その6
631 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 20:59:00.24 ID:3o2jkgwK0
〜〜二週間後、図書室にて〜〜


('A`)「……」カキカキ

('A`)『で、どんな具合に進んでるんだ?』

(´・ω・`)「……」カキカキ

(´・ω・`)『順調そのものだ。トソンもミセリも首尾よくやってくれてる』

('A`)『あいつらの仕込みが一番時間がかかるからな……』

( ^ω^)『だけど、あと一週間』

(´・ω・`)『僕もそろそろサイト改竄に着手する』

(´・ω・`)『モララーの女装写真のアップが、最終章突入を告げる鐘だ』

( ^ω^)『それが合図かお』

('A`)『嫌な合図だな……』

635 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 21:02:33.22 ID:3o2jkgwK0
('A`)(……それにしても……)

川 ゚ -゚)「……」ペラッ

('A`)(あいつ、本当にずっと図書室にいるんだな)

('A`)(何度か図書室で話し合ったことはあったが……)

('A`)(毎回いる)

( ^ω^)「……」カキカキ

( ^ω^)「……」トントン

('A`)「なんだよ」

( ^ω^)『なに見惚れてるんだお、スケベ』

('A`)「……」カキカキ

('A`)『アホか。下心とかじゃねーから』

639 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 21:07:35.39 ID:3o2jkgwK0
(´・ω・`)「さて……そろそろ帰宅しようかな」

('A`)「ん? 今日は作業していかないのか」

(´・ω・`)「最近寝不足でね、ゆっくり休みたいんだ」

( ^ω^)「あんま無理すんなお」

(´・ω・`)「無理なんてしてないよ。全部僕の意志に基づいているんだから」

(´・ω・`)「好きなことをやることを無理とは呼ばないでしょ」

( ^ω^)「まあいいけど。僕も帰って撮り貯めしたドラマでも見るお」

( ^ω^)「そうだ。ドクオ、ちょっと帰りにマック寄っていかないかお?」

('A`)「いや……俺はもうちょいしてから帰るわ」

( ^ω^)「つれない奴だお」

(´・ω・`)「そうか。それじゃあまた明日」

('A`)「おう。んじゃな」

641 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 21:10:51.82 ID:3o2jkgwK0
('A`)「……」

川 ゚ -゚)「……」ペラッ

シン......

('A`)(俺と、あいつ以外に誰もいない。司書すらどこかに行ってる)

('A`)(二人だけか……)

('A`)(それにしても妙に気になる)

('A`)(まさか……本当に恋なのか……?)

('A`)(童貞歴十七年……モラトリアムエイジ真っ只中……)

('A`)(俺は恋をしたというのか……?)

川 ゚ -゚)「おい」

('A`)「ふやひゃはいっ! なんでしょう」

645 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 21:15:27.39 ID:3o2jkgwK0
川 ゚ -゚)「気が散るからあまり視線をよこさないでくれ」

('A`)「ああ、はい……すみません」

川 ゚ -゚)「……」パラッ

('A`)(……怒られた……)

('A`)(てか声初めて聴いたわ。ん? それより)

('A`)(ブックワームはフローターの一種……)

('A`)(フローターは誰とも干渉しないんじゃなかったか……?)

川 ゚ -゚)「おい」

('A`)「べっひゃんはい! なんですかね」

川 ゚ -゚)「なにアホ面で考え込んでいるんだ」

('A`)「いやあ、特に何も想念だとかは浮かんでいなくてですね」

648 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 21:19:30.50 ID:3o2jkgwK0
川 ゚ -゚)「大方、私がなぜ口を開いたかとか、そんなくだらないことを考えているんだろう?」

('A`)「やっ、まさか、そんなことはなくてですね」

川 ゚ -゚)「こんな見分けやすい動揺は初めてだ」

('A`)「ごめんなさいそうです」

川 ゚ -゚)「……君が働きかけてきたからだ」

('A`)「はい?」

川 ゚ -゚)「君はずっと私を観察していたじゃないか。十分な介入だ」

('A`)(目でだけかい)

川 ゚ -゚)「私は自分から干渉することはないが」

川 ゚ -゚)「誰かから先に干渉してきた場合にはその限りではない」

('A`)「はあ、さいですか」

川 ゚ -゚)「まあ、誰もわざわざ私に関わってきたりなどはしないがね」

652 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 21:23:14.85 ID:3o2jkgwK0
川 ゚ -゚)「この頃君と、あと友人らしき男子二名か」

川 ゚ -゚)「よく図書館で見かけるな」

('A`)「あんたに言われたくないよ」

('A`)「あんたはいつもいるじゃないか、ここに」

川 ゚ -゚)「私の居場所はここだけだからな」

('A`)「ふうん」

川 ゚ -゚)「しかし、男三人集まって考えることなぞロクなもんじゃない」

川 ゚ -゚)「何やら文字で密談しているようだが、どんな馬鹿げたことをしでかすつもりやら」

('A`)「馬鹿げた……真剣だっつーの。これでも」

川 ゚ -゚)「ほう」

('A`)「……なあ」

川 ゚ -゚)「なんだ?」

654 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 21:30:32.01 ID:3o2jkgwK0
('A`)「あんたは、ピラミッドの外にいるんだろ?」

川 ゚ -゚)「ピラミッド……? ああ、スクールカーストか」

川 ゚ -゚)「くだらない概念だよな。君は聞いた話では日本から来たそうだが

川 ゚ -゚)「日本人であるなら一層そう思うだろう」

('A`)「外にいるってことは、内側の人間とは無関係なんだろ?」

川 ゚ -゚)「そういうことだな」

('A`)「そうか……だったら。おい、こっそりと教えてやる」

川 ゚ -゚)「何をだ?」

('A`)「俺はジョックの奴らに逆襲して、スクールカーストをぶち壊すつもりだ」

川 ゚ -゚)「大小が把握しにくい夢だな」

('A`)「しょぼかろうと夢は夢だ」

657 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 21:33:48.39 ID:3o2jkgwK0
川 ゚ -゚)「ははあ、そういうことか。あに二人は君のシンパか」

('A`)「同士と呼べ同士と」

川 ゚ -゚)「ナードのくせによくやるな」

('A`)「ナードだからやるんだよ」

('A`)「もっとも俺はナードになったつもりなんか微塵もなかったけどな」

川 ゚ -゚)「顔がナードだろ」

('A`)「うるせぇよ」

川 ゚ -゚)「だがしかし、そんなことを私に告げてどうする?」

川 ゚ -゚)「君のメリットがないわけだが」

('A`)「証人になってもらいたいんだよ」

川 ゚ -゚)「証人?」

('A`)「この先起こることが偶然じゃなくて、俺らの力だってことを知ってもらいたい」

659 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 21:38:20.74 ID:3o2jkgwK0
川 ゚ -゚)「意味が少々わからんのだが」

('A`)「スクールカーストの内側にいる奴は真実を一生知らないままだ」

('A`)「偶然として処理されるだろうし、第一それがそもそもの狙いだ」

川 ゚ -゚)「……」

('A`)「……でもちょい寂しいわけよ、俺は」

('A`)「ナードにだってこんだけのパワーがあるってのに」

('A`)「だから外側にいる人間のあんたにだけは、知ってほしい」

川 ゚ -゚)「私に歴史の目撃者になれというのか」

('A`)「そうだ」

川 ゚ -゚)「なるほどな。なかなか面白いことを言うじゃないか」

川 ゚ -゚)「その顔には似つかわしくないが」

('A`)「うるせっうるせっ」

667 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 21:42:19.09 ID:3o2jkgwK0
('A`)「まあそういうことだ! 終わりっ!」

川 ゚ -゚)「なにを半端に照れているんだ」

('A`)「たまに格好つけたことをいうと全身が痒くなるんだよ」

川 ゚ -゚)「まあいいがね」

川 ゚ -゚)「要するに君はジョックが支配する時代に幕を下ろすわけだな?」

('A`)「そうだ」

川 ゚ -゚)「それは偶発的なものではなく、作為的なものだと」

('A`)「ああ」

川 ゚ -゚)「……何をやるんだ? ラフファイトか?」

('A`)「それは今後のお楽しみということで」

川 ゚ -゚)「ラフファイトはやるのか!?」ハァハァ

('A`)「なんでバトル展開を異常に期待してるんだよ」

673 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 21:49:37.04 ID:3o2jkgwK0
('A`)「当たり前だろ。あいつら全員スポーツやってるからマッチョだけど」

('A`)「俺はご覧の有り様だ」

川 ゚ -゚)「率直な感想を述べさせてもらうと、貧相の一言だな」

('A`)「自覚しております」

('A`)「だから権謀術数を張り巡らせて勝つんだよ」

川 ゚ -゚)「意気地があるのかないのかわからんな、お前は」

('A`)「ハートは負けないぞ」

川 ゚ -゚)「まあ精々傍観させてもらうよ」

('A`)「じゃあ……そういうわけだ。俺はこの辺で去らせてもらう」

川 ゚ -゚)「待て。名前ぐらい教えてくれてもいいだろう。それが証人に対する礼儀だ」

('A`)「ドクオだよ。日本から来たドクオってんだ」

川 ゚ -゚)「そうか。その礼節に敬意を表して私も名乗ろう。クーだ」

('A`)「いい名前だな。じゃあな、クーさんよ」タンッ

680 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 21:57:28.20 ID:3o2jkgwK0
〜〜一日の最後を飾る食事〜〜


(`・ω・´)「今日も所長家族にサービスさせられたよ」

(`・ω・´)「まったく所長も躾がなってない。わがままな息子だった」

(`・ω・´)「一般企業で営業部として働いていたことを思い出すよ」

('A`)「大変だね。ミートローフが上手に焼けたよ」

(`・ω・´)「それから父さん、MITが連邦政府向けに発表した……なんだっけな」

(`・ω・´)「ああ、そうだ、地表上の生物ランキング。これで最上位に置かれたよ」

(`・ω・´)「つい最近まではアフリカゾウに負けていたんだが」

('A`)「ソースは何がいい?」

(`・ω・´)「普通のグレービーソースで構わないよ」

('A`)「付け合わせのマッシュポテトも添えておくから」

inserted by FC2 system