以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/10/31(日) 20:14:15.65 ID:ce030jR60<> まとめ 内藤エスカルゴ様
http://localboon.web.fc2.com/099/top.html
いつもありがとうございます


−前回のあらすじ−
( ^ω^) ( ∵)

( ^ω^) =3 ゲプッ


おそらく、1話のみ投下します。 <>( ^ω^)死人のようです 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/10/31(日) 20:14:57.49 ID:6U/l97RQ0<> キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/10/31(日) 20:15:30.20 ID:8bkaU8L4O<> 待ってたよ! <> ◆CftG3KV7X3mq <>酉忘れてた<>2010/10/31(日) 20:17:19.68 ID:ce030jR60<> 十一話 −予感−



 ギコを追って駆けていた二人が最終的にたどり着いたのは、ただの空き地だった。
夜の月明かりのもとでも十分見渡すことのできるただの草地である。
  _
( ゚∀゚)「ギコ。そろそろいいだろ。夜が明ける」

 空虚に向かって語りかけるジョルジュ。

ξ゚听)ξ「そんなんで出てきたら苦労しないじゃない」
  _
( ゚∀゚)「何言ってんだ。出てこないわけないだろ。
     なんせ俺たちはギコを“追って”ここまでやってきたんだぞ?」

ξ゚听)ξ「はあ?」

 納得のいかないツンが更に説明を求めようとしたその時、
ギコがまるで今まで空を飛んでいたかのように、突然ジョルジュの目の前に着地した。 <>
◆CftG3KV7X3mq <><>2010/10/31(日) 20:21:27.00 ID:ce030jR60<> (,,゚Д゚)「……」
  _
( ゚∀゚)「久しぶり」

(,,゚Д゚)「何の用だよ」

 ウインドブレーカーのポケットに両手を突っ込んだまま、
ギコはじっとジョルジュだけを見つめる。
  _
( ゚∀゚)「それは俺も聞きたいな」

(,,゚Д゚)「……」

ξ゚听)ξ「あんたこの期に及んで何わけのわかんないことを……」
  _
( ゚∀゚)「なんで俺たちを振り切らなかった。途中で気づいてたよな?」

(,,゚Д゚)「ジョルジュたちが勝手に追いかけてきたんだろ」
  _
( ゚∀゚)「ギコ。お前あれからまだ速くなったのか?
     ま、なってなかったとしても、もう俺たちには関係ないレベルか」

ξ゚听)ξ「あ、そうか……」

 ギコの死人としての力は速さであった。
ギコが速いのか、あるいは世界中が遅くされているのか、
そんな問答は無意味だが、ともかくギコは常人離れしたスピードで行動ができる。

 加えて、感覚器もその加速に対応している。
すなわち、人が視認できないスピードで走りながら、かつ自分はその風景を視認することができるのだ。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/10/31(日) 20:24:10.12 ID:8bkaU8L4O<> ほ <>
◆CftG3KV7X3mq <><>2010/10/31(日) 20:25:07.11 ID:ce030jR60<>  そのギコが、追いかけられているのに気づきながら、
常人が追いかけられる程度のスピードで駆けていたことになる。
つまり、わざと追いかけさせていたと言える。

(,,゚Д゚)「……ジョルジュ」
  _
( ゚∀゚)「なんだ?」

(,,゚Д゚)「……。ペニサスはどこだ」
  _
( ゚∀゚)「ペニサス? さあ。本当に知らないわ。探してるのか?」

(,,゚Д゚)「どうせジョルジュだって知ってるだろ。あいつが何をしたか」

 そこまで言ってギコは激しく歯軋りをした。

(,,゚Д゚)「ジョルジュ、お前と同じだ」
  _
( ゚∀゚)「ああ」

(#゚Д゚)「変だとは思ってたけど、やっぱりあいつも裏切ったんだ。
     お前と同じように、俺たちを」

 拳を強く握り、声を荒げるギコ。
そしてそれを落ち着いた様子で見つめるジョルジュ。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/10/31(日) 20:26:59.83 ID:8bkaU8L4O<> しゅ <>
◆CftG3KV7X3mq <><>2010/10/31(日) 20:29:38.28 ID:ce030jR60<>   _
( ゚∀゚)「それで始末するのに俺に居場所を聞きに来たと」

(,,゚Д゚)「いや、それはついでだ。本当のとこはさ、一つ言っておくことがあってな」
  _
( ゚∀゚)「なんだよ。お前もやめるのか?」

(#゚Д゚)「んなわけねえだろ! 頭おかしいんじゃねえのか!?」
  _
( ゚∀゚)「じゃあなんだよ。それ以外にどんな用があるんだよ」

(,,゚Д゚)「用じゃねえさ。俺が言うだけだ。ジョルジュ、もうすぐこの世は変わる」
  _
( ゚∀゚)「は?」

(,,゚Д゚)「死人の国がもうすぐできる。俺はそこで本当の正義を掴む」
  _
( ゚∀゚)「おいおい、話が唐突過ぎてわかんねえぞ。なんだよ死人の国って」

 その言葉にギコは笑い、心底楽しそうに説明を始めた。

(,,゚Д゚)「死人が作る国だよ。死人が、腐ったやつらに制裁を下す。
    神も法律も裁けないやつを俺たちが裁くんだ」
  _
( ゚∀゚)「何言ってんだよ。今までと大して変んねえじゃねえか。たった数人で国かよ」

(,,゚Д゚)「百だな」
  _
( ゚∀゚)「は?」 <>
◆CftG3KV7X3mq <><>2010/10/31(日) 20:33:22.53 ID:ce030jR60<> (,,゚Д゚)「来月には百人は集まるはずだ。そしたら高らかに樹立を宣言するんだ。
    のうのうと逃げ延びてる奴に言ってやるのさ。お前ら今からブッ殺しにいくぞって」
  _
( ゚∀゚)「おい、なんで百人も集まるんだよ。どう考えてもおかしいだろ」

(,,゚Д゚)「それがお前とモララーの差だよ。モララーはお前なんかと違ってすげえ奴だよ。
    この世界のことを考えてるし、理想を実現させる力もある」
  _
( ゚∀゚)「……ギコ、それが正しいと思うのか?」

(,,゚Д゚)「どこかの中途半端な奴よりはいいと思うぜ。
    よく悪の組織が一般市民ぶっ殺してるのあるじゃん。あれは悪だよな。
    だからヒーローが現れて悪の組織がやっつける。そりゃ善良な一般市民だからな。
    でも俺たちは悪の一般市民を倒す。それは悪の組織じゃねーだろ」
  _
( ゚∀゚)「ギコ、お前は大事なことを見落としてる」

(,,゚Д゚)「俺が倒すのが本当に悪なのか、だろ?」
  _
( ゚∀゚)「……ああ」

(,,゚Д゚)「聞き飽きたわそれ。お前もペニサスもわかってねえよな。
    じゃあ今この世の悪を裁いてる奴らは悪を知ってるのかよ。
    法律の網に引っかかった奴が悪って定義してるだけだろ?
    俺たちと何が違うんだよ」
  _
( ゚∀゚)「それはある人間がその社会に参加する為の条件だ。
     お前らは外からやってきてわけのわからない物差しで悪を計ろうとするから駄目なんだ」

(,,゚Д゚)「俺がいつ参加するって言ったよ。こんな社会」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/10/31(日) 20:33:36.30 ID:8bkaU8L4O<> ほ <>
◆CftG3KV7X3mq <><>2010/10/31(日) 20:37:43.00 ID:ce030jR60<>   _
( ゚∀゚)「馬鹿なこと言ってんな。じゃあ参加しなくていいだろ」

(,,゚Д゚)「俺と同じ憤りを感じてる奴は必ずいる。だから俺は変える。
     野放しの悪に泣く無力な奴らの剣になる」
  _
( ゚∀゚)「お前、いい感じにモララー色に染まったな。本家には劣るけど」

(,,゚Д゚)「負け惜しみか?」
  _
( ゚∀゚)「いや、若いなあって。すごく前だけを見てる感じがな」

(,,゚Д゚)「皮肉しか言えない臆病者に何言われたってきかねえよ。
    俺はやる。お前は逃げた。違うか?」
  _
( ゚∀゚)「二択でしか考えられないのは短慮だぞ」

(,,゚Д゚)「じゃあお前の正義を教えてくれよ」
  _
( ゚∀゚)「法律だって。俺はこの社会に生きてるからな」

(,,゚Д゚)「つまんねえ奴」

 そう吐き捨てジョルジュに背を向けるギコ。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/10/31(日) 20:39:07.48 ID:8bkaU8L4O<> しゅ <>
◆CftG3KV7X3mq <><>2010/10/31(日) 20:41:57.97 ID:ce030jR60<> (,,゚Д゚)「死人の国つってもよ、生きてる奴と同じように悪い同族は裁くぞ」
  _
( ゚∀゚)「そら安心して住めそうな国だな」

(,,゚Д゚)「後悔すんなよ」

 その言葉と同時に、ギコは姿を消した。
そして静寂の戻る空き地。
先ほどまでギコがいた空間をただ見つめるばかりのジョルジュにツンが近寄る。

ξ゚听)ξ「ジョルジュ……」
  _
( ゚∀゚)「心配すんな。ちょっと気合い入っただけだ。
     それより、死人百人って本当だと思うか?」

ξ゚听)ξ「わかんない……。居る感じはしないけど、私が見逃してるのかな」
  _
( ゚∀゚)「そんなことは無い。大丈夫だ。お前が居ないって言うんなら居ない。
     自信持て。でもあいつは一人でもやりそうな勢いだったな。
     もしかしたら、そろそろ攻めなきゃいけない時期が来るのかもしれない」

ξ゚听)ξ「でも、私たち今何人いる? ヒートとドクオはいいとして、内藤クンは無理でしょ?
      四人だよ。相手が百人じゃなくても攻めれる人数じゃない」
  _
( ゚∀゚)「時間切れかもって。仲間増えるの待ってたらもう手遅れになる、その瀬戸際。
     薄々感じてはいたんだけどな」

ξ゚听)ξ「そう、なのかな」

 ツンは肩を落とすと、俯きしばらく黙ってしまった。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/10/31(日) 20:42:13.02 ID:H+1v8eX6O<> おお久しぶりまってた <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/10/31(日) 20:43:59.89 ID:t+pFP7ipO<> 久々だ支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/10/31(日) 20:44:38.96 ID:hvfTY02BO<> 久々だな
待ってたよ支援 <>
◆CftG3KV7X3mq <><>2010/10/31(日) 20:45:16.75 ID:ce030jR60<> ξ゚听)ξ「……ねえ」
  _
( ゚∀゚)「なんだ?」

ξ゚听)ξ「出てくる人間は全部敵。周りも全部敵の場所。
      その瞬間その瞬間常に命を狙う人間がどこかに居て、
      一人になってもそれを全部殺すか、駄目なら殺されるか。
      攻めるってそういう感じだよね? それって怖い、かな?」
  _
( ゚∀゚)「俺が強すぎて全部やっつけちゃうから暇なんじゃね?」

ξ゚听)ξ「いや、適当すぎ」
  _
( ゚∀゚)「真剣だよ。百人いても俺百人力だから問題無し」

ξ゚听)ξ「千人いたら?」
  _
( ゚∀゚)「俺一騎当千だから問題無し」

ξ゚听)ξ「チャラいなー」
  _
( ゚∀゚)「いや、チョロいな」

ξ゚听)ξ「うっわ、つまんね。言ってやった感が超サムい」
  _
( ゚∀゚)「だから、怖かったら行かなくてもいいんだぞ。
     俺が全部何とかしてくるから」

ξ゚听)ξ「……うん、ありがと」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/10/31(日) 20:47:06.17 ID:8bkaU8L4O<> 保守! <>
◆CftG3KV7X3mq <><>2010/10/31(日) 20:49:46.86 ID:ce030jR60<>  小さく呟いたツンはジョルジュの腕を掴んで身を寄せた。
一方でジョルジュは体の芯が冷えていくのを感じていた。

 死人だからと言って戦う必要など無い。
ツンだけではなく皆にそれは当てはまることだった。
けれどもモララーは残らず始末するということを彼はわかっていた。

「死人はそのすべてが、ある決められた悪を討つ」という意思を持っていることこそが、
死人の国を保ち、そして外へのアピールの強さになるのだ。

 もし対立する別の思想を持つ死人も居るとなれば、
死人の国にいる人間の士気も下がる上に、反乱分子も生じやすくなる。
なにより、人間離れした力を持つ者を敵のまま生きながらえさせるのは危険極まりない。

 けれどもツンやヒートが普通に女の子として社会で生きていくことはできないのか。
そもそも普通なら死んでいたのだから仕方ない?
それとも自分がモララーを裏切ったから、そして彼女らを誘ったからいけないのか。
ジョルジュの思考が負の方向へ進んでいく。
  _
( ゚∀゚)「ツン。俺は、モララーの考えが悪だと思うから戦ってるんだ」

ξ゚听)ξ「うん。どうしたの?」
  _
( ゚∀゚)「いや……」 <>
◆CftG3KV7X3mq <><>2010/10/31(日) 20:53:03.48 ID:ce030jR60<>  ジョルジュは自ら口に出して不安を取り除こうとした。
グラグラと定まらない意思。消極的な思考。
たとえ間違っていても盲目的になった者は結果として強い。

自身の正当性にそれなりの自信を持っているジョルジュではあったが、
それなりの時点で彼らに負けていることにもまた気づいていた。

 自分は正しいのか。
その問いに対し、少しの迷いも無く正当性を主張する。
それがジョルジュには出来ずに居た。

『絶対悪の定義は不可能』という主張を持てば、
その裏に『絶対正義の定義は不可能』という主張が顔を出す。

このジレンマからジョルジュが抜け出すには、
悪を否定するのではなく、正義を肯定しなければいけない。

 頭ではわかっていても、心をそう簡単に変えられるはずも無く、
ジョルジュは一層体の芯が冷えていくのをただ感じるばかりであった。 <>
◆CftG3KV7X3mq <><>2010/10/31(日) 20:57:37.04 ID:ce030jR60<>




('A`)「おう、目ぇ覚めたか」

(;-ω-)「……う、うーん」

 内藤がおかしくなった夜から時は経ち、
次に彼が目を覚ましたのは翌朝日が昇ってきた頃だった。

('A`)「ところで、正気か?」

 ドクオがイヤホンを両手に摘んだまま尋ねた。

(;^ω^)「……ちょっと頭が痛いお」

('A`)「そうか」

 それを聞いてドクオは摘んでいたイヤホンを仕舞った。

('A`)「なら俺は寝るわ。後はヒートに聞いてくれ」

 ポケットに手を突っ込み、大きくあくびをするとドクオは部屋を後にした。 <>
◆CftG3KV7X3mq <><>2010/10/31(日) 21:00:40.37 ID:ce030jR60<> ( ^ω^)「……ん? そういえばなんでこんなところに?」

 辺りを見渡すとそこはジョルジュの家のようだった。昨夜の記憶を辿る内藤。
ジョルジュとツンが途中で居なくなって、それからの記憶がごっそり抜け落ちていた。
誰かに襲われて気絶でもしたのだろうか。だから頭痛が?

 そこまで考えて、寝室の戸が開いた。

ノパ听)「あ、ほんとだ。おはよう」

 寝室に入ってくるなり何かに納得した様子のヒート。
おそらくドクオに起きたことを知らされたのだろう。
そのままベッド脇の椅子に座ったヒートを見て、折角なので内藤は昨夜の話を聞くことにした。



(;^ω^)「――え、それ街中で見かけた『ちょっとヤバイよ。本物初めて見ちゃったよ。
      すごいギョロギョロした目してたんだけど』的なエピソードじゃなくて、僕の話かお」

ノパ听)「もち。完璧ラリってた。凄い顔で空気と見つめ合ってた。なんかの病気なのか?」

( ^ω^)「真剣な顔で聞かれるとなんか傷付くからやめてほしいお」

 内藤はうっすら赤面すると、それを鎮めるように用意されていた水を一口飲んだ。 <>
◆CftG3KV7X3mq <><>2010/10/31(日) 21:05:54.38 ID:ce030jR60<> ( ^ω^)「ところで、ジョルジュは?」

ノパ听)「まだ帰ってきてない」

(;^ω^)「え、じゃあ何とかしないと」

ノパ听)「大丈夫だろ。ギコ相手に二人とも負けるってのは無い無い」

( ^ω^)「ギコ?」

ノパ听)「ああ。俺の元仲間。つっても俺は嫌いだったけどな。ガキっぽいし」

( ^ω^)「そうなのかお。じゃあツンは……」

ノパ听)「まだ。ツン一人ならやられてるかもな」

( ^ω^)「そんなに強いのかお」

ノパ听)「強い。速い。あと最初の方のメンバーなんだ」

( ^ω^)「最初?」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/10/31(日) 21:07:18.26 ID:3QhCHVx/0<> 支援 <>
◆CftG3KV7X3mq <><>2010/10/31(日) 21:10:05.81 ID:ce030jR60<> ノパ听)「モララーとジョルジュが組んで、ペニサスさんが入って、その次がギコ。
     俺はもっと後でジョルジュが居なくなった後だった」

( ^ω^)「じゃあジョルジュと活動してた仲間だったのかお」

ノパ听)「ああ。それに相当惚れ込んでたらしいぜ。今じゃこの世の誰よりも嫌いらしいけどな」

( ^ω^)「裏切ったから?」

ノパ听)「多分な。まあ、若い頃ってのは色々あるんだよ」

 訳知り顔でうんうんと頷くヒートが幾分滑稽に思えたが、内藤は口に出すことはなかった。
そしてふと唐突に、まるで呼ばれたかのように外の様子が気にかかった。

( ^ω^)「ちょっと出掛けてくるお」

 ベッドから降りて大きく伸びをする。不思議と体は軽かった。

ノパ听)「……おう」

 元気なさ気に返事をするヒート。

( ^ω^)「急にどうしたんだお。僕ならもう大丈夫だお」

ノパ听)「いや、二人っきりだなって……思って」

 どうやらヒートは内藤が出掛ければ、
自分がドクオとこの家に二人になるということに緊張しているらしかった。
それを見て内藤の嗜虐心が少しくすぐられた。 <>
◆CftG3KV7X3mq <><>2010/10/31(日) 21:12:46.29 ID:ce030jR60<> ( ^ω^)「今ドクオ寝てるし、一緒に布団に入って寝たらいいお」

 少しの間。

その後見る見るヒートの顔が赤くなっていき、

ノハ#゚听)「ば、馬鹿ー!」

 なんとも年相応な声色と台詞で内藤を叩き、部屋を飛び出した。

( #)^ω^)「青春すぎてニヤニヤするお」

 頬をさすりながら内藤はひとりごちた。



     「うぉー! あ、あったかいよー!?」

(;^ω^)「……え?」

 そして遠くから聞こえた声に度肝を抜かれたのであった。 <>
◆CftG3KV7X3mq <><>2010/10/31(日) 21:15:41.81 ID:ce030jR60<>




 街は今までと同様に穏やかであった。
例えばモナーの喫茶店が不可思議な壊れ方をしても、
騒ぎ立てるのはせいぜいマスコミが一二週間。

一般人はテレビを媒介して情報に接し、
まるでそれは関係の無い世界の出来事であるように振る舞う。
自分で見る、触れるなどしなければ現実味が得られないのだ。

 しかし、それがあまりにばかげた事だと、ことはそう簡単ではない。
街に出た内藤の目に飛び込んできたのは、まさにばかげた光景だった。

  ( ∵)    ( ∵)
(∵ )   ( ∵)    ( ∵)   ( ∵)
       ( ∵)    (∵ )   ( ∵)
     ( ∵)
    (∵ )   ( ∵)    ( ∵)

 平和な街の中で、小人のようなそいつらがうじゃうしゃと徘徊していたのである。 <>
◆CftG3KV7X3mq <><>2010/10/31(日) 21:18:59.16 ID:ce030jR60<> (;^ω^)「……」

 ある者は背中に張り付かれ、ある者は取り囲まれて凝視されている。
しかし誰一人としてこいつらには気がついていないようだった。

(;^ω^)「見えてない? こんな変なのを……でも僕は見えてる。
      ていうかこれは何なんだお。こんな変なの見たことないお……」

( ∵)「……」

 その内一人と目が合う。
しかしすぐに目線は外れ、どこかへとふらふら歩いていってしまう。

( ^ω^)「まさかこれもモララーと関係があるのかお?
      でもこんなに手下が? いや、全部おんなじ顔って言うのも……」

 足取りは遅く、まるで戦うようには見えない。
それでいて誰に視認されることなく、またどうやら他人に影響を及ぼすことができないらしい。
現に四人ほどにのしかかられている人間が、携帯片手に平然と歩いている。

( ^ω^)「もしかするとこれが僕の力だったり?」

 見えないものが見える力。
だとしたら見えないものとは一体何か。
思考を繰り返す中、内藤はふとあることに気がつく。 <>
◆CftG3KV7X3mq <><>2010/10/31(日) 21:21:20.04 ID:ce030jR60<> ( ^ω^)「こいつら、誰もこっちに来てない?」

 ボーっと立ち尽くして内藤であったが、今まで誰も内藤とすれ違っていないのだ。
うろうろと不規則に徘徊しているようで、
実はよく見てみると全員がある一定の方向へ向かっていることに気がついた。

 その先に何があるのか。
内藤は気になって駆け出した。

( ^ω^)(ジョルジュの家とも違う。モララーのアジト? それとも違う誰かの家?)

 いずれにせよ敵か味方に関係のある場所に付くだろうという予感はあった。
こんな不可思議な奴らが死人と無関係なはずが無い。

 駆けていくほどに増えていくそいつらに、どこか違う国へ行ってしまうような錯覚さえ覚え始める。
そしてある曲がり角を曲がったところで内藤はついに気がついた。

( ^ω^)「学校……?」

 そいつらはどうやら学校へ集結しつつあるようだった。
内藤も通っていたのですぐにピンと来た。

 中学校と高校。
ほぼ隣り合うように二つ学校がある。
それぞれ一クラス三十人が一学年に数クラスあるくらいの規模だ。

( ^ω^)(じゃあ、やっぱり襲撃? あいつらが?)

 内藤は試しに恐る恐る近くに居たそいつに手を伸ばした。 <>
◆CftG3KV7X3mq <><>2010/10/31(日) 21:26:49.56 ID:ce030jR60<> ..;..;:∵)「……」

( ^ω^)「あれ?」

 触れた瞬間、霧が晴れるようにそいつは消えてしまった。

( ^ω^)「……おかしい。何かがものすごくおかしいお」

 見えない嫌な予感に全身を舐め上げられているような感覚が内藤を包んでいた。
かと言って何もするべきことが見つからない。

( ^ω^)「ジョルジュ。ジョルジュなら何か分かるかもしれないお」

 携帯を取り出しジョルジュに電話をかける。
しかしどうやら電波が届かないところに居るらしかった。

 仕方がないので今度はツンに電話をかける。
すると二回目のコールで電話はすぐに繋がった。

     『もしもし?』

( ^ω^)「もしもし、いま大丈夫かお?」

     『いいよ。何かあった?』

 内藤はこれまでのことを簡単に説明した後、
いま学校に得体の知れないものが集まりだしていることを告げた。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/10/31(日) 21:26:52.28 ID:8bkaU8L4O<> 支援 <>
◆CftG3KV7X3mq <><>2010/10/31(日) 21:29:35.04 ID:ce030jR60<>      『そんな奴いるなんて聞いたことないなあ……。
      一応探ってみる。内藤クンはどうする?』

( ^ω^)「ツンは今どこにいるんだお?」

     『ちょっと町から離れたとこ。ジョルジュも一緒だから安心して。』

( ^ω^)「そうかお。とりあえず僕は一旦戻ってドクオたちにも知らせるお」

     『わかった。私も多分夕方までには戻るから』

( ^ω^)「わかったお」

 終話すると内藤はジョルジュの家へと踵を返した。
ちらほらと、登校する学生が現れては内藤とすれ違う。

 今まさに何かが起ころうとしている、
そんな予感を内藤は全身に感じていた。 <>
◆CftG3KV7X3mq <><>2010/10/31(日) 21:33:28.28 ID:ce030jR60<>




( ・∀・)「ようやくだよ。長かったね。特に君にとってはさ。」

川д川「                  」

( ・∀・)「うんうん、そうだよね。
     でもさ、もう終わったことだし、それに罪は認められた。
     その上で僕たちがこれから行うことは、果たして正義の範疇かな?」

川д川「               」

( ・∀・)「そうか。うん、君の言うとおりだ。世の中はすごく煩雑なんだ。
      特に僕は頭が良くないから皆のように色々なことは考えられない。
      けれど煩雑な世だからといって全てをその内に誤魔化してはいけない。
      やるべき事は一つ。それは僕にでも理解できるのだからとても簡単なことだ」

川д川「      」

( ・∀・)「うん、大丈夫。僕と行こう。行けるとこまで」




続 <>
◆CftG3KV7X3mq <><>2010/10/31(日) 21:40:10.95 ID:vBAeftVMO<> タイミングよくパソコンが物故割れたので、これで終わりにします。
BIOS立ち上がんない……なにこれ。

支援してくださった方、読んでくださった方ありがとうございました。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/10/31(日) 21:40:51.30 ID:HZltPPwv0<> きてた支援…いや乙?
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/10/31(日) 22:02:39.11 ID:QSVNK9boO<> おひさ
支援 <> 1<><>2010/10/31(日) 22:10:23.04 ID:vBAeftVMO<> 次回投下予定を忘れてました。
出張も終わったので基本は週一ペースで年内完結を目指していきます。今おそらく全体の三分の一くらいだろうか。

長い前置きも終わりここから先は多分戦うシーンが増えるかなという感じです。多分。

パソコンは明日にでも買ってきます。では。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/10/31(日) 22:11:12.43 ID:4R9D6XcQO<> 久しぶり!乙 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2010/10/31(日) 22:15:25.47 ID:HZltPPwv0<> 乙だった!楽しみにしてる <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2010/10/31(日) 22:31:24.55 ID:UZDsQBz7O<> 久しぶり
乙 <>