( ^ω^)ギターオリエンテッド・ライフのようです('A`)
1 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 18:27:33.36 ID:MwgptZmb0



     oriented   【形容詞】

     ~志向の、~を重視した、~に関心がある



 

2 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 18:31:52.30 ID:MwgptZmb0
昔々あるところに、
具体的には一九七〇年代のアメリカはフロリダ州に、
二人の少年がいました。

( ^ω^)

一人の名をブーン。

('A`)

もう一人の名をドクオといいました。

二人は同じ町のスクールに通うクラスメイトでした。

( ^ω^)「スーパーボール凄かったお!」

('A`)「俺もあの観衆の前でプレーしてみてえええええ」

フロリダはアメフト人気の特に強い地域。
二人の夢もまたNFLでスター選手になることでした。

4 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 18:36:42.00 ID:MwgptZmb0
そんなどこにでもいる普通の少年。
ですが、十歳を迎えた頃、彼らはギターを手に取ります。

きっかけは一九七八年に発売されたヴァン・ヘイレンのファーストアルバム。

('A`)コリャ スゲェヨ

( ^ω^)ウハwwwww

そこに収録された自由奔放に駆け巡るエドワード・ヴァン・ヘイレンのギタープレイに、
二人はすっかり魅了されてしまったのです。

('A`)「かーちゃんギター買って! エレキのやつ!」

( ^ω^)「ブーンはロックに目覚めてしまったんだお!」

そして念願のエレクトリックギターを手にした二人は、
放課後になると毎日のように、拙いながらもジャムを繰り返しました。

(;^ω^)「個人練習もするべきだお」

6 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 18:43:18.67 ID:MwgptZmb0
ドクオは安物のストラトキャスターのコピーモデル、
ブーンに至ってはジャンクパーツに盗んだピックアップを組み合わせたギターでしたが、
彼らにとってそれは最高のおもちゃでした。

('A`)「見よ! この俺の熱いギターソロを!」

( ^ω^)「うはwwww僕ずっとコード弾いてるだけwwwwセツナスwwwww」

二人のギタートレーニングに関する方式は少々異なっていました。
ブーンは曲全体を通して覚えながら練習し、
ドクオは様々な曲のギターソロを片っ端からコピーしていました。

ですから二人がジャムをする時は自然とブーンがバッキング、
ドクオがその伴奏に合わせてアドリブでソロを入れるというかたちになっていました。

( ^ω^)「ドクオうますぎるお! プロになれるお!」

('A`)「お前が乗せてくれるからだって」

いつしか二人の夢は全米最高のアメフトプレイヤーではなく、
世界一のギタリストへと変化していったのです。

11 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 18:50:56.85 ID:MwgptZmb0
時が経ち、ミドルスクールへ進学すると、
いよいよブーンは共通の趣味を持つ仲間を集めてバンドを結成します。

(;^ω^)「リードギターが三人もいるお」

その中で一番目立っていたのはブーンでした。

あまりにも目立ちすぎたので、地元の有力バンドに引き抜かれてしまいました。
その時まだブーンは十四歳でした。

( ^ω^)「ちょ、僕って天才なのかもしれんお」

ブーンは才能溢れる若者で、
彼が紡ぎだす流麗なメロディーはライブハウスに集まった観客を虜にしました。
そして何より、ライブでのパフォーマンスに優れていたのです。

( ^ω^)「おら! ピックの雨だお受け取るお!」

若きギタリストブーンの噂はすぐに広がり、
フロリダでは少々名の知れた存在になっていました。

14 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 18:57:28.41 ID:MwgptZmb0
一方ドクオはというと、学校にはほとんどいかなくなり、
家で一人ひきこもってギターの練習に励む日々を送っていました。

('A`)「誰よりも弾きまくらなきゃ……プロになるためには……」

彼はとにかくギターの腕を磨くことに執心していました。

ギターがうまくなるには頑張るしかない。努力は必ず成果に結びつく。
そう信じて来る日も来る日もフィンガーボード上に指を走らせ続けました。

右手のピッキング、左手のフィンガリング、このあたりは基礎の基礎。
ハンマリング、プリング、トリル、チョーキング、ビブラート、
こういった必須科目といえるテクニックだけでなく、
ギターブリッジ部分のトレモロユニットを利用して激しい音程差を生み出すアーミング奏法、
右手の指を使って押弦してトリッキーな音使いを可能にするタッピング奏法など、
様々な技術を身につけていきました。

それだけにとどまらず、スケールやコードといった音楽理論も独学で勉強しました。

(;'A`)「これはちょっと大変……」

同級生たちが遊びに出かけている間、
ドクオは黙々と自分のギターテクニックを成熟させていたのです。

18 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 19:03:50.14 ID:MwgptZmb0
一九八三年、ギタリストたちの間でショッキングな事件が起きます。


j∬-●3●)ハギュイーン ピロリロリロリロ♪


スウェーデンからアメリカに活動の場を移してきた、
八十年代最高の革命児イングヴェイ・J・マルムスティーンの登場です。

どこまでも優雅でメロディアスなフレーズを、
恐るべきスピードで弾くイングヴェイのギタースタイルは、
それまでに誰も経験したことのない衝撃的なものでした。

彼によって、多くのギタリストが転換期を迎えることになったのです。

('A`)トンデモナイノガ デテキタ

( ^ω^)テラスゴスwwwwwwww

もちろん、二人もまた例外ではありませんでした。

21 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 19:10:35.31 ID:MwgptZmb0
('A`)「俺の時代が来た!」

そう思ったのはドクオでした。
彼は十五歳になる頃には、過酷な練習の甲斐あって相当な腕前になっていたのです。

('A`)「イングヴェイの曲をマスターするぞ!」

それはドクオにとってはそう難しいことではありませんでした。
最新の速弾きテクニックも身につけたドクオは、とうとう本格的なアプローチを始めます。

('A`)「曲を作って……演奏して……テープに録音して……」

自宅でデモテープを製作すると、それをレコード会社へと送ったのです。
ちょうどこの時期、イングヴェイの成功の影響もあって、
各レーベルが新たなギターヒーローを模索していたのも追い風でした。

そして一本の電話がドクオに届きます。

('A`)「マ、マジですか!」

とあるプロデューサーの目に止まり、レコーディングが決まったのです。

24 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 19:20:58.88 ID:MwgptZmb0
ドクオはしばらくの間フロリダを離れ、
テキサスのスタジオに滞在してソロアルバム作りにかかりました。

('A`)「スタジオミュージシャンってうまいなぁ」

ですがドクオもテクニックを認められてやってきたのですから負けてられません。
完璧なギター演奏でそれに応えました。

曲は前もって用意しておいたものが六トラック、
それに新たに作曲した三トラックを加えて、全九曲の収録を完了させました。
わずか一週間ほどの作業です。

( ・∀・)「ミックスダウンが終わったら発売するよ。
      なにせ全編インストゥルメンタルという実験的な作品だからね。
      僕らも慎重に扱いたいんだ」

('A`)「楽しみにしてます」

そして数ヶ月ほどの期間が空いた後、アルバムの販売が決定。
ドクオがついに音楽業界でデビューを果たしたのです。

これが一九八五年の出来事、この時ドクオはまだ若干十七歳の俊英でした。

27 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 19:27:45.74 ID:MwgptZmb0
このデビューアルバムがドクオの想像を遥かに上回るセールスを記録します。

('A`)「えっ、マジでそんなに売れたんですか!?」

時代が更なるギターヒーローを求めていた表れでしょう。
あらゆるテクニックを完璧に使いこなすドクオは、まさにその願望に合致していたのです。

これに気を良くしたドクオはロサンゼルスに移住を決め、
自身のバンド『スーサイド』を結成し本格的な音楽活動を開始しました。

('A`)「俺はここで一花咲かせるぞ!」

ところがそう全てがうまくいくわけではありませんでした。

ステージに上がって観客の前で演奏を披露したことのないドクオにとって、
ライブとは思った以上に難しいものでした。

(;'A`)「き、緊張で指が全然動かない……」

バンドの初ライブでいきなり醜態を晒してしまい、ドクオは大いに落ち込み、
そして素晴らしいプレイを期待していたファンは失望しました。

31 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 19:34:41.28 ID:MwgptZmb0
しかしこれでくじけるドクオではありません。

('A`)「慣れてないなら、慣れればいい!」

いつだってそうして困難を乗り越えてきました。

ドクオは、ギターヒーローという肩書きに甘えず、
毎晩ライブハウスで自分のメンタルを鍛えていきました。

('A`)「俺のギターを聴けやあああああああああ!!」

何十回も、何百回も人前で演奏を続けるうちに、
ドクオは佇まいさえもギタリスト然とした堂々たるものになっていったのです。

結果、ドクオは音源と遜色ないギタープレイを聴かせられるようになりました。
元々持っていた能力がずば抜けて高かったためでもあるでしょう。

イングヴェイ以降、こうしたドクオのようにまだ見ぬ強豪や隠れた凄腕が続々とデビューし、
第二次ギタームーブメントと呼ばれる流行が一大勢力を築いていきました。
その最前線にドクオは立っていました。

33 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 19:42:58.56 ID:MwgptZmb0
さてそんな動きが沸き起こる最中、
フロリダではブーンもまた自分がリーダーを務めるバンド『ホライゾン』を結成し、
違うレーベルからメジャーデビューしていました。

( ^ω^)「億万長者への第一歩だお!」

ですが、ブーンのアルバムはちっとも売れません。

(;^ω^)「な、なんでだお」

自分が認め、そして尊重し合える仲のメンバーと組んだ理想のロックバンド。
ブーンも持てる才能の全てを注ぎ込みました。
事実ホライゾンの曲はどれも素晴らしく、ライブの評判も上々でした。

なのに全く売上には繋がりません。

というのも、八十年代も半ばを過ぎた頃にはアメリカで売れるロックとなると、
奇抜で華やかなファッションと底抜けに明るくキャッチーな曲調をウリにしたLAメタル、
攻撃性を前面に押し出して根強い信者を獲得するスラッシュメタル、
そして超絶ギタリストの参加作品、
この三つほどしか残されていなかったからです。

36 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 19:51:35.19 ID:MwgptZmb0
( ^ω^)「みなさーん、僕らのアルバム買ってくださいおー」

ライブ会場でアルバムを手売りする日々。
このままではせっかく勝ち取った契約を打ち切られてしまいます。

(;^ω^)「まずいお。これは本格的にまずいお」

ブーンはここで一大決心をします。

( ^ω^)「このバンドは解散しまーす」

鶴の一声で行き詰まっていたバンドの解散をメンバーたちに告げると、
ブーンは数ヶ月間人知れず潜伏します。

( ^ω^)「どうせ契約破棄されるならこっちからしてやるお」

そしてブーンはギターと向き直し、徹底的な練習をスタートさせました。
流行を追って技巧派ギタリストとして生まれ変わることに決めたのです。

(;^ω^)「むずすぎわろす」

とはいえセンスのいいブーンですから、なんとか修練を積んで技術を自分のものにしました。

37 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 19:58:34.68 ID:MwgptZmb0
( ^ω^)「速弾きは楽しいお!」

単純に表現技法が増えたわけですから、
とめどなく溢れ出すブーンのアイディアはどんどん具現化されていきます。

特殊なテクニックはあまり多用しませんでしたが、
フレーズ自体のよさやソロの構築力、
何よりも曲で勝負できるだけのブーンには技量がありました。

(;^ω^)「ボーカル解雇しちゃったからデモでは僕が歌わなきゃならんお」

そうして製作したデモテープをもう一度同じレコード会社へと持ち込みました。

( ゚д゚ )「……いい! 売れる! 再契約!」

( ^ω^)「ktkrwwwwwwwwww」

そして順調にレコーディングを済ませ発売されたブーンのソロアルバムは、
これまたギターファンの注目を浴びてスマッシュヒットを記録。

ドクオから遅れること二年、ついにブーンも花形ギタリストの仲間入りを果たしたのです。

39 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 20:06:20.02 ID:MwgptZmb0
ブーンはフロリダで、ドクオはロサンゼルスで、
それぞれの拠点で二人は知名度を上げていきました。

そんな彼らをよそに、マニアの間では勝手な議論が繰り広げられていました。


――ドクオのテクニックは文句なしにナンバーワンだ。

――それにトーンもとても綺麗だ。

――よく聴くとブーンはそんなに上手くない。

――だがブーンのほうがいいフレーズを弾く。

――その上奴のライブはピカイチだ。


誰が最高か、誰が最速か、
ファン同士でちょっとした派閥争いが起こっていました。
ですがそれは裏を返せば、ギターへの関心が最高潮に達している象徴でもあったといえます。

(;^ω^)「悪かったお、へたくそで」

42 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 20:12:37.10 ID:MwgptZmb0
一九八八年、ドクオはとあるビッグフェスへの参加が決まります。

('A`)「俺もここまで来たか……」

齢二十にして当代屈指のギターテクニックを誇ると称されているドクオ。
なにせ弾けないギターソロというものはほとんどなく、
それら全てを吸収してしまえたからです。
彼の演奏はもはや曲芸の域にまで達していました。

ドクオは、自分こそが世界最高のギタリストだと信じて疑いませんでした。

そんな中。

('A`)「あっ、あれはイングヴェイじゃないか!」

フェスが開幕する数時間前、
なにやらイングヴェイがバンドのメンバーと揉めているところを発見しました。

(;´・_ゝ・`)「もうたくさんだ! 俺は辞めてやるからな!」

j∬#-●3●)ハ「言われなくても、お前はクビだ! クビ!」

44 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 20:19:59.86 ID:MwgptZmb0
何があったかは不明ですが、本番直前だというのに喧嘩が勃発しています。
もっともイングヴェイは性格に難があることでも有名な人物で、
自分のわがままでメンバーを解雇するということは日常茶飯事でした。

('A`)「まーたやってんのか、あの人は……」

ドクオは常々、イングヴェイの元を去っていくボーカルをもったいないと思っていました。
こと音楽に関してイングヴェイが天才であることは間違いのないことで、
そのイングヴェイに認められたのですから、素晴らしい声の持ち主ばかりなのです。

だから、もったいない。

('A`)「俺と組んでくれたりしないかな」

ちょうど現在のスーサイドのボーカルに限界を感じていたところなので、
これは願ってもないチャンスだとドクオは思いました。

('A`)「よう、ちょっといいかい」

ドクオはイングヴェイに背を向けて控え室へと向かうボーカルの男に、声をかけました。

46 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 20:27:11.87 ID:MwgptZmb0
('A`)「イングヴェイのバンドを辞めるなら、俺と組んでみないか?」

(´・_ゝ・`)「お前と?」

('A`)「そうだ。大丈夫。絶対に不満なんて感じさせないよ。
   俺はイングヴェイのソロならなんだって弾けるからね」

それは誇張ではなくまったくの事実でした。
ドクオ自身、自分は既にイングヴェイを越えたという自負を持っていました。

j∬-●3●)ハ「ハッハー! 面白いことを言うじゃないか!」

そこへイングヴェイが寄ってきました

j∬-●3●)ハ「確かに君なら俺のソロなんて簡単に弾けるかもしれない。
         そういう奴はいくらでもいたよ。でもそいつらに対して、俺はこう言ってやるのさ。
         『だったら君は自分のソロが弾けるのか?』ってね」

('A`)「!」

ドクオはその言葉にはっとしました。

47 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 20:34:53.27 ID:MwgptZmb0
思えば、ドクオは模倣によって現在の自分を作り上げてきていました。
では自分の個性とは何かというと、あえて挙げるならば卓越したテクニック。

('A`)(でもそれは個性とは言えるのだろうか?)

練習すれば報われる。
そう信じて邁進してきた。
弛まぬ努力の代償として得ただけではないかと、ドクオにはそんな思考が渦巻いていました。

結局ドクオが誘った男はイングヴェイと和解し、
スーサイドのボーカルチェンジはなかったことになりました。

('A`)「自分のソロか……」

フェスが始まり。ステージ上で歓声に負けない轟音でギターをかき鳴らしても、
ギターソロをCDと寸分違わない正確さで弾き切っても、
そのことばかりが頭に浮かんでしまいます。

ドクオは自分らしさという幻影に取りつかれたのです。

50 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 20:42:04.86 ID:MwgptZmb0
一方のブーンはのんきなものでした。

( ^ω^)「ちょwwwかっこいい進行思いついたwwww即メモwwwww」

自分の好きなことを好きなようにやる。
それだけで固定のファンがついてくれるのですから楽しくて仕方がありません。

( ^ω^)「よーしみんなー! 一曲目から飛ばしていくおー!」

ライブは毎回大盛況。
ブーンの華々しいステージングと、
力強いフルピッキングによる速弾きは世のギターキッズの憧れになっていました。

(;^ω^)「結局ボーカル見つからなかったから僕が歌うんだけど」

歌はさほど評価は高くありませんでした。


ですが、ブーンは内心、いつまでこの状況が続いてくれるか不安でした。
ブームは一過性のものですから、いつか終焉が来てしまいます。

53 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 20:51:29.12 ID:MwgptZmb0
九十年代に入ると、またロック業界に革命が起こります。

シアトルを活動拠点とするニルヴァーナの大ブレイクを契機とした、
いわゆるグランジブームの到来です。

シンプルでルーズなグランジの登場は、
パーティーロックを貫いていたLAメタル勢とは真っ向から対立し、
また技術の進化を追いかけていたギタリストたちにとっても逆風でした。

ブーンやドクオたちがやっていた音楽スタイルは『ただ速いだけ』と一蹴され、
すっかりギター至上主義の熱も冷めていきました。

('A`)ダメダコレ

( ^ω^)キャクガコナイ

ドクオは給料支払いの問題からスーサイドを解散し、ソロ活動を開始します。
元より一人でやっていたブーンは今まで通りでしたが、
いずれにせよあまりいい状態とは呼べませんでした。

55 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 20:59:45.59 ID:MwgptZmb0
スラッシュメタルはというと、メタリカの通称『ブラックアルバム』の驚異的セールスを受けて、
アグレッシブさやスピードより、ヘヴィさやグルーヴに比重を置き始めました。

これらもあってか、ギターのチューニングを下げたり、
あるいは七弦ギターと呼ばれる低音側にもう一本弦を追加したギターを使い、
圧倒的に重い音楽を創造するモダンヘヴィネスと呼ばれる面々が台頭してきます。

('A`)「こっちの音楽性を取り入れてみようか……」

自分の進む道を模索していたドクオは、とりあえず流行に乗ってみることにしました。

しかしこれがいけませんでした。
出来たアルバムは本物のバンドには到底太刀打ちできるような代物ではなかったし、
応援し続けてくれた古くからのファンも突然の路線変更にがっかりして離れていきました。
結果として大失敗と呼ばざるを得ない、ひどい有様でした。

('A`)「ああ……どうすればいいんだ」

八十年代には隆盛を誇ったドクオもだんだん表舞台から姿を消していき、
次第に人々の間から忘れられていきます。

58 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 21:06:41.07 ID:MwgptZmb0
ブーンはというと退屈な日々を送っていました。

( ^ω^)「気持ちいいメロディーのない音楽なんてつまんないお」

新しく出てきた音楽はどれもブーンの好みには合いませんでした。

仕方なく自分自身の活動は休止。
その代わりポップシンガーやアイドル歌手に変名で曲を提供していました。
ブーンのメロディーセンスは稀代のものでしたから、どれもそこそこのヒットになります。

けれど作曲に使うのはもっぱらギターではなくピアノ。
収入はそれなりにありましたが、鬱憤の溜まる毎日でした。

そんなある日のことです。

( ^ω^)「今日は久々にセッションマンとしての仕事だお!」

ブーンは某ロックバンドのゲスト奏者として参加することが決まりました。
数年ぶりにギターをレコーディングできるとあって腕が鳴ります。

( ^ω^)「待機時間なげぇwwwww」

61 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 21:17:30.56 ID:MwgptZmb0
( ゚∀゚)「悪いねブーン。暇潰しに俺が持ってきたCD、適当に聴いててよ」

バンドのベーシストにそう言われ、渋々オーディオを起動します。
彼が持ってきたものはアメリカ以外のロックミュージックばかり。

( ^ω^)「ヨーロッパの音楽ってあんまり聴いたことないお」

初めて聴くユーロロックはクラシックが発展している土壌の関係もあるのか、
現在のアメリカの音楽より随分と旋律的で、ブーンも嫌いではありませんでしたが、
これといって目新しくはありませんでした。

しかしながら、ある一枚を流した時に、ブーンは大いなるショックを受けます。

(;^ω^)「こ、これは!」

攻撃的、というより最早獣のように暴力的な、割れて裂けて潰れたボーカルスタイル。
そこに絡む美しいとしか表現しようのないメロディアスなギターのフレーズ。
それらが、まさしく美と醜の対比となって感動的な楽曲を織り成していく。

衝撃的な音象にブーンは耳を奪われました。

64 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 21:24:44.60 ID:MwgptZmb0
( ^ω^)「このコントラストはやばいお!」

( ゚∀゚)「気に入った? なんかそれ、最近ヨーロッパで生まれたっぽいんだけど」

それこそが北欧を中心として盛り上がりつつあったメロディックデスメタルという音楽でした。
ブーンが聴いたのはアモルフィスの『テイルズ・フロム・ザ・サウザンド・レイクス』。
このジャンルの黎明期の代表的なアルバムです。

激しく、そしてどこか甘く切ない。

( ^ω^)「これは僕もやってみたいお……」

ブーンは一気に興味を示しました。

( ^ω^)「決めたお! 僕もヨーロッパに行くお!」

決定するや否や、ブーンは単身スウェーデンへと渡りました。

持参したのはギターとその他機材のみ。
ゼロからの再出発でした。

67 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 21:32:30.41 ID:MwgptZmb0
(;^ω^)「さみいいいいいいいいい!!」

ブーンが生まれ育ったフロリダの気候は年中温暖でしたから、
ここスウェーデンの凍てつくような寒気はブーンもさすがに参りました。

( ^ω^)「だからってのんびりしてらんないお。
      まずは一緒にバンドをやってくれる連中を探すお」

その日からブーンのライブハウス巡りが始まりました。
誕生したばかりのジャンルですから、まだまだアンダーグラウンド、
小さな箱をコツコツ当たって逸材の発掘を目指します。

( ^ω^)「お? こいつはなかなか……」

いくつかのバンドを見て回った中で、一人お眼鏡に適ったボーカルがいました。

(,,゚Д゚)「ディィィィザイ゛ア゛ア゛アアァァォォオ゛オ゛ウウ!!」

ただ潰れた声で叫ぶだけではなく、感情を込めて歌うことの出来るいいボーカルでした。

( ^ω^)「僕とやろうじゃないかお!」

69 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 21:42:49.17 ID:MwgptZmb0
腐ってもかつてギターヒーローとして鳴らした男ですから、
ボーカルの若者もブーンのことを知っていて驚いていました。

(,,゚Д゚)「是非やろう!」

二つ返事で了承し、それまでいたバンドのベースを引き連れてやってきてくれました。
ドラムは以前欧州でツアーをした際に共演したことのある腕利きのスタジオミュージシャンを誘い、
サイドギターはオーディションで決め、
いよいよブーンの新たなバンドが始動しました。

( ^ω^)「バンド名は……寒いから『シベリア』にするお!」

何もかもが新鮮で、ブーンの創作意欲は頂点に達していました。

( ^ω^)「うはwwwwなんぼでも書けるこれwwwwタノシスwwwwww」

エッジの効いた鋭いギターリフ。
慟哭のようなデスボイスボーカル。
無限に湧き出る高品質なメロディー。
そして八十年代仕込みのテクニカルなギターソロ。

何をとっても高水準で、たちまちシベリアは地元の人気バンドへと成長しました。

73 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 21:53:30.23 ID:MwgptZmb0
( ^ω^)「レコーディングですか!? ぜひともお願いしますお!」

評判が評判を呼びレコード会社と契約。
地下からスタートしたバンドとは思えぬほどトントン拍子でことが運びました。

( ^ω^)「凄い作品を作ってやるお!」

ブーンが中心となって、各々がアイディアを持ち寄りアルバム製作に取りかかります。

(;^ω^)「え? クリーンパートは僕が歌う? それはやめたほうがいいと思うお」

充実の内容のファーストアルバムが完成しました。

このデビュー作は欧州だけではなく、アメリカでも一部で注目を浴びました。
ギターにクレジットされている名前を見ればそれも当然といったことでしょう。
もちろんそれはブーンの八十年代の活躍あってのことですが。

( ^ω^)「やっぱり過去の遺産は大事だお」

この時一九九六年。
ブーンは28歳。まだまだ老け込む年齢ではありませんでした。

77 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 22:01:29.63 ID:MwgptZmb0
二〇〇〇年にもなると、
既に音楽のジャンル分けという行為自体が虚しいものになっていました。
それだけ音楽の多様性が進んだのです。

('A`)「今月はライブのサポートかー」

ドクオはこの時期創作活動から離れ、
スタジオやライブ会場で活躍するセッションマンとして収入を得ていました。

元々兼ね備えているテクニックが抜群で、
おまけに他者のコピーに明け暮れたおかげで様々なスタイルに対応できるのですから、
これほど便利な人材はいないとして業界内で重宝されていました。

('A`)「もしかしたら、これが俺の個性なのかもな」

自分にはなれなくても、誰にでもなれるのならば、それはそれで唯一無二と言えましょう。

人はただうまいだけと揶揄するかもしれません。
しかし、その『うまいだけ』ということがどれだけ凄いか。

ドクオは段々、自分のギター演奏能力に対する自信を取り戻しつつありました。

81 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 22:09:36.59 ID:MwgptZmb0
('A`)「教則ビデオですか?」

そんな話がドクオの元に転がり込んできました。

('A`)「そういうの、十年ちょい前には俺も流行に乗じて出しましたけど、
   でも今ってそういうの需要ないんじゃないですか」

( ・∀・)「いやいや、ところがそうでもないんだよ。
      うまいギタリストを志す者、特に少年たちにとっては、
      まだまだギターヒーローは必要なんだ」

そう、それはいつの時代も変わらないのです。
大衆的な人気はなくなっても、プロを目指すギターキッズにとっては、
きちんとした技術を持っているギタリストは永遠の憧れなのです。

中でも『プロが認めるプロ』としてドクオに依頼が来たということでした。

('A`)「でしたらやりましょうか」

ドクオは自分が持ち得る理論と練習法、フレースサンプルをビデオの中で最大限教え、
そして未来のミュージシャンに向けてメッセージを贈りました。

('A`)「ギターは楽しい。楽しいことなら、いくらでも続けられるんだ」

84 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 22:19:51.64 ID:MwgptZmb0
このビデオは主に楽器店に置かれ、多くのギタリストたちの指針となりました。

('A`)「俺もまだまだ捨てたもんじゃないな」

気をよくしたドクオは仕事の傍ら、こっそりと自宅で作曲と録音を再開しました。
今はパソコンを使ってラインでレコーディング作業を行えるので、
人知れず自分が楽しめる曲をどんどんストックしていきました。

(-@∀@)「今度の楽器ショウでデモンストレーションをやらないかい?」

('A`)「面白そうですね」

(´・ω・`)「うちからトリビュートアルバムが出るんだ。君も一曲どう?」

('A`)「ぜひとも」

この頃裏方ではなく、ドクオ名義での活動が多くなってきました。

ドクオは周囲の人間に恵まれていました。
いくら落ちぶれたとはいえ、それは時代に愛されなかっただけ。
このままドクオというギタリストを眠らせるのは惜しいと、皆が働きかけていたのです。

87 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 22:26:47.92 ID:MwgptZmb0
( ・∀・)「久しぶりにソロアルバムを出してみない?
      若い子達の間で人気が出てきたみたいなんだ」

('A`)「その言葉を待っていたんです」

二〇〇二年のことです。やっとか、という想いでした。

('A`)「ただし全トラック趣味ですよ?」

デビューした一九八五年以来、
十七年ぶりにドクオのオールインストゥルメンタルアルバムが作られました。
あの頃と比べるとちょうど年齢が倍になっていました。

(;'A`)「やべぇ、俺史上最高に弾きまくってしまった」

これがギターマニアの間で大いに受けて名盤と呼ばれました。
セールス的には地味な結果に終わったものの、ドクオ自身は満足だったようです。

('A`)「こんなもんだろ」

新たに使用ギターのエンドース先、いわゆるスポンサーも付き、
九十年代にこさえた借金も完済が近づいていました。

89 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 22:33:36.03 ID:MwgptZmb0
その頃のブーンはというと。

( ^ω^)「次は頭をガンガン触れるナンバーだお! 途中離脱は許さないお!」

ギターをメインに据えた音楽が復権しつつある中で、
欧州屈指のスターバンドへとのし上がったシベリアで存分に腕をふるっていました。

川 ^ω^)「バンドのみんなの真似して髪も伸ばしてみたんだお」

不評だったのでツアーが始まったら短髪に戻しました。

けれどもまったくの懸念材料がなかったわけではありません。

( ^ω^)「さすがに煮詰まってきた感はあるお……」

これだけ長くひとつのジャンルに集中して曲を作り続けたのは初めてのことでした。
ブーンは未だに素晴らしいメロディーメイカーですが、
湯水のように溢れ出ていたアイディアが少しずつ枯渇しつつありました。

( ^ω^)「なにか刺激がほしいお」

91 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 22:40:48.41 ID:MwgptZmb0
ツアー巡業でフランスに訪れた時のことです。

( ^ω^)「今日はどんなロックが聴けるかお」

前座は大抵地元のバンドが務めます。
その土地土地での音楽性を知るために、ブーンは毎回この前座の演奏を見学していました。
もちろんシベリアの前座ですから、メロディックデスメタルのバンドであることが多いです。

ところがこの日は違いました。

( ^ω^)「あん? なんじゃこりゃ?」

転調を繰り返す複雑な曲展開。
ドラムはころころと拍子を変え、リズムを追いかけるだけでも精一杯。
歌詞も難解でブーンの頭では理解できませんでした。

( ^ω^)「あれかお。プログレッシブってやつかお」

この手のバンドの宿命で、全員が恐ろしいほどの演奏技術を持っていました。

93 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 22:48:43.35 ID:MwgptZmb0
特にギタリストの腕前には目を見張るものがありました。

(;^ω^)「なんじゃあいつ。イカれてるのかお」

<_プー゚)フ「……」

ステージの左端で黙々とテクニカルなフレーズを連発するギタリストは、
まだ若く、ティーンエイジャーだと思われるルックスでした。

( ^ω^)「これが天才というものなのかお……」

ブーンは圧倒されました。
これまで見てきたギタリストの中でもトップクラスにうまい。
ブーンが世界で一番うまいと思っているドクオと並ぶか、ひょっとしたらそれ以上かもしれない、
強烈なインパクトを残す演奏でした。

( ^ω^)「ブラボー!」

シベリアのライブが終わった後、ブーンは残って観客として見ていた青年に語りかけました。

( ^ω^)「僕は感動したお! 一回僕らとジャムってくれないかお?」

95 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 22:57:06.30 ID:MwgptZmb0
ですが青年は英語が出来ず、母国の言葉しか喋れないようでした。

( ^ω^)「そんなもん気にすんなお! 僕らには音楽がある!」

その一声で即興演奏が始まりました。

( ^ω^)「昔、僕にはとっても不器用な友達がいたお。
      そいつは口下手だったけど、僕が伴奏を弾くと気分よくギターで語ってくれたお」

ブーンの歯切れのいいバッキングに青年が煌びやかなフレーズを乗せていきます。
想像よりも遥かに心地よく、息の合ったジャムでした。

( ^ω^)「僕のバンドにこないかお?
      僕がサイドギターに移るから、君にリードギターをやってほしいんだお」

青年は一瞬躊躇しましたが、在籍していたバンドの後押しもあり、シベリアに加入。
こうしてまたブーンに作曲におけるインスピレーションが湧いてきました。

( ^ω^)「あ、前任者はクビで」

100 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 23:00:34.40 ID:MwgptZmb0


      〃⌒⌒ ヽ
      イ ノ ⌒ソヽヽ  ギュイーン ピロピロピロ♪
  ♪  j ∬-●3●ハ    /゚゚゚゚゚) ))
     ∫(⌒、ヽ /ゝ⌒丶//"
        |  ! く †'ゝノノ/C'ゝ
        i丶_ ̄ !^ミ'/ノノ
   ((    !゛( ̄⌒゛。.「 \`  ))
        ヽ \〆゚。ノ_丿
        「  ̄ ̄ 丿
         ヽ、' ̄ "



一方でイングヴェイはデビューから二十年間何一つ変わっていませんでした。

とはいえ変わらないことは変わり続けることより難しいとも言うので
これはこれで凄いことでしょう。

104 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 23:08:47.37 ID:MwgptZmb0
二〇〇五年頃、ドクオにとって追い風が吹きます。

('A`)「なんじゃこれ? 動画共有サイト……?」

そこにアップロードされたドクオの動画が好評を博していたのです。

('A`)「ふむふむ、どうやら俺はネット上で人気になってるんだな」

これを逃さない手はないとして、
ドクオは今まで以上に映像作品に出演することにしました。

視覚的に派手な技も何個も持っていたので、
それらを披露しつつ自分の曲をどんどんアピールしていきます。

('A`)「DVDだと綺麗ね」

その流れで復帰後二枚目となるアルバムもリリース。
こちらも前作同様にギタリストの間で高い評価を受け、翌年には初めての来日も果たしました。

('A`)「日本のギター買って帰ろ」

107 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 23:16:20.33 ID:MwgptZmb0
( ^ω^)「このバンドも、もう十年のキャリアになるのかお」

周りのメロディックデスメタルバンドがモダン化、
あるいはメタルコアまがいの音楽に変貌していく中、
シベリアは一貫して王道を突き進んできました。

加わったことといえば新しく加わったリードギタリストの貢献度くらいで、
ブーンと合わせて二十一世紀史上最強のツインギターとヨーロッパでは称されました。

( ^ω^)「この時代にギターが褒められるとは思わなかったお」

そうなるとレコード会社はアメリカ進出を強烈にプッシュしてきます。

(;^ω^)「僕が今アメリカに戻っても受けるかどうかわからないお」

ブーンは謙遜しますが、アメリカでのツアーもまずまずの成果を収めています。

( ^ω^)「でもやっぱり拠点はスウェーデンに置いておくお。
      代わりにフェスに積極的に参加してファンの拡大をするお!」

すぐさま新曲の製作に急ぎました。

113 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 23:23:39.46 ID:MwgptZmb0
二〇一〇年、すっかり凄腕ギタリストとしての自分を思い出したドクオは、
多くのゲストミュージシャンを迎えてギターインストゥルメンタルの第三弾を発表します。

('A`)「凄いものができたぞ!」

種々様々のジャンルからゲストを集めただけあって、
音楽性は多岐に渡り非常にバラエティ豊かな作品に仕上がりました。

このアルバムはギターに関心がある人たちだけに留まらず、
音楽好きの間で広く好評を得ることに成功しました。

にもかかわらず、セールス的には前三作よりも落ちてしまったのです。

('A`)「な、なんで?」

(;・∀・)「CDが売れないんだ」

既にそういう時代を迎えていました。

('A`)「動画共有サイトもいいことばっかりじゃないな……」

117 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 23:31:33.04 ID:MwgptZmb0
( ・∀・)「これからはiTunesで売れるものだけになるだろうね」

('A`)「そ、そんな! 俺のアルバムは全トラックに統一性を持たせてるのに!」

ドクオは思いました。今後はそうそう好きに楽曲を作れそうにないな、と。

('A`)「せめて人前で演奏できるような機会はないんですか?」

ならば今後はより一層ファンを大事にしていこうと考えました。
自分のギターを好きだといってくれる人のために。

( ・∀・)「今度ロックフェスがあるんだ。うちの会社にもオファーが来てる。
      今回は推薦枠で君を参加させることにしよう」

('A`)「ありがとうございます」

ドクオにとって、大きなイベントはこれが最後になるかもしれません。

('A`)「せっかく軌道に乗ってたと思ったのにな。
    ……でも今は目の前のことに集中しないと」

現実にまたひっそりと裏方に戻っても、
それはそれでいいかなと、ドクオはそんなことを頭に浮かべていました。

120 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 23:39:51.84 ID:MwgptZmb0
一方北欧でブーンもまた悩んでいました。

(;^ω^)「さすがに四十過ぎると昔みたいには動けないお」

ライブにおける自分のパフォーマンス能力の低下に、嘆きを漏らします。

( ^ω^)「次のフェスまでに体力作りをしておくお!」

来月、カリフォルニアで大型のロックフェスが開かれます。
ブーン率いるシベリアは二日目のラウドステージで期待も込みでヘッドライナー、
いわゆる大トリを任されました。

( ^ω^)「ここが僕らの最大の勝負の場所だお! ヘマできないお!」

フェスのいいところは他のバンド目当てで来場した観客も見に来てくれることです。
ここでアピールできれば、シベリアの人気は更に強靭になるでしょう。

( ^ω^)「もっともっと僕の曲を聴いてもらうんだお!」

ギターを手にしてから何度ライブを行ってきただろう。
これがきっと自分の人生で一番大きなライブになると思うと、ブーンは感慨深くなりました。

125 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 23:49:12.76 ID:MwgptZmb0
そしてブーンはカリフォルニアの地を踏みます。

( ^ω^)「太陽が眩しいお……」

前日、機材持込とリハーサルのためにフェスの会場を訪れます。
まだ設営中のためメインステージは使用付加でしたが、
ブーンたちが出演するラウドステージはほぼ完成していました。

( ^ω^)「音と立ち位置とパイロのタイミングだけチェックしてあとは遊ぶお」

そう思い、荷物を置こうと出演者控え室に入ったときです。

( ^ω^)「……ドクオ?」

('A`)「ブーンか。久しぶりだな。随分と早入りしたみたいだけど」

ブーンは大いに驚きましたが、ドクオは至って冷静です。
それもそのはずで、一区画のヘッドライナーを任されるほどですから、
ドクオがブーンの来米を知っているのも当然でした。

128 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/17(火) 23:55:47.57 ID:MwgptZmb0
ドクオはといえば、初日ロックステージの四番目という、
さほど目立った出演順でもないので、ブーンも気づいていませんでした。

( ^ω^)「ドクオも出るのかお! なんだか凄い話だお」

('A`)「そうだなあ。小学校の頃は、俺の部屋でやってるだけだったのに、
    それが今や同じフェスでステージに立つんだもんな」

ドクオはミドルスクールではほとんど見なかったので、
これがおよそ三十年ぶりの再会です。
もちろん、互いにプロになってからその勇姿を見守っていましたが、
こうして顔を合わせて二人っきりで話すとなると、本当にそれ以来なのです。

('A`)「お前は凄いよな。ヨーロッパでトップのバンドだなんて」

( ^ω^)「ドクオだってスーサイド時代の動画がYoutubeで閲覧数百万超えてるじゃないかお」

('A`)「それ大して嬉しくねえよ」

あまりにも懐かしいので、お互いが辿ってきた道筋を語り合ってしまいます。

132 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/18(水) 00:02:10.85 ID:pWIDZ1B90
( ^ω^)「そうだ。ちょっと待ってるお」

言われるがままに数分ほど待機すると、ブーンは愛用のギターを抱えて戻ってきました。

( ^ω^)「ちょっとジャムってみないかお?」

ウォームアップ用の小さなトランジスタアンプに繋ぎながらブーンはいいます。

('A`)「そうだな。いっちょやってみるか。
    俺たちが語るのは言葉じゃなくてこれで十分だ」

ドクオも壁にかけておいたハードケースからギターを取り出し、
シールドと呼ばれる配線ケーブルをアンプへ接続します。

('A`)「十五ワットの音はしょぼいな」

( ^ω^)「僕らが子供の頃はもっとしょぼいアンプだったお」

('A`)「ああ、そうだな」

ブーンがギブソンのフライングVを、
ドクオがミュージックマンのシルエットを構えます。

138 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/18(水) 00:07:09.14 ID:pWIDZ1B90
( ^ω^)「キーはどうするお?」

('A`)「そっちに任せる。あ、シンプルなので頼むぞ」

( ^ω^)「んじゃGから鳴らすお」

('A`)「了解、十六小節ごとにリード交代な」

( ^ω^)「そうしたら今度はAマイナー」

('A`)「いい展開だな。次はEマイナーでいいか。楽だし」

( ^ω^)「ラストは……」

('A`)「そっちの気分で決めてよ。俺はそれに従うから。あとはループで」

( ^ω^)「おっおっ。それじゃ、いくお」

('A`)「よしきた」

そしてブーンの右手が、切れ味鋭いカッティングを始めます。

145 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/18(水) 00:15:30.51 ID:pWIDZ1B90
('A`)「ッ……!」

ドクオがまずは六弦から一弦にまたがるGの分散和音を、
スウィープ奏法と呼ばれるダウンかアップのみで掃くようにピッキングするテクで弾き、
華麗にソロに入ります。
その後はスケールを、時折アウトさせながら緊張感あるプレイを繰り広げます。

('A`)(安直だったか?)

( ^ω^)(そんだけ粒の揃った音なら何弾いても決まるお)

('A`)(だな。お前のリズムに誘われたしな)

目と、音だけで二人は対話しました。

( ^ω^)「~♪」

ブーンのソロは気分任せといった具合で、
ひたすら一本の開放弦を高速でピッキングしたかと思いきや、
ローポジションからハイポジションまで駆け上がるように弾いたり、
あるいはチョーキングのみで四小節使ったりと、とにかく自由で奔放でした。

148 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/18(水) 00:23:46.05 ID:pWIDZ1B90
二人の即興は十分以上続きました。
ブーンはすっかり高揚し、いつまでも続けていられそうな気分になっていました。

ですが、急にドクオが演奏をやめてしまいました。

( ^ω^)「おっ、どうしたんだお?」

('A`)「……悪い、ブーン。俺、お前に合わせてなかった」

( ^ω^)「そんなことないお。息ぴったりだったじゃないかお」

('A`)「違うんだ、お前はきっと、Gメジャーキーのつもりだったはずだ。
    深く考える必要のないジャムで入りをGにしたってことは、
    Gをメインコードに決めてたはずなんだ。
    でも俺は、Eマイナーキーのつもりで弾いてたんだ。
    GメジャースケールとEマイナースケールは同じ音だから……」

( ^ω^)「……」

('A`)「変だよな。同じ音を使ってるのに、並びがちょっと違ったら、
    片方は明るく聴こえて、もう片方は暗い響きに聴こえるんだ」

155 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/18(水) 00:34:48.57 ID:pWIDZ1B90
('A`)「俺とお前で解釈が違ったんだよ。
    お前、本当は途中で気づいてたんだろ?
    G、Aマイナー、Eマイナーと進行させてきて、最後はCを鳴らしただろ?
    あそこはメインのGに戻ったんでよかったんだ。
    そうしなかったのは、俺に気を遣って、お茶を濁したんだろ?」

( ^ω^)「……違うお。ループさせるから、Gが連続するのは微妙だからだお」

('A`)「そんなことない。ジャムなんてコード一発でもいいくらいだぜ。
    わざわざそこまで考慮する必要なんてどこにもないんだ」

ドクオの言うとおりでした。
ブーンがバッキングに回ってる間、ドクオの弾くフレーズはどれも物悲しい響きを含んでいました。
だからすぐに気づいて、ルート音がGのコードへの回帰をやめました。

('A`)「お前はきっと、メジャーから入ってメジャーに戻る人生だったんだと思う。
    だけど俺はマイナーを通った後、結局マイナーに帰っていく。
    お前のメインコードはメジャーで、俺はマイナーだ。
    総合ではあまり変わらずとも、メジャーキーの人生と、マイナーキーの人生なんだ」

ドクオはとても熱っぽい口調でした。

158 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/18(水) 00:44:44.68 ID:pWIDZ1B90
('A`)「なあブーン。多分、俺とお前の人生に差なんてそうないんだ。
    ただ、必ずメジャーに戻るか、いつかマイナーに落ちるか、
    それだけの違いのはずなんだよ。なのに、俺とお前で現状の差はこれだけある」

ブーンは何か言いかけましたが、ドクオの言葉に遮ぎられました。

('A`)「お前はミドルスクールの頃から脚光を浴びていた。俺はその間日陰だった。
    ギタリストブームが来て俺は日の目を見たけど、お前もすぐに世に出てきた。
    九十年代になったら俺は自分の音楽性を見失ってさっぱりダメになった、
    お前は自分のやりたい音楽を純粋に追って欧州でビッグバンドを率いてる、
    俺も最近になってようやくシーンに戻って来れてたけど、でも明日が最後だ。
    またスポットライトの当たらない世界に帰っていくんだ」

( ^ω^)「……そんなこと……」

('A`)「勘違いしないでくれ。俺はお前を恨んでなんていない。
    むしろ、俺の人生とお前の人生は、同じくらいだと思う。
    頂点の高さと底辺の低さは、俺とお前とで同じだと思うんだ。
    違うのは、順番だけ。順番がどうくるか。それだけだったんだよ、きっと」

そう納得してるんだ――ドクオはそう語りました。

161 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/18(水) 00:53:15.49 ID:pWIDZ1B90
ブーンは何も言えません。
会えなかった間、ドクオがどれだけ苦労したか、想像もつきません。

('A`)「納得してるのに……俺はお前にこんなことを言ってしまうんだよ。
    最悪だろ? お前、せっかくアメリカ進出のチャンスなのに、
    その間際になってこんなネガティヴなこと聞かせてるんだ、俺って奴は」

( ^ω^)「メジャーキーだって、マイナーキーと同じくらい悲しいお」

('A`)「……え?」

( ^ω^)「昔誰かに聞いた言葉だお。もういいからジャムを続けるお。
      僕はドクオとジャムれてテンションが上がりきってるんだから、
      まだまだやらないと気が済まないお」

('A`)「でも」

ドクオが口を挟みます。

('A`)「もう俺たちは何も考えずにジャムできるような頭じゃなくなってるんだよ。
    十分にキャリアを積んで、いろんなことがわかってしまってるんだ。
    余計なマイナス思考が邪魔をして、俺はろくに弾けやしないんだ」

163 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/18(水) 00:57:33.37 ID:pWIDZ1B90
( ^ω^)「だったら昔みたいにやろうじゃないかお。
      何も知らず、何もわからず、何も見えてなかったあの頃のように。
      できなくても、やり続ければ、そのうち全部忘れられる」

('A`)「ブーン、だけど!」

ブーンは一発、思い切り大きな音でCのコードを響かせました。

( ^ω^)「ドクオ、次はキーもコードも全部僕が前もって決めるお。
      キーはC。鳴らすコードもC。そのひとつだけをパワーコードで弾くお」

('A`)「……」

( ^ω^)「始めるお。ドクオの好きなように弾いたらいいお。
      僕はずっと、ドクオが満足するまでCを弾き続けるお」

そしてCの刻みが始まります。
リズムも不安定で、ノイズだらけで、とてもプロの演奏とは思えないような、
下手くそでうるさいだけの伴奏です。

( ^ω^)「好きなときに入ってきてくれお。小節も拍も何もない、フリーテンポで」

167 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/18(水) 01:08:25.23 ID:pWIDZ1B90
ドクオは恐る恐る、激流に足を踏み入れます。

('A`)「……」

無心で一弦の開放をピンとはじき、今度は二弦と一緒に。
三弦、四弦、五弦。少しずつ重なる音が増えていきます。

('A`)「なあブーン。俺たちの人生は、いつもギターを一番に置いていた」

( ^ω^)「……」

('A`)「だから人生までギターに関連づけちゃうんだ。
    俺、馬鹿だよ。ギター馬鹿だ。馬鹿は馬鹿らしく、頭悪く弾いてやるよ」

そして六弦全ての開放弦を切り裂くようにかき鳴らすと、

('A`)「……あああああああああああああああああああ!!」

ドクオは絶叫しながらコードの海へと飛び込みました。

スケールはむちゃくちゃで、右手と左手がまったく同期していません。
指はバタバタとせわしなく動くだけでまるで弦を押さえられず、
音程のとれていないチョーキングは赤ん坊が泣いているようでした。

それは、一世を風靡したテクニシャンの面影は微塵もない、
熱く、荒々しく、汚く、野生的な、魂を焚き上がらせたような演奏でした。

173 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/18(水) 01:21:28.70 ID:pWIDZ1B90
ドクオは次第に涙を流し、嗚咽を漏らすようになりました。
あまりに乱暴に弾くので、途中で弦が切れてしまいましたが、構わず続行します。
自分で何を弾いているのか、何が弾きたいのか、それすら忘れて、
ただがむしゃらにギターを弾き続けました。

ブーンもまた、ドクオのためにシンプルな五度コードを流し続けました。
終わりの見えない闇の中を、ずっと。

(;'A`)「ハァ……ハァ……」

(;^ω^)「……ハァ、ハァ……ハァ」

何十分経過したでしょうか。
二人が疲労で自然に演奏を止めてしまった時には、両者とも汗だくです。

(;'A`)「……ブーン……」

(;^ω^)「どうだお……メジャーキーでも、こんなに激情的な演奏ができるんだお。
      これよりも悲しい、マイナーキー、ハァ、なんて、世界のどこを探してもないお。
      結局……ハァ、奏でる僕らの、気持ちなんだお……」

ブーンはそれをわかって欲しかったのです。
彼のギタリスト人生にもいくつも谷がありました。それでも逆境を跳ね除けて乗り越えてきたのです。

( ^ω^)「ドクオに出来ないはずがないお!」

ブーンはそう信じています。

182 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/18(水) 01:33:21.21 ID:pWIDZ1B90
('A`)「……」

ドクオはしばらく放心していました。

('A`)「……ブーン。ありがとよ」

ようやく口を開いた瞬間に、真っ先に飛び出たのは感謝の弁でした。

('A`)「俺、お前の人生が羨ましかったんだ。久しぶりにお前の顔を見て、
    急に嫉妬の炎が燃え上がり始めたんだ。
    差はほんのわずかな運の傾きだけなのにと思って。
    だけどそうじゃなかった。お前の人生は、お前じゃなきゃ切り開けなかったんだよな」

( ^ω^)「ドクオ」

('A`)「こうして四十を過ぎて、あの時代みたいに無茶してさ。思い出したよガキの頃を。
    エディーの真似をしてタッピングをしてみるんだけど、全然音が出なかったりしてな。
    それでもめちゃくちゃ楽しかったんだ。
    外から見たらくだらないけど、俺たちにとっては輝いてた。そうだろ、ブーン?」

( ^ω^)「そうだお。それと同じなんだお。
      どんなに状況が厳しくたって、気持ちひとつでひっくり返せる」

ブーンが微笑みを見せると、ドクオはなんだか照れくさくなって、ギターをじゃらんと鳴らしました。

186 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/18(水) 01:41:52.62 ID:pWIDZ1B90
('A`)「俺さ、これが最後だと思ってたんだよ。でもそうじゃないんだよな。
    沈んでいく俺に与えられた一番最初のチャンスなんだ!」

( ^ω^)「そうだお。ここで新規のファンをたくさん獲得すれば、
      きっとまだまだドクオはギターヒーローとして頑張れるお!」

('A`)「ギターヒーローか……へへ、この歳でそれもちょっと恥ずかしいけど、ま、悪い気はしないな」

(;^ω^)「僕もこのフェスの出来如何で今後が決まるから重要だお」

('A`)「ははっ、じゃあ、俺たちはここでも一緒なんだな」

( ^ω^)「そうだお。絶対に絶対に成功させてみせるお」

('A`)「がんばれよ!」

( ^ω^)「そっちこそ!」


いつ自分たちが人生の谷底へと突き落とされるかわからない。
だけど彼らにはギターがある。
ギターがあれば、いつだって翼になってくれる。

だから二人は未来のために願うのです。

ギターオリエンテッド・ミュージックよ、永遠に。

 

188 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/18(水) 01:43:06.74 ID:pWIDZ1B90



     ( ^ω^)ギターオリエンテッド・ライフのようです('A`)




                 ~ fin ~





  

196 名前:ローカルルール・名前欄変更議論中@自治スレ:2012/01/18(水) 01:45:27.53 ID:pWIDZ1B90
長時間ありがとうございました
なんとなく自分なりに青春ものを書こうと思ったら
こんなんになりました

モデルとかは別にないです
イングヴェイはまんま出てますが

お疲れさまでした

200 名前: ◆zS3MCsRvy2 :2012/01/18(水) 01:48:23.49 ID:pWIDZ1B90
あと欧米が舞台だけどイメージした曲これだよ
http://www.youtube.com/watch?v=-pLF_Ql4mr8

inserted by FC2 system