( ^ω^)ブーンが引っ越してきたようです 第1話

4 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/21(土) 23:14:44.69 ID:aMAanD5+0

J( 'ー`)し「コンコン コンコン」

( ^ω^)「はいおー」

J( 'ー`)し「ブーン、入るわよー、ガチャッ」

( ^ω^)「別にコンコンとか言わなくて良いお」

J( 'ー`)し「何言ってるの。息子の部屋に入るときくらいノックするのが普通でしょ」

( ^ω^)「口で『コンコン』言うのは普通じゃないお」

J( 'ー`)し「あら、そういえばそうねw バタンッ」

( ^ω^)「言った傍から『バタン』とか言うなお。つーか何のようだお?」

J( 'ー`)し「ブーン、今住んでるこの国、何て言うところか知ってる?」

( ^ω^)「お? 何を急に?」

J( 'ー`)し「いいから、ここはなんて国?」

( ^ω^)「マダガスカル」

6 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/21(土) 23:15:44.34 ID:aMAanD5+0

J( 'ー`)し「そう。正しくは『マダガスカル共和国』ね」

( ^ω^)「ぅんでそれがどうかしたのかお?」

J( 'ー`)し「ぅんでね、マダガスカル飽きたからもう引っ越す事にしたわ」

( ^ω^)「へぇ、今度はどこに?」

J( 'ー`)し「日本」

( ^ω^)「ジャポ〜ン」

J( 'ー`)し「分かったら荷造りしなさい、今から行くから」

( ^ω^)「どうやって?」

J( 'ー`)し「テレポーテーション」

( ^ω^)「おk。……つーか住むところは?」

J( 'ー`)し「なんとかなるっしょ」

( ^ω^)「おk」

7 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/21(土) 23:18:22.13 ID:aMAanD5+0





( ^ω^)ブーンが引っ越してきたようです





8 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/21(土) 23:20:24.01 ID:aMAanD5+0

俺の名はドクオ。
特にこれといって特長も特技も無い普通の高校生だ。

(-A-)「Zz...」

現在心地の良い惰眠を貪り中。
目覚まし時計のベルが鳴るまでもう少し。

「ドクオー! 起きなさーい! 遅刻するわよー!」 

(-A-)「……Zz...」

一階から二階の俺の部屋めがけて母親が俺を起こそうとする声が聞こえる。
母さんには悪いがまだ俺は眠いのだ。

8:45の始業ベルに間に合うように家を8:15分に出れば普通に学校に着く。
だからせめて8時までは寝かせてくれ……。

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/21(土) 23:23:24.35 ID:aMAanD5+0

「ドクオー! いい加減に起きなさーい!」

あぁもううるさいなぁ……。
大丈夫だよ、遅刻とかしないから……。

('A`)「ゔ〜……8時まで寝る〜……」

「何言ってるのー! 今8:20分よ――――――!」

('A`)「……」

そんな馬鹿な何を……何を仰るウサギさん。
目覚ましが鳴らなかったわけじゃあるまいし……ねぇ。
ほ〜ら時計を見ればまだこんな時間…………


『AM8:21』

10 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/21(土) 23:26:46.80 ID:aMAanD5+0





(;゚A゚)「遅刻だあああああああああああああああああああああああああああああああああ」




第一話『転校生だけど何か質問ある?』





13 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/21(土) 23:29:42.28 ID:aMAanD5+0

前編


「VERY IMPOTENZ PERSON HIGH SCOOL」通称『VIP高校』。午前8:43分。
俺の通う普通の公立高校だ。
どれくらい普通かというと高校受験の模擬試験のボーダー偏差値が50.0ピッタリなくらい普通な学校だ。

どうだ、普通だろ。
だがまぁ今はそんなことどうだって良い。
始業チャイムまで残り――――――


(;゚A゚)「二分ああああああああ!!!!」


駆け足。
もう本当これ死ぬ気で、全速力で走る。
そして残り1分という所で見事! 正門をくぐる事ができた。


(;'A`)「ハァッ! ハァッ! まだまだぁあぁあぁあぁあ!!!」


しかしまだ終わらない。
実はこの学校、門を潜っただけでは出席カウントを取られない。
下足で靴を履き替え、自らの教室へとたどり着き、担任教師よりも先に着席完了して初めて遅刻カウントから免れられるのである。

15 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/21(土) 23:32:16.94 ID:aMAanD5+0

つまり、今現在俺が門を通り抜ける事が出来たとしても、チャイムが鳴る前に教室に着かなければ意味が無い。
俺の周りを見ても遅刻しそうになって慌てて走る奴が数人居る。
そして俺の教室、2年1組は不運な事に最上階の一個下、4階なのである。


(;'A`)「ぅおぉぉおぉ!!」


残り一分。

正直家からフルスピードで走ってきたからかなり体力的にヤバイが…
この際四の五の言ってられねぇ。
猛スピードで下足に突入、次いで上靴に履き替え、いざラストの階段へ。


(;゚∀゚)「おぉー! ドクオじゃん! おっはよ――――――wwwww!!」

(;'A`)「ん!? おぉジョルジュか!!」


俺の横に並んで一緒に4階を目指すこの男、名はジョルジュ長岡。俺のクラスメイトで親友だ。


(;゚∀゚)「ははははお前も遅刻ギリギリかwwwww俺と一緒だなwww仲間だ仲間wwww」

(;'A`)「バーローお前と一緒にすんな!! 今日はたまたま目覚ましが鳴らなかったんだよ!!」

17 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/21(土) 23:33:26.29 ID:aMAanD5+0

(;゚∀゚)「そっかwwwはぁっ! はぁっ! 頑張れよーwwwはっはっはwwwあともうちょいで4階だぞーwww」

(;'A`)「おうよ! つーかお前なんか楽しそうじゃね!?」


そんな無駄口を叩きながら走って着いた先は3階。
あと一階分上れば教室だ。

――――――と、そのときだった。


DQNA「いてっ!!」

(;'A`)「――――――痛っ!!」


突如、目の前で火花が散る。
3階まで上がった直後、急に現れた人影と正面衝突してしまった。


DQNA「ってーな!! どこ見て歩いてんだよ!!」

(;'A`)(うっわ〜……厄介な奴とぶつかっちゃったな……)

18 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/21(土) 23:36:24.17 ID:aMAanD5+0

DQNA(ドキュンエー)。
その名の通りDQN、所謂「不良」だ。

まぁ偏差値50という見事なまでに中途半端なこの高校には不良なんて普通に何人も居るが、こいつはその中でも特にタチの悪い奴だった。
噂では他の学校の不良どもを数人病院送りにしたらしいが……。


DQNB「おいおいどうしたんだよAー」

DQNC「あっ、こいつ1組のドクオじゃん?www」

A「あぁ、何かこいつがいきなり俺にぶつかってきたんだよ」


あちゃ〜なんか取り巻きの奴ら(DQNB及びC)まで出てきちゃったよ。


(;゚∀゚)「うわヤッベ……おいドクオ、逃げんぞ!」


お前に言われなくても分かってるよ。
とにかく今は教室に行くのが先決だ。


(;'A`)「悪ぃな。今はお前の相手してる場合じゃねーんだ。……じゃなっ! 行くぞジョルジュ!」

( ゚∀゚)「お、おう!」

19 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/21(土) 23:40:47.04 ID:aMAanD5+0

そう言って俺はジョルジュと共に走り去る。
……はずだった。


DQNA「おいちょっと待てコラ」

('A`)「うぉっ!?」


突如右肩に感じる重圧。
なんとDQNAが突然俺の肩を掴んで来たのだ。


('A`)「なん……だよっ! 放せよ、今急いでんだ」

DQNA「ドクオお前最近さぁ、2年になってから調子乗ってんじゃね?」

('A`)「は?」

DQNA「1年の時は俺に殴られてビービー泣いてるだけの奴だったくせになぁwww」

(;'A`)「!」

20 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/21(土) 23:44:01.97 ID:aMAanD5+0

B「あ、そっかwwwそういやこいつ1年の時Aに思いっきり虐められてたんだっけwww」

A「いやBwwwお前もCも一緒に虐めてたろwww」

C「そういやwwwドクオって去年俺らと一緒のクラスだったんだよなwww」

(;'A`)「……」


下卑た笑い声上げやがる。
するとDQNAが俺に顔をヌっと近づけていった。


A「なぁドクオ、あんまり調子乗ってて後で痛い目見ても知らねぇぞ?」

('A`)「……知るかよ」

A「!!……あ?」

('A`)「俺はもう去年の俺とは違うんだ。もうお前なんかに泣かされてる俺じゃぁない」

A「んだとテメ……」


キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン♪


(;゚∀゚)「あっ! おいっ! チャイム鳴ったぞドクオ! 急がねぇと!」

22 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/21(土) 23:47:46.48 ID:aMAanD5+0

('A`)「おう、行くか!」


そうして俺たちは何とかその場をやり過ごした。
走りながらジョルジュが心配そうに話しかけてくる。


(;゚∀゚)「なぁドクオ、大丈夫なのか? あんな不良軍団と関わっちゃって……」

(;'A`)「……大丈夫だよ」

( ゚∀゚)「でも……」

('A`)「ほら! 到着〜っと!」


教室に着いた。
が、いつもはチャイムが鳴るとほぼ同時に教室に居るはずの担任の姿が今日は見えない。


( ゚∀゚)「おっ! ラッキーwww先生まだ来てねぇじゃんwww」


俺もジョルジュも安堵しながら自分の席に着いた。
ジョルジュの席は俺の右隣だ。

24 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/21(土) 23:50:41.67 ID:aMAanD5+0

ちなみに俺の左隣の席は空いている。
元から誰も座っていない席なのだが何故だろうか。


('A`)「まぁ気にしない」

川 ゚ -゚)「遅かったなドクオ」


席に着くと同時に後ろから肩を突かれた。
俺のすぐ後ろの席の女、名はクー。
小学校に入る前からの幼馴染みだ。


川 ゚ -゚)「珍しいな、ドクオがこんなギリギリアウトで登校するなんて」

('A`)「あぁ、何か目覚まし鳴んなくてな……つーかアウトじゃねぇ、ギリギリセーフだ」

川 ゚ -゚)「何を言っている、チャイム鳴った後ではないか。先生来てたらアウトだぞ」

('A`)「来てないからセーフなんだよ」

( ・∀・)「おっ! ドクオじゃん、いつの間に来てたの?」

('A`)「今」

25 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/21(土) 23:54:50.13 ID:aMAanD5+0

(*゚∀゚)「あ、ドクオ! お前この前貸したゲームさっさと返してよ!」

('A`)「後でな。つーか朝から取り立てとか勘弁……」


モララーに、つー。
皆俺の親友だ。
席も近くだから教室に着いたと同時に俺の周りが賑やかになる。

俺は部活に入っているわけでもなく、かといって勉強一筋ってわけでもない。
けど毎日こうやって学校の仲間と楽しく平和に暮らしている。
それだけで十分満足だった。

そう、平和な極普通のありきたりな日常の繰り返しだった。
少なくとも今日までは――――――。


( ´∀`)「は〜いみなさ〜ん、おはようゴザイマ〜ス」

生徒一同「おはようございま〜す」


担任のモナー先生が教室に入り挨拶をした。

27 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/21(土) 23:56:57.88 ID:aMAanD5+0

(*゚∀゚)「せんせー今日来んの遅かったねーwww遅刻だよ遅刻ーwww」


つーが先生を囃し立てる。
確かにチャイムが鳴って暫くしてから来るというのはいつものモナー先生にしては遅いほうだ。
……まぁ俺にとっちゃラッキーだったが。


( ´∀`)「いやぁ〜ちょっと校長室で話があって来るのが遅くなったモナ〜」

( ゚∀゚)「校長室!? なになに?www先生校長に説教食らってたの!?www」

( ´∀`)「ち〜が〜う〜モナ〜。ふふんw 今日は皆に素敵なお知らせがあるモナ〜」

ミ,,゚Д゚彡「お知らせ?」

( ´∀`)「実は今日から新しいクラスメイトが増えたんだモナ!」

('A`)「!」


ザワついていた教室がさらに騒がしくなる。


ノパ听)「先生ぇぇぇぇ!!! それは転校生ということかぁぁぁ!!??」

( ´∀`)「そうモナ。もう教室の外に来てもらってるモナ」

28 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/21(土) 23:59:25.13 ID:aMAanD5+0

( ゚∀゚)「おいドクオwww転校生だってよwww男かな?wwwそれとも女かな?www」

('A`)「さぁ〜……ワカンネ」


転校生か……といっても今は5月、この時期の転入とは珍しいのではないだろうか。
それにしてもジョルジュじゃないが確かに転入生の性別は気になる。
何故なら――――――


('A`)チラッ


さっきも言ったようになんと俺の隣の席は空席。
つまりその転入生が俺の隣に座る可能性は極めて高いということなのだ。


(*'A`)(もしかしたら可愛い女の…川 ゚ -゚)「子だったりして〜」

(;'A`)「うぉおぉっ!?」

川 ゚ -゚)「……なんて思ってないか?」

(;'A`)「おおお思ってねぇよ!! 思ってない思ってない!!」

川 ゚ -゚)「ふーん」

( ´∀`)「それじゃ内藤くん、入ってきてくれモナ」

30 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 00:01:42.96 ID:xRMcmyOO0

内藤「くん」? 
……どうやら俺の期待は外れたらしい。男のようだ。
先生の合図に合わせて教室の扉がゆっくりと開いた。


( ^ω^)「……」


パチパチと拍手が教室に鳴り響いた。
転入生はゆっくりと教卓まで歩き、モナー先生の隣に立った。


('A`)(……あれが転入生か)


見た目、第一印象は……極めて普通の男子。
中肉中背、特に目立った格好をしてるわけでもない。
ただ少し大人しそうかな?


( ゚∀゚)「ヒュ――――――www待ってましたぁ――――――wwwww」

(;^ω^)「……」

31 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 00:04:53.18 ID:xRMcmyOO0

ジョルジュが大声で場を盛り上げようとする。
実際、教室は大盛り上がりだったが当の転入生は逆に恥ずかしそうにモジモジとしていた。


( ´∀`)「んじゃ〜内藤君、自己紹介をお願いするモナ」

( ^ω^)「あ、はい」

( ゚∀゚)「おいwww転入生自己紹介すんぞwwwお前ら静かにしろよ!!www」


ジョルジュの呼びかけに答え、教室が一斉に静かになる。
つーかお前が一番うるさかったろうが……。


( ^ω^)「えーっと……内藤ホライゾンです。宜しくお願いしますお」


('A`)(よろしく……)

( ゚∀゚)(おねがい……)

川;゚ -゚)(……します「お」?)

33 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 00:07:01.96 ID:xRMcmyOO0

前言撤回。
普通じゃ無さそうだ。
何か今変な語尾付いたこいつ。


( ^ω^)「あ、語尾はその、癖で……気にしないで欲しいですお」


はっ……俺としたことが……
ついつい変な口調で人を偏見の眼差しで見てしまうところだった。

そうだよな、本人の癖なら仕方ないよな。それも個性だよな。
やっぱりきっと普通な奴なんだこの内藤君は。うん。


( ´∀`)「え〜っと、じゃあ皆何か内藤君に質問とかあるモナ?」

( ^ω^)「何か質問ある?」

34 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 00:10:06.99 ID:xRMcmyOO0

おい何いきなりフランクになってんだ内藤君。
つか君はどっから来たんだよ。


从 ゚∀从「はーい!」

( ´∀`)「はい、高岡さん」

从 ゚∀从「内藤君はどこから転校してきたんですかー!?」

('A`)(そうそう、それ俺も気になった)

( ^ω^)「マダガスカル」

36 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 00:12:54.28 ID:xRMcmyOO0

(;'A`)「……」
川;゚ -゚)「……」
(;゚∀゚)「……」
(*゚∀゚)「……」
ミ,,゚Д゚彡「……」
(;・∀・)「……」
从;゚∀从「……」


うわ〜すっげ……一瞬にして教室静まり返っちゃったよ……。
つまんねー冗談言いやがって……やっぱ変な奴なのかな……語尾的にも。


(;゚∀゚)「は……はははwwwマダガスカルだってwwwおまwwwそんなわけねーだろwww」

(;'A`)(ぅぉぉなんかジョルジュフォローに必死だよ)

(;´∀`)「あ、いや、彼は本当にマダガスカルからやってきたモナよ?」


 Ω Ω Ω 「 な 、 な ん だ っ て ー ! ? 」 


(;'A`)「マジか!?!?」

( ^ω^)「マジですお。マダガスカルの『ツィンギ・デ・ベマラ』ってとこから来ましたお」

37 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 00:15:36.44 ID:xRMcmyOO0

どうやら本当らしい。
まぁなんだ、つまらんギャグ言われたのかと思って一瞬ビクリとしたが本当なら仕方ないよな。
やっぱり偏見はよくない。

( ´∀`)「さぁ、他に何か聞きたいことはあるかモナ?」

( ゚∀゚)「はーい!」

( ´∀`)「ん、長岡君」

( ゚∀゚)「内藤君の特技は何ですかー!?www」

(;'A`)(……それは今聞く事か?)

( ゚∀゚)「ちなみに俺の特技は『おっぱいおっぱい』することでーすwww」


教室をドっと笑いが包み込む。
クラス皆が笑って賑やかになっている側で、転入生は落ち着いた様子で言った。


( ^ω^)「特技は……『超能力』です」

40 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 00:16:50.22 ID:xRMcmyOO0

(;'A`)「……」
川;゚ -゚)「……」
(;゚∀゚)「……」
(*゚∀゚)「……」
ミ,,゚Д゚彡「……」
(;・∀・)「……」
从;゚∀从「……」


やっぱ前言撤回。
つまんなすぎ。こいつただの変人じゃん。
っていうか、え?……何これこいつそれ面白いとでも思ってんの?


(;゚∀゚)「は……ははは……超能力だって……おま……そんなわけ……」

(;'A`)(流石のジョルジュもここまでか……)

( ^ω^)「お?……本当だお。特技、超能力だお」

(;'A`)「……」


教室が再び静まり返る。
ったく良い根性してるな。
転校初日にここまでつまらんギャグをかます奴なんてそうそう居ないだろうな。

41 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 00:19:10.16 ID:xRMcmyOO0

(;'A`)(あれだな……場を白けさせる天才だなコイツは……)

( ^ω^)「うはwww天才とか言われると照れるおwww」

(;'A`)(いや、誉めてねぇから)

(;^ω^)「あれ? そうなのかお?」

(;'A`)(そうだよ……って…………)


あれ?
今俺声出てたか?


(;´∀`)「な……内藤君、さっきから何喋ってるモナ?」

( ^ω^)「え? あぁ、ちょっと、独り言ですお」

( ´∀`)「じゃあとりあえず座るモナ。内藤君の席は……と」

(;'A`)(はっ……!)


おいちょっと待てマズいぞこれ。
さっきも言ったようになんと俺の隣の席は空席。
つまりその転入生が俺の隣に座る可能性は極めて高……

44 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 00:21:22.80 ID:xRMcmyOO0

( ´∀`)「あそこの〜、あの空いてる席モナ」

( ^ω^)「あ、はい。分かりましたお」


ぬゎあぁあぁやっぱり俺の隣来たよ来ちゃったよ〜。
嫌だよ俺あんな変な奴の隣とか嫌だよ嫌だよ。
……それにしても……


('A`)「な……なぁ、クー」

川 ゚ -゚)「ん? どうした?」

('A`)「俺さ、さっき、何て言うか……声、漏れてたりしなかったか?」

川 ゚ -゚)「?? 何故だ?」

(;'A`)「あ、いや、別に……ただ何となく」

川 ゚ -゚)「さぁ、別に聞こえなかったが?」

('A`)「そ……そっか」


おかしいな、なんかあの転入生が俺の声に答えた気がしたんだが。
気のせいだろうか?

45 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 00:26:59.42 ID:xRMcmyOO0

( ^ω^)「おいすーwww」

('A`)「!」


そんな事を考えていると転入生、いや、内藤が俺の隣の席にたどり着いた。
鞄を机の横にかけ、俺に向かって笑顔で挨拶をしてくる。


( ^ω^)「君ドクオ君っていうのかお? 宜しくだお!」

('A`)「ぁ……あぁ、よ……宜しくな」

(*^ω^)


俺が挨拶を返すと内藤は嬉しそうに微笑んだ。
なんだ、案外良い奴なのかもしれないな。

ん? 待てよ? 『ドクオ君』?


(;'A`)(って……おいおいおいちょっと待て何で俺の名前知ってるんだこいつは?)

( ^ω^)「……『読心』」

(;゚A゚)「!?」

47 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 00:30:15.87 ID:xRMcmyOO0

内藤が黒板の方を見ながらボソリと呟いた。
俺は驚きの表情で内藤の方を見たが奴は微動だにせず前を向いたままだ。

今のは?
まさか……俺の問いに答えたとでも言うのか?
俺の脳内の問いに?

今こいつが呟いた単語……『読心』?
もしかして……俺の心を読んだのか?


(;'A`)(こいつ……まさか……)

( ^ω^) 〜♪

(;'A`)(マジで超能力者なんじゃ……)

49 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 00:33:14.50 ID:xRMcmyOO0

チャイムが鳴ってモナー先生が教室を出て行く。
一時間目までの短い休み時間だ。


( ゚∀゚)「よー内藤君!www俺ジョルジュ長岡www宜しくなwww」


気さくなジョルジュが早速内藤に話しかけていた。


( ^ω^)「おっ! 宜しくだお!」

从 ゚∀从「俺ハインリッヒ高岡な! 宜しく!」

( ^ω^)「こちらこそだお!」


ハインリッヒ高岡。
一人称は『俺』だが列記とした女だ。


从 ゚∀从「なぁなぁ、さっき言ってたあれってさ! 本当なん!? マジなん!?」

( ^ω^)「お? 何がだお?」

从 ゚∀从「だーかーらっ! 『超能力』だよ! あれってマジで言ってんの?」

50 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 00:37:30.48 ID:xRMcmyOO0

いきなり唐突な質問しやがるなこいつは……。
……と思いつつ、ついつい気になって聞き耳を立ててしまう俺であった。


( ^ω^)「そうだお。ブーン超能力使えるお」

( ゚∀゚)「ちょwwwマジかよwwwうぇwwwそりゃスゲェやwww」

从 ゚∀从「ぎゃははははwwwwじゃあなになに?www瞬間移動とかできんの?www」


あっちゃ〜、なんかもう内藤をからかうスタンスに入ってんなこいつら。
確かに初対面で「超能力が使える」等とホザかれたら誰だってからかってやりたくなるだろう。


('A`)(だがさっきのこいつの発言は……)

川 ゚ -゚)「こらこらお前ら、転入生を虐めちゃ駄目だろうが」

( ^ω^)「おっ?」

(;゚∀゚)「ちょwww虐めてねぇ虐めてねぇwww」

川 ゚ー゚)「初めまして内藤君。私は砂尾クール。宜しく」

( ^ω^)「宜しくだお!」

52 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 00:41:46.07 ID:xRMcmyOO0

从 ゚∀从「なぁなぁwww何か超能力やってwwwなんかやってwww」

川 ゚ -゚)「おいおい、だからそうからかっちゃ……」

( ^ω^)「あ、ところで、僕の事は『内藤君』じゃなくて『ブーン』って読んで欲しいお」

(;゚∀゚)「ブーン?」

( ^ω^)「そだお」

从 ゚∀从「ところで超能力ってさ、何が出来んの?www」


ハインがしつこく内藤、もとい、ブーンに詰め寄る。
待てよ、内藤が俺の心を読んでいるってことはだな、俺が脳内で喋った事もあいつに伝わるって事か?
……よし、一度試してみるか。


( ^ω^)「ん〜、まぁ例えば『テレポーテーション』とか?」

(;゚∀゚)「マジでか!?」

(;'A`)(マジでか!?)

( ^ω^)「引っ越すときもそれで来たお」

从 ゚∀从「ぎゃはははwwwそりゃすげぇwww」

54 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 00:44:46.63 ID:xRMcmyOO0

( ^ω^)「カーチャンも超能力者だから引越しには苦労しなかったお」

(;'A`)(どこまで本当なんだかな〜……証明して欲しいなぁ〜)

( ^ω^)「お……しょうm……」

(;'A`)(なぁ〜んてなwww読まれてるのは分かってるんだぜwww)


これぞ秘儀、
『妄想してる最中に「もしかして今の俺の心誰かに読まれてるんじゃね?」と不安になって
  「ふっ、実は読まれてるのはバレバレなんだぜ」って脳内で呟く攻撃』だ!

ふっ、いつもの人には言えないイタい癖がこういう形で役に立つとはな。
見よ、奴の顔を。


((;゚ω゚))「…………!?!?」


やっぱなwww突然慌てふためき出しやがったぜイヤッフゥゥゥウ――――――www
思ったとおり今のも読んでたんだなヴァァカめwww

56 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 00:49:43.09 ID:xRMcmyOO0

これで確信した。
今ハッキリと自分の声が漏れていないことも確認した。
間違いなくこいつは俺の心を読んでる。

そんな事をしているとチャイムが鳴った。


川 ゚ -゚)「お〜い、チャイム鳴ったぞ」

( ゚∀゚)「お、もうそんな時間か」

( ^ω^)「皆速く座ったほうがいいお」


内藤の周りに出来ていた人だかりも無くなって皆が自分の席につく。

さて、今の会話、横から聞いていて一つだけ確実な事を掴んだ。
こいつ――――――


( ^ω^) 〜♪


内藤ホライゾン、通称ブーンは間違いなく超能力者だ。
突然やってきた謎の転校生が実は超能力者でした〜……とか、
「何その厨二病w」とか言われそうな展開だがこればっかりはマジっぽい。


58 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 00:51:53.79 ID:xRMcmyOO0

だがそれならそれで気になることがある。
「何故奴はこの学校に転校してきたのか?」ということだ。

考えてみればおかしい話だろう。
季節外れのお引越し、元住居がマダガスカルだという突出ぶり、
おまけに普通隠したりとかするだろうのに教師、そして生徒の目の前で「自分は超能力者だ」とカミングアウトする様。

ただ単に親の都合か何かで転校して来たにしては全てが不自然極まりない。
実際、奴の転校の理由は明かされてはいないのだ。

一体何のためにこの学校に?
長い長い長考の末(5分)、俺の導き出した答えはこうだ。


 ('A`)(奴はこの学校を乗っ取りに来た悪の組織なのだぁあぁあぁあぁあぁあ!!!!)

   ババーン!!

59 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 00:53:43.28 ID:xRMcmyOO0

「何その厨二病w」とか言われそうな結論だがもうここまでが十分非現実的なので全くの変な話じゃない。
こいつはその超能力を活かしてこの学校を乗っ取るつもりに違いないのだ。
いや、まぁ、なんとなくそんな気がするのだ。

だって考えてもみろよ、超能力者だぜ?
マンガとかで出てくるエスパーとかってなんか良からぬことを考えてる奴等ばっかりだろ?
「良からぬこと」が具体的にどんなものかは分からんが……まぁなんやかんやするつもりなんだろう。

そうと分かったらやる事は一つだ。


 ('A`)(俺がこの学校を救ってみせる!!!!)
   ソバババーン!!

60 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 00:56:18.51 ID:xRMcmyOO0

それから特に何事も無く、いつもと同じ様に午前の授業が終わった。
昼休み、生徒達はそれぞれ購買に行ったり、自らの弁当を取り出したりして昼飯の準備をする。


川*゚ -゚)「なぁ、ドk……」

( ゚∀゚)「ドクオーwww一緒に昼飯食おうぜぃwww」

川#゚ -゚)

('A`)「あぁ、悪ぃ、俺ちょっと用事あるから」

(;゚∀゚)「何ぃ用事!? 用事って……? 飯どうすんだよ!?」

('A`)「ごめんだけど勝手に食っててくれ。じゃあな」

川´゚ -゚)……


そういって俺は一人教室を後にした。
後ろの方でクーがスゲェ脱力感丸出しの顔してたがこの際気にしない。


( ^ω^)「……」

62 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 00:57:46.45 ID:xRMcmyOO0

('A`)「う〜ん……」


俺が向かったのはのは図書室だった。
本棚から「超能力」と書かれたありとあらゆる本を取り出して机に広げる。
そして一冊一冊、流す程度に読み進めた。


(;'A`)「駄目だ……どれもパっとしねぇな……」


だがそこにあったのはどれもこれもインチキ臭い手品とかか心霊現象とかの厨二系の本ばかりだった。
俺が求めてるのはそう言うのじゃなくてだな、なんかもっとこう突如現れたエスパーの野望を食い止められるような画期的な本なんだよ。


('A`)(……ってそっちのがよっぽど厨二臭いわな)


などと一人突っ込みをしながら本を全て棚にしまう。
くっそ……「陰謀を防ぐにはまず敵の実態を知ることから」と思い図書室で調べ物をと思ったが……収穫無し……か。
そうなるとそれ以上ここにいる意味も無いので教室に戻ろうとしたそのときだった。

俺の目にあるものが飛び込んできた。


('A`)「……パソコン…………か!」

63 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 01:00:31.25 ID:xRMcmyOO0

('A`)「どれ、とりあえずググル先生っと……」


俺としたことが、図書室にPCがあるって事をすっかり忘れてたぜ。
さて、まず何から調べてみようか?


('A`)「確か住んでた場所はマダガスカルっつってたよな」


まずは奴がどんな所からやってきたのか調べる事だな、うん。
もしかしたら魔術が盛んな村とかで暮らしてたのかも知れんし。
とりあえずネットでマダガスカルを調べる。


('A`)「マダガスカルの……確か『ツィンギ・デ・ベマラ』だったか」


検索んとこに「ツィンギ・デ・ベマラ」と打って、と。
俺はエンターキーを軽快に「タ――――――(゚∀゚)――――――ン」と押した。


('A`)「おっ、出た出た、これがその『ツィンギ・デ・ベマラ厳正自然保護区』の画像だな〜」

 ttp://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/e/ec/Tsingy_de_Bemaraha.jpg

65 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 01:04:46.68 ID:xRMcmyOO0

(;゚A゚) 「 人 住 め ね ぇ だ ろ ! ! 」


なんなんなんだここは……?
魔術が盛んどころか家すら建ってねぇ。
つーかこれ住むの可能なのか?


('A`)「ん〜? なになに? 概要〜?」


そこにはこう書かれてあった。

『ツィンギとは動物の住めない土地という意味』


(;゚A゚)「……ってやっぱ住めねぇんじゃん!!」

( ^ω^)「そうだお〜、ここで暮らすのには苦労したお〜」

('A`)「あーやっぱりそうなんだー」



(;゚A゚)「……ってうわあああ!? ビックリしたぁ!!」

( ^ω^)「wwwww」

66 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 01:08:57.17 ID:xRMcmyOO0

いきなり背後から声がしたかと思ったらなんということでしょう!?
内藤が俺の肩越しにPCを覗いているではありませんか!!

……って、いや何でお前がここにいるんだよ?


( ^ω^)「……? どったお?」

('A`)(あれ? 俺の考えてる事が分かるんじゃなかったのか?)

( ^ω^)「それにしてもドクオ君がそこまで熱心に僕の事を知ろうとしてくれてたとはwww感激だおwww」

(;'A`)「あ……いや……これはだな……つか何でお前がここに?」

( ^ω^)「あ、実はだお! ドクオ君に……」

('A`)「ちょっと待った」

( ^ω^)「お?」

('A`)「俺のことは『ドクオ』って呼び捨てで良いよ。俺らクラスメイトだしな。そうだろ『ブーン』?」

(*^ω^)「おっwww分かったおwwwドクオwww」

('A`)「でだ、さっきの話だが、何でお前がここにいるんだ?」

67 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 01:13:15.89 ID:xRMcmyOO0

( ^ω^)「おっ、そうだお! 実はドクオと一緒に弁当食おうと思ってきたんだお!」

(;'A`)「べ……弁当だと?」

( ^ω^)「そうだお。何て言うか……親睦を深めるために」


なんか拍子抜けだな。
こいつ本当に学校乗っ取ろうとか思ってるのだろうか?
そもそも俺が勝手に決め込んだ事だけど……

('A`)「あぁ、いいけど、俺弁当教室に忘れたから取りに戻んないと」

( ^ω^)「その必要は無いお!」

('A`)「あ?」

( ^ω^)「ほら!」


そう言って内藤は右手に持った弁当のようなものを俺の顔の前に差し出した。
……っておい、それってもしかして……


(;'A`)「俺の弁当じゃん!?」

( ^ω^)「そだおwwwドクオの鞄から勝手に抜いてきたおwww」

68 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 01:16:07.23 ID:xRMcmyOO0

( ^ω^)「サーセンwwwww」

(;'A`)「いや別に良いんだけどな、ただ初対面でそこまでされちゃあこっちも驚くよ……」


そうでなくてもお前には驚かされっぱなしだけどな。


( ^ω^)「んー……じゃあどこで食べようかお……? そうだ! 屋上とか静かで快適で良いお!」

('A`)「屋上? あぁ、無理だよ。うちの学校は屋上、鍵かかってんだ」

( ^ω^)「あぁ、そんなん問題無いお。テレポーテーションで行くから」

('A`)「……は?」

( ^ω^)「行くお! 『テレポーテーション』!!」

(;゚A゚)「えっ!? ちょっ!? 待っっっ!?」


奴がそういった瞬間目の前が真っ白になった。
その直後、空を飛ぶかのような、または海に沈むかのような不思議な感覚が俺を支配する。


70 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 01:20:15.23 ID:xRMcmyOO0

そして気が付けば俺は学校の屋上に立っていた。


('A`)「……嘘だろ?」


見覚えのない場所。
見上げれば青い空があって、足もとを見れば白いコンクリート。
360°フェンスに囲まれていて、その下には見慣れた学校のグラウンドが見える。


(;'A`)「まさか、本当に……」

( ^ω^)「屋上だお」


声がしたので振り返るとそこには俺の、そして本人のものであろう弁当を手に持った内藤が立っていた。
本当に屋上? って事は本当に……『テレポーテーション』??


(;゚A゚)「マジかああああああああああ!?!?」

71 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 01:23:20.17 ID:xRMcmyOO0

 〜その頃〜


DQNB「なぁ、何だ話って、DQNA」

DQNA「あのさ、B、C、お前ら最近ストレスとか溜まってね?」

DQNC「あぁ、そうだな、何か最近溜まりっ放しだけど」

A「解消しねぇか?」

B「?」

C「どうやって?」

A「去年と同じ様にだよw」

72 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/22(日) 01:25:03.15 ID:xRMcmyOO0

B「! もしかして」

A「ドクオ……今日ボコってやろうぜ?www」

C「うはwww良いなそれwwwでもなんでまた急に?www」

A「あいつ最近偉そうにしてたってたからな、ここらでいっぺん懲らしめてやるんだよwww」

B「ちょwwww鬼畜wwwwwでも楽しそうだぜwwwwwやるかwwwww」

A「クククッwwwドクオの馬鹿に目にもの見せてやるぜwww」





第一話 前編
 
 〜終〜

5 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 21:58:06.51 ID:qHirDp130

 後編


(;゚A゚)「うわあああああ!!」

(;^ω^)「うぉぉお!? 何だお突然!? ビックリするお!」

(;゚A゚)「マジで! マジで超能力者なのかお前はぁあぁあ!?!?」

( ^ω^)「そうだっつってるおwwwつーかドクオはもう確信してたんじゃなかったのかお?」


いや、まぁ確かに午前の時点で確信を抱いてはいたが……
こう実際に超能力を体験すると流石に驚きを隠せない。
なんってったってマジでテレポーテーションとやらを体験してしまったのだから。


( ^ω^)「……やっぱり……恐いかお?」

('A`)「!……えっ?」

( ^ω^)「……」


ブーンが寂しそうな顔をする。
はっ、そうか、こいつもしかして本当はただの生徒で、ただ超能力を使えるってだけなんじゃなかろうか?

7 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 21:59:41.97 ID:qHirDp130

だとしたら俺は最低だ。
勝手に悪人だと決め付けて勝手に退治しようとしていたのだから。
こいつがもし俺のその考えを読んでいたのならショックだったろう……


('A`)「なぁ、内藤……」

( ^ω^)「お?」

('A`)「とりあえず、弁当食おうか」

( ^ω^)「あ、うん! そうだお! 食べようお!」


そうして俺らはその場で腰を下ろし、それぞれの弁当を開封して食べ始めた。


( ^ω^)「ドクオはどうして僕が超能力者だって事を信じてくれたんだお?」

('A`)「……ん?」


弁当を食い始めたとき、内藤が俺に話しかけてきた。

9 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:01:07.86 ID:qHirDp130

( ^ω^)「だって、皆……っていうか誰一人、先生だって僕が超能力者だってことは信じてくれなかったお。なのに……」

('A`)「だってお前そんなん当然だろ」

( ^ω^)「お?」

('A`)「俺の声にいきなりお前が答えてくるんだもんよ、俺の『心の声』にな」

( ^ω^)「おwwwあぁwww『読心』のことかおwww」

(;'A`)「ったく、そういえばさっき言ってたな、その……『読心』って」

( ^ω^)「おっwwwそうだお。読心。人の心を読む超能力だお!」

('A`)「やっぱな。そうだとは思ってたけど」

( ^ω^)「あ、そうそう。読心で思い出したけど、どうして僕が読心してるとき、ドクオは心が読まれてるって気付いたんだお?」

('A`)「は?」

( ^ω^)「ほら、『なぁ〜んてなwww読まれてるのは分かってるんだぜwww』って……」

11 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:02:48.10 ID:qHirDp130

('A`)「……プッw」

( ^ω^)「おっ?」

('∀`)「はははwwwあれなwwwいやwwwあれは正確には分かってたんじゃないんだよwww」

(;^ω^)「お? どういうことだお?」


不思議そうな顔をする内藤に俺は先ほどの秘儀、

『妄想してる最中に「もしかして今の俺の心誰かに読まれてるんじゃね?」と不安になって
  「ふっ、実は読まれてるのはバレバレなんだぜ」って脳内で呟く攻撃』の概要を説明してやった。


( ^ω^)「ちょwwwwwそれ僕もやったことあるwwwwwうぇうぇwwwww」

('∀`)「だよなwwwww誰もが一回はやるだろこれwwwww」

( ^ω^)「おっwwwww男ならやらない奴はいねぇおwwwww」


学校の屋上、誰も居ないこの場所で俺らは二人だけで大爆笑していた。
何だろうこの気持ちは……初対面の奴とここまで打ち解けられたのは産まれて初めてかもしれない。

13 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:04:02.11 ID:qHirDp130

( ^ω^)「なぁ〜んだそっかお〜、『俺の読心を見破るとはこいつ…デキるっ…!』とか勘違いしちゃったお〜」

('A`)「あ、そうそう、勘違いといえばな」

( ^ω^)「お?」

('∀`)「俺お前が超能力者だって分かってさ、
   『もしかしたらこいつ学校を乗っ取りに来た悪の組織なんじゃね?』とか思っちゃったんだよなwww」

( ^ω^)「……」

('A`)「……」

( ^ω^)「……バレちゃあ仕方ねぇ」

(;゚A゚)「嘘だろぉ!?!?」

( ^ω^)「うん」

(;'A`)「嘘なのかよ!!」

15 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:05:13.77 ID:qHirDp130

( ^ω^)「うはwww悪の組織とかwwwドクオは漫画の読みすぎだおwww厨二病乙www」

(;'A`)「だっっっだってお前いきなり超能力者が転校してくるとかおまっっっそれも十分厨二的展開じゃねぇかよ!!」

( ^ω^)「……やっぱそうかお」

(;'A`)「……え?」

( ^ω^)「君……ドクオもやっぱ……僕の事……恐い奴だと思ったかお?」

(;'A`)(はっ……!)


内藤が再び寂しそうな顔をする。
しまった……俺としたことが、知らぬ間についつい内藤を偏見の目で見てしまっていたんだ。


( ^ω^)「まぁ……特異能力者の性って奴かお? 僕、親の都合でよくアチコチ引越しするんだけど、
       どこに行っても決まって信じてもらえないか、恐がられるかのどっちかだったお」

('A`)「……」

17 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:06:25.66 ID:qHirDp130

( ^ω^)「信じてもらえないのは別に良いお、僕は何も困る事は無いし。ただ恐がられるのは……何度やっても馴れないお。
       僕らの仲間の超能力者にはそれが嫌で自らの能力を秘密にする人も居るお。だけど僕はそれが嫌なんだお!
       折角出会えたんだから、皆にありのままの僕を見て欲しいお!」

('A`)「……」

(;^ω^)「だから朝、長岡君が特技を聞いてくれたときも、隠さずに話したお……でも結局こうなっちゃって……ごめんだお」

(;'A`)「え? な、何でお前が謝るんだよ?」

(;^ω^)「だって、その……恐がらせちゃって……」

('A`) 「何言ってんだよ!! 謝るのは俺の方だ!! ごめんな内藤!!」

(;^ω^)「……えっ……?」

('A`)「俺、馬鹿だよ! 勝手にお前の事、悪い奴だって決め付けてさ、図書室で超能力について調べてたのも、
    あれもお前をどう退治しようかって思って……ったく……俺最低だよ……ごめんな内藤!!」

( ^ω^)「はぁ〜……しゃぁねぇ、そこまで言うなら許してやるお」

('A`)「……(突然偉そうになったなこいつ)」

19 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:08:50.83 ID:qHirDp130

(*^ω^)「なーんて冗談だおwwwそんなん気にしてないおwwwむしろ謝ってくれて有難うだおwww」

('∀`)「は……ははwww良かった、そっかwww」


良かった。
内藤には本当申し訳ないことをしたが大して気にはしてないらしい。


('A`)「?……でも待てよ?」

( ^ω^)「お?」

('A`)「あのさ、お前は何で俺を選んだわけ? 今みたいに一緒に弁当食うの、別に俺じゃなくても良かっただろ?」

( ^ω^)「あぁ、実は朝、僕が教室で黒板の前に立って挨拶してた時、クラス皆の心をザっと読んでみたんだお」

('A`)「ほぉ」

( ^ω^)「皆僕の事怪しんでたりとかばっかだったけど、一人だけ『偏見は良くない。それも個性だ』って思ってくれる人が居たお」

21 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:10:25.32 ID:qHirDp130

(*'A`)「!!」

( ^ω^)「それ聞いた瞬間『あ、この人なら友達になってくれるかも!』と思った次第だお!」

('∀`)「あっっっあったりまえだよwwwよし! じゃあ今日から俺がお前のこの学校での友達第一号な!!」

(*^ω^)「おっwwwそうだお! 僕達もう友達だおイヤッフゥゥゥ――――――wwwww」

('A`)「あ、そういやさ、お前、読心って常にできるわけじゃねーの?」

( ^ω^)「あぁ、そだお。『やろう』と思ったときしかできないお」

('A`)「ふ〜ん、じゃあ今俺が考えてることも分かんないんだ」

( ^ω^)「そうだお」

('A`)(……よし、弁当も食ったし、そろそろ教室帰るか)

( ^ω^)「分かったお!」

('A`)「読めてんじゃねーか」

(;^ω^)「あ、いや、今のはその、今たまたま読んでただけだお!」

('A`)「ふ〜ん」

23 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:12:47.92 ID:qHirDp130

そうして友達となった俺たちは屋上を後にした。
校舎内に入るとき、いきなり教室にテレポートすると皆が驚くだろうと思い、俺が内藤に屋上の扉だけすり抜けようと提案した。

さっきも言ったように屋上の扉には鍵が掛かっている。
それも南京錠なので外側からも開けることが出来ず、普通に中に入る事は不可能だったのだ。


(;゚A゚)「うぉおぉおぉお!!」


もう一度テレポーテーションで校舎内に入る。
気が付くとそこはもう屋内の屋上の扉の前だった。


(;^ω^)「だ……大丈夫かお?」

(;'A`)「ふぃ〜……駄目だ、な〜んか馴れねぇ。このテレポーテーションって奴の……何て言うか……この変な感覚」

( ^ω^)「まぁ馴れればどうってことないお。さ、教室帰ろうお」

('A`)「おう。そうだな」


4階の教室まではそう長い距離じゃない、ここ5階だしな。

25 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:15:24.29 ID:qHirDp130

('A`)「……」

( ^ω^)「どしたお? ドクオ、何突っ立ってるお? 帰んないのかお?」

('A`)「悪ぃ、先、返っててくれ。俺ちょっとトイレ行ってくる」

( ^ω^)「あ、トイレかお。じゃあ僕も一緒に……」

('A`)「駄目だ!」

(;^ω^)「ぇ……え?」
ビクッ!

('A`)「いや、俺ツレションとか苦手なんだ。悪いけど先、帰っててくれ」

(;^ω^)「わ……分かった……お……」


そう言うと内藤は一人、教室へと帰っていった。
さっきも言ったが、ここは5階。

5階には教室があるとはいえどそれらは全て特別教室or準備室のようなものばかりで生徒は殆ど踏み入らない。
今もそうだ、俺と内藤以外には人は一人も居ない……はずだった。


('A`)「何やってんだよ? 隠れてないでさっさと出て来いよ、DQNA」

27 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:16:53.74 ID:qHirDp130

DQNA「……www」


物陰からDQNAが顔を出す。
いや、奴だけじゃない。


DQNB「ようドクオwww久しぶりwww数時間ぶりだなwww」

DQNC「元気だったか? 元気だったか?wwwww」


B、C、計三名のご登場だ。


('A`)「はぁ〜……俺に何の御用っすか? 三名方」

DQNA「ん〜? 別に? たまたま通りかかっただけだぜ?」

('A`)「嘘つけ、なんも無い5階をたまたま通りかかる奴なんて居ねぇ。大方、俺を待ち伏せてたんだろ?」

30 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:19:12.04 ID:qHirDp130

A「クククッwwwいや、本当は教室にお前を探しに行ったんだが居なくてな
   校舎中探してたらたまたまここでお前を発見したわけよwww」

('A`)「ふ〜ん、そりゃご苦労なこった。で? 何のようだ?」

A「別にぃ〜?」


奴がそう言った……その瞬間だった。
急に腹に物凄い衝撃を感じた。


(;゚A゚)「……!!!!」


腹にめり込むDQNAの拳。
痛みに耐えかねて俺は廊下に蹲った。


(;'A`)「ガハッ!……な……何しやがる……」

A「ぎゃははははwwwwクリーンヒットォォーwwwww」

C「ちょwwwww思いっきりやりすぎだってwwwww」

B「あれ?wwwドクオ泣いてね?www泣いちゃってんじゃね?wwww」

33 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:20:38.71 ID:qHirDp130

くそ、楽しそうにしてやがるなこいつら。
成程、これがこいつらの目的か。


A「なぁ〜ドクオ、お前最近調子乗ってたよなぁ〜?」

('A`)「別に……調子乗ってんのはお前らのほ……!!」


言いかけた直後、DQNAの右手が俺の顔面を殴る。
俺の言葉は無理矢理遮られた。


('A(#)(……痛ぇ……)

A「朝ぶつかった時もなんか偉そうだったしなぁ〜www去年のお前なら俺にぶつかった瞬間土下座して謝ってただろ?」

(;'A`)「!!」

B「ぎゃはははwwwそうそうwww泣きながらなwww」

C「思いっきり虐められてたもんなwwwww」

(;'A`)「てめぇら……」

A「だからよ、調子コきだした手前にもっかい、俺らの怖さを思い出させてやろうと思って……なっ!!」

(;゚A゚)「グフゥッ……!!」

34 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:22:07.53 ID:qHirDp130

再び俺の腹に叩き込まれる拳。
俺の体はまたしても廊下に倒れこんだ。

そう、俺は去年、一年だった頃、同じクラスだったDQNA〜Cに虐めを受けていた。
内容はまぁ至って普通の「暴力」。
殴る、蹴るは当たり前、プロレスの絞め技を食らって窒息しかけた事もあった。

俺はその虐めに耐えられずに学校を休みがちになった。
だが翌年、今年のクラス替えではなんと虐めっ子共全員と離れ離れになる事ができたのだ。

それからというもの、俺は普通の高校生活を送っていた。
友達と普通に遊んで普通に授業受けて、虐めなんかとは縁の無い毎日。
……だったはずなのに。


(;'A`)「また……こうなっちまうのかよ……!」

DQNA「ぎゃはははwwwまぁお友達を先に逃がしたのは正解だったかな?wwwwwつか誰だあいつ?」

B「あぁ、あいつあれだよ。1組に転入してきた奴だろ?」

37 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:23:37.00 ID:qHirDp130

A「ふーん、そっか。ま、そんな事どうでもいいんだけどな」

C「なぁなぁA、俺もこいつ殴って良い?www」

(;'A`)「!?」

A「もちろん良いぜwwwこの時間、こいつは俺らのサンドバッグ君だからなwww去年み・た・い・にw」

B「ぎゃははははwwww良いストレス解消になりそうだぜwww」

C「んじゃぁまず一発wwwww」


もう駄目だ。
結局別のクラスになっても俺は……


( ^ω^)「ドクオーwwwトイレ長ぇおーwwwウンコでもしてんのかおー?www」

39 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:25:06.86 ID:qHirDp130

(;゚ω゚)「……」
アレレ〜?


最悪だ。最悪のタイミングだ。
内藤の奴、帰れって言ったのにまたきやがった。


A「あぁ〜、こいつか、その転入生って」

(;'A`)「内藤ぉー!! 逃げろ!! お前は関係ねぇ!!」

(;^ω^)「お……これはちょっと……アレだお……いまいち状況が把握できん……ね……」

B「あっち行けよ転入生www今ちょっとこいつ懲らしめんのに忙しいんだよ俺らwww」

( ^ω^)「……なんだと?」

41 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:27:19.20 ID:qHirDp130

C「うはwwwじゃあ一発行くぞーwww」

(;゚A゚)「ガハァッ!!」

(;゚ω゚)「ドドドドドクオォ――――――!!」


DQNCの拳が俺の顔面にヒットする。
痛い、助けて欲しい、だが内藤を巻き込むのだけは……


(  ω )「『助けて欲しい』……」

('A`)「!?」

( ^ω^)「確かに聞き取ったお」

A「何やってんだよwwwさっさと向こう行けよ転入生www(そうだ、こいつも……)」

( ^ω^)「『そうだ、こいつもなぐっちまおっかなぁ〜』だお」

43 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:29:51.55 ID:qHirDp130

A「!?(あれ? 何でこいつ……)」

( ^ω^)「『あれ? 何でこいつ今、俺の思ったことを?』だお」

A「!?!?(え? もしかして……)」

( ^ω^)「『え? もしかしてこいつ俺の心読めてんじゃね?』……だおwwwうはwww」

A「な……何で……お前……俺の……こころ……?……」




A「な……何者だテメェはぁぁ――――――!?!?」

( ^ω^)「江戸川コナン!! 探偵だ!!」

('A`)「嘘こけ」

45 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:30:55.57 ID:qHirDp130

B「ちょ、どうしたんだよA?」

A「こいつ!! こいつ今俺の考えてること当てやがった!!」

C「マジかよおまっwwwそんなわけねぇじゃんwww」

( ^ω^)「ドクオ! 今助けるお!」

(;'A`)「えっ!?」

(#^ω^)「ふっ、いいかお!? DQN共、良く聞くお!! 僕は超能力者だお!!」


ABC 「 な 、 な ん だ っ て ぇ ー ! ? 」 

48 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:32:25.20 ID:qHirDp130

( ^ω^)「今からお前らをテレポーテーションで世界の果てまで吹っ飛ばしてやるお!!」

(;'∀`)「そうか! その手が!!」

(#^ω^)「僕の友達を痛い目にあわせた罰、その身をもって償うがいいお!!」


成程、確かにこいつの能力ならこいつらを消し去る事ができる。
この場を切り抜けられる!


A「なっ……何だとぉ!?」

( ^ω^)「食らえ!! 『テレポーテーション』!!」


 A B C 「 う わ ぁ あ ぁ あ ぁ あ ぁ あ ぁ あ ぁ あ ぁ あ ぁ あ ぁ あ ぁ あ ! ! ! ! 」

49 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:33:41.78 ID:qHirDp130

( ^ω^)「……」

('A`)「……」



A「……」

B「……」

C「……」


('A`)「何も起きねんだけど?」

( ^ω^)「あ、ヤベ、MP尽きた」

56 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:40:29.88 ID:qHirDp130

(;゚A゚)「なにゃぁあ――――――!?!? 超能力にMPとかあんの!?!?」

(;^ω^)「ミミミミミスッたお! MP温存しとくの忘れたお!!」

A「?」

(;'A`)「ま、まさか朝からの読心と昼のテレポートで……!?」

( ^ω^)「いや、使い道の殆どは『透視』」

('A`)「?」

( ^ω^)「『透視』で女子高生のスカートの中見まくってて、MP、80%くらい使っちゃったお」

('A`)「なんだそっか」





(;゚A゚)「馬鹿ぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあ!!!!」

60 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:45:22.01 ID:qHirDp130

A「ぎゃっはははははwwwwどうやら助かったみてぇだなwwwww」

(;'A`)「どうすんだよ!? 何か打つ手はねぇのかよ!?」

B「もうこの変な転入生君も一緒にボコっちまおうぜwww」

(;^ω^)「え〜っと『残りMP:10』で、必要MP、テレポーテーションは15、読心は12、透視は20……
       駄目だお!! 今日一日はなんも出来ないお!!」

(;'A`)「嘘ぉ!!?」

C「じゃあ俺転入生君殴る係りなwwwww」

(;^ω^)「MPをMAXまで回復しようと思ったら一日、6時間の睡眠を取らなきゃだから、結論から言うと――――――!!」




\( ^ω^)/ 

(;゚A゚)「もう駄目だぁあぁあぁあぁあぁあ!!!!」

62 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:46:36.62 ID:qHirDp130

(;^ω^)「いや、実は『必要MP:10ピッタシ』の究極手段があるんだけど」

('A`)「!! 本当か!?」

(;^ω^)「でもそれはかなり危険なリスクを伴うお、ドクオを巻き込むわけには……」

('A`)「何言ってんだよ」

( ^ω^)「え?」

('∀`)「元はといえば俺がお前を巻き込んじまったんだ。ここで俺がお前の能力に巻き込まれても文句言えねぇよw」

( ^ω^)「ドクオ……」

66 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:47:51.82 ID:qHirDp130

DQNA「何ブツブツ言ってやがる!! これでも食らえーwwww!!!」

('A`)「さぁ!! 早くその究極手段を!!」

(#^ω^)「分かったお!!」


そう言うと内藤はズボンのポケットから何やらジャラジャラしたものを取り出した。
何だあれ? ――――――手錠?


( ゚ω゚) 「 『 や み の ゲ ー ム 』 発 動 ! ! ! ! 」 

(;'A`)(え゙ぇえぇえ!? なんかメッチャパクリ臭ぇえぇえぇ!?)

71 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:52:21.25 ID:qHirDp130

内藤がそう叫んだ瞬間、手に持っている手錠のようなものが白く光った。
その輝きは場に居た奴全員が目を瞑ってしまうほどである。
そして光が消え、再び目を開けたとき、俺は右手に違和感を感じた。


(;'A`)「なっ!? こっ、これは!?」


なんということでしょう、俺の右手には淡く、
そして白く光る手錠が嵌められているではありませんか!


A「うぉお!? なんだこれ!?」

B「はっ、はずれねぇんだけど!?」

C「つーか動けねぇ!?!?」


そして周りの人間、DQNA〜Cの右手にも同様の白い手錠が付いていた。
内藤の方を見ると、あいつの手にもその手錠が付いている。

そしてその5つの手錠は5人が描く円の中心で鎖によって束ねられていた。
その鎖のせいで俺たちはその場から5mも動けなくなってしまっている。

72 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:55:02.98 ID:qHirDp130

( ^ω^)「ふははははwwwこれが禁断のエスパーゲーム!! 『やみのゲーム』だお!!」

(;'A`)「……いや、ところでそのパクリネーミングはどうにかならんのか?」

( ^ω^)「大丈夫! 漢字に直すと『病みのゲーム』だから全っ然パクリじゃないお!!」

(;'A`)「なんか元ネタより随分陰気な感じになっちゃったなオイ!!」

A「おい! なんだこれ!? これ外せよ!!」

( ^ω^)「駄目だお。その手錠、及び鎖はゲームの勝者以外は外せない。そして! 既にゲームは始まっているお!!」

A「何ぃぃ!?」

(;'A`)「内藤、そのゲームってのは一体何なんだ?」

( ^ω^)「このゲームはエスパーがMPを注入する事で発動する禁断のゲーム『病みのゲーム』。
       そしてこれは必要MP10、病みゲー中でも頭脳戦の色が濃い、その名も……!!」




( ^ω^)「『NGワードゲーム』だお!!」

75 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 22:57:49.68 ID:qHirDp130

A「え……エヌジー……」

(;'A`)「エヌジー……ワードゲーム?」

( ^ω^)「ちなみに『病みのゲーム』シリーズは人気ウェブサイト『エスパネットたかた』で誰でも購入可能だお!」

(;'A`)「買わねぇよ、超能力者しか使えないなら持ってても意味ねぇだろ。つーかさっさとルール教えろ」

C「そうだよ!! さっさとゲーム内容教えやがれ糞野郎が!!」

( ^ω^)「おっと、口には気をつけたほうがいいお」

C「何!?」

( ^ω^)「DQNCアウト」

79 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 23:01:21.76 ID:qHirDp130

C「う……うわぁああぁあ!?!? なんだこれ!?」

(;'A`)「うぉっ!? 眩しっ!?」


突如、DQNCの体が先ほどの手錠の光のように白く眩く光る。
そして――――――


C「ぎゃあぁあぁあぁ……あぁあぁ……ぁあ……ぁ……」


なんとDQNCが消えた。
その場から、俺達の居る廊下から跡形も無く消えたのだ。


( ^ω^)「ルールを説明するお!!」

82 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 23:03:24.05 ID:qHirDp130

 〜『病みのゲーム:NGワードゲーム』のルール〜

@発動者はゲーム発動前にNGワードを決める。

Aまた、NGワードに加え、敗者に課せられる罰ゲームの内容も発動者が決める。

Bゲーム内容は『NGワードを口にしたものが負け、罰ゲームを受ける』という単純なもの

C参加者の人数は発動者がゲーム発動時に決めてよい。

 〜以上〜


('A`)「成程な、要するに言っちゃいけない事を言った奴は負け……と」

( ^ω^)「そうだお!」

A「へっ、成程、簡単そうで良いなwww」

B「楽勝だぜwww」

( ^ω^)「ふふふwwwそうかお?」

A「何!?」

( ^ω^)「NGワードを発表するお!!」

84 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 23:05:12.34 ID:qHirDp130

そう言うと内藤はポケットからペン、そしてメモ帳のようなものを取り出し何かを書き出した。
そしてその紙に書かれたものをこちらに見せてきた。
書かれていたものは――――――


 『 下 ネ タ 』


('A`)(下ネタ……)

A(下ネタだと?)

( ^ω^)「ちなみに『これ』を口で言ってしまうと僕がNGワードに触れてしまうので紙に書かせていただきましたお」


成程な。
確かに口で「NGワードは『下ネタ』だ」と言ってしまうといけない。
それはつまり『下ネタ』という言葉自体がNGがということか。


( ^ω^)「もちろん、この『"下"で始まって"タ"で終わる3文字の言葉』自体だけがNGじゃないお!!
       僕が事前に登録しておいた『それ関連』の言葉全てがNGに入るお!!」

('A`)「おk、分かった……つかちょっといいか?」

87 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 23:09:23.45 ID:qHirDp130

( ^ω^)「なんだお?」

('A`)「もちっと早く説明してやれよ。あれではDQNC可哀想すぎじゃん」

( ^ω^)「一人ぐらい潰れてくれたほうがやり易くていいお!!」

(;'A`)(鬼や! 確かに言うとおりだがコイツ鬼や!)


そうかDQNCは「『糞』野郎」と言っていた。
『糞』はNGワードなわけだな。


A「ちょっと待て」

( ^ω^)「お?」

A「ルールA、Bの『罰ゲーム』ってのは何なんだよ?」

(;'A`)「そっ、そうだ! それは確かに気になるぜ!!」

( ^ω^)「いいお、罰ゲームの内容は……『強制ランダムテレポート』だお!!」

('A`)DQNA&B 「きょうせいらんだむてれぽーとぉ?」

89 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 23:10:49.25 ID:qHirDp130

( ^ω^)「このゲームに負けた者は敗北が決定した瞬間、強制的にテレポーテーションすることになるお!!」

(;'A`)「ど、どこにだ!?」

( ^ω^)「行き先はランダム!! この地球上の全ての場所だお!!」

A「なんだとぉ〜!?!?」

B「マジ……かよ……?」

( ^ω^)「ちなみに行き着く場所は『地面の上』と決まっているので安心するお」

B「そっか、海の上とかに送られちゃあ堪んねぇよな」

( ^ω^)「まぁ今頃DQNC君もどっかにたどり着いている頃だお」

('A`)(元気でな……DQNC……お前の事は忘れない……いい気味だけど……)

92 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 23:13:05.34 ID:qHirDp130

( ^ω^)「このゲームの勝利条件は『自分以外のプレイヤーを全て消し去る事』!!
       そしてこの場に残った一名だけがこの手錠から解放され、自由に身になれるんだお!!!」

A「へへへwwwそうつぁ面白ぇぜwww」

('A`)「ん? ちょっと待てよ?」

( ^ω^)「どうしたお?」

('A`)「それってさ、DQN達だけじゃなくて、俺達2人もどっちかは必ずどっかに飛ばされるってことじゃね?」


( ^ω^)




( ^ω^ )

(;゚A゚)「お前ほんっとフザけんなよコラァアァアァアァアァア!?!?!?!?!?」

98 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 23:19:37.75 ID:qHirDp130

(;゚ω゚)「やっちゃったぁぁぁ……やっちゃったぉぉぉぉぉ……」

(;゚A゚)「やっちゃったぉぉぉぉぉじゃねえよ!! 何で発動時にどっちか片方参加者から外さなかったんだよ!!」

( ^ω^)「あ、その手があったか!」

(;゚A゚)「その手があったかじゃねぇ……ってもぉおぉぉおおぉおぉおチキショーめぇえええ!!!」

A「ぎゃははははwww馬鹿だwwww馬鹿がいるぞ」

B「? どういうことだ?」

A「だからよwwwこいつらも結局どっちかは痛い目見るってことじゃねーかwww」

B「あ、成程なwww勝者は一人だけだもんなwww」

100 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 23:22:30.55 ID:qHirDp130

( ^ω^)「あっ!」

(;'A`)「ん? どうした?」

( ^ω^)「DQNBアウト」

B「……ハ? 何言ってんだ? 俺NGワードなんて一言も……」


「あ、成程な」
 ↓
「あなるほどな」
 ↓
「アナル」

108 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 23:27:06.53 ID:qHirDp130

B「うぎゃぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあ」


DQNBが消えた。
これで残るは俺、内藤、DQNAの3名。


(;'A`)(成程、『アナル』はNGか。例え体の部位だとしても下ネタに関係しそうなものは大体アウトなんだな)


しかし困った。
とにかく今は良い状態とは言えない。
とりあえず敵チーム(?)は半分以上消え、今やDQNA一人だけだが


(;'A`)(如何せん俺らのどちらかが消えるって問題は解決されてないわけだしな……)


仕方ない、今それはおいておこう。
とりあえず敵であるDQNAを葬ることだ。

111 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 23:30:54.95 ID:qHirDp130

ゲームの件はそれから考えてもいい。
もしかしたら途中でゲーム中止とかもできるかもしれないしな。
とりあえずここは内藤と共同戦線を組むか。


(;`ω´)「ドクオキエロドクオキエロドクオキエロ…………ブツブツ……」


なんか隣から忌々しい呟きが聞こえてくるぞクッソォォォ。
共同戦線どころかコイツ俺潰す気マンマンじゃねぇか畜生。

ってことはだ、こいつがはなっから俺を潰すつもりと言う事はこのゲーム、恐らく中止は不可能。
誰か一人になるまで終われないってことか。

とりあえずNGワード喋ったらアウトになるわけだしな。
ここは沈黙作戦といこうか。

112 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 23:33:23.54 ID:qHirDp130

('A`)「……」

DQNA「……」

( ^ω^)「……」

('A`)「……」

DQNA「……」

(;^ω^)「……」


そりゃそうだわな。
全員沈黙作戦に入るわな、当然。

117 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 23:37:17.68 ID:qHirDp130

(;^ω^)「……あのぉ〜」


沈黙を破ったのは内藤だった。


(;^ω^)「皆、とりあえず何か喋んないかお? そうじゃないとゲームが進まないお……」

('A`)(嫌だよ、何てったって……)

A(……喋らないことこそが必勝法なんだからな)

(;^ω^)「……このままじゃあゲーム終わんなくて僕等ずっとここに鎖で繋がれたままだお」


確かに内藤の言うとおりだ。
俺達は今、光る手錠によって身動きが取れない状態。

もうじき昼休みも終わるってのにこのまま動けないのでは話にならない。
かといって相手に下ネタを言わせる方法も無いし……


( ^ω^)「ドクオ」

('A`)「ん? なんだよ?」

( ^ω^)「悪いけど消えてくれお」

122 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 23:44:08.86 ID:qHirDp130

('A`)「ぜってーやだよボケ!」

(;^ω^)「いや、待つお! 提案があるお!!」

('A`)「あ? 提案って?」

( ^ω^)「僕はもう、今日はMP使い切ったから能力使えないお。でも、一晩寝ればまた使えるようになるお」
       そこでだお、強制テレポートで飛んでいったドクオを、僕がまたテレポーテーションで連れ戻すことも可能なんだお!!」

(;'A`)「マジ!?」

( ^ω^)「マジマジwww」

A「なにぃいぃぃい!?!?」

(;'∀`)「お前それならそうとさっさと言えよwww」

( ^ω^)「忘れてたんだおwwwじゃ、ドクオ、悪いけどその……消えてくれお。僕は消えるの嫌だお」


こいつはあくまで自分は消えたくないんだな畜生。
よく考えたらこいつが飛ばされても翌日自分でテレポートすれば良い話だろうが……

まぁ飛ばされた場所によっちゃあロクに安眠もできない事にもなりかねないか。
猛獣とか野蛮人とかいたらそうなる可能性も高い。
そうなるとMP回復すら危うい……となるとやっぱり俺が飛ばされたほうが良さそうだな。

126 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 23:46:35.13 ID:qHirDp130

('A`)「分かった、俺が消えるのは良いんだがな、お前大丈夫か? ここに残って」

( ^ω^)「お? どういうことだお?」

('A`)「どうって、お前DQNAにNGワード言わせる方法はあんのかよ?」

(;^ω^)「!」

DQNA「クククッwww俺は死んでも言わねぇぜ、NGワードはな!!www」

(;^ω^)「ドクオは……ドクオは何か考えがあるのかお?」

(;'A`)「いや、俺も特には……」

128 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 23:50:30.28 ID:qHirDp130

(;^ω^)「ぼ、僕がもし飛ばされて、もしロクに安眠も出来ない場所に飛ばされたらMP回復すら危ういからヤバイことになるお!」

(;'A`)「分かってるよそんくらい!! あぁもう読心できなくなるとなんか不便に感じるなぁもう!!」


だがマジでどうすればいい?
どうすればDQNAに下ネタを言わせられる?
俺にはその答えがどうしても出せなかった。


(;^ω^)「う〜ん……困ったお……これじゃあどちらか二人どころか僕等二人が飛ばされるという結果になり兼ねないお」

(;'A`)「DQNAだけが勝ち残ったら……マジでこのゲーム発動させた意味無いもんな」

A「ぎゃはははははwwwお前ら結局超能力とか使っても俺を倒せないんじゃホンット意味ねぇよなぁwwwww」

(#^ω^)「ばっっっ馬鹿にすんなお!! 専用AAすら割り当ててもらえないお前なんか絶対に僕が葬り去ってやるお!! 」

A「ほぉ〜う言ってくれるじゃねぇか!! じゃあやってみろやバーカ!!www」

(#^ω^)「やってやるお!! どんな手を使ってでも!! 僕はこのゲームを勝ち抜いてみせるお!!!!」

132 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 23:53:19.43 ID:qHirDp130

「う〜ん……困ったお……これじゃあどちらか二人どころか僕等二人が飛ばされるという結果になり兼ねないお」
 ↓
「う〜ん……困ったお……」
 ↓
「う〜んこまったお」
 ↓
「う〜んこ」
 ↓
「うんこ」


( ^ω^)「あ…………」

137 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/23(月) 23:55:28.47 ID:qHirDp130





  や  っ  て  し  ま  い  ま  し  た


             ( ゚ω゚ ) 






140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/23(月) 23:58:38.91 ID:qHirDp130

((;゚ω゚))「ブーンがあぁあぁあ死すともおぉおぉお自由はぁあぁ……死せz…………ぁぁぁ……!!!!」

内藤がなんか名言吐きながら消えていった。
せめて消えゼリフ位言い切らせてやりたかったな。


(;'A`)「……ってヤベェエェエェエこれで残るは俺とDQNAだけじゃねえか!?」

DQNA「へっへっへwwwついに俺とお前だけになっちまったなぁドクオwww」

(;'A`)「くッ……!」

DQNA「ぎゃはははwwwそれにしてもお前のお友達はとんだ馬鹿野郎だったなwww」


確かに。
あいつ結局自滅したわけだしな。
消えゼリフ名言だけどパクリだし第一意味わかんなかったしな。


DQNA「ほんっとあいつは昔のお前と一緒だよなwwwww」

('A`)「……なに?」

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/23(月) 23:59:41.38 ID:UJAVwoXj0
ドクオキエロは無しか?

144 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/24(火) 00:01:53.13 ID:4wrr8U470

DQNA「結局俺に痛い目にあわされて泣いてるだけのただのビビリだってことだよ!!www」

('A`)「……!!…………違う」

DQNA「あ?」

('A`)「あいつは昔の俺とは違う」

DQNA「んだとぉ〜?」

('A`)「あいつは……内藤はお前を前にしても逃げなかった。逃げずに俺を助けようとしてくれた。
    お前に虐められて泣いてただけの昔の俺とは大違いだ」

DQNA「……」

('A`)「あいつは自分を危険に晒してでも俺を助けようとしてくれた……あいつは……あいつは俺の」


('A`)「大切な友達なんだ!!」

DQNA「はっ!! 言ってろボケが!!www」

('A`)「そして俺も昔の俺とは違う!!」

145 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/24(火) 00:04:20.81 ID:4wrr8U470

DQNA「あぁ!?」

('A`)「今この場で! このゲームで! お前を完膚なきまでに叩きのめしてやる!!」

DQNA「ぎゃはははははwwwww出来るもんならやってみなwwwww」


……とは言ったものの……一体どうすれば勝てる?
一体どうすればこいつに下ネタを言わせられる?

落ち着け、落ち着いて考えろ。
まず内藤の言う『下ネタ』ってのは何だ?
一体どこまでの言葉ががNGワードに指定されているんだ?


DQNA「あ……! そうだドクオ」

('A`)「? 何だよ? 急に」

DQNA「『しりとり』しようぜ」

148 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/24(火) 00:06:03.96 ID:4wrr8U470

('A`)「……『しりとり』ぃ〜?」

A「あぁそうさ。しりとりだ。お前だってしりとりくらい知ってるだろ?」

('A`)「何を突然……?」

A「いやな、あの馬鹿が消える前にこのままじゃゲームは終わらないっつってたろ? 俺もそれもそうだなと思ったわけよ。
  でだ、特に話すことも無い。だが何か話さなければこのゲームは終わらない。そこで『しりとり』だ!!」

('A`)「ははぁ〜ん……成程な、それでミスってNGに引っかかった奴はあぼ〜ん……と」

A「そういうことだ」


DQNA、上手い事考えやがるな。
確かにそれなら少なくともゲームは展開する。
だが気になるのは、このしりとりの真の意義だ。

DQNAのこと、もしかしたら何かの作戦なのかもしれない。
しかしまぁこのままでは進まないというのも事実。
ここはこいつの案に乗るしかない……か。

150 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/24(火) 00:07:50.71 ID:4wrr8U470

('A`)(まぁ要は下ネタ言わなきゃ良いだけだしな。その間どうやってこいつを負かすか考えるか)

DQNA「じゃあ俺から行かせてもらうぜ!! しりとりの『り』!!」

('A`)「り……り……リアカーの『あ』!!」

DQNA「あ!?」

('A`)「あ、ほら、のばす所の」

DQNA「そうか、そうだな、『あ』だな。『アリ』!!」


そしてしりとりは続いていった。
同時に俺は頭の中でどうやって勝とうか考えていた。

まず何がNGワードに入るかということ。
今まで出たNGは「糞」「アナル」「うんこ」の3つ。
まぁ典型的な下ネタ三連発だが……これで分かるのは排泄物、及び体の部位はまずNGにされているということ。


(;'A`)(ん? でもちょっと待てよ?)

151 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/24(火) 00:09:35.72 ID:4wrr8U470

さっきDQNAは「しりとり」と言った。『しり』と言った。
だが罰ゲームは免れている。
つまり「しり」は『下ネタ』にはカウントされないということだ。

体の一部でもカウントされない部位があると言う事か。
いや待てよ? そう言えばさっきの内藤の「ドクオキ『エロ』」もセーフだったよな?
どうなってる?

つーかそう言えばこれって判定基準は全部内藤が決めてたんだっけ?
ってことはあいつが居ないとどれがアウトなのかとか全然分かんねーんじゃん。


(;'A`)(ぬぉおぉおぉおどうすりゃいいんだ全くぅうぅうぅう!?)

DQNA「おい! 何やってんだ? お前の番だぜ!」

('A`)「あ、あぁ、悪ぃ。で、なんだっけ?」

DQNA「まりの『り』だ!」

154 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/24(火) 00:12:21.61 ID:4wrr8U470

('A`)「おk、『り』な。り……り……り?」


待てよオイ。
また『り』か?
まさか……


('A`)「リ……理科」

DQNA「狩り!!」

(;'A`)「また『り』!? お前……まさか!?」

DQNA「ぎゃははははwww今頃気付いたかwwwそうだよ!! 俺は最初の『しりとり』から語尾に『り』と付く言葉しか出していない!!
     名付けて『"り"攻め攻撃』だwwwこれで俺はこのしりとりで負けることはねえんだよwwwぎゃっはははははwwwww」

(;'A`)「きっ、きたねぇ!!」


ところでDQNAよ、お前は重大な事に気づいていない。

 し り と り に 勝 っ て も 全 然 意 味 無 い ん だ よ 。

これが奴の真意か……なんか警戒して損したな。

156 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/24(火) 00:14:09.31 ID:4wrr8U470

('A`)(やっぱ馬鹿なんだなDQNって)

DQNA「何やってる! お前の番だ! 『り』!!」

('A`)「り……立法!!」

DQNA「うり!!」

(;'A`)「ウゼェ……!」


あ……そうだ、良い事思いついた。
こいつの特性……利用できるかも。


(;'A`)(やってみるか)

DQNA「早くしろよwww」

(;'A`)「リ……リトマス紙!」

DQNA「『し』か……し……し……『しり』はさっき言ったしな……」

('A`)「さっさとしろよDQNA、ペースが落ちてきてるぜ」

158 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/24(火) 00:15:59.23 ID:4wrr8U470

DQNA「あ? な……なんだと?」

('A`)「無駄口叩いてる暇があったらさっさと次の言葉を言えって事だよ!!」

DQNA「んだと!? ドクオのくせに!! 分かったよ!! こっからペースアップだ!! 『シコり』!!」

(;'A`)「(そうだ、それで良い……)リュック!!」


つーかオイオイ今こいつ『シコり』っつったのになんもねーぞ。
判定基準全然ワカンネーんだよあの馬鹿内藤がぁあぁあぁあ。


DQNA「くり!!」

(;'A`)「リミット!!」

DQNA「とり!!」

(;'∀`)(かかった!!)

163 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/24(火) 00:17:50.77 ID:4wrr8U470

よし、ここまでは俺の狙い通りだ。
後はあいつにあの「一文字」を言わせれば……


('A`)「リバース!!」

DQNA「え? ごめん聞こえなかったもっかい言って?」





(;゚A゚)「台無しだああああああああああ!!」

166 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/24(火) 00:22:49.95 ID:4wrr8U470

DQNA「ぎゃはははははwwwwヴァアアカwwww俺がそんな手に引っかかるとでも思ったのかよ?wwwww」

(;'A`)「思ってたけどね!!」


ぐぉおぉおぉおなんと言う失策
なんか「クリトリエ」っていう下ネタワードねぇのかよもぉおぉお


DQNA「お前の作戦ってのはバレバレなんだよwwwやっぱりドクオは何をやっても駄目だなwww」

(#'A`)「なん……だと!?」

DQNA「俺の作戦をバラした時点でお前が俺にクリトリスと言わせようとしていたのは分かっていた!!
   だからお前がその戦法で来る事には予め気をつけていたのだぁ――――――!!!wwwwww」





DQNA「あ……」


淡く、しかし確かにDQNAを白い光が包み込み始める。
まぁ結局の所だな、
やはりDQNはただの『馬鹿』ということだ。

171 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/24(火) 00:27:26.67 ID:4wrr8U470

DQNA「ぬわぁあぁあぁあぁあぁあ!?!?」


DQNAの体が完全に白い光に包み込まれた。
そして――――――


DQNA「ブルートゥスぅぅぅぅぅお前モ……ナー……ぁぁぁ……!!!」


なんだ? 最近去り際に名言パクるのが流行ってんのか?
それにセレクト訳分からんしちょっとリメイクしてるし……


('A`)「あ、手錠消えてる!」


それはもうDQNAが消えた瞬間だった。
俺の右手に付けられていた光の手錠が無い。
ということはやはり……俺はゲームに勝利したのだ。


('∀`)「やったぁ――――――勝ったぞぉ――――――!! 助かった――――――!!」


一人、誰も居ない5階で喜びの声を上げる俺。
そうして間もなく、一人だったと思い出す。

174 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/24(火) 00:30:19.55 ID:4wrr8U470

('A`)「でも……そうか……内藤はもう居ないんだよな……」


内藤ホライゾン、通称ブーン。
あ、そういえば通称で呼ぶの忘れてたな、まいっか。
今日初めて会ったばかりだったけど、良い奴だったな。


(;A;)「内藤……俺、勝ったよ! お前の仇、取ってやったぜ!!」


俺は天国の内藤にも届くように高らかに勝ちを報告してやった。


(#^ω^)「勝手に殺すなお!」

(;゚A゚)「うわぁあぁあぁあ!? ビックリしたぁあぁあぁあ!!」

175 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/24(火) 00:34:24.69 ID:4wrr8U470

突然背後から内藤が俺に話しかけてきた。
あれ? これなんかのデジャヴ?


(;'A`)「おおおおお前飛ばされたんじゃなかったのかよ!? もうMP尽きて帰って来れないんじゃなかったのかよ!?」

( ^ω^)「そうだお、僕は罰ゲームで飛ばされた、どこかも分からない、砂だらけの砂漠のようなところだったお」

(;'A`)「砂漠?……い、一体どこに飛ばされたんだ!?」

( ^ω^)「校庭のグラウンド」

(;゚A゚)「ちかっ!!」

178 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/24(火) 00:37:53.56 ID:4wrr8U470

( ^ω^)「いやぁーwww運が良くて助かったおーwww」

(;'A`)「つーかマジで運が良かっただけだじゃねーかよ! 運悪かったらどうするつもりだったんだ!?」

( ^ω^)「なぁーに言ってんだおwww運も実力の内wwwだおwww」

('A`)「……ってことはDQN組もグラウンドに?」

( ^ω^)「いや、彼らは居なかったお。それに、『病みのゲーム』のランダム設定は本当にランダムで規則性が無いから、
       どこに飛ばされたのか把握するのは難しいお」

('A`)「そっか……」




('∀`)「いい気味だなwwwww」

( ^ω^)「おっおっおっwwwww本当だおwwwww」

182 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/24(火) 00:43:45.96 ID:4wrr8U470

('∀`)「ははっwww良かった、内藤が無事でwww心配してたんだぜーwww」

( ^ω^)「あぁ、実は飛ばされた直後、そこがグラウンドだって気付いて、すぐにまたここまで戻って来てたんだお」

('A`)「あれ? そうだったのか?」

( ^ω^)「うん、それで、陰に隠れてゲームの経緯を見てたお」

('A`)「……!」

( ^ω^)「そこで、ドクオの台詞も全部聞いたお」

('A`)「えっ?」

( ^ω^)「『あいつは俺の大切な友達だ』……って」


ってかな、お前それもっと早く出てきてくれれば判定基準も分かって楽にゲームを進められたんだよ。
まぁ済んだことだし、いっか。
それにしても……あの台詞を聞かれてたとはな……ちょっぴり恥ずかしいぜ。


(*'A`)「よっ……よせよwww照れるじゃねぇかwww」

( ^ω^)「正直、臭すぎて引いたお」

(#'A`)「……」

184 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/24(火) 00:45:52.46 ID:4wrr8U470

( ^ω^)「……だけど嬉しかったお」

('A`)「!!……内藤」

( ^ω^)「ドクオ……僕、ドクオに消えてくれとか、酷い事言っちゃったお、謝るお。だけど、だけど僕はまだドクオと友だt……」

('A`)「友達だよ!!」

( ^ω^)「……え?」

('∀`)「何も言わなくて良いよ、俺らは友達だ。その事には何ら変わりはねぇよ!」

(*^ω^)「おっwwwありがとうだおwww僕ら友達だおwww」

('∀`)「おうwww」

185 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/24(火) 00:47:19.59 ID:4wrr8U470

その時、昼休み終了のチャイムが廊下に鳴り響いた。


('A`)「おっ、チャイム鳴っちまった! 教室帰るぞ内藤!」

( ^ω^)「おkwww帰るお帰るおwww」





そうしてこいつ、『内藤ホライゾン』の学校生活が始まったのである。


(*^ω^)「www夢wがwひwろwがwりwんwぐwww」

186 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/24(火) 00:48:05.02 ID:4wrr8U470

DQNA「ぅぅ〜……こ……ここはどこだ?」

DQNB「あれ? DQNAじゃねぇか!?」

A「おぉDQNB! お前もここに飛ばされたのか!」

DQNC「おーい! A〜! B〜!」

A「おぉDQNC! お前も一緒か!」

B「良かった! 皆一緒だぜ!」

A「転入生の奴だけ別の場所に飛ばされたみたいだな」

C「ほんとだwww」

B「いい気味だなwww」

A「だなwww」

187 名前:作者 ◆CSueav5yL2 :2007/07/24(火) 00:51:30.64 ID:4wrr8U470

B「つーかさ、ここ……どこだろ?」

A「さぁ、分かんねぇ、見たことも無い場所だが……」

C「あ、あの人! 現地人っぽくね? あの人に聞いてみれば良くね?」

A「あの〜、すいません」

現地人「ン?」

A「ここ……何て言う場所ですか?」

現地人「マダガスカル」

ABC「……」





第一話 後編

 〜終〜


次へ  目次 inserted by FC2 system