その4
- 402 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 14:28:28.44 ID:3o2jkgwK0
- 〜〜一週間後、〜〜
(*゚ー゚)「……」
(-@∀@)「……」
ピッピロピロリロリン♪
( ^Д^)「きた!」
('A`)「二人とも、昨日フサに告白してきたんだよな、嘘の」
ミセ*゚ー゚)リ「うん」
(゚、゚トソン「アドレスを渡しておきました」
( ^ω^)「さて、返事はどうか……伸るか反るか」
('A`)「吉と出るか凶と出るか……」
从 ゚∀从「クレイジー。仏教文化の言い回しはイカれてるぜ」
- 403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 14:33:44.49 ID:3o2jkgwK0
- (-@∀@)「直接返答しないのが実に男らしくないね!」
( ^Д^)「かーわかってねぇな、この繊細な機微が……」
从 ゚∀从「へいへいチェリーどもは黙ってな。それよりだ」
('A`)「なんて返ってきた?」
(゚、゚トソン「……ええと」
(゚、゚トソン「『まだよくわからないから、日を改めて話がしたい』だそうです」
(´・ω・`)「曖昧な返事だね。この調子だとミセリにも同じメッセージがくるだろう」
(´・ω・`)「ま、いずれにせよデートに漕ぎつけるための口実は出来たね」
( ><)「まずは第一段階クリアしたんです!」
川д川「崩壊への序曲……うふ……」
(´・ω・`)「今週末プライベートで会いましょう、って送っておいてくれるかな?」
(゚、゚トソン「は、はい」
- 406 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 14:43:52.93 ID:3o2jkgwK0
- ('A`)「それでモララーだが……」
( ^Д^)「ビー・クワイエット! 声を落とせ、声を……」
( ^ω^)「な、あなんだお」
( ^Д^)「あっち見ろ、廊下のほう」
(´・ω・`)「あれは……」
('A`)「アメフト部とチアの奴らか……」
( ゚∀゚)「ヘイ、見ろよ。教室の隅で負け組どもが固まってるぞ」
(,,゚Д゚)「辛気臭い連中だぜ。用事が済んだんならさっさと帰ればいいのにな」
ζ(゚ー゚*ζ「もー聴こえるよー」
( ・∀・)「聴こえたところで別にどうってことないじゃないか」
ξ゚听)ξ「やだー」
- 409 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 14:52:44.44 ID:3o2jkgwK0
- ( ゚∀゚)「ハハ! まあナードはナードで好きにさせてやれよ。行こうぜ!」
ゾロゾロ...
('A`)「……消えたか」
( ^Д^)「うっぜ! マジうっぜ! うっせーバーカ! アスホール!」
( ^ω^)「姿が見えなくなってから強気になってんじゃないお」
从 ゚∀从「しかしフサはいなかったな」
(´・ω・`)「その点に関しては色々と好都合だったね」
(´・ω・`)「頭を悩ませるあまり単独で行動しているという証明でもあるし」
(´・ω・`)「こちらの企みにも勘付かれずに済んだ」
(´・ω・`)「トソンとミセリが同時にいるところを見られると、少々まずくなる可能性がある」
( ^Д^)「あいつバカっぽいからそんなこと考えつかないだろうけどよ」
- 411 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 14:57:28.42 ID:3o2jkgwK0
- ('A`)「とはいえ、さすがにずっと教室で会議するというのも無理が出てきたな」
(´・ω・`)「うん。彼らの目に留まらないようにすることが何より先決だからね」
(*゚ー゚)「目に留まらないところ……」
从 ゚∀从「じゃああそこだな。図書室」
从 ゚∀从「もっともジョック連中のイメージから遠い場所だろ」
( ^Д^)「お前も図書室なんて行ったことないだろ」
从 ゚∀从「うっせーな」
(-@∀@)「でもいいんじゃないかな? まず間違いなく寄ってこないよ」
( ><)「でも、図書室で女装写真広げるのは気が引けるんです……」
('A`)「まあ……取扱注意な代物だからな……これ」
从 ゚∀从「わざわざ見せてくんな!」
- 412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 15:01:56.72 ID:3o2jkgwK0
- (´・ω・`)「念には念を押して下調べに行ってみようか」
(´・ω・`)「滞りなく利用できそうなら使わせてもらおう」
('A`)「じゃあこの後、俺とショボンと、あとブーンとで下見してみるか」
(´・ω・`)「あんまり人が多いようだと不自然さが目に付くだろうからね」
(゚、゚トソン「まあ図書室なんて」
ミセ*゚ー゚)リ「ナードしかいないけど」
(´・ω・`)「とはいえメッセンジャーがいるかも知れないから」
('A`)「なにそれ」
( ^ω^)「チクリとパシリだお」
('A`)「一番糞みたいな連中だな……」
(´・ω・`)「それより……しぃ」
- 415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 15:09:52.29 ID:3o2jkgwK0
- (´・ω・`)「準備は進んでるかな?」
(*゚ー゚)「う、うん。子供っぽい服をサダコと買いに行ったんだけど……」
('A`)「こいつのセンスでかよ。やめとけよ」
川д川「無礼ね……コスメティックも私のセレクトよ……」
('A`)「まさか漂白剤ぶっかけたみたいなことになってるファンデーションじゃないだろうな」
川д川「うふふ……」
(´・ω・`)「あまり派手なもの、特徴が出すぎているものはやめておいたほうがいい」
(´・ω・`)「過去の性犯罪者の精神鑑定によると、あくまでノーマルな外観の子を好むとあるね」
(´・ω・`)「少女らしい少女、ありのままの少女のほうが強い性的興奮を呼び覚ますようだ」
('A`)「生々しい情報だな……」
( ><)「聞きたくなかったんです!」
- 419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 15:16:48.58 ID:3o2jkgwK0
- ( ^Д^)「ギコをはめるのはいつになる?」
( ^Д^)「俺はあいつが一番憎たらしいんだよ……」
从 ゚∀从「モテるからだろ?」
( ^Д^)「図星やめろ」
(´・ω・`)「順番がある。彼はできるだけ後半に回したい」
('A`)「なぜまた」
(´・ω・`)「まずは学校内で風潮を作り上げておかないとね」
(´・ω・`)「フサとモララーの権威を失墜させて」
(´・ω・`)「ジョックたちはこういう奴らだってことを示しておくんだ」
( ^ω^)「確かに……ギコは写真一枚で追い込まなきゃならないから」
( ^ω^)「その信憑性が深まるような空気を作っておかないといけないお」
- 420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 15:20:26.41 ID:3o2jkgwK0
- (´・ω・`)「そう。ギコへの作戦は言い逃れの道が残っている」
(´・ω・`)「だけどあらかじめ外堀を埋めておけば、疑惑は真実味を増すから」
('A`)「なるほどねぇ」
(゚、゚トソン「それ」
ミセ*゚ー゚)リ「より」
( ><)「ジョルジュくんはどうするんですか?」
(´・ω・`)「そこなんだよね……相変わらずの膠着状態なんだ」
('A`)「おいアサピー。なんかグッドアイディアないかグッドアイディア」
(-@∀@)「そ、そういうドクオくんこそどうなんだい?」
('A`)「ない!」
(-@∀@)「自信満々に宣言することじゃないよ……ええと、ええと……」
- 424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 15:26:14.01 ID:3o2jkgwK0
- (´・ω・`)「さすがに難しいよね。僕の責任だ」
(-@∀@)「いっ、いや、そんなこと……」
( ^Д^)「焦っとる焦っとる」
(´・ω・`)「一番簡単に、それも絶大な効果を及ぼして鼻を折る手段はあるけどね」
('A`)「なんだあるんじゃねーか。早く教えろそれを」
(´・ω・`)「ドクオ、君がジョルジュを殴り飛ばすんだ」
('A`)「は?」
(´・ω・`)「ナードを代表してね」
('A`)「待て待て待て。まったく意味がわからないんだが」
(´・ω・`)「ジョックの面目を潰す一番効率的なやり方だよ」
(´・ω・`)「体力自慢のジョックがナードと殴り合って負けたら、プライドなんてズタズタさ」
(´・ω・`)「周囲の人間の目も変わるだろうね。ジョルジュに対してと、君に対しての」
- 427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 15:32:11.88 ID:3o2jkgwK0
- 从 ゚∀从「ナード舐めんなってことか! 確かにそいつは面白ぇ!」
川д川「ジョックを打ち倒すナード……蠱惑的……」
(´・ω・`)「特に、ジョルジュはジョックたちの頂点、キングオブキングスだから」
(´・ω・`)「能率はいいよね」
('A`)「いや理論はわかるが、前提がおかしい。仮定が成り立ってない」
('A`)「喧嘩で勝てとか無茶ぬかすな!」
('A`)「見ろ、この俺のひょろひょろの肉体」
( ^ω^)「なんのための武道だお」
('A`)「合気道ってのはなー、腕力じゃなくてだなー、胆力が重要でなー」
(´・ω・`)「まあ、あくまでも最終手段だから。策を用意できなかった時のね」
('A`)「もし負けたら最悪のパターンだな……」
- 434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 15:39:15.76 ID:3o2jkgwK0
- (´・ω・`)「とまあ……今日の報告はこのぐらいかな」
( ^ω^)「それじゃ一旦解散して僕らは図書室見に行くお」
(*゚ー゚)「あ、あの」
('A`)「なんだ?」
(*゚ー゚)「わたし、ちょっと思ったんだけど」
(*゚ー゚)「学校の外で集まるのが、一番安全じゃないかなあ……」
('A`)「ふうむ」
(´・ω・`)「なるほど。いいかもしれないな。親睦も深まるし」
( ^Д^)「本気かよ。貴重な休日の時間はそうそう割けないぜ!」
(´・ω・`)「だったら平日ならいいんだろう?」
('A`)「なんで俺を見るんだショボンよ」
- 438 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 15:45:51.62 ID:3o2jkgwK0
- (´・ω・`)「こうしよう。明後日、男性陣はドクオの家に集合」
(´・ω・`)「女性陣は別の場所でフサからのメールを確認した後話し合ってみてくれ」
('A`)「いや集まるのはいいが、なぜ我が家なんだ」
(´・ω・`)「いけないかな? 僕らとしては、君が来てからまだ一週間少々」
(´・ω・`)「君について知らないこともたくさんあるからね」
(-@∀@)「名案かもね」
( ><)「仲良くなっておきたいんです! チームワークが大切なんです!」
('A`)「ちょ、お前……鼻息荒くしてアフロをぶつけてくるな」
( ><)「え、僕おもしろ黒人枠だったんですか?」
( ^Д^)「まあ平日なら、どうせやることも少ないからいいけどよー」
( ^ω^)「じゃあ決まりだお」
('A`)「マジかよ……部屋の掃除めんどくせぇな……」
- 443 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 15:54:54.95 ID:3o2jkgwK0
- 从 ゚∀从「んじゃ、アタシらは別に集まっておけばいいわけね」
(´・ω・`)「ああ。お茶でもしながらね。ただメール内容は教えてよね」
(゚、゚トソン「お茶……ケーキ……」
ミセ*゚ー゚)リ「今日のうちにいいお店探しておこっと」
川д川「うふふ……彷徨う子羊どもの集会……」
(´・ω・`)「そして僕らはむさ苦しいドクオハウスで談合だ」
('A`)「むさ苦しいを追加する必要なかっただろ!」
( ><)「わかったんです!」
('A`)「言っとくけど日本語版ならお前の声の吹き替えは山ちゃんだからな」
(´・ω・`)「一応、見ておくに越したことはないから、図書室にも行こう」
('A`)「そうだな。んじゃ、解散ってことで」
( ^ω^)「行ってくるお」
从 ゚∀从「おう。張り切って調査してこい」
- 445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 15:59:20.84 ID:3o2jkgwK0
- 〜〜図書室(スクール・ライブラリー)〜〜
('A`)「……てなことで、到着したわけだが」
( ^ω^)「静かだお。あんまり声出して話せる雰囲気じゃないお」
(´・ω・`)「これだけ静まり返ってると会話に聞き耳立てられるかもしれない」
('A`)「だったら筆談すりゃいいだけだ」
(´・ω・`)「うわ、本格的な筆記体を書くね」
( ^ω^)「逆に僕らみたいなゆとりアメリカ人には読めないお」
('A`)「二十分ぐらいで習得したんだが逆効果だったか……」
('A`)「……ん?」
川 ゚ -゚)「……」
('A`)(誰だ、あの端っこで読書してる奴)
- 448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 16:04:36.70 ID:3o2jkgwK0
- (´・ω・`)「誰を眺めてるんだい」
('A`)「うお、後ろから顔出すなよ」
( ^ω^)「ははあ、一目惚れでもしたかお」
('A`)「違うって。ちょっと気になっただけだっての」
(´・ω・`)「好いた惚れたにしても、あの子はやめておいたほうが賢明だね」
(´・ω・`)「彼女は有名なブックワームだから」
('A`)「ブックワーム?」
( ^ω^)「本の虫。授業にも出ず一日中本読んでるんだお」
(´・ω・`)「どの派閥にも属していない……フローターの一人さ」
('A`)「フローター。スクールカースト外の人間か」
(´・ω・`)「だから彼女は自分から干渉してこないし、決して干渉もされない」
(´・ω・`)「そういう宙に浮いた存在なんだよ」
- 450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 16:11:48.49 ID:3o2jkgwK0
- ( ^ω^)「だから話しかけても相手にはされないお」
('A`)「そうか……」
( ^ω^)「なにがっかりしてんだお。やっぱそうなんじゃないかお」
('A`)「うっせーファッティ!」
(´・ω・`)「当初の目的を失念してないかい?」
(´・ω・`)「どうやら、図書室を活用する際は筆談が安定みたいだね」
('A`)「あ、ああ、そのようだな」
( ^ω^)「間違ってもモララーの写真とか机の上に広げられる空気じゃないお」
(´・ω・`)「でも逆に、こういう舞台だからこそ披露してみたいよね」
( ^ω^)「一理ある意見だお」
('A`)「意外とえげつないこと考えるな、お前ら……」
- 451 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 16:14:38.52 ID:3o2jkgwK0
- ('A`)「さて、用も済ませたし……帰るとするか」
( ^ω^)「そうするお」
(´・ω・`)「僕はせっかくだし、しばらく図書室で作業させてもらうよ」
(´・ω・`)「空調設備が教室より整ってるからね」
('A`)「お前いつもノートパソコン持ち歩いてるもんな……よくやるわ」
('A`)「……しかし……」
川 ゚ -゚)「……」
('A`)(なんか気になるんだよな……)
('A`)(いやいや顔が好みだとか、欧米人の黒髪最高とかそういうんじゃなくてだな)
('A`)(……違うんですよ?)
- 454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 16:23:52.75 ID:3o2jkgwK0
- 〜〜家族のささやかな幸せを感じる瞬間〜〜
(`・ω・´)「父さん、今日は所長の家族の接待をさせられたよ」
(`・ω・´)「超能力に喜んでもらえたみたいでなによりだったがな」
(`・ω・´)「右手から稲妻を、左手から劫火を出してクロスさせた時は拍手喝采だったぞ」
(`・ω・´)「念動力のチャンネルはまだ練習中だから使わなかったが」
('A`)「そう。今日は俺風呂じゃなくてシャワーでいいや」
(`・ω・´)「そうそう、それから、父さん五感の探求を続けるうちに」
(`・ω・´)「共感覚にも目覚めてしまったんだ」
(`・ω・´)「五感の一つが、他の五感のどれかと接続する現象なんだがな」
(`・ω・´)「父さんな、目で見るだけでものの性質が手に取るようにわかってしまえるんだ」
('A`)「おめでとう。明日はパーティーだね」
- 460 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/01(月) 16:31:08.76 ID:3o2jkgwK0
- (`・ω・´)「たとえば、そこの器に盛ったバッファローチキンウィング」
(`・ω・´)「父さんまだ手をつけてないけど、味が伝わるぞ」
(`・ω・´)「かなりスパイシーな味付けがされてあるな。強烈に辛い」
(`・ω・´)「しかし後を引く辛さだ。度数の高い酒に合いそうだな」
('A`)「うん、大体合ってる。じゃあもう食べなくていいね」
(`・ω・´)「ただ……これは味覚ではなく触覚を刺激されているな」
(`・ω・´)「辛さを感じるのは触覚の役割だから」
(`・ω・´)「まだまだ錬度が不足しているな」
('A`)「ふうん。あ、そうそう、明後日友達来るから遅めに帰ってきたんで大丈夫だよ」
(`・ω・´)「土産はカップアイスでいいな」
('A`)「悪くないね」