扇を振る。
すさまじい風の唸りが鼓膜を圧迫してくる。
すぐに木は削りきられ、大きな音と共に倒れる。
倒れた木の陰から姿をさらす。


( ^ω^)「・・・・・・覚悟がきまったお。お前はここでブーンが倒すお」


たくさんの木が生えている山ではやつは自由に扇を振れない。
そこだけが自分にとっての唯一の希望。


川V・VJノ「ふん」



ドドドドド



地面の砂を巻き上げた灰色の風が迫る。

47 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 23:14:43.92 ID:Wd90qnrx0

( ^ω^)「【土】と【意識】を合成!」


地面から土が盛り上がり、風をさえぎる。鈍い音を立てて土の壁が崩れた。


川V・VJノ「やはり後者か・・・・・・すこしは楽しくなりそうだな」


( ^ω^)「これでも、喰らうおッ」


針葉樹の葉を波のように操り振れるものを粉々にする勢いで男に向かう。


川V・VJノ「おもしろい情報だな。本体がフリーだぞ!」


灰色の風は葉よりも何倍も速い。すぐに合成を解き、地面をせり上げる。

48 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 23:17:08.44 ID:Wd90qnrx0

(;^ω^)「はっ・・・・・・」


川V・VJノ「まだまだ発展途中か!?」


何刃も連続して飛んでくる。すぐに土ぼこりで前が見えなくなる。


(;^ω^)「これでっ!」


先ほど倒れた巨木を自分と男の間にずらす。


(;^ω^)「はぁはぁはぁ・・・・・・」


相変わらずものすごい音が響いている。斬撃のリズムは終わることを知らない。
いずれこの木も砕かれてしまう。


(;^ω^)(いったん逃げるお)

49 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 23:19:02.50 ID:Wd90qnrx0

巨木を背に力の限り走った。山の奥に奥に進む。道など気にしている余裕もない。
以前盗賊たちがいた横穴があった。
轟音も止んでいる。迷わず中に入った。


そこは地獄だった。
数百、数千の肉片が飛び散っている。
きっとあの男の襲撃を受けたのだろう。形を保っているものはなかった。
横穴になっているので臭いは逃げず、血は湖になっていた。

(; ω )「おぅぇぇ・・・・・・」

おそらく中に集まっているところにあの斬撃を受けたのだろう。
ここはすべてが終わっている。ここにあいつが来ることはないだろう・・・・・・。
臭いが脳を直接刺激してくるが、吐き気を無理やり抑える。

(; ω )「・・・・・・」

時間が過ぎていく。今は何時なんだろうか?外はまだ明るい。
差し込んでくる日の光を見ていた。その暖かい光がとてつもなく恋しい。
だがその光が急にさえぎられた。人の形だ・・・・・・。
この悪寒・・・・・・アイツ、が来た。

50 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 23:21:16.36 ID:Wd90qnrx0

(; ω )(じっとしてればバレることはないお・・・・・・)


川V・VJノ「さて、ここにいるのか? まぁ、いてもいなくても同じか。
ここにあるのは岩と血だけだ。逃げれまい」


扇を引く。


(;^ω^)「おぉぉぉぉ!!」


このままここにいれば彼らと同じ運命を辿ることになる。


川V・VJノ「いたのか・・・・・・終わりだッ!」


(;^ω^)「うおぉぉぉぉ!!」


風の刃が血を纏い真っ赤になる。

53 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 23:23:32.21 ID:Wd90qnrx0

ドン


川V・VJノ「ぐあっ・・・・・・」


(;^ω^)「はぁ。・・・・・・はぁ」


洞窟の岩が隆起し男を跳ね飛ばした。岩は自分の意識で動く。
土と同じように自由に変化させることも出来る。


(;^ω^)「意識の合成はなにとでもできるのかお?」


川V・V#Jノ「やってくれたな・・・・・・まさか岩なども操れるとは・・・・・・」


(;^ω^)「はぁ、はぁ・・・・・・」


足がフラフラする。意識もだいぶ途切れてきた。
でも・・・・・・まだ戦える。

55 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 23:24:36.69 ID:Wd90qnrx0

(;^ω^)「ざまぁ見ろ、だお」


川V・V#Jノ「ふん」


男は背を向けて外に歩いていった。おそらく外で戦うつもりなのだろう。
閉ざされた空間だと意識がない自分の身を守りやすい。それを相手は知っている。


(;^ω^)「いいお。受けてたつお!」


横穴から出ると男は数十メートル先に座っていた。


川V・V#Jノ「思ったよりも早かったな・・・・・・覚悟は出来たのか?」


(;^ω^)「勝つのはブーンだお!」


川V・V#Jノ「その疲労でか? まぁいい。やればわかる」

56 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 23:26:44.00 ID:Wd90qnrx0

男は扇を振る 振る 振る


風の刃がブーンに迫る。


(;^ω^)「おぉぉぉぉ!」


土の塊が刃となって風の塊と衝突する。飛び散った土はすぐに集まり再び刃となる。


川V・V#Jノ「ふっ」


ひときわ巨大な風の刃が飛んでくる。
分割していた土の刃を一つにまとめ迎え撃つ。
飛び散った土の塊は今度は再生しない。


川V・V#Jノ「もう楽にしてやろう・・・・・・」


男が扇をもって急接近して来る。

57 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 23:29:47.10 ID:Wd90qnrx0

(;^ω^)(接近戦かお! させないお)

地面をけり飛び散った土に速度を加えて打ち出した。


川V・V#Jノ「ぬぅぁ!」


左手を振りぬきその風で土が分割される。


川V・V#Jノ「終わりだ!」


大上段からおそらく鋭くされているであろう扇を振り下ろしてくる。


(;^ω^)(間に合うお!)


足元の地面を操り、自分を突き飛ばす。


ドオォォォン


激しい土煙が舞う。相当な重量のある扇なのだろう。

60 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 23:34:20.32 ID:Wd90qnrx0

( ;ω;)「あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」


扇は避けるよりも早く振り下ろされていた。


わずかに間に合わず、右腕が中に舞う。


( ;ω;)「ぐぅぅぅぅ・・・・・・あぁ・・・・・・・・・・・・。これで最後の力・・・・・・だお」


地面を隆起させ、先端を尖らせ、男の両手両足に突き刺した。


川V・V#Jノ「ぐあぁ!」


( ;ω;)「これで、お前も、ブーンも動けないお・・・・・・」


川V・V#Jノ「その若さで、この合成・・・・・・化け物め。お前も俺もここが死に場所か・・・・・・」

61 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 23:38:47.24 ID:Wd90qnrx0

( ;ω;)「お前・・・・・・だけだお。ブーンの・・・・・・仲間が、きっと来るお・・・・・・」

川V・V#Jノ「それまで、その出血量でもつかな・・・・・・」

( ;ω;)「賭け・・・・・・だお。お前の・・した巨木で気づいてく・・るはずだお!」

言葉と同時に、茂みを書き分ける音がして、汗だくのシュールさんが現れた。

lw´- _-ノv「ブーン君!!! 大丈夫か?」

( ;ω;)「腕、腕をお・・・・・・願い・・・・・・しま」


そこから先は覚えていない。ただ、後に聞いた話によると、腕はシュールさんが合成してくれ、
音にひかれすぐ近くまで来ていたハインリッヒさんと、二人で抱えて連れて帰ってくれたらしい。
ちなみに、ハインさんは正気を取り戻していた。

63 名前: ◆gMIGdyOjeA :2008/12/18(木) 23:41:21.16 ID:Wd90qnrx0


( ^ω^)「また、病院かお・・・・・・・」

目が覚めても横に友達はいない。
天井もいつものものとは違う。

全部夢であったことを期待したが、そうはいかないようだ・・・・・・。



夢であれば、と願うことに意味はない
もし夢なら、その夢さえも幸せなものにすればいいのだから


to be continued...

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内藤エスカルゴ - 完結作品一覧 - ( ^ω^)は合成士のようです - 8話
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