( ^ω^)空中庭園と海底都市のようです
- 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:15:02.17 ID:ZbPBBD3Y0
- 代理だお!
- 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:15:55.93 ID:h6c9y1Fi0
- 何度も代理すみません。感謝です!
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:16:40.50 ID:h6c9y1Fi0
- 前回
一話目( ^ω^)空中庭園と海底都市のようです
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1278596995/l50
二話目準備1( ^ω^)空中庭園と海底都市のようです
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1278613049/l50
二話目準備2&三話目戦争1( ^ω^)空中庭園と海底都市のようです
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1278856501/l50
まとめてくださっているサイト様
http://localboon.web.fc2.com/
マップみたいなの描いてみた
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_175.gif
ついでに武器
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_176.gif
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:17:48.84 ID:h6c9y1Fi0
- 『三話目 戦争2』
[1.住人の絆]
戦士達は、鳥に乗る練習をした。
羽は体力を使ってしまう。だから、他に飛べるものに頼るんだ。
鳥に乗れたら、今度は立つ練習だ。
そして鳥の上で戦う練習。
鳥達は悲鳴を上げ、戦士達は挫折しそうになっていた。
(;´_ゝ`)「騎士様、これは無茶ですよ…」
( ^ω^)「だお。度を越していると思うお。
でも、出来る喜びを皆に味わってほしいお」
騎士は鳥に乗っかって、鳥の背の上、立ち上がる。
そして優雅に飛んで見せた。
女神は鳥に乗っかって、鳥の背の上、立ち上がる。
そして優雅に飛んで見せた。
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:18:45.18 ID:PN4y0vdLP
- 支援
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:19:00.93 ID:h6c9y1Fi0
-
女神は、ヴァイオリンの綺麗な音色を響かせて、曲を奏でる。
騎士はそれに合わせて剣を振るう。
(;´_ゝ`)「凄い」
戦士達はそれを見て、二人が手の届かないところにいるような気がした。
けれど少しやる気が出てきて、戦士達と鳥達は、また練習をする。
( *^ω^)「ほらほら、こんなに楽しいお!やってみたいと思わないかお?」
騎士の、精一杯の励ましだった。
騎士の気持ちに答えようと、戦士達と鳥達は、必死で練習をした。
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:19:10.31 ID:ZbPBBD3Y0
- しえん!
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:19:54.52 ID:h6c9y1Fi0
-
それから何日経っただろう。
戦士達は、何とか鳥達を乗りこなせるようになっていた。
空の国は、いよいよ闇の国へと向かう準備を始めた。
城の周りに沢山の空の住人≠フ鳥達が集まって、
城の頂上には、空王と、騎士と、女神と、戦士達。
それぞれの武器を手に持って、それぞれの鳥に乗っかって。
( ´_ゝ`)「羽は体力を使うから、君達が頼りだ。よろしくな、相棒」
#「よろしく仕る、兄者よ」
( ・∀・)「俺とお前で世界一」
#「僕と君とで世界一」
(`・ω・´)「サー!」
#「サー!!」
( ><)「緊張するんです」
#「絶対守ってみせるからね」
( ´∀`)「そろそろ行くモナね…」
#「きっと役目を果たそうぞ」
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:20:27.99 ID:aPMtWo5S0
- ほうファンタジーか
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:21:02.58 ID:h6c9y1Fi0
-
それぞれの鳥と、それぞれの戦士。
そして女神も鳥に乗る。
ξ゚听)ξ「お、重たくないかしら?」
#「何を言います、女神様。あなたはとても運びやすい」
そして騎士も鳥に乗る。
リーダー格の、鳥に乗る。
( ^ω^)「よろしくですお」
#「こちらこそ、騎士殿」
それぞれが鳥に乗っかって、さあさ出発というときに、
空王は騎士に質問した。
―本当に俺は行かなくてもいいのか?
( ^ω^)「今回はまだ、ですお。今後の為に体力温存ですお」
―俺はまだ若いぞ。そこまで体力が無いわけじゃない。
( ^ω^)「力を使えば体力は必ず減りますお。今はまだ機を待ちますお」
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:22:12.92 ID:h6c9y1Fi0
-
―…そうか。ならばそうしようじゃないか。
空王一匹、城に残して、空の国の戦士と女神と騎士は、闇の国へと飛んでった。
戦いをしに、飛んでった。
誰も望んじゃいないけど、闇の国へと飛んでった。
先頭、ブーン。真ん中、ツン。後方、兄者。
騎士は皆を守るため、女神は音色を響かせるため、戦士は皆を守るため。
白い雲を掻い潜り、空をスイスイ泳いでく。
まるで海にいるように、風はどんどん流れてく。
鳥にしっかりしがみつき、一つの国へ、向かってく。
きっと皆が怖いけど、皆は騎士についていく。
ただただ信じるだけなのに、どうしてそれが嬉しいのやら。
どうしてそれが、力になるのやら。
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:23:08.09 ID:h6c9y1Fi0
-
[2.開いてない]
闇の国の、北の塔。そこで二人は眺めてた。
空の国がこちらへ来るのを、じっと、眺めてた。
(*゚ー゚)「…ギコ様。国の外に、空の騎士達がいます」
(,,゚Д゚)「見りゃ分かる。攻めてきたか」
闇の騎士は腰掛けていた椅子から、ゆっくり立ち上がる。
(,,゚Д゚)「ところでだ。しぃ、ジャックの剣は開いている≠ゥ?」
(*゚ー゚)「まだ開いていない≠ンたいです。というとより、知らないみたいです」
(,,゚Д゚)「…ならいい」
(*゚ー゚)(花、植えてくれたかな…)
不思議な会話をして、それから闇の騎士は動き出す。
部屋のドアを開けて、闇の女神と一緒に外へと出て行った。
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:23:30.05 ID:PN4y0vdLP
- 支援
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:24:05.82 ID:h6c9y1Fi0
-
[3.戦い]
鳥の群れは、闇の国の上空へ。空の住人は、闇の国の上空へ。
騎士と女神と戦士を乗せて、闇の国へと辿り着く。
先頭の騎士は覚悟を決めて、北の塔へと向かってく。
( ^ω^)「皆、行くお!」
そしてその後ろには戦士と女神。皆そろって向かってく。
だけど塔には、騎士と女神。闇の騎士と、闇の女神がそこにいた。
塔の頂上に、リッパー持って立っていた。
(,,゚Д゚)「こちらが攻めるか、空が攻めてくるか。どうやら後者のようだな」
( ^ω^)「!」
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:24:59.79 ID:h6c9y1Fi0
-
(,,゚Д゚)「空の住人も味方につけたのか」
闇の女神が短く歌いだす。
(*゚ー゚)「♪ー♪ー」
すると、どこからともなく黒い鳥達がやってきた。
闇の騎士はその黒い鳥に飛び乗って、真上にいる空の騎士達の方へと飛んだ。
どこからともなく闇の兵士がやってきて、その黒い鳥に飛び乗った。
そしてどんどん上へと飛んで、闇の騎士の後ろへ着く。
闇の女神も黒い鳥に飛び乗って、闇の騎士の後ろへ着く。
(,,゚Д゚)「さあ、行くぞ!」
( ^ω^)「おぉぉおおおお!!こっちも行くお!!」
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:25:42.74 ID:PN4y0vdLP
- 支援
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:26:16.47 ID:h6c9y1Fi0
-
闇の騎士の合図で、闇の兵士達は、空の戦士達に襲い掛かる。
空の騎士の合図で、空の戦士達も、闇の兵士達に襲い掛かった。
音が聞こえる 音が聞こえる
沢山の音 戦う音 叫ぶ音
鳥達の暴れる音 争う音
戦士の音 兵士の音
ヴァイオリンの儚い音
女神の歌う音
武器が交わる音
#「お前らなんかに負けない!」
#「痛あ!痛いよ!」
大勢の兵士に屈せず、戦士達は戦った。
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:27:26.49 ID:h6c9y1Fi0
-
そして闇の騎士と空の騎士は、剣を交差させる。
(,,゚Д゚)「ハッ」
( ^ω^)「うりゃああああぁッ」
高い音が弾けていって、キィン、キィンと、刃が音を奏でる。
ジャックの剣を巧みに振り下ろし、リッパーは受け流す。
リッパーを巧みに振り回し、ジャックの剣は受け流す。
振って、避けて、受け流し。振って、避けて、受け流し。
その動きは、まるで何か踊っているようだった。
二人の剣を振るう速さは、他の追随を許さない。
ξ;゚听)ξ―♪♪♪♪♪♪♪♪♪―
(;゚ー゚)「♪♪♪♪♪♪♪♪♪」
二人の女神の周りには、必ず誰かがいた。
女神が音を奏でなければ、剣は強くならないんだ。
だから女神を守るのだ。
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:28:17.71 ID:h6c9y1Fi0
-
二人の女神は必死で奏でた。ヴァイオリンを奏でて、歌を奏でて。
その音は強さを増していった。
綺麗な音色に反応して、ジャックの剣は青く光る。
綺麗な歌声に反応して、リッパーは紫に光る。
(;^ω^)「はああああああああッ!!」
(,;゚Д゚)「フンッ!!」
剣から火花が散るほど、二人の戦いは激しかった。
戦士と兵士は、その戦いを守るために戦った。
どちらか一人が勝つ、そのときまで。
(;^ω^)「ツン、もっとヴァイオリンの音を奏でるお!!」
ξ;`凵L)ξ―♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪―
騎士の言葉に、女神はもっともっととヴァイオリンの音を奏でてた。
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:28:42.10 ID:ZbPBBD3Y0
- 支援!
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:29:05.48 ID:h6c9y1Fi0
-
(,;゚Д゚)「しぃ!!」
(;`ー´)「♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪」
騎士の言葉に、女神はもっともっとと歌声を響かせた。
鳥と黒鳥は、二人の動きに合わせて飛んだ。
騎士を落としてはなるまいと、必死に飛んで、飛んだ。
光る青と、光る紫は、更に光を増してった。
そのネオンが交じり合って、綺麗な火花を散らす。
(;^ω^)「戦士達の為にも…国民の為にも、負ける訳にはいかないお!!」
(,;゚Д゚)「勝手に言ってな!」
剣は踊って踊って、舞って舞って。
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:29:15.95 ID:PN4y0vdLP
- 支援
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:29:48.52 ID:h6c9y1Fi0
-
ブーンはギコの後ろを取り、素早く剣を縦に振るう。
けれどもそれは受け止められ、クロスしているリッパーが、それを弾き返す。
キン、と綺麗な音がした。
(;^ω^)「おっ…」
ブーンは反動で後ろに仰け反ったが、すぐに体勢を立て直す。
ギコはリッパーを、トンファを握るように持ち、素早く剣を横に振るった。
今度はジャックの剣が、その攻撃を弾き返した。
(,;゚Д゚)「ヌゥ…」
また二人は剣を舞わせ、綺麗な音を響かせた。
変わらず戦士と兵士は戦って、そして女神は音を奏でる。
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:30:37.87 ID:h6c9y1Fi0
-
どれほどの時間が流れてしまっただろう。
戦士と兵士はへとへとで、鳥達も限界にきていた。
だが、二人の騎士の戦いは終わらない。
どちらが優勢かと言えば、空の騎士だ。
空の騎士は、闇の騎士をどんどん追い詰めていく。
(;^ω^)「ハッ…ハァッ!!」
(,;゚Д゚)「クッ…」
女神も必死で音を奏でた。
騎士のそんな様子に見かねた闇の女神が、不思議なことを言い出した。
(;゚ー゚)「ギコ様、もう開けて≠ュださい!見てられません!」
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:31:27.39 ID:h6c9y1Fi0
-
その言葉を聞いた闇の騎士は、卑劣な言葉を吐いてから、剣を上に向けた。
(,;゚Д゚)「クソが…。予定にないことさせやがって!」
二つの剣リッパーに、話しかけるように叫んだ。
(,;゚Д゚)「リッパー、聞け!少しだけ開ける≠シ!!」
(,,゚Д゚)《σκοτ?δι!!》
何かを言い放つと、リッパーは全体が紫に光って、
二つの剣は一つになった。
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:32:30.64 ID:h6c9y1Fi0
-
[4.開いた]
(;^ω^)「!?」
いつの間にかリッパーは黒いもの≠ノ包まれていて、
ギコも、全身黒いものに包まれていた。
真っ黒い剣と、真っ黒い騎士。
真っ黒い隙間から見える紫色の目は、空の騎士を睨んでいた。
ξ;゚听)ξ「な…に?これ…」
周りの空気は重くなって、ギコは黒鳥無しで宙に浮いていた。
これは一体、何なのか。これは一体、誰なのか。
黒い騎士は、黒い剣を持っていた。
(,,-Д-)「………空王がいないからと、舐めていたのは俺のようだな…」
(,,゚Д゚)「…行くぞ」
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:33:07.94 ID:PN4y0vdLP
- 支援
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:33:17.75 ID:h6c9y1Fi0
-
その黒い奴の動きはとても速くて。
いつ剣を振るったのか分からないくらいに、速くて。
耳に、風が横切った。
( ; ω )「うッ」
黒い剣が、ブーンの鎧にめり込んだ。
脇腹に鈍い痛みが走り出す。
(;^ω^)「いッ……」
思わず脇を押さえようとして、
けれど次の攻撃が来るのが分かった。
だからジャックを握り締め、必死に攻撃から身を守ろうとした。
(,,゚Д゚)「オ……ラァ!!」
攻撃を防ぎ、防いで、それでも防ぎきれない攻撃もあり。
そんな様子を、女神と兵士と戦士は、眺めていることしかできなかった。
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:33:30.39 ID:ZRK8/rFw0
- なんかなー、残念な感じ
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:34:25.59 ID:h6c9y1Fi0
-
人間離れした人を、騎士ですらこんなに苦戦しているのに、
戦士達が止める、なんてことできなかった。
気付けばブーンは疲れ果てていた。
ブーンを乗せるている鳥は、ブーンを落とさないようにするために必死で飛ぶ。
(,,゚Д゚)「……」
けれど、ギコの紫の目は鳥に向けられ、
ギコは鳥に向けて、リッパーを振るった。
#「うっ」
かすった程度だが、確かに傷がついた。
鳥は少しバランスを崩してしまう。
そして剣はまた、ブーンに向かって振るわれた。
( ; ω )「がッ…」
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:35:05.19 ID:h6c9y1Fi0
-
ぐったりしていた騎士は、よろけて、
鳥から足を踏み外した。
#「あっ…騎士様!!」
( ω )「……」
騎士はゆっくりと、海へ吸い込まれていった。
バシャン、と水面に何かが落ちる音がして、騎士の姿が無くなる。
ξ;゚听)ξ「…え?」
信じられないという目で、その落ちたものを見つめる女神。
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:35:42.73 ID:h6c9y1Fi0
-
ξ;凵G)ξ「そ…んな…。ブーン様…ブーン様ぁぁぁぁああああ!!」
騎士は、海へ落ちた。それは変わらない事実だった。
(,,゚Д゚)「…フン」
黒い姿から、元の姿へと戻るギコ。リッパーも元に戻ったようだ。
(,,゚Д゚)「やはり、どちらも知らなかったのか。
まあどうせ、開けることは出来ないだろうがな」
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:36:16.75 ID:h6c9y1Fi0
-
(,,゚Д゚)「これ以上やっても仕方ない。引くぞ」
(* ー )「は…い…」
闇の国の騎士と女神と兵士は、自分達の国へと戻っていく。
海に落ちた騎士を見て、必死に叫ぶ女神。
けれど、騎士の姿は見当たらない。
(;´_ゝ`)「女神様、我々も撤退しなければ、戦士達や鳥達がもちません!」
ξ;凵G)ξ「ブーン様を、ブーン様を、早くブーン様を!!」
(;・∀・)「海には海の国がある!きっと騎士様をを拾ってくれるはずだ!だから…」
ξ;凵G)ξ「嫌よ!!嫌、嫌、嫌ああああああああぁぁあああああ!!」
(;´∀`)「このまま我々が帰らなければ、国自体が大変なことになるモナよ!?」
女神は、この場から一向に離れようとはしなかった。
暴れる女神を、必死で連れて帰ろうとする戦士達。
鳥が悲鳴をあげた。
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:36:51.95 ID:h6c9y1Fi0
-
ξ;凵G)ξ「ブーン様!!ブーン様あああああああああああああああ!!」
無理矢理だったが、戦士達は女神を国へ連れて帰った。
戦士は全員傷を負ったが、生きていた。
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:37:04.44 ID:PN4y0vdLP
- 支援
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:37:29.10 ID:h6c9y1Fi0
-
[5.海中にて]
( ω )「………」
―何してんの?
( ω )「………」
―おーい。
( ω )「………」
―人間は海の酸素じゃ息できないぞー。
( ω )「……う」
―あ、起きた。
(;^ω^)「…がごぼッ」
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:37:30.06 ID:ZbPBBD3Y0
- しえん
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:38:05.97 ID:h6c9y1Fi0
-
―あー、はいはい、息ね。息したいんでしょ?
(;^ω^)「ぐっ…ぐるじっ…ごぽっ…」
―ほーら酸素ですよー。
(;^ω^)「ごっ…」
―酸の素を吸い込んで呼吸するとか面白いよね。
( ^ω^)「…あれ?」
―やーっと起きたのか。
( ^ω^)「…ここ、海だお?何で僕、息してるお?
というよりなんでここにいるお?」
―そりゃ僕が酸素あげたから。って、ばかー!さっきやられたばっかりじゃん!
(;^ω^)「そうだったお…。で、あなたは誰だお?」
―僕はホワイトチャペル。今は声で会話してるだけ。姿は無いよ。
( ^ω^)「ホワイトチャペル?聞いたこと無い名前だお」
―そりゃそうだよ。まあそんなことどうでもいいけど。
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:38:54.12 ID:h6c9y1Fi0
-
( ^ω^)「僕を助けてくれたお。お礼を言わなきゃだお。ありがとうだお!」
―まあ助けたっちゃあ、助けたことになるんだけど…。
( ^ω^)「?」
―僕は、ジャックの剣に用があるんだ。
( ^ω^)「剣に?」
―そ。ジャックに。君が手に持ってる、その剣。
( ^ω^)「お?剣が…。何か光ってるお」
―嬉しいな。僕に反応してくれたんだね、ジャック。
( ^ω^)「それで、剣に何の用だお?」
―何って、ただの用さ。用じゃないなら、用以外に何があるの?
(;^ω^)「いやそうじゃなくて」
―いや、だってさ。さっき闇の騎士はちゃんとリッパーを開けていた≠ナしょ?
(;^ω^)「…わけ分からんお」
―僕的には、ジャックとその持ち主が開ける≠ゥと思ってたんだけど、
なんてこった!向こうは開いてるのに、こちらは開かないじゃないか!
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:39:33.10 ID:h6c9y1Fi0
-
(;^ω^)「いやだからもうちょっと詳しく…」
―だからさジャック。君に教えるよ。
僕が開き方≠教えてあげるから、今度の戦闘で役立ててね。
ああ、力は教えられないよ。
(;^ω^)「おーい」
―…ジル?ジルは薄々感じ取ってるみたいだから、
持ち主が気付けば開くんじゃないかな。
ジャック、君だけだよ、自分の力さえ知らないの。
(;^ω^)「聞けよ」
―……どう?分かったかな。じゃあ僕はこれで。
( ^ω^)「………おっ…?」
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:39:40.06 ID:6cg987qa0
- しぇn
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:39:57.38 ID:PN4y0vdLP
- 支援
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:40:08.98 ID:h6c9y1Fi0
-
どこかの誰か、ホワイトチャペルの声が聞こえなくなって、
空の騎士はいつの間にか、海の国の建物の中にいた。
『三話目 戦争2』end
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:41:02.73 ID:h6c9y1Fi0
- 『三話目 戦争3』
[1.保護]
空の騎士は、ゆっくりと目を開けた。
そこには海の騎士と海の女神がいて、
空の騎士はふわふわのものに包まれている。
そして、だんだん意識がハッキリしてきたとき。
(;^ω^)「ホワイトチャペルさんっ!?」
空の騎士は勢いよく起き上がった。
('A`)「…ホワイトチャペルって誰だ?」
川 ゚ -゚)「…さあ?」
(;^ω^)「あ」
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:41:48.11 ID:h6c9y1Fi0
-
ホワイトチャペル≠ェ誰なのか、二人に分かるはずもなく。
そして、ブーンに分かるはずもなく。
上に被さっていた毛布をはいで、二人の方を見た。
('A`)「ブーン、起きたか。ここは医療室だから安心しろ」
川 ゚ -゚)「水中に漂っているところを、海の住人が見つけてくれてな。
わざわざここまで運んできれくれたんだ。後で礼を言いに行くぞ」
( ^ω^)「…そうだったのかお」
あの時空から落っこちて、海へと落ちて、色々あって。
ただ、あの戦いの疲労から、起き上がると少し眩暈がした。
(;^ω^)「おう…」
目の前が、ぐにゃりと歪む。
('A`)「無理すんな。何があったのかは後で聞くけど、とりあえず休め」
(;^ω^)「すまないお」
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:42:21.37 ID:PN4y0vdLP
- 支援
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:42:30.38 ID:h6c9y1Fi0
-
ブーンはまた少し横になったが、環境の違いか、寝ることができなかった。
だけど横になる内、いつの間にか眠ってしまっていた。
体の疲労は限界に達していたんだ。
('A`)「…剣で斬られた跡があった」
体中に巻かれた包帯を見る。
怪我は、誰かに斬られた跡だと分かっていた。
川 ゚ -゚)「鎧を着ていなかったら、こんな傷では済まされなかっただろうな」
('A`)「ああ。鎧を着ているってことは、やはり…」
川 ゚ -゚)「……だろうな。ドクオ、闇は、あいつらは…」
クーはそう言いかけて、続きを言うのをやめた。
('A`)「ブーンをここまで追い詰めたんだ。これは、本当に侮れないぞ」
川 ゚ -゚)「そうだな」
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:43:18.25 ID:h6c9y1Fi0
-
[2.空の国の大事]
空の国の兵士達。思いがけない出来事に、慌てて国へ帰ってく。
空の国の大きなお城。そこに向かって帰ってく。
そして皆の帰りを待っていた、空王様は、驚いた。
―…これは一体何事だ?
傷ついた戦士達の中に、泣き喚く女神がそこにいた。
その中に、騎士が、いない。
―騎士はどうした。何故ここにいない?
ξ;凵G)ξ「空…王…様ぁ…」
涙の止まらぬ女神に変わって、一人の戦士が理由を話す。
あの戦いであったこと全て、話していった。
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:43:31.68 ID:ZbPBBD3Y0
- 支援
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:44:38.15 ID:PN4y0vdLP
- 支援
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:44:40.81 ID:h6c9y1Fi0
-
(;´_ゝ`)「……というわけなんです」
―…海に落ちたか。それならば騎士は生きている。必ずな。
空王は、はっきりとそう言った。
ξ;凵G)ξ「どうして分かるんですか?」
―海には海の住人≠ェいる。それに…
ξ;凵G)ξ「それに?」
―あの騎士がそれくらいで死ぬとは思えない。あの伝説の騎士だぞ?
そうだ。誰が何を言おうと、あれは紛れも無く伝説の騎士だ。
ξ--)ξ「……」
ξ゚听)ξ「そうですよね。伝説の騎士を支える女神が、
こんなことを言ってはだめですよね」
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:45:19.96 ID:h6c9y1Fi0
-
女神は涙を抑えて、信じた。生きていると。
たった一度の戦いで敗れるような騎士ではないと。
―ハハハ、そうだその意気だ。
―信じるのは人の自由だ。だがそれが本当になるかは、時の流れ次第だろう。
―この後どうなるかなど、誰にも分からぬ。もちろん俺にもな。
―だから良い可能性にかけてみるのも、悪くはないぞ。
―その流れの答えを待つ間、少しでも良い方向へ流れるようにしたらいい。
女神は空王の言葉で立ち直り、怪我人達を城の中へと入れていった。
ξ゚听)ξ「皆!重症の戦士を優先的に医療室に運んであげて!」
共に運びあい、共に怪我を癒そう。
必ず来る、次の戦いに向けて。
―空の女神は強い。泣き虫なのには変わりないがな…。
その様子を見て、空王は独り言を言った。
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:45:55.32 ID:h6c9y1Fi0
-
[3.海中探検]
いつの間にか、また眠ってしまっていたブーンは、急に目を覚ます。
起きたとき、まだ二人は医療室に残っていた。
('A`)「起きたか」
川 ゚ -゚)「今度はぐっすり寝ていたようだぞ」
ブーンはゆっくりと起き上がる。どうやら眩暈はしないようだ。
( ^ω^)「ふぃー。やっと落ち着いたみたいだお」
眩暈がしないことを確認して、上にかけられていた毛布をはいだ。
ベッドから足を下ろそうとするが、クーに腕をがっしり掴まれた。
(;^ω^)「お!?お!?」
何故かニヤリと笑う二人。
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:46:41.79 ID:h6c9y1Fi0
-
川 ゚ -゚)「ふっふっふ…眩暈はしないんだろう?」
('A`)「もう大丈夫っぽいんだよな?」
(;^ω^)「多分そうだと思うお…。で、何で腕を掴むんだお?」
掴まれた手をぐいぐいと引っ張られ、
不気味な高笑いをするクーとドクオに、医療室の外へと連れ出された。
川*゚ -゚)「きひひひひひ!きしゃー!行くぞ!海底探検だ!!」
(*'A`)「うひひひひひ!うしゃー!きっと何かが起こるぞー」
まるで、これからピクニックに行くかのような二人に連れられ、
今度は建物の外へと連れ出された。
(;^ω^)「おおおぉぉおっ!?二人とも、待った、待った!!」
どんどん海が近づいてくる。
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:47:06.61 ID:PN4y0vdLP
- 支援
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:47:27.03 ID:h6c9y1Fi0
-
川*゚ -゚)「そうだ、冒険に出よう」
(*'A`)「おきのどくですが、ぼうけんのしょ1ばんは きえてしまいました」
川*゚ -゚)「きひひひひひひひひひひしゃー」
(*'A`)「うひひひひひひひひひひしゃー」
(;^ω^)「怖いお、二人ともなんだかすっごく怖いお!!」
そしてついに、大海原へと身を投げる。
(;^ω^)「うぎゃゴボゴボボッ」
広い広い、そして暗い海。
溺れそうなブーンを見て、クーはアコーディオンを出した。
そして、音色を響かせる。綺麗な綺麗な音色が響く。
川 ゚ -゚)―♪♪♪―
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:48:03.31 ID:h6c9y1Fi0
-
すると、あらあら、どうだろう。
ブーンはたちまち人魚となった。
ドクオとクーと同じように、人魚となった。
( ^ω^)「お…おおっ!?何か足が尾びれになったお!
…そう言えば、ドクオとクーにも尾びれがあるお」
('A`)「むしろこれがデフォだ」
川 ゚ -゚)「海の国の人々が海に入れば、こうなる。
人魚は、海で生活する上での必需だ」
( ^ω^)「そうなのかお?空の国とは少し違うんだおね」
クーとドクオは灯りを持って、ブーンをぐいぐい引っ張っていく。
('A`)「これじゃブーンは泳げないだろ?」
川 ゚ -゚)「私たちの手に掴まっていろ」
ブーンは二人の手に掴まって、ぐいぐい、ぐいぐい、引っ張られていった。
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:48:44.42 ID:iZWH6W/X0
- 支援
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:49:05.87 ID:h6c9y1Fi0
-
プランクトンの白い雪。二人の騎士と、一人の女神を歓迎した。
とても、とても幻想的で、空の国とは違った美しさがあった。
海は空より狭いけど、海には未知≠ェ沢山ある。
そんな未知の一つ一つを、ブーンはこの目で確かめていった。
( ^ω^)「綺麗だお…」
('A`)「空だってとても綺麗だ。でも海も、それとは違ってまた綺麗だろ?」
川 ゚ -゚)「どちらも良い所があるのさ」
小さな小さな魚達。泳ぐ三人を、出迎える。
大きな大きな魚達。泳ぐ三人を、出迎える。
沢山、沢山の魚達。群れになって、泳ぐ三人を出迎える。
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:49:23.39 ID:PN4y0vdLP
- 支援
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:50:12.82 ID:ZbPBBD3Y0
- しえん
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:50:27.89 ID:iZWH6W/X0
- 支援
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:50:37.37 ID:h6c9y1Fi0
-
( ^ω^)「すごいお…」
('A`)「未知は、まだまだ沢山あるぞ」
川 ゚ -゚)「だけどそろそろ、着く頃だな」
「どこに?」と聞こうとしたが、どうやらその目的の場所に着いたようだ。
('A`)「住人さん」
川 ゚ -゚)―♪ー♪ー―
ドクオは、海の住人≠呼んだ。
クーはアコーディオンを短く奏でて、海の住人≠呼んだ。
するとどこからともなく、沢山の魚達が三人を囲む。
(;^ω^)「おおっ!?」
大きな大きな鯨と鮫が、こちらをじっと見つめている。
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:51:28.61 ID:h6c9y1Fi0
-
#「…空の騎士か」
どこかの魚が、喋った。
('A`)「海に漂流していた空の騎士を、助けてくれたんですよね」
川 ゚ -゚)「ホラ、君もお礼を言って」
(;^ω^)「え!?あ、あ、あの、ありがとうございました、お」
ブーンは、クーの言われるままにお礼を言って、ペコリとお辞儀をした。
#「気にすることはない。それよりも、傷の方は大丈夫かな?」
( ^ω^)「は、はい。お陰様で少し楽になりましたお」
すると小さな魚が二匹、こちらへ寄ってきて、ブーンの周りをくるくる回る。
#「何があったのかは予想がつきます」
#「闇の国と戦っていたのでしょう」
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:52:19.76 ID:h6c9y1Fi0
-
( ^ω^)「…その通りですお」
#「そして、争った最中…海へ落ちた」
#「きっと、何か空を上回る強い力に負けてしまったのでは?」
(;^ω^)「……」
殆ど当たっている。海の住人とは、凄いものだ。
空は力で、海は知恵。それは本当のようだった。
改めてその凄さを実感する。
もちろん空も凄いのだが、身近であればあるほど感覚が鈍くなってきてしまう。
('A`)「やはり、闇と争っていたのか」
川 ゚ -゚)「その話を詳しく聞かせてはくれないかな」
( ^ω^)「…分かったお」
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:52:29.99 ID:iZWH6W/X0
- 支援
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:53:08.82 ID:h6c9y1Fi0
-
ブーンは、闇の国に攻め入った時のことを話し始めた。
海に落ちた後の、あのホワイトチャペル≠ニやらの会話も。
川 ゚ -゚)「開ける=H何だそれは」
('A`)「ホワイトチャペル、か。
そう言えばブーンが起きたとき、そう言っていたな」
( ^ω^)「僕にもまだ、よく分からないんだお」
ギコは、リッパーの何かを開放していたのだろうか。
それにホワイトチャペルとは一体誰で、何者なのか。
海の住人は頭を抱えた様子だったが、答えを出そうとする。
#「ホワイトチャペル…。すまない、我々には分からないようだ」
#「海王様なら、何か知っているかもしれない」
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:53:40.06 ID:6cg987qa0
- しぇn
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:53:49.08 ID:h6c9y1Fi0
-
#「海王様に知恵を貸してもらいなさい。何かが分かるかもしれない」
('A`)「分かりました。海王様のところへ行ってみます」
海の住人には分からなかった。
#「我々には知恵≠ェある。だが、力≠ヘ空の方が遥かに上だ」
#「どうか、頼んだよ…」
( ^ω^)「承知しましたお」
三人は海の住人にお礼を言って、この場を去った。
ブーンは、何度も何度も振り返って、お辞儀をした。
助けてくれた恩を、忘れないように。
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:54:17.21 ID:PN4y0vdLP
- 支援
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:54:30.68 ID:iZWH6W/X0
- 支援
- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:54:30.78 ID:h6c9y1Fi0
-
[4.海王の知恵]
二人はスイスイ泳いでく。海王の洞窟に向かって泳いでいく。
ブーンは二人の手をしっかり握る。決して離さないように。
( ^ω^)「それにしてもこんな暗い中を、よく迷わずに行けるおね」
('A`)「慣れてるからな」
川 ゚ -゚)「慣れてるからな」
(;^ω^)「慣れかお」
二人はスイスイ泳いでく。スイスイ、スイスイ、泳いでく。
迷うことなく、泳いでく。
プランクトンの雪が降る。三人の上に降ってくる。
そうして、海王の洞窟へと辿り着いた。
どんどん奥へと進んでいって、奥の、奥の、そのまた奥。
そこで止まって、海王を呼ぶ。
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:55:55.38 ID:h6c9y1Fi0
-
('A`)「海王様、海王様。何度もすみません」
川 ゚ -゚)「少し聞きたいことがあります」
すると、奥から巨大な龍。三人の前に、姿を現す。
(;^ω^)「どわぁあぁあああああ!!」
その姿は、空王よりも遥かに大きかった。
あまりのその大きさは、何にも例えようが無かった。
―どうやら、空の騎士もいるようだな。
(;^ω^)「あ、はい…お邪魔してます…」
龍の大きな目が、こちらを覗く。
('A`)「海王様、実は…」
- 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:56:34.09 ID:iZWH6W/X0
- 支援
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:56:57.58 ID:h6c9y1Fi0
-
ドクオは、ブーンが闇の国と戦っていて、その最中ギコとリッパーが変化したこと、
そしてその後のホワイトチャペル≠ニの会話のことを話した。
龍の大きな目が、こちらを覗く。
('A`)「海王様、実は…」
ドクオは、ブーンが闇の国と戦っていて、その最中ギコとリッパーが変化したこと、
そしてその後のホワイトチャペル≠ニの会話のことを話した。
―…ほう。そのようなことがあったか。
( ^ω^)「間違いありませんお」
―それで、開ける≠ニは何なのか、ホワイトチャペル≠ニは誰なのか…
それを聞きにきたのだな。
川 ゚ -゚)「はい」
海王は困り果て、うーんと声をうならせた。
- 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:57:30.82 ID:h6c9y1Fi0
-
('A`)「海王様ですら分からないんですか?」
―ホワイトチャペル≠ェ誰なのかは、この老いぼれにも分からん。
だが、もしかしすると開ける≠ェ何なのか、分かるかもしれん。
( ^ω^)「ほ、本当ですかお!?」
そして海王は、もしかしたらの考えを話していった。
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:58:22.12 ID:h6c9y1Fi0
-
[5.剣]
―老いぼれの考えなぞ、あてになるとは限らん。
だが、少しは役に立つかもしれないがな…。
龍は大きな目を閉じて、じっくり考えているようだった。
―剣を開ける=Bもしかしすると、
その闇の騎士と剣が、共鳴したのかもしれん。
( ^ω^)「共鳴、ですか?」
―何かに共鳴をして、剣の元あった力が、少し開けられた≠フだろう。
そうして人間離れした力を、剣から引き出すことに成功した。
('A`)「剣の元あった力?それに、共鳴とは?」
―まあ待て、そう焦るでない。老いぼれの脳は、老いぼれのままだ…。
龍は、また大きな目を閉じて、じっくり考えた。
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:58:56.71 ID:iZWH6W/X0
- 支援
- 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:59:02.98 ID:h6c9y1Fi0
-
―恐らく、剣にはそれぞれ何かが宿っている。
その闇の騎士は、何か呪文のようなものを…言ってはいなかったか?
( ^ω^)「そう言えば」
――
(,;゚Д゚)「リッパー、聞け!少しだけ開けるぞ!!」
(,,゚Д゚)《σκοτ?δι!!》
――
( ^ω^)「変な言葉を言っていましたお」
―その言葉で剣と共鳴し、その言葉が開ける′ョとなったのだろう。
川 ゚ -゚)「その言葉がどんなものだったのか、覚えていないのか?」
( ^ω^)「なんかわけわからんごにょごにょな言葉だったから、
覚えていても発音できませんお…」
―そうか。仕方あるまい。
( ^ω^)「どうにかして、僕らも剣の力を開ける≠アとはできないんですかお?」
- 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 21:59:54.21 ID:h6c9y1Fi0
-
('A`)「それは俺も聞きたいです」
―今はまだ、無理だろうな。
川 ゚ -゚)「やはり、無理なんですか?」
―剣の元々の力を知らなければ、開ける≠アとは出来ないだろう。
ブーンとドクオは、酷く落ち込んだ。
ずっと一緒にこの剣と歩んで来たのに、そんなことすら知らなかったなんて。
ただ、楽器の音色を合わせることは知っていた。
でも剣にはそれ以上の力があったことを、闇の騎士は既に知っていたんだ。
―そう落ち込むな。剣はお前達の気持ちに答えてくれるだろうよ。
('A`)「…はい」
( ^ω^)「ありがとうございましたお」
川 ゚ -゚)「それでは、我々はこれにて失礼します」
―ああ。またいつでも来るがいい。力になれるかもしれない…
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 22:00:17.33 ID:iZWH6W/X0
- 支援
- 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 22:00:57.42 ID:PN4y0vdLP
- 支援
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 22:01:27.26 ID:h6c9y1Fi0
-
三人は、海の国へと戻っていった。
結局ホワイトチャペル≠ェ誰なのかは分からなかったが、
剣に関してとても大切なことを知ることが出来た。
闇の騎士は、どこまで知っているのだろうか。
もしかしてホワイトチャペル≠フことも、知っているのだろうか。
剣のことを詳しく知っているのであれば、おそらく戦いは、
このまま続いてしまうだろう。
二人の騎士が何かを知るたび、一人の騎士はまた、
何かを知っていくような気がしてならなかった。
『三話目』end
- 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 22:02:43.14 ID:iZWH6W/X0
- 支援
- 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 22:02:44.99 ID:h6c9y1Fi0
- とりあえず溜めてた分を投下しました。
支援挟んでくれてありがとうございました。
では、また溜め置しておきます。
オヤスミー
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 22:04:28.46 ID:PN4y0vdLP
- 乙
- 87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 22:05:24.26 ID:6cg987qa0
- おつおつ
- 88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 22:07:58.13 ID:ZbPBBD3Y0
- 乙〜
しかしペース早いな
- 89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 22:10:04.38 ID:iZWH6W/X0
- 乙
ペース速いのには同意
- 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 22:19:29.59 ID:h6c9y1Fi0
- こっからペース遅くなるよ!次はしばらくかかりそう。
あっ…ありがちだなんて言わせないんだからっ!
言わせない>ξ゚听)ξつ)`ω^)<ありがちだようぼぅぉぇ
今度こそオヤスミー!
- 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/13(火) 22:41:11.51 ID:iZWH6W/X0
- よくさる食らわないなと感心する