第一章・クソジジイの指令・地獄の1丁目へようこそ 〜その3、鬼王〜
4 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:04:32.89 ID:Durxr0fz0
〜これまでのあらすじ〜

( =(´・ω・`)「勝つのはこのショボン様さ!!」

(,,=(金鬼)「ぬわー──!!」

从=ξ゚听)ξ「私、シンを倒します!! 必ず倒します!!」

(,,=(水鬼)「ウボァー──!!」
  ∧_∧
(*=(#゚;;-゚)「ケツ毛バーガー!!」

(,,=(穏形)「あべし!!」

( =('A`)「泣け!! 叫べ!! そして死ね!!」

(,,=(風鬼)「このままでは終わらんぞー!!」

何か色々とアレして四匹の鬼を打ち破った退魔師達。
結界は破れたぞ!!
さぁ行けブーン!! ボスを倒すんだ!!

(/=( ゚ω゚)「最近イケメンのハードル下がってきてるよね!!」


6 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:05:27.16 ID:Durxr0fz0
(,,゚Д゚)っ(風鬼)「おい、ちょっと待て 」

( ゚д゚ )っ(´・ω・`)「なんスかギコさん?久しぶりなんスからさっさと本編行きましょうよ 」

( ゚∋゚)っ('A`)「一人四役お疲れっスwww 敵キャラばっかっスねwwwww」
     ∧_∧
(#゚ー゚)っ(#゚;;-゚)「そいつは良いのよ。ちっ……学園都市で良い思いしやがって……」

从 ゚∀从っξ゚听)ξ「アヒャヒャwww 最近忙しいよな、ギコ!!」

(#゚ー゚)「アンタも一体いつまでここにいるのよ?
     ここはあんたみたいな人気AAが来るところじゃないの!!
    掃き溜めよ掃き溜め。くその役にも立たないマイナーAAの掃き溜めなのよ!!」

(; ゚∋゚)「しぃさん……とうとう……」

从 ゚∀从「まぁ、そう言うなってwww。
      ここ気に入ってんだよ。
      この世知辛いブーン系界を生き抜くには息抜くのも大事だぜ?」

(*゚ー゚)「生き抜く……息抜く……。
     あ、何か生まれそう。ミルナさん、クックルさんちょっと行くわよ 」

( ゚д゚ )「え?あ〜、はい 」


9 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:07:09.47 ID:Durxr0fz0

(,,゚Д゚)「お〜い」

(#゚ー゚)「うっさいわね!! こっちは今から忙しいのに!! 何よ!?」

(,,゚Д゚)「いや、あのさ……」

 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ.........

(; ゚ー゚)「な、何よ、このjojo音は……?」

(; ゚∋゚)「何か吐き気が……」

(;゚д゚ )「頭痛もだ……それに痒い……」

从 ゚∀从「ん?そうかぁー?」

(,,゚Д゚)「なんっつーか……」


(;,,゚Д゚)「一人、多くない?」

 ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド..........

(/=( ゚ω゚)「……………⇒to be continued」


10 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:08:20.63 ID:Durxr0fz0


このブーン系小説は

原作『孔雀王』

内藤エスカルゴ様
http://www.geocities.jp/local_boon/

の提供で




以下、正義の如く何事もなかったかのように開始します



12 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:09:42.27 ID:Durxr0fz0

(´・ω・`)「おや、オレが一番だと思ってたんだがな 」

金鬼を葬ったショボンは元の場所に戻ったとき、多少の驚きの念をこめてそう言った。

ξ゚听)ξ「残念でした。一番はでぃさんよ 」

(でぃ「穏行鬼はワシが貰うたぞショボンwww 」

そこに残ったはずのブーンとジョルジュの姿は見えない。
封印は無事に解け、モララーの元へと向かったのだろう。

堆く積まれていた石塚が崩れている。
入り口が開き、そして閉じてしまった事をショボンは理解した。

(´・ω・`)「それにしても……」

そう言って目を遣る先には、満身創痍のドクオの姿があった。
全身に傷を負った。
しかし、それでもドクオはここにいる。

それが意味することは即ち、鬼との死闘に打ち勝ってきたということ。


15 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:11:58.78 ID:Durxr0fz0

(´・ω・`)「まさかオレより早いとはな。やるようになったじゃないか、ドクオ 」

('A`)「……」

スタイリッシュな仕草でドクオの手当てに取り掛かりながら、ショボンは唇の端を吊り上げた。
ショボンにとっては最上級の褒め言葉だ。
でぃとツンもこれに続く。

皆がドクオの成長を褒め称える。
しかし、ドクオはこれを受けるも無言だった。

傷が痛むのかと心配するツン。──確かにそれもあった。

今になって恐れが来たのかと茶化すでぃ。──間違いではなかった。

早速ドクオの傷の具合を確かめるショボン。──気遣いが嬉しかった。

皆余裕だった。
鬼との死闘を終えたにも拘らず、他者を気遣う余裕があった。

余裕がないのはただ一人。
そのただ一人は勝利の余韻よりも、自分の立ち位置に直面した。


17 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:12:29.40 ID:Durxr0fz0

('A`)。o ○(チクショウ……、弱いな……。弱いな、オレは……)






          ( ^ω^)ブーンは退魔師稼業のようです━╋RETURNS━━

       ――――第一章・クソジジイの指令・地獄の1丁目へようこそ――――


                     〜その3、鬼王〜







19 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:14:32.17 ID:Durxr0fz0

( ^ω^)「……」
  _
( ゚∀゚)「へぇ……」

2つの強力な力が目にしたのは舞台だった。
唐突に現れた木製の舞台。
能や狂言といった伝統芸能が執り行われるそれと同じように見える。

鳴り響く笛や鼓の音。
それを奏でるのは人ではない。
赤や青の肌をした小さな鬼達。

その小さな鬼達がブーン達に気付いていないはずはなかった。
それでも彼らは、その食欲を満たそうと襲い掛かってくることはない。
一心不乱に音楽を奏でる。

彼らの王がそれを望んでいるからだ。

( ・∀・)「……」

曲調が変わり、モララーの舞に一層の緊張が生まれた。
一挙手一投足に研ぎ澄まされた力を纏うモララー。
鬼の音楽に乗るモララーの舞は、その手の知識に乏しいブーンでさえ美しいと思った。


22 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:15:18.45 ID:Durxr0fz0

( ・∀・)「粗末な物をお見せしました 」

曲の終了とともに舞い終えたモララーは、優雅にひざを付きブーンとジョルジュに頭を下げた。
その匂い立つような男ぶりにジョルジュが野太い嬌声を上げる。

( ^ω^)「アンタがモララーかお?」

( ・∀・)「さぁ? 多分そうだと思っていますが 」

( ^ω^)「多分? 何い言ってんだお、コイツ?」
  _
( ゚∀゚)「ブーンちゃん、ちょっと下がってなさい 」

不可解な返答に困惑するブーンを脇に押しやるジョルジュ。
ジョルジュは一歩前に出ると、丸太のように太い両腕を組んで舐めるようにモララーを眺めた。
  _
( ゚∀゚)「じゅるりっ……!!」

( ^ω^)「ジョルジュさん!! 今は若いツバメに舌なめずりしてる場合じゃないですお!!」
  _
( ゚∀゚)「人の趣味に口出しちゃだめよブーンちゃん♪ それともアナタが代わりになってくれるのかしら?」

(; ^ω^)「ご……ごゆるりと……」


25 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:16:14.07 ID:Durxr0fz0

( ゚∀゚)「まぁ、冗談はこのくらいにして、と 」

表情を引き締めるジョルジュ。
同時に突如として生まれる圧力。
それはジョルジュの殺気が生み出すプレッシャーに他ならない。
  _
( ゚∀゚)「鬼神楽……。終わったのね?」

( ・∀・)「はい 」
  _
( ゚∀゚)「鬼の力を手に入れたわね? それをどう使うつもりかしら?」

( ・∀・)「さぁ?」
  _
( ゚∀゚)「人の世に出て悪さをするつもりなら、黙ってるわけにはいかないけど?」

( ・∀・)「どうでしょう?」
  _
( ゚∀゚)「私綺麗?」

( ・∀・)「いいえ」
  _
( ゚∀゚)「ふぅ……。質問に答える気がないのかしら?」

( ・∀・)「答えられる範囲でならお答えしていますが?」


28 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:18:35.34 ID:Durxr0fz0

ジョルジュは笑っている。
しかしその笑みに暖かさはない。
あるのは針のように研ぎ澄まされた緊迫感。
  _
( ゚∀゚)「だったらこれはどう? 『藤原千方』……来たでしょう?100回目の鬼神楽を終えると同時にね。
     彼はどこ? あなたがそうなのかしら?」

静かだが鬼気迫る迫力を持ってジョルジュは言った。
『藤原千方』が来たはずだと。
四鬼の首領にして、世を呪いながら死んだはずの男がどうして……

( ^ω^)「『藤原千方』が来たって……一体どういうことだお?」
  _
( ゚∀゚)「そのままの意味よ。『藤原千方』が鬼神楽に封じたのは四鬼だけじゃない。
     自らの魂も封じて復活の時をずっと待ってたの。
     呪いの舞を舞い切ることができる強力な肉体を持った人間が現れるまでね 」
 
( ^ω^)「ん? という事は?」
  _
( ゚∀゚)「鬼神楽は魂の次の器を選別するために残したもの。
     つまり、あそこにいるのはモララーじゃなくて『藤原千方』じゃねぇの?って言ってんのよwww」

あー、ナルホド!!と手を叩くブーン。
その一部始終をモララーは何もすることなく、無言のうちに眺めていた。


30 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:19:53.35 ID:Durxr0fz0

( ・∀・)「一つだけ 」

モララーが唐突に口を挟む。
いつの間にか手にしていた畳んだ扇の先端を口元に当てている。

( ・∀・)「その『藤原千方』とは先ほど僕が消滅させた怨霊の事だろうか?」
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)「「っ!!」」

驚愕。
ブーン達2人の表情を言葉にするならそれが最も当てはまるだろう。

ブーンは退魔行の経験のない一介の能楽師であるモララーが、古の術師の霊魂を昇天させた事に驚愕した。
ジョルジュは、四鬼達の首領が既に打ち祓われている事実に驚愕した。

人に害為す存在が消えてしまった。
本来ならば喜ぶべき事実。
しかし、この場合はそうはならない事を直感が告げる。

( ・∀・)「悠久とも言える長きに渡って、ただひたすら己の望みに叶い得る肉体を待ち続ける……。
     大した者だ。感服するよ。本当に大した術師だ 」

人に害為す者は消えた。
しかし、しかしだ。
その代わりに、それを超える怪物が生まれたのだ。


33 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:21:34.61 ID:Durxr0fz0

( ・∀・)「消滅してしまったのはなんとも残念。
     いや、消滅と言ってしまっては少々語弊があるかな。
     彼はその強大な力と使い方だけは消滅せずに僕に残った 」

突然楽器を持った鬼達が再び音色を奏で始める。
先ほどまでの優雅な楽曲ではない。
その激しく暴力的な旋律の一つ一つに研ぎ澄まされた妖気が乗る。
  _
( ゚∀゚)「モララー……。なんて子なの……」

( ・∀・)「この力を以ってすれば、僕は更なる高みにて舞う事ができる。
     誰もが到達できなかった人外の極み。
     しかしどうやらあなた方が許してくそうにないな 」

( ^ω^)「ちっ……メンドクセー事になってるお 」

( ・∀・)「古の術師とは精神による高尚な戦いだったが……。
     あなた方とは拳を以って戦おうか。
     良いだろう。この拳であなた方を砕いてくれよう 」

その言葉と同時に、モララーは手にしていた扇を振った。
心地よい空気を叩く音とともに扇は開く。

巻き起こる暴風がモララーを取り巻く。
それは紛れもなく、四鬼の一角、風鬼が使役した風の力。


34 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:23:20.35 ID:Durxr0fz0
  _
( ゚∀゚)「良い事、ブーンちゃん!! アイツは正真正銘の鬼の王よ!!
     『藤原千方』『四鬼』そして『百鬼夜行』を取り込んだ化け物!!」

( ^ω^)「はぁ? なんで百鬼夜行まで入るんだお?」
  _
( ゚∀゚)「ショボンに聞いてないの?
     鬼神楽は一回舞う毎に一匹ずつ百鬼夜行を手懐けられる。
     百鬼夜行に封印させてたから百回も鬼神楽を舞う必要があるんでしょ♪」

( ^ω^)「おーおー♪ そういえばそんなことも言ってたかもしれんおwww
      まぁ、どっちにしろ最後は僕が勝つんですけどねwww」

飽きれるほどに楽観的。
しかしそれを見たジョルジュは、不思議と腹が立たない。

ブーンが敵を舐めているわけでも、自分の力を過信しすぎているわけでもない事はジョルジュに分かっていた。

強いて言うならば度胸。
何者にも物怖じしないブーンの心はそれだけで大きな武器となる。


36 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:24:47.20 ID:Durxr0fz0
 
一瞬頬を緩めるジョルジュ。
しかし直ぐに険しい表情に戻る。
その視線の先に風を纏うモララーの姿を確認する。

( ・∀・)「僕はモララー……」

鬼達は狂ったように演奏を続け、場の空気は亡者のような悲鳴を上げる。
強大な力。ただただ力。
その力の主が静かに名乗りを上げる。

( ・∀・)「永遠不滅の鬼の王……」

その名を告げる。
古の鬼の主を取り込み、その配下の鬼を取り込み、百の鬼を取り込んだ鬼の王。


───そう。僕は永遠不滅の鬼の王───



      『 百 夜 鬼 』



38 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:25:55.98 ID:Durxr0fz0
 
同時に場に静寂が訪れた。
それは耳に痛い冷たい静寂。
モララーはただ黙ってブーン達を見つめる。

その眼光は咽返るほどに深く濃艶な殺気を有する。
その殺気を一身に受け、ブーンはニヤリと笑った。

( ^ω^)「ご丁寧にどうもだお。
      それはそうと、アンタちょっとアンラッキーだおwww」

そして名乗り上げる。
モララーが恐怖の鬼の王ならば、ブーンは全ての魔が恐れ戦慄する退魔師。

( ^ω^)「僕は内藤ホライゾン!!
      元裏荒野・退魔師・内藤ホライゾン!!
      じゃ、鬼は鬼らしく地獄に帰れお!!」

それを聞きモララーは扇をブーン達に向けて翳す。
その表情はブーンとジョルジュを敵と認識している事を如実に物語る。

( ・∀・)「来るがいい。心行くまで舞い尽くしてくれよう 」

───そして再び鬼達の演奏が始まる。


40 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:27:33.37 ID:Durxr0fz0
  
( ^ω^)「クールに決めてんじゃねぇお!! この男前が!!」
  _
( ゚∀゚)「概ね同意よ、ブーンちゃんwww。
     勿体無いわ……。あの顔が今から……」

ジョルジュはどこからか取り出した長いタバコを咥え火を付けた。
しかし直ぐに思い直したかのように口元から離す。
  _
( ゚∀゚)「ベッコベコになるなんてね!!」

同時に指先で火の付いたタバコを宙に弾いた。

( ^ω^)「大発勁!!」

宙を舞うタバコを巻き込み、ブーンの法力がモララーを襲う。
それは懇親の力を込めた破魔の光、大発勁。

  _   シンイ ジョガク   シンオン ジョカイ
( ゚∀゚)「神威 如嶽!! 神恩 如界!! 破ッ!!」

それに続くのは更に強大なジョルジュの超発勁。
轟音と強光。
一人の魔を滅ぼすには十分過ぎるほどの力。。


41 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:28:43.75 ID:Durxr0fz0
 
( ・∀・)「フム。なんと美しい光か。ならば……」

巨大な二つの清浄の光を前に、モララーの扇は天を仰いだ。

( ・∀・)「風よ!!」

モララーが頭上の扇を力強く振り下ろす。
それに続くのは烈風。
烈風は旋風となり、襲い来る破魔の光を迎え撃つ。

( ^ω^)「うそぉっ!!」
  _ 
( ゚∀゚)「いやん♪」

ジョルジュは風に舞い上がりそうな極端に短いスカートの裾を、ニヤニヤしながら押さえた。
出来るだけそっちの方を見ないようにブーンは舌打ちする。

モララーが巻き起こした風は、ブーンとジョルジュの発勁をかき消した。


43 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:29:24.06 ID:Durxr0fz0
 
( ・∀・)「さぁ、退魔師達よ。次の手はどう打つ?」

(# ^ω^)「あ、なんか今ものすっごくカチーンと来たお 」

ブーンの次の一手を、モララーはただ待つ。
その余裕の表情に、ブーンは青筋を立てながら静かに印を結んだ。

(# ^ω^)「そうやって相手を馬鹿にするような余裕を見せて良いのはね……。
      ふっふっふ。僕の専売特許だっつーの 」

そして真言。
ブーンが最も得意とする天界の浄化、不動明王の炎の真言。

      ナウマリ サンマンタ  バサラタン カン
( ^ω^)「南莫 三曼多 縛日羅赧 憾!! 不動明王・火焔呪!!」

モララーの目に映るのはこの世の一切の不浄を焼き払う火焔。
それがブーンの両手に結ばれた印から噴き出し、不浄、鬼の王モララーを焼き尽くさんと牙を剥くが……


45 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:35:04.08 ID:Durxr0fz0
( ・∀・)「熱い……。ふふふふっ!! 熱いぞ!!
     ならば水よ!!」

開いた扇を畳み、その先端を迫り来る炎に向ける。
大気中に漂う微細な水蒸気が瞬時に凝縮。
凝縮した膨大な水は強烈な水圧と共に一気に溢れ出した。

(; ^ω^)「なんじゃお!!」

ブーンとモララー、その中央で衝突した火と水はその場で姿を消す。
水蒸気と共にブーンの元には僅かな水飛沫が届いた。
しかしモララーの側には火の粉の一片さえも届かない。即ち……

(# ^ω^)「僕の真言が僅かに負けてんのかお……ってうおぃ!! そこのオカマ!!」

そこには水飛沫を浴びながら髪を掻き上げ、ウットリした表情で流し目をキメるジョルジュがいた。
  _ 
( ゚∀゚)「ヤダん。スケベな水ねwww」

(# ^ω^)「テメェ後でぶっ殺すお!? 真面目にやれ、この馬鹿!!」
  _ 
( ゚∀゚)「真面目に? 私は高いわよ?www」

(; ^ω^)「い、一体いくら……はっ!! さては僕の体で!?
      まさか初めからそれが狙いじゃ!?」
  _ 
( ゚∀゚)「〜♪」

( ・∀・)。o ○(あぁ、二人とも馬鹿なのか)


48 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:40:24.56 ID:Durxr0fz0
  _ 
( ゚∀゚)「さて、と 」

一通りブーンをからかった後、ジョルジュはモララーに顔を向けた。
考えてみれば、戦いが始まってからモララーは一歩もその場を動いていない。
圧倒的な力。

しかしそれでもモララーの端正な顔には油断の色は見えない。
ただ万全を以てブーン達の次の一手を待つ。
  _ 
( ゚∀゚)「馬鹿やっても油断はしないって感じね。
     本当に良い男……。
     じゃ、こっちも本気を出さないとね 」

( ^ω^)「待ってました先生www。
      じゃ、ギタギタのメタメタにやっちゃって下さいッスwww」

( ・∀・)。o ○(来る……か)

モララーはブーン達二人の雰囲気の変化を敏感に感じ取る。
無論、ブーン達もモララーにそれが伝わっている事は十分に承知している。


51 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:42:07.35 ID:Durxr0fz0
  _ 
( ゚∀゚)「ブーンちゃん、ちょっとだけ見てなさい。
     軽く……危ないわよ!!」

ジョルジュは胸の前で合掌すると、それを90°真横に倒す。
それは禁じられた呪を扱う呪禁道の印。

  _   シンイ ジョガク  シンオン ジョカイ
( ゚∀゚)「神威 如嶽!! 神恩 如界!!」

呪文と共に大気を吸う。
しかし吸引しているのは空気のみではない。
この世のあらゆる場所に存在する神気。
  _ 
( ゚∀゚)「スゥゥゥゥゥー────……」

ジョルジュの体表に渦巻く森羅万象のエネルギー。
次々と口から吸い込まれていく中、それは唐突に訪れた。

ジョルジュの筋肉が盛り上がる。


52 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:43:05.33 ID:Durxr0fz0
 
元々分厚い筋肉の鎧に覆われていたジョルジュの身体が更に膨れ上がった。
一回り。
二回り。

吸い込まれた神気はジョルジュの体内に滞る。
胃ノ霊(いのち)に吹き込んだ神の気によって、自らを神と一体化させる。
  _ 
( ゚∀゚)「イヤねぇ。
     これやっちゃうと私の抜群のプロポーションが台無し……」

( ^ω^)。o ○(待て。そりゃ最初からだ)

地面がジョルジュに共振する。
溢れる神気は髪の毛先にまで満ち満ち、全てが針金のように尖った。
はち切れんばかりの筋肉を覆う皮膚からは、臨界を超え吸い込んだ神気が電撃のように蒸散する。

その風貌は仁王や金剛力士の類。
  _ 
( ゚∀゚)「呪禁道・息吹永世(いぶきながよ)。
     行くわよ。ハンサムボウヤ……」

言葉と共に地を蹴る。
足元の地面が抉れ、そしてジョルジュ本人は消えた。


55 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:44:25.96 ID:Durxr0fz0
 
猛烈に強化した筋肉が生んだ踏み込み。
それが繰り出す速さは、人の目が追えるレベルを遙かに凌駕していた。
刹那の後、ジョルジュはモララーをその剛椀の圏内に達する。

( ・∀・)「早い!!」

その時には既に、ジョルジュの握り締めた右拳が眼前に迫っていた。

しかしモララーは既に鬼の王。
身体能力は人間の比ではない。
モララーの目はその一部始終に遅れる事はなかった。

( ・∀・)「大地よ!!」
  _ 
( ゚∀゚)「んんん〜〜〜!! っはぁっ!!」

大轟音。
物同士が信じ難いエネルギーでぶつかり弾ける音。

直後、弾丸のような速度でその場から弾き出された何か。
その何かは、空間を取り囲む分厚い土の壁にめり込み粉塵を巻き上げる。

振り下ろされたジョルジュの一撃は、モララーの顔面を正確に捉えていた。


56 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:45:57.57 ID:Durxr0fz0
 
( ^ω^)「ジョルジュさん!!」

その全てを目撃したブーンはジョルジュに駆け寄る。
ついさっきまでおどけていたオカマの姿はそこには既にない。
仁王の風貌を持つ一人の退魔師が溢れ返る力を持て余していた。

( ^ω^)「てっきりただのカマかと思ってたお。
      こんなこと出来るんなら最初から真面目に…… 」

(; ^ω^)。o ○(はっ!! そういえば体で!!
          まさかこのまま僕の菊門を……!!)

冗談ではない。
戸愚炉弟のような変身をしたジョルジュの相手など不可能だ(性的な意味で)。
それ以前に自分はノンケだ。

ひたすらに純潔の危機を思うブーン。
ジョルジュは一つ大きなため息をついた。
  _ 
( ゚∀゚)「固いわね……」

(; ^ω^)。o ○(リ、リラックスしろだとぉー!!
         助けて!! 助けてショボン!!)


58 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:47:00.87 ID:Durxr0fz0
 
自らの貞操の危機に気が気ではないブーン。
その双肩に、後ろからそっと優しく艶めかしく意味ありげに何かが置かれる。
それがジョルジュの両手だと気付いたブーンは絶望に身を捩じった。

( ;ω;)「イヤー────!!」
  _ 
( ゚∀゚)「え? 何が?」

( ;ω;)「犯される!! 犯されるお!!」
  _ 
( ゚∀゚)「ねーよwww」

ブーンの肩に後ろから手を置いたままの姿勢で、ジョルジュはある方向を向くように促した。
その先はモララーがジョルジュに吹き飛ばされた場所。
しかしその姿は既になく、衝突で穿たれた大穴だけがポッカリと口を開けていた。

( ^ω^)「お? アイツいねぇお 」
  _ 
( ゚∀゚)「鬼の王ってのは伊達や酔狂じゃないってことね。
     あーぁ。爪が割れちゃったわ 」

そう言って深刻な表情で赤いマニュキアを塗りたくった爪を見るジョルジュ。
それを見てブーンは心からこう思った。

( ^ω^)。o ○(爪切ればいいのに)


60 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:48:01.50 ID:Durxr0fz0
 
そこでブーンはギクリと凍りついた。
もう終わったものと半分忘れかけていた。

……目の前にモララーがいる。

しっかりと両足で立ち、静かな視線を自分達に送っている。
動いてはいない。
しかし何かが動いているという感覚。

動いているのはおそらく、目に見えない気の類のようなものだろう。


例えばそう……『殺気』。


( ・∀・)「面白い!! 実に面白い!!」

突然、鳳仙花の実が弾けるように突然、モララーが感嘆の声を上げた。
その様子からは先ほどのジョルジュの攻撃によるダメージは一切伺えない。
ジョルジュは顔をしかめ、眼前で煽ぐような仕草をした。
  _ 
( ゚∀゚)「ほらね 」

( ^ω^)「全く効いてねぇお。もっと真面目にやれよオカマ 」
  _ 
( ゚∀゚)「そこそこ本気は出してるんだけどねぇ……」


61 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:48:55.51 ID:Durxr0fz0
 
( ・∀・)「この世の人間にこれほどの舞を見せられようとは!!
     この僕をして人の限界を見誤っていたということか!!」

心底驚いたという様子で嬉しそうな顔をする。
しかしブーン達には、それはぞっとするほど恐ろしい顔に見えた。
咄嗟に身構える。

( ・∀・)「なれど、この身既に人外に至れり。
     然らば人の限界などとうに超越した鬼の舞い、とくとご覧ぜよ 」

背筋の冷たくなるのを感じる。
何かが起こる。
何かが来る。


鬼の王モララーの、この戦いが始まって初めての本気の攻撃が!!




63 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:49:24.72 ID:Durxr0fz0

( ・∀・)「水よ!!
      流れよ、溢れよ、押し流せ!!」

大気中の水分が一気に凝縮。
それが空中に浮かんだまま姿を現す。
最初は小さな雨粒程度の大きさ。
しかしそれらは次々と空中でお互いを取り込み合い、大人を丸呑みに出来るほどの水球となる。
その巨大な水球が二つ、三つ……七つ、八つ。

それは藤原千方が四鬼、水鬼の水。


64 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:49:51.34 ID:Durxr0fz0

( ・∀・)「大地よ!!
     震えよ、飲み込め、押し潰せ!! 」

地面から舞い上がる砂、土、泥、石、岩。
それらは既に空中で待機していた水球に飛び込んで行く。
透明だった水球は今や濁流の色を持つ。
水の質量に加えて、岩石類の質量。
さらに恐るべきは牙となる硬質性。

それは藤原千方が四鬼、金鬼の土。


65 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:50:13.29 ID:Durxr0fz0

( ・∀・)「風よ!!
     牙を剥け、爪を砥げ、噛み砕け!! 」

そこに更に加えるのは風の要素。
叩き付けるような豪風が周囲を取り巻く。
風が水球の表面を少しずつ削ぎ取り、それは雨となり音高く降り注ぐ。

それは藤原千方が四鬼、風鬼の風。


66 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:50:41.28 ID:Durxr0fz0
 
( ・∀・)「我が従僕よ。古より生くる弱き人を包む母なる者達よ。
     今!! 我が呼びかけに応えよ!!
     古き盟約を違え、恩恵を与えし生ある物に顔を叛けよ!!」

モララーが吠えた。
その眼にはいつの間にか緑の燐光が宿っている。
そしてその咆哮に呼応するかのように、濁流の水球が、嵐のような空気の流れが唸る。

ブーン、ジョルジュ、ともに首の後ろが総毛立った。
巨大な質量にものを言わせ、ただそれだけでも脅威を感じずにはいられない濁った巨大な水の玉。
それが暴君を思わせる圧倒的風圧によって、スピードをも手に入れるとしたら……。

さらに悪いことには、その質量と速度は間違いなく自分達に襲いかかる。

( ・∀・)「水!! 大地!! 風!!
     鬼の王モララーが許す。
     各々、存分に舞い尽くせ!!」

死の宣告のようなモララーの号令。
直後、怪物と化した水と土と風はその顎を開き猛然と迫ってきた。


69 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:56:27.80 ID:Durxr0fz0
 
(; ^ω^)「こいつはやべぇお!!」

ブーンが悲鳴にも似た声を上げる。

あまりに巨大。
あまりに広範囲。
あまりに高速。

そしてあまりに凶悪な攻撃の風貌に、一瞬避けることを忘れたのだ。
その一瞬は迂闊な一瞬となった。
もはや逃げることは適わない。

しかし、ブーンの眼前に一つの巨大な影が立ち塞がる。
  _ 
(# ゚∀゚)「そこで大人しくしてなさいブーンちゃん!!
     オカマ舐めるんじゃねぇぞオルァッ!!」

ジョルジュは判断した。
筋肉の鎧に纏われた自分なら、ダメージは負っても死にはしないだろうと。
一人が欠けるよりは、自分がダメージを被った方が良いだろうと。

例えそのダメージが甚大であっても。


70 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 21:59:36.49 ID:Durxr0fz0
 
( ・∀・)「見事!!」

全てが終わった後、モララーが驚愕の歓声を上げた。
嵐と言う言葉が優しげに聞こえるほどの攻撃だった。
何者もが命を奪われて当然の暴力。

驚愕したのはモララーだけではない。
ブーンもその一人だった。
ブーンは自分の目の前で両手を広げ、
傷だらけで仁王立ちを続けているジョルジュに驚愕していたのだった。

(; ^ω^)「アンタ……本当に人間かお……」
  _ 
(; ゚∀゚)「4分の1は化け物よwww。
     でも流石に……キタわね、コレは……」

言葉が終わりきらないうちにガックリと膝をつくジョルジュ。
呼吸は既に荒く、その度に両肩が大きく上下する。


73 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:04:19.31 ID:Durxr0fz0
 
モララーはふと額に流れる液体の感触を感じ、そこに手を当てた。
見ると手には赤が付いている。
最初のジョルジュの攻撃で無傷では済まなかったのだろう。

( ・∀・)「ふ……。
     血はまだ赤い、か 」

しかしそこに傷の痛みにもだえる様子など微塵もない。
人と同じ血の色。
それを見ながら、自分に血を流させた2人を見る。

( ・∀・)「早々に見切りを付け捨てた人の魂……。
     よもやそれほどに可能性を秘めていたとは。
     今、僕は嫉妬する。
     最早手の届かない人の力に。
     捨ててしまったかつての日常に。
     しかし…… 」


74 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:05:16.99 ID:Durxr0fz0
 
( ・∀・)「後悔はない!!
     人を放棄したのは更なる高みへ行くため!!
     人には決して辿り着く事の出来ない境地へ!!」

後悔も迷いも微塵もない。
自ら望んで今の自分になったのだ。

人の殻を捨て、歴史上誰も成しえなかった真の最上の舞いを舞うため。

今、目の前の共演者達は可能性を秘めている。
この者達となら、かつて成しえなかった境地が見られるかもしれない。

そしてモララーは声を張り上げた。

( ・∀・)「影よ!!」


76 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:07:14.20 ID:Durxr0fz0
 
(; ^ω^)「ん? んんー──!?
      こりゃ僕の目に狂いがなければ 」

ブーンは戦慄した。
そのため目の前で起こった事柄を現実だと認めるのに少々心の覚悟が必要だった。
ようやくジョルジュが忌々しげに起こった事を正確に言葉にする。
  _  
( ゚∀゚)「増えたわね……」

目の前にはモララーが五人。
モララーの足から伸びていた影が、地面から剥がれるように立ち上がりその不吉な姿を現す。
次々と生まれるモララーは、影の黒一色からモララーと寸分も変わらない質感のある姿へと変貌した。

( ・∀・)「これより先、五人のモララーがお相手する。
     己との共演。
     人の身には不可なる極み、存分に堪能されるよう!!」
 

78 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:10:30.54 ID:Durxr0fz0
 
(# ^ω^)「一人でも面倒なのに!!」
  _ 
( ゚∀゚)「式鬼よ!!」

ブーンが金切り声を上げる横で、ジョルジュが胸元から人の形をした折り紙を摘み出し放り投げた。
平面だった紙の人形は空中のままぶくぶくと膨れ上がり、地面に両足で着地した。
その姿は拙いボロ布だけを纏い、刺々しい瘤のような筋肉に覆われている。

(; ^ω^)「これが本場の式鬼!!
      本物の鬼だお!!」
  _ 
( ゚∀゚)「ボヤっとしないのよ、ブーンちゃん!!
     こんな物、アイツ相手には時間稼ぎにもならないわ!!」

( ^ω^)「ちっ!!」


79 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:11:52.29 ID:Durxr0fz0

( ・∀・)( ・∀・)「「水よ!! 風よ!!」」

五人のうち、遠距離からの二人が用いるのは水と風。
水圧と風圧がブーン達を射抜こうと虎視眈眈と狙う。

( ・∀・)
( ・∀・)「「「大地よ!!」」」
( ・∀・)

残りの三人は体を金属のように硬化し、距離を一気に詰める。
その肌の固さは防御にも優れるが、当然ハンマーの如き攻撃力を持つ。
その突進で、ジョルジュが呼び出した式鬼は全て紙切れの如く造作もなく敗れ去った。
  _ 
(# ゚∀゚)「全員まとめてつまみ食いしてやる、くぉらぁ!!」

(; ^ω^)「破っ!! 破っ!! 破っ!!」


81 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:15:52.02 ID:Durxr0fz0

近づく三人をジョルジュが一手に引き受け、ブーンは遠くの二人を発勁で牽制する。
しかし同時に三人、六本の腕と六本の足の相手をするジョルジュは──!!
  _ 
(; ゚∀゚)「ぐっ!! 痛いじゃないのこのヤロウ!!
     ぐふっ!!」

(; ^ω^)「ジョルジュさん!!
      破ぁっ!!」

善戦するも手数が違いすぎる。
一撃一撃に体を仰け反らせるジョルジュを視認し、ブーンはすかさず発勁を割り込ませる。
三人のモララーは容易に見切ったかの様子で軽やかに身を交わし、残りの二人の元へと一旦下がった。

(# ^ω^)「大丈夫ですかお!?
      野郎、もう許さねぇ!! ここは一つ、一気に決めて──」
  _ 
(; ゚∀゚)「待ちなさい 」

苛立ち、憤るブーンをジョルジュが制止する。
このままでは詰将棋のようにモララーに追い込まれていくだけだ。
そして今回の場合、チェックメイトとは自分たちの死を意味する。


82 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:18:05.20 ID:Durxr0fz0
  _ 
( ゚∀゚)「実力は5人とも同じでも本物は1人だけよ。
     それに攻撃しないと意味がないわ。
     さらに本物を見分けても残りの四人が黙ってないでしょうね 」

( ^ω^)「じゃ〜、一体どうすればいいってんだお?
      まさかここで都合よく主人公特権発動してパワーアップでもしろっての?」

ジョルジュは口の端を釣り上げて不気味に笑った。
その眼は何か確信めいたものに満ちていて、ブーンはジョルジュに何か策があることに期待した。
  _ 
( ゚∀゚)「そうよ♪」

(; ^ω^)「ぶーっ!!」

ブーンの期待は見事に裏切られ、逆に自分が期待を受ける立場になってしまった。
だがジョルジュの期待は根拠がないわけではない。
ブーンが使う密教の真髄を期待したのだ。
  _ 
( ゚∀゚)「裏高野最強の退魔師・孔雀はあらゆる守護神の真言を使いこなしたって言うわ。
     その中にはあのイケ好かないイケメンヤローに通用する法力も──」

( ^ω^)「あ〜、無理無理 」

ジョルジュの言葉の端を折る。
期待に添えない事に対して、何の悪びれも無い。
その顔には「だって仕方なくね?」と書いてあった。


84 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:19:12.76 ID:Durxr0fz0
  _ 
( ゚∀゚)「どうしてよ?」

( ^ω^)「密教は自分の守護神の真言しか使えないんだお。
      僕が使えるのは僕の守護神、不動明王の真言だけだお。
      他のは守備範囲外。
      孔雀ってのは特別なの 」

鼻で笑うブーン。
ブーンは自分の力を過大評価も過小評価もしない。
ただ己が何なのか、己に何が出来るのかを正確に把握している。
それがブーンの強さの一因でもあった。
  _ 
( ゚∀゚)「……やってみないとわからないわよ?」

( ^ω^)「分かるっつーの。
      無理なもんは無理だお 」

何か含みを持たせてジョルジュが呟く。
そして再度否定で返すブーン。
ジョルジュは何か言おうとしたが、それ以上言うのをとりあえず止めた。


87 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:22:37.70 ID:Durxr0fz0
  _ 
( ゚∀゚)「……そう。
     でもそれだと手詰まりよ。どうすんの?」

ブーンはそれに対する返答はしない。
代わりに印を組む。

それは九つの印、九つの真言。
思いの強さを力に変え、望むがままに魔を切り裂く──

( ^ω^)「臨 兵 闘 者!! 開 陳 烈 在 前!!」

──九字神刀!!
白く輝く意志の光。
神の刃、九字神刀。

その刃が空を切り裂き、モララーを両断しようと飛翔する。
しかし、五人のモララーは迫りくる九字神刀を迎え撃つような陣形を取った。
更に開いた扇を持った右手を高々と上げる。


91 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:24:30.81 ID:Durxr0fz0

九字神刀がモララー達の喉元を捉えた──!!


──かに見えたその時、

( ・∀・)『ハッ!!』

モララーは一斉に右手を振り下ろす。
瞬間信じ難い光景をブーンは目にする事となる。

(; ^ω^)「九字神刀が通用しない!!」

九字神刀が粉々に砕けてしまった。
実態のないエネルギーである法力の刃が、まるでガラスのように砕けた。
モララーの力のなせる業か。
  _ 
( ゚∀゚)「だから言ってんじゃない 」

竦み上がるブーンを尻目に、ジョルジュは鼻を穿っていた。


92 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:27:01.66 ID:Durxr0fz0

( ^ω^)「これが鬼の王の力かお……。
      一人でも僕の法力が押し負けてるってのにもうね、困っちゃうお 」

ここでジョルジュは違和感を感じる。
ギブアップとも取れるブーンのセリフだがその顔。 
ブーンの顔を見てジョルジュはクスリと笑った。
  _ 
( ゚∀゚)「おや?
     言葉の割にはちっとも困ったって顔してないわよwww
     一体何を隠してんのよ、ブーンちゃん?」

ジョルジュは確信した。
ブーンの余裕は裏付けする何かを持っているからだと。
それを早く出さないことをに多少の憎たらしさを感じたが、それは今はどうでも良い。

( ^ω^)「ちょいと奥の手がありましてねwww
      でも僕は出来るだけ汗をかかず危険を最小限にしバクチを避け、
      何気ない仕草で高原に咲く可憐な花を摘むように目的を達成するのがモットーだお。
      疲れるのはちょっとね……」
  _ 
( ゚∀゚)「疲れるのと私に突かれるのとどっちが良いのよ?」

(; ^ω^)「おいそこの男前!!
      今ぶっ飛ばしてやっから覚悟しろこのヤロー!!」


95 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:33:05.22 ID:Durxr0fz0

喚いていたブーンが突然黙る。
空気がチリチリと肌を刺すように尖ったのは同時だった。

(  ω )「全方位の一切如来に礼し奉る……」

明らかに声音が変わった。
陽気で明るかったブーンの声は、奈落の底のような深さと重さを含む。 
ジョルジュはふと肌に感じる空気の物理的変化に気付いた。

……僅かに熱い……

改めてブーンに目を遣る。
体内で法力を練りこんでいる。
熱を発する法力、炎の法力を。

(  ω )「僕だってサボってたわけじゃねーお。
      密かに積んだトレーニングの成果、本気の不動明王の炎。
      コイツは火傷じゃすまんかもわからんね 」

一度はモララーの前に消し去られた不動明王の炎。
しかしブーンはここで『本気』という言葉を使った。


97 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:37:59.65 ID:Durxr0fz0




密教の真髄とは──



    ──口に真言──



    ──両手に印──



 ───そして心に守護神を───





100 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:39:38.96 ID:Durxr0fz0

ブーンは心に宿る守護神を鼓舞する。
借り物ではなく、真の不動明王の炎を引き出すために!!

( `ω´)「一切時、一切処に残害破障したまえ!!
      最悪大忿怒尊よ。
      一切障難を滅尽に滅尽し、残害破障したまえ!!」

ブーンの表情は一変し怒りの形相へ。
それは憤怒のままに魔を降伏させる不動明王と全く同じ表情。

歌うように詠み上げるのは火界のマントラ。
背後に烈火を纏う不動明王の降魔の力を体現する。

声を大にしてはいるが、ブーンの声量は決して人の声の範疇の外には出てはいない。
しかしジョルジュは、そしてモララー達はその声の大きさに耳を塞ぎたい衝動に駆られた。


ブーンの声は超常の何かの声と重なる。

全ての障害を打ち砕き、全ての悪魔を降伏し、全ての災厄を打ち払うその真言───

       ナウマリ サンマンタ バサラタン カン
( `ω´)「南莫 三曼多 縛日羅赧 憾!! 不動明王・火焔呪!!」

ブーンは人の身にして天界の浄化の炎を、真の不動明王の炎を現世に招来する!!


102 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:40:44.87 ID:Durxr0fz0

それは一瞬の瞬きの内に起こった。

世界が朱色に染まっている。
濃淡の一切ない、朱い墨で塗りたくったかのような一色。
そのあまりに無機質な赤さは、これが現世の外から来たものであることを無言の内に知らしめた。

『迦楼羅焔』
不動明王が背中に負うのは炎のように光り輝く神鳥が口から吐く炎とされる。
その神鳥・迦楼羅もまた、不動明王と同じく魔や災厄の類を決して逃しはしない。

( ・∀・)「っ!!??」

一人目……

モララー達は互いに通じ合っている。
その為、四人のモララーはいち早く認識する事ができた。
一人が指一本の抵抗すら許されず、炎に呑まれた事を。


103 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:41:30.33 ID:Durxr0fz0

二人目……

( ・∀・)「風よ!!」

一人が迫りくる炎に対して講じた策は風。
炎は風に煽られるもの。
例え天界の浄化の炎とはいえ、炎であることは変わりはないはず。

そのモララーはそう思った。

(; ・∀・)「馬鹿な!!
      押し戻され……」
 
残る三人は二人目が灰となり消えた事を認識した。


105 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:43:37.78 ID:Durxr0fz0

三人、四人目……!!

( ・∀・)「「水よ!!」」

二人が同時に水鬼の水でブーンの炎を迎え撃つ。
やはり炎には水。
それは古今東西を問わず変わらぬ不動の審理。

ましてやモララーが持ち出す水は人知を超えた鬼が操る水。
人知を超えた炎に対するにも不足はないはず。

( ・Α;''; 「「み……z…よ…」」

最後の一人は、三人目と四人目が消し炭となって砕けた事を認識した。
激流と言って過言ではない水の流れが、一瞬にして沸騰し蒸発して消えた。
こちらの言い分など一切通用しない、暴君のような炎に巻かれて消えた。


108 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:45:59.14 ID:Durxr0fz0

五人目───最後の一人!!

(; ・∀・)「くっ!!」

自らの影から生み出した四人のモララーは、為す術もなく再び物言わぬ影へ。
最後のモララーは身を焦がす朱一色の熱の中で言葉を飲み込む。

噴き出す汗は一瞬にして蒸発し、喉の奥はカラカラに乾いている。

一瞬。
一瞬しか思考の猶予はない。

たったそれだけの刹那の時間を過ぎてしまえば、最後に残ったモララーも残りの四人と同じ運命を辿る。

せめてこの熱を───
熱をシャットアウトできれば………!!

(; ・∀・)「断熱か!! ならば!!」


110 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:47:35.72 ID:Durxr0fz0

モララーの視界は完全に炎に覆われた。
途方もない熱の中に取り込まれた。
しかし───

(; ・∀・)「ふふっ!! ふははははははは!!
      生きている!!
      僕は生きているぞ!!」

滅茶苦茶にうねり狂う炎の中、モララーは確かに目を開き両足で立っていた。
炎に呑まれる瞬間、体の表面を水の膜でコーティングし、さらにその内側に風による気流の層を形成する。
その水と空気の層が、外部との熱の伝導を抑えていた。

水と風はモララーの力によりどのような形状にも操ることは可能。
絶えず新しい水の風の層を作り直すことで、絶望的な熱量をも凌いのだ。


114 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:50:40.46 ID:Durxr0fz0

(; ・∀・)「しかし何という炎か……。
      一向に弱まる気配がない。
      僕の根が尽き次第、牙を立てようと狙っているわけか……」

炎の壁はどれほどの厚みがあるというのか。
モララーの側からは、ブーンの姿もジョルジュの姿も見えない。

何よりも炎の濃度が濃い。
おかしな表現だ、とモララーは自嘲する。

(; ・∀・)「!?」

ふと気付く事があった。
体を覆う水の沸騰・蒸発までの時間、気流の層の温度の上昇、その速度。

(; ・∀・)「───!! 早くなってきている!!」

回避したかのように思われたブーンの炎。
しかしそうではなかった。
回避など出来はしなかったのだ。

モララーの肌に感じる炎の舌先がその事実を押し付ける。

相手は一切の不浄を焼き払う炎。


そして鬼の王たるモララーはその不浄たる魔、そのもの。



119 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:52:59.06 ID:Durxr0fz0

(; ・∀・)「ここから出るしかない!!
      行けるか!?」

モララーは炎の壁を突き破る事を結論にし、すぐさま行動に移る。
水、風、大地、影。
自らの力でこの状況を切り抜けるために選択する力。

(; ・∀・)「風よ!!」

しかし風は分身の一人が繰り出したものの、全く歯が立たなかった。
何故ここでそれを選択したのか。

(;・∀・)「研ぎ澄ませ!!
     研ぎ澄ませ!!
     風よ……鋭く尖りて烈風の槍となれ!!」

モララーは閉じた扇の先、針の穴ほどの小空間に風を押し込める。
先ほどの分身の風は空間一帯に暴風を生み出したもの。
その暴風を一転に集中すればその風圧は……

(; ・∀・)「貫け!!」

瞬間、収束した風が一筋の線となり放出される。
まるで光線のような直線の風。
それが炎の壁を砕き、僅かに外の姿を見せる。

(; ・∀・)「くぅぅぅうぁぁぁぁっ!!!」


120 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:54:09.57 ID:Durxr0fz0

・・・・・・

・・・



背後ではまだ粛々と業火は燃え盛る。
針のように尖った炎、化け物のようにうねる炎。
実際、その天の炎は魔にとって化け物と言って過言ではなかった。

(; ・∀・)「ハァッ!! ハァッ!! ハァッ……」

しかしモララーは生還した。
一瞬見えた炎の切れ目に、脇目も振らずに飛び込んだのだ。
体力は削がれ、身は焼かれ、息は荒く、膝を地に突いている。

それでもモララーは生還したのだ。

( ・∀・)「凄まじい!! 何という驚異!!
     ほとほと感心させられる、人間とは───」

感激にも近い感情にうち震えながらモララーは立ち上がる。

そこで大きなミスに気付いた。


124 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:56:07.48 ID:Durxr0fz0

モララーは恐るべき法力を回避するために全身全霊で臨んだ。
そしてそれを成し遂げた。
その歓喜にうち震え、僅かながら現状を見失っていたのだ。

目の前に覆い被さる大きな影が、モララーを現状に引き戻す。
  _ 
( ゚∀゚)「ナイスよ、ブーンちゃん!!」

(; ・∀・)「しまっ───!!」

しかし気付いた時にはもう遅い。
ジョルジュはモララーの背後に素早く回り込み、両手でガッチリとモララーの胴を腕ごと締め上げる。
更にその体勢のまま大きく持ち上げられるモララー。
  _ 
( ゚∀゚)「弾けろ筋肉!! 飛び散れ汗!!
     マッソゥーッ!!!!」

ジョルジュは意味の分からない掛け声と共に、
モララーを抱え上げたままとてつもないスピードで後方に反り返るように倒れこんだ。

(; ∀ )「ぐぅ……はっ……!!」

モララーの脳天は地面に突き刺さる。
続いてゆっくりと打ち砕かれたモララーの頭部から、赤い血が床を舐めるように流れた。


126 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:57:13.21 ID:Durxr0fz0

渾身のバックドロップ。
ジョルジュは依然として締め付けたままだったモララーの胴から手を離し、
ブリッジの体勢から腹筋と背筋の力だけで直立した。

振り返ると地面に頭を突き立てたまま、微動だにしない鬼の姿がある。
割れた頭から流れる赤い染みは、生き物のように広がっていく。

それを見下ろすのはいつもの緩い表情に戻った元裏高野の退魔師。
そしてこの世の物とは思えない衝撃的な赤いボディコンのオカマ。

( ^ω^)「手応え 」
  _ 
( ゚∀゚)「有りねwww」

満足げに顎を擦ると若干鬚が伸び始めて来ている事に気付く。
ジョルジュは、後で今傍らにいるブーンの見ていない所で処理しようと思った。


127 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 22:57:51.68 ID:Durxr0fz0
 






          ( ^ω^)ブーンは退魔師稼業のようです━╋RETURNS━━

       ――――第一章・クソジジイの指令・地獄の1丁目へようこそ――――


                     〜その3、鬼王〜終










136 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 23:05:33.47 ID:Durxr0fz0

(//‰ ゚)「皆さん遅いですねぇ。掃除でもしながら待ちましょうか 」

(//‰ ゚)「らららコッペパン、らららコッペパン〜♪」

(//‰ ゚)「ここには飛ぶ鳥を落とす勢いの人気AAさん達が集まると聞いて来たんですけど……
      まだみたいですので綺麗に片づけておきましょう 」


(ドゥ〜ン ドゥンドゥンドゥ〜ン キュワキャキャキャッキャキュワキャ!)


(//‰ ゚)「おや?何やらノリノリなヘビーサウンドが……」


───RE-GU-LARはどこだぁ!!

         
(//‰ ゚)「なんでしょう!? 行ってみましょう!!」                                   



137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 23:07:20.91 ID:GeQSOfyDO
やはりあったかw
てかイボ太郎ww

138 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 23:08:04.78 ID:Durxr0fz0
            バ ァ 〜 ン !!
                                    
         =≡=   ノノノノ   <ワン!ツー!スリー! イェア!!
          / \  ( ゚∋゚)/
        〆     ⊂    つ∈≡∋
         ||  γ ⌒ヽヽコノ   ||
         || .|   |:::|∪〓  .||
        ./|\人 _.ノノ _||_. /|\

             非       
            .//        ここでTOUJO! 規制KAIJO! 
     ( ゚д゚ )ハ_/Cハ        ブーン系SAIKYO! ヒロインSANJYO! 
    ⊂    .) 呂~/   (*゚ー゚)     
      .)  .(__.)  θ、⊂ ) 戻れNINKI! 古参のJINGI!
     (_/\_.)   ⊂二(\/               私の小説来いSHINKI!
  .               し \|/
                  ./|
            ♪                       
                  ♪ (ドゥ〜ン ドゥンドゥンドゥ〜ン        
           ♪     从 -∀从     キュワキャキャキャッキャキュワキャ!)       
             ____○___ξつヾ___   
           /δ⊆・⊇ 。/†::† /δ⊆・⊇ /|    
        | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |    
        |        | :::  |        |  |    
        |KUSOMISO| ̄ ̄ ̄|..PLATONIC.|/


(,,゚Д゚) 「………」 


139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 23:09:22.54 ID:Gs8JeMI40
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 23:09:28.82 ID:fBCVbiusO
くねくねww

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 23:10:32.31 ID:9SIZR0k5O
なにしてはるんですかwwwwwww

142 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 23:10:42.47 ID:Durxr0fz0
                         ノノノノ
     ⊂ヽ( ゚д゚ )つ         ⊂ヽ( ゚∋゚)つ
((      (   )    ))((      (   )    ))
      ⊂( __フ つ          ⊂( __フ つ
        (_/                (_/           

              (*゚ー゚)   出番減少! 激化競争! 新たなAA ! 私は疎遠!
              ( つΘ∩   冷たい世間を生き抜き! AA苛めて息抜き!
              ) )|\ \    どこだRE-GU-LAR就職MONDAI! 
             (__)| (__)              そんな毎日オーディションZANMAI!


         ま、茶でも飲めよwww
          从 ゚∀从   シュッ
          (つ と彡 ./
            /  ./
           /   ./
         /    /
        /      /
  おぅ  / ///   / ツツー
(,,゚Д゚) /  旦   /
(   つ       ./

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 23:11:56.11 ID:GeQSOfyDO
すげーライムだぜwwwwwwww

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 23:12:32.83 ID:FEmeWka10
wwwwwwwww

145 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 23:13:08.89 ID:Durxr0fz0
 
(//‰ ゚)「何てことでしょう!!
      駆けつけた私はしぃさんのステージに期待で爆発しそうです!!
      今晩も伝説のリリックが聴ける。
      ストリート生まれヒップホップ育ち。本物のラップが聴けるのです!!
      キャップを斜めに被りオーバーサイズのTシャツをきたしぃさんが、
      イカしたライムを重たいサウンドにライド・オン!!
      ショウは始まっています!!
      私は自分でも怖いほどに興奮し、今にも気絶しそうです!!」

(*゚ー゚)「SAY HO!」

从n゚∀从η「HO!」

(*゚ー゚)「SAY HO!」

(n/‰ ゚)η「HO!」

(*゚ー゚)「SAY HO!」

(,,゚Д゚) 「………」 


146 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 23:15:17.53 ID:Durxr0fz0
 
(*゚ー゚)「SAY HO!」

(,,゚Д゚) 「………」 

(* ー )「SAY HO!」

(,,゚Д゚) 「………」 

(# ー )「SAY HO!」

(,,゚Д゚) 「………ん?」 

(#゚ー゚)「ホ、ホ、ホ、ホァー─────ッ!!」

(;,,゚Д゚)「ッ!! 突然どうしたんだ!?」

(#゚ー゚)「ちょっとみんな聞いて〜。
    1番前なのに座ってるよ。みんなどう思う?感じ悪いよね〜 」

( ゚д゚ )「いくらなんでもそりゃないッスよ、ギコさん。
     しぃさんに迷惑ッス 」

( ゚∋゚)「流石のオレも引くッスね。
     マジッスか!? マジでやってんスかギコさん!?」

(;,,゚Д゚)「え? 何? 何なの?
     オレ何かした? 何もしてねーよ?」


147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 23:15:34.40 ID:9SIZR0k5O
wwwwwwwwww

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 23:16:11.89 ID:aJfvnGwq0
フリースタイル具合にマジ泣けたッスwww

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 23:17:20.25 ID:GeQSOfyDO
AYUかwwwwwwwww

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 23:17:57.99 ID:P1ggRMCBO
そういえば、こん中で学園に出てないのってしぃだけか?
あとイボ太郎


・・・・・・・・ん?誰か来た

151 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 23:18:15.88 ID:Durxr0fz0

(# ー )「はぁ〜ぁ、はぁ〜〜ぁ、はぁ〜〜〜〜ぁ〜〜〜〜。
     自分だけ主役になっちゃてさぁ〜。
     はいはい、ギコ君は凄いですね〜。
     ハインと二人で頑張ればいいんじゃな〜〜いのぉ〜〜〜〜〜」

从 ゚∀从「アヒャヒャwww。頑張ろうぜ〜〜〜www」

(,,゚Д゚) 「なんだ。それでへそ曲げてんのか。
     でもそれだったらこっちの二人も……」

(; ゚∋゚)「おっと!! それ以上は野暮だぜギコさん!!」

(;゚д゚ )「今はホラ、しぃさんのライムの感想をね!!」

(,,゚Д゚) 「え? あ〜……良かったんじゃないの?」

(;゚д゚ )「そうでしょ!? しぃさん!! これ狙えますよ!!
     何っつーか……、えーと……、何だ? オスカー? 」

152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 23:19:57.62 ID:Gs8JeMI40
しぃwwwwwwww

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 23:21:32.88 ID:GeQSOfyDO
ミルナとクックルばれたら殺されるなwwwwwwwwww

154 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 23:22:09.83 ID:Durxr0fz0

(*゚ー゚)「あら、知ってるわよ。
     私がやってるんだもん 」

(//‰ ゚)「私感動しました!!」

(*゚ー゚)「でしょうね。
     その他大勢のAAとは役者が違うわ 」

(; ゚∋゚)「ブランクを感じさせないとこなんか流石っすね!!」

(# ー )「あ? ブランク?」

(;゚д゚ )「クックル駄目だぁー───!!
     自分ではヒロインと言い張ってはいるが、元々ブーン系のヒロインはツン。
     そのツンはおろか、クーにもぶっちぎりに差をつけられてヒロインの席など滅多に回ってきやしない。
     最近は更にハインにも追い抜かれ、人数合わせで呼ばれる程度。
     仕事もめっきり減って平日は暇だってことを指摘しちゃ駄目なんだー────!!」

(;,,゚Д゚)「おいおい……」

从 ;∀从「アッヒャッヒャwww。クソ笑えるwww」

(##ー#)「………」

(;,,゚Д゚)(最早誰だよ……)


155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 23:23:10.86 ID:ZckZkjgtO
支援w

156 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 23:24:30.10 ID:Durxr0fz0
 
(//‰ ゚)「いやー、演技も出来て歌も歌えるなんて流石だな〜。
     マルチタレントですね!!
     私も見習いたいです!!」

(##ー#)「………」

(;゚д゚ )「クックル、大変だ!!
     怒りのあまりにAAがバグってる!!」

(; ゚∋゚)「どうしよう!!どうしようミルナ!!」

(;゚д゚ )「オレに言われても……。
     ハイン!! 何とかしろよ!!」

从 ゚∀从「こっち見るなwww」

(//‰ ゚)「あのー 」

(; ゚∋゚)「何だよウルセーな!! 誰だよお前はさっきから!?
     今それどころじゃな……」

(//‰ ゚)「お忘れですか?」

(;゚д゚ )「キ、キサマはまさか……!!」

(*゚ー゚)「ハッ!! 私ったら一体今まで何を……?
    ところで何故か気分が……ッ!!
    アナタは!!」


157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 23:25:50.03 ID:GeQSOfyDO
ww

158 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 23:26:24.98 ID:Durxr0fz0





 
(; ゚ー゚)(;゚д゚ )(; ゚∋゚)「「「 蓮 太 郎 !!!! 」」」







(//‰ ゚)「やだなぁ〜www イボ太郎ですよwww」

(,,゚Д゚)(コラコラ。お前はサイボーグ横堀だろ )


159 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 23:28:28.67 ID:Durxr0fz0
 
(; ゚ー゚)「なっななっな、何をしに来たのよ!?
     就職活動!?
     だったら良いとこ紹介してあげるわよ!! ミルナさん!!」

(;゚д゚ )「はい、しぃさん!!
     良いかよく聞けよ!?
     お前は今からオムさんのとこに行って『何かの種』のオーディション受けて来い!!
     お前なら100パーいけるから!! なっ!!」

(; ゚∋゚)「まさに適役じゃないか!!
     そうだ!! アレはお前のためにあるような作品だ!!」

(//‰ ゚)「……みなさん……」

(;゚д゚ )(行って……くれますかね……?)

(; ゚ー゚)(行ってくれないと困るわよ!!
     蓮は耐性無いときついって!!私そろそろ……うっぷ!!)

(//‰ ゚)「……そこまで、そこまでこんな私の事を!!」

(; ゚∋゚)「……は?」


160 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 23:29:31.59 ID:Durxr0fz0
(//‰ ;)「総合で生まれたブーン系ファン達の愛の化身であるはずの私。
      でも!!でも、主演だったカールツァイスは音沙汰なし!!
      総合のAAテンプレにはとっくの昔に見る影もない!!
      そんな過去の遺物である私に……そんなに優しく!!」

(; ゚ー゚)「ちょ!? それ涙じゃなくて他の物に見え……」

从 ゚∀从「『ビロードは荒々しくシャツを脱ぎ捨てる。
       胸にも背中にも、すでにびっしりと穴が出来ていた』
      『咄嗟にちんぽっぽが駆けつけて、倒れた彼を抱きかかえていた。
       そのとき、プチプチという小気味いい音を聞いたのは覚えている。
       アレは、あの中身が潰れる音だったのかな……。』
      これ?www」

(; ゚ー゚)「いやぁぁー───!! それぇー───!!」

(;゚д゚ )「ちょっとしぃさん!! トイレならオレも一緒に!! おえぇぇー──!!」

(; ゚∋゚)「痒い!! 痒いぃぃぃぃー───!!」

(//‰ ;)「待って下さい!!
      もう私、皆さんの優しさがないとダメみたいです!! 待ってぇ〜〜〜!!」

从 ゚∀从「アヒャヒャヒャヒャヒャwww。転載してゴメンナサイ応援してますゴメンナサイ 」

(,,゚Д゚)「……さて、と。仕事すっか。
    元ネタ解説行くぞ〜。ハインは予告な 」

从 ゚∀从「あいよ〜www」


161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 23:30:48.75 ID:GeQSOfyDO
何かの種かwwww
読んでたのかw

162 名前:元ネタ解説 ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 23:32:13.59 ID:Durxr0fz0

(,,゚Д゚)「鬼の王・百夜鬼
     元ネタ・『孔雀王』17巻より。
     百鬼夜行の刺青を狙ってヤクザを殺し、殺した相手から剥いだ百鬼の刺青を身に纏う男のなれの果て。
     刺青の持ち主の生気を吸った皮は如何なる攻撃も受け付けず、
     百鬼の刺青を揃えれば鬼の力を得て巨大な最強の鬼神となる 」

(,,゚Д゚)「今日はこれだけか。
    じゃ、予告頼むわ 」

从 ゚∀从「あいあ〜いwww」


163 名前:次回予告 ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 23:34:14.55 ID:Durxr0fz0

/ ,' 3 「よぉ、クーじゃねぇかwww」
 
爪'ー`)「私は裏高野・弐経路山分寺の主、フォックスと申します 」 

     クーは退魔師達の殿を務め上げた。
     そこに現れる裏高野総帥・荒巻。そして新たな退魔師フォックス。

川 ゚ -゚)「何だこれは?」

/ ,' 3 「簡単に言うとだな、めっちゃヤベぇんだわwww」

     クーが目にする異変。
     滅ぼした百鬼夜行から立ち上る魂の行方は!?
     ブーンとオカマの戦いはまだ終わらない!!

(; ^ω^)「もうこれラスボスで良いだろ!!」


次回
         ( ^ω^)ブーンは退魔師稼業のようです━╋RETURNS━━

       ――――第一章・クソジジイの指令・地獄の1丁目へようこそ――――


                      〜その4、開門〜

 

164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 23:35:27.13 ID:pvdXmeO10
乙だっ!
葛葉ライドウの新しいの売ってるね

165 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 23:36:46.76 ID:Durxr0fz0

(,,゚Д゚)「それでは」

从 ゚∀从「みなさん 」


(,,゚Д゚)ノシ 从 ゚∀从ノシ「「またね〜 」」



・・・「駄目よ!!このトイレはもう封鎖されてる!!」

    ・・・「しぃさん!!一階はもうダメです!! 先回りされてます!!」

      ・・・「二人とも……ここはオレが食い止めます!! じゃぁな……今まで楽しかったぜ!!」

        ・・・「「クックルー───!!」」


166 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 23:37:11.44 ID:Durxr0fz0







             続 く







167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 23:40:09.31 ID:P1ggRMCBO


168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 23:41:13.12 ID:GeQSOfyDO
オツ!

169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 23:42:34.67 ID:1i1hLx2xO


170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/27(月) 23:42:41.20 ID:UqJwZcLJO
乙乙
次回も下半身露出しながら待ってる

171 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/10/27(月) 23:43:31.48 ID:lufWhNcW0
お疲れ様でした!!
久しぶりにも関わらずたくさんの支援感謝です
質問等あれば遠慮なくどうぞ
と書き込もうとしたらサルでしたorz

>>164
マニアクス同梱版ゲットしたぜ


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