その8
- 871 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 00:36:42.87 ID:SC2BKzwa0
- 〜〜数日後(ア・フュー・デイズ・レイター)〜〜
('A`)「また俺の部屋かよ! 狭いわ!」
( ^Д^)「贅沢漏らしてんじゃねーよ」
('A`)「お前が言うな。俺の部屋だ」
( ^ω^)「さて……」
(´・ω・`)「あの扉の向こうにしぃがいるわけだね」
(-@∀@)「今、女の子総出でセッティング中みたいだけど……」
( ><)「男子一同待機なんです!」
('A`)「にしても長いな。あくびが出そうなんだが」
(´・ω・`)「そんな簡単に人は変身しないよ」
- 874 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 00:41:19.47 ID:SC2BKzwa0
- コンコン
('A`)「ん?」
从 ゚∀从『お待たせしましたー! 稀代のキュートガールがここに誕生!』
( ^ω^)「この声はハインかお」
('A`)「前口上はいいから早くしてくれ」
从 ゚∀从『へいへい。それでは純情少女しぃちゃん登場でーす!』
ガチャン
(*゚ー゚)「ど……どうかな?」キャルンッ
( ^Д^)「ほう……」
(-@∀@)「これは……」
('A`)「なかなか……」
( ^ω^)「……」ピロリン♪
(*゚ー゚)「無言で写メはやめて! 壁紙に設定しないで!」
- 878 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 00:44:47.93 ID:SC2BKzwa0
- (゚、゚トソン「どう見ても」
ミセ*゚ー゚)リ「小学生」
(*゚ー゚)「もう……恥ずかしいんだから」
(´・ω・`)「いやかわいらしいよ。うん。上出来上出来」
从 ゚∀从「良質な素材を活かさせていただきましたー」
('A`)「しかしこれは面白い話の種が出来たな」
( ^ω^)「同窓会まで保存しておくお」
( ^Д^)「十年後もあんまり変わってなかったりして」
(*゚ー゚)「もう! やめてよ、結構気にしてるのに」
('A`)「ちょ……マジでそのアフロうっとうしいから」
( ><)「僕今何もしてなかったんです!」
- 883 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 00:51:59.15 ID:SC2BKzwa0
- (´・ω・`)「だけど、結構髪形は冒険したね」
从 ゚∀从「ああこれ? ウィッグだよウィッグ。お手軽変装」
(´・ω・`)「なるほどね」
川д川「髪が違えば……人は変わる……」
( ^Д^)「サダコも短くしたらどうよ? 意外と似合うんじゃね?」
川д川「うふふ……それはダメ……契約があるの……」
('A`)「呪いかよ」
从 ゚∀从「当日はこの格好で挑むぜ!」
(´・ω・`)「うん、これならいけそうかな。ギコの目を欺けそうだ」
(*゚ー゚)「うん……」
('A`)「よし。決行日は今週の日曜、午後五時だ」
('A`)「その日に全員で集まるぞ!」
- 892 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 01:02:57.62 ID:SC2BKzwa0
- 〜〜日曜、シチズンズパーク〜〜
('A`)「ついにこの時が来た」ガサガサ
从 ゚∀从「茂みに隠れるとか不審者全開すぎるぜ」
('A`)「しぃには単独行動をとってもらっているが……」
( ><)「なかなか接触のチャンスがないんです!」
(´・ω・`)「僕が得た情報だと、ギコはこの公園で習慣的にロードワークをしているようだけど」
('A`)「いるか?」
( ^ω^)「わからんお……人が多いお」
(-@∀@)「せっかくカメラを構えてるんだけどなぁ……」
(*゚ー゚)「……」
( ^Д^)「すげー不安そうにしてんな、あいつ」
('A`)「もう少し息をひそめるか……」
- 896 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 01:06:46.04 ID:SC2BKzwa0
- (-@∀@)「……あっ、来た、来た!」
从 ゚∀从「マジか! ちょっ、どけどけ。よく見えん」ガサガサ
( ^Д^)「おわ! 押すな、前に倒れるだろ!」
(゚、゚トソン「うわっとっと!」ガサッ
ミセ*゚ー゚)リ「体重書けないで!」
( ^ω^)「もうちょっと視野を広げるお」ガサガサ
('A`)「草木だと思ってかきわけたらアフロだったわ」
( ><)「いじらないんでほしいんです」
(´・ω・`)「望遠鏡準備、っと……」スチャ
(,,゚Д゚)「……」タッタッタッ
('A`)「おお、獲物が呑気に走っておる」
- 903 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 01:11:35.10 ID:SC2BKzwa0
- (´・ω・`)「しぃ、焦る必要はないからな」
(´・ω・`)「たぶん、ジョギングは何週か行うだろうから……機を伺うんだ」
('A`)「だけど、ただぼーっと突っ立ってるだけじゃ先には進めんぞ」
川д川「何か……アクションが……必要」
(´・ω・`)「それは指示してあるよ」
(´・ω・`)「目が合ったら微笑んでおけってね」
( ^Д^)「そんだけ?」
(´・ω・`)「サイコロジー的見地から考えると、これで十分な効果が得られるよ」
( ^ω^)「あっ、今目が合ったお」
('A`)「うわ、ギコの奴にやついてやがる……きめぇ」
从 ゚∀从「真顔がキモイよりマシだけどな」
('A`)「俺を見るな」
- 911 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 01:19:04.37 ID:SC2BKzwa0
- 〜〜一時間経過〜〜
从 ゚∀从「まだ走ってんのかよ、あの猪野郎」
(´・ω・`)「みたいだね。そろそろ暗くなってきた」
( ^ω^)「街灯がつき始めたお」
('A`)「人が減ってきたな」
(´・ω・`)「機は……熟したかな」
('A`)「お、ギコがベンチに座ったぞ」
( ^Д^)「休憩か? 大分息が上がってるな」
(´・ω・`)「よし、今だ。頼んだぞ、しぃ」
(*゚ー゚)「……」テクテク、トスン
(-@∀@)「あっ、隣に座った」
- 918 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 01:25:51.06 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「おお、なんか声をかけとる」
(´・ω・`)「『お兄さん、見てたよ』って話しかけるように言っておいたんだ」
(´・ω・`)「謎の少女しぃはスポーツマニアの女の子」
(´・ω・`)「公園で体を動かしている青年が気になった、っていうシチュエーションで」
(´・ω・`)「そしてそういう男性が好きという設定だ」
( ^ω^)「無駄に細かいお」
(*゚ー゚)「……」
(,,゚Д゚)「……」
(*゚ー゚)「……」
('A`)「クソッ、何喋ってんのか全然わかんねぇ……」
(´・ω・`)「会話の内容は重要じゃない。会話という行為自体が意味を持つ」
- 926 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 01:31:56.07 ID:SC2BKzwa0
- ( ^Д^)「うへ、ギコの奴だらしねぇ笑顔浮かべやがって」
(-@∀@)「一応この現場もカメラに収めておこう」パシャッパシャッ
('A`)「こうしてしばらくコミュニケーションをとらせるのか」
(´・ω・`)「そう」
('A`)「とか言ってる間に……」
川д川「もう……辺りは闇よ……」
从 ゚∀从「残るはカップルみたいな連中ばかりになってきたな」
(´・ω・`)「そろそろかな」
('A`)「何がだ」
(´・ω・`)「小児性愛者ってのは、理性があるうちは不思議と紳士的に振る舞うんだ」
(´・ω・`)「嫌われたくないからだろうね」
- 929 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 01:36:12.82 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「だから、それがどうしたんだ」
(´・ω・`)「そろそろギコは『もう帰らないのか』って尋ねるだろう」
从 ゚∀从「ハァ? なんでまた」
(´・ω・`)「相手のことを気遣ってさ」
(´・ω・`)「あくまで本性は隠して、ジェントルマンを貫くのなら、必ずそう問う」
( ^ω^)「あれかお、そこで家出してきたとでも答えるのかお」
(´・ω・`)「そうさ。憂いを帯びた瞳をしてね」
('A`)「そりゃかなりの威力を発揮しそうだな……」
(゚、゚トソン「あっ、今!」
ミセ*゚ー゚)リ「二人とも立ち上がりました!」
( ><)「ギコくんがしぃちゃんの手を引いてるんです!」
('A`)「なんだと! まずいな。おい、みんな追うぞ!」ガサガサッ
- 936 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 01:47:51.41 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)「ハァ……ハァ……三分走っただけでバテた……」
川д川「ここ……木々に囲まれてる……深淵の森……」
('A`)「人気のないエリアに移動しただけか……」
( ^ω^)「今はまだ、普通に話してるだけだお」
('A`)「というか……後ろのエリアからアンアン艶めかしい声がするんだが……」
(´・ω・`)「ここはアウトドアセックスの名所だからね」
( ^Д^)「うおおおお! あそこの姉ちゃんケツでけぇな!」
从 ゚∀从「そっちを覗くなバカタレ。ギコとしぃにスポット当てろ!」
( ^Д^)「でもよー、この場所、街灯足りてなくて暗いんだよ」
(´・ω・`)「ギコめ、市民公園の特色を把握してるな」
(´・ω・`)「ただそこまで考えられるなら、まだ理性は保たれている」
('A`)「しぃ、最悪逃げ出すことも頭に入れておけよ」
- 944 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 01:54:57.51 ID:SC2BKzwa0
- (*゚ー゚)「……」
(,,゚Д゚)「……」
('A`)「気になるな……どこまで会話が進んでるのか」
从 ゚∀从「ちょいショボン、双眼鏡貸せ」
(´・ω・`)「はい」
从 ゚∀从「……ダメか。唇の動きでわかるかと思ったんだが……」
(´・ω・`)「僕らにできるのはひたすら待つことだけさ」
( ^Д^)「ギャハ、どっちにしろハイン読唇術なんてできねーじゃんか」
从 ゚∀从「うっせ。悪いかよ、スキルなくて」
从 ゚∀从「やるだけやってみることもだな……おおっ?」
- 955 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 02:02:17.45 ID:SC2BKzwa0
- ( ><)「何か動きがあったんですか?」
从 ゚∀从「裸眼じゃわかんねぇだろうけどよ」
从 ゚∀从「今確かに、二人の距離がわずかに詰まったんだ」
('A`)「はぁ? ギコが体を寄せたのか?」
(,,゚Д゚)「……」
(*゚ー゚)「……」
( ^ω^)「あっ、今肩に手を掛けたお!」
('A`)「なんだって!?」
(゚、゚トソン「なんだか危険な」
ミセ*゚ー゚)リ「雰囲気」
( ><)「なんです!」
- 961 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 02:05:51.56 ID:SC2BKzwa0
- ( ^Д^)「しぃが身を引いて後ずさりした」
从 ゚∀从「だけどギコがさらに距離を縮めたぜ!」
川д川「情熱と悲壮の饗宴ね……」
(´・ω・`)「まずい。しぃが危ない! ここからは遠すぎる!」
('A`)「アホか! 遠いなら早めに行動するんじゃ!」ガササッ!
( ^ω^)「ドクオ!」
('A`)「未然に防げばいいんだよ!」
('A`)「起きちゃいけない未来がわかってんなら、遮二無二やって、全力出して」
('A`)「起こさなきゃいいだけだ!」
('A`)「アサピー! ばっちり撮影しておけよ!」ダダダッ
(-@∀@)「うっ、うん」
('A`)「クソがあああ! 乳酸溜まってるってのによお!」ダダダッ
- 968 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 02:17:04.30 ID:SC2BKzwa0
- (,,゚Д゚)「なあ、どうせ行く当てもないんだろ? だったら……」
(*゚ー゚)「あの……その……」
ウォォォォォォォォォ!
(,,゚Д゚)「ん? なんだあのノイジーな人影は」
('A`)「うおおおおおおおおおおお!!」
(,,゚Д゚)「……こっちに向かってくる?」
('A`)「ぬおりゃあああああああああ!!」
ボゴンッ!!
(,,゚Д゚)「ワァァッツ!?」
(,,゚Д゚)「……って、全然力がこもってないから痛くねぇ! 助走なんだったんだ!」
('A`)「はあ……はあ……その子から手をはな……せ……」
(,,゚Д゚)「なんで登場と同時に疲労困憊なんだよ」
- 975 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 02:22:32.95 ID:SC2BKzwa0
- (,,゚Д゚)「というかお前に殴られた勢いで手なんて勝手に離れたぜ」
('A`)「ああ……先制攻撃は成功したのか……」
(,,゚Д゚)「その前に……ん? お前、うちの高校のジャパニーズじゃねぇか」
('A`)「そうだ。ジャパニーズサムライだ」
(,,゚Д゚)「ハハハ! こんな貧弱な体で俺に敵うと思ってんのか!」
('A`)「黙れロリコン野郎。子供に手を出す真性ロリコンが人に指図してんじゃねぇ」
(,,゚Д゚)「なっ……チイッ、全部見てやがったか」
(,,゚Д゚)「だったら口封じもしておかないとな!」
('A`)「言っておくが俺の口はヘリウムよりも軽いぜ?」
(,,゚Д゚)「ナイスジョーク。ナイスジョーク」
(,,゚Д゚)「ナードがジョックに喧嘩売るとはいい度胸してるじゃんかよ!」
('A`)「俺は確率がゼロじゃないなら特攻するぞ!」
(,,゚Д゚)「ルナティック! 気が触れてるぜ!」
- 982 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 02:30:32.65 ID:SC2BKzwa0
- (,,゚Д゚)「レディゴー!」ダッ!
('A`)(アメフト仕込みの猪突猛進のダッシュ……)
('A`)(ってか避けるの無理だろこれ! 身を翻すの無理!)
('A`)(だったら……)
('A`)(やるしかねぇ……!)
(,,゚Д゚)「WOOOOOOOOOAH!!」
('A`)(合気道に腕力は要らない……)
('A`)(必要なのは胆力だ)
('A`)(流れるような心で……湧き起こる衝動を鎮めて……)
('A`)(相手の力を利用して……大胆かつ、繊細に)
('A`)「受け流すように……投げるっ!」
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 02:40:53.14 ID:SC2BKzwa0
- ('A`)(……)
('A`)(音はない。何も聴こえない。感覚がない)
('A`)(目は閉じている……)
('A`)(俺の渾身の天地投げは……成功したのか?)
('A`)(俺は……立っているのか?)
('A`)「……ん……」
(*゚ー゚)「……」
('A`)(しぃか……建前上は他人だから、話しかけないようにしてるんだな……)
('A`)(ん? 俺の目線のほうがしぃより高いってことは)チラッ
(,,゚Д゚)「……ファック、ファッキンジャップ……!」
('A`)「倒れてるのは……ギコか!」
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 02:47:27.50 ID:SC2BKzwa0
- (,,゚Д゚)「おいてめぇ、今どうやった……?」
(,,゚Д゚)「俺は……触れられてないというのに……」
('A`)「ふっ……合気道の神髄とは、無我の境地なり」ドヤッ
('A`)「ってかちょっとは触れたって。もうちょっと俺の握力を信じて」
(,,゚Д゚)「ぐほっ、全身が傷むぜ……」
('A`)「え、天地投げって護身術だからそんな大した技じゃないんだけど」
(,,゚Д゚)「リアリィ!? 今のが大技じゃないというのか!?」
('A`)「えっ、そうだけど」
(,,゚Д゚)「スケアリー……東洋の魔術か……」
(,,゚Д゚)「シット、こんな奴に勝てるかよ! ファック!」タッタッ
('A`)「あっ、逃げてった……ふふふ、臆病風に吹かれたようだな!」
('A`)「俺つえええ!」
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 02:53:19.26 ID:SC2BKzwa0
- ガサッ...タッタッタッ...
( ^ω^)「ドクオ! 無事かお!」
('A`)「おう、お前らか。見ての通り平穏無事だぜ」
('A`)「それより……おい、アサピー。証拠写真は撮れたか?」
(-@∀@)「バッチリさ! 一部始終がこの中にね」
(-@∀@)「もちろんドクオくんの活躍も」
('A`)「焼き増しよろしく」
(´・ω・`)「これがあれば、ギコの権力を奪うだけでなく」
(´・ω・`)「ナードの代表格であるドクオの株も同時に上がる」
('A`)「だからそれ称賛なのか貶してるのかわかりづれぇよ」
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 02:55:23.29 ID:SC2BKzwa0
- 从 ゚∀从「しぃもよくやってくれたぜ! 今日のMVPだ」
(*゚ー゚)「……ふええん、怖かったよ……」
从 ゚∀从「おお、よしよし。お姉さんの胸で泣きなさい」
(´・ω・`)「だけど凄いね、ドクオ」
('A`)「なにが?」
( ^Д^)「決まってんだろ! お前今どうやって投げたんだよ!」
('A`)「ああそりゃ、合気道は力を込めずに投げるって武道だから……」
('A`)「激流を制するは静水ってやつですか?」
( ^Д^)「いやお前……力どころか……」
( ><)「ギコくんに触れてすらいなかったんですけど……」
('A`)「……へ?」
川д川「比喩とかじゃなくてよ……うふふ……」
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 02:58:27.49 ID:SC2BKzwa0
- (´・ω・`)「君のところに辿りつく前に、ギコは宙を舞っていたからね」
('A`)「……なーんか、凄く嫌な予感がするんですが……」
( ^Д^)「なあなあ、マジでどうやったんだよ! マジックか?」
('A`)「マジックだったらどれほど平和か……」
(゚、゚トソン「どういう」
ミセ*゚ー゚)リ「こと?」
('A`)「……ちょっと時間くれ。気持ちを落ち着ける」
('A`)「あと一度自分とも向き合ってみる」
( ^ω^)「それには深呼吸が効果的だお」
('A`)「わかってる。すーはー、すーはー、すーはー。よし」
('A`)「あー……ちょっと試したいことがありまして」
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 03:03:26.61 ID:SC2BKzwa0
- (´・ω・`)「何をだい?」
('A`)「あそこに違法駐車してあるオートバイでいいか……」
从 ゚∀从「なんだなんだ」
('A`)「……ふっ!」
フワッ...!
( ^Д^)「うおおおおお!? 浮いた!? 高度およそ十メートル!?」
(-@∀@)「まさか……ドクオくんが?」
('A`)「はい、えーと、どうやら自分、超能力とかいうのに目覚めちゃったみたいでして」
(´・ω・`)「本気で言ってるの?」
('A`)「嘘だとしたらこの現象は説明できねぇだろ……」
(´・ω・`)「……アメイジング」
('A`)(やはり俺も……父さんの息子だったのか……)
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 03:09:38.56 ID:SC2BKzwa0
- 〜〜なんか気まずいディナー〜〜
('A`)「……つーわけで、血は争えないみたいです」
(`・ω・´)「ドクオよ、お前のチャンネルは父さんのものとは少し違いそうだ」
(`・ω・´)「父さんの念動力はテレキネシス」
(`・ω・´)「その背景にあるのは共感覚。物体と感覚を共有させているんだ」
(`・ω・´)「最近の父さんは目だけで大抵のことは済ませられるようになってるからな」
('A`)「俺はなんなんだ」
(`・ω・´)「ドクオの場合、幼少から習っていた合気道の経験」
(`・ω・´)「その経験を糧にした物理的な面からのアプローチのほうが大きそうだ」
(`・ω・´)「つまりは、同じ念動力でもサイコキネシスと呼ぶべきだろうな」
('A`)「もうオニオングラタンスープの味もよくわかんないよ」
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/02(火) 03:14:01.62 ID:SC2BKzwa0
- (`・ω・´)「それにしても……ドクオも発現してしまったのか」
(`・ω・´)「シャンパンでも開けようか?」
('A`)「いらない。ダイエットコークだけ飲んでる」
(`・ω・´)「そうか」
(`・ω・´)「ああ思い出した、父さん今日」
(`・ω・´)「NASAの全権のうちの三分の一を譲渡されたよ」
('A`)「ふうん」
(`・ω・´)「代わりに決して反目しないよう誓約させられたよ」
(`・ω・´)「そんな物騒なことを起こす気は微塵もないのにな。くわばらくわばら、だ」
('A`)「なんかもうどうでもいいわ」