本編
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 20:55:48.78 ID:F5s7He+x0

屋上にあがるための階段は、全部で十二段だ。

                         一
                       二
                     三
                   四
                 五
               六
             七
           八
         九
       十
     十一
   十二
 十三




……じゅうさん?


2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 20:57:03.66 ID:F5s7He+x0

21:30 校庭

('A`)「本当にいくのか?」

(;^ω^)「あ、当たり前だお! 守衛さんが寝ている今が、チャンスなんだお」

('A`)「まあ、おまえがそうするっていうんなら俺はかまわないが」

( ^ω^)「ブーンはやるつもりだお」

('A`)「俺が付いてちゃ意味がない。十三階段、一人で登れるか?」


(  ω )「……屋上にはもう、モララーたちがいるお。いまさら引き返せないお」

('A`)「……そうか」


('A`)(そんなに、あいつらの仲間になりたいのかね)


3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 20:58:21.84 ID:F5s7He+x0

12:25 4年3組教室

(;^ω^)「ど、どうしてだお!?」


('A`;)(あいつ、またやってんのか。昔からそうだったな)

('A`)(もっと楽な生き方、すればいいのに)


(;^ω^)「ブーンもみんなと一緒に遊びたいお」


('A`)(人間、向き不向きがあるんだから)


( ;ω;)「ブーンの何がいけないんだお?」




('A`)(無理に誰かとつるんだって、楽しくないだろうに)


4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 20:59:55.22 ID:F5s7He+x0

( ^Д^)「だって、内藤さ」

( ´∀`) 「弱虫モナ」

( ・∀・)「裏山の木登りだって、結局失敗したしな」

ミセ*゚ー゚)リ「あんな簡単なテストがクリアできないんなら、仲間には入れなくて当然よね」


(;^ω^)「でも、ブーンは!」

( ´∀`) 「ほら、いつもそうやって言いわけするモナ?」

( ^Д^)「男らしくねえよ」


ミセ*゚∀゚)リ「そうそう、とにかく、女の子よりいくじなしなんて」



( ・∀・)「俺たちの仲間には、いらない。そういうこと」


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 21:01:41.96 ID:F5s7He+x0

(# `ω´)「う、裏山の木に登れなかったのは、別にこわかったからじゃないお」

( ´∀`) 「口ではなんとでも言えるモナ」


(;^ω^)「ほ、本当に枝がおれたんだお」

( ^Д^)「それって、お前の体重が重すぎただけじゃね?」

(; ω )「!」


('A`)(ほらみろ、こうやって傷つけられる)


ミセ*゚ー゚)リ「デブなんて仲間にしたくないわよね、モララー」


( ・∀・) 「……」

ミセ ゚−゚)リ「モララー?」


(  ω )「……」


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 21:03:26.90 ID:F5s7He+x0

( ・∀・)「本当に、枝が折れたんだな?」

(;^ω^)「!!」

(;^ω^)「ほ、本当だお」


(;^Д^)「おいおい、相手にするなって」

(;´∀`)「そうモナ、時間の無駄モナよ」


( ・∀-)(いいから見ておけって)


( ・∀・)「なあ、ブーン。そんなに俺たちの仲間になりたいか?」

( ^ω^)「な、なりたいお!」

( ・∀・)「じゃあ、ついてこいよ」


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 21:05:52.31 ID:F5s7He+x0

12:40 屋上

(;^ω^)「こ、ここで何をするお?」

( ^Д^)「なんだよ内藤、ビビってんのか?」

( ´∀`)「高所恐怖症、ってやつモナ?」

(;`ω´)「ビビってないお!」


(;^ω^)(さっきまでビビってたとは言えないお)

( ^ω^)「テスト、何をするのか教えてほしいお」


( ・∀・)「俺たちさ、いつもここで花火とかしてるんだよ」


( ^ω^)「お?」

( ・∀・)「もちろん夜にな。だからおまえもこいよ」


(;^ω^)「でも……」


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 21:08:59.98 ID:F5s7He+x0

(;^ω^)「でも、夜には、ここの階段が」



ミセ д )リ「そう、夜。ここに続くあの階段」


(  д ) 「全部で十二段の階段」


(  Д )「その階段が、十三段になる」


( ・∀・)「十三段目を踏めば、かえってこれない」


(  ∀ )「それが……」



(  ∀ )(  д )『魔の十三階段』(  Д )ミセ д )リ





( ^ω^)ブーンは階段を登るようです

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 21:12:56.98 ID:F5s7He+x0

21:45 「玄関」

('A`)「で、入っちゃったわけだ。夜の、校舎に」

( ^ω^)「だお。これから、ブーンの勇気が試されるお」


('A`;)「いや、勇気とかはいいんだが」


('A`#)「何で俺まで連れてこられてるんだ!」


(;´ω`)「だって、怖いお」

('A`#)「駄目じゃねえか! おまえの勇気試せねえじゃん」

(;^ω^)「平気だお! 十三階段のところまで行ったら、あとは帰ってもいいお」


('A`)「……まあ、それなら問題はないのか、階段を登るとき一人なら、その勇気をためすってやつができる」

( ^ω^)「いや、違うお。よく考えたら、屋上にはモララー達がいるから怖くないんだお」


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 21:15:12.21 ID:F5s7He+x0

( A ;)「……」

( ^ω^)「モララーは優しいから、簡単なテストにしてくれたんだって、ようやく気づいたんだお」



( A )「おまえさー」

( ^ω^)「お?」


( A )「そんなに、モララー達のグループに入りたいのか」

( ^ω^)「そうだお」



( A )「クラスで一番の人気ものだから?」


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 21:18:41.32 ID:F5s7He+x0

( ^ω^)「違うお。モララーが優しいからだお」


('A`)「優しい?」



(  ω )「プギャーもミセリもモナーも、勿論モララーも、みんなブーンを馬鹿にするお」

( ^ω^)「でもモララーだけは、馬鹿にしても優しくしてくれるんだお」

( ^ω^)「ブーンのことをブーンと呼んでくれるのも、モララーだけだお」

( ^ω^)「だけど、だから、モララーに認められれば、プギャー達もブーンを認めてくれると思うんだお」


( ^ω^)「もちろん、モララー達のグループだけじゃなく、クラスの他の子も」

('A`)「……そっか」


('A`)(俺はずっと、ブーンって呼んでるのにな)


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 21:21:16.62 ID:F5s7He+x0
21:52 4階への階段


('A`)「ここをあがって、廊下の突き当たりに、屋上の階段がある」


(;^ω^)「……十三階段だお」

('A`)「ああ、十三段目を踏んだら帰ってこれないと、言われてる」


('A`)(ま、迷信だろうけどな)


('A`)「安心しろ。俺は、階段の下で見てるから」

( ^ω^)「帰らないのかお?」

('A`)「おまえ、一人で平気なのか? 上りきるまでは、見ていてやるさ」




('A`)(……失敗すれば良いって考えるなんて、最低だけどな、俺)


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 21:23:15.40 ID:F5s7He+x0

(  ω )「ドクオ」


('A`)「何だよ」



(  ω )「ブーンは弱虫だお」


(  ω )「ドクオがついてきてくれなかったら、ブーンはきっと学校にすら入れなかったお」

(  ω )「それどころか、多分、校庭に忍び込むのも無理だったお」



( ^ω^)「だから、ありがとうだお、ドクオ。階段まで行ったら、あとはブーン一人で何とかするお」



('A`)「もう、怖くはないのか?」


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 21:24:54.92 ID:F5s7He+x0

( ^ω^)「もちろん怖いお」


(;^ω^)「たとえ屋上にモララー達がいるとわかっていても、やっぱり怖いんだお」

(; ω )「今も足がふるえてオシッコチビりそうだお。でも」



( ^ω^)「ドクオの応援に、答えたいんだお」


( A )(ブーン……)

( ^ω^)「だから一人でいくお」


( ^ω^)「応援してくれて、ありがとうだお」

('A`)「……おう」


('A`)「……」

( A )(そうか、俺は)


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 21:26:41.98 ID:F5s7He+x0
21:55 4階廊下


('A`)(俺は、ブーンの友達として、ふさわしくないのか)



( A )(ブーンは俺が応援してると思ってる。そんなにやさしい奴なのに)



(  ω )「……クオ?」




( A )(俺は、失敗すれば良いと思ってるんだ)


( A )(ブーンはこんなに優しいのに、俺は)


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 21:27:48.55 ID:F5s7He+x0

( ^ω^)「ドクオ?」

( A )(最悪だよな、俺)



(;^ω^)「ドクオ、どうしたんだお、ボーっとして!?」

('A`)「ん、ああ」

( ^ω^)「ついたお。ありがとうだお。ここでお別れだお」

('A`)「ああ」




('A`)(……終わりに、するか)


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 21:29:57.19 ID:F5s7He+x0
22:00 屋上への階段


( ^ω^)(これが、十三階段……)

(;^ω^)(屋上のドアが開いてる……モララー達がいるんだお)

(;^ω^)(でも、やっぱり……)


('A`)「ブーン」

(;^ω^)「なんだお? モララー達にきこえるかもしれないから、小声のほうが良いお」

('A`)「ああ、すまん。……まだ、怖いんだよな」

(  ω )「怖い、お」


('A`)「怖くなくしてやる」

(;^ω^)「おっ!?」



('A`)「この階段はな、全部で十二段しかないんだ」

(;^ω^)「それが一段増えるんだお?」


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 21:31:43.42 ID:F5s7He+x0

('A`)「その、増えるってのがポイントだ。階段の段数を数えるとき、二種類の方法がある」


('A`)「ひとつめは、廊下や踊り場と地続きの部分を一段目と数えるパターン」

('A`)「ふたつめは、その部分を一段と数えないパターンだ」


(;^ω^)「……ひとつめのほうが、一段多くなるお」

('A`)「だが、ふたつめのほうが多数派だ。だから増えるんだ」


('∀`)「つまり、こういうことだったんだ」


( ∀ )「魔の十三階段なんて、なかったんだよ、ブーン。だから、安心しろ」


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 21:35:30.72 ID:F5s7He+x0

(*^ω^)「……ありがとうだお。これで怖くないお。でもどうして、今になって教えてくれたお?」

( ^ω^)「ドクオは頭がいいから、ずっと前から気づいていたはずだお」



('A`)「!」

('A`;)「それは……」



( A )「……」


( A )「……俺な、おまえが失敗すれば良いと思ってたんだ」

(;^ω^)「!」


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 21:36:36.18 ID:F5s7He+x0

( A )「モララー達と仲良くなったら、俺と友達でいてくれないんじゃないかって」

( A )「俺なんか、どうでも良くなるんじゃないかって」


(;^ω^)「そ、そんなことないお! ドクオは大切な友達だお!?」

('A`)「そういってくれると、嬉しい。でも、俺はおまえのこと、応援なんてしてなかったんだぞ」

(;^ω^)「それでも! ドクオはブーンの友達だお! ドクオのおかげで、もう階段をのぼるのも怖くないお!」


( ^ω^)「ほんとうにほんとうに。ありがとうだお!」


( A )「……っ!」

('A`)「こっちこそ、ありがとうな。友達だと思ってくれて」




('∀`)「じゃあ、後は頑張れよ」


25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 21:39:16.44 ID:F5s7He+x0
22:02 4階廊下


( ∀ )(ありがとう、ブーン。でも)



( A )(でも、おまえが良くても、駄目なんだ)




( A;)(俺は、おまえの友達にはふさわしくないんだ)






(;A;)(ごめんな、ブーン)


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 21:43:08.63 ID:F5s7He+x0
22:03 屋上への階段


(* ^ω^)「ようは、最初の”段”から数えればいいんだお」

(* ^ω^)「よし、のぼるお」


( ^ω^)「いちだん!」

( ^ω^)「にーだん」

( ^ω^)「さんだん」

( ^ω^)「よん、だん」


(;^ω^)(扉、少し開いているのに音がしないお。驚かそうとしているお?)


( ^ω^)「でも、ドクオのおかげでもう怖くないお」


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 21:47:59.23 ID:F5s7He+x0
22:12 校庭


( A )(さよなら、ブーン。モララー達と仲良くしろよ)



('A`)「ん、あれは……」


( ・∀・)( ´∀`)( ^Д^)ミセ*゚ー゚)リ


('A`;)「おまえら!? 屋上にいるはずじゃ!?」

  _,
ミセ;゚д゚)リ「え? 誰?」

(;´∀`)「確か……うちのクラスの内田だモナ」


('A`)「鬱田だよ。それよりおまえたち、どうしてここにいるんだ!?」

( ^Д^)「どうしてって、ま、見りゃわかるだろーけど、遊んでるだけだぜ」


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 21:51:50.09 ID:F5s7He+x0

('A`;)「ブーンのテストはどうしたんだよ!」

( ・∀・)「……もしかして、君、内藤の友達ってやつ?」

('A`;)「……っそうだよ!」

  _,
ミセ*゚∀゚)リ「え、やだ。じゃあ、あの人、本当にきてるの?」

( ^Д^)9m「だっせぇw」

(* ´∀`)「ノコノコきたモナ? 笑えるモナw」

( ・∀・)「しかも、その様子だと、内藤は鬱田君に途中までついてきてもらった、と」


ミセ*゚∀゚)リ「ひとりじゃないとかw前回以下w」

( ´∀`)「やっぱり最高モナw」



( A )「……笑うなよ」

( ^Д^)ミセ*゚ ,゚)リ( ´д`)


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 21:57:19.91 ID:F5s7He+x0

( A )「ブーンはお前たちに馬鹿にされても、認められたいと思ってたんだよ」

( A )「お前たちと仲良くしたくて必死だったんだよ」

('A`#)「それをっ! 笑うなよ!」


(  ∀ )「……ははっ」

('A`#)「何がおかしい」

( ・∀・)「鬱田君はさ、おかしいと思わないのかい」


( ・∀・)「普通さ、俺たちくらいの年の子供が、一緒に遊ぶ友達を選ぶのに、テストなんてすると思うか?」

('A`#)「知るかよ!」

( A )(友達なんて、いや話しかけてくれたのなんて、ブーンだけだから、わかるはずもねえよ)


( ・∀・)「ま、鬱田君友達少ないだろうから、わからないかもしれないけど」

('A`;)「……それは、関係ないだろ」


35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 22:01:28.08 ID:F5s7He+x0

( ・∀・)「ごめん、言い方が悪かった。正しくは”クラス内の人間関係に興味がない”かな」

('A`)「何が言いたい?」


( ・∀・)「俺たちは、危険な遊びをするようなグループじゃない」


('A`)「?」

ミセ*゚ー゚)リ「そうよ、いたってフツー。他の子たちと変わらない」

( ^Д^)「ま、こんな風に夜遊びはするけどな」

( ´∀`)「でも、少なくとも木登りなんてしないし、夜の校舎にも入ったことないモナ」


( ・∀・)「つまり、全部嘘なんだ。『勇気』や『度胸』なんて、俺たちと遊ぶ条件でも何でもない」

( ・∀・)「ただ、内藤が必死になってるのを見るのを楽しむのが、目的だったんだよ」


('A`)


36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 22:03:20.21 ID:F5s7He+x0

('A`#)「ふ、ふざけ」

( ・∀・)「それより鬱田君の問題だよ。良いのかい」

('A`#)「話をはぐらかすな!」


( ^Д^)「テストは嘘でも、内藤にとっては本気だったんだろ?」

( ´∀`)「仲良くしたくて必死だったモナ?」

ミセ*゚ー゚)リ「それを、あなたは応援していた」


( ー∀ー)「必死で、自分以外の者と仲良くしようとしている人間を、支えた」

( ・∀・)「そんな優しい鬱田君より、内藤は僕たちを選んだんだ」



('A`#)「……っ! でも!ブーンは!」


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 22:04:49.29 ID:F5s7He+x0

('A`;)「ブーンはそれでも俺と友達でいてくれるって!」
( A )(モララー達でさえ、俺が応援していると思ってたのに)

('A`;)「モララー達と仲良くしても、ずっと!」
( A )(でも、心の底では失敗したらいいと思っていても、友達だって)

( A )(そうだ! 別にブーンは俺が応援しててもしてなくても)
( A )(そもそも友達としてふさわしくないって自分で決めて)
( A )(でもブーンはモララー達のほうが)
( A )(でもこいつらに指摘されたことは、俺もわかっていたはずだ)
( A )(でもブーンはモララー達のほうが)
( A )(それを俺も応援しようと考えて)
( A )(応援するつもりなんてなかった)
( A )(でもブーンはモララー達のほうが)
( A )(モララー達とでも友達で)
( A )(応援してなくても友達で)
(;A;)(俺には、何もない?)
( A )(でもブーンはモララー達のほうが)
( A )(でもブーンはモララー達のほうが)
( A )(応援しててもしてなくても)
( A )(どうでも、いい?)

( A )「ブーンは、お前たちと仲良くしても、それでも俺と友達でいてくれるって」



( ・∀・)「それ、嘘だったりしない?」


38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 22:06:43.46 ID:F5s7He+x0

(;A;)(嘘?)
(;A;)(応援してなくても友達で)
(;A;)(嘘?)
(;A;)(仲良くしても友達で)
(;A;)(嘘?)
(;A;)(嘘?)

(;A;)(俺には、何もない?)
(;A;)(どうでも、いい?)

(;A;)(友達じゃない)
(;A;)(ふさわしくない)
(;A;)(自分で決めた自分で決めた自分で決めた自分で決めた)
(;A;)(嘘?)


(;A;)(ああでも今は、今なら……)

(;A;)(こいつらが、こんなやつらだってわかったら……)


(A; 三「ブーン!」


ミセ*゚ ,゚)リ「あーあ、いっちゃったー」


39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 22:07:47.84 ID:F5s7He+x0
22:12 屋上への階段


(;^ω^)「ゆっくり登るのも意外に疲れるお……」

(* ^ω^)「でも、早く登っちゃうのはもったいないお」


( ^ω^)「ごだんっ」

( ^ω^)「ろくだーん」

( ^ω^)「なっなっだんっ」

( ^ω^)「はち、だん」

( ^ω^)「きゅーだん!」


( ^ω^)「お? ようやく音が聞こえてきたお?」



( ^ω^)(でも、遠いお。外の音かお?)


42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 22:08:55.60 ID:F5s7He+x0
22:15 校庭


( ^Д^)「今頃内藤、屋上で泣いてるだろーな」

ミセ*゚ー゚)リ「ここから聞こえないかな?」

(* ´∀`)「声だけは大きい奴だモナ」

( ・∀・)「何の話だよ?」


( ^Д^)「あれ、モララーには言ってなかったか?」

(* ´∀`)「そういえば最初に帰ったモナ」


( ・∀・)「なんだ、悪戯でも仕掛けたのか?」


( ・∀・)(余計なことしやがって)


ミセ*゚ー゚)リ「ま、そんな感じ。あいつを脅かそうっていう」


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 22:10:19.10 ID:F5s7He+x0

( ^Д^)「昼間ここにきたろ? で、帰る前に紙貼ってきたんだよ。ほら、これ、下書き」


( ^Д^)つ【かいだんのしたから わたしのあたまが きているよ うしろみないでね】


(* ´∀`)「きっとビビってるモナ」

ミセ*゚ー゚)リ「だよね、チキンだもん」

( ^Д^)「だよなー」



22;15 二階階段


('A`;)「ハアッハアッ」

( A ;)「……ッ! ゲホッ、ゲホ」


( A ;)(ブーン、今なら俺、ふさわしいよな)

(;A;)(あいつらはだめだけど、でも俺なら、俺だけはおまえの……)

(;A;)(友達としてふさわしいよな? ふさわしいよな?)


48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 22:13:25.07 ID:F5s7He+x0
22:?? 十三階段」


(* ^ω^)「じゅうだん」

( ^ω^)「お? 声だお。モララー達かお?」


( ^ω^)「じゅういち」

(:^ω^)「響いててどこから聞こえるかわかんないお。本当に屋上にいるのかお?」


(;^ω^)「じゅうにっと」

( ^ω^)「お、ドアの前が少し高くなってるお」


( ^ω^)(なんだ、ドクオみたいに難しく考えることなかったんだお)



( ^ω^)「したから、いちにいさん……はちきゅうじゅう」




( ^ω^)「じゅういち、じゅうに」


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 22:14:47.90 ID:F5s7He+x0
22:16 校庭


( ・∀・)「……張り紙って、これか?」


つ【階段の以下略】


  _,
ミセ#゚д゚)リ「あ! どうして剥がしちゃったのよ」

( ・∀・)「意味ないからだよ。あそこ、放課後見回りがくるからな。で、剥がされて終わり。バレるよりは、ましだろ」


(;^Д^)「えーつまんねえの」
  _,
ミセ ゚ ,゚)リ「じゃ、いまごろは、普通になんにもない屋上?」

(;´∀`)「インパクトがないモナ」

( ^Д^)「ま、しかたないだろ。残念だけど」


51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 22:15:51.23 ID:F5s7He+x0


( ・∀・)「で、残念がってるとこ悪いが」


ミセ ゚ ,゚)リ「なあに?」

( ´∀`)「まだ何かあるモナ?」



( ・∀・)「お前たちが想像しているよりも、もっと地味なんだ」


( ^Д^)「地味?」

ミセ ゚ ,゚)リ「屋上が?」





( ・∀・)「いや……」


58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 22:20:14.94 ID:F5s7He+x0
22:17 校庭




(  ∀ )「見回りの後には、扉に鍵をかけるから、屋上にも上がれてないはずだ」






??:?? 魔の十三階段


(  ω )「ここをあわせて、十三段だお」



ギイイイイイイー
バタン。


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 22:22:51.89 ID:F5s7He+x0
支援ありがとうございます。
余韻があるのが好きな方、これでおしまいです。

次に余韻ぶち壊しなエピローグ? 投下します。

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 22:25:20.63 ID:F5s7He+x0
2230


ミセ*゚ ,゚)リ( ^Д^)( ´∀`)( ・∀・)


ミセ*゚ ,゚)リ「内藤も鬱田くんも、出てこないね」

( ^Д^)「何だ、心配なのかよ?」
  _,
ミセ ゚ ,゚)リ「まさか。でもさ」

  _,
ミセ*゚∀゚)リ「階段のところでwまだw泣いてるかと思うとw」
  _,
ミセ*゚∀゚)リ「鬱田君もwそれ追っかけてw泣いてるかと思うとw」

(;^Д^)(いつものことだが凶悪な笑いだな)

( ´∀`)「見に行ってみるモナ?」

ミセ*゚ー゚)リ「みんなが行くんなら行く!」

( ^Д^)「オレもいくぜ」




( ・∀・)「俺、ちょっと用事があるから、お前らだけで行ってこいよ」


67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 22:28:09.38 ID:F5s7He+x0
22:50


(#,,゚Д゚)「ゴルァ! こんな時間に何やってるんだ!?」

(* ・∀・)「あ、守衛さん、こんばんは。この学校の4年3組の、モララーといいます。今、塾の帰りなんです」

( ,,゚Д゚)「塾? まだ小学生なのにか?」

( ・∀・)「ええ。母が、これからの時代は小学生も塾に通うようになる、って」

( ,,゚Д゚)「熱心だなあ。てっきり、また誰か校舎に侵入しようとしているのかと」

( ・∀・)「また?」

( ,,゚Д゚)「ああ、さっきも捕まえたぜ。校舎の中を泣きながら走り回ってた」

( ・∀・)「……それって、うちのクラスの内藤君と鬱田君ですか?」

( ,,゚Д゚)「そう、その鬱田ってやつだ。なんだか『ふさわしいふさわしい』って騒いでいたな」

( ・∀・)「そうですか……あ、それ名簿ですか?」

( ,,゚Д゚)「ああ、一応チェックすることになっていてな……あれ?」

( ・∀・)「どうしました?」

( ,,゚Д゚)「いや、坊主のクラスの名簿をみたんだが」


68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 22:30:00.72 ID:F5s7He+x0

( ,,゚Д゚)「内藤なんて奴はいないはずだぞ?」




( ・∀・)



(  ∀ )







( ・∀・)「ですよねーw」


END

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/09(金) 22:36:38.87 ID:F5s7He+x0
以上でした。
支援ありがとうございました。

耳をすませばという名の理想と現実の格差にむしゃくしゃしてやった。
後悔はしていない。

展開についてはあれだ
モララーの中では「ミセリたち<おもちゃ」ということで。
あとはご想像にお任せしますという魔法の言葉で何とかして下さい。


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