以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 22:13:12.91 ID:zn5Xq6L30<>
井戸中サダコは、おのれの中の “ もう一人 ” に抗っていた。
川::д川 (……少し、黙っていて)
彼女はドクミの想像通り、チャネラーとなってさほど長いわけではない。
とはいっても、ブーンが “ 別人格 ” に目覚めたのと同じ頃であったので、
日が浅いというほどでもない。
彼女には、ギコやしぃ・流石のような理解者が周りにいなかったため、
自己の状態を把握し、情報を集めるのに、時間を要したのだ。
<>( ω ) Channelers のようです
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 22:17:19.27 ID:zn5Xq6L30<>
ヽiリli;д;ノi 「ひっく、ひぐ……」
サダコには懸念があった。
独自に調べた内容だと、超能力者 ・ チャネラー達は、
熟練すれば、本人の意思で人格切り替えが可能なはずである。
だが、サダコの中の “ 別人格 ” については、少々事情が違っていた。
彼は恐ろしい。
サダコの意志とは関係なく、時おりノイズのように割り込んでくる。
“ コ ロ セ ”
別人格が言った。
彼の能力によって、憎き目の前の少女──、
岡戸スパムは、旧校舎から逃げられなくなった。
『 コトダマ 』 という俗称で呼ばれるそれは、
暗示を刷り込むことで、命令内容を強制的に行使する超能力。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 22:19:24.28 ID:nLOc4Dkt0<> sien <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 22:19:41.40 ID:zn5Xq6L30<>
サダコの感染能力は、いわばヒュプノシスの一種である。
対して、別人格の能力は、
対象者をいわゆる催眠状態(意識狭窄状態)に誘導することなく、その行動を縛る。
行動の制限という目的に特化した、限定的な 『 コトダマ 』 。
潜在意識に組み込まれた暗示プログラムは、彼女の 『 合図 』によって発動する。
それは、束縛の超能力。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 22:19:48.22 ID:uNZ3gdLRO<> おお早いな支援 <>
>4訂正<>sage<>2010/12/26(日) 22:21:17.78 ID:zn5Xq6L30<>
サダコの感染能力は、いわばヒュプノシスの一種である。
対して、別人格の能力は、
対象者をいわゆる催眠状態(意識狭窄状態)に誘導することなく、その行動を縛る。
行動の制限という目的に特化した、限定的な 『 コトダマ 』 。
潜在意識に組み込まれた暗示プログラムは、彼の 『 合図 』によって発動する。
それは、束縛の超能力。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 22:22:40.39 ID:zn5Xq6L30<>
川::д川 (どうするかは……わたしが、決める)
オカ研の発行する会報、その製作担当という立場を使って、
有りもしなかった七不思議のひとつをでっち上げたのも。
記事担当者、それから他のオカ研部員を “ 感染能力 ” で一時的に操り、
巧みな情報操作によって、
旧校舎の噂話を、少しづつ浸透させていったのも。
全ては、今日のため。
その能力を発動するためには、
繰り返し暗示をかける必要があったのだ。
かくして。
“ 旧校舎で騒ぎを起こす ” というフラグ成立とともに、
“ 校舎を出ることができない ” 呪縛は、スパムの体を蝕んだ。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 22:24:08.73 ID:4GPx9Cic0<> wktkしえ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 22:25:02.14 ID:uNZ3gdLRO<> しえしえ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 22:25:04.07 ID:zn5Xq6L30<>
川::д川 (だから、少し黙っていて……『 ミルナ 』 )
サダコは思索をめぐらせる。
内田とやらを職員室に引きずり込んだのは、おそらく “ 感染者 ” ではない。
これ以上の邪魔が入らないよう、彼女たちのもとに
“ 感染者 ” を向かわせたいところだが……あまり人員は割けない。
目の前にいるスパムには、依然 “ 呪縛 ” が掛けられている。
それは校舎から逃がさないための保険であったが、
鬼ごっこの終了とともに、ちょっとした足かせへ転じていた。
別人格の能力の対象者は、常に一人。
だがその一人は、
サダコの持つもう一つの能力、精神汚染に “ 感染 ” しないのだ。
ヽiリli;д;ノi 「ひぐっ……サダちゃん、おねがい……」
感染能力で足止めできない以上、
スパムが逃げようとした場合、力づくでそれを阻む必要が出てくる。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 22:25:28.15 ID:+Us+AGpLO<> 最近よく来るね、支援 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 22:25:45.26 ID:VN1JwtMQ0<> 少しずつ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 22:27:07.14 ID:zn5Xq6L30<>
彼女を取り囲む “ 感染者 ” 二人は、写真部から引っ張ってきた者たちだ。
男子生徒は、写真部に似つかわしくない、屈強そうな大男。
もう一人は普通の女子生徒だが、伸縮性のミニ三脚という凶器を握り締めている。
彼ら二人が牽制になっている間は、めったな動きはできないだろうが──。
川д川 「……」
職員室からバタバタと物音がする。
最大の目的は、もはや達せられる寸前なのだ。
邪魔はさせない。
復讐のために、今日までずっと耐えてきた。
にっくき彼女は、目の前にいる。
でも。
“ コロ シ テヤル ”
わたしは今、スパムを────どうしたい。
どうするべきなのだ?
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 22:28:02.18 ID:uNZ3gdLRO<> ふむ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 22:29:15.41 ID:zn5Xq6L30<>
川д゚川 「!」
そこまで考えたところで。
飛び出す影を視界の隅に捉え、サダコは側方へと振り返った。
『 井戸中さん! 』
廊下の中央には、
憎むべき仇敵の一人である、オカ研副部長の男子生徒、山田。
それから。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 22:31:28.33 ID:zn5Xq6L30<>
『 ──キミの周りにいるのは、オカ研ではなく、写真部の部員たちだろう?
キミが、自身の革命に、関係の無い他人を巻き込むというのなら。
復讐のために、何を犠牲にしても、虐げてもいいと思っているのなら 』
おそらくは、最大の障害となるであろう、
,_
从 ロ リル 「僕は、自分の助けたいもののために、キミのチカラに抗うだけだっ!」
もう一人の、超能力者(チャネラー)がいた。
川#゚д川 「……!!」
──あんたなんかに、何がわかる。
──わたしの苦しみが。
──悲しみが。
──邪魔は、させない。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 22:33:23.69 ID:zn5Xq6L30<>
http://boonsoldier.web.fc2.com/channel.htm
http://localboon.web.fc2.com/100/top.html
纏
http://kurukurucool.blog85.fc2.com/blog-entry-497.html
http://boonfestival.web.fc2.com/channelers/list.html
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 22:35:34.69 ID:zn5Xq6L30<>
〜 〜 〜
【 2F 職員室前 ・ 廊下 】
川д#川 「五月蝿い! うるさいうるさい五月蝿い!
……“ 動けなく ” してやるっ!
わたしの、チカラで!」
めいっぱい叫んだ、直後。
サダコは僕の意志をかき消すが如く、半狂乱で喚き散らした。
从゚、゚;リル 「!」
そして。
その剣幕に合わせたかのように、“ 感染者 ” の男子生徒
──ひとまず感染者Cと名付ける──が、頭を抱えた姿勢で突進してきた。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 22:36:00.81 ID:uNZ3gdLRO<> 支援です <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 22:38:03.60 ID:zn5Xq6L30<>
「くるぞ!」
山田が、槍を持つが如く、脚立を水平に構える。
从゚ロ゚リル 「任せてっ!」
走り寄る感染者Cめがけ、僕は手元のオフィスチェアを、
力いっぱい “ 射出 ” した。
「がぁッ!?」
感染者Cは、避ける間もなく椅子に足を取られ、大きくよろめいた。
追撃とばかり、山田が斜めに脚立を振りかぶる。
今だ。
「うおおおおおお!! ファイナルサンダーYAMADAスプラッ」
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 22:39:31.37 ID:uNZ3gdLRO<> えっ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 22:39:49.09 ID:8al9s5ys0<> えっ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 22:40:21.13 ID:zn5Xq6L30<>
从 皿 ;リル 三三 「ドクミちゃんダッシュ!」
「えッ」
──間の抜けた声を背に受けつつ、僕はホールと逆側に猛ダッシュした。
从゚−゚;リル (──よしっ!)
あった。
東棟へ繋がる曲がり角の手前。
多少不安ではあったが、廊下をフラついていた時の曖昧な記憶は正しかった。
すぐさまハンドルに飛びつく。
思ったとおり、廊下の水道は生きていた。
蛇口を捻っていくらもしないうちに、小さなフラスコは満タンになる。
滞りなく水をゲットした僕は、山田の元へ大急ぎで駆け戻った。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 22:41:20.60 ID:uNZ3gdLRO<> 支援 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 22:42:41.63 ID:6Nk4k2ui0<> しえ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 22:42:57.02 ID:zn5Xq6L30<>
「うアチョー!!」
ちょうど、感染者Cが廊下の壁に叩きつけられる瞬間だった。
「あがっ!?」
脚立の一撃を喰らった感染者Cは、
オフィスチェアに絡まりながら、ずるずると床に伸びる。
「はぁ、はぁ……」
从'。`;リル 「おっ……と、大丈夫スか?」
「ぬお!? う、内田くんか」
肩で息をしていた彼に声をかけると、弾かれるように、一メートルほど跳び退った。
僕であることに気づいた途端、山田はすごい勢いで二の腕を掴む。
「まったく、焦ったよ! 置いてけぼりにされたかと思ったじゃないかー!」
(( 从・ヮ・;リル ) 「す、スンマセン。 ちぃと武器を補充しに……」
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 22:45:42.71 ID:zn5Xq6L30<>
「危なかったんだぞ!
咄嗟に山田インパクトPart2で反撃したから良かったものの……」
めいっぱい僕の体を揺さぶる山田に対し、目の前でフラスコを振って見せる。
わずか2、300ミリリットルという、いささか頼りなさすぎる飛び道具。
刃物でいうと、ちょっとした小刀程度のシロモノかも知れないが、
使えるアイテムは確保するに越したことはない。
……まあ確かに、今この瞬間に取りに行かなくても良かった気はするけど。
「とにかくあと二人だ!
悪霊に触れないよう、くれぐれも気をつけたまえ」
从゚- ゚;リル 「了解っ」
さきほど滑らせた椅子の一つは、未だ感染者Cの上体に絡まっている。
気絶したとは思うが、あえて近づくような真似は避けるが賢明だろう。
つまり、そちらの椅子はもう使えない。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 22:48:08.24 ID:zn5Xq6L30<>
中央階段正面ホールと、そこから伸びる東側廊下。
けして広くないこの場所には、いくつもの狂気がひしめきあっている。
残る “ 感染者 ” は、男子生徒と女子生徒が一人ずつ。
彼らの襲い来る動きは単調だ。
こちらには、オフィスチェア一つに脚立、さらにフラスコという飛び道具が残っている。
「うぐっ……くぁあぁ……!」
“ 感染者 ” 一人ひとりに、しぃちゃんほどの脅威は感じなかった。
いける。
この調子なら、うっかり触れさえしない限り、彼らの排除はさして難しくないはず。
川д#川 「ぐぅっ、……許さない、ユルサナイ!!」
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 22:49:28.61 ID:uNZ3gdLRO<> シエン <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 22:50:20.27 ID:zn5Xq6L30<>
サダコの激昂が、肩を震わす様からありありと伝わってくる。
彼女が腕を空に払うと、その近くにいた男子生徒──、
感染者Dが、野獣のような咆哮を上げた。
从'皿`;リル 「あ、あれも……写真部のヤツなんですか?」
「少なくとも、ウチの部員でないことは確かだね」
肉付き良く図体のでかい、頑健を絵に描いた感じの男だ。
武器があるとはいえ、対するこちらはたったのもやし二本。
「がぁぁぁぁぁああぁっ!!」
……前言撤回。
こいつは、一筋縄ではいかないかも。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 22:53:04.83 ID:zn5Xq6L30<>
●第二伍話 『 PARALLEL - personality. ── VS. サダコD 』
「あがっ……あああああああああああ!!」
Σ从゚、゚liリル (きたっ!)
どす、どす、どす。
廊下を揺らしながら、感染者Dが走り迫る。
从゚ロ゚リル 「うりゃあ!」
スライダー
“ 滑らせる能力 ” の射程圏内へ入るタイミングを見計らって、
彼の足元目掛け、オフィスチェアを撃ち出した。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 22:53:16.59 ID:uNZ3gdLRO<> しえしえ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 22:55:06.49 ID:zn5Xq6L30<>
「うがッ」
見事、命中。
痛々しい音とともに、男子生徒はがくりと膝を折る。
が、その進行を阻むまでは至らなかった。
(( 从゚△゚;リル ノノ 「わわっ、くるっ!」
「OK、任せて!」
巨体が眼前まで迫った。
そこで、山田がそのどてっ腹へ脚立を突き出す。
「ごはッ?!」
まともに喰らった感染者Dは、苦悶に顔を顰め、上体を折る。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 22:56:40.51 ID:hJ3ebd0aO<> しえー <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 22:56:42.40 ID:uNZ3gdLRO<> 支援 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 22:57:14.93 ID:zn5Xq6L30<>
しかし。
「うご……うがぁあ!」
「うわっ」
(( 从゚皿゚;リル 「ひゃっ」
天板部分を腹にめり込ませたまま、腕を大きく振り回してきた。
間一髪でその拳をかわす。
まだだ、まだ気絶していない。
そういえば、こいつはさきほどスパムに殴りかかったヤツだ。
窓ガラスに突っ込んだハズの拳には、さしたる怪我の痕も見られない。
マズい、かも。
この “ 感染者D ”、思った以上にタフだ。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 22:59:47.53 ID:zn5Xq6L30<>
「くっ……」
山田が後退して体勢を立て直そうとする。
だが、相手は脚立の反対側、支柱の部分をがっしり掴んでいた。
「なっ!? は、離せっ」
綱引きのように、二人は脚立の両側を持ち、奪い合おうとする。
しかし、山田が両手で掴んでいるのに対し、相手は右手一本だ。
Σ从゚△゚;リル 「あぶないっ!」
感染者Dは、脚立の端を脇に抱えると、残る左手でストレートを放った。
「ひっ」
まさに山田の頬へめり込まんとする寸前、
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 23:02:12.63 ID:uNZ3gdLRO<> しえーん <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:02:23.11 ID:zn5Xq6L30<>
「──!?」
敵の拳は、目を瞑る山田の眼前、ギリギリのところで静止した。
──間に合った。
「こっ、これ……は……?」
透明なボールが、宙空で、拳と顔面に挟まれていた。
殺しきれなかった衝撃により、山田は小さくよろける。
以前、クーがやってのけたのと、ほぼ同じ防御法。
ハイドロキネシス トレース
从 皿゚;リル (“ 水を操る能力 ” の “ 再現 ”!)
至近距離であることが幸いしたのだろう。
拳を遮る “ 水 ” には未だチカラが浸透し、その弾力性は保たれている。
見よう見まねではあったが、どうにか成功だ。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:02:51.02 ID:eNuqEupu0<> しぇあ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:05:05.05 ID:zn5Xq6L30<>
右手に力を込めると、へしゃげた水球は、
ぶよん、と、相手の拳を押し返す。
「うがああああッ!」
同時に感染者Dが体を引き、
脚立は山田の手からすっぽ抜けた。
「ああっ! エリーゼ!」
名付けるな。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 23:07:32.54 ID:uNZ3gdLRO<> 山田ちょっとうっとおしい <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:07:56.04 ID:zn5Xq6L30<>
从゚□゚;リル 「どいてッ!」
脚立を奪い取った勢いで、感染者Dの体が後方へと傾ぐ。
その隙をつき、僕は正面から椅子を抱えて突進した。
从>□<;リル 「りゃああああ!」
「がっはぁ!?」
感染者Dの体は、脚立ともども2メートルほど吹っ飛んだ。
対する僕も、ぶつかった衝撃で床へ尻餅をつく。
从 ロ ;リル 「はぁ、くっ、はぁ……」
「な、なんだかわからないが助かったよ!」
从'。`;リル 「うん、ええ、……あいつは?」
こうも早く、“ 水 ” を使う事態になろうとは。
やっぱり取りに行って正解だった。
世の中本当に何が起こるかわかったもんじゃない。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:10:17.27 ID:zn5Xq6L30<>
「ああ。 やっt……」
Σ从゚△゚;リル 「───って、ない!?」
「なにっ?」
だが。
追撃を受け、仰向けに倒れこんでなお、相手はその意識を保っていた。
「うぐ……ッ。 が……ああっ!」
僕は山田の手を借りて立ち上がると、周囲へ視線を走らせた。
もう一度攻撃を!
今振るったオフィスチェアは──。
从゚д゚liリル 「げっ」
川#д川 「……!」
あった。
感染者のさらに向こう側、つまりサダコの元まで滑り飛んでいた。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 23:10:19.85 ID:uNZ3gdLRO<> しえん <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:12:36.44 ID:zn5Xq6L30<>
从゚□゚liリル 「ま、まっずっ」
突進の直後、倒れる際に、僕の足がぶつかったせいなのだろうか。
水ナシ、椅子ナシ、脚立ナシ。
なんてことだろう、あっという間に攻撃手段が全て無くなってしまった。
ひとまず小走りで距離を取る。
倒れた感染者Dは、苦しそうなうめきを発しつつも、
傍らにある脚立へ手を伸ばし、踏ざん(足置き部分)をしっかりと掴んだ。
「内田くん、他に何か奥の手は!?」
((从 - ;リル)) フルフル
「くっ……そうか」
山田が口惜しげに唇を噛む。
いま一度水を運んでくることは出来るだろうが、あの量じゃ決定打にならない。
先ほどと同じく、良くて攻撃を防げる程度。
フラスコはあくまで攻撃の補助にしか使えない。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 23:14:54.41 ID:uNZ3gdLRO<> しえんた <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:15:04.33 ID:zn5Xq6L30<>
「エリーゼを奪われた以上、山田スペシャルもマウンテンパディも使えない」
从゚、`;リル 「も、もう一度職員室に戻ります?」
「……いや、かくなる上は」
山田はぽん、と僕の肩に手を置くと、
「戦略的撤退といこう」
小さくつぶやいた。
从゚□゚;リル 「撤退? 校舎の外まで逃げるってことですか!?」
思った以上に頓狂な声が出た。
水道のところまでおびき寄せることが出来れば、
勝機も生まれるかも知れないけど。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:18:20.73 ID:eNuqEupu0<> さよならエリーゼ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:19:06.24 ID:zn5Xq6L30<>
しかし彼は、こちらの問いには答えず、
「ところで、ちょっと聞いて欲しい」
从゚−゚;リル 「?」
「彼らに襲われない方法が、ひとつだけある」
゙从゚、゚;リル 「えっ?」
耳元で囁きかけてきた。
これは仮説だけど、と前置きし、早口で捲くし立てる。
「悪霊に取り憑かれた奴らは、幻覚症状などに苦しまされる。
しかし、彼らはその幻覚の内において、
僕たちのように 『 正常な者 』 しか、視認できないんじゃないかな」
从゚o ゚;リル 「?? そ、それってどういう……?」
芝居がかった口調に、得も言われぬ違和を覚えた。
山田はどこかのセクハラ部長のように、僕の肩を揉みさすりながら続ける。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 23:22:10.13 ID:uNZ3gdLRO<> 支援 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:23:29.37 ID:zn5Xq6L30<>
「憑依されている者たちは、互いを認識できていないんじゃないかってこと。
気性の荒いヤツもいるわりに、同士討ちするところは見たことがない。
つまり」
从゚、゚;リル 「……はぁ」
「憑依された者が 『 敵だ 』 と感じ、襲う対象は、
まだ憑依されていない人間だけだと思うんだ」
从'、`;リル 「ゾンビみたいなもんだっていうんですか? でも……」
彼の物言いには疑問が残る。
単に辺りを徘徊している連中ならともかく、
ここにいる数人の “ 感染者 ” たちは、
サダコによる、いわば遠隔操作を受けている状態なのだ。
誰を襲うかなんてのは、サダコの意志ひとつではないのか。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 23:24:36.23 ID:uNZ3gdLRO<> ふむ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:26:05.96 ID:zn5Xq6L30<>
「案外、取り憑かれてしまったほうが安全なのかも知れない」
って、なんだそのトンデモ結論。
言いたい事がまったくわからない。
首をかしげているうちに、感染者Dがゆっくりと起き上がった。
脚立を杖代わりに、禍々しいオーラを放っている。
「がぁぁあぁっ……!」
咆哮とともに、鬼のような顔つきでこちらに視線を向ける。
目が合った。
マズい。 ぐずぐずしている暇はない。
対抗手段を失った以上、確かに一度、退かざるを得ないようだ。
ところが──。
「すまないね、内田くん」
从'。`;リル 「はい?」
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:28:24.27 ID:zn5Xq6L30<>
「少しの間だけでいい」
後ずさりしていた僕の背を、ふいに山田の胸が遮る。
肩に置かれていた右手が、ブレザーの襟へと回された。
从・、・リル゙ 「へ?」
ぐっと力が込められ、僕の体は上へ引っ張られた。
続けざま、背中にもう片方の手が添えられる。
「辛抱してくれたまえ!」
──まさか。
_, 、_
Σ从゚Μ゚llリル 「んなっ」
あろうことか。
山田は僕の体を押しながら、感染者のほうへ前進し始めたのだった。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:28:39.62 ID:+dvQMIXY0<> 支援 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:32:50.48 ID:zn5Xq6L30<>
从 □ilリル )) 「な、な、なぁぁぁあぁっ!?」 ズザザザ
両腕をじたばた動かし抵抗するが、思った以上に山田の力は強い。
僕の体はずりずりと前へ押し出されてゆく。
「大丈夫、憑依されてたほうが安全だから!」
いや、安全も何も──。
「ごがぁあああぁぁああぁあ!!」
Σ从 □lliリル 「あんぎゃぁああああ!!」
どう見ても彼、襲ってくる気満々だから! 脚立振り上げてるから!
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 23:34:15.73 ID:uNZ3gdLRO<> さてさて <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:35:06.95 ID:zn5Xq6L30<>
「ははっ。 心配はいらないさ……!」
とうとう感染者Dがこちらへ歩き出した。
足を突っ張って必死にブレーキを試みる。
すると、山田は僕を羽交い絞めにし、その状態でひょいと抱え上げる。
「よいしょっ」
从 皿 ;リル 「や、やめろッ! 離せぇ!」 バタバタ
こ、こいつ。
ひょっとして、初めからこのつもりだったのか。
「すぐに助けに……来る!から!ね!」
いよいよという場面になれば、僕を肉の壁として────!
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:35:13.17 ID:eNuqEupu0<> 裏切りのエリーゼ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:37:44.80 ID:zn5Xq6L30<> _, 、_
从 □#リル 「ふっ、ふざッ」
まさに前方へ突き飛ばされる寸前。
すんでのところで、後ろ手に、山田の腰をつらまえた。
_, 、_
从゚Μ゚#リル 「っっざけんじゃ! ね────ッ!」
躊躇はなかった。
そのままぐい、と、シャツの裾を引き絞る。
「お!? お、おおお!?」
“ 滑らせる能力 ” によって、彼は大きくバランスを崩した。
当然、僕もそれに巻き込まれ、二人仲良くその場に転倒する。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 23:38:33.20 ID:uNZ3gdLRO<> しえーん <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:40:06.19 ID:zn5Xq6L30<>
「ぐ……な、にが」
从 皿#リル 「こなくそ────ッ!!」
「はぐッ」
起き上がろうとした山田の背を、僕は勢い任せに弾き飛ばした。
「おおろおお────ッ!?」
山田は、愉快な悲鳴を上げながら床を滑ってゆき──。
「「はうあ!!」」
脚立をかかげて迫った感染者Dの、下半身へとストライク。
二人はもつれながら床にひっくり返った。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 23:40:48.43 ID:M6uoxpagO<> たくましいwww <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:41:13.59 ID:8al9s5ys0<> 山田ざまぁ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 23:41:18.05 ID:hJ3ebd0aO<> しえーん <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:42:21.40 ID:zn5Xq6L30<>
「お……ごっ……お……!!」 チーン
「……ぐほッ」 チーン
感染者Dは泡を吹いて沈黙する。
……山田は彼の体の下敷きとなって、ぴくぴく痙攣していた。
从゚△゚liリル 「はーっ。 はーっ。
……クソヤロウ」
僕は四つんばいの姿勢で、彼らのダウンする瞬間を見ていた。
想定外のアクシデントに見舞われはしたが──。
ともかくも、残る “ 感染者 ” はただ一人。
孤立無援となった僕を、スパムが不安げな表情で見つめる。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:45:04.18 ID:zn5Xq6L30<>
スパムの横にいる感染者Eは、女生徒だ。
狂おしくうめきを上げる彼女の片手には、
大きめのスタンガンのような物体が握り締められている。
ともかく、武器を持っているのは厄介だ。
取り囲む者たちがいなくなったあとも、スパムが逃げようとしないのは、
彼女に睨まれているせいもあるのだろうか。
从゚、゚;リル 「!」
そうだ、武器!
落ちた脚立を拾うべく、僕は倒れ伏す感染者Dの方へ走り出した。
『 ウ ゴ ク ナ 』
その時だった。
从゚皿゚;リル (──え?)
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 23:46:23.19 ID:6Nk4k2ui0<> 山田は仲間じゃなくて武器だったか <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 23:47:13.80 ID:uNZ3gdLRO<> 支援じゃ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:47:14.67 ID:zn5Xq6L30<>
『 ト マ レ 』
::( 从゚□゚liリル ):: 「な!? あ、がっ」
すぐには状況が理解できなかった。
地の底から響くような、凄みのある声が辺りに轟く。
直後、僕の体は駆け出そうとした姿勢のまま、はたと静止していた。
川゚д川 『 ドウヤラ、オマエニモ効キ目ガアルヨウダ、安心シタ 』
意味が呑み込めた途端、どっと冷や汗が噴き出す。
前髪の間から覗く、狂気を宿した瞳。
川゚д川 『 ソノママウゴクナ! ……オトナシク、シテイロ 』
──サダコの “ 別人格 ” と、そいつの超能力。
戦慄。
僕の体は、まるで金縛りにあったように動けなくなっていた。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:49:56.32 ID:zn5Xq6L30<>
::从 ロ liリル:: (触れてもいないのに、全身が強張って──。
“ マインドコントロール ” !?)
サダコが “ 動けなくなる ” と繰り返していた意味が、ようやくわかった。
でも、わかった時には遅すぎた。
体を動かそうとしても、筋肉がぴくぴくと痙攣するだけで、思い通りにならないのだ。
彼女にこんな隠し玉があったなんて。
まずい、まずい、まずい。
从 д liリル (声が、出ない。 遠隔操作する水もない。
──ヤバい!)
感染者Eがこちらに向き直り、ふらり、動き出す。
緩慢な歩みではあるが、
武器を掴んだ右手には力が篭っているらしく、奇妙な震えを帯びている。
万事休す……!?
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 23:51:01.62 ID:A9q5UoTWO<> 支援す <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:52:23.39 ID:zn5Xq6L30<>
恐怖と焦りにわななく、僕の前方で。
ひとつの影が、スッと、動いた。
Σ从゚д゚;リル 「────!?」
どん。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 23:54:30.90 ID:uNZ3gdLRO<> 支援 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:54:40.90 ID:zn5Xq6L30<>
彼女は。
目の前の敵を、両手を使って力任せに押しのけた。
「なっ!?」
さらに。
よろめき、後退した相手のもとへ駆け。
「や、めっ」
勢い任せに、その体を思い切り突き飛ばす。
「 あ 」
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:57:04.68 ID:zn5Xq6L30<>
瞬く間の出来事だった。
肉体が床に打ちつけられる、不快な連続音が、衣擦れと混じり合い。
何度も、
何度も、
生々しい旋律を奏でて──。
どさり。
止まった。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/26(日) 23:58:38.01 ID:uNZ3gdLRO<> シエン <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/26(日) 23:59:17.45 ID:zn5Xq6L30<>
──フロアが凍りついた。
从゚ロ゚liリル 「あ……あ……!」
荒い息を吐きながら、正面を睨みつける少女。
_,
ヽiリli 皿 ノi 「あんたなんて……あんたなんて!」
感染者Eとサダコ、二人の意識が、僕に向いた瞬間を見計らって。
彼女が、サダコを、階段から。
从゚ロ゚liリル 「………」
突き落としたのだ。
ヽiリli;ヮ;ノi 「あはははは! はは、きゃははははは!!」
从゚△゚liリル 「……す、ぱむ……」
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 00:00:54.61 ID:8KGMxz/zO<> しえ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:01:54.72 ID:r+r21PblP<> やりやがった・・・・・・ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:02:37.43 ID:uf+o3Qdh0<>
ヽiリli;ワ;ノi 「ざまあ見なさい! ひゃはは、ひひっ!
……天罰よッ!」
虚空に向かい、ひとり高笑いをあげるスパム。
背筋に薄ら寒いものが走る。
彼女の姿に、僕は紛うことなき狂気を感じていた。
ヽiリli 皿 ノi 「何が復讐よ! 何が 『 わたしは全て知っている 』 よ!
私が、ぎっ、偽善者ですってぇ!?
……ふざけるなぁ!!」
ヽiリli ワ ノi 「調子に乗りやがって!
これは天罰! 天罰なのよッ!
きゃ──っははははははははは!!」
繋ぎとめていた何かが切れてしまったのだろう。
ヒステリックな彼女の笑い声は、愉悦の匂いを滲ませながら、
どんどん甲高く、大きくなっていく。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:05:19.01 ID:uf+o3Qdh0<>
僕は心の底から戦慄を覚えた。
ヽiリli゚ヮ゚ノi そ 「いい気……味……っ!
………?」
狂乱する彼女の姿に。
そして。
これから直面するであろう、どうしようもない現実に。
ヽiリli゚д゚ノi 「……ひッ」
──だって。
サダコは階段から落ちたはずなのに。
周りの感染者が動きを止めようとしないのは。
未だ、僕の身が動かないままなのは。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 00:07:35.93 ID:N6hReAx8O<> なんと <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:08:07.23 ID:uf+o3Qdh0<>
「ひぎああああああああああああッ!!」
从゚−゚ilリル 「───!」
絶叫が響き渡った。
::ヽiリli □ ノi:: 「嫌ッ! いやあああああああ!!」
スパムは苦悶に顔を歪め、床へ倒れ込んだ。
「痛だぁああぁあ! たず、げッ! ああああああ!!」
わめきともつかぬ悲鳴を上げながら、
壊れたぜんまい付きのおもちゃのように、バタバタとのた打ち回る。
今まで見た “ 感染者 ” の中でも、突出した苦しみようだった。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:10:23.04 ID:uf+o3Qdh0<>
「痛い痛い痛だぁぁぁあ! 死ぐッ! 助けでぇえ!」
“ 感染 ” の大元 ── 発生源。
それは他でもない。 サダコ自身なのだ。
周りの “ 感染者 ” だけではない。
サダコ本人に触れてしまえば……。
その能力は、容赦なく。
「あぎゃああああああッ!!」
精神を、蝕む。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 00:11:42.36 ID:N6hReAx8O<> おぅふ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:12:33.17 ID:s7LjjLog0<> おおう… <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:13:14.66 ID:uf+o3Qdh0<>
『 うぎッ……ヨ……クモ! 』
もがき苦しむ彼女のもとへ。
足を引きずりながら、ふらふらと近づいてゆく影がひとつ。
『 ……ロジテヤル、コロ……テヤル……、コロシ……ヤル……ッ!』
憎悪は。
狂気は。
遺恨は。
怨嗟は。
害意は。
妄執は。
呪いは。
川皿゚#川 『 コロシテヤル!! 』
未だ、生きている。
周りの全てを呑み込むほどに、大きく膨れ上がりながら。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 00:13:45.79 ID:C2JZIk5gO<> あうあー… <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:15:49.68 ID:uf+o3Qdh0<>
川д゚#川 『 オマエ……絶対許ザナイ!!
シネッ! ゴロシデヤルッ!! 』
血濡れの顔半分を手で押さえ、スパムの姿を見下げるサダコ。
ただならぬ様相だった。
彼女は今、復讐の念に全身を支配された、殺意の塊だった。
川д゚#川 『 オ マエ ナンテッ !! 』
ヽiリli Д ノi そ 「うぐっ……」
サダコは、転げ回るスパムを捕まえると、首を掴んで起き上がらせた。
そのまま両手で絞め続ける。
スパムのこめかみに青筋が浮かび、手が宙を掻き毟った。
从゚Ο゚liリル 「何をして……や、やめろッ!」
川#゚д川 『 ク ル ナ!! 』
Σ从 □ liリル 「あ、がっ!?」
体の硬直が徐々に緩み、駆け出そうと思ったのもつかの間。
サダコの大喝に、ふたたび脚が竦み上がり、静止を余儀なくされる。
叫ぼうとしたが、声にならない。 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:18:13.02 ID:uf+o3Qdh0<>
「あああああ……!」
从゚、゚;リル 「!?」
そこで、僕の叫びを代弁するかのように、後方からうめきが重なった。
嫌な予感に背筋が伸びる。
ま、さ、か。
どうにか首だけ後ろへ向けると、やはり。
廊下の端に、数人の “ 感染者 ” が蠢いている姿が見えた。
,_
Σ从 дilリル (さっ、最悪っ!)
いつからそこに居たのかはわからないが、
既に、後ろにも逃げ場は無くなっていたのだ。
ざっと見ただけで、5、6人のシルエットが見える。
山田が、わざわざ僕の体を盾にしてまで “ 前方へ ” 逃げようとしたのは、
この事実に気づいたためだったのか。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:20:35.68 ID:uf+o3Qdh0<>
从゚д゚liリル (あれ? そういえば、ヤツ……は!?)
と、そこで気づく。
山田と感染者が折り重なっているはずの方向には、
股間を押さえてうずくまる、感染者Dの姿しかない。
「違うぅぅぅうぅう」
Σ从゚ο゚;リル (げっ、こいつッ!)
聞き覚えのある声に、右前方を向く。
「それはぁああぁあっ。 ストローじゃないぃぃいいぃ」
(( 从 ロliリル ) (さ、最後の最後まで──ああもう!)
そこには既に、黒髪の長身が、白目を剥いて佇んでいた。
再度 “ 感染 ” したらしき彼は、僕と目が合った途端、やおら動き出す。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:23:10.79 ID:uf+o3Qdh0<>
「ううううう……!」
左前方からは、明後日の方向を見つめる女子生徒──感染者Eが、ゆらりと迫り来る。
手に握り締めた凶器、伸縮式の三脚を振り上げながら。
「あああああ……!」
後ろからは数名の “ 感染者 ” 。
ただ徘徊していたはずの彼らは、
何がきっかけとなったのか、今や全員が迷いなく、僕のほうに向かってきている。
「そーれーはぁぁあぁ、ちーくーわーぁぁだあぁぁ」
再び前へ振り向く。
涎を垂らしながら脚立を拾い上げる、山田の姿があった。
::从 ◇il|lル:: (ひいいぃぃっ! た、助けてッ!)
絶体絶命マズいヤバい一触即発四面楚歌。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:25:59.49 ID:uf+o3Qdh0<>
「げッ! げがッ……! は……!」
スパムの顔は青紫に染まり、口の端から止め処なく泡を吹いている。
目を剥き、舌を飛び出させた彼女が、びくんびくんと痙攣する姿は、
さきほどまで高笑いしていた少女と同じ人物とは、到底思えない。
川д゚#川 『 ユルサナイ……!
コロス! シネッ!! シネェ!! 』
まさしく断末魔、生命の危機に瀕している人間の表情だった。
だが、サダコがその手を緩める様は見られない。
このままだと、スパムは確実に死ぬ。
从 □ilリル 「うくっ……! ああ!
や、めろぉ!」
ようやく声が出た。
体の硬直も僅かながら解けてきている。
でもこれじゃ間に合わない。
救えない。
彼女を助けることができない。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 00:26:03.41 ID:N6hReAx8O<> 支援 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:28:11.44 ID:uf+o3Qdh0<>
───君には、救えないよ
「あっ……がっ……!」
苦しみもがくスパムの目が、ぎょろりとこちらを向いた。
震える腕が、僕に向かって差し出された。
動け、動け、動いてくれ。
目の前で、少女が殺されようとしている。
少女が人を殺そうとしている。
───だれも
川д゚#川 『 コロシテヤル! オマエガ! オマエガッ! 』
僕は。
ぼくは。
ボクを救えなかった。
落ちる彼女を止められなかった。
目の前で転落する彼女を、救えなかった。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 00:29:08.47 ID:N6hReAx8O<> しえん <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 00:30:14.82 ID:jRUI/v3z0<> 支援 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:30:25.85 ID:uf+o3Qdh0<>
从 □liリル 「うわぁぁあぁぁぁぁあぁっ……!!」
動いてくれ。
やめてくれ。
たすけてくれ。
たすけて。
さもなければ。
まただ。
また、目の前で人が死ぬ。
嗚呼、お願いします。
神様。
誰か、誰でもいい。
頼むから。
誰か!
「あああああああああ!!」
スパムを。
サダコを。
二人を、救ってくれ!
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:33:25.50 ID:uf+o3Qdh0<>
『 ──なんだお!? 』
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:35:53.94 ID:s7LjjLog0<> 弟おおお <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:36:05.39 ID:uf+o3Qdh0<>
── 救世主は、あまりにも、あまりにも唐突に現れた。
「ちょ、おまっ! 何してるんだおおおお!?」
── そして、甚だ意外な人物だった。
川#д゚川 『 オマエ……! 』
調子外れの声がホールに響き、サダコがそちらへ顔を向ける。
同時に、スパムへの首の拘束が解けた。
がくりと跪いた彼女は、直後、床で激しく咳き込みだした。
(i||i ゚ω゚) 「井戸中……さん?
ウチのクラスの、井戸中さんなのかお!?」
中央ホールを挟んで、向こう側の廊下。
西棟の方向から現れたブーンは、
状況を飲み込めていないようで、ひとり目を白黒させている。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:38:14.71 ID:uf+o3Qdh0<>
从゚□<;リル 「ぶ……うん!」
( ; ゚ω゚) そ 「に、ニーチャンかお!?」
辺りはみんな “ 感染者 ” だ。 気をつけろ。
叫ぼうとした僕の台詞を。
「いやぁああぁぁああっ!!」
从゚Ο゚;リル 「──!」
( ; ゚ω゚) 「!?」
他ならぬ、サダコの絶叫が掻き消した。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:39:27.74 ID:u7D7aHnIO<> シエンタ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:40:37.14 ID:uf+o3Qdh0<>
川lii□川 「ち、違うッ!
わたしッ!
岡戸さんを、殺したく、ないッ!!」
彼女は口元をおさえ、激しくかぶりを振っていた。
川lli□川 「苦しみと……恐怖を刻み付けるのが、わたしの復讐だった!
でも、こんなこと……までは! し、したくない!
い、命を……奪うなんて……!」
動きにあわせ、ぽたぽたと血がしたたる。
サダコはひどく怯えていた。
今の今まで、憤怒の形相で首を締め上げていたのとは思えないほどに。
川lliД川 「やめましょう! ミルナ! わ、たしは……!」
血相を変えて後ずさるサダコ。
だが、彼女の声を遮ったのも、また、 “ 彼女 ” 自身だった。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 00:41:49.54 ID:N6hReAx8O<> しえーん <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:43:41.38 ID:uf+o3Qdh0<>
川д゚川 『 ダ メダ。 ユル サナイ 』
声色が転じるとともに、彼女はかくりと首を垂らす。
長い黒髪がその顔を覆った。
かろうじて見えた表情は、激しい怒りに満ち溢れていた。
辺りに轟く、低く、くぐもったしゃがれ声。
老人のような、普段のサダコとはまるきり別人の声。
川皿゚#川 『 ワタシヲ蔑ンダ者。 無視シタ者。 邪魔スル者。
……ソシテ、裏切リ者!
オマエダ、スパム!!』
鈍い僕にも、ようやく何が起きているかわかった。
こいつが、“ 別人格 ” だ。
そして、サダコはこいつの意志に、抗おうとしている。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:48:24.69 ID:uf+o3Qdh0<>
川Д゚#川 『 全テノ奴ラニ! 同ジ苦シミヲ、味ワワセテヤル!
ゼッタイニユルサナイ!!
……コロシテヤル!! 』
別人格の心を支配する感情──。
それは、純粋にして完全なる厭悪。
敢然たる、殺意。
川liд川 「いやッ! わたし……できない!
怖い、怖い! ……あなたが!」
目の前で繰り広げられている事象を、おそらくブーンは理解できていないだろう。
川д゚#川 『 ダ マ レ 』
サダコは自己に棲む狂気と戦っていた。
かつての友人を殺めようとするそいつを、
その凶行を、必死に食い止めようとしていた。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 00:49:29.34 ID:N6hReAx8O<> ふーむ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:51:18.66 ID:uf+o3Qdh0<>
川д゚#川 『 ワタシハ コノ日ノタメニ 生マレタ!
邪魔ナ者ハ 全テ 排除スル! 』
( ; ゚ω゚) 「井戸中さん!? き、君がチャネラーなのかお!?」
川д゚川 『 サダコ……オマエハ 』
“ フ ク シ ュ ウ ヲ ”
从゚□゚;リル )) 「ぷはっ!?」
声が一段と低く轟き、僕の体の束縛が解かれた。
あまりの唐突さに、思わずその場でふらつく。
“ ト メ ル コ ト ハ ”
川liд川 そ 「なっ……!」
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:53:32.37 ID:uf+o3Qdh0<>
“ デ キ ナ イ ”
階段へ続くホールの角で、頭を抱えて壁に凭れていたサダコだったが、
その全身がびくんと跳ね、足先からスパムの方を向いた。
“ コ ロ シ テ ヤ ル ”
困惑した表情のまま、一歩ずつ歩き出す。
のどを押さえ、うつ伏せで咽びあえぐ、スパムのほうへと。
川;д川 「ミルナ、あなたまさか──!
何度も何度も、『 その言葉 』 を繰り返していた……のは!」
从゚д゚;リル 「──!?」
“ ユ ル ス ナ ”
川lliロ川 「……わ、たしを!?
『 わたしに 』 “ 暗示 ”を………刷り込ませて!
い、いやッ!」
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 00:53:51.64 ID:jXYCy/vFO<> しえん <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 00:55:09.18 ID:N6hReAx8O<> それはできちゃうのか <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:56:35.51 ID:uf+o3Qdh0<>
サダコは顔を歪め、しかし、歩みを止めることなく。
息も絶え絶えなスパムの元へ戻ると、ふたたびその襟首を掴み上げる。
从 □ ;リル 「やめろぉおぉぉおっ!」
“ コ ロ セ ”
三( ; ゚ω゚) 「だ、だめだおっ! 離すんだお!」
僕とブーンは、廊下の両サイドから、同時に走り出していた。
川lii ロ川 「た、たっ……」
『 助けて 』 ──っ!
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 00:59:07.79 ID:uf+o3Qdh0<>
道を塞ぐ感染者たち。
建物を震わす雄叫び。
振り上げられる凶器。
もはや考えなんてなかった。
ただただ、身を包む焦燥に駆り立てられるまま。
襲い来るヤツラの中を、突っ切った。
从 □ilリル 「うわあぁあぁあっ!」
なおも妨害せんとする感染者たちを、なぎ払い、駆ける。
何かがぶつかった。 激痛に身を折る。
一瞬開けた視界が、即座に歪み、萎縮してゆく。
悪寒が身を包む。
感染した。
関係ない。
意識が完全に支配される、その前に、サダコを。
彼女を、止めるんだ!
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 01:00:29.64 ID:jXYCy/vFO<> ふむふむ… <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 01:01:47.98 ID:N6hReAx8O<> 支援 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 01:02:17.46 ID:uf+o3Qdh0<>
──だが。
从゚□゚ilリル (──えっ)
頭を上げると。
目の前にいるはずの、ブーンが、サダコが。
消えていた。
そして、直後。
僕の横を、凄まじい速度で、何かが駆け抜けた。
从 。 ;リル 「!?」
一瞬遅れて、後方からけたたましい音響。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 01:06:41.58 ID:C2JZIk5gO<> 支援 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 01:07:13.13 ID:uf+o3Qdh0<>
从 ロ゚;リル (な、何が──?)
ぼんやりとした視界が、徐々にはっきりしてきた。
弾かれるように振り返る。
そこには、到底理解の及びそうにない、謎の光景が広がっていた。
Σ从゚д゚;リル 「えっ!?」
廊下の床、壁から飛び出した消火栓の脇で。
ブーン、山田、サダコの三人が、折り重なるように倒れていたのだ。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 01:08:47.32 ID:jXYCy/vFO<> しえんた <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 01:09:26.87 ID:uf+o3Qdh0<>
( ω )
::川li゚Ο川:: 『 あ……かッ、かはっ 』
サダコは、何がなんだかわからない、といった様相で、口をぱくぱくさせていた。
おそらくは、僕もそういう表情になっていたことだろう。
伸ばされたサダコの腕が、空を二、三度掴もうとしたあと、
川li д川 『 ……ッ! 』
力を失って、ぱたり、床に落ちる。
从゚ロ゚;リル (な、何がどうなって……)
Σ从゚д゚;リル 「!」 ハッ
ブーンはサダコの体に圧し掛かる形で、床の上に伏していた。
そして、ぴくりとも動かない。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 01:12:36.82 ID:uf+o3Qdh0<>
从゚□゚lliリル 「ブーン! 大丈夫か、ブーン!?」
僕はすぐさま、彼らの元へと駆け寄った。
転がる巨体を抱きかかえた瞬間、
周囲から、どさり、どさり、と、いくつもの音が響く。
音の正体は、感染者たちだった。
まるで操り糸を断ち切られたかのように。
主を失った傀儡たちは、一人、また一人と、床にくず折れてゆく。
── 続けざま、遠くからサイレンの音色が聞こえてきた。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 01:15:04.47 ID:uf+o3Qdh0<>
从゚□゚;リル 「おいっ、ブーン……おいって!」
わけがわからなかった。
まるで前衛的なオブジェのように、
幾人もの生徒たちが倒れ伏す、ほの暗い廊下。
窓より射す、赤い光に照らされて。
僕はそこで、たったひとり、膝をつき。
震えていた。
从>ロ<iリル 「しっかりしろ! ブーン! ブーン!」
“ 内藤ドクオの ” 弟を、抱きかかえたまま。
===
==
=
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 01:15:13.97 ID:N6hReAx8O<> しえしえ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 01:16:26.65 ID:jRUI/v3z0<> 支援 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 01:17:23.30 ID:uf+o3Qdh0<>
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi 『 えっ?
あなたも、オカ研への入部、決めたんだ!? 』
川д川 『 う、うん。
わたしに……何ができるかはわからない……けど 』
ヽiリ,,^ヮ^ノi 『 そっかぁ!
じゃあ、部活でもよろしくね、サダちゃん! 』
川д*川 『 ──え、ええ。
わたしこそ……よろしく。
……スパムちゃん 』
『 これからも、よろしくね 』
『 ずっと 』
『 わたしの、友達 』
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 01:17:47.95 ID:Xnz8QiTzO<> 支援 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 01:20:00.77 ID:L4f10qfJO<> 紫煙 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 01:21:10.64 ID:uf+o3Qdh0<>
=
==
===
階段を駆け上がってきた救急隊員は、その惨状に目を丸くしていた。
当然の話ではある。
あまりにも唐突で、不可解極まりない、そんな結末だった。
その後、校舎外に倒れていた者含め、じつに二十余名もの生徒が病院に搬送された。
が、概ね身体・精神に別状なく、意識を取り戻すと同時に退院するに至った。
── 五人の生徒を除いては。
言うまでもなく、ブーンと、その肉弾攻撃に巻き込まれたサダコ。
それから山田、スパム、しぃちゃんである。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 01:24:19.09 ID:uf+o3Qdh0<>
あの瞬間、ブーンの身に何が起こったのか。
彼には “ 物体転送(アポーツ) ” という超能力が眠っていたらしい。
一刻も早く我々のもとに向かいたい、そう考え、走り出した瞬間。
彼の潜在能力は、自らの体を、サダコの元へ “ 引き寄せた ” 。
ただしそれは、創作で稀にみる、便利な 『 テレポーテーション 』 とは少々異質なもの。
ブーンは自分の体を “ 転送 ” したのではなく、
目的地と自己を結ぶ直線上の空間を、段階的に “ 消し去った ” のだ。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 01:24:36.15 ID:N6hReAx8O<> 支援 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 01:26:27.96 ID:uDVd3I1iO<> ザ・ハンド的な? <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 01:26:57.61 ID:s7LjjLog0<> そういえばブーンのほうの能力まだ出てなかったな <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 01:27:28.70 ID:uf+o3Qdh0<>
ブーンのアポーツは、質量の小さいものしか “ 転送 ” できない。
後日、流石先生たちと話した内容は、
理論的根拠の全くない、夢物語に近い内容だった。
曰く。
ブーンはあの時、大気そのものを “ 転送 ” したのではないか、と。
その結果、ブーンの正面には、真空に近い状態が断続的に発生し──。
……と。
これらは所詮仮説に過ぎず、実際のところは原理不明としか表現できない現象だった。
何故ならば、それ以降、検証する機会が我々に与えられていないためだ。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 01:28:18.46 ID:TGsEB9N1O<> 最終的にはエスパークーのようになるのだろうか? <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 01:30:10.19 ID:jXYCy/vFO<> ふむふむ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 01:30:45.70 ID:uf+o3Qdh0<>
ともかくも。
超常現象として知られるテレポートと、
彼の 『 アポーツによる自身の転送 』 には、大きな相違点があった。
それは、目的地点へ移動する際、驚異的な加速を伴うということだ。
ブーンはサダコの元へ “ 瞬間移動 ” したのではなく──、
彼女の場所まで、勢いよく吸い込まれたのだった。
(最終的に山田を巻き込みながら)。
──絶対不可視 ・ 絶対不可避の 【 体当たり 】 。
制御できないESPがもたらした、一撃必殺の大技で、かつ最悪の自爆技。
旧校舎の事件に終息をもたらしたのは、ブーンに生まれたその能力だった。
だがしかし、彼はこの瞬間から、
常に、アポーツが “ 暴発 ” する危険とともに、生きていかねばならなくなった……
とも言い換えられる。
制御できない超能力という “ 弊害 ”。
流石先生、そして僕の顔が著しく曇ったことは、言うまでもない。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 01:33:10.99 ID:uf+o3Qdh0<>
狂気の夜は終わった。
僕たちが旧校舎で経験したことは全て、
サダコという一人の復讐者との争いであり、戦いであったのだろう。
けれど、そこには熱い攻防も、
血湧き肉躍る拳のやり取りなんてものも、ありはしなかった。
そしてきっと、勝利も、敗北も存在しなかった。
居合わせた誰もが、心と体に傷を負い。
結局のところ、僕は、何ひとつ救うことができなかった。
僕自身、またしてもブーンに助けられたのだから。
彼は多大なる苦痛とともに、一つの事件へ強制的に幕をおろした。
一人の少年に生まれた、超能力という “ 障害 ”。
そんな不確定要素によって、あっけなく、復讐の糸は断ち切られた。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 01:34:44.96 ID:s7LjjLog0<> メガンテktkr <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 01:35:08.47 ID:r+r21PblP<> なるほど・・その発想はなかったな・・・ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 01:35:37.05 ID:uf+o3Qdh0<>
そう、結末なんてものは、いつだって。
──トモダチ?
唐突に、訪れるものなのだ。
──ソンナワケ ナイジャナイ
唐突に。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 01:36:37.24 ID:N6hReAx8O<> ふむふむ <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 01:38:07.08 ID:uf+o3Qdh0<>
〜 〜 〜
病院から戻ったのは、日付が変わった直後だった。
ブーンの入院の手続きやなんやでこんな時間になってしまった。
彼は骨折という傷を負いはしたものの、
幸い命に別状はなく、数日から1〜2週間ほどで退院できる見通しだ。
あいつの合意もあり、両親には伝えないことにした。
大学中退のことなど、我ら兄弟にはバレるとマズい事実が目白押しなのだ。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 01:39:55.28 ID:jXYCy/vFO<> 支援! <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 01:40:36.89 ID:uf+o3Qdh0<>
やるべき事はまだまだ沢山残っている。
がしかし、アパートに着いて真っ先に僕が行ったのは、
バスタブに湯を張ることだった。
从 、 リル 「……」
これまで僕は一度たりとも、女の姿のまま入浴したことはなかった。
ドクミになったときは出来るだけ早く寝て、
あくる朝、自分の体が男に戻ったのを確認してから、シャワーを浴びるようにしていた。
理由は、以前にも述べたように、安っぽいプライドに固執していただけ。
自身を律するため──なんて言うと聞こえはいいが、要は、怖かったのだ。
自分勝手に、知らない女性の肌に触れることが。
ともすれば。
誰かのカラダを、煩悩のままに弄んでしまうことが。
从 、 リル 「……」
ハンドルを捻ると、頭上から勢い良くぬるま湯が吹き出した。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 01:42:05.67 ID:p466/wla0<> 支援 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 01:43:06.90 ID:uf+o3Qdh0<>
バスルームが白い湯気に包まれたあと、傍らの鏡へ視線を移す。
そこに映ったのは紛れもなく、
疲れきった表情の、少女の、裸身だった。
僕は自分の姿をまじまじと眺めた。
そして。
はじめて、自分の意思で、裸の少女の肉体に触れた。
「……」
柔肌は滑らかで、温かく、指を押し返す弾力に富んでいた。
唇から首筋、鎖骨、胸、脇腹を経由して内腿へ。
撫で付けるようにして、濡れた体をゆっくり、中心に向かってなぞってゆく。
「……んっ」
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 01:46:05.77 ID:uf+o3Qdh0<>
欲望赴くまま、細い指先を滑らせ、彼女へたどり着いたとき。
脳裏にサダコの言葉が過ぎった。
『 ──助けて! 』
冴えない一人のダメ男は、瑞々しい少女の肢体と、
人知を超えたチカラと、仲間を手に入れた。
憧れ続けたものは、手の届く距離にある。
まるで魔法のように──何の対価も支払うことなく。
手に入れたのか。
──本当に?
「……」
じゃあ、何故。
僕の心は、言い難き喪失感に押しつぶされそうになっているというのだ?
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 01:56:50.02 ID:uurGRONK0<> エロ支援 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 01:57:17.06 ID:uf+o3Qdh0<>
じわり、視界が滲む。
髪が枝垂れ、目元へと覆い被さってきた。
僕はそこから指を離すと、雨のように降り注ぐシャワーの水を、両手で受けた。
溜まった水はすぐに手首のほうからあふれ出す。
一歩後ずされば、指の隙間からこぼれ落ちてゆく。
こぼれて、きえる。
元には戻らない。
あとには何も残らない。
『 君には、救えないよ 』
内藤ドクオが、かつて好きだった女の子。
掬えなかった女の子。
そして今も、心に巣食っている女の子。
けれど、ひょっとしたら。
この記憶さえ、いつの日にか──。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 02:00:05.84 ID:uf+o3Qdh0<>
「……ぁ」
不意に力が抜け、僕は浴槽の端へもたれるようにして、その場にへたり込んだ。
そのまま、目の前にある栓を引っ張った。
お湯が渦を巻きながら吸い込まれてゆく。
流れてゆく。
ぽっかり空いた、黒い穴の中へと。
失われてゆく。
止め処なく。
「……ぐすっ」
鼻の奥がツンと痛くなった。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 02:00:55.11 ID:jRUI/v3z0<> 支援 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 02:02:18.53 ID:WD35yoOC0<> 支援 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 02:02:31.74 ID:uf+o3Qdh0<>
お湯が空になるさまを見届けると、僕はそのまま浴槽のへりに突っ伏した。
感情が堰を切ったようにあふれだす。
けれども、こんなもの。
なんて安っぽい涙なんだろう。
本当の悲しみに直面したわけでもない、一時の感傷に浸りたいだけの──、
ニセモノの、涙。
自嘲めいた呟きは、喉元でつっかえて、消えた。
死の間際、“ 彼女 ” は微かな笑みを湛えていた。
逆に、人は泣きながら産まれてくる。
あたたかな羊水に漂う、その安寧を失って、
外界へ引きずり出された恐ろしさが、そうさせる。
産声は、はじまりの喜びであり、おわりの苦しみ。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 02:05:07.23 ID:uf+o3Qdh0<>
シャワーはそのままにしていた。
誰にも聞かれたくなかった。
ざあざあと、床を打つ連続的な水音が、もやの中に響きわたる。
殺したつもりの声は、空の浴槽を通じて、
存外大きく、バスルームにこだました。
僕は泣いていた。
こんな故無き涙ではない、
もっともっと、叫びだしたくなるような現実が、
この先待ち受けているとも知らずに。
ふるえていた。
うまれたままのすがたで。
内田ドクミは、ひとり、泣いていた。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 02:07:37.68 ID:uf+o3Qdh0<>
===
==
=
驚愕すべきことに──。
夜の学園で起きた今回の集団パニックは、
地方新聞の三面記事の隅っこにすら、載ることはなかった。
何台もの救急車が出動したにも関わらず、だ。
── 『 でも……い、いいの? わたしなんかが…… 』
学園側が揉み消した、という見解が一般的であり、
生徒の間では様々な憶測が飛び交ったが、その真相は定かではない。
── 『 何言ってるの! ぜーんぜん構わないわよ 』
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 02:10:24.39 ID:uf+o3Qdh0<>
旧校舎を舞台とした今回の変事は、公的には事件として扱われることがなかった。
だが、騒動による傷痕は、いたるところに刻まれていた。
── 『 え……? 』
騒動の元凶とされる、一人の女生徒が。
『 私たち、友達じゃない! 』
後日、退学という重い処分を下されたことも、その一つだと言える。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 02:10:34.33 ID:s7LjjLog0<> 支援 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 02:11:19.58 ID:p+FUnlQ9O<> やりきれないな <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 02:12:05.72 ID:uf+o3Qdh0<>
“ トモダチジャナイ ”
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 02:13:11.32 ID:uf+o3Qdh0<>
トモダチ。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 02:14:10.12 ID:uf+o3Qdh0<>
(続く)
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 02:15:58.05 ID:p+FUnlQ9O<> 乙
次はいつごろ? <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 02:18:29.61 ID:Xnz8QiTzO<> 一番好きな現行だよ乙! <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 02:19:07.42 ID:s7LjjLog0<> 乙 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 02:19:28.08 ID:jRUI/v3z0<> 乙 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 02:21:23.89 ID:uf+o3Qdh0<>
支援ありがとう。
本エピソードの完結に半年もかかってしまった。
>>165
来年であることは確実かなと……。
おまけは書き進めてはいるが、
色々とアレなので、お蔵入りにするか、避難所でこっそり投下するかも知れない。
■補足
Q.ピアノの激突音からいくらもしないうちに廊下を駆け出したブーン。
それなのに、中央棟への到着がひどく遅かったのはなぜ?
A.途中で他の感染者と遭遇し、一戦交えてたから、てなことにでもしておいてください。
Q.前スレ>41 『 黒井? 』
A.わかりにくくて申し訳ないが、ネタ元を解説するのはやはりちょっと恥ずかしいので。
映画版(一作目)における謎のエロスとスプラッタぶりは妖しさ爆発でなかなか。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 02:23:20.79 ID:uf+o3Qdh0<>
コメディエンドにするかしんみりエンドにするかでかなり悩んだ。
遅くまでありがとう。
みんな、よいお年を。
<>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/12/27(月) 02:25:39.41 ID:r+r21PblP<> 乙
来年も待ってる <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 02:52:43.83 ID:0TXNTJxHO<> まってる <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 03:07:22.68 ID:XL12xmHr0<> 乙! <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 04:07:16.26 ID:M7HBYQ1XO<> 乙 <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 10:10:06.83 ID:GviJc2fn0<> おお、きてる
と思ったらオワってただと・・・・!?
乙! <>
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/12/27(月) 10:25:40.21 ID:N6hReAx8O<> 途中で寝ちまった乙! <>