八回目
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 13:28:20.93 ID:e61pdGGU0
^q^

まとめサイト様
ttp://localboon.web.fc2.com/

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 13:30:07.98 ID:e61pdGGU0
はっきり言って、状況は最悪である。

ζ(   ζ

皆と逸れた位置で意識を失うデレ。

イ从゚ ー゚ノi、 从´ヮ`从ト リi、#゚- ゚イ`!

デレを囲っている、三人の魔族―"混沌を待ち焦がれる者"共。
デレは、敵に攫われる一歩手前の状態だ。

イ从゚ ー゚ノi、「クックック・・・
      よし、連れて行くぞ。」

狐娘は、上機嫌な様子で狸娘達に指示を出した。

リi、#゚- ゚イ`!「ちぇー!
       "破壊王"が闘うんじゃ、アタシがアイツと闘えないじゃん!
       なんでアタシじゃないの!?」

・・・だが、どうやらこの狼娘だけは、この作戦に納得していない様だ。
狼娘は両手を後頭部の方へ回し、ぷくーと頬を膨らませながら不機嫌そうに小石を蹴り飛ばしている。

从´ヮ`从ト「まぁまぁ、そう怒らずにさ。いい加減機嫌直しなよー、狼。
       何回も言ってるでしょ?王女には私達三人がかりじゃないと駄目だって。
       それに、狐姉も言ってるじゃないか。多分ちゃんと闘う機会があるって。」

リi、#゚- ゚イ`!「・・・だといいんだけどねぇ・・・けどアイツの相手はあの破壊王だし・・
       ちぇっ・・闘いたかったなぁ・・・」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 13:33:04.60 ID:J6CiFp350
イ从ー _ーノi、「我は、生けし者が作りし聖域を侵す者也。
      魔よ。今こそこの腕に、その聖域を侵す権利を与えたまえ――"ロアックン"!」

ビィィィィイイイイ!!

甲高い金切り音と共に、狐娘の右腕が白く輝く。

从´ヮ`从ト「上級「抗魔法」"ロアックン"、ね・・・
       これで魔女が貼ってるであろう条件発動式魔法が解けるといいんだけど・・・」

リi、゚ー ゚イ`!「姉の時は、どこかの馬鹿がなんの対策もせずに姉に触れてしまって、
       姉にボコボコにされた挙句どっか飛んでっちゃったんだってね!
       今度はどうなるのかなぁ?」

从´ヮ`从ト「ホラ、あんたはその失敗した時の"案内係"なんだから、
      ちゃんと集中しなよ、狼。」

リi、゚ー ゚イ`!「はぁい。
       魔色・・・鋭化!」

狼娘は小さく、力強くそう呟くと。
狼娘の目の色が変わり、身体中から魔力が溢れ始めた。

リi、゚- ゚イ`!「・・よし。
       アタシは準備できたよ」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 13:36:00.14 ID:J6CiFp350
从´ヮ`从ト「我は今より起こる魔の奇跡に異議を申し立てる物也。
       魔よ、我に集う魔気を用いて、我の願う魔の奇跡を打ち消したまえ!!」

狸娘の周りに、大きな魔法陣が展開される。

从´ヮ`从ト「うん。私も準備できたよ、狐姉ェ・・・」

イ从゚ -゚ノi、「よし。いくぞ・・・」


狐娘は再度二人と目線をあわせ、双方共にこくんと頷くと。

ゆっくり、ゆっくりと。


デレに触れた。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 13:42:06.57 ID:J6CiFp350
 ((ζ(   ζ フワッ

その魔法の影響か。デレの身体がふわりと宙に浮いた。
だが已然としてデレに意識は無い。その様子はまるで、人形劇で使うマリオネット。
力が抜けた状態のまま、ぶらりと空中で垂れ下がっていた。

ζ( o ζ「ケイコク、シマス。
      アナタハ ワタシガシッテルヒトジャ アリマセン
      ハナレテクダサイ サイドフレルト、アナタヲコロシマス」

人工的な口調で。
デレは淡々と、狐娘達に宣告した。

リi、゚- ゚イ`!「・・大丈夫だよ狐姉ェ。魔力の動きは・・・止まったよ。
       見た事ない詠唱だったけど・・・新たな詠唱も無いし、どうやら本当に警告だけみたい。」

从;´ヮ`从ト「・・何これ?
       喋る魔法なんて、見た事も聞いた事もないよ?」

イ从#゚ -゚ノi、「ちっ・・魔女め・・・
       またもや我ら魔族が知らん、変な魔法を"作り"よって・・・」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 13:54:15.58 ID:J6CiFp350
从´ヮ`从ト「で、王女はどうするの?狐姉ェ
       頑張れば、この魔法だけだったらなんとか解除できるけど・・・」

イ从゚ -゚ノi、「・・・魔法陣だ。
      "ジャプーンブム"で、とりあえずこの状態のまま王女をアジトへ連れていく。」

从´ヮ`从ト「・・なるほど。
       了解。」

狸娘はそう呟くと、手から魔力を排出した。
しばらくすると、その魔力は一箇所へと集まっていき、杖の様な物へと変化していった。

从ーヮー从ト「ふんふーん♪」

狸娘は、その棒をガリガリと地面に摩りながら、デレの周りを歩き廻り始めた。
地面と擦れた部分が、闇色に淡く光る。

(# A゚)「ケッ・・何やら知らんがやらすかよ!」

シュッ――

狸娘を警戒してか、高速で無防備な狸娘に飛び掛るドクオ。
しかし・・

キィン!

イ从゚ -゚ノi、「遅い。」

その攻撃は狐娘によって阻まれる。
ドクオは無理せず狐娘と距離を取り、数m程後ろへ下った。

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 13:56:59.93 ID:J6CiFp350
(# A゚)「くっ・・・!」

こいつ・・・やべぇぞ
力も速度も向こうが圧倒してる・・・勝てるのか?俺が・・・

イ从゚ -゚ノi、「・・狸よ。
      どれ位かかりそうだ?」

実力の差か、それとも意識の差か、またはその両方か・・・
狐娘を警戒し全力で構えるドクオに対して、狐娘はドクオをまるで気にしていない。
いとも簡単にドクオに背中を見せ、悠長に狸娘と話をしはじめたのだ。

(# A゚)(罠か?
    それとも本気で、俺など警戒にも値しないっていうのか・・・?)

おそらく唯一にして絶対的なチャンス。
しかし、それでもドクオは動けない。

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 14:00:09.09 ID:J6CiFp350
从ーヮー从ト「んー 相手がどんな抗魔法を施してるかわかんないからなー
      なんせ、この魔法を施したのはあの魔女だし。
      "状況の遷移"クラスで移動するつもりだから、15分は掛かると思うよ。」

リi、;゚- ゚イ`!「・・状況の遷移・・か。アジトが土まみれになって、
       またカオス様から小言を言われちゃいそうだね。狐姉ェ」

イ从゚ -゚ノi、「ま、それはいいとして・・・」

チラ・・

ζ( − ζ「・・・」

イ从゚ -゚ノi、「・・急いでくれよ。
      狼娘だって、そう長くは持たんだろうからな」

リi、;^ー ^イ`!「15分位なら、全然大丈夫だよ!
       安心して書いてね、狸姉ェ!」

从ーヮー从ト「・・ありがと、狼。」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 14:02:59.65 ID:J6CiFp350
イ从゚ -゚ノi、「さて、人間。」

狐娘は、狸娘達との会話を終えると、面倒くさそうにドクオの方へ意識を向けた。

(# A゚)「・・・」
   (やべぇな・・隙がまったく無ぇ・・)

イ从゚ -゚ノi、「私は今、もしもの時に備えねばならず忙しいのだ。
      何しろ相手はあの魔女。どんな事が起きるかわからぬからな。
      狼娘に御願いされた以上、殺さぬ様手加減するのも神経を余分に使う。
      どうだ?今なら見逃してやる。手を引く気は無いか?」

狐娘の口から出たのは、予想外の提案だった。
だが―

(# A゚)「ねぇよ」

・・ドクオの返答は早く、簡潔だった。

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 14:06:01.86 ID:J6CiFp350
イ从゚ -゚ノi、「・・何故だ?」

(# A゚)「お前に言う必要は無い」

イ从ー 。ーノi、三3「はぁ・・・やはり人間は、理解に苦しむな。王女とお前は何の接点も無いだろうに・・・
      どうしてそこまで己を犠牲にしようとするのだ?私とお前の力の差も、わからぬ訳では無いだろう?」

( ー゚)「へっ・・・」

約束しちまったからな・・・

【(   ゚)「・・・どっくん。
       デレちゃんとばつちゃんを頼むお・・・」】

あの馬鹿と。
そして何より―

|    )

もう、失うのは嫌だから。


( A゚)「いくぞオラァ!」

イ从゚ -゚ノi、「愚かな・・・」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 14:09:02.56 ID:J6CiFp350
( A゚)(意外と時間を喰っちまったせいで、トポーサの効果が切れちまった・・・
    だが、関係ねぇ。魔力はまだまだ余ってる。あと10回はトポーサを使えるはずだ・・!)

俺の新しい武器、魔法"トポーサ"・・・
最大限活用してやる!

( A゚)「魔よ―」

ドクオが体内の魔力集めに気をやった―

イ从゚ -゚ノi、「遅い」

( A゚)「ッ!」

―まさに息も吐く間もない程の、刹那。
そのほんの一瞬の間に、狐娘はいとも容易くドクオの死線を越えた。

( A゚)(やっヤバイ!
    避け――――――――

ドグゥッ!

( A )「  !」

鉄球でも当たったのかと錯覚してしまいそうな、強い衝撃。
狐娘の拳は、防御せんと咄嗟に動いたドクオの盾をひらりと避わし、
鎧を紙切れの如く容易く破りながら、ドクオを数m吹き飛ばした。

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 14:12:05.86 ID:J6CiFp350
ズサアアアァァ・・・

( A゚)「りッ・・ぃいばッッ!」

トシャトシャ。
   トシャトシャ。

・・ドクオの口から異物が流れ出す。

イ从゚ ー゚ノi、「ふむ。先ほど程度の攻撃で貫かないという事は、どうやらお前がただの人間では無い事は確かな様だな。
      だが、戦闘経験はあまり無いな?お前。魔法を使おうとしたみたいだが、覚えておくがいい。
      魔法という物は、詠唱中邪魔されない状況を作らない限り、まったく無意味な物だという事をな。」

ククク・・・
アハハハハハハハハハハハ!

そう言って、狐娘は高らかに嘲笑った。

( A゚)「・・・」

・・元々絶望的な実力の差があるのだ。
狐娘にとって今の状況は、うざったい蚊に対して人が手を振り回して追い払うのとなんら変わらないのだ。
気に入らなかったら殺せばよし。絶望して逃げればなおよし。ドクオは狐娘の掌の上で、ただ足掻いているに過ぎない。

( A゚)「はぁ・・・はぁ・・ッ」

しかし、それを理解した上でもなおドクオは絶望しない。逃げようとしない。
ドクオを見下し嘲笑う狐娘を、ドクオは真剣な様子で見つめていた。

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 14:15:24.65 ID:J6CiFp350
( A゚)「・・魔より授かり―

イ从゚ -゚ノi、「・・!」
     (こいつ・・・!?)

ダッ―
ドクオの詠唱を阻止せんと、狐娘は再度ドクオに襲い掛かる。

( A゚)「・・・!」

シュッ――

だが、ドクオも襲われる事は百も承知だ。
その襲撃に合わせるように、ドクオの剣が狐娘を襲う。

イ从゚д゚ノi、「はっ!遅い!」

が、問題は狐娘が言った様に、絶望的な程の速度差にある。
相手の動きに合わせた攻撃すらまともに当たらないのなら。それは正面での戦闘では勝機が無いのと同義であろう。
狐娘はその攻撃を、まるで埃を掃うかの様に手の甲で弾き飛ばそうとするが―

ギッィン!
イ从゚ -゚ノi、「!?」

ドクオの剣筋は止まらない。
どうやらドクオの力は、少なくともただ弾き返そうとしただけの狐娘の膂力よりは強いみたいで。
弾き返すどころか、逆に狐娘の体の軌道が、剣に追いやられて変化しはじめたのだ。

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 14:18:02.98 ID:J6CiFp350
イ从;゚ o゚ノi、「お、ぉお!?」

狐娘は動揺した。

(# A゚)「しぃぃいいいいいい!」

斬れない・・!
ドクオはそう判断すると、狐娘を斬る剣振りから一転して、狐娘を吹き飛ばす剣振りへとシフトした。
狐娘も、その予想外の力に一瞬動揺した為、剣から逃れる機を逸してしまっている。
ついに狐娘の身体が、剣の力に負けて宙に浮いた。

イ从;゚ -゚ノi、「ちぃい!」

だが、当然狐娘もただでは終わらない。
吹き飛び際に、体を捻ってドクオの顔面に拳を叩きつける。

ドゴォ!!
(#ノA゚)「ィィイイ゙ッ・・!!」

イ从;゚ -゚ノi、「うぉおッ!」

双方共に、衝撃を受けて吹き飛んでいく。

(#ノA゚)「力よぉお゙!我が右脚に宿れぇ!"トポーサ"!!」

が、狐娘に殴られ、吹き飛ばされてもなお、ドクオの詠唱は止まらなかった。
狐娘が体勢を整える頃には魔法の発動を終えて。

ドクオの右足に、無色の魔力が纏った。


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 14:21:20.05 ID:J6CiFp350
(#ノ∀゚)「ペッ!・・・
     ッどうだぁ!何が詠唱中邪魔されない状況を作らない限り、まったく無意味な物だってぇ!?」

イ从#゚ -゚ノi、「・・・・・・ふん。その根性と、馬鹿力だけは認めてやろう。
      だが、せっかく苦労して行使した魔法も、ただの下級補助魔法"トポーサ"。
      右脚の力を増幅した所で、お前に一体何ができるというのだ?」

(#ノー゚)「お前と対等に渡り合うくらいはできるさ・・・!」

イ从#゚ ー゚ノi、「ほう、面白い・・
       やって見せろッ!」

狐娘が、ドクオへ襲い掛かろうとした瞬間―

イ从゚ -゚ノi、「!」

ッシャアアアアアアアアア!!!

ドクオの足元の地面が大きく凹み、土が勢いよく飛び出した。
土は瞬く間にドクオを狐娘の視界から消し去り、また凹んだ地面は近くの木々を引き摺り倒す。

イ从゚ -゚ノi、「・・・」

それを見て狐娘は何を思ったのか、襲い掛かろうとした足を止めた。
暫く経つと土埃が勢いを失い、視界が晴れはじめるが、当然そこにはドクオの姿は見当たらない。
メシメシと音を立てながら目の前の木々が一斉に狐娘の方へ倒れ始めていた。

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 14:30:10.58 ID:J6CiFp350
・・・が、

イ从゚ ー゚ノi、「ハッ!やはり遅いな!!」

それも虚しく。
ドクオの剣は空を切り裂くだけで、狐娘の体に触れる事はできない。

(;#ノд゚)「・・・っ」

ドクオは声を失った。

・・・ヤバイ。なんてもんじゃない。
背後を取られ、ほぼ0距離。振り向き様の一撃も避わされる。
左腕は正反対の位置にあるので、盾も間に合いそうじゃない。
それに加えて空振りで伸びきった腕のせいで、無様にも鉄の部位が無い脇腹を露出しているので鎧はまるで効果は無く、
逆に脇を通していつでも奴は心臓を貫ける位置にいる。

イ从゚ ー゚ノi、「終わりだ、人間。」

狐娘がニヤリと笑った。

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 14:41:10.11 ID:J6CiFp350




・・・それは、嫌だ。

【(;゚ω゚)】

初めてだったんだ。あいつのあんなに動揺した姿は。

【(   ゚)】

初めて頼られたんだ。何でも1人で背負い込む、あの果てしない馬鹿野郎から。

ζ(   ζ

絶対に嫌なんだ。守れないまま死ぬなんて。
このまま何もせず、何も報いる事なく死ぬ事だけは。

絶対に嫌だ…!このまま死ぬのだけは!!
何も応えずに死ぬのだけは!!死んでも嫌なんだ!!!

このままじゃ終われないんだ!このままじゃ死ねないんだ!
アイツとの約束だけは!絶対に!!死んででも守ってやるぞ―――――――!!!

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 14:44:01.48 ID:J6CiFp350
(#ノД )「ウオオオオオオオオオ!!!」

ドクオは雄叫びを挙げながら、思いきり剣を地面へ叩きつけた。

チュシャアアアアアアアアアアン!

地面が凹んで土埃が立ち上がり、一瞬でドクオの姿が見えなくなる。

イ从゚ ー゚ノi、「ハッ!せっかくの最後の抵抗も!
      そんな子供騙しでは無駄な足掻きだぞ!!」

狐娘は、そう叫ぶや直ぐに魔力を目に集中させた。
そう、その目で見ると、砂埃のど真ん中。地面付近に"魔力の塊"があるのがありありとわかるのだ。
ドクオの右脚に纏っている魔法"トポーサ"の、その魔力の塊が。

イ从゚ ー゚ノi、(位置で言えば、あの魔力の塊より少し上の部分・・いや、倒れこんだだけだろうから地面スレスレの位置か。
      砂塵に隠れての奇襲を狙っているのか・・?無駄な事を・・・
      どちらにせよ、奴程度の防御力、魔力を使わなくてもこの手のみで、上から下へ切り裂けば殺れる!!)

ダッ

狐娘は砂埃が立ち上がっている中、魔力の塊がある場所へ勢いよく飛び込んだ。

イ从゚ヮ゚ノi、「最後の抵抗!私を楽しませてみろぉ!
      アハハハハハハ!」

シュ―

その狐娘の自信満々の一撃は。

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 14:48:25.13 ID:J6CiFp350
ブンッ

・・虚しく、空を斬り裂いた。

イ从;゚ -゚ノi、「なっ、何!?」

魔力の塊がそこにある筈なのに、いない。
ドクオの姿はまるで無く、垂れ落ちているはずの血痕すら、そこにはまともに残っていない。

イ从;゚ -゚ノi、「ばっ馬鹿な!
       たしかに今、そこに奴の魔力が!!」

狐娘は動揺し、あわてて周囲を確認した。
ドクオの姿は見当たらないが、ドクオの遺留品がぽつんと落ちているのを見つけた。

Σイ从;゚ o゚ノi、「はっ!」

これは・・・奴の靴!
奴め、魔力を靴に"纏わせた"のか!!

イ从#゚ 皿゚ノi、「ええい、小癪な!
       奴はどこだ!!」

狐娘は目で魔力を追うのをやめて、周囲の魔力を探索した。
しかし時既に遅く、ドクオの魔力の塊をそこら中であやふやに感じる。

イ从#゚ -゚ノi、「チッ・・油断していた!
       この土壇場で、私が魔力を元に奴を追跡している事に気付くとは・・・
       悪運の強い奴め!!」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 14:51:04.41 ID:e61pdGGU0
なんていう事だ・・・!
奴に潜伏を許してしまうとは!人間を探しだすのは非常に面倒だというのに!!

イ从#゚ A゚ノi、「くそっ!!人間!!どこにいる!!
       王女の所へはいかさんぞ!!」

狐娘は激昂した。

狐娘は辺り一面に叫び散らすが、当然の如く魔力の塊は動かない。
もしかしたら、トポーサの効果も既に切れていて、ここでは無いまったく別の所へ移動しているのかも知れない。

イ从;゚皿゚ノi、「糞!
       人間如きが!!」

狐娘は腹立ち紛れに、近くの木を粉々に粉砕した。

・・・へへ。奴め・・・怒ってやがる。

(#ノ∀ )「ハァ・・・ハァ・・・俺を・・・甘く見た報いだ・・・!
     ざまぁ・・・みろってんだ・・・!俺の作戦は・・ここからが・・・本領だぜ!?」

ポウ・・・

ドクオは、"クェリ"を使って魔力の塊を体外へ放出する。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 15:03:10.62 ID:J6CiFp350
イ从;゚ -゚ノi、(馬鹿な!!確かに、魔力の塊はピクリとも動かなかったはず!!)

何故死骸が無いのだ!?
私の攻撃が当たるまで!!逃げずにはっきりと、魔力が・・・
・・・!

Σイ从;゚ o゚ノi、「し、しまった!!」

狐娘は無我夢中で、衝撃波の跡地へと足を運んだ。
・・・そこには魔力の塊の正体が、6個程に分解された状態で散らばっている。

イ从;゚ -゚ノi、「・・・今度は石か!
       やられた!!」

小石が木に当たって、跳ね飛んでた挙動を「本体が逃げる動き」と勘違いしたのか!!

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 15:05:59.47 ID:J6CiFp350
イ从;゚ -゚ノi、(じゃあ、本体は"動かなかった方"の魔力!!)

狐娘は急いでもう片方の魔力があった方へ振り向く。
が。

イ从;゚ -゚ノi、「なっ!いない・・・!!??」

しまった!
奴の目的は、私じゃなくて王女の方か!!

イ从;゚ -゚ノi、「急いで戻らないと!」

狐娘は急いで王女の方へ振り向くと

(#ノA ) Σイ从;゚ -゚ノi、「!!」

その直後。
背後から強烈な殺意を感じとった。

イ从;゚д゚ノi、「おおおおおおお!!」

狐娘は必死に回避しようとする。
・・が、気付くのがあまりにも遅すぎたのだ。

ズシャア!

イ从;>Д<ノi、「キャアアア゙ア゙!!」

ドクオの一振りは動揺して隙だらけだった、狐娘の背中に直撃した。
傷口から血を噴出しながら、狐娘は大きく大きく吹き飛んでいく。

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 15:10:28.66 ID:e61pdGGU0
(;#ノA゚)(あ、浅い・・!
    トポーサ付きの、渾身の一撃でこれ・・・なのか・・・!!)

しかし、結果はドクオの言った通り"ダメージを与えただけ"なのだ。
ここまで罠を張り、全力で殴ったにも関わらず、与えたダメージは即死どころか少し痛手を負わせただけ。

ドクオはその結果に軽く絶望したが、すぐに気を取り直した。

(#ノA゚)(チッ・・化け物め!
    早く隠れなければ・・・!)

渾身の一撃が通用しない事態なんて、過去にいくらでも経験があるのだ。
ドクオはめげずに、再度潜伏しようと足に力を入れる。
しかし・・・

グラァ

(#ノ-゚)「!!」

身体が着いてこない。
カクりと膝が折れ、ドクオの体勢が大きく崩れる。

・・・ドクオの身体は、今までの傷で大きく消耗しているのだ。
当然、最早まともに体が動くはずもない。
むしろこの混濁とした意識の中で、狐娘に一矢報いた事自体既に奇跡に近いのだ。

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 15:12:04.50 ID:e61pdGGU0
(#ノA゚)(・・チッ!目が霞んできやがった・・・!
    糞!早く隠れなきゃなんねぇのに・・・)

(#ノ ゚)「・・!」

イ从# A ノi、「・・・これだから、人間は嫌いなんだ。奥の手とやらを、幾つも幾つも隠し持つ。
      魔色も解からんから、どこまでが限界か読みにくい。だが・・・もう、私は驕らないぞ。
      今度こそ、一切の油断無く。確実に殺してやる。」

・・・ただ。
その報いた一矢すら、ドクオにとっては逆効果だったのかもしれない。

(#ノA゚)「くっ・・・!」

ドクオは必死に逃げようとするが、身体が思う様に動かない。
ズルズルと、惨めに摩りながら距離を開けようとする。

イ从# A ノi、「・・・」

狐娘はドクオの動きが絶望的に鈍い事を確認するや、
魔力を手に集め、姿勢を低くしながら慎重に間を詰め始めた。

イ从# A ノi、

最早その動きに、驕りは無い。

(#ノA゚)(くそぅ・・・ここで終わりか・・・?)

そう思った瞬間だった。

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 15:15:02.17 ID:e61pdGGU0
ζ( o ζ「マホウジン ヲ カクニンシマシタ
      イマスグマホウジン ヲ サクジョシナサイ
      サモイト アナタヲ コロシマス マホウジンヲ イマスグ サクジョシナサイ」

まるでドクオを守るかの様に、デレが活動を再開したのだ。
デレを取り囲う魔方陣が、くるくると慌しく動きを強めていく。

从;ー_ー从ト「・・!」

リi、;゚- ゚イ`!「狐姉ェ!王女の魔力が動き始めたよ!!
       ・・攻撃系の詠唱!!」

デレがいる方角から、狼娘の叫び声が聞こえてきた。

イ从;゚ -゚ノi、「なっなんだと!?」

狐娘は激しく動揺し、慌てて後ろを振り向いた。

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 15:18:00.85 ID:e61pdGGU0
(#ノA゚)(!
    隙!?)

まさに、千載一遇のチャンス・・!ここしかない!ここで決めなければ死ぬんだ!!
右脚のトポーサは消えたが、右腕のはまだついてる!!倒すなら今しかない!!!

(#ノA゚)(動けェ!
    俺の身体ァァァアアアアアアアア!!)

ドクオの渾身の思いが届いたのか。
先程までの鈍さが嘘みたいに、俊敏に体が動く。

(#ノ∀゚)(いける!!いけるぞ!!!
    うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!)

ドクオは全力で、狐娘に斬りかかった。

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 15:19:40.68 ID:e61pdGGU0
トスッ・・・

その一撃で。
体が、貫かれた。





イ从 ノi、「・・・」

(#ノ )「・・・・・・
    ・・・ゴフッ!?」

ポタポタ・・・

ドクオの口から、血が溢れ出てくる。

(#ノA )「・・・ぁ・・・れ?」

な・・・何が、起こってるんだ?
後ろから・・・斬りかかったはずなのにぃ・・・俺の腹に・・・手が・・・?


ドサッ

(#ノA )「・・・・・・・・・・・・・・・・」

イ从゚ ー゚ノi、「ふん、やはり罠だったか。動揺して、隙を見せたとでも思ったか?
      わざとだよ、人間。その愚かな判断を、後悔しながら死ぬんだな」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 15:21:50.25 ID:J6CiFp350
リi、;゚- ゚イ`!「狐姉ェ!こいつ強いよ!
       早く狐姉ェも闘ってよ!!」

イ从゚ -゚ノi、「すまん狼!今やっと片付けた所だ!
      すぐいく!!」

タッタッタッタ・・・

最早視界は真っ黒で。唯一認識る事といえば、ヤツが去っていく、その足音。
だがその足音すらも、やけに遅く、また幻想的に響き渡る。

体に力が入らない。
どんどん。どんどん。解からなくなっていく。体の感覚が。何もかもが。

(#ノ  )

まだだ・・・まだ終わっちゃいねぇ・・んだ・・・
・・・・・デレちゃんを・・・・・助けるまでは・・・・・・・・・・・
たとえ・・・・・・・・・・・・・・・

(#ノA )「・・・ょ・・・・・ヵ・・・・・・・・」

例えもう、闘えないとしても―――――――――――――――

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 15:25:47.91 ID:J6CiFp350
―――――暫く空白が続いている。
ってね^q^
誤字と、顔文字ミスが多々あります。本当にすいませんでした。半角スペース省略忘れテラワロエナイ
夜また出直します。質問等あればここに書いておけば答えますので。。。
では、読んでくれた人本当にありがとうございました!^q^

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