ξ゚听)ξ 不可思議姫幻想記のようです【月ノ封印】
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/12(土) 00:23:59.36 ID:D4CG5rGK0
代理でゴザル

2 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 00:24:52.32 ID:Iv/4d4Dy0


感謝にござる!



遅れてごめんなさい!

まとめは

▼内藤エスカルゴ様
ttp://localboon.web.fc2.com/

▼ブーン文丸新聞
ttp://boonbunmaru.web.fc2.com/


です!

3 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 00:25:43.20 ID:Iv/4d4Dy0

江戸より遠く離れた奥羽の地。
そこで一人の赤子が生まれた。

神の血筋として生まれたはずのその子は、悪魔と罵られることとなる。
生まれると同時に、傍にいた多くの人間の命を奪ったのだから。

その時を知る村人は堅く口を閉ざし、誰にも話そうとしなかった。
ただただ、事実だけが歴史書に記されることとなる。



――――火の中より赤子生まれ出でたる、と。

  

        【月ノ封印】


弐幕────三日月

4 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 00:26:54.21 ID:Iv/4d4Dy0

( -ω-)「ん・・・・・・」

日の光で目を覚ます。
あまりに眩しさに起きてみると、窓から入る光がちょうど頭のあった場所に当っていた。

脳内がもやもやするのは寝起きのせいだけではない。
昨晩の思考を思い起こす。

( ^ω^)(結局、悪魔とか聖書とか分からんことばかりだお・・・・・・)

突如襲撃してきた謎の集団。
その会話の端々に内藤の理解できない言葉が語られていた。

( ^ω^)(それに、空姫様はどうして襲撃にお気づきになられたのかお?)

二人が何とか逃げることができたのも、空姫からの手紙があったからこそだ。
それがなければ家にいた時点で掴まっていたかもしれない。
そして気になることは、もう一つ。

( ^ω^)(稚は無事なのか・・・・・・?)

黒装束どもが家を知っていたとすると、残った稚の安否が気になる。
稚はその可能性も考え、身代りとなったに違いない。

( ^ω^)「朝・・・いや、昼食の準備でもするかお・・・・・・」

格子の入った丸型の窓から太陽の位置を確認して、言い直す。
のそのそと緩慢な動作で布団から抜け出し、部屋から出て台所に向った。

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/12(土) 00:27:33.27 ID:D4CG5rGK0
しえしえ

6 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 00:28:11.92 ID:Iv/4d4Dy0

( ^ω^)(お・・・・・・?)

そこには、僅かばかりだが新鮮な食物が保存してあった。
どれもこれも用意されて間もないと見て取れる。

( ^ω^)(空姫様、ありがとうございますお)

心の中で礼を言う。
ここに何もなければ、食べることさえままならない。
食料は乗せた馬と共に穴に落ちた時に失ってしまったし、
銭など持ってくる余裕はなかったからだ。

( ^ω^)(昨日はほとんど何も食べてなかったお・・・・・・)

お米を火にかけ、春の七草を適度な大きさに切った。
同時に水を沸かし沸騰してきたら味噌を溶かして、豆腐を入れる。
新鮮な魚は、塩味をつけて串にさし直火で焼く。

ξ゚听)ξ「内藤! どこにいるの!」

少女が部屋の中から大きな声で呼ぶ。
料理をそのままに、急ぎ足で部屋の前まで赴く。

( ^ω^)「ここにいますお」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/12(土) 00:29:05.72 ID:D4CG5rGK0
支援

8 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 00:29:13.31 ID:Iv/4d4Dy0

ξ゚听)ξ「おはよう。いい匂いがするんだけど、もう出来てる?」

匂いにつられて起きたのだろうか、と内心苦笑する内藤。
そして、どうやら昨日のことで塞ぎこんではいないようだと一息つく。

( ^ω^)「もうすぐ完成しますお」

ξ゚ -゚)ξ「そう、なら待ってる。それから、一緒に食べたいのだけれど・・・・・・」

( ^ω^)「お・・・・・・構いませんが、よろしいのですかお?」

少女が幼いころ、このような誘いは全て断ってきた。
そうすることが当然であったから。
しかし、今は少女を不安にさせないことこそが大事だ、と内藤は考える。

ξ゚听)ξ「ええ」

少女が望むのなら、それで安心できるのなら、後でどんな罰も受けよう。
そう誓い、内藤は任について初めて、命令を破った。

( ^ω^)「お持ちいたしましたお」

箱膳を向い合せに並べる。
雪姫が先に座ったのを確認してから自身も席についた。

9 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 00:30:25.26 ID:Iv/4d4Dy0

ξ゚听)ξ「昨日のことなんだけど・・・・・・」

話の内容は、前日のあまりにも日常離れした現象。
山の麓で黒装束に囲まれた時、いきなり地面が割れ、地下の世界に落ちた時のこと。
渦のように回転する泥に引き込まれ、体が完全に土に埋まってしまう直前、
少女の体から溢れんばかりの炎が現れたのだ。

それは地下空間を覆っていた意志ある巨木を焼き尽くし、
泥の渦から二人の窮地を救うところとなった。

ξ゚听)ξ「あれは何、って聞いてもわからないよね・・・・・・。内藤から見て、どうだった?」

( ^ω^)「どうだった、と聞かれましても・・・・・・。あの炎、全く熱くなく、
    何か柔らかい物に包まれているような感覚でした」

味噌汁を置いて考え込む内藤。
しかし、それ以上は言葉になって出てこなかった。

ξ゚听)ξ「そう・・・・・・。私は死にたくない、って思った。そしたら、体の中から何かが話しかけてきて。
    でも、なんて言ってるかわからなかった。だから、なんでもいいから助けてよ! って叫んだの」

その結果表れたのがあの炎・・・・・・。
少女の思いに応えるかのように、その力を現した?
力に意志があるとでもいうのであろうか。
内藤は独り思考を加速させる。

10 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 00:31:36.27 ID:Iv/4d4Dy0

( ^ω^)「空姫様なら、何かご存知かもしれませんお」

黙り込んだ内藤は姫様に見つめられていることに気づき、
慌てて言葉を取り繕った。

ξ゚听)ξ「あの手紙は空姉が送ってくれたんだよね? 連絡取れる?」

( ^ω^)「申し訳ありません、わかりませんお。食事の後に手紙の類を探しておきますお」

ξ゚听)ξ「お願い」

姫様が最後の一口を口に含み、箱膳の上が空になる。
それを見計らって、内藤は席を立った。

( ^ω^)「それでは、片づけてまいります」

台所と部屋を二往復し、二人分の箱膳を下げ、
外に出て井戸から水を汲み、食器を洗った。
それらをものの数分で済ませると、次は家のあちこちを調べ始めるが、
手紙を書くための道具は見つからない。
そもそも、届けてくれる人間もいないのだ。

( ^ω^)(稚・・・・・・)

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/12(土) 00:32:03.47 ID:U1ZlhsY3O
きたか支援

12 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 00:33:27.02 ID:Iv/4d4Dy0

空姫に聞きたいことがたくさんある。
出来れば本人に聞きたいのだが、それは難しいだろう。
雪姫以外の姫はみな、特別な待遇を受けていて、おいそれと近づけない。

「内藤!!! 内藤!!!」

畳の下に何かあるのかと思って、所々叩いていると、
少し離れた町にも届いてしまうのではないか、と思えるほどの大声で呼ばれていた。
何かがあったのかと全力で雪姫の元に向かう。

( ^ω^)「姫様! どうなされました!」

あまりに焦るあまり、許可も得ず部屋の扉を開けてしまった。
そこには固まった顔の雪姫と、もう一人。

ξ゚听)ξ「内藤・・・・・・」

川 ゚ -゚)「駄目じゃないか、従者が許可も取らずに部屋に入ったら」

( ^ω^)「そ、空姫様!!」

雪姫とは対照的な真っ黒の髪はとても長く、座っていると床についてしまうほど。
顔は似通っているが、空姫の方が豊かな体をしている。
なぜか服装は高価なものではなく、動きやすいものだった。

川 ゚ -゚)「そう一生懸命に見るなよ。照れるじゃないか」

ξ゚ -゚)ξ「内藤?」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/12(土) 00:34:15.69 ID:D4CG5rGK0
空姫はやっぱりクーですよね!!

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/12(土) 00:34:47.36 ID:U1ZlhsY3O
しえーん

15 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 00:36:08.12 ID:Iv/4d4Dy0

我が姫様の蔑む視線で我に返る内藤。
ひしひしと感じる謎の波動を耐えることに限界がきて、話を逸らすことを選んだ。

( ^ω^)「空姫様はその様な格好でいったいどうなされたのですか?」

川 ゚ -゚)「いや、お前達も色々知りたいだろうな、と思ったったから来た」

軽い調子で話してはいるが、彼女もまた天皇の娘なのである。
そうそうと自由にこんな所へ来れる筈がない。

( ^ω^)「また、抜け出してこられましたおね・・・・・・」

川 ゚ -゚)「まぁ、そういうな。ちゃんと影武者を置いてきた」

自信満々に胸を張られては、どうしてもそちらに目が行ってしまうのが男の性。
平然を装いつつ垣間見する内藤に静かな殺気が降りかかる。
  _,
ξ゚听)ξ「・・・・・・」

( ;^ω^)「そ、それでは、私と雪姫様の疑問に答えてくださるのですね?」

身の危険を感じた内藤は、話を本題に戻した。

川 ゚ -゚)「可能な限りは、な」

それまで楽に座っていた空姫は、居住まいを正した。
それだけで場の雰囲気が一変する。

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/12(土) 00:37:39.58 ID:4eaUu/XO0
まとめ更新したら読む

ちゃんと読むよ!!

17 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 00:37:45.21 ID:Iv/4d4Dy0

ξ゚听)ξ「私の生み出した炎は何?」

川 ゚ -゚)「炎が出たのか。私も詳しいことは知らないのだが、【感情】を引き金に現れる現象だということ。
    そして・・・・・・それは偏って現れている、ということだ」

ξ゚听)ξ「偏って?」

川 ゚ -゚)「私が確認している人間だけで五人。これは父上の力を使って全国を調べたから、
    今のこの国にいる総数だと思って差し支えないだろう。
    内藤、喉が渇いたから茶を持ってこい」

話の途中ではあったが、茶を出せと言われ断る従者はいない。
内藤は不服そうに部屋を退出した。
それを確認して空姫は口を開く。

川 ゚ -゚)「いいか、落ち着いて聞いてくれ。この偏りは・・・・・・雪姫、お前を中心に起きている」

ξ゚听)ξ「え・・・・・・」

雪姫はあまりの驚きで言葉を失う。
まさか自分が事の中心にいるだろうとは予想だにしていなかったに違いない。

川 ゚ -゚)「奥羽に二人、江戸に二人。後者はお前が生まれた時にその場にいた人間だと調べがついている。
    そして・・・・・・ここに一人だ」

ξ゚听)ξ「!! それって・・・・・・」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/12(土) 00:38:03.71 ID:D4CG5rGK0
支援

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/12(土) 00:38:43.36 ID:U1ZlhsY3O
おっぱい支援

20 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 00:39:27.11 ID:Iv/4d4Dy0

瞼を閉じ、黙って首肯する空姫。
それから内藤がお茶を持ってくるまで、どちらも一言足りとも発しなかった。

( ^ω^)「お茶をお持ちしましたお」

川 ゚ -゚)「ああ、御苦労。入っていいぞ」

ξ゚听)ξ「空姉ぇ・・・・・・」

川 ゚ -゚)「さて、それで内藤が戻ってきたから話の続きをしようか。
    お前たちが知りたいのは、どうして襲撃がわかったか、でいいか?」

ξ゚听)ξ「はい」

温かいお茶を受け取ると、空姫は一口分だけ飲む。
ほうっ、と吐息を吐いて話を切り出した。

川 ゚ -゚)「私の従者を一人、やつらの中に紛れ込ませていて、そいつから情報を受け取っているんだ。
    やつらの素性だが、外の国の人間で間違いないだろう。」

ξ゚听)ξ「どうして外の国の人間が?」

川 ゚ -゚)「まぁ、最後まで話を聞け。奴らの目的はわからん。が、狙いはその【感情】を引き金にする力の持ち主だろう。
    先ほど言った奥羽の二人は突然姿を消している。」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/12(土) 00:40:45.35 ID:U1ZlhsY3O
支援

22 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 00:41:11.46 ID:Iv/4d4Dy0

お茶を飲み、一呼吸置く空姫。
雪姫の目をまっすぐに見つめて、最も大事な質問をする。

川 ゚ -゚)「さて、本題に入ろう。奴らはまたお前を狙ってくるだろうな。どうする?」

ξ゚听)ξ「・・・・・・」

川 ゚ -゚)「今なら、父上に協力してもらって、誰も知らない場所に秘密裏に移すこともできる。
    窮屈な生活にはなるだろうが・・・・・」

空姫はつらそうに眼を伏せ、言った。

( ^ω^)「話にお邪魔して申し訳ないのですが、雪姫様の力があればあのような敵は話にならないのでは?」

川 ゚ -゚)「ああ、それは私も思っていたのが、そうじゃなかった。・・・・・・奴らは恐ろしいことを行っていたのだ」

空姫の手の中にある湯のみが震える。
それは激しい悲しみと、そして怒りが形をなしたもの。

川 ゚ -゚)「奴らは・・・・・・恐ろしい力を使う。その身に・・・・・・西洋の悪鬼悪霊の類を体に降ろして得た力を。
    戦うなんて言わないで、私についてきてくれ。お願いだ」

ξ゚听)ξ「空姉・・・・・・でも、自由に暮らせないなんていや!」

川 ゚ -゚)「・・・・・・。そうか・・・・・・・わかった」

ぶつかる視線。
先に目を逸らしたのは空姫だった。

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/12(土) 00:41:24.33 ID:D4CG5rGK0
支援

24 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 00:43:27.87 ID:Iv/4d4Dy0

川 ゚ -゚)「奴らが体に降ろした悪魔の類は・・・・・・特殊な宝を使って封印できるらしい・・・・・」

ξ゚听)ξ「それは?」

川 ゚ -゚)「【月ノ封印】だよ。竹取物語は知っているな? かぐや姫が五人の求婚者に求めた宝。
    それこそが悪魔を封印するためのもののようだ。事実、奴らも躍起になってそれを探しているらしい」

竹取物語の宝は結局、誰一人としてつ見つけられなかったはずだ。
それがなぜ悪魔の封印と関係するのか。

川 ゚ -゚)「以前にも一度、悪鬼悪霊が暴れたことがあったたからだよ。
    あまりの惨状に月から来た姫に助けを求めた。
    そして五人の皇子は求婚のためではなく、都を救うために五つの宝を探していたのだ。
    それが、蓬莱の玉の枝、火鼠の裘、仏の御石の鉢、燕の産んだ子安貝、龍の首の珠」

ξ゚听)ξ「五つの宝・・・・・・? ちょっと待って!」

雪姫は慌てて部屋の隅に飾っていた枝を持ってきた。
七色に光る、美しい枝。
昨日、悪魔の樹を倒した時にその場にあったもの。

川 ゚ -゚)「それは・・・・・・蓬莱の玉の枝・・・か?」

ξ゚听)ξ「化物みたいな樹の体の中から出てきたの」

川 ゚ -゚)「とりあえず調べてみる。それは大事に持っておいてくれ」

ξ゚听)ξ「わかった」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/12(土) 00:44:15.82 ID:D4CG5rGK0
支援

26 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 00:46:00.00 ID:Iv/4d4Dy0

空姫は空になった湯のみを置くと、立ち上がった。
合わせて雪姫も立ち上がろうとするが、それを手で遮る。

川 ゚ -゚)「ああ、いい。内藤に来てもらうから」

( ^ω^)「お!?」

指名が来ると思っていなかった内藤は素っ頓狂な声を上げた。
空姫はそんな内藤に対し目で合図を送る。

二人は並んで、正確に言うと内藤は空姫の一方後ろを歩く。

( ^ω^)「どうされたのですかお?」

家を出たところで、合図の真意を問う。
おそらく、雪姫の前では話したくないことだろうと考えていた。

川 ゚ -゚)「内藤、雪姫を絶対に守れ。力はあってもまだまだ幼い」

( ^ω^)「わかっていますお」

川 ゚ -゚)「そうか。あと一つ、力を無理に使わせすぎるな。
    力に関しては分からんことばかりなんだ。もしかしたら・・・・・・いや、やめておこう」

歯切れ悪く言葉を切ると、歩いて行った。
その先には男が馬を連れて立っている。

27 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 00:47:39.55 ID:Iv/4d4Dy0

( ^ω^)「おっ・・・・・・」

ξ゚听)ξ「遅いじゃない、どうかしたの?」

痺れを切らした雪姫が家の中から出てきた。
考えを巡らしていた内藤は、その声で現実に引き戻される。

ξ゚听)ξ「さて、家に入って話相手になって頂戴」

( ^ω^)「わかりましたお」

促されるままに家の中に入る。
空姫が最後に言わなかった言葉、それが内藤の頭を離れない。

ξ゚听)ξ「それでね、内藤・・・・・・火がでないの」

両手を上げたり降ろしたり、手を握ったり開いたり、
子供がはしゃいでいるように見えるが、本人はいたって本気らしい。

( ^ω^)「出なくてもいいではないですか」

先程の空姫との会話を思い出し、いさめる内藤。
そんなことは耳に入っていないのか、今度は全身を動かし始めた。

ξ゚听)ξ「えいっ!」

28 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 00:51:31.72 ID:Iv/4d4Dy0

( ^ω^)「姫様・・・・・・」

ξ゚听)ξ「むぅ・・・・・・なんで出ないんだろう」

今度は座り込んで考える雪姫。
せわしい姫である。
だが、それはいつもどおりに戻ったことを意味して・・・・・・。

( ^ω^)(あんな危ないことは、もうなくていいお・・・・・・平和に暮らせれば、それで・・・・・・)

ξ゚听)ξ「わっかんない〜」

音を上げた少女が仰向けにひっくりかえったせいで、服がはだけて白い太ももが露わになっていた。
従者兼教育役であるため、それを注意する内藤。

( ^ω^)「姫様、はしたないですお」

ξ゚听)ξ「内藤しかいないんだから、別に気にしない」

今まで通り、馬の耳にぬかを詰めて、念仏を唱えながらくぎを刺した結果になった。

( ^ω^)「・・・・・・。それでは、用がありますので失礼しますお」

挨拶をし、部屋を出た。
自分の部屋に戻ると、壁にもたれかかり目をつむる。
春の陽気のように、ぷかぷかと浮かんでくる考え。

29 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 00:55:21.35 ID:Iv/4d4Dy0

( ^ω^)(月ノ封印・・・・・・かお。枝、鉢、珠、衣、貝・・・・・・・。
     空姫様の話によれば、かぐや姫が持ってきた月の力、その力を支えていたのが五つの宝。
     でも、肝心の月の力はどこだお・・・・・・?)

( ^ω^)「わからないことが多すぎるお」

結局、内藤にできるのは空姫からの手紙を待つことだけであった。
雪姫の相手をして過ごす平和な日々。

そうして、何も起こらず三日が過ぎた。

ξ゚听)ξ「暇ねぇ・・・・・・」

家の中にあるのは空姫から送られてくる食物だけであり、
二人の時間を潰せるようなものはない。

( ^ω^)(絵が描きたいお・・・・・・)

雪姫と内藤は部屋に横たわりただ時間が過ぎていくのを待つ。
最初のころは火を出そうと躍起になっていたが、
三日という時は彼女に諦めを覚えさせるのに十分であった。

ξ゚听)ξ「内藤? 次は空姉に何か遊ぶものを持ってきてもらえるように頼んでおいて」

( ^ω^)「分かりましたお」

暇を持て余しているのは少女だけではない。
少女が暇を持て余しているせいで、外に出ることができず、
内藤もまた家の中でむやみやたらと時間を潰しているのだ。

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/12(土) 00:56:58.95 ID:U1ZlhsY3O
しえーん

31 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 00:57:51.77 ID:Iv/4d4Dy0

ξ゚听)ξ「暇・・・・・・ひまひまひまぁー」

( ^ω^)「お、ちょっと外に出てきますお」

玄関口に何者かの気配を感じ、部屋を出る内藤。
そこには、男が一人立っている。
差し出された手には手紙が握られていた。

( ^ω^)「あなたは・・・・・・?」

内藤が手紙を受け取ると、何も言わずに去って行った。
そのあとで空姫を待っていた男だと思いだす。

( ^ω^)「姫様、空姫様からお手紙です」

ξ゚听)ξ「本当!? 入って」

許可が出てから部屋に入り、手紙を手渡した。
かなりの厚みがあり、読むのにも一苦労しそうだ。

( ^ω^)「それでは失礼しm」

ξ゚听)ξ「内藤、待って。二人で読むように書いてある。はい」

それだけ言うと手紙を差し出す雪姫。
教育方針を間違ってしまったのだろうか、と一瞬後悔する内藤だが、
諦めて手紙を受け取って音読し始めた。

32 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 01:00:26.83 ID:Iv/4d4Dy0

──────────


川 ゚ -゚)「この手紙は二人で読んでくれ。今後に関わることだ。
   奴らの狙いが分かった。この国にいる悪魔を封印し、その力を利用しようと考えているようだ」

手紙には恐ろしい事実が乗っていた。
封印に必要なのはやはり五つの宝、そして数百人の命。

川 ゚ -゚)「先に悪魔を見つけ、私たちの手で封印しなければならないだろう。
    そこで、これは噂なのだが、九州と佐渡に奴らの狙いである宝があるらしい」


────────────

ξ゚听)ξ「どうしたの、内藤?」

内藤はそれ以上手紙を読み続けることができなかった。
其処に書いてあるのは彼が最も望まない一言。
手に力が入り、手紙が僅かばかり歪む。

( ^ω^)「雪姫様・・・・・・」

ξ゚听)ξ「続きを読みなさい、内藤」

33 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 01:05:13.43 ID:Iv/4d4Dy0

その先の言葉が少女にも理解できたのだろう。
命令口調で続きを促す。


────────────


川 ゚ -゚)「佐渡に向かい・・・・・・宝を確保してくれ・・・・・・。あの力に対抗できるのは私達だけなんだ。
    悪魔は我々が封印しなければならない。すまない、力を貸してくれ。
    もし雪姫が断るのなら、内藤、お前が一人で行け」


────────────

( ^ω^)「以上ですお」

手紙に挟まれていたのは特別な通行証。
庶民などは決して目にすることはないであろう、天皇家専用のもの。

ξ゚听)ξ「・・・・・・準備しなさい、内藤」

( ^ω^)「ですがっ・・・・・・」

ξ゚听)ξ「聞こえなかったの? 準備しなさい、と言ったの」

34 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 01:08:13.57 ID:Iv/4d4Dy0

少女は服を脱ぎ始める。
動きやすい服に着替えるつもりなのだろう。

( ^ω^)「失礼・・・・・・しますお」

長持ちする食料だけを纏め、袋に入れる。
動きやすい旅装束に着替え待っていたが、雪姫が部屋から出てこない。

( ^ω^)「・・・・・・?」

雪姫の部屋の前まで行き、声をかけようとした時、
中からは押し殺したような泣き声が漏れているに気付いた。

( ^ω^)「雪姫様・・・・・・」

ξ;凵G)ξ「内藤っ? いるの?」

( ^ω^)「雪姫様、あの手紙は命令ではございません。お断りになられても構わないのですお?」

空姫の言うことが本当だとしても、今まで我儘に暮らしてきた少女に、
そんな重圧を耐えられるわけないのだ。

ξ゚听)ξ「でも・・・・・・」

( ^ω^)「私一人行って参りますお。ご心配なく、腕には多少自身がありますので。
    ご飯はしっかり食べてくださいお。失礼しますお」

35 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 01:11:56.16 ID:Iv/4d4Dy0

それだけ言うと部屋から退出する。
相手は恐ろしい能力を使う、と空姫は言っていたが、
前回の襲撃ではそんな様子は全く見られなかった。
守るものさえなれば、剣と少しの武具で物足るだろう。

玄関に出るとおそらく、あの男が置いていったのであろう馬がつながれていた。
荷物の最終確認をし、馬に飛び乗る内藤。

ξ゚听)ξ「待って!」

( ^ω^)「姫様、昼は外に出てはなりませんお」

声が聞こえ、振り向きざまに注意する。
そして、少女の手にある大きな布に目に入った。

( ^ω^)「姫様、無理はなされない方が・・・・・・」

ξ゚听)ξ「内藤だけ行かせるわけないでしょ。第一、従者がいないと生きていけないもの。
    それに・・・・・・外に出てみたいから」

あながち嘘ではない言葉に苦笑いをする。

姫は内藤に向けて手を伸ばし────

ξ゚听)ξ「もし、また化物が敵だったら、私に任せて」

( ^ω^)「お願いしますお」

馬に乗り、佐渡島に向かって出発した。

36 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 01:16:01.45 ID:Iv/4d4Dy0


ξ゚听)ξ「これが・・・・・・海」

寄せては帰る波の動き、音、光の反射。
全てが家から出たことない少女にとって新鮮なものだ。

( ^ω^)「やっとつきましたおね・・・・・・。後は舟で移動するだけですお」

移動中は大きな問題もなく佐渡の対岸にまで来ることができた。
目の前に広がる海を見て、今までになく興奮する少女。

ξ゚听)ξ「どれが佐渡島?」

( ^ω^)「!」

海の向こう、島が見える筈の辺りは霧に覆われていた。
そして昼間だというのに、海岸に人の姿は全くない。

( ^ω^)「まさか・・・・・・」

ξ゚听)ξ「どうするの?」

有り得ないことが起きているという事実。
それは有り得ないことが原因だと考えない方がおかしい。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/12(土) 01:16:23.00 ID:cWEtt0JIO
支援

38 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 01:19:12.03 ID:Iv/4d4Dy0

( ^ω^)「敵がもう島に渡っている可能性がありますお」

「其処の御方、高貴な身分の方と存じますが・・・・・・何かこの町に御用でごぜぇましょうか?」

声をかけてきたのは精悍な体つきをした男。
恰好からして釣りをしに来たわけではなさそうだ。

( ^ω^)「あの島はどうなってるお?」

「分かりませんのです。突然霧に覆われたかと思うと、金山掘ってた者どもが
必死子いて逃げ出して来たんです。何やら化物を見たとかで」

ξ゚听)ξ「化物・・・・・・」

「へぇ、巨大な蛇だそうです。そのせいかこの辺りで魚が取れなくなって困っているんで」

( ^ω^)「お前、船は漕げるかお?」

「はぁ、なんとか。どこへ行く気にごぜぇますか?」

雪姫と内藤は顔を見合わせ、頷く。
男の顔色がみるみる間に変わっていくのは気のせいではないだろう。

「ひ、ひぃ。勘弁してくだせぇ」

ひたすら平身低頭し、謝り続ける男。
不可解な島に喜んで近付くモノ好きもいないだろう。

39 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 01:21:11.47 ID:Iv/4d4Dy0

ξ゚听)ξ「私たちはあの島に用があるの。ついたら船で待っていればいいから」

「・・・・・・わかりました。船でお送りするだけですぜぇ?」

( ^ω^)「ではお願いするお」

男の案内で舟に乗り込む。
辺りにある物の中では一番立派なものだろう。

ξ゚听)ξ「こ、こんなのが水に浮くの? 沈むんじゃないの?」

( ^ω^)「大丈夫ですお」

「御馬をお預かりいたします。そんで食料をちと持ってまいります。少々お待ちくだせぇ」

男の言うとおり舟の前で待っていると、前が見えなくなるほどの
食物を抱えてやってきた。

「ここから島へは半日ほど時間がかかりますんで、御口に合うかどうかは分かりませんけども」

二人が乗って腰をおろしたのを確認すると、
男の操作により、舟は陸を離れた。

( ^ω^)「こんなに持ってきたらお前の家はどうするんだお?」

「家内と娘には我慢させます、はい」

40 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 01:25:09.40 ID:Iv/4d4Dy0

袋を開けてみると、二人が普段食べている者よりも質の悪いものばかりであった。
粒の小さな梅干し、塩漬けの魚、そして形の悪いイモ。

ξ゚听)ξ「こんなのを・・・・・・食べてるの?」

「申し訳ごぜぇません、家で一番いい物を持ってきたのですが」

( ^ω^)「雪姫様!」

内藤の叱責が飛ぶ。
その意味をすぐに理解した少女はすぐさま謝る。

ξ゚听)ξ「あ、いや、ごめん」

「いえ、このようなものしか出せず心苦しいばかりで・・・・・・」

ξ゚听)ξ「内藤、これ買いなさい」

( ^ω^)「わかりましたお。これでよろしいですかお」

腰に結んだ日もから数枚の金貨を取り出し、男に差し出した。
男はその枚数に目を丸くさせる。

「多すぎますでさ、こんなに受け取れませんや」

( ^ω^)「嫌々従わせたのはこちらですお」

41 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 01:28:13.32 ID:Iv/4d4Dy0

「あ、ありがとうごぜぇます。これで家内と娘にうまいもん食わせてやれます」

内藤から金貨を受け取るが、仕舞うところがない。
それに気付いた雪姫が、黙って袋を差し出す。

「おお、申し訳ごぜぇません」

( ^ω^)「姫様・・・・・・もしかして全部食べられたのですか?」

少女の口の端には白い米粒。
そして、袋の中にもあちこちに米粒が付いていた。
男はそれに金貨を入れ、首からかける。

ξ゚听)ξ「あそこまではどの位でつくの?」

「漕ぎ続けましたら、夜の遅くには着くと思います」

ξ゚听)ξ「そう、夜は漕がなくていいわ。明日の朝につくように調節してちょ・・・・・・」

言葉の途中で口元を押さえ、少女は舟に突っ伏したきり、喋らなくなった。
ときどき船底を叩きながら、小さな声で唸り続けている。

( ^ω^)「慣れない舟の上で物を食べすぎですお」

ξ゚听)ξ「内藤・・・私無理・・・・・・」

それだけ言うと、雪姫は虫の息で船底に張りついていた。

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/12(土) 01:32:12.47 ID:U1ZlhsY3O
支援

43 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 01:33:11.27 ID:Iv/4d4Dy0

( ^ω^)「そのようなことをされていますと尚更ですお。こちらに来てくださいお」

言われた通り、内藤の元に向かう雪姫。
その足取りは危うく、目を離せば海の中に落ちてしまいそうだ。

( ^ω^)「船の行く先を見て、私に体重をかけてみてください。少しは楽になるかと思いますお」

ξ゚听)ξ「もう駄目・・・・・・」

「大丈夫でごぜぇましょうか? 一端引き戻しましょうか?」

( ^ω^)「気にせず舟を進めてくれお」

それからは会話もなく、舟はゆっくりと目的地へ近付いていく。
日が暮れてからは進むのをやめ、海を漂い休みをとる。
再び舟が動き出したのは、朝日が上がってくる頃。

「今から霧ん中ぁ入ります。気をつけてくだせぇ」

太陽の光も遮られる霧の中、体を冷やしながら舟は進む。
聞こえるのは舟を漕ぐ音だけの世界。
きぃ、と舟がゆっくりと止まった。

「つきましたです、はい」

44 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 01:36:10.20 ID:Iv/4d4Dy0

ξ゚听)ξ「やっと・・・ついたの・・・・・・」

( ^ω^)「行きますお、姫様」

内藤の手をとって舟から降り、辺りを見回す。
島全体を覆っていた霧は、薄くはなっているものの視界を狭めている。

( ^ω^)「足元に気をつけてください」

ξ゚听)ξ「こっち、内藤! 早く!」

突然に駆けだす雪姫。
その姿を見失わないように内藤は必死で追いかける。

( ^ω^)「姫様! 何があるかわからないですお!」

ξ゚听)ξ「・・・・・・こっち!!」

山の麓を沿うように、とても少女とは思えないほどの速さで走っていく。
内藤が本気で走っても、ついて行くのがやっとであるほど。

ξ゚听)ξ「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」

走る姿に炎が重なる。
それは爆発したかのように増大し、凝縮され形を生みだした。

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/12(土) 01:39:24.14 ID:U1ZlhsY3O
支援
ツンのAA無表情じゃね?

46 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 01:41:57.88 ID:Iv/4d4Dy0

( ^ω^)「あれは・・・・・・」

その炎が象る姿は一目見て分かった。


九つの尾を持つ狐────


ξ゚听)ξ「乗せて・・・・・・くれるの?」

少女の問いに頭を下げる炎の獣は、体を下ろし、乗りやすいように伏せる。
その背に飛び乗った少女は後ろを向き叫ぶ。

ξ゚听)ξ「内藤! 乗りなさい!」

内藤が少女の後ろに飛び乗った瞬間、猛烈な速度で狐は走り出した。
後に火の粉を残しながら走るそれは、馬よりもずっと早く、動きはしなやかである。

ξ゚听)ξ「内藤! これ、なんで出てきたの?」

( ^ω^)「分かりませんお!!」

声が風にかき消されないように叫びながら会話を交わす。
狐は行き先を知っているかのように走り続ける。

47 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 01:44:13.22 ID:Iv/4d4Dy0

ξ゚听)ξ「近くにいる・・・・・・」

( ^ω^)「なんですかお?」

ξ゚听)ξ「わからない、けどなんか、いやな感じ」

狐もそれを感じたのか、速度は急に落ち警戒するように辺りを見回す。
木の葉がざわざわと揺れるが、全く風は吹いていない。

ξ゚听)ξ「あそこ!」

木々の間から見える、雪姫の指さす先は山に開いた横穴。
まるで獲物を待ち受けているかのように開いている。

ξ゚听)ξ「!」

( ^ω^)「あいつらは・・・・・・」

空から落ちてきて、躊躇うことなく洞窟に飛び込んだのは件の黒装束。
その服の特徴から見紛うはずもない。

ξ゚听)ξ「・・・・・・行こう」

( ^ω^)「しかし・・・・・・」

48 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 01:46:46.72 ID:Iv/4d4Dy0

ξ゚ー゚)ξ「大丈夫」

少女の意志が分かるのか、狐は歩きはじめた。
洞窟の中は暗く、狭いため、宙に浮く炎が道の先を照らす。

ひしひしと肌寒い何かを感じる。
異質な世界への通路を歩いているような。

ξ゚听)ξ「何か聞こえた」

( ^ω^)「私も聞こえましたお」

洞窟の奥から響いてくるのは、金属音と罵声。
強大な力同士がぶつかっては弾ける音。

ξ゚听)ξ「急いで!」

目の前がいきなり開ける。
横穴は巨大な空間に至る道の一つであったのだ。

ξ゚听)ξ「あれは・・・・・・」

眼下に広がる光景に絶句する二人。
そこで繰り広げられている戦いは、もはや現実とは思えない。

49 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 01:52:57.41 ID:Iv/4d4Dy0



────────八岐大蛇


一つの体に八つの頭を持った幻想の生き物。
その一挙一動に数十人という黒装束が薙ぎ払われていく。
 
( ´┬`)「なぜ、我が眠りを妨げる?」

( (£))「分からぬか?」

( q┬p)「分からぬか、だと? 小さき人間が何をほざく」

( (Φ))「お前は既に用済みなのだ。その力、渡してもらおう」

多くの黒装束が横たわる中、二人の仮面だけは無傷で立っていた。
目が合うだけで、体中の血管が委縮してしまいそうなほど、恐ろしい化物の正面に堂々と。

( []┬[])「・・・・・・その体の中に飼うているのはなんじゃ?」

( ・┬・)「ふむぅ、よからんものだな・・・・・・。それらは全て封印しとったはずだが?」

( q┬p)「ふん、殺して再び閉じ込めてやればいい」

( (£))「やってみろ」

( ~゚┬゚~)「塵が!」

50 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 01:57:35.13 ID:Iv/4d4Dy0

( (Φ))「我が力よ、この命を削りてその力を寄こせ」
( (£))「捧げし命と同等の働きをしろ」

仮面の姿は既に人にあらず。
体は二倍以上に膨れ、頭部からは角が生えている。

( ・┬・)「おうおう・・・・・・」

( (Φ))「粉々にしてくれる」

( (£))「はあああああああああ!!!!」

仮面の一人が跳躍し、腕に生えた体よりも長い刃を振り下ろす。
が、それは硬質な皮に阻まれ、八岐大蛇の頭を落とすことはない。

( @┬@)「ぬるい!!」

( (Φ))「そうかな? ふん!!」

もう一方の仮面も同様に両手を変化させた。
膨大な質量をもつ固まりを、刀の上から叩き落とす。

( +┬+)「ぬああああああ」

一つの首が体に別れを告げ、動かなくなった。
残った七つの首それぞれの叫ぶ罵詈雑言が、空間内にこだまする。

51 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 02:01:11.75 ID:Iv/4d4Dy0

ξ゚听)ξ「内藤、どうする?」

その様子を上から見ていた二人は、飛び出すことを躊躇っていた。

( ^ω^)「あの二人が大蛇を殺してから向かった方が賢明かと思いますお」

ξ゚听)ξ「そうね」




( *┬*)「ふむ、ただ力があるだけではないのか」

( ・┬・)「しかし、足りない。彼我には絶対的な差がある」

足元に転がる首は既に六つ目。
しかし化物は未だに余裕を持て余している。

( (Φ))「な、なんだこいつは・・・・・・」

( (£))「何故死なない!」

黒装束達の叫びも当然だ。
斬った首からは止まることなく血液があふれ出ている。

( *┬*)「御主ら、悪しきものを体内に入れておるようだが、それでは儂らを倒すことはできん」

( ・┬・)「なぜ、私のような存在があるのか、知らん訳ではあるまい?」

52 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 02:03:28.51 ID:Iv/4d4Dy0

( (Φ))「く・・・・・・」

地に落ちた首が一斉に動き出し、地面に転がっている黒装束を飲み込んでいく。

( (£))「!?」

六つの頭は、その体へ戻る。

                              ( q┬p)「我らの」

                ( ´┬`)「力は」

                                      ( []┬[])「月の」

             ( ・┬・)「欠片」

                            ( ~゚┬゚~)「我らの」

                                          ( @┬@)「命は」

                  ( +┬+)「喰らいし」

                              ( *┬*)「人間」

完全に元通りの姿を取り戻した八岐大蛇が二人の異形を見下ろす。

53 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 02:09:06.25 ID:Iv/4d4Dy0

( (Φ))「無理だ・・・・・・勝てない・・・・・・」

( (£))「いったん逃げるぞ!」

仮面達はその力を使い、背中から翼を生みだした。
逃げるために、無数にある横穴に向かう。

( ~゚┬゚~)「逃がさんぞ・・・・・・」

八つの頭から同時に弾ける熱の塊。
それは空を飛び逃げようとする二人を、一瞬で灰に変えた。

そして・・・・・・


( @┬@)「いつまで隠れておるつもりだ?」

( +┬+)「降りてこい」

八つの首、十六の眼が二人を捉える。

54 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 02:12:23.16 ID:Iv/4d4Dy0


ξ゚听)ξ「内藤・・・・・・行ってくる」

( ^ω^)「私も御供いたしますお!」

ξ゚听)ξ「内藤はここで待ってて!!」

横穴から飛び降りる雪姫の体から炎が溢れ、形を為す。
燃え盛る火炎で形成された狐に乗り、地面に降り立つ。

( []┬[])「さぁて・・・・・・」

( q┬p)「ぶっ殺してやる」

八つの頭から同時に発射される火炎。
人を一瞬で灰に変えてしまうそれは、少女の創りだした炎とぶつかり、消滅する。

ξ゚听)ξ「お願い!」

少女の願いに応え、狐の九つの尾は炎となって、八岐大蛇を縛る。
蛇の頭は融解し始め、焦げた臭いが鼻を犯す。

( ~゚┬゚~)「ぐぬぬぬ・・・・・・」

( ´┬`)「おらぁ!」

炎の束縛を断つことを不可能と判断したのか、半身を回転させその強靭な尾を振りまわす。
それは地面を抉りながら雪姫に迫る。

55 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 02:15:27.08 ID:Iv/4d4Dy0

ξ゚听)ξ「!」

間一髪、九尾が反応し飛び上がることで避けた。
ほっと一息ついた内藤だが、攻撃はまだ終わっていない。

通り過ぎた尾は、反転し洞窟内を無茶苦茶に削っていく。
狙うものを持たない攻撃の軌道はついに少女の乗る獣に直撃する。

ξ;゚听)ξ「きゃっ!」

( ^ω^)「姫様!」

炎の獣は衝撃に耐えきれず、形を失う。
空中で放りだされた少女を受けとめるため、内藤は岩壁をかけ下りる。

( ^ω^)「はぁ・・・はぁ・・・大丈夫ですかお?」

少女が感じたのは堅い岩盤ではなく、温かい人肌。

ξ゚听)ξ「ない・・・とう・・・?」

( *┬*)「終わりだ。再び深き眠りにつけ」

炎が消えたことで、八岐大蛇は身体の自由を取り戻す。
皮が爛れ炭化しているが、致命傷には至っていない。

56 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 02:21:49.79 ID:Iv/4d4Dy0

( ^ω^)「お任せくださいお」

腰から下げた剣を抜き、正眼で構える。
内藤は守るべきものを背に抱え、非現実的な化物と向き合う。

( []┬[])「お前・・・ただの人ではないか」

( @┬@)「丁度いい。傷の治りが遅くて困っていたところだ」

八つの頭が同時に内藤に襲いかかる。


逃げる場所など、どこにもない。
逃げるつもりなど、毛頭ない。

( ^ω^)「おおおおおおおおおお」

剣一つ、振り絞った勇気で立ち向かう。
乾いた金属音と共に、内藤が振り下ろした刀は中ほどから真っ二つに折れた。

ξ゚听)ξ「内藤? 内藤!」

( *┬*)「では、頂くとするか」

内藤の体は一匹の口に挟まれたまま動かない。
そして一息で飲み込もうと、頭を真上に持ち上げる。

ξ;凵G)ξ「やめて・・・・・・。いや・・・・・・。内藤っ!!」

57 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 02:25:35.08 ID:Iv/4d4Dy0

叫びに呼応し、先程までとは全く違う炎の狐が生まれる。
その大きさは数倍近く、燃え盛る火炎は荒々しい。

ξ;凵G)ξ「内藤を助けて!」

巨大化した九尾は、その鋭い爪で頭を一つもぎ取った。
一瞬の動作に、少女はおろか、八岐大蛇でさえ反応できない。

ξ:凵G)ξ「内藤・・・・・・大丈夫?」

(#)^ω^)「はい・・・・・・なんとかですお」

もぎ取られた頭から這い出した内藤は無事を告げる。
少女は目の前の化物を強く睨む。

ξ゚听)ξ「絶対に許さない!」

炎の九尾はその形を崩し、真っ赤に燃える球体となった。
少女の体から力が流れ込み、急速に成長していく。

( +┬+)「なっ!」

( []┬[])「止めろおおおおおお」

化物の吐き出した炎をも飲み込み、肥大していく。
太陽のごとく燦然と輝く火球は・・・・・・遂に八岐大蛇を飲み込む。

58 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 02:28:38.22 ID:Iv/4d4Dy0

いったい、どれほどの熱量を有していたのか、
火球が収まる寸前に見えたのは、灰の山。

( ^ω^)「姫様、大丈夫ですかお?」

ξ゚听)ξ「内藤のほうが・・・・・・」

岩壁にもたれかかった内藤に被さるように倒れる雪姫。
内藤は慌てて支える。

ξ゚听)ξ「ごめん・・・・・・疲れた・・・・・・」

そう言って座り込んでしまう。
雪姫の炎が消えたせいで、穴倉内は一寸先を見通すこともできない。
二人がこの場所から脱出するのは少し先になりそうだ。

( ^ω^)「お?」

暗闇の中で、内藤は前方が淡く光っていることに気づく。
それは化物が燃え尽きた場所。

( ^ω^)「あれは・・・・・・?」

ξ゚听)ξ「何?」

もたれかかる少女から離れ、転ばないようにゆっくりと歩く。
光を発しているのは地面の灰だ。
内藤はその場所を両手でさくさくと掘る。

59 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 02:33:19.05 ID:Iv/4d4Dy0

( ^ω^)「これは」

さほど深くない所に埋まっていたのは輝く珠。
その光は強く、直視するには眩しすぎるほど。
両手で掲げると、洞窟内全てを照らすことができた。

ξ゚听)ξ「もしかして、それって・・・・・・」

( ^ω^)「おそらく、五つの宝の一つ、龍の首の珠に当たるものではないでしょうかお」

内藤はその光輝く珠を雪姫に手渡す。
少女の小さな手のひらには収まりきらないほどの大きさがある。

ξ゚听)ξ「きれい・・・・・・」

( ^ω^)「姫様、帰りましょうお」

ξ゚听)ξ「・・・・・・どうやって?」

立ちすくむ二人の視界には似たような形の無数の横穴が映る。
当然だが、化物と戦っている時に出てきた穴を覚えているような余裕はない。

ξ゚听)ξ「だから私は、そこにいて、って言ったのに」

( ^ω^)「申し訳ありませんお・・・・・・・」

60 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 02:35:13.90 ID:Iv/4d4Dy0

ξ゚听)ξ「仕方ないわ。適当なとこから歩いてみましょ」

目の前にある横穴を指差し、それに向かう。
内藤はその後ろに随ってに歩く。
こつこつ、とりずむを奏でているのは二種類の足音。

ξ゚听)ξ「・・・・・・疲れた」

終始無言で歩いていた少女が、立ち止まって座り込む。
道は右に左にと何度も曲がり、数回のわかれ道を通り過ぎてもなお、
一向に山から出れる気配がない。

約一刻の間歩き続ければ、普段から家で生活している雪姫が
音をあげてしまうのも当然だ。

( ^ω^)「姫様・・・・・・大変申し訳ございませんでしたお」

ξ゚听)ξ「どうしよう・・・・・・・私たち出られない?」

( ^ω^)「そんなことはないですお!」

ξ゚听)ξ「でも・・・・・・待ってる村人が帰ったら・・・・・・」

舟がなければ海は渡れず、島に残れば食料はいずれ尽きる。
最悪の想像が雪姫の考えを犯していく。

61 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 02:37:57.77 ID:Iv/4d4Dy0

( ^ω^)「姫様! 落ち着いてくださいお!」

ξ゚听)ξ「でも・・・・・・食べ物はどのくらい残ってるの?」

内藤は腰に付けた袋の中を確認する。
僅かに残っているのは、潰れて歪な形をしている芋。

( ^ω^)「先程の化物との戦いのとき・・・・・・」

袋が傷つき、中に入っていたもののほとんどが失われてしまったのだ。

ξ゚听)ξ「・・・・・・それは、内藤が食べていいよ」

( ^ω^)「私は大丈夫ですお。姫様、どうぞこれだけしかありませんが・・・・・・」

ξ゚听)ξ「私は来る前に握り飯を食べてるから・・・・・・内藤が食べていいよ」

そうは言ったのものの、少女のお腹は自己主張をやめない。
ぐーぐーと鳴る腹の前で、従者である内藤が飯など食べれるわけがないのだ。

( ^ω^)「きっと、あの変な力でお腹がすいていらっしゃるのですお。
    どうぞ、食べてくださいお」

ξ゚听)ξ「ありが・・・とう・・・」

潰れた芋を千切り、少しずつ口に放り込んでいく。
半分ほど食べたところで、その手の上の食物を内藤に差し出す。

62 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 02:40:37.12 ID:Iv/4d4Dy0

( ^ω^)「全部食べくださいお」

ξ゚听)ξ「いいから、食べていいよ」

その欠片は青年にとって腹の足しにもならない。
しかし、少女の行為を無駄にはせず、受け取って食す。

ξ゚听)ξ「おなか減ったね・・・・・・」

( ^ω^)「はいですお・・・・・・」

前も後ろも果てが見えない洞窟の中、二人は壁にもたれかかる。
内藤はともかく、少女の方は体力も気力も限界であった。

ξ゚听)ξ「何か・・・・・・食べたい・・・な」

( ^ω^)「姫様? 姫様!」

目を閉じた少女から淡い光が湧き、流れ始める。
光は透き通った水となって、次々と溢れだす。

ξ゚听)ξ「声が・・・聞こえた。やっぱり何を言ってるのかわからなかったけど」

63 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 02:42:37.94 ID:Iv/4d4Dy0

雪姫はすっと、立ち上がり深い吐息を吐く。
それに合わせて多量の水がその色を変える。

清流のような透き通った水は毒々しい紫色に変化し、
ぶくぶくと音を立てて、泡が浮かんでは消えていく。

ξ゚听)ξ「お腹が減ったの!」

少女が勢いよく手を前に出すと、その動きに沿って紫の液体が壁にぶつかる。
壁はみるみる間に溶け、人が通れる道が生まれていく。

ξ゚听)ξ「行くよ」

迷いなくその道に向かう少女。
内藤は躊躇いながらも、そのあとに続く。

( ^ω^)「外・・・・・・ですお」

ξ゚听)ξ「雨・・・・・・ね」

雪姫の開けた穴は外へ繋がっていた。
大雨が降っていて、出ることはかなわなかったのだが・・・・・・。

ξ゚听)ξ「帰っちゃった・・・・・・よね?」

雨は大ぶりで、波は荒れているだろうことは明らかだ。
そんな中、舟を守り続けるなんて出来ないだろう。

64 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 02:45:47.16 ID:Iv/4d4Dy0

( ^ω^)「少し、待ちましょうお」

「あ、いましただ! すんげぇ、雨降ってまいりまして、
 こりゃ困ったな、と舟を陸に揚げてこっち着てみたんでさぁ」

ξ゚听)ξ「ありがとう!」

「お寒うごぜぇませんか? 食料もあります」

両手はどろどろで、服もびしょ濡れであるが、男は嬉しそうに笑っていた。
それをねぎらうため、洞窟の中に男を招く。

「いったいなんでごぜぇましょうか?」

ξ゚听)ξ「内藤、逃げないように押さえてて」

( ^ω^)「かしこまりましたお」

何が起きるのかと訳も分からず押さえられていた男の眼の色が変わった。
雪姫が濡れた服を乾かすために出した九尾の姿に、
驚き大きく震えている。

「かぁ、勘弁してくだせぇ」

ξ゚听)ξ「大丈夫。食べないから」

65 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 02:49:24.28 ID:Iv/4d4Dy0

狐の炎冷えた男の体を包む。
最初は目を白黒させていたが、その炎に焼き殺す力がないとわかると、
男は頭を下げひたすら感謝の念を述べる。

ξ゚听)ξ「いつになったら止むのかしら・・・・・・」

( ^ω^)「分かりませんが、この雨では何にもできませんお」

男の持ってきた食料を食べ、腹を満たす。
振り続ける雨を見あきたのか、雪姫は壁にもたれ掛り、うとうとと舟を漕ぎ始めた。

「化物は退治できたのでごぜぇましょうか?」

( ^ω^)「ああ、心配いらんお」

「よかったでさぁ。これで漁も出来、家族も助かります。
せっかくですが、舟がちいと気になりますので、見て」


立ちあがった男の言葉は途切れ────




────その胸からは黒い棘が生えていた。

66 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/12/12(土) 02:52:12.70 ID:Iv/4d4Dy0

つか・・・れた・・・

時間帯を失敗したような気もしますが、まぁおkですね。

次はもっと早くこれたらいいなぁ・・・・・・

いないとは思うけど、見てる人がいましたら、おやすみなさい。

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/12(土) 02:57:09.11 ID:U1ZlhsY3O
用事で支援できんかった
おっつ

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/12(土) 02:57:25.46 ID:Q9vLiZF+O

完結まで頑張れ

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/12(土) 03:02:32.23 ID:cKHuqMNT0
おつ。

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/12(土) 03:49:27.02 ID:cTOwtOlwO
乙です!
続き楽しみにしてます!

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