内藤エスカルゴ - 現行作品一覧 - ( ^ω^)ブーンは赤魔術士見習い生のようです - 第一魔術

第一魔術

2 名前:赤魔 ◆/u1GirgBlw :2008/02/19(火) 19:10:29.51 ID:aN9BLLrE0
それは、とても古いおはなし。
詩人の語りでしか残されていない、四大魔術創世暦以前のおはなし。

――まだこの世界に『魔法』が浸透していないころ、4人の偉大な魔術師がいました。

黒魔術師、白魔術師
青魔術師、赤魔術師です。

彼らは同じくらいの魔力を持ち、違う種類の魔術を研究していました。

黒魔術師は白魔術の事を『敵を殺せぬ魔術など』と侮蔑し、
白魔術師は黒魔術の事を『癒しも知らぬ魔術など』と蔑み、
青魔術師は二人と二人の魔術を『バッカじゃねーのwwwwww』とコケにし、
赤魔術師は三人と三人の魔術を『皆違って皆いいんだお!』と認めました。

しかしとても残念な事に、三人は共通して赤魔術の事を

『『『時空とか時に触れる魔術とか厨二病乙wwwwwww』』』

認めませんでした。

4 名前:赤魔 ◆/u1GirgBlw :2008/02/19(火) 19:12:55.30 ID:aN9BLLrE0
('A`)「――――――それは、とても古いおはなし。
詩人の語りでしか残されていない、四大魔術創世暦以前のおはなし、ってか」

( ^ω^)「おっおー! ドクオ、それよく覚えてるお」

('A`)「……ウチの爺ちゃんがくどくど話すんだ。嫌でも覚えるさ」


そう言ってドクオと呼ばれた少年は、心底嫌そうな顔つきをした。
変に間延びした語り口は、どうやら渦中の爺譲りらしい。


( ^ω^)「でも、何でそこまで赤魔術は馬鹿にされたんだお?」


高速で後方に流れて行く景色を見ながら、愁い気な視線を窓に投げたドクオのそれを追い、
座席に向かい合う形で座っていた少年が言った。名はブーンという。
二人は麻で織られた、けれども少しくたびれた薄茶色の服を着て、
その上からこげ茶色のローブを羽織っていた。年齢は15ほどである。


彼らは魔獣列車に乗っていた。


8 名前:赤魔 ◆/u1GirgBlw :2008/02/19(火) 19:14:57.49 ID:aN9BLLrE0
巨獣グレイガンが引く魔獣列車。
10両編成で、4両が客車、残りの6両が貨物車となっている。
そして二人は、列車の丁度中央、客車部分の最尾列に乗っていた。

中は木造で到る所に木彫りの細工が見てとれる。
新緑色をした座席は、日の光を浴びてほんのりと暖かくなっていた。



目的地は王都バルデルミ。用件は――



('A`)「さあな。それを知るために学びに行くんだろう」


ドクオはそう言って、懐から朱印された封筒を取り出した。
ブーンが一瞥し、すぐに理解する。

焼き付けられた烙印は、かの王立魔術学校のものだった。
創立から実に1万と2千年。『学ぶ意志のある者』に開かれる広き門。
――そう、今から彼らが入学しようとしている学校である。


11 名前:赤魔 ◆/u1GirgBlw :2008/02/19(火) 19:16:24.10 ID:aN9BLLrE0
 

( ^ω^)「おっおー。それもそうだお」


頷き、ブーンもまた視線を窓に流した。
遠まわしに考えるだけ無駄だと言われたみたいだ。

('A`)「――赤魔術は、創世歴時代でもあるかどうか疑われてたような分野だからかもな」
( ^ω^)「おっ?」

('A`)「これはお前も知ってるだろ。魔法の大原則は有は無に勝り無は有に及ばず。
赤魔術を無くして三大魔術にしようって動きも今ある位だろ?」
( ^ω^)「んー、それは不当だと思うおー。赤魔術にはロマンがあるんだお!」


('A`)「それは聞き飽きた。で、ブーン。話戻るけど、お前、専攻魔術どうするんだ?」


ため息を挟んでから、急に真面目な顔つきになったドクオ。
切れ目の長い、一見すれば少し険の強いような印象を受ける眼光がブーンを捕えた。

( ^ω^)「専攻魔術……?」
('A`)「かーっ! 呆れたもんだな。……入学のしおり見てなかったのか?」

14 名前:赤魔 ◆/u1GirgBlw :2008/02/19(火) 19:19:57.60 ID:aN9BLLrE0
( ^ω^)「くわすく」
('A`)「…………」

今度はため息もなく、無言でブーンの膝元に冊子が投げられた。
ずし、と重く確かな感触が乗る。
手にとり、ブーンは目次から『専攻魔術について』の項を探し出した。


( ^ω^)「四大魔術の内、学を得たいと思うものを選択すべし……?」
('A`)「黒魔術、白魔術、青魔術、赤魔術から自分の学びたいの決めるって事だ」

究極にあきれ返ったような声が向い側の席から投げられる。
そちらに視線を配ると、半目になったドクオがいた。

('A`)「で、どうするんだ?」


『お疲れ様ー。王都バルテルミ中央駅、そろそろ到着すっぞー』

車内に流れる、車掌のアナウンス。
そう言えば、少し前から周りの乗客がそわそわと落ち着きのない様子で
荷台から荷物を下ろしていたりしていたような気がする、とブーンは思った。

('A`)「あ、おい、ブーン! 窓から王都が見えるぞ!」

興奮したような声がドクオからあがる。
顔を上げ、そちらを見やれば、前のめりになりながら窓の外を凝視する友人の姿があった。


18 名前:赤魔 ◆/u1GirgBlw :2008/02/19(火) 19:20:48.88 ID:aN9BLLrE0
( ^ω^)「マジかお!」

立ち上がり、窓に手をかける。
そのまま鍵を開け、上にスライドさせ、入ってきた新緑の匂いがまじった風を受けた。



(*^ω^)「おー!」



ブーンは窓から顔を出した。
あまり褒められた行為ではないが、それ以上に目に焼き付けたい王都の風景が先にあるのだ。
目一杯身を乗り出しながら、ブーンは肺一杯に空気を吸い込んだ。
ああ、故郷のそれとは色が違う、味が違う、なとどセンチメンタルな事を考える余裕などない。


( ^ω^)「ドクオー! 決めたお!」
('A`)「あー、何だー!?」


( ^ω^)「…………か魔術を学ぶお!」
('A`)「すまん、何ていったーー!?」

22 名前:赤魔 ◆/u1GirgBlw :2008/02/19(火) 19:22:29.66 ID:aN9BLLrE0
 









( ^ω^)「僕は、赤魔術を学ぶお!!!!」










ブーンは叫んだ。
眼下にそびえる王都を見、立てる最初の誓い。

24 名前:赤魔 ◆/u1GirgBlw :2008/02/19(火) 19:24:39.05 ID:aN9BLLrE0
 



( ^ω^)ブーンは赤魔術師見習い生のようです   第1魔術




『はいはい王都バルテルミ中央駅とーちゃくー。忘れモン無いようにねー』


やる気の欠片も感じられない車内アナウンスが流れる。
車内にいる乗客たちはほぼ準備を終えていた。出口に向かう人たちもちらほら見える。
景色に夢中で、そういう事をそっちのけにしていた二人は、
のそのそと荷台から各自の持ち物を取り出していた最中だった。


魔獣に引かれる鉄の塊が、ゆるやかにその速度を落して行く。
プラットホームに吸い込まれて行く巨体。
窓の外の風景も落ち着きを取り戻し、赤レンガ造りの駅へ視界が吸い込まれていく。


(*'A`)「くっおー! はーるばる来たぜバルテルミーっとくらぁ!」
( ^ω^)「……語呂悪っ」

('A`)「何か言ったか?」
( ^ω^)「言ってないお」

30 名前:赤魔 ◆/u1GirgBlw :2008/02/19(火) 19:26:40.34 ID:aN9BLLrE0
ブーンは隣に置き据えていた自分のリュックサックを取る。
身の丈程もあるそれは、極限に肥大したまんじゅうのように丸々と太っている。
これに果たしてリュックサックと言う表現がふさわしいかどうかはさておいておこう。


('A`)「何を入れたらそんなにでかくなるんだよ……」

( ^ω^)「ゴルゴ3世とこち兎全巻」

('A`)「入れるモノ他に思い浮かばなかったのかお前」


軽口を叩き合いながら、二人は降り口に足を向ける。
プラットホームに納まりきれないのか、駅の活気や歓声が列車内にまで流れこんできていた。

王都バルテルミ中央駅は、大陸『トリストン』を縦断する魔獣鉄道の最南端に位置する。
さらに付け加えるのであれば、王都バルテルミは陸路における物流の中心であり、
二人が入学する王立魔術学校もここにある。


( ^ω^)「そう言うドクオが異常なんだおー」

('A`)「あん?」

37 名前:赤魔 ◆/u1GirgBlw :2008/02/19(火) 19:28:14.95 ID:aN9BLLrE0
( ^ω^)「だって魔術学校って言ったら全寮制だお?
 あっ、先生家に忘れ物して来ちゃったんだっちゃえへ、
 じゃあとりに帰りなさいよぷんぷん。なんて事できないんだお?」

ドクオが手にぶら下げた、枕ほどの大きさのボストンバックをブーンは指して言った。


('A`)「何その気持ち悪い即席コント」


友人から上がった非難の声に、彼は憮然そうに眉をしかめる。
ため息一つ吐いて、やれやれと首を振るドクオ。大体な。と口火を切った。


('A`)「宅配便の存在を知らんのか、お前は」
( ^ω^)「……宅配便にはロマンがないお」

('A`)「あれれー? 俺には金がないって聞こえたぞ?」
( ^ω^)「るっせーお」

人波に従い、二人は難なく降り口に到着した。
あと一歩飛べば憧れの王都、と言う所で、ブーンとドクオは視線で牽制しあった。
足並みをそろえ、

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 19:30:14.80 ID:aN9BLLrE0
 

('A`)「いっせーの」(^ω^ )

ニヤリと笑い、

('A`)「せっ」(^ω^ )

飛ぶ。


――王都 バルテルミ

ロマティネス王国の首都。別名、魔法大都市。

『万世一系』建国当時から純血を通してきたと言うロマティネス王朝がある。
王都バルテルミの中央に鎮座するバルテルミ城は、
天にそびえるようなその威風堂々とした構えから天空城とも呼ばれ、
王都の、兼ねては王国のシンボル的な役割を果たしている。

王都中央駅は王国全土からの物流の中心とされ、日に何本もの魔獣列車が行き交っている。
あーって言うかもう面倒臭いから産業で><

王朝がある王都
魔法研究とかめっちゃ盛ん
一行たりない。

43 名前:赤魔 ◆/u1GirgBlw :2008/02/19(火) 19:30:54.24 ID:aN9BLLrE0
( ^ω^)「……何その投げやりな説明」
('A`)「俺はツアーコンダクターじゃねぇ」

('A`)「つーか寄るな。オノボリさんの仲間だと思われるだろ」
( ^ω^)「なにお」

('A`)「大体なんだよそのリュック。浮かれトンチキかお前は」
( ^ω^)「じゃあドクオ、その手に持ってるパンフレットはなんだお」


『これで安心っ! 王都の歩き方』


ドクオの手にしっかりと握られた雑誌を差してブーンは言った。


('A`)「い、いゃぁ、これは」
( ^ω^)「ご丁寧に赤丸までつけてチェックしてるし」

(;'A`)「あっ、こ、こら見んなよ畜生!」


何十にもつけられた赤丸。
どうやらアイスパーラーの特集らしかった。
ページの端折ってまで行きたいのか、とブーンはドクオを見る。

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 19:33:07.71 ID:aN9BLLrE0
 

(;'A`)「う、うるさいっ!」


……そんな訳で、二人は一路、魔術学校の正門を目指していた。
周りをきょときょとと落ち着きのない様子で見渡しながらなので、鈍足ではあるが。

春の日差しは、石畳に含有された金属質の結晶をきらきらと輝かせ、
その反射光のせいで魔術学校に続く道はハレーションを起したフィルムのように淡く揺らいで消えかけている。

魔法学校までは直進すればいいのであるが、このまま直進すると天空城の正門にぶつかる事になる。
どこかで迂回しなきゃな、とぶつぶつ隣を歩く友人が言っていた。
そうして歩きながら、ブーンは天を一閃、縦に裂くように鎮座する城を仰ぎ見る。


( ^ω^)「凄いおー……」


言葉の響きが持ちえる最大量の感嘆符を声に込め、ブーンは空を仰ぐ。
突き抜けるような青が、網膜に焼き付く。
自由に漂い、その空に絵を書く雲でさえ輝いてみえる。

47 名前:赤魔 ◆/u1GirgBlw :2008/02/19(火) 19:33:39.85 ID:aN9BLLrE0
 
そして――


('A`)「天空城だな。高さは大型の飛空竜ほどもあり、あそこに月光王、ロマネスク国王がいる」

( ^ω^)「パンフレットからの紹介ありがとうだお」

('A`)「…………うるせー」


威厳。荘厳。厳格。
その手の言葉を幾つ並べても、その城を表すにはまだ足りない。
それは王国の権威の象徴であり、この国に住む全ての国民の誇りである。

手を伸ばせば届きそうな程に近く見えるのに、
その手を伸ばす事すら憚られるような雰囲気がその城にはあった。
石造りの外壁の塔が、中央の城を護るようにいくつも立ち、とんがり屋根のてっぺんには、そのどれもに赤い旗がある。
そこに刻まれた紋章はもちろん王家のものだ。

( ^ω^)「僕ら……王都にきたんだお」
('A`)「ああ」

( ^ω^)「魔術学校で学べるんだお」
('A`)「ああ」


49 名前:赤魔 ◆/u1GirgBlw :2008/02/19(火) 19:34:04.69 ID:aN9BLLrE0
いつのまにか止まっていた二人の歩み。
体の中を螺旋上に渦巻き昇る達成感や充実感があるようだった。


( ^ω^)「う、うおおおおおお!」
('A`)「は、ははっ……」


ブーンが叫びながら突き上げた拳。聞こえてくるドクオの引き笑い。
体の中を螺旋上に渦巻き昇る達成感や充実感が頭の旋毛から抜けて行く。


( ゚ω゚)「うおおおお――おおぁ!?」


そうしてひっくり返る声。空に闇が掛かった。
耳鳴りのように響く羽ばたき音だけが瞬間、ブーンの世界を奪う。

振り返れば、



( ゚ω゚)「――――――!?」

54 名前:赤魔 ◆/u1GirgBlw :2008/02/19(火) 19:34:41.92 ID:aN9BLLrE0
(*'A`)「な――ああ、大型の飛竜か!」

ドクオの声がする。


ブーンの視界から光を取ったのは、空を渡る巨大なドラゴンだった。
円筒形の腹は、硬質そうな濁った白色。
ちょっとだけ見える胴は、草原の緑よりもいささか深みを増した暗褐色。

滑らかな体鱗に日の光が反射して、それはそれで幻想的である。


( ゚ω゚)「お、王都にはああ、あんなのが空を飛んでるのかお!?」


巨大ならば巨大なほど、空を牛耳るのは困難だと今の今まで思っていたが――
どうやらその了見は間違っていたらしい。

悠々と飛ぶ飛空竜を見ながら、ブーンはぽかんとあいた口がふさがらない。
自分が今まで歩いて来た方向――バルテルミ中央駅の方へ飛竜は姿を消していった。

(*'A`)「おい、おいブーン! そういや駅の横に飛竜の停泊所があるんだった! 見に行くぞ!」
( ^ω^)「へ?」

56 名前:赤魔 ◆/u1GirgBlw :2008/02/19(火) 19:35:02.08 ID:aN9BLLrE0
(*'A`)「まだ入学の手続きの締め切りにまでは時間有るんだって! つべこべ言うな!
行くぞ! 行くったら行くんだ!!」


興奮気味のドクオに、にべもなくブーンは襟首をつかまれる。



(; ^ω^)「ちょ、ちょ、またもど――っ!」



抵抗するも空しく、ずるずるとブーンは引きづられていった。



59 名前:赤魔 ◆/u1GirgBlw :2008/02/19(火) 19:35:24.12 ID:aN9BLLrE0
 
――王都バルテルミ 飛空竜 停泊所


時折風が吹いては、目下に広がる草が一斉に撫ぜられ緑黄色の波のように見える。
どこまでも続くなだらかな平野は、時折雲の陰を草に反映させながら、
だらだらとした昼下がりを演出させていた。


歩を止め、ゆっくりと瞼を落とし、深呼吸する。
その中の 草の匂いと風の匂い。


それらを感じて、ブーンはゆっくりと瞼を開けた。
それから、

( ^ω^)「ここ本当に王都かお――!?」

叫ぶ。


(*'A`)「王都でも割と外れにあるからなぁ!」


すっげー! だとかむひょー! だとか解からない声を上げるドクオ。

63 名前:赤魔 ◆/u1GirgBlw :2008/02/19(火) 19:36:34.12 ID:aN9BLLrE0
緑の海には、様々なタイプと大きさの竜が横たわっていた。
人なれしているとは言え、貨物運搬用の巨大飛空竜の近くによるのは流石に怖い。


( ^ω^)「……………」


のはずなのだが、何故かあの友人は恐怖心の欠片もなくドラゴンたちに歩み寄っては
撫で撫でしたりスリスリしたりと乳くりあっている。
竜繰りの人たちがそんなドクオに感心しているのも見受けられた。
もはや豆粒大の大きさになった友人の姿を追いながら、今度はブーンがあきれる番だった。

( ^ω^)「ああそう言えば、青魔術ってモンスターの技使うんだっけお……」

あのドラゴンオタクめ。とげんなりするブーン。
とにかく今度はアレが満足するまでの根競べかお、とため息を吐いて草原に座り込んだ。
そして耳鳴りのように響く羽ばたき音。またかお。と大人顔で振り返れば、


(;; ^ω^)「――――――っ!?」


飛竜だった。
小型とはいえ、聞くに勝る大きさだった。

69 名前:赤魔 ◆/u1GirgBlw :2008/02/19(火) 19:39:19.45 ID:aN9BLLrE0
"それ"が深く呼吸する度にかかる生臭いような息が、
べっとりと額に張り付くブーンの髪の毛を僅かに揺らした。


――――そこまでは2度目だから別にいい、とブーンは割り切る。
今度は洒落にならない事が起っているのだとブーンは固まる。


こともあろうに、そいつが羽を羽ばたかせたまま、
そのまま降下して来やがるのである。


( ゚ω゚)「うわ――っちょ!! タンマタンマタンマだおーー!!!」


体全体を飛竜の方向に向けたまではいいとして、そこから逃げようにも腰が抜けて動けない。
悪くて体全体、悪くて自分の足がミンチになるかの二択である。


まだ学校にも着いてねぇのに死にたくないおーー!



名前:ブーン
死因:踏み潰されて圧死

71 名前:赤魔 ◆/u1GirgBlw :2008/02/19(火) 19:40:01.24 ID:aN9BLLrE0
 
( ゚ω゚)「シャレなってないお―――――!!!!!!!!」

死にたくない。死にたくはない、けど、腰が抜けて立てない。
例の影が目前に迫ってくる。ブーンは目を硬く瞑った。嫌な汗が吹き出ている。



あー、死ぬ、これ。






           ドシン。






( ^ω^)ブーンは赤魔術師見習い生のようです   第2魔術へ続く!


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