第一章・クソジジイの指令・地獄の1丁目へようこそ 〜その1、鬼神楽〜
- 83 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:28:41.55 ID:Yth8QX5N0
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闇に蠢く狂信者の組織。
おぞましい魔物、人を食らいたいだけの小妖、終末思想の人間、殺人狂……
その構成員はバラエティに富んでいるが、ある強烈な1つの意思を共有している。
1つの意思。
―――それは人社会の崩壊。
人に仇成す万物を使役し、人と人に同調する存在には災いを見舞う。
- 84 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:29:25.88 ID:Yth8QX5N0
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彼らが掲げる思想の先にあるもの。
魔の魔による魔の為の世界統一。
かつて地球上に存在した太古の超大陸。
その産声は天変地異の連鎖を生み、地球上の全生物の9割以上を死滅させた恐怖の存在。
いつの頃からか狂信者たちは、己らを同じ名で呼ぶようになった。
『パンゲア』と―――
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- 85 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:29:47.95 ID:Yth8QX5N0
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▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲
広大な庭園の中心には、塀の外から引かれた小川の清水が流れ込む大きな池があった。
様々な木々や庭石が組み合い、不思議にも美しい景観を生み出している。
明るい月は水面に冷たい光を映し、生み出す影は暗くも柔らかい。
はるか昔に、時に置き去りにされたかのような日本庭園。
苔生した石の燈篭が心許無く照らす東屋。
中では2人の男が座して向き合っていた。
_、_
( ,_ノ` )「流石は古の名家。中々風流な趣だな 」
眉間に消える事のない深い皺を刻んだその中年の男は、出された茶を喫しながら静かに言った。
隙なくスーツを着る男の周囲には強いムスクの香りが漂っている。
これでは茶の湯の香気も台無しだろう。
- 87 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:32:27.20 ID:Yth8QX5N0
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( ・∀・)「僕にとっては風流など腹の足しにもなりませんよ。
それで渋沢さん。首尾は?」
対するもう1人は、ゆったりとした和服に身を包んだ若い男。
20歳そこそこだろうか。
顔は若いがどこか達観した雰囲気を持つこの男は、自分の分の茶を点てながら目もくれずに返答した。
_、_
( ,_ノ` )「せっかちだな。……上々だよ 」
渋沢は脇に置いていたアルミケースを正面に回し、ロックを解除した。
その中から取り出したのは1冊の本。
ただしその本は、古い紙で出来ており背表紙が麻紐で括られているような、見るからに数百年単位の骨董品だった。
若い男は手を止め、出された古書を一瞥する。
くすんでしまった古い表紙に、怪しい気を感じる。
- 89 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:33:28.14 ID:Yth8QX5N0
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( ・∀・)「どうやら間違いないようですね。あなた方に頼んで正解でした 」
_、_
( ,_ノ` )「『鬼神楽』。その全てがそこに書いてある 」
( ・∀・)「……」
『鬼神楽』……
不吉な響きを持つその言葉を聞き、モララーと呼ばれた若い男は思慮に入る。
_、_
( ,_ノ` )「事を為せば何が起こるかは……アンタの知っての通りだ。
なぁ、モララーさん。ちょっと聞かせてくれないか?」
渋沢はじっと何かを考えているモララーに遠慮なく質問を投げかけた。
( ・∀・)「何をです?」
_、_
( ,_ノ` )「名家に生まれ、その中でも1000年に1人の天才と言われる能楽師のアンタだ。
どうしてこんな物を欲しがったんだね? 黙っているだけで地位も名誉も思うがままだろう?」
モララーは点てた茶を啜り、口中でゆっくりと香りを楽しんだ。
存分に堪能した後、目を開け茶碗を置く。
そしてようやく答えを返した。
- 91 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:34:03.89 ID:Yth8QX5N0
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( ・∀・)「……底がね。見えるんですよ 」
_、_
( ,_ノ` )「底?」
( ・∀・)「ええ、底です。ご先祖様達は数百年かけて能という舞を昇華させた。
僕の体はその結晶の様な物だ。
近くは父から、遠くは始祖から続く全ての技術が全て僕に詰まっている 」
_、_
( ,_ノ` )「その通りだろうな 」
( ・∀・)「僕は恐らく、この家で過去誰も到達出来なかった次元に達している。
この先も人間が僕以上に美しく舞う事はできないでしょう。
この僕でさえも……」
極めてしまった者のみが得る空虚感。
渋沢はそう感じた。
_、_
( ,_ノ` )「天才故の苦悩か?」
( ・∀・)「苦悩?」
しかしモララーは、渋沢の言葉に対して心底分からないという顔をした。
まるでとんでもない的外れだとでも言わんばかりの顔だ。
事実、モララーの考えは渋沢の想定とはあまりにかけ離れていた。
あまりに……
- 92 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:34:47.45 ID:Yth8QX5N0
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( ・∀・)「いいえ、これは愉悦ですよ。快楽、期待、満足、野心、欲求、陶酔……
僕はさらに美しく舞う 」
_、_
( ,_ノ` )「それには『鬼神楽』が必要だと? あの怨念の神楽舞が 」
モララーの意図することに気付く渋沢。
欲している物が人の身に余る物。
人の器に収まりきれないのならば、更に大きな器を欲するのは至極当然だった。
もっとも、実際に行動に移すかどうかは別としてだが。
( ・∀・)「僕は人の限界を極めた。これ以上の高みを見る事はないだろう。
しかし僕は見たい。
過去、何者も到達出来なかった境地を。
芸術家なら誰でも辿り着きたい場所だ。
そのためなら、人の殻など喜んで脱ぎ捨てよう。
分かるでしょう、渋沢さん?」
_、_
( ,_ノ` )「さてな……」
- 94 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:35:58.21 ID:Yth8QX5N0
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モララーの目には更なる高みしか見えていない。
彼自身はそれは当然の事と考えているように見えるが、他人から見れば狂気とも言えた。
渋沢は曖昧に答えると、何枚かの写真を取り出した。
_、_
( ,_ノ` )「まぁ、アンタが何を望むかはオレの知ったことではない。
事が済んで退屈になったら、こいつらと遊ぶといい 」
何者か、と尋ねるモララーに渋沢はただ一言『裏高野』と答えた。
( ・∀・)「……裏高野。退魔の?」
_、_
( ,_ノ` )「流石、古くからこの国に根付いている家の者は博識だな 」
( ・∀・)「あなた方パンゲアにとっても邪魔な存在だから見返りに、とでも?」
モララーは手にした写真と渋沢を見比べながらその意図を探る。
殆どは僧衣を着た高野僧の写真だった。
その1人1人が恐るべき法力の持ち主なのだろう。
- 96 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:36:40.45 ID:Yth8QX5N0
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( ,_ノ` )「いや、パンゲアは今後一切アンタには関知しない。好きにやってくれ。
こいつはオレの個人的な頼みさ。
害虫の駆除には、人手が幾らあっても困らない 」
( ・∀・)「考えておきましょう 」
_、_
( ,_ノ` )「それでは失礼しよう。成功を祈っている 」
モララーは写真を1枚1枚吟味するように捲りながら渋沢を見送った。
今見ている写真に写っているのは、珍しく僧侶ではなかった。
締まりのないニヤケ顔の男と、強烈に人相の悪いチンピラの様な男。
そして眉の下がった男の3人組の写真だった……。
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- 97 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:37:05.92 ID:Yth8QX5N0
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( <●><●>)「フフフ。ご苦労様です 」
_、_
( ,_ノ` )「ワカッテマスか 」
モララーの屋敷の外。
渋沢が門扉を出ると、1人の男が暗闇の中から姿を現した。
暗闇から出てきたというのは少々外れているかもしれない。
『暗闇が出てきた』の方がしっくりくる。
男は暗い影を纏っているかのように周囲に闇を振り撒いていた。
( <●><●>)「私の様な魔には、この家の神気は気持ちの良いものではないですからね。
古より舞を通して神と対話し、神と一体化してきた一族。
何とも、お近付きにはなりたくない場所ですよ 」
_、_
( ,_ノ` )「ほぅ……。『パンゲアの怪人』にも苦手な物があったのか 」
クックッと笑う渋沢。
ワカッテマスも目を細める。
怪人が真っ暗な双眸を閉じたとき、辺りは仄かに明るくなった。
しかし再び目を開いた瞬間、おぞましい程の闇が再来する。
- 99 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:37:29.44 ID:Yth8QX5N0
- _、_
( ,_ノ` )「しかし良かったのか? あの男が事を成したら、我らにとっても厄介かも知れんぞ?
場合によっては拘束して洗脳すべきではないか?」
( <●><●>)「良いんですよ。
鬼神楽を舞い切るような輩が配下にいてくれたら、いらぬ心配が増えるだけです。
それに万が一、成功したならば、黙っていても人に甚大な被害を与えるでしょうwww」
_、_
( ,_ノ` )「フン……。貴様が言うのなら私は反対はせんがね 」
( <●><●>)「フフフ……www。さて、結果はどうなるのでしょうね?
魔の舞踏に耐えきれず、天才の屍が1つ出るか?
それとも古の術師の再臨か?
或いはそのどちらでもないのか?」
怪人は今一度モララーの屋敷を見つめる。
何を思っているのか、何を感じているのか。
本人の他には誰も知りえない。
怪人はただ一言、口の端を大きく左右に伸ばして言った。
( <●><●>)「何にせよ、面白くなるのは分かってます 」
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- 103 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:39:12.70 ID:Yth8QX5N0
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(´・ω・`)「おいおい、そりゃないよ……」
/ ,' 3 「ふっふっふww。見返りも無しで、あんなヤバいモンをウチに任せるつもりだったのかよ? ん?」
今日も明日も明後日も、昨日も一昨日もその前も客の来ないバー、バーボンハウス。
元々しょぼくれた顔をしていたマスターのショボンは、目の前の老人によって更に困った顔をせざるを得なかった。
短く刈り込んだ真っ白な髪、顎と口元を覆う同じ色の髭。
顔には健康的な艶のある中背の老人は、緋色の僧衣と袈裟に身を包んでいる。
詰まる所、どこぞかの坊主と見て間違いない。
(´・ω・`)「見返りだったら、今まで散々働いてきただろ?」
/ ,' 3 「それはそれ、これはこれ。それに今までの分は別口でサポートしてやったろ?」
勘弁してくれよ、という顔をするショボンに対し、大口を開けて破顔する老人。
ショボンは顔をしかめて舌打ちをする。
老人の言う事は理不尽でも、将来的にも聞いておくだけの価値があるから断れないのだ。
- 107 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:39:57.50 ID:Yth8QX5N0
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(´・ω・`)「チッ……、ホントに食えないじい様だな。
で、『エイジャの赤石』保管の見返りに、オレ達に一体何をさせる気なのかな?
裏高野座主、荒巻スカルチノフ大阿闍梨 」
裏高野。
弘法大師・空海が真言宗を開いた時、その裏の顔として秘密裏に設立した。
その実態は妖魔封殺を生業とする退魔師達の聖地。
平安時代の開設より1200年の間、日本を影から防衛してきた最強最後の守護者。
大阿闍梨とは最高位の僧の職位。
座主とは裏高野総帥。
僧衣の緋色は僧官における頂点、大僧正にのみ許された色。
すなわちこの老人、荒巻スカルチノフは日本で最も権威を持つ退魔師だった。
- 110 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:41:40.78 ID:Yth8QX5N0
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/ ,' 3 「何が良いかい?」
その荒巻が、必要以上に悪戯っぽく目を輝かせながらショボンに希望を聞く。
尤も、ショボンが希望を出しても受理されることはない。
それが分かってはいても、ショボンは一抹の希望を抱いてこう言った。
(´・ω・`)「出来るだけ楽なヤツ 」
/ ,' 3 「カッカッカwww。残念ながら楽なのは無いわいwww」
(´・ω・`)「断る 」
/ ,' 3 「いいのか? あの石、ゴミに出しちまうぞいwww」
(´・ω・`)「やれるもんならやってみろよ。あんた、世界中の退魔師から首狙われるぞ 」
/ ,' 3 「それは困る。そうならない為にも、お前達にオレの言う事を聞いてもらわんと 」
(´・ω・`)「確かに困るな。あんたをぶち殺しに行った退魔師が、全員五体不満足で家に帰る事になる 」
- 114 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:44:31.40 ID:Yth8QX5N0
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結局は何が何でも荒巻の言う通りになってしまう。
辟易したショボンが、ウンザリと仕事の受理の意思を仕草に示す。
/ ,' 3 「そういう事よwww。では早速、仕事の話に―――」
白い歯を見せる荒巻が満足気に本題に取り掛かろうとしたとき……
( ^ω^) 「ただいまだお〜 」
('A`)「う〜ぃ、今帰ぇったぞ〜 」
最早人類が両手に持つことは不可能、とも思える量の酒を持ったブーンとドクオが返って来た。
彼らがこれを可能としているのは、連日続くショボンによる嫌がらせ的なお使いの成果だ。
( ^ω^) 「ウォッカとジンとテキーラ30本ずつ。これでストックはめでたい事にそれぞれ1500ほn―――」
('A`)「全くよぉ……。使いもしねぇ、売れもしねぇ、飲む奴もいねぇ酒をこんなに……って、何してんだブーン?」
- 116 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:45:53.43 ID:Yth8QX5N0
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両手に大荷物を抱えたドクオが、目の前で絶句し足を止めてしまったブーンに非難の声を上げる。
しかし、当のブーンはそんな事はお構いなしと足を止めたまま。
それどころか、顔からは血の気が引き、滝の様な冷汗が頬を伝っている。
( ;^ω^) 「・・・・・・」
/ ,' 3 「よぉwww。遅かったなwww」
( ;^ω^) 「ジッ……!!」
('A`)「ん? 何だこの爺さんは?」
( ;^ω^) 「逃げるおっ!!」
('A`)「え? 何で?」
まず最初に手にしていたお使いの酒類の瓶を割らないように丁寧に床に置いた。
日頃受けているショボンの教育的指導の賜物か。
そしてこの世の終わりだという表情で脱兎の如く逃げ出すブーン。
- 118 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:46:42.03 ID:Yth8QX5N0
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(´・ω・`)「荒巻大阿闍梨。ブーン逃げちゃうよ?」
/ ,' 3 「無理だろ。・・・・・・・・・・・・破っ!!」
( ;゚ω゚) 「ぎゃっ!!」
ぽやーっとその様子を見ていたドクオは、自分の横をすり抜けてブーンの背中を捉えた青い光に驚愕する。
盛大につんのめって床にキスするブーンから、ショボンと老人に視線を移したドクオ。
(;'A`)「い……、今のはブーンの……?」
(´・ω・`)「発勁さ。驚いたかい、ドクオ?」
(;'A`)「驚いたって、そりゃぁ……。何モンだ、あの爺さん?」
- 119 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:47:07.96 ID:Yth8QX5N0
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ドクオは背中をさすっているブーンに、ニヤニヤと笑いながら近付く老いた僧侶を見ていた。
老人はうつ伏せで苦しんでいるブーンの首根っこを猫の仔にそうするように掴み上げる。
/ ,' 3 「おい、ホライゾン。テメェそれが久しぶりに会ったオレへの挨拶かい? 違うよな? ん?」
( ;^ω^) 「イタタタ……いきなり何するんだお、このジジ―――」
/ ,' 3 「うぉらぁ!!」
( ;゚ω゚) 「グベッッラ!!」
ブーンが年齢的不敬を働こうとしたとき、強烈なボディブローが鳩尾に突き刺さった。
『オレはまだ若い』と言わんばかりの表情で、荒巻はブーンが何を言おうとしたかもう1度問う。
/ ,' 3 「ふふっwww。何?」
(;^ω^) 「お……」
ブーンは委縮しながら何とか言葉を絞り出すのだった。
- 122 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:48:24.66 ID:Yth8QX5N0
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( ;^ω^) 「お師匠様、久しぶりですお……」
( ^ω^)ブーンは退魔師稼業のようです━╋RETURNS━━
――――第一章・クソジジイの指令・地獄の1丁目へようこそ――――
〜その1、鬼神楽〜
- 124 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:50:06.93 ID:Yth8QX5N0
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(´・ω・`)「全く……、これだから素人は恐ろしい。とんでもないものに手を出したな 」
ショボンにブーンとドクオを交え、荒巻は事の概要の説明をした。
聞き終わったショボンの第一声はこうだった。
その反応に満足げに頷く荒巻。
/ ,' 3 「ムカつくわな? お前もそうだろ、ホライゾン?」
同意を求めた荒巻。
しかし、ブーンにとってはそれよりも重要な事が別にあった。
( ^ω^)「そんな事より、お師匠様?」
/ ,' 3 「何だい?」
( ;^ω^)「僕を連れ戻しに来たんですお?」
/ ,' 3 「テメェを今更山ん中に連れて帰ろうなんて気はサラサラねぇよ 」
( *^ω^)「良かったおwww。僕が御山を抜けた事、怒ってるのかと思ってたおwww」
/ ,' 3 「怒ってる?」
- 128 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:51:41.97 ID:Yth8QX5N0
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ブーンは裏高野を逃げ出している。
裏高野の掟として、女淫は固く禁じられているからだ。
ブーンはその掟に反旗を翻し、魔法使いになっては敵わないと出奔した。
全ては若いホルモンに振り回されたせいだったが、ブーンは荒巻が自分を連れ戻しに来たと思っていた。
そうではないと知り自然と表情が綻ぶ。
しかし、対照的に荒巻の表情はみるみる内に険しくなり……
/ ,' 3 「怒ってるなんてそんな優しげなもんじゃねぇよ、バカヤロウ!!
テメェが消えたお陰で、オレがどれだけ方々に頭下げたと思ってんだ、コラ!!
いいか!? ハッキリ言ってオレぁ……」
強烈な怒号と共に流れ出る荒巻の言葉。
そして片目でブーンを必要以上に睨みつけてこう言った。
/#,゚ 3 「 切 れ て る !!!!!!!」
(´・ω・`)「憤怒のあまり、一時的錯乱状態にあるようだ。
感情の高ぶりによる心神喪失だな。
これはブーンを殺しても、情状酌量の余地があるかも 」
( ;^ω^)「ちょwww」
- 131 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:52:28.62 ID:Yth8QX5N0
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今にも発勁を打ち出さんという気迫で、荒巻はブーンに怒声を飛ばす。
あまりの迫力に、ブーンは恐怖を通り越して笑えてきた。
/ ,' 3 「それはさておき、話は分ったかい?」
と、突然元に戻る荒巻。
歳を取ると感情のコントロールも自由自在なのだろうか。
荒巻が『分かったか?』と言った内容について、ブーンは腫物を触るかように聞いた。
( ;^ω^) 「僕にはサッパリですお、ジ……、お師匠様 」
('A`)「オレも分らんね。何なの、その……『鬼神楽』ってヤツ?」
荒巻が持ってきた仕事の内容。
一通り聞いてもどうもピンとこないのはブーンもドクオも同じだった。
- 134 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:52:53.80 ID:Yth8QX5N0
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ブーン達のサッパリ分からないという顔を見て、荒巻は豪快に笑い飛ばす。
/ ,' 3 「カッカッカwww。 勉強が足らんなぁwww。 よし、ショボン 」
(´・ω・`)「なんスか?」
/ ,' 3 「いや、説明してよ 」
(´・ω・`)「自分でやれよ、ジジイ 」
/ ,' 3 「さて、燃えないゴミの日は何曜だったかな?」
(´・ω・`)「あーあー、分かったよ!!」
(;'A`) (馬鹿な!! ショボンが翻弄されてるだと!?)
( ;^ω^) (気を付けるんだお、ドクオ!! あのジジイ、今生きてる退魔師の中では世界最強って噂だお!!)
驚愕するドクオにブーンが警告をする。
何だかんだでショボンが逆らえない所を見て、ドクオはそれも満更嘘ではないと思った。
(´・ω・`)「それでは、3分で分かる『鬼神楽』。始まるよ〜」
△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
- 136 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:54:09.66 ID:Yth8QX5N0
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▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲
(´・ω・`)
――――昔々、あるところに藤原千方という豪族がいました。
( ・ω・) 「あ、どーも。藤原です 」
(´・ω・`)
――――元々藤原千方は有力な豪族でしたが、実は特別なスキルも持っていました。
( ・ω・) 「実は自分、凄いんス 」
(´・ω・`)
――――彼には鬼を使役する不思議な力があったのです。
特に強力だったのは金鬼、水鬼、風鬼、穏形鬼の4匹の鬼です。
圧倒的な藤原千方の力。
しかし心の優しかった彼は、その力を人々の為に使いました。
- 140 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:55:20.30 ID:Yth8QX5N0
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(´・ω・`)
――――金鬼が作る豊かな土壌は、不作知らずの水田や畑へ。
水鬼が生み出す美しい清水は、人を始めとした全ての生き物への恩恵へ。
風鬼が奏でる風は夏は涼しく、冬は暖かく。
そして鬼達のリーダー格、隠形鬼は、影から人々を危険から守っていました。
(´・ω・`)
――――皆幸せに暮らしていました。
しかし……
(・A・)「藤原怖ぇ〜。マジ怖ぇ〜 」
(´・ω・`)
――――時の帝は、藤原千方が反旗を翻した場合の事を考えました。
チキンな彼は怖くて夜も眠れません。そこで帝は勅命を出しました
(・A・)「藤原、ぶっ殺 」
( ・ω・) 「あ〜れぇ〜 」
- 142 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:56:31.33 ID:Yth8QX5N0
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(´・ω・`)
――――彼は死に瀕したその時……
( ・ω・) 「何故だ!? なぜ私がこのような仕打ちを受けねばならない!?
許さぬ……、許さぬぞ!! この恨み、晴らさでおくべきか!!」
(´・ω・`)
――――優しかった藤原千方は、この仕打ちに怒り狂いダークサイドに堕ちました。
怒りは恨みに。恨みは呪いに。
彼は最高の退魔師であると同時に、最高の神楽舞の踊り手でもありました。
彼はその力の全てを得意な舞の中に封じ込めました。
( ・ω・) 「フルベ フルベ ユラユラ ト フルベ!! フルベ ユラユラ ト フルベ!!
許さぬ!! 生きよ、我が愛しき4匹の鬼よ!!
舞の中で永久に生きよ!!
憎き傲慢なる帝を崩御へと誘え!!
クククww。はははははwww。そなたの縊り死ぬ様、地獄でゆるりと見物してくれようぞ!!」
- 145 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:57:03.97 ID:Yth8QX5N0
-
(´・ω・`)
――――彼の恨みは凄まじく、時の帝は七日七晩苦しみもがき……
(・A・)「く……ガ、ガ!!」
(´・ω・`)
――――血反吐を吐いて死にました。
しかし呪いはそれだけでは晴れません。
4匹の鬼・金鬼、水鬼、風鬼、そして陰形鬼は、その恐ろしい神通力で都を荒らし回りました。
当時の退魔師達は仕方なく、この鬼達を別の鬼によって封じ込めることにしました。
毒を以て毒を制す。
100匹の鬼、すなわち百鬼夜行。
鬼神楽という神楽舞の中に新たに100匹の鬼を封じ込め、4匹の強大な鬼の力を封じたのです。
△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
- 148 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:58:15.78 ID:Yth8QX5N0
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▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲
(´・ω・`)「3分で分かる『鬼神楽』。終わり 」
/ ,' 3 「分ったか、ジャリ共?」
(・A・)「うん」
('A`)「じゃなかった。あぁ、大体分ったぜ。
昔とんでもない悪党が居て、そいつが作ったのがその……なんだ? 鬼神楽?」
/ ,' 3 「中々物分かりが良いじゃねぇか。
誰だ、テメェ?」
('A`)「あ、ドクオっす。どーも 」
荒巻は上機嫌でドクオの顔を見る。
中々面白そうなやつだ。
そう思いながら真っ白な髭を弄ぶ。
- 150 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:59:10.28 ID:Yth8QX5N0
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/ ,' 3 「ドクオか。覚えておいてやる。
お前さん、退魔の経験は?」
('A`)「まぁ、付喪神とかクルースニクとかを少々……」
/ ,' 3 「スタイルは?」
('A`)「スタイル? 色々考えてるけど……。
今はこんなのとか、こんなのとかを使ってる……ます 」
/ ,' 3 「見せてみなぃ 」
荒巻に言われて裾に刃を仕込んだコートと、ブーンに書いてもらった護符を見せるドクオ。
荒巻はそれらを十分に吟味すると、まずコートをドクオに返した。
/ ,' 3 「ほぅ、コイツは良いモンだ。
1本1本が破魔の刃たぁ豪勢だな。
それに裏地に仕込んだ守り札。これじゃ並の魔じゃ太刀打ちできねぇ。
これ作ったのはどこのどいつだい?」
(´・ω・`)「どーも 」
- 152 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 22:59:40.55 ID:Yth8QX5N0
-
ショボンが手を上げ荒巻が満足気に頷く。
荒巻は次に束になった護符を手にした。
ブーンが1枚1枚丹念に法力を込めた不動明王の炎の護符だ。
/ ,' 3 「こっちはどうしたぃ? どっかから買ったのかい?」
( *^ω^) 「はいはいおー!! それ書いたの僕だお♪」
/ ,' 3 「ここんトコ、間違えてるよ 」
(;^ω^) 「え……?」
絶句するブーンに冷たい視線を残し、荒巻はショボンに筆と硯を準備させる。
さらさらと護符の書き換えに入る荒巻を見て、ブーンは何とも気まずそうにキョロキョロと目を泳がせていた。
- 155 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:00:16.07 ID:Yth8QX5N0
-
護符の修正が終わると、荒巻は笑みを浮かべて周りを見渡し、話題を本題に戻した。
どうやらどうにも理解出来ていない者が約1名いるようだ。
( ^ω^) 「お師匠様、僕には腑に落ちないところがあるんですお 」
/ ,' 3 「お前は物分かりが悪いな、ホライゾン。
テメェ本当にオレの弟子かい? 何だよ?」
言い方は乱暴だが楽しげな表情で言う。
久々の弟子との邂逅を、心の奥底では喜んでいるのだろう。
- 157 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:01:07.93 ID:Yth8QX5N0
-
( ^ω^) 「洞窟とか神殿にってならまだ分かるけど、踊りの中に封印するってどういう事だお?」
/ ,' 3 「そりゃオメェ、舞ってのは単純にスポーツみたいなもんじゃねぇからだよ。
神聖な舞には昔から、神だか精霊だかと一身一体になるって意味合いもある。
鬼とか妖とか魔とか? そういうモンの魂が宿る事もあるだろうぜぃ 」
( ^ω^) 「でも問題の四鬼は百鬼夜行ってのがバッチリ封印してるんですお?
じゃ、問題ねーですお 」
/ ,' 3 「あー、その事かい? 大問題なんだよ、これが 」
( ^ω^) 「なんでだお?」
/ ,' 3 「その百鬼夜行を手懐ける方法があるとしたら?」
( ;^ω^) 「あんのかよwww」
勘弁してよ、という顔で苦笑いを浮かべるブーン。
そんな事はどこ吹く風と、荒巻は続けた。
- 162 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:02:55.59 ID:Yth8QX5N0
-
/ ,' 3 「おう。1人の人間が鬼神楽を1回舞う度に、1匹ずつ鬼を手なずけることが出来る。
100回舞えば100匹全部。封印はそれで終わりだぃ 」
('A`)「だったら、もしかして今までにも封印が解かれた事が?」
封印解除の方法が踊りを踊るだけ。
そのような単純な方法なら、当然これまでにも前例はあるはず。
/ ,' 3 「いや、鬼神楽は儀式のような物。儀式には強い気の集まる場が必要となる。
ただ踊るだけじゃ、何の変哲も無い神楽舞に過ぎねぇよ 」
(´・ω・`)「更にもう1つ。鬼神楽は強力な呪いの舞だ。
踊れば命を削られる。100回もやる前に大抵の人間は死ぬさ 」
どうやら条件やペナルティーが科せられるらしい。
命を削りながら1つ1つ丁寧に封印を剥がしていく。
それが100回も続くのならば確かに難しいことかもしれない。
- 163 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:03:14.61 ID:Yth8QX5N0
-
/ ,' 3 「所がどっこい、今現在、99回の舞を終わらせた途方もない馬鹿がいてな 」
(´・ω・`)「モララー。
能の世界では知らない者はない大家元の現党首。
若干18歳で御家相続を許された稀代の天才だ。
もっとも、この世代交代には、先代が謎の死を遂げたり不審な点もあるんだけどね 」
その名はブーンやドクオもたまにテレビなどで聞いたことがあった。
特に興味をそそられるような者でもなかったが、著名人が魔に関係してくるとは意外だ。
/ ,' 3 「公演ってのは多くの人の様々な思いが絡んでくるからな。儀式の場としては上々だ。
あ〜それからよ、裏高野の調べによると、このモララーが鬼神楽に関わりを持った背景。
お前らの大好きな『パンゲア』が絡んどるらしいぜぃ 」
( ^ω^) 「……」
('A`)「……反吐が出るぜ……」
その名前、『パンゲア』。
ブーンは口を閉じ、ドクオは舌を打つ。
静まり返る空気に終止符を打つべく、荒巻が白い歯を見せて笑い始めた。
- 165 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:04:01.08 ID:Yth8QX5N0
-
/ ,' 3 「カッカッカww。どうだ、やるかい?」
その時バーボンハウスの入口を乱暴に開けて、1人の少女が大股で近付いてきた。
おそらく入り口の外で中の会話を盗み聞きしていたのだろう。
少女は荒巻の居るテーブルを右手で力強く叩き、開口一番こう言った。
ξ゚听)ξ「やるわ!!」
突然の可憐な少女の来訪に、キョトンと目を丸くする荒巻。
細身のジーンズに小さなTシャツのツンを見てブーンは、私服もベリースウィート、と見とれていた。
一方荒巻は、直ぐに表情を柔らかく崩す。
/ ,' 3 「ほぅ、こりゃまた可愛らしい嬢ちゃんだ。
お前のコレかい、ブーン?」
( ;^ω^) 「ちっ、ちがっ―――!!」
小指を立てる荒巻。
ブーンはその意味に気付き、凄まじい勢いでキョドり出す。
- 168 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:06:17.50 ID:Yth8QX5N0
-
∧_∧
(*゚;;-゚)「話は聞かせて貰ったぞ。ワシらには少々因縁があってのぅ 」
/ ,' 3 「こりゃ珍しいwww。猫又かい。
ん? この嬢ちゃん、まさか?」
何かに気づいたようにショボンに視線を遣る荒巻。
ショボンは何も言わず頷いた。
荒巻は合点がいったと言うように頷き返し、不意に笑みを封印した。
ツンの手を取る荒巻。
/ ,' 3 「オメェさんにゃ、これからその辺のナマガキには耐えられないような運命が待ってる。
だが心配はいらねぇよ? ジィちゃんがしっかり見ててやるからな 」
ξ;゚听)ξ「え……?」
( #^ω^) 「ジジィ!! テメェ、いい歳こいてナンパなんかして―――」
/ ,' 3 「嬢ちゃん、お前さんに言う事があってね 」
荒巻はその筋ばった大きな手で、ツンの小さな手を優しく包み込んだ。
そして深々と頭を下げた。
/ ,' 3 「悪かった……」
- 172 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:09:28.49 ID:Yth8QX5N0
-
ξ;゚听)ξ「悪かった? 一体……?」
面食らうツンだったが、何故か荒巻から視線を外せずにいた。
荒巻をずっとこのまま見ていたい衝動に駆られる。
初対面の老人に対して、何故か親近感を感じている。
一方その後ろでは……
( ;゚ω゚) 「……」
('A`)「お〜い、ブーンや〜い。
ダメだこりゃ。完全に伸びてる 」
荒巻の肘を食らって気を失っているブーンの頬を、ドクオがペシペシと叩いていた。
ブーンは一向に目を覚まさない。
ツンの目にもその光景は入っていたが、今はそれより気になることがある。
ξ;゚听)ξ。o ○(このおじいちゃんの事……私、知ってる……?)
△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
- 173 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:10:32.94 ID:Yth8QX5N0
-
▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲
ブーンが目を覚ましたのは、それから30分ほどしてからだった。
自分の記憶に欠落部分があることの原因を察知し、抗議の声明を荒巻に出そうと口を開く。
しかし思い出したかのように荒巻が喋り始め、口を塞がれた。
/ ,' 3 「四鬼、百鬼夜行に加えて鬼神楽を舞い切るバケモンが相手だ。
オレが行けりゃ良いんだが……、生憎偉くなっちまうと色々と重りが付いちまってよ。
代わりに助っ人を2人呼んどいた 」
(´・ω・`)「へぇ……、誰です?」
/ ,' 3 「鬼が悪さしてるんだ。『あの野郎』しかいねぇだろ。
もう1人はお前さんがよく知ってる……」
タイミングを合わせていたかのようにバーボンハウスの扉が開く。
歩いて来るのは長身で古めかしい外套を羽織った女。
絹のような真黒なロングヘアーに、強い意志の滲み出た大きな茶色い瞳。
それはショボンやブーン達が良く知っている……
川 ゚ -゚)「さぁ、ショボン。婿に貰いに来たぞ 」
- 175 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:11:39.57 ID:Yth8QX5N0
-
(;´・ω・)「……コイツ?」
/ ,' 3 「嬉しいだろ?www」
( *^ω^) 「クーさん!!久しぶりですお!!」
('A`)「おー、相変わらず良い女だな、クー 」
川 ゚ -゚)「知っている。お前は相変わらず変な顔だな 」
(;'A`)「え……ウソ……」
ブーンやツンはクーとの久々の再開を喜んだ。
ドクオはショックを受けたのか茫然と立ち尽くしていた。
でぃに何事か語りかけている。
クーはするりとショボンの腕に自分の腕を絡ませた。
筋肉を硬直させたショボンは、強張ってしまった顔で荒巻を見た。
(;´・ω・)「ジジイ、テメェ……」 でぃさん、オレの顔って変なの? 何じゃ。知らんかったのか?
/ ,' 3 「なぁーに、礼などいらんぞwww」 うわぁー!!ブーン!! 僕に振られても困るお……
川 ゚ -゚)「荒巻翁には仲人をお願いしてある 」 ツーン!! 大丈夫よ。世の中にはB専ってのが居るから
- 178 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:13:15.51 ID:Yth8QX5N0
-
ねー♪とでも言わんばかりにクーと荒巻が頷き合う。
(;´・ω・)「アフォか、お前ら!? 爺さん、あんた独身だろうが!?
どの口が仲人引き受けるとか言ったんだよ!? アホウか!?」
/ ,' 3 「え? ダメなの?」
川 ゚ -゚)「さぁ?」
(;´・ω・)「そもそも1人で仲人頼みに行くっておかしいと思わないの!?
もう一々言うのも面倒になってきたけど、オレは結婚なんてしないの!!」
川 ゚ -゚)「照れてるんだ。可愛いだろう?」
/ ,' 3 「ほぅ……。冷静沈着を地で行く男の、意外な一面を見たなwww」
(;´・ω・)「あぁ……、その正常な機能を失ってしまった脳を穿り返してしまいたい……」
ショボンは湧き上がる衝動を何とか抑えようと躍起になっていた。
そしてもう1人、そこには静かなる野望を抱き始めた者が存在した。
('A`)。o ○(ふぅ……。二重にしようかな……)
△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
- 180 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:14:12.55 ID:Yth8QX5N0
-
▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲
弐経路ホール。
総動員数1500人。
そこでは演劇やコンサートを始め、年中様々なイベントが催されている。
今日はある能の大家元の公演が行われる予定だった。
満員大入りのその建物は、舞台に主役が登場するのを今や遅しと待っていた。
そしてその主役の楽屋。
入口には失神した警備員が転がっている。
主役であるモララー。
そして5人の男女と猫が1匹。
( ・∀・)「……それで? 高名な退魔師様達が僕にどういう御要件なのかな?
もう開演まで5分を切ってるんでね。後にしてくれませんか?」
いきなり警備員を薙ぎ倒して乱入してきた暴漢達は、自分達を退魔行を生業とする者だと名乗った。
そのような事態においても、あくまで毅然と振る舞うモララー。
その神経を逆撫でするかのように、その退魔師達は馬鹿にするような態度を示した。
- 181 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:15:11.00 ID:Yth8QX5N0
-
(´・ω・`)「お時間ない所申し訳ありませんwww。直ぐに済みますんでwww」
( ^ω^) 「ふひひひひwww。初めて楽屋なんてものに入ったおwww」
ξ゚听)ξ「ほほほwww。私演劇部ですからとっても勉強になりますわwww」
('A`)「あ、これ貰ってもいいすか? いいっすよね?」
( ・∀・)「……時間がないと言ってるんですが?」
やりたい放題の乱入者達に冷たい怒気を孕んだ声を出すモララー。
しかしそこに、その怒気を物ともしない声が覆い被さる。
- 184 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:16:54.30 ID:Yth8QX5N0
-
川 ゚ -゚)「時間ならたっぷりあるだろう? 厚かましい事を言うな 」
( ・∀・)「・・・・・・」
モララーはその意図することを十分に承知していた。
∧_∧
(*゚;;-゚)「我らが何をしに来たかなど、当の昔に検討も付いておろうがのうwww」
( ・∀・)「・・・・・・」
猫が喋る。
しかし驚くことはない。
- 191 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:21:21.55 ID:Yth8QX5N0
-
( ^ω^) 「臭いお……。魔と人食いの臭いで鼻が曲がるお 」
('A`)「こんなもん食わねぇだろ、あんた? じゃ、こっちの和菓子も貰っとくわ 」
(´・ω・`)「バレバレなんだよ、このクソ鬼が。痛い目に会いたくなかったら、さっさと喋るんだな 」
ξ゚听)ξ「モララーはどこっ!?」
( ・∀・)「・・・・・・」
モララー、いや、他の何かは観念したかのように立ち上がる。
( ・∀・)「カカッ!!」
そして突然笑い出した。
整った顔は見る間に崩れ、2本の角が頭皮を突き破る。
肌は腐ったような紫に変わり、口からは不快な臭いを吐き出す。
- 194 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:22:22.69 ID:Yth8QX5N0
-
A_A
( ゚∀。)「モララッ!! カカカカカッ!! モララララララッ!!」
紛れもなく鬼そのものだった。
鬼は大口を開けて身を反り返して笑う。
狂ったように笑う。
壊れた人形のように笑う。
しかし次の瞬間、笑い声は悲鳴に変わることになる。
A_A
( ゚∀。)「にいぃぃぃぎゃぁぁぁぁー―――――――!!」
一瞬で炎が身を包み、断末魔の苦しみを告げる叫びが木霊した。
その叫びも長くは続かない。
真黒に炭化した鬼を見下ろし、冷たく言い放つ少女が一人。
ξ゚听)ξ「言う気がないんなら、最初からそう言って貰いたかったわ 」
- 197 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:23:30.49 ID:Yth8QX5N0
-
(;^ω^) 「ちょwww。ツンwww 」
(;'A`)。o ○(ツン怖い……)
ブーン達は全力で引いた。
それはもう引きまくった。
ショボンは教育が行き届いていない事に絶望した。
(;´・ω・)「コラッ!! 女の子がいきなり相手を丸焦げにしたりしちゃダメでしょ!!」
ξ゚听)ξ「え?ダメなの?」
川 ゚ -゚)「いいか、ツン。力押しも大事だが時には引くという事も覚えてだな。
これは恋愛にも言える事でだな 」
(;´・ω・)。o ○(お前が言うなよ……)
ふと我に帰る。
ツンの教育は後日機会があるだろう。
今はそれよりモララーがここにいない事が重大な問題だ。
(´・ω・`)「舞台へ急げ!! 間に合わなくなると事だぞ!!」
- 200 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:24:32.21 ID:Yth8QX5N0
-
ショボンの号令と共に楽屋の外へと飛び出す退魔師達。
しかしそこは既に有象無象の異形達で溢れていた。
('A`) 「ちぃっ!! なんだ、コイツラ!?」
∧_∧
(*゚;;-゚)「百鬼夜行じゃろうか!?」
( ^ω^)「こりゃ全部相手してられねぇお!!
ショボン!! ドクオ!! 僕らで突っ込むお!!」
荒巻の話によると、1回の舞で1匹の鬼を支配できる。
つまり99回の舞が終わった今、ツンが倒した鬼を含めて全部で99匹。
ショボンはクーとツンに叫ぶ。
(´・ω・`)「お前らは後に着いて来い!! クー!! ツンを頼むぞ!!」
川 ゚ -゚)b「合点承知の助 」
そして彼らは駈け出した。
('A`)「離れるんじゃねぇぞぉーっ!!」
△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
- 203 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:26:20.98 ID:Yth8QX5N0
-
▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲
( ;^ω^) 「これはっ!?」
ホールに飛び込んだブーンの目には、満員のはずの観客の姿は1人も映らなかった。
代わりに不気味な姿をした鬼の大群がそこを埋め尽くしていた。
(´・ω・`)「チッ……。間に合わなかった……」
ξ゚听)ξ「そんな……」
('A`)「これが百鬼夜行……」
∧_∧
(*゚;;-゚)「100の魔か。絶景じゃのぅ 」
敵の配置を把握しようとホールを見渡す。
そのときクーが何かの存在に気付いた。
- 204 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:26:41.36 ID:Yth8QX5N0
-
川 ゚ -゚)「おや、向こうに見えるのは何の穴だ?」
ステージの上にぽっかりと口を拡げた穴。
中からは霧のような冷気が立ち上っているのが見える。
風が吹き出しているのだろうか。
笛のような音がするが、聞き方によっては何者かのすすり泣く声のようにも聞こえる。
( ^ω^)「あちゃ〜……。あそこはヤバいお……。」
ξ゚听)ξ「この感じ!! あの時に似てるわ!!」
(´・ω・`)「百鬼夜行はあの世とこの世を行き来し、死者の魂を連れ去る冥府の使い。
その道が開いた、か……」
ブーンはそこから流れ出る禍々しい気配を感じ、ツンは高校が地獄堕ちした晩の事を思い返していた。
ショボンは眉をしかめ、辟易したような声を洩らす。
- 208 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:27:27.66 ID:Yth8QX5N0
-
(´・ω・`)「参ったな。エイジャの赤石以外にも、あちら側に繋げる手段があるとはね 」
(;'A`)「じゃ、向こうはまさか……」
∧_∧
(*゚;;-゚)「この世ではないな。つくづく縁があるのぅwww」
楽しみが増えたとばかりに笑う猫又。
その頃、ホール内にいた鬼達は生きた人間の臭いを嗅ぎつける。
100の鬼の目が、一斉にブーン達を捉えた。
( ^ω^)「多分モララーはあの中だお!! 行ってとっちめてやるお!!」
(´・ω・`)「その前にコイツラをどうにかしましょうか、所長。……ぬん!!」
飛び出してきた1匹の鬼を叩き落とすショボン。
それを機に他の鬼達も一気に殺気立ち、今にも飛びかからんと不気味な泣き声を上げる。
(´・ω・`)「このままでは近付けもしない。どうする?」
- 211 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:29:15.44 ID:Yth8QX5N0
-
一刻も早く穴まで辿り着きたい。
しかしどうにもそう簡単にはいかない雰囲気だ。
その時―――
?「シンイ ジョガク シンオン ジョカイ……伏せなさい!!」
煤i´・ω・`)「ッ!! 皆伏せろ!!」
鬼達が発する雑音をかき消してしまうかのような野太い声が響く。
いち早く声の正体を察知したショボンは瞬時に指示を飛ばした。
途端に何か巨大な力が収束する。
?「どぉりゃぁー――――!!」
腹にこたえる大絶叫と共に飛び出した力の奔流。
青い光を放つそれをドクオはよく知っていた。
(;'A`)「なっ!? これはまたブーンの……」
( ;^ω^)「いや、僕の大発勁よりさらにデカイお……。一体誰が?」
- 215 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:31:37.79 ID:Yth8QX5N0
-
ブーンの法力の1つ発勁。
師匠である荒巻も見せたが、今見せつけられたそれはとてつもない大きさで、比例して威力も絶大。
ブーン達に飛びかかろうとした鬼の大群は、その一角が完全に抉り取られた。
_
( ゚∀゚)「ハァ〜イ♪ お・待・た・せwww」
肩の高さで外向きに大きく跳ねるブロンド。
( ;゚ω゚)(;゚A゚)ξ;゚听)ξ「「「オッ……」」」
真っ赤なルージュにバッチリマスカラ。
(´・ω・`)「遅いぞ。危なかったじゃないか 」
身を包んでいるのは真っ赤なレザーのピッチリボディコン。
_
( ゚∀゚)「良いじゃない、間に合ったんだから。相変わらず良い男ねぇ、ショボンwww」
咽喉仏を豪快に上下させながら、艶めかしい太く低い声を発する。
ミニスカートからニョキっと生えた2本の脚は、ごつごつとした岩のような筋肉に覆われており、脛には若干の剃り残しが。
詰まるところ現われたのは……
- 218 名前:第一章 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:33:20.24 ID:Yth8QX5N0
-
( ;゚ω゚)(;゚A゚)ξ;゚听)ξ「「「オカマだー――――っ!!!」」」
( ^ω^)ブーンは退魔師稼業のようです━╋RETURNS━━
――――第一章・クソジジイの指令・地獄の1丁目へようこそ――――
〜その1、鬼神楽〜
終
- 229 名前:元ネタ解説 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:39:07.30 ID:Yth8QX5N0
-
(*゚ー゚)「しぃとぉ〜!!」
(,,゚Д゚)「ギコとぉ〜!!」
( ゚д゚ )( ゚∋゚)「「愉快な仲間達による〜!!」」
(*゚ー゚)(,,゚Д゚)「「分かりやすい元ネタ解説のコ〜ナ〜!!」」( ゚д゚ )( ゚∋゚)
(*゚ー゚)「はい、という事で皆さん大変長らくお待たせしましたぁ♪」
(,,゚Д゚)「いやー、逃亡じゃなかったんだな!! 良かった良かった!!」
(*゚ー゚)「私を蔑ろにする作品なんて、逃亡しても痛くも痒くもないですけどねぇ〜♪」
(;,,゚Д゚)「ちょ……」
- 230 名前:元ネタ解説 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:39:50.74 ID:Yth8QX5N0
-
(* ー )「ったくよぉ……。二部になったら私の出番あるんじゃなかったのかよ……。
相も変わらず恥も外聞も芸もセンスもなく、ツンクーツンクーツンクーツンクーつんく♂……」
(;゚д゚ )( ;゚∋゚)「………」
(*゚ー゚)「なぁ〜んちゃってぇ〜♪
第二部からはぁ〜、私達、元ネタ解説のコーナーでレギュラーになりましたぁ〜♪」
(;゚д゚ )「はは……ははははwww。なんちゃってですよね〜www」
( ;゚∋゚)「い、いや〜、無事に二部を迎えてギャグも冴えてますね!! つんく♂!! なんちゃってwww」
(* ー )「あ?」
(;゚д゚ )( ;゚∋゚)「ビクゥッ!!」
(;,,゚Д゚)「オ、オーケーオーケー。それでは早速最初の仕事だ、野郎共。
第零章〜第一章その1までの元ネタ解説行くぞゴラァ!!」
(;゚д゚ )( ;゚∋゚)「ウ、ウェ〜ィ……」
- 234 名前:元ネタ解説 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:42:09.15 ID:Yth8QX5N0
-
(,,゚Д゚)「(-@∀@)アサピー。
これは作者が勝手に持ってる古館伊知郎のイ悪いメージをモデルにしたキャラだ!!」
(*゚ー゚)「<ヽ`∀´>ニダー・エバラ。
これはあの胡散臭いブタ野郎、江原さんがモデルですねぇ♪
因みにぃ、作者は地味にニダーが好きらしくて、外道だけどどこか憎めないキャラになってますよぉ♪
ち……。再登場フラグ立ってるじゃねーかよ……」
(;゚д゚ )「つ、続きまして第一章その1であります!!
『鬼神楽』
この名前は『真女神転生3』の主人公の技で、響きを作者が気に入ったので引っ張って来ました!!」
( ゚∋゚)「/ ,' 3 裏高野座主、荒巻スカルチノフ大阿闍梨。
連載当初からブーンの師匠という設定があって、やっと出てきたキャラ。
本当は『座主』とは同時期に最澄が設立した天台宗の最高指導者の呼び方とか。
空海が開祖の真言宗の裏高野では『山主』らしいけど、調べてたら作者が何が何だかワケ分からなくなってきたらしい。
結局は原作『孔雀王』で裏高野の最高指導者を『座主』と表記してる事からこれに落ち着きました 」
- 235 名前:元ネタ解説 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:43:14.03 ID:Yth8QX5N0
-
(,,゚Д゚)「『藤原千方』
架空の人物だが、由来の地名が現在でも残ってる。
本編では元々は心の優しい人間だが、伝説では政権転覆をたくらんだマッド野郎だ!!
それから、藤原千方が使役した4匹の鬼は忍者の元祖とも言われている。
因みに『千方』の読みは『ちかた』。ちかたんです 」
(*゚ー゚)「『百鬼夜行』
本編では100匹の鬼のつもりで作者は書いてるけど、元々は鬼だけじゃなくて様々な妖怪の行列なんですよぉ♪
死者の魂が迷わないように、ちゃんとあの世まで連れて行ってくれる親切な化け物の群れです。
生きてる人間が見たら、不幸になるとも幸せになるとも言われてて、正直良く分からない感じです 」
( ゚д゚ )「しぃさん、ギコさん!! 今回はこれくらいなようですぜ!!」
( ゚∋゚)「何か分からない事があったら遠慮なくどうぞ!!」
(,,゚Д゚)「オーケー!! じゃ、次は次回予告だ!!」
( ゚д゚ )( ゚∋゚)「イェア!!」
- 236 名前:次回予告 ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:44:30.38 ID:Yth8QX5N0
- _
( ゚∀゚)「私はジョルジュ長岡。呪禁道のジョルジュよ 」
退魔師達の前に現れたオカマ。
大きな戦力を迎え、彼らはそれぞれの戦いへと向かう。
川 ゚ -゚)「ルールは簡単。コイツらを1匹もこの穴の中には入れない 」
('A`)「オレもこっちだな。1人でどこまでやれるか試してみたい 」
∧_∧
(*゚;;-゚)「ワシは行こう。都を荒らした鬼とやらに、特に1番強いのに興味がある 」
(´・ω・`)「お前は残れ、ブーン。最後はオレだ 」
しかしブーンには一抹の不安が過ぎる。
ツンに戦ってもらわなければならないのだ……
( ;^ω^)「ツン、気を付けるんだお 」
ξ゚ー゚)ξ「分かってる。心配しないで 」
( ^ω^)ブーンは退魔師稼業のようです━╋RETURNS━━
――――第一章・クソジジイの指令・地獄の1丁目へようこそ――――
〜その2、四鬼結界〜
- 237 名前:オマケ ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:45:37.62 ID:Yth8QX5N0
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(,,゚Д゚)「それでは次回の更新まで―――」
(*゚ー゚)(,,゚Д゚)「「さよ〜なら〜〜!!」」( ゚д゚ )( ゚∋゚)
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(* ー )「おい、ギコ……」
(;,,゚Д゚)「え?」
(* ー )「何よコレは?」
(;,,゚Д゚)「何よって、しぃが仕事見つけて来いって言うから……」
- 238 名前:オマケ ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:46:49.00 ID:Yth8QX5N0
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(#゚ー゚)「ハァー!? 頭涌いてんじゃないの!? 仕事ってのは本編の出番の事でしょうがっ!!
こぉんな、本編の後にくっついてるちゃっちぃオマケコーナーみたいなのじゃないの!!
大体何よコレ!! これじゃ完全にラッ○ーちゃんねるじゃないのよ!!
何!? 私に『おっはラッキー♪』とでも言わせたいの!?」
(;,,゚Д゚)「いや、そこでキレたりするとますますそうなっちゃうから……」
(#゚ー゚)「黙れ小僧!!」
(;,,゚Д゚)「こ、こぞぅ……?」
(#゚ー゚)「あ〜ぁ、あ〜ぁ〜。クーは良いよなぁ〜。どんな作品でもそれなりに重要なポジションに居てさぁ〜。
それに比べてねぇ〜。こりゃ絶対にパートナーが下げチンなんだわ。ドックンに鞍替えしようかしら 」
(;,,゚Д゚)「し、しぃ?」
(#゚ー゚)「あ〜らぁ〜、もしかして聞こえちゃったぁ?
でも真実なんだから仕方無いわよねぇ〜www」
(;゚д゚ )「あ、あの……、しぃさん?」
(#゚ー゚)「何よっ!?」
( ;゚∋゚)「何というかその……、 まだカメラが……」
(*゚ー゚)「………」
(* ー )⌒゚ ゚ ッポーン
- 241 名前:オマケ ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:48:06.23 ID:Yth8QX5N0
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(*゚ー゚)「なぁ〜んちゃってぇ〜♪
私とギコ君の仲はぁ〜、誰にも裂くことはできないのだぁ〜♪
ブーン系で1番いっちば〜んラブラブなのはぁ、わ・た・し・た・ち♪ そうよね、ギコ君?」
(;,,゚Д゚)(;゚д゚ )( ;゚∋゚)「「「………」」」
(* ー )「オラ……何とか言えよ……」
(;,,゚Д゚)「はぃ……そぅで……す……」
(*゚ー゚)「ね〜♪ 春は出会いの季節!! 画面の前の皆もぉ、私達みたいなスーパーカップル目指して頑張ってね!!」
(;゚д゚ )「いや〜、しぃさん達には誰も勝てませんですよ!!」
( ;゚∋゚)「ハハッ、ハハハハハ!!」
(*゚ー゚)「それじゃ、皆さ〜ん♪」
(;,,゚Д゚)(;゚д゚ )( ;゚∋゚)「「「まったね〜………」」」
- 243 名前:オマケ ◆FnO7DEzKDs :2008/03/30(日) 23:49:00.07 ID:Yth8QX5N0
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続く