その10
260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 17:49:44.41 ID:SC2BKzwa0
〜〜三日後、食堂〜〜


ガヤガヤ

('A`)「うっひょう! 今日は久々に野菜にありつけたぜ!」

('A`)「器一杯のコールスロー……はああ……幸せ」

( ^ω^)「なんでおまけに感動してるんだお」

(´・ω・`)「普通はこっちだよね。チキンを選択できたこと」

( ^ω^)「ジョックが珍しく真面目に列に並んでてくれたおかげだお」

(´・ω・`)「彼らはいつ、自分のネタが暴かれるかを恐れているみたいだ」

(´・ω・`)「だから日頃の行いを正しているんだろうね」

( ^ω^)「モララーやギコみたいになりたくないってことかお」

('A`)「そんなやましいことばっか抱えてるのかよあいつら」

(´・ω・`)「誰にだって秘密はあるものさ」

261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 17:52:37.11 ID:SC2BKzwa0
ザワ...

('A`)「ん?」


( ゚∀゚)「……」テクテク

ξ゚听)ξ「でねーそれでねー」

( ゚∀゚)「ああ、うん……」

ζ(゚ー゚*ζ「ねー聞いてる?」

( ゚∀゚)「聞いてるっての。余計な心配はすんじゃねぇ」

ζ(゚ー゚*ζ「やーん」


(´・ω・`)「ジョルジュだ」

('A`)「まだ両サイドにクイーン二人を侍らせてるみたいだな」

( ^ω^)「……」

265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 18:02:24.37 ID:SC2BKzwa0
('A`)「ってか、見るからにイライラしてんな、あいつ」

('A`)「うわ、もう水がねぇ。注いでくるか……」ガタン

(´・ω・`)「君を探しているのかもしれない」

('A`)「へっ?」トコトコ

(´・ω・`)「いよいよなのかもね」

('A`)「突拍子もないことを……んっ?」

( ゚∀゚)「……」

('A`)(うげ、ジョルジュか)

('A`)(こいつとすれ違うルートを辿っていたのかよ)

('A`)(良い子は前を見て歩こうな……)

('A`)(目が前についているのはきっとまっすぐ歩くためだから……)

269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 18:11:09.52 ID:SC2BKzwa0
('A`)(てか目合わせたままだな……)

('A`)(お互いなんとなく足止めちゃったし)

ザワ...ザワ...

('A`)「なんかもう……空気がそうなっちゃってるというか……」

( ゚∀゚)「……おい」

('A`)(……きたか……)

('A`)「なんだよ」

( ゚∀゚)「あの写真に映ってた奴、あれお前だろ、ジャパニーズ」

('A`)「知らん。仮にそうだとしてもなんだってんだよ。お前関係ねーじゃん」

( ゚∀゚)「ハッ! ナードの分際で英雄気取りか! ハハハ!」

( ゚∀゚)「気にくわねぇ。ずっとだ。てめぇが転校してきた初日からそうだった」

271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 18:19:40.09 ID:SC2BKzwa0
( ゚∀゚)「偶然だぁ? ハハ! インポッシブル!」

( ゚∀゚)「ナードがそんな都合よくヒーローになれるかよ」

( ゚∀゚)「てめぇが仕向けたことなんだろ? ンン?」

( ゚∀゚)「モララーがあんなことになっちまったのも、何者かの作為を感じるぜ」

( ゚∀゚)「まあ俺も正直言うとあれにはちょっと引いたが」

('A`)(やっぱり引いたんだ……)

( ゚∀゚)「とにかくだ、ドクオさんよ。何か隠してやがるな?」

('A`)「イミフ」

( ゚∀゚)「思えば、放課後教室でナードどもが固まってたのも怪しかった」

( ゚∀゚)「噛んでるのはジャパニーズだけじゃねぇな?」

('A`)「何を言ってるのかさっぱり。妄言蜚語はやめてください」

273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 18:26:53.82 ID:SC2BKzwa0
( ゚∀゚)「しらばっくれんな!」

('A`)「仮にそうだとしても、モララーとギコの性癖は真実じゃねぇかよ」

('A`)「自画撮り漁られたモララーは言い訳の余地なんてねーし」

('A`)「ギコだって実際に手出してんじゃねーか。あいつはロリコンだろ」

('A`)「ずっと学校を休んでるのが何よりの証拠だ」

('A`)「中傷されるのが怖いんだろうな。マジでチキンだぜ。今日の飯みたいにな」

('A`)「おっと、お前は争奪戦に出遅れて、サーディンのフライなんだっけか」

クス...

( ゚∀゚)「おいそこの奴、何笑ってんだよ、ああ!?」

シィン...

('A`)「余裕ねぇな。この高校のトップを自負してるってのに」

( ゚∀゚)「そのアスホールと変わらねぇ汚い口を閉じな、ジャパニーズ」

278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 18:34:15.74 ID:SC2BKzwa0
( ゚∀゚)「ヘイ、ジャパニーズ。あんまり舐めた真似してんじゃねぇぞ」

('A`)「お前から絡んできたんじゃんかよ」

( ゚∀゚)「俺は今かなり頭にキてる。手を出しかねない」

( ゚∀゚)「殴られたくなかったらそこをどきな」

('A`)「上等」

( ゚∀゚)「あ?」

('A`)「殴りたかったら殴れよ。その代わり俺もお前をぶん殴る」

( ゚∀゚)「ハハ! 正気じゃねぇな、ハハハ!」

('A`)「なに馬鹿みたいに笑ってんだよ」

( ゚∀゚)「俺を殴るって言ってくる奴なんて、シッシー野郎のフサ以来だぜ!」

('A`)「……なに?」

282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 18:44:05.02 ID:SC2BKzwa0
( ゚∀゚)「あいつ、ちょっとからかっただけなのに」

( ゚∀゚)「囃し立ててたチームメイトの一人を思いっきり殴りつけてね」

( ゚∀゚)「その後、俺も殴ろうとしてきたんだよ。今でも笑えるぜ!」

('A`)「……で、どうなった」

( ゚∀゚)「あん? もちろん返り討ちよ」

( ゚∀゚)「奴のトロくさいストレートをかわして、一発腹に拳入れてノックアウトダウン」

('A`)「……」

( ゚∀゚)「俺さ、ガキの頃から英国式ボクシング習ってるわけ」

( ゚∀゚)「こっちじゃ成り上がりの象徴だが」

( ゚∀゚)「あっちじゃ紳士のスポーツだからな、ボクシングは」

( ゚∀゚)「ジェントルマンでありつつ、スターダムにものし上がりたい俺にうってつけだ」

290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 18:50:15.97 ID:SC2BKzwa0
( ゚∀゚)「あれだけ図体のでかいフサでも勝てない」

( ゚∀゚)「俺に挑もうってか? ハハ!」

('A`)「イエス、アイ、ドゥー」

( ゚∀゚)「いきなり下手くそな発音になりやがって……馬鹿にしてんのか」

('A`)「おい、喧嘩買ってやるって言ってんだろ。感謝しろよ」

( ゚∀゚)「面白ぇ……」

('A`)「ただここで戦いを繰り広げるのはさすがに脳なしのやることだ」

('A`)「今週土曜日の正午、誰にも迷惑がかからないグラウンドで思いっきりやりたい」

( ゚∀゚)「いいぜ。タイマンだ。ギッタギタにしてやるよ」

( ゚∀゚)「そうだな、それも観衆の面前でだ! おい、周りで聴いてる奴!」

ザワ...ザワ...

( ゚∀゚)「お前らも全員見届けに来な! いいショーが見られるぜ!」

297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 18:55:28.62 ID:SC2BKzwa0
('A`)「二言はないな。男の約束だぞ」

( ゚∀゚)「てめぇはてめぇの心配だけしときな」

('A`)「そうかい。じゃあな。ひとまずの戦略的撤退だ」

( ゚∀゚)「オーケイ」

('A`)「……」テクテク、トスン

(´・ω・`)「おかえり」

('A`)「ただいま。半端なく疲れた」

(´・ω・`)「でもよくやってくれたよ。これですべての準備は整った」

( ^ω^)「つーかお前、よくあんな啖呵をジョルジュに切れるお……」

('A`)「いやーなんか、母国語じゃないからな」

('A`)「台本読んでたような気分だ」

303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 19:00:30.38 ID:SC2BKzwa0
('A`)「というか、ブーン、お前もなんとかしろ」

( ^ω^)「え?」

('A`)「こんな状況になってもまだツンはジョルジュの元にいるんだぜ?」

('A`)「俺の力だけじゃ目を醒まさせられねぇ」

('A`)「幼馴染のお前の助力が必要だ。いや補助じゃない。メインはそっちだ」

( ^ω^)「僕が……だけど僕は無力だお」

(´・ω・`)「偶像信仰に近い状態だ。なかなか仮想洗脳は解けないだろうな」

('A`)「とりあえず俺はジョルジュに勝利する」

('A`)「で、ツンの奴が呆然としてるところに、なんかかっこいい決め台詞でも吐け!」

('A`)「それで現実に引き戻せ! 台詞考えとけよ!」

( ^ω^)「……やってみるお。出来る限りのことは……僕も」

('A`)「よっしゃ」


312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 19:07:49.00 ID:SC2BKzwa0
ザワ.......!

('A`)「んっ、どうした? なんかざわついてるけど」

( ^ω^)「あれ……」


(-_-)「あ……」

( ゚∀゚)「おい、てめぇ……どこをどう見て歩いたらそうなるんだよ!」


('A`)「なんだ……またジョルジュの奴が脅しつけてんのか」

( ^ω^)「そうじゃないお。今回はヒッキーからぶつかっていったんだお」

('A`)「なに?」

( ^ω^)「サルサソースが跳ねてジョルジュのシャツに付着しちゃったお」

(´・ω・`)「ただでさえジョルジュは苛立っているのに……まずいな」

314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 19:15:02.38 ID:SC2BKzwa0
( ゚∀゚)「……おい、どうすんだよ。どう落とし前つけんだ」

(-_-)「あ、あの……えと……」

( ゚∀゚)「はっきり喋れよ! ファッキンクリープ!」

( ゚∀゚)「ムカつくんだよ! 何から何まで……」

( ゚∀゚)「この……クソガキ!」

ガンッ

( ^ω^)「あっ、ジョルジュがヒッキーのトレイを蹴り上げたお!」

('A`)「宙に浮いた!」

(´・ω・`)「このまま垂直落下すれば辺りがぐっちゃぐっちゃなことになるね」

('A`)「……やるしかないの?」

(´・ω・`)「よろしくお願い」

('A`)「ですよねー」

317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 19:18:54.69 ID:SC2BKzwa0
('A`)「それでは……」

('A`)「うおおおっ!!」

('A`)「……とか特別気合入れなくても指先だけで出来るんですけどね」クイッ

トン、トン、ストン...

( ^ω^)「食器が全部……テーブルに見事着地……」

(´・ω・`)「したねぇ。軟着陸」

ザワッ.........!!

( ゚∀゚)「おい、てめぇ、今の……!?」

('A`)「ええと、はい、まあ、そういうことでして」

( ゚∀゚)「サイコキネシス……じゃねぇか、おい!」

('A`)「いやもう、こんな時僕はどういう対処をすべきなのわからないので……」

('A`)「……当日が楽しみということで」

350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 20:33:19.88 ID:SC2BKzwa0
〜〜運命の日(ドゥームズ・デイ)〜〜


('A`)「やってまいりました」

('A`)「我が校のグラウンド」

('A`)「今日のためにクラブは皆して練習を止め、全面開放された」

('A`)「ギャラリー多数」

('A`)「天候良好、体調万全」

('A`)「さて……チェックメイトをかけるか」

从 ゚∀从「もうかかってるようなもんだけどな」

( ^Д^)「もうあとは作業みたいなもんだぜ。駒を前に出すだけだもんな」

('A`)「まあな。さすがに持っている武器が違う」

('A`)「触りさえすればあいつの勝ちだろうが、そもそも触れずに終わる」

358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 20:41:10.47 ID:SC2BKzwa0
('A`)「しかし遅いな、ジョルジュの奴」

(´・ω・`)「もうとっくに十二時を過ぎてるんだけどね」

('A`)「逃げたか? まあ、それはそれで……」

バラバラバラバラバラバラ.......

('A`)「なっ、なんだこのうっせー音は?」

( ><)「う、う、う、上を見るんです!」

川д川「……あれは……」

(*゚ー゚)「ヘリ!?」

バラバラバラバラバラバラ......プシュー

('A`)「ちゃ、着陸した……グラウンドの中央に……」

( ^ω^)「側面の昇降口のドアが開いた……中から降りてくるお!」

ガタン、トサッ

( ゚∀゚)「ハハハ! 待たせたな、ジャパニーズ!」

362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 20:47:24.44 ID:SC2BKzwa0
('A`)「おい、なんだよこの無駄に派手な登場は」

( ゚∀゚)「いやヘリじゃないと輸送できなくて……それよりだ!」

( ゚∀゚)「ヘイ、ドクオ。先日はてめぇの超能力を見させてもらったな」

('A`)「そうだ。これがある限り俺は必勝。そしてお前は必敗だ」

( ゚∀゚)「それがお前の隠し玉の力なわけだ」

( ゚∀゚)「ならば今度は、俺が秘めていた力を見せてやる……それは」

( ゚∀゚)「ファイナンス・アンド・コネクション! カネとコネだ」

('A`)「はあ?」

( ゚∀゚)「経済力と権力こそ最強の力だ! 今それを証明してやる!」

ギギギギ...バンッ!

(´・ω・`)「後部ハッチが開いた……」

トサッ

(`・ω・´)「あっ、どうも皆さん。本日はよろしくお願いします」

371 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 20:51:08.91 ID:SC2BKzwa0
('A`)「とっ、父さん!?」

(`・ω・´)「なんだ、ドクオじゃないか」

(`・ω・´)「となると……例の相手とはドクオなのか?」

( ゚∀゚)「そういうことだ」

('A`)「おい待て。俺にもわかりやすく説明しろ。パニック一歩手前なんだが」

( ゚∀゚)「ハハ! まあせいぜい拝聴しな」

( ゚∀゚)「俺のダディはNASAの所長なんだよ」

( ゚∀゚)「そしてこのミスター・シャキンは、NASAで調査対象として雇われているエスパーだ」

( ゚∀゚)「……てめぇらが親子だとは俺も知らなかったが」

('A`)「じゃあ……父さんがサービスさせられてた『所長の息子』って……」

('A`)「こいつのことかよ……」

375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 20:54:50.86 ID:SC2BKzwa0
( ゚∀゚)「ダディに頼んで能力者を派遣してもらった」

( ゚∀゚)「さすがに能力者の相手は能力者にやってもらわんと身が持たない」

('A`)「卑怯だぞ! 正面からぶつかってこいよ!」

( ゚∀゚)「卑怯? ハハハ! 何が卑怯なものか!」

( ゚∀゚)「これも立派な『フォース』だよ!」

川д川「現代の召喚術……」

('A`)「それっぽいことを呟くな! 納得しそうになるだろ!」

('A`)「ってか、なんで父さんも引き受けたんだよ」

('A`)「NASAの三分の一は父さんのものなんじゃなかったのかよ」

(`・ω・´)「研究所長は父さんにとっては直属の上司に当たるからな」

(`・ω・´)「せっかくの依頼を断るのは無礼にあたる。サラリーマン時代から続く鉄則だ」

('A`)「最悪だ……」

384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 20:59:54.49 ID:SC2BKzwa0
(`・ω・´)「ああでも、ちゃんと休日出勤手当は出るぞ」

('A`)「いくらだ。ドルか」

(`・ω・´)「もちろんドルだよ。七百万ドルだったかな」

('A`)「ぶはっ」

(`・ω・´)「父さん、通貨単位だとかレートだとかよく知らないけど」

(`・ω・´)「さすがにこれは結構な額だってことくらいはわかるぞ?」

(`・ω・´)「七百万というと、単位が円なら日本時代の年収とほぼ同じだからな」

(`・ω・´)「確か、一ドルは一円より大きいのだろう?」

(`・ω・´)「その時点でかなりの大金だということは父さんにも理解できたよ」

( ^ω^)「……ドクオ、お前の父ちゃんって何者なんだお……」

('A`)「いわく……地上最高位に属する生命体です……」

(´・ω・`)「つまり生物界におけるジョックなわけだね。そりゃ恐ろしい」

393 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 21:05:23.04 ID:SC2BKzwa0
( ゚∀゚)「それじゃあミスター・シャキン、後のことは任せたぜ」

( ゚∀゚)「俺は観覧させてもらうんで」ツカツカ

(゚、゚トソン「よくよく見ると」

ミセ*゚ー゚)リ「ヘリからツンとデレも降りてきてたのね」

从 ゚∀从「相変わらずの両手に花かよ」

( ^ω^)「それじゃあ、ドクオ……」

(´・ω・`)「がんばってね。僕らは見守っているよ」

('A`)「ちょっ、お前ら、観客の中に混じるな! 俺を孤立させないで!」

(`・ω・´)「息子よ」

('A`)「なんだい父さん」

(`・ω・´)「まさか、こんなところで子が父を超える場が設けられるとはな」

('A`)「百パー超えられないけどな」

403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 21:10:29.67 ID:SC2BKzwa0
(`・ω・´)「しかし父さん、所長の息子さんから概要は聞いたぞ」

(`・ω・´)「なんでもお前、スクールカーストとかいう慣習をなくすために」

(`・ω・´)「戦うそうじゃないか」

('A`)「やっぱりジョルジュの奴、俺の目的察してやがったか」

('A`)「そういうところだけ妙に目ざといな……」

(`・ω・´)「スクールカーストなるものが一体なんのことだか知らなかったから」

(`・ω・´)「父さん柄にもなくパソコンつけてグーグル使ってみたぞ」

('A`)「よく出来たね。検索なんて」

('A`)「いつもはソリティアしかしないのに」

(`・ω・´)「時間はかかったがな」

(`・ω・´)「それにしてもグーグルアースという機能は面白いな」

(`・ω・´)「父さん二時間くらい遊んじゃったよ」

410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 21:17:03.18 ID:SC2BKzwa0
(`・ω・´)「調べてみたらば、アメリカの学校独特の風習のようだな」

('A`)「そうだね」

(`・ω・´)「ドクオ、お前はこの高校の階層社会を破壊しようというんだな?」

('A`)「ああ、そういう腹積もりだよ」

(`・ω・´)「つまりアメリカ自体に唾を吐きかけるようなものだ」

(`・ω・´)「……ドクオ、よく聞きなさい」

('A`)「どうしたんだい、父さん。急に改まって」

(`・ω・´)「ドクオよ、父さんはただの人間だ」

('A`)「違うけどな」

(`・ω・´)「ただの人間一人乗り越えられないで」

(`・ω・´)「国に刃を突きつけることは、絶対に出来んぞ!」

('A`)「その国に警戒されてるあんたを倒せたらアメリカとか余裕だわ」

418 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 21:23:57.90 ID:SC2BKzwa0
(`・ω・´)「いくぞ、ドクオ!」

('A`)「ちょい待て、待って! 勝手に話進めんな!」

('A`)「なんなのこのイベント。ボタン押さないでもオートで進行するのか」

('A`)「まさか……強制敗戦バトル……」

(`・ω・´)「お前も能力に目覚めたのであれば遠慮はいらないな!」

('A`)「父さんは何個俺の上位互換の能力を持ってるんだよ!」

(`・ω・´)「はあっ!」

......シュガンッ!!!

('A`)「うおおおっ、右手の指全部から放電!?」ザサッ!

(`・ω・´)「よくぞ回避した、ドクオ。だがまだまだ序の口だぞ!」

('A`)「死ぬ!? 殺される!?」

424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 21:29:39.23 ID:SC2BKzwa0
(`・ω・´)「最初から全開でいかせてもらう!」

シュガンッ!! バファッ!! ズバィン!!

('A`)「うごごご! 逃げることしかできねええええ!」

('A`)「ってか火と雷を当たり前のように扱うな!」

ピロリロリン♪

('A`)「ギャラリーも写メ撮ってる場合か!」

ドックン ピースピース

('A`)「するか!」

(`・ω・´)「ああ、すみません。撮影等は控えてください……機密事項ですので」

('A`)「目撃されちゃった時点でもうダメだろ」

(`・ω・´)「障りないぞ。戦闘終了後に全員の記憶を消させてもらうから大丈夫だ」

('A`)「まさかNASAの技術でか……」

(`・ω・´)「いや、マインドクライムの能力を持つ人物がヘリにまだ控えている」

('A`)「NASAは何と戦うつもりなんだよ」

431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 21:35:14.53 ID:SC2BKzwa0
(`・ω・´)「一時的な休戦は終わった。再開!」

ドッ......グォォォォォン!!!!

('A`)「不意打ちの一撃が威力でかすぎるだろ!」

('A`)「まだグラウンドに火柱立ってるぞ!」

('A`)(落ち着け……俺の能力は念動力……)

ガゴンッ!! ザッサ

('A`)(父さんの身体を浮かせて地面に叩きつけることができれば……)

('A`)(……まあ気絶くらいはするかな……)

ヌッゾオン!! サッ

('A`)(父さんの防御面がどの程度のものかは知らないが……)

シュババンッ!! ササッ

( ^Д^)「あいつ結構避けてね?」

(´・ω・`)「子は親に似るからね」

436 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 21:39:21.86 ID:SC2BKzwa0
('A`)(とにかく目は見ちゃダメだ!)

('A`)(父さんの目はこちらの感覚を支配できる……)

(`・ω・´)「動きが遅い!」

シュビュゥゥゥン!!

('A`)「ぶおおおっ!? 直線状の電光!?」バタッ!

('A`)「あ、あぶねえ……とっさの判断で倒れこまなければ頭が吹っ飛んでた……」

('A`)「父さん、俺、死んじゃうぞ?」

(`・ω・´)「お前は死なない。父さん信じてるぞ」

('A`)「根拠は!?」

(`・ω・´)「親子の……絆だ!」

('A`)「非科学的!」

442 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 21:44:25.77 ID:SC2BKzwa0
('A`)「というか、俺身体能力とかまったく自信なかったのに」

('A`)「なんでこんな動けてるの?」

(`・ω・´)「それはドクオの念動力がサイコキネシスだからだ」

('A`)「知っているのか父さん!」

(`・ω・´)「サイコキネシスは物理的アプローチ……」

(`・ω・´)「父さんのテレキネシスのように、対象物体との相互理解手順を介さないでいい」

(`・ω・´)「つまり自己をターゲットにもできるんだ」

(`・ω・´)「お前は今、自分自身をサイコキネスで動かしている!」

('A`)「マジかよ完全無意識だったわ」

(`・ω・´)「意識と同時にチャンネルが自在に操れるようになるのだぞ」

(`・ω・´)「父さん、そういうふうに教わったんだ」

('A`)「ナイスアドバイスだね」

448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 21:49:46.93 ID:SC2BKzwa0
(`・ω・´)「続けるぞ!」

シャンッ!!

('A`)「狙いが正確すぎる!」

('A`)「父さんの目は見てないぞ! 見たらテレパシーで思考を読まれるが……」

('A`)(そういや父さん、共感覚にも目覚めてるんだったな)

('A`)(目は鼻であり、耳であり、舌であり、皮膚でもある)

('A`)(そして他の器官も同様……どこからでも情報を得ることができる……)

('A`)(つまり今の父さんは、常人より五倍感覚が鋭い!)

(`・ω・´)「まだまだいくぞ!」ババババッ!!

('A`)「なんだよこいつ化け物かよ」

(`・ω・´)「痛っ、いてて、ちょっと肩を上げすぎた……」

('A`)「あっ、でも本体はおっさんだったわ」

457 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 21:56:22.27 ID:SC2BKzwa0
('A`)(どうやら運動能力自体が向上してるわけじゃなさそうだ)

('A`)(ならスタミナ切れを狙えば……)

(`・ω・´)「らああああっ!!」

ドザザッ!! ドガガッ!! ズクァァァンッ!!!

('A`)「……」サッ サッ ファサンッ

('A`)(でも父さんまったく移動してないからな。固定砲台じゃん)

('A`)(ってことは俺にできるのは逃げるだけ……)

('A`)(……えっ、詰み? マックスで引き分けのゲーム?)

ピィィィィィン....!!

('A`)「うほあっ!? ええい、贅沢言ってられん!」

('A`)「もう引分けでいいわ! なんとかドローに持ち込むぞ!」

inserted by FC2 system