四回目
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:05:47.11 ID:IxWpiSio0
やぁ^q^
この前のスレで質問があったからここで答えるお!
誰得にならない事を祈るお!^q^
Q.ドクオがジョルジュとかと話せるのは何でなんだぜ?ドクオは魔族語わからんのだろ?
A.魔王軍の主力だったつーは人間語を話す事ができます。子のジョルも同じです。
 また、別に魔王軍に限らず上の方の階級の魔族は人間語を話せる者が多いです。
 つまりブーンが空気読んで人間語使ってつーと話したので、皆人間語を使ってたという訳だね!

一回目
ttp://mimizun.com/log/2ch/news4vip/yutori7.2ch.net/news4vip/kako/1277/12771/1277131769.html
二回目
ttp://mimizun.com/log/2ch/news4vip/yutori7.2ch.net/news4vip/kako/1277/12772/1277216613.html
三回目
ttp://mimizun.com/log/2ch/news4vip/yutori7.2ch.net/news4vip/kako/1277/12773/1277308797.html
いつものごとく、暇だったら見てくれお!^q^

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:08:14.50 ID:IxWpiSio0
・・・カッ  カッ    カッ  カッ

靴底が、地面と当たる音がする。
その男は"カオス"と呼ばれていた。

"混沌を待ち焦がれる者"という組織を作り、
何やらよからぬ事を企んでいる・・・

(#######)「・・・こちらです、カオス様。皆お待ちです。」

?????「・・・うむ。」

・・・しかも、複数の組織で。

キィィ・・・

付き人が扉を開ける。

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:11:08.38 ID:IxWpiSio0
( ,,^Д^) 「・・・主役のカオス様が、やっとのこさご登場か。
       俺らを1時間も待たせやがって。ったく、開催主様々だな、カオス様よ。」

男は、部屋に入ったばかりのカオスを見て、
その笑顔を崩さないまま、そう毒を吐いた。

(=゚д゚)「・・・」

( ・−・ )「・・・小言を言うのはやめなさい、タカラよ・・・ 
       せっかくの、結託が崩れる・・・」

( ,,^Д^) 「けっ・・そうかよ・・」

だが、タカラと呼ばれた男は、その者の言葉などまるで意に介さない様子で、
気だるそうにそう答えた。

?????「・・・ふむ。申し訳なかったな。
      では始めるか、皆のもの。」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:13:16.46 ID:IxWpiSio0
( ,,^Д^) 「・・・まず最初に、見てわかると思うが・・・
       現状はそう優しくねーぞ、カオスよ。」

・・・カオスは周りを見回した。
・・・・・・何席か、空席がある様だ。

?????「・・・シーンよ、シナーといしはどうした?」

( ・−・ )「・・・シナーは、
       "魔王を折角封じ込めたのに、何もしないアホの話し合いにいちいち顔出してる暇は無いアル"
       ・・・いしの方は"つまんない"と言っていたが。」

?????「・・・」

( ,,^Д^) 「・・・いしはいつもの事として、
       シナーの野郎は、話をちゃんと聞いてるのかよ
       あいつ絶対魔王を"完全に封印できた"と思い込んでるぜ」

?????「・・・いしはこちら側にいるだけでよい。
      シナーは・・・人間界の事情が整うまでの間だな」

( ・−・ )「・・・そう簡単に魔物を捨てると・・・
       ・・・いつかしっぺ返しを喰らいますよ、カオス・・」

シーンは、その寡黙な表情を保ったまま、カオスに冷たく諫言した。

?????「・・・一考しておこう。
      新たな賛同者は?」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:15:23.46 ID:IxWpiSio0
( ・−・ )「・・・前回から状況は変わらず、シ・ジャンル"貴魔族"が中々折れない。
       ・・・・・・正直、予想外だ・・・」

( ,,^Д^) 「けっ!!"サス"貴魔族もそうだけどよ!あいつらあれだけ魔王の文句言ってたのに、
       いざ魔王がいなくなると"魔王の指示が無いと(キリッ"だもんな。はっ!とんだお笑い草だぜ。」

( ・−・ )「・・・あいつらを侮ってはいけないぞ・・・タカラよ。
       この前魔王軍は、シ・ジャンル上流上級魔族を正式に貴魔族と認めたのだぞ。」

・・・その言葉を聞いた途端に、タカラの表情がみるみる内に一変する。

( ,,^Д^) 「・・・おいカオス!!あの魔王城の老害共、なんでさっさと潰さねーんだ!?」

?????「・・・"あれ"は魔王軍の中核的存在なのだ・・・
      あれが居なくなると、魔界が"予定よりも早く"崩壊してしまう。」

( ,,^Д^) 「・・ケッ!!マジありえねぇ・・・
       あの節穴共め・・・」

(=゚д゚)「・・・魔界はもう、まとめてもいい気もするがな」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:17:03.63 ID:IxWpiSio0
?????「・・・人間を侮ってはならぬぞ、トラギコよ。
      魔王が変わる事を人間が知ったなら、人間共が結託する可能性がある。
      ・・・・・・絶対に、それだけはあっては有らぬのだ」

( ,,^Д^) 「また結託した人間共が、勇者を集い魔王軍を滅ぼしたとかいう、あの話をする気か?カオス。
       ふがいない先人共が、あんなゴミ屑共すらまとも潰せなかったってだけだろ
       大げさな・・・」

( ・−・ )「・・・なら貴方の"笑う壊魔族"が人間を滅ぼしてみますか?タカラ・・・
       どこまで人間を殺れるか・・・興味はありますよ、私・・・」

挑発するように、所々強調しながらシーンは言った。

( ,,^Д^) 「・・・けっ!そうかい、そうかよ、シーンさんよ・・・」

・・・だがタカラは、まるで逃げる様にそう言ったきり、そっぽを向いた。

( ・−・ )「・・・フッ・・・」

?????「・・・とにかく、魔王の件とシナーが人間界の事情を整えるまでは、
      現状維持は変わらずだな・・・」

(=゚д゚)「・・・俺は目的が成就すればそれでいい。
     我々"トラギコ貴魔族軍"は、カオスの指示に従おう」


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:19:08.19 ID:IxWpiSio0
( ,,^Д^) 「・・・上手い事、成就すればいいけどな、カオスよ。」

( ・−・ )「・・・誰にも成し遂げられなかった、世界制服の夢・・・
       我々が、魔界、人間界と全てを制する、本当の混沌・・・後少しです・・・

(=゚д゚)「・・・世界をわれらの手に。
     そして・・・我等の楽園を。」

?????「・・・あぁ、そうだな・・・」

「「全ては、混沌の為に・・・」」

皆、一斉にその言葉を発すると、各々持ち場へ飛んだのか、瞬時に皆消え去った。
・・・ただ1人、カオスを除いて。


?????「・・・ふん。貴様らの"混沌"と、この俺の"カオス"を一緒にするで無いわ・・・
      ゴミめらが・・・」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:21:02.06 ID:IxWpiSio0
・・・バーイック山岳地。
下級魔族の巣窟。ここではいろんな種族の魔族が混在する。
一角魔族、一つ目魔族、多頭魔族、魔獣族、触手魔族、淫魔族・・・
種族が多いという事は、当然襲い方もその数に応じて変わってくるという事でもある。
ここは、そういう意味で冒険者にとっては危険な場所なのだ。

ブーン、ドクオ、デレの三人は、
あれからすぐに出発し、サンスウェンを抜けて、このバーイック山岳地へと足を踏み入れていた。

('A`)「・・・不気味な森だ。」

ドクオが周りを気にしながらそう吐き捨てる。

ζ(゚ー゚*ζ「そうですね・・・
      魔色が、色んな所から出てますね・・・」

('A`)「そうなのか?デレちゃん」

ζ(゚ー゚*ζ「はい・・・
      なんか、狙われてる気がします。
      私達・・・」

('A`)「・・・」

( ^ω^)「・・・」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:23:12.78 ID:IxWpiSio0
('A`)「ブーン?
    どうなんだ?今は。」

ドクオは心配そうにブーンにそう尋ねた。

( ^ω^)「・・・あぁ。狙われてるお。」

対するブーンは、何一つ表情を変えずにそう答えた。

('A`)「!
    まじかよ」

( ^ω^)「・・・まぁ、デレちゃんに低級魔族の飴、
       飲んでもらったからね」

('A`)「低級魔族の飴?なんでだ?」

ζ(゚−゚*ζ「・・・」

( ^ω^)「・・・どっくんの為だお。」

('A`)「・・・俺の?」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:25:27.03 ID:IxWpiSio0
( ^ω^)「お。この際だからはっきり言うお。
       ・・・・・・今のどっくんのままじゃ、
       魔王城まで辿りつく事は・・かなり難しいお」

ブーンが、気まずそうな表情で。だが、はっきりとドクオに言った。

('A`)「・・・」

( ^ω^)「・・・最低でも、もし何かあったとき、デレちゃんを守れて、
       どうしようも無い時は、デレちゃんを逃がす事ができる・・・
       それ位のレベルまでは成長して貰わないと困るお」

('A`)「・・・」
   (今の俺じゃ、足止めすらできないって事か・・・)

ζ(゚−゚*ζ「・・・ドクオさん・・・」

( ^ω^)「・・・どっくん。
       今、僕達を狙ってる魔物が何体いるか・・・わかるかお?」

('A`)「・・・わからねぇ・・」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:27:14.09 ID:IxWpiSio0
( ^ω^)「・・・7体だお。
       そのうち4体は、既に襲う場所を決めてあるお。
       僕達が"そこ"を通るのを、息を潜めて待っているお」

('A`)「・・・!」

( ^ω^)「・・・いいかお、どっくん。
       僕が"そこ"の場所の直前で足を止めるお。
       ・・・多分フライングで襲う魔物が何体かいて、
       急に止まった事で大きく魔色を乱す魔物が何体かいるお。
       ・・・それを感じとってみるお、どっくん。」

ブーンは、皆より一歩早く前に出た。
テクテクと、早歩きで先へ先へと進んでいく。

('A`)「・・・ちょっと待て。
    俺、魔色を感じるなんて事できねーぞ?」

ピクッ
ブーンの歩みが止まる。

( ;^ω^)「・・・マジ?」

ブーンはヒラリと振り向き、顔を引き攣らせながらドクオに聞いた。

('A`)「あぁ。」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:29:37.18 ID:IxWpiSio0
( ;^ω^)「・・・そういえば・・・
       どっくんが魔法を使ってる所・・・
       見た事ないお。」

('A`)「魔法とかひとつも使えないからな・・・俺は。」

( ;^ω^)「・・・」
( # ゚ω゚)キッ!!

ブーンは、草むらの方を向き、一瞬だけ、草むらを強く睨むと、
近くの草むらが一斉にカサカサと左右に揺れ始めた。

・・・どうやら近くにいた魔物が逃げ出したようだ。

( ;´ω`)「・・・はぁ」

・・・ブーンは、思わず手を顔にあてた。

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:31:11.78 ID:IxWpiSio0
ζ(゚ー゚;ζ「ま、まぁ・・・
      後から使えるようになる人もいますし!
      大丈夫ですよ!ドクオさん。」

ドクオのフォローに回るデレ。

( ;^ω^)「・・・よし。気を取り直すお。初期の初期から始めるお。
       まず、魔力を感じる練習から始めるお・・・」

('A`)「魔力を・・・感じる・・・」

( ^ω^)「お。
       どっくんは、魔力自体をどういう風に捉えているお?
       どっくんも、流石に一度くらいは魔法を使う機会があったはずだお」

(;'A`)「う、うーん・・・
    凄い下品な例えだが・・・"おなら"みたいなもんだな。
    ひねり出せば、少しだけ出る。」

ζ(゚−゚ ζ「・・・最低。」

デレは、ドクオをまるで汚らわしい物でも見るかの様な目で見つめた。

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:33:13.45 ID:IxWpiSio0


(;'A`)「ご・・・ごめんなさいっ。」

ζ(゚−゚ ζ「・・・」

(;'A`)「・・・」

( ;^ω^)「ま、まぁまぁ・・・デレちゃん。
       ドクオも悪気があったわけじゃないお。」

ζ(゚−゚ ζ「・・・そうですね・・・
      ・・・」

(;'A`)「・・・」
   (赦してもらえてねーな・・・全然・・・)

( ;^ω^)「・・・は、話を戻すお。
       魔力っていうのは、とどのつまり溜め込む物だと考えてくれお。」

('A`)「・・・溜め込む?」

( ^ω^)「そうだお。
       自身の魔力・・・それはつまり、極端な話、もう一つの肺みたいな物だと思ってくれお。」

('A`)「もうひとつの、肺・・・?」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:35:07.48 ID:IxWpiSio0
空気中の大気には、魔力の元の"魔素"が含まれている。
魔法を使う者は、普段より大気中の魔素を吸い込み、自分の物とするのだ。
そして体内で魔素を、使用しやすい形の魔力に変換し、魔法を使用するのだ。

( ^ω^)「・・・という訳だお。まぁ魔力の質を高めたり"魔力"にも色々あるんだけど、まずは基礎からだお。
       どっくんは水に長時間潜る時、息を大きく吸い込むだお?
       それと同じ感覚だお。魔力が高い人ほど、その大きく吸い込む力が大きいんだお。
       どっくんは、まず第一にその力が徹底的に不足しているんだお。」

('A`)「なるほどな・・・」

( ^ω^)「・・・だから、どっくんはまず、自身の魔力を感じる事から始めるお。
       まず魔力を意識しない事には、魔力を大きく吸い込む事すらできないお」

('A`)「自身の魔力・・・」

(-A-)「・・・・・・」

ドクオは目を閉じ、自身の感覚を研ぎ澄まし始めた。

・・・―――w――――・・・トクン・・・
・・・――――wW―――――・・・トクン・・・
・・・――――w――――・・・トクン・・・

(-A-)「・・・身体の奥に・・・
    ほんのちょびっとだけ魔力を感じる・・」


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:39:07.45 ID:IxWpiSio0
( ^ω^)(お・・・認識はできるのかお。意外と、才能はあるのかもね・・・)
      「・・・そのまま、そのまま。
       手を、前に差し出すお」

ドクオは静かに両手を前に差し出した。

(-A-)「で・・・どうすりゃいい?」

( ^ω^)「・・・まずは、それを体内で自由に動かせれるようにするお
       動かすこつは、意識を魔力に集中、共有させて、魔力を動かしたい方向へ退かそうとするんだお
       まずはその魔力を、両手へ持っていく事から始めるお。」

(-A-)「どかす・・・」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:41:07.82 ID:IxWpiSio0
・・・―――w――――・・・トクン・・・
・・・―――――――wW――・・・トクン・・・
・・・――――――w―., ..―・・・トクン・・・
・・・―.,.――.――,,―,.―・・・トクン・・・

(-A-)「・・・散らばっちまった・・・」

( ^ω^)「まぁ、初めのうちはそう簡単にできたりしないお。
       けど、これができなきゃ話にならないお。
       魔力は、自然とまた一定の場所に集まるから、ひたすら練習あるのみだお」

(-A-)「わかった。」

( ^ω^)「意識しないでも自在に体内の魔力を移動できるようになれば、
       とりあえず、簡易魔法程度ならすぐに使えるようになるお。
       頑張るお、どっくん。」

(-A-)「あぁ、わかった。」


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:43:03.99 ID:IxWpiSio0
( ^ω^)「さて、と・・・
       次はデレちゃんだお。」

ζ(゚−゚*ζ「・・・はい。」

( ^ω^)「・・・戦闘技術と言ったけど、よく考えればデレちゃんはそんな物覚える必要はないお。
       お姫様だしね。・・・だけど、護身術は見につけておいたほうがいいお。」

ζ(゚−゚*ζ「・・・そうですね・・・」

( ^ω^)「デレちゃんは偵察魔法、あと罠型魔法を覚えてもらうお。
       ・・・移動魔法とかも覚えてほしいけど、僕が生憎覚えてないお・・・
       僕が取得している魔法だけでも、出来る限り覚えてもらうお」

ζ(゚−゚*ζ「・・・はいっ!」

・・・・・・こうしてブーン達は、
鍛錬を重ねながらも、バーイック山岳地を進んでいった・・・

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:45:02.02 ID:IxWpiSio0
・・・その夜。

パチパチ・・・バチパチ・・・

('A`)「・・焚き火の枝
    もうすぐ切れるな・・・」

( ^ω^)「・・・別に問題ないお。
       火が無くても、見張る事はできるお」

('A`)「・・・魔力で、か・・・」

ζ(-、-*ζ「すー・・・すー・・・」

('A`)「・・・なぁ、ブーン。」

( ^ω^)「・・なんだお?」

('A`)「・・・俺ってさ、正直な話今どれくらいのレベルなんだ?
    限界はどこなんだ?・・・俺はこの冒険に、果たしてついていけるのか?」

( ^ω^)「・・・限界とかはわからないけど・・・
       どっくんは今、中級魔族レベルの実力だお。
       少し強い魔族・・・といった感じだお。」

('A`)「・・・ブーン。お前はどうなんだ?デレちゃんは?」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:47:16.63 ID:IxWpiSio0
( ^ω^)「・・・僕は、多分上級魔族トップクラスくらいの実力だお。
       ちなみにつーさんは、恐らく貴魔族最高クラスの力はあると思うお。貴魔族自体、あった事ないからよくわからないけど。
       デレちゃんは・・、躊躇しなければ、普段の状態でも上級魔族クラスの魔力はあるお。
       だけど潜在能力となると・・・僕では測れないお。力の"底"が見えない位、うんと深いお・・・デレちゃん。」

('A`)「そうか・・・俺は、普通のデレちゃん以下なのか・・・
    ・・・俺は、どのレベルにまでなればいいんだ?ブーン」

( ^ω^)「・・・理想は、今の僕と同じレベルまで。」

('A`)「・・・ブーンと、同じか・・・
    なれるだろうか、この俺が・・・」

( ^ω^)「・・・大丈夫だお。きっとなれるお、どっくん」

('A`)「・・・そうだな。
    なって見せなきゃな、俺・・・」

グッ
ドクオの拳に力が入る。

( ^ω^)「・・・」

パチパチ・・・パチパチ・・・

夜は、さらに更けていった。

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:49:15.96 ID:IxWpiSio0
次の日。

・・・ボッ!
ギャアアアアアアアア・・・

近くの草むらから悲鳴が上がる。

ζ(゚ー゚*ζ「!ブーンさん!」

( ^ω^)「お。成功したみたいだお。
       条件発動式魔法(低級型)・・・"リトゥエン"が。」

ζ(^ー^*ζ「はい!」

( ^ω^)「魔法が行使されたら、またすぐに次の魔法を貼っておくお。
       罠魔法は、決して切らさない事が大事だお。
       相手に"まだある"と思わせる事によって、相手の行動を制限させるんだお。」

ζ(゚ー゚*ζ「わかりました!
      何重も、何重も重ねながら張ればいいんですね?」

( ^ω^)「そうだお。デレちゃん。
       どんどん貼っていくお」

ζ(゚ー゚*ζ「はい!」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:51:02.62 ID:IxWpiSio0
・・・また次の日。

(゚A゚)「おお!!なんだこれ!!??」

( ^ω^)「?どうしたお?どっくん。」

(゚A゚)「目に魔力を集めてみたら・・・なんか、視界のそこら中がピカピカ光り出したぞ!
    この光は一体なんだ!?」

( ^ω^)(・・・本当に魔法使いの才能、あるかもだお、どっくん。)
      「流石どっくん。もの凄い呑み込みの早さだお。それが魔力だお。
       目に魔力を集めるとそれが見えるけど・・・正直、あまり使わないお。
       魔力に慣れると、"感じる"事ができるようになるから、そっちの方が便利だお。」

(゚A゚)「これが・・・"魔力"か・・・」

( ^ω^)「・・・よし。
       次は魔力を"吸う"練習だお。」

(゚A゚)「お、本題だな」

( ^ω^)「お。説明すると・・・」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:53:05.88 ID:IxWpiSio0
・・・またまた次の日。

ζ(゚ー゚*ζ「いいですか?ドクオさん。
      魔族語は、極端な事を言ってしまえば単語の集合体です。だから、単語さえ覚えてしまえば話せます。
      文法というのが存在しないので、言われた側が単語を整理して話の内容を考えるんです。」

(;'A`)「それ、言語として成り立ってないんじゃ・・・」

ζ(゚ー゚*ζ「まぁ、あまり賢くない魔物もいますので・・・無理矢理共通させた結果、こうなったんです。
      一応、きちんとしたところでは文法もありますよ。」

( ^ω^)「気をつけなきゃいけないのが、一文字違いで大きく意味が変わる言葉が多い事だお。
       "バリャク"と"バシャク"が有名だお」

('A`)「バリャクとバシャク?」

( ^ω^)「バリャクは"頭がいいんですね"って意味の言葉だお。
       バシャクは"山のてっぺんで引きこもって、干乾びて部下に反発されて死ね"って意味の言葉だお」

(;'A`)「なんだそりゃ・・・無茶苦茶な言葉だな、バシャクってやつは。」

ζ(゚ー゚*ζ「まぁ、罵倒語の数は民族の民度によりますからね・・・
      仕方が無いです。」

(;'A`)「なるほどね・・・」

・・・ブーン達は、そんな感じでで順調にバーイック山岳地を突破した。

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:55:39.80 ID:IxWpiSio0
――"静かな街" トーシャワ・レイ
下級魔族の巣窟と言われる。ここでは中級魔族による再三の侵略で、
既に潰えた街として知られている。・・・だが実際、下級魔族が無くならないのと同じように、
この街に人がいなくなる事はない。何故なら、ここは下級魔族の楽園だからだ。

( ^ω^)「・・・ふむ。外来者を拒む者が多いようだお。」

ブーンは、街に入るなり、いきなりそう言った。

('A`)「・・・ダメだ、わかんねぇ・・・
    にんわりと魔力は感じてる・・・感じはするが、
    何が何やらさっぱりだ。」

ζ(゚ー゚*ζ「・・いずれ判る様になりますよ、ドクオさん。」

('∀`)「・・そうだな。
    ま、まだ修行は始まったばかりだし、頑張るか。」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:57:11.02 ID:IxWpiSio0
( ^ω^)「まぁ、僕らに向いている意識も害意・・・迄は行ってないようだし、
       ほっとくとするかお。それより、酒場でも探すかお。」

酒場。
貴重な情報収集源である。

('A`)「・・・そうだな。
    そういや、こっちにも酒はあるのか?」

ζ(゚ー゚*ζ「・・ありますよ。
      あまり飲む人はいませんけど・・・」

( ^ω^)「いるとしても、人に近い淫魔とかだお。
       どっくん。絡まれて襲われない様に注意するお」

('A`)「お、おお・・・わかったよ、ブーン。」

ζ(゚ー゚*ζ「・・・」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 22:59:05.20 ID:IxWpiSio0
・・・酒場 "淫魔の集い場"

i!iiリ*゚ ヮ゚ノル「きゃー!!可愛いー!!」

||*‘‐‘||レ「ねぇねぇ!精は全部吸い取らないからさ!
       お姉さん達と気持ちいい事しない?ねぇ〜」

キャー!!キャー!!

・・・入店から約10分。
ものの見事に、淫魔達が群がりかえっていた。

(;'A`)「い、いや!ちょ!とりあえず離れて!!離れてくれ!!おい!
    一旦でいいから!お願いだから!ちょ!変なとこ触んな!おい!!」

・・・ドクオの元に。

( ^ω^)「・・・だから気をつけろといったのに・・・
       油断するからこうなるんだお。
       しかも人間界の言葉使ってるし・・・けっこう面倒くさい状況だお」

ζ(゚ー゚#ζ「・・・本ッ当に・・・ドクオさんは・・・」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 23:03:13.18 ID:IxWpiSio0
・・・・・・5分後。

||*‘‐‘||レ「へぇー・・・人間界で育った魔物、ねぇ・・・」

ζ(゚ー゚;ζ「は・・・はぃ・・・」

||*‘‐‘||レ「凄いなぁ・・・だって魔王軍の監査抜けて、こっちに戻ってきたんでしょ?
       凄い魔物なんだなぁ・・・"クド"ちゃん・・・ジュルリ」

淫靡な目でドクオを見つめる淫魔。

(;'A`)「・・・」

( ;^ω^)(セ・・・セエエエエエフ・・・
       なんとかハッタリが通じたお・・・
       ・・・失言した場所が、低級魔族しかいない所で助かったお)

i!iiリ*゚ ヮ゚ノル「あれが人間語なんだねー!!
       初めて聞いたわ!さっきのは、何ていってたの?」

( ;^ω^)「ちょっと離れてって言ってたんだお」

i!iiリ*゚ ヮ゚ノル「ふーん・・・照れ屋さんなんだね♪
       クドちゃん。可愛い・・・」

ドクオに向かってウィンクをする淫魔。

(;'A`)(・・・何で俺、こんなに人気なんだ・・・?)

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 23:06:02.04 ID:IxWpiSio0
i!iiリ*゚ ヮ゚ノル「ねぇ、クドちゃんは、人間食べた事は無いの?」

( ^ω^)「人間食べた事ないの?って聞いてるけど?どっくん。」

(;'A`)「・・・」コクッ

i!iiリ*^ ヮ^ノル「キャー!!可愛いー!!
        ねぇ!!私を食べてみない?きっと美味しいわよ?私!」

ドクオに飛びつく淫魔。

(;'A`)「ちょ!」

ドクオは思わずふり払い、淫魔から距離をとった。

i!iiリ゚ ヮ゚ノル「あぁー・・・クドちゃん・・・」

( ;^ω^)「・・・あ、あの・・・
       ・・・クドも、嫌がってますんで・・・」

i!iiリ゚ ヮ゚ノル「えー・・・ちょっとショックね・・・
       けど、興味もったらいつでも来てね!私待ってるから!」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 23:07:27.85 ID:IxWpiSio0
ζ(゚ー゚#ζ「また来て、ですって?"クド"さん?」

(;'A`)「お、おぉ・・・
    ・・悪いけど、二度とここにはこねぇよ・・・」

ζ(^ー^#ζ「そうですよね?また来たら、今度こそバレますもんね?素性が。
      本ッ当に・・・危ない所でしたね?"クド"さん。」

(;'A`)「う、うん・・・本当にごめんなさい・・・」
   (やべぇ・・・俺、明日あたり殺されてるかも・・・デレちゃんに・・・)

・・・話は盛り上がる。

||‘‐‘||レ「へぇ・・・旅してんだね、あんた達。」

( ^ω^)「そうですお。魔王城を目指してますお」

i!iiリ;゚ ヮ゚ノル「まっ・・・魔王城・・・
       魔色は私と同じくらいなのに、よくやるねあんた達・・」

( ^ω^)「やっぱり成り上がらないと、ですお。」

||‘ー‘||レ「・・凄い気迫だな。やっぱり、そういう奴が上級魔族とかになるんだろうなぁ・・・
      あ!そうだ、あんたミス・リーテには行くかい?」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 23:09:06.41 ID:IxWpiSio0
( ^ω^)「ミス・リーテ?」

ζ(゚ー゚*ζ「あの、ブクガン地方のですか?
      通り道なんで近くに寄りはしますけど・・・」

||‘ー‘||レ「あぁ、そこだよ。悪いけど、そっち方面にいくのなら
      送って欲しいやつがいるんだよ。頼まれてくれるかい?」

( ^ω^)「・・・どんな人だお?」

ζ(゚ー゚*ζ「!
      ブーンさん!?」

( ^ω^)(大丈夫だお。低級魔族だし、きっとバレないお
       それにこれくらいの頼まれ事、断るのも可哀相だお)ヒソヒソ
ζ(゚ー゚*ζ(う、うーん・・・ブーンさんがそう言うなら・・・)ヒソヒソ

||‘ー‘||レ「・・・いいのかい?」

( ^ω^)「大丈夫だお。紹介してくれお。」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 23:13:40.26 ID:IxWpiSio0
||‘ー‘||レ「おーい!!バツゥ!!
      出てきなよ!!」

・・・淫魔の群れから、テクテクと気恥ずかしそうにブーン達の前へ出てきたのは

| l| ゚ー゚ノl「は、はいなのです・・・」

・・・まだ、年端もいかない子供だった。

||‘ー‘||レ「ほら、バツ。自己紹介しなよ。」

| l| ゚ー゚ノl「は、始めましてなのです・・
       私の名前は・(ばつ)なのです・・」

( ^ω^)「・・・よろしくだお。ばつちゃん。」

||‘ー‘||レ「この子さ、なんかそこいらで倒れてたんで拾ったんだけど、
      名前と故郷くらいしか覚えてなくてさ・・・困ってたんだよ。
      故郷・・・ミス・リーテまで、送ってやってくれよ。」

( ^ω^)「・・わかったお。」

ζ(゚ー゚;ζ(記憶喪失・・・ミス・リーテ・・・
      記憶喪失って事は・・・つまり・・・いや、まさか、ね・・・)

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 23:15:04.04 ID:IxWpiSio0
('A`)「・・?どうした?デレちゃん。」

ζ(^ー^;ζ「いや、なんでもないですよ?ドクオさん。」

デレは、その不安な顔をごまかすように笑った。

('A`)「・・・?」

| l| ゚ー゚ノl「すいません・・・ふつつか者ですが、
       どうかよろしくお願いしますなのです。」

( ^ω^)「・・あぁ、よろしく。ばつちゃん。
       僕はブーン。この子がデレちゃん。
       ・・・で、さっきの人間語しか話せれないのがクドっていうんだお。
       僕らの間ではドクオって呼んでいるお」

ζ(゚ー゚*ζ「・・・よろしく。」

('A`)「・・・」ペコッ

| l| ゚ー゚ノl「・・・改めて、よろしくなのです。皆さん。」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 23:16:20.78 ID:IxWpiSio0
次の日。
じゃあねーと淫魔達がわざわざ街の外まで見送ってくれた。
僕達は順調にトーシャワ・レイを抜けた。
とりあえず、今の目標地はブクガン地方。ミス・リーテだ。

ζ(゚ー゚*ζ「へぇ。淫魔達って結構優しい魔物達なんだね。」

| l| ^ー^ノl「はい!とってもよくしてくれたのです!」

・・・記憶を失くした子、ばつを連れて。
僕達は今、トーシャワ・レイ郊外を歩いている所だった。



サムイ サムイ サムイ サムイ サムイ・・・
コノママジャ サムクテ サムクテ シンデシマウ
チダ チヲトラナキャ チヲ
チヲタクサン クレルヤツ・・・


――――――ミイツケタ。

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/26(土) 23:18:47.49 ID:IxWpiSio0
――――――手記は、ここで途切れている。
ってね^q^
ネタが切れたからでなおすおー
Cどうもありがとうだお!^q^

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