プロローグ
- 2 :閉鎖まであと 10日と 2時間:2007/01/13(土) 18:29:24.74 ID:66jl9Qcj0
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ふるえがとまらなかった。
目のまえにある13段の階段をのぼっている最中のことだ。
こんな状況で、ふるえないにんげんがいたらお目にかかりたいくらいのものだ。
( ω )「……こんな……はずじゃ……」
何とかふるえを制御して、13段目をのぼりきり、台のうえで直立した。
いつのまにかぼくの周りを数人のおとこが囲んでいた。
みんな生気のない顔をぼくから遠ざけるようにして、淡々と“作業”をつづけている。
( ω )「なんで……」
彼らの“作業”が終わると、おとこたちは台から離れて、2つのボタンのまえに移動した。
「被告人、ブーン。言い残すことはあるか」とおとこたちの1人がいった。
( ω )「ぼ、僕はむ、無実だお……」
まともに喋ることはできなかった。
ぼくの訴えを無視するようにおとこたちは自らの職務をこなしていった。
「13時29分、内藤ホライゾンの死刑を執行する」
おとこたちは2つのボタンを同時に押す。
それをちらっとみたのが最後だった。目の前は闇に覆われ、意識を失った。
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