一話目
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 22:49:55.38 ID:vv+QEbuB0


二つの国がありました 空の国と海の国がありました

空の国は 空中庭園と呼ぶに相応しい国でした

海の国は 海底都市と呼ぶに相応しい国でした



―あるとき不思議な二つの剣 二つの国に落っこちて

―二つの剣が認めし二人 国を治める騎士となる


―あるとき不思議な二つの楽器 二つの国に落っこちて

―二つの楽器が認めし二人 騎士を支える女神となる



けれどもあるとき 二つの剣と二つの楽器ではない

もう一つの剣と もう一つの楽器が現れた

それを手に取った二人の男女 二つの国と争った

二つの国のその間には もう一つの国ができてしまった



2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 22:50:41.37 ID:vv+QEbuB0




空に浮かぶ国 海の底の国 どちらでもない国

どこかの国の どこかに伝わる 誰かのおはなし










[( ^ω^)空中庭園と海中都市のようです]








3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 22:51:35.25 ID:vv+QEbuB0







―♪♪♪♪♪♪♪♪♪―
ヴァイオリンの音は響いてく。キリリキリリと綺麗な音をたてて。


ξ--)ξ―♪♪♪♪♪♪♪♪♪―


美しい女神の美しい楽器。美しい国の美しい庭園。
その音を聴く騎士は言う。

( ^ω^)「綺麗な音色だお」

伝説の騎士は花の庭、伝説の女神と共にここにあり。
空中庭園は浮かび続け、その音色を聴き、癒される。

しばらく経って、綺麗な音色は消えてった。


ξ゚听)ξ「聴いてくれて、ありがとうございました」

( ^ω^)「とんでもないお!僕が聴きたいと言ったんだお」


4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 22:52:09.38 ID:vv+QEbuB0

伝説の騎士は、手に持つ剣を掲げてこう言う。


( ^ω^)「こいつも喜んでるみたいだお」

ξ゚听)ξ「フフ…嬉しいです」


その剣の名は《ジャックの剣》。伝説の騎士はそれを持つ。

ジャックの剣とヴァイオリン、一つの国に落っこちた。
騎士と女神は手をとって、二人合わせて国を守る。


ヴァイオリンの音を聴き入れて、ジャックの剣は喜んだ。









5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 22:52:56.10 ID:vv+QEbuB0






―♪♪♪♪♪♪♪♪♪―
アコーディオンの音は響いてく。手風琴の音は響いてく。


川 ゚ -゚)―♪♪♪♪♪♪♪♪♪―


深い深い海の中、綺麗な都市はそこにある。巨大な都市はそこにある。
蛇腹のものは伸び縮み、綺麗な音色を奏でてく。
美しい女神は、奏でてく。


('A`)「綺麗な音色だ」


伝説の騎士はそう言って、伝説の女神に剣を掲げる。


('A`)「ジルも嬉しそうにしてる」


海底都市の伝説の騎士。その騎士たるが掲げるものは、一つの剣。
剣の名は《ジルの剣》。楽器と一緒に落っこちた。
一つの国に落っこちた。

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 22:53:26.19 ID:vv+QEbuB0


川 ゚ -゚)「まだまだ修行不足だが、そう言ってもらえると嬉しいよ」

('A`)「それのどこが修行不足なんだよ」


完璧と言える演奏は、騎士と剣を魅了する。

騎士と女神は手をとって、二人で国を守ってく。








8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 22:54:13.15 ID:vv+QEbuB0





《ジャックの剣》と《ジルの剣》は、それぞれの国の騎士の手に。

《ヴァイオリン》と《アコーディオン》は、それぞれの国の女神の手に。

それでは一つの剣と、一つの楽器はどこにある?
どこでもない国、ここにある。


―♪♪♪♪♪♪♪♪♪―


(*゚ー゚)「♪♪♪♪♪♪♪♪♪」


一つの楽器はここにある。女神の《歌》が、楽器になる。
その女神が、楽器になる。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 22:55:15.86 ID:vv+QEbuB0


(,,゚Д゚)「浮かれるな」

(*゚ー゚)「はい…」


女神の歌に反応し、騎士の剣は騒ぎ出す。
騎士の剣はここにある。最後の剣はここにある。

剣の名は《リッパー》。《歌》と共に、現れた。
どこからともなく現れた。


(,,゚Д゚)「お前は楽器なんだ。真面目に歌え」

(*゚ー゚)「…すみません」


二人の男女は手を取らず、自分勝手な騎士がいた。
剣を持った、騎士がいた。

闇の国に、一人いた。








10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 22:55:46.64 ID:vv+QEbuB0






誰も予想はしなかった 皆ずっと仲良しだった

けれど一つの国だけが 自分の欲に 溺れてく

誰も予想はしなかった だけど争い始まった

一つの国は 二つの国に争いをしかけた


二つの国は 国を守るために 戦わなければならなくなった









11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 22:56:22.62 ID:vv+QEbuB0




優しい優しい二人の騎士は、争いなんて望まない。
優しい優しい二人の女神は、争いなんて望まない。


( ^ω^)「どうしても、戦わなければいけないのかお?」

ξ゚听)ξ「戦わなければ国が滅びます」

( ^ω^)「それでも僕は皆と仲良くしたいんだお」

ξ゚听)ξ「その気持ちは分かりますが、攻められれば人々が死んでしまいます」


優しい優しい二人の騎士は、争いなんて望まない。
優しい優しい二人の女神は、争いなんて望まない。


('A`)「どうしてあの国は、俺達の国を壊したがる?」

川 ゚ -゚)「独裁者にでもなりたいのだろうか」

('A`)「きっと、空の国は争いを望んでないだろう」

川 ゚ -゚)「もちろん我々も望んでいない」



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 22:56:53.66 ID:vv+QEbuB0


《リッパー》手に入れ、独裁者。
全てを飲み込み破壊しようと、一人の男は動き出す。

一人の女は、ついていく。





(,,゚Д゚)「ハハ…開戦の時が待ち遠しい」

(* ー )「……はい」






大切な国を守るため、二つの国は動き出す。





13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 22:57:50.03 ID:vv+QEbuB0



ジャック・ザ・リッパー ジル・ザ・リッパー
切り裂きジャックはどこかで泣いた 切り裂きジルはどこかで泣いた

リッパー 切り裂き魔は ここで笑う
争い好んで 笑い出す











[おはなし の はじまり はじまり]






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