第一話
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:01:21.19 ID:wc3HgYVI0
それはある日のお昼休みのこと。
VIP小学校では名の通ったワルガキ4人衆は、今は理科室にいました。

( ・∀・)「あれれー? 教室一番乗りはいいけど鍵がかかってるぞー?」

( ゚∀゚)「あ! 鍵が教室の中に入ってるぞ! これじゃ教室に入れない!」

( ^ω^)「せんせー、教室の鍵が封印されたんでマスターキー貸してくださいだお」


( ゚∀゚)「マスターキー入手、ド田舎だからって無用心すぎるだろこの学校。よし、いけ」

('A`)「あいよ」

( ・∀・)「窓が開いてるのに気付かないなんてな」

( ^ω^)「中から鍵を閉めた後 ??ランダへ出て、そこから屋根づたいに手洗い場の窓まで戻ってくる……大変だったお」



こんな彼らもピッカピカの小学3年生である。

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:10:31.28 ID:wc3HgYVI0
( ^ω^)「時は流れ昼休み……理科室潜入ミッション成功だお」

('A`)「すげー。顕微鏡とか虫眼鏡とかガスバーナーとかいろいろあるぞ」

( ・∀・)「虫眼鏡はこの前授業で使っただろ?」

( ゚∀゚)「なんでぇ、そんなつまんねーもんしかねーのかよ。もっといろいろあると思ったんだけどな」

( ・∀・)「マッチとかガスバーナーとか使ってみるか?」

('A`)「算数32点のテストを燃やすんだな」

(♯゚∀゚)「あぁ?」

('A`)「誰もお前のことだとは言ってないが」

(;^ω^)「おっおっ、ケンカはやめるお! ってか火は危ないお! やめるお!」

( ・∀・)「それもそーだよなー……火災報知器とかが発動したら困るし」

('A`)「お? あれって望遠鏡じゃね?」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:17:01.05 ID:wc3HgYVI0
ドクオの指差す方向にあったもの。それはどこからどう見ても望遠鏡だった。

( ^ω^)「これって星とか月を見るものだおね? すごいお! ロマンチックだお!」

('A`)「望遠鏡程度でそこまではしゃげるとは、子供なお前がうらやましいよ」

( ・∀・)「小学校の授業で望遠鏡使うようなことってあったかな……」

('A`)「さすが秀才様は目のつけどころが違いますねはいはい」


( ゚∀゚)「望遠鏡……か」


( ・∀・)「月でも見てみるか? 今は昼だけど月はでてるし」

( ^ω^)「おっ、お月様って夜じゃなくても見えるものなのかお?」

( ・∀・)「ああ。ちなみになんで見えるかって言うと……」



('A`)「エロ本とか隠してないかなあのエロジジイ。授業中でも平気でレベルの高い下ネタ使うからな……小3相手に」


( ゚∀゚)「…………」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:21:43.64 ID:wc3HgYVI0
(;^ω^)「おっ……結構重いおこれ。ずっと持ってるのは結構しんどいお」

( ・∀・)「乗せる台がないな……窓に乗せて見てみようぜ」




(;'A`)「か……浣腸器……だと……? なぜ理科室の棚にこんなものが」



( ゚∀゚)「よし、おまえら! 今から勇気試しするぞ!」


( ・∀・)「は?」


( ^ω^)「お?」


('A`)「犬猫怖いで手拍子パーンのあれか?」

( ゚∀゚)「なんでそんな考えが出てくんだよ!」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:25:08.03 ID:wc3HgYVI0

( ゚∀゚)「この望遠鏡で、太陽を見るんだ」


( ・∀・)「バカかお前。勇気とかそういう問題じゃねーよ」

( ^ω^)「そうだお、望遠鏡で太陽を見たら……どうなるんだっけ」

('A`)「そーだそーだ、目が潰れるぞ」


( ゚∀゚)「大丈夫大丈夫、一瞬だけなら目が潰れることはねーだろ」


( ・∀・)「やっぱバカだおこいつ」

( ^ω^)「真似しないでほしいお。でも確かに危ないお」

('A`)「一人でやってろだお」

( ^ω^)「おいばかやめろ」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:31:16.09 ID:wc3HgYVI0
( ゚∀゚)「え? おまえら逃げるのか?」



('A`)「カチン」


( ゚∀゚)「別にいいんだぜー、逃げても。いいっていいって、おまえらが腰抜けなのは前から知ってたからよ」



(♯'A`)「カッチンコーン」


( ・∀・)「バカが2人」

(;^ω^)「おー、ドクオ。やめるお。危ないお」

('A`)「離せブーン。男は舐められたら終わりなんだよ。臆病な男は女にもてねぇ」

( ・∀・)「そうなの?」

('A`)「イケメン死ねよ」


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:35:08.05 ID:wc3HgYVI0
( ^ω^)「ドクオ落ち着くお」

( ・∀・)「ブーンも結構あれだよね。ツンちゃんとかブーンにベタ惚れしてるし」

('A`)「ブーン……俺を売ったのか! 裏切ったのか!」

(*^ω^)「おっ、違うお、ってかモララーそれって本当なのかお? 別に僕はその」

('A`)「こぉの裏切りものおおおおおおおおおお」



ξ゚听)ξ「なにやってるのよ、あんたたち……」

( ・∀・)「お、噂をすればなんとやらだな」

(*^ω^)「ツ、ツツツツツン!?」

('A`)「てめぇが生き残るためにはあらゆる手を使うということか……汚いさすがブーン汚い ?

( ^ω^)「ドクオ……」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:40:25.81 ID:wc3HgYVI0

ξ゚听)ξ「勝手に理科室に入ったりして! 望遠鏡なんかで遊ぶのがそんなに楽しいの!?」

( ゚∀゚)「おーおー、さすが学級委員様はまじめですこと」

ξ♯゚听)ξ「ふざけないで!」

(;^ω^)「お、ツン、ジョルジュ、やめるお。その……ごめんだお」

ξ゚听)ξ「ブーンまでいったいなにやってるのよ全く!」

(;^ω^)「おー……」


スッ

('A`( ^ω^)(ちょっとは反抗して見るのも手だ。不良ってのもかっこいいぜ?)


( ^ω^)

( ^ω^)

( ^ω^)


( ^ω^)「おっ! ツンにはかんけー?-ーことだお!」

ξ゚听)ξ「ぶ、ブーン?」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:44:55.71 ID:wc3HgYVI0

( ^ω^)「へっ! 俺達はこれから、この望遠鏡で太陽を見てやるのさ!」


( ・∀・)「バカが3人。豊作だ」


ξ゚听)ξ「そ、そんな……な、なんて恐ろしいことを!」


( ・∀・)「4人だったか……」


( ^ω^)「さあ! ジョルジュ! ドクオ! やるお!」

('A`)「憎みきれなかった……お前を」

( ゚∀゚)「さすがブーンだ。モララーなんかとは大違いだな」

( ・∀・)「さすがに止めた方がいいか? リアルに危ないぞそれは」

('A`)「リアルに(笑)。リア充様の高貴なお言葉は卑しい卑しい私めには理解しがと??ございます」

( ・∀・)「もうだめだこいつ」



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:51:29.61 ID:wc3HgYVI0

ξ゚听)ξ「ちょっ、やめなさいブーン! 危ないわよ!」

('A`)「心配するのはブーンだけ……やっぱブサメンのことを思ってくれる美女なんていないんだな」

( ^ω^)「やってやるお!」



('A`)「なあ、ブーン」

( -ω-)「お? なんだお?」

(♯゚∀゚)「てめぇ目ぇつぶってんじゃねーか!」

( ^ω^)「おおおおおおっ!!!」

ジョルジュに蹴り飛ばされたブーンは地面を転がり、机にぶち当たって止まる。
ブーンが落とした望遠鏡を拾い上げるジョルジュ。


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:57:10.12 ID:wc3HgYVI0

( ゚∀゚)「どいつもこいつも腰抜けばかり……勇気試しってのはな」

望遠鏡を、右目に密着させて

(♯゚∀゚)「こうやるんだよぉぉぉ!」


太陽を、見た。


(;'A`)「ジョルジュ! ジョルジュ!」

(;・∀・)「バカ野郎! 目が潰れるぞ!」

(;^ω^)「ジョルジューッ!」


友のために、体を震わせて叫ぶ3人に対し。
ジョルジュの体は、微動だにしない。


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:59:39.30 ID:wc3HgYVI0

(  ∀ )


(;^ω^)「ジョ、ジョルジュ?」



(  ∀ )「……………う……………」


(;'A`)「ジョルジュ!?」



(  ∀ )「………う……う、……うぅぉおえ……」





(  ∀ )「うぅぅうぅぅうううあああああああああああああああああああ!!!!」




(♯・∀・)「ジョルジュ―――ッ!!」

(♯^ω^)「ジョルジュ! 望遠鏡を捨て……いや目をつぶるんだお!」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:04:18.50 ID:wc3HgYVI0
友のために、全力で走る2人に対し
一歩も動かずに、「恐怖」を見る者が1人。


(;'A`)(な、なんなんだ………? ジョルジュのやつ………目が………真っ赤………)


実際に見たジョルジュは、全てを理解していた。
望遠鏡で直接太陽を見ることが、何故禁止されているのかを。

(  ∀ )(ああ……もう、俺は助からないな……)

(  ∀ )(俺の中に、入り込んでくる、これは……)

(  ∀ )(もう……止められない)





(  ∀ )(ブーン、ドクオ、モララー)



(  ∀ )(地球は、終わりだ)





32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:08:37.98 ID:wc3HgYVI0
(  ∀ )「がああああああああああぁぁぁぁあぁああああああああああああ」


(;・∀・)「おっ、おい……ジョル……ジュ」


(;^ω^)「な……なにが」


理科の時間ずっと(授業時間45分に対し40分)眠っているブーンでも、事態の異常さは理解できた。

ジョルジュの肉は、まるで内側から盛り上がるかのように膨れ上がり

耐え切れずに裂けてしまった部分から、絶え間なく血が噴き出ている。

充血とは違う、もっと違う何かによって、眼は真っ赤に染まり、

口から泡を吹きながら、ガタガタと情けなく震えている。

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:12:11.86 ID:wc3HgYVI0

(  ∀ )(見て………しまった)

(  ∀ )(あれは、あれは、あれは……悪魔だ)


太陽と自らの目。この2つが望遠鏡によって繋がれた時、ジョルジュは見たのだ。




オレンジ色の炎の中を泳ぐ、悪魔を。




黒点の中を暴れまわる、悪魔たちの姿を。





その悪魔達が、一斉にこちらを見たのを、見てしまったのだ。

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:14:59.85 ID:wc3HgYVI0

望遠鏡によって繋がった、太陽から地球までの道。


我先にと押し寄せる悪魔の大群が見えているのに、ジョルジュは動くことができなかった。




そして、悪魔の1匹が、眼から自分の中に入り込んだのを、見てしまった。





望遠鏡という、細すぎる道と



ジョルジュという、小さすぎる扉のせいで



こちらへ来るのは、1匹が限界だったが

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:19:16.89 ID:wc3HgYVI0


(  ∀ )「ああああああああああああああああああああああああ」


ジョルジュの肉体は、完全に裂け

骨は新鮮な酸素に直接触れた

床に転がった、歯や、耳の残骸が

ごく普通の小学校の、ごく普通の理科室を、異空間へと染め上げる。

ξ;凵G)ξ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

(;^ω^)「ツン! 見ちゃダメだお!」




(;'A`)「ジョル…………いや、一体、何が?」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:23:16.93 ID:wc3HgYVI0
クトゥルフって丸い部屋とかそういうやつだよね?

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:26:34.42 ID:wc3HgYVI0


望遠鏡と繋がっていた右眼が潰れて

血と硝子体が飛散すると同時に

悪魔は、姿を現した



(;・∀・)「……ジョルジュじゃ、ない」



(*゚∀゚)


(;A;)「だ……だれ……」


(*゚∀゚)アヒャ


ジョルジュの血と肉片が散乱する床に、悪魔は静かに立っていた。

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:35:24.84 ID:wc3HgYVI0
(;^ω^)


(;・∀・)


(;A;)


ξ;凵G)ξ





(*゚∀゚)



異常な空気と血の匂いに満たされた理科室を、沈黙が支配する。




62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:40:25.49 ID:wc3HgYVI0
(*゚∀゚)「太陽系って」


(;^ω^)――ーそ


(;・∀・)そ


静寂を破ったのは悪魔の方だった。




(*゚∀゚)「まだ、生物いたんだね」


(;・∀・)「どういう……意味……」


恐怖でうまく声が出せないモララーは、とぎれとぎれながらに言う。


(;・∀・)「いったい……おまえ、は……」




64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:46:18.24 ID:wc3HgYVI0
クラス1の秀才であるモララーは、どうにかして悪魔とのコミュニケーションを取ろうとしている。
今にも泣き崩れてしまいそうなツンを、ブーンは必死で支えている。

この空気に耐えられない者が1人いた。


(;A;)「あ………あぁあ………」


(;A;)「あぁああああぁぁぁああぁ」

緊張の糸が、ぷっつり切れてしまったドクオ。
泣き喚きながら、出口へと走り出す。


(;^ω^)「――――ッ! ドクオォッ!」



(*゚∀゚)


ただ、手を振っただけだった。
ゆっくりと、走り出したドクオの方を向きもせず、手を振 ?£ただけだった。


67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:50:59.23 ID:wc3HgYVI0
理科室のドアは消え去った。


(;A;)


今まさにドアに手を掛けようとしていたドクオは
一瞬の出来事に、何もできずへたりこむ。


(;^ω^)「溶け、た……溶けた、のかお?」


(;・∀・)「いや、でも……まったく……」


まったく跡が残ってない


その言葉を飲み込んで、モララーは叫んだ。

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:51:58.17 ID:wc3HgYVI0





 逃 げ ろ






71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:58:16.51 ID:wc3HgYVI0
いち早く地面を蹴ったモララーはしばらく走ったあと、ドクオのことを思い出す。

(;・∀・)「おいドクオ! 早くここから逃げるぞ!」

(;A;)「あっ、あっ、うあぅっ、あっ」

(♯・∀・)「―――――!」

( ^ω^)「ドクオは僕が! 早く行くお!

4人の中で(今は3人となってしまったが)一番体格のいいブーンは、ツンを左肩に抱えて走ってくる。

( ・∀・)「でも……」

( ^ω^)「僕なら大丈夫だお! 力仕事は得意だし、それに」


「僕はバカだから、こういうときしか役に立てないんだお」


74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:05:06.42 ID:wc3HgYVI0
( ・∀・)「――――っ」

思えば、ジョルジュと自分は、ブーンにはいつもバカだとかデブだとか言っていたかもしれない。

実際、そんなに深い意味はないし、友達同士だからこそ言える、一種の冗談のようなものとして言ってきた。

でも、クラス1勉強ができて、細身で運動も出来る自分の言葉を、ブーンはどうとらえていたんだろう。

今さらのようにモララーは思う。

( ・∀・)「………わかった! 早く来いよ!」

そう言い残して、ドアがなくなってスッキリした出口から飛び出すモララー。

ξ;凵G)ξ「うっ、ぶ、ブーン、お願い、助けて ?

( ^ω^)「わかってるお、君も、ドクオも、必ず助けるお!」

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:08:25.86 ID:wc3HgYVI0


(*゚∀゚)「なんなんだろ、これ」

悪魔が、手を



(;A;)「う、えぐっ、はぁっ、うぐ、はぅっ」





( `ω´)「ドクオオオオオオオオオ!」


振る





机が1つ、消え去った。


77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:15:59.00 ID:wc3HgYVI0
(*゚∀゚)「…………」


( ^ω^)「ふ、ふぅ……危なかったお」


間一髪だったが、ドクオはブーンの右手に納まっていた。


( ^ω^)「ドクオ、落ち着いて。ゆっくり息を吸うんだお」

(;A;)「はあ、はあ、はあ、はあ」

( ^ω^)(さすがに、結構……重いお……でも……逃げなきゃ)

すぐさま理科室をでて、走り始めるブーン。

モララーと合流しなくては、しかしこのままでは他の皆を巻き込んでしまう、どうすれば

ブーンの脳裏にさまざまなことが浮かんだが、そんな思考は一瞬で吹き飛ばされた。

(*゚∀゚)「はぁ」


悪魔が、目の前にいた

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:26:38.75 ID:wc3HgYVI0
(;^ω^)「――――――!」


(*゚∀゚)「太陽系に、生物がいちゃいけないんだよ」



(♯・∀・(*゚∀゚)o彡「じゃ、バイバイ」



(♯・∀・)「おらあああああああああああ!」


(*゚∀゚)そ「!? くぅっ」


突如、悪魔の背後から差し棒を持ったモララーが現れた。

3本の差し棒を1本にまとめ、強度を高めている。

そしてその差し棒を、悪魔の右腕にたたき付けた。






83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:35:50.93 ID:wc3HgYVI0
( ・∀・)「逃げるぞブーン!」

( ^ω^)「ありがとうだお、モララー!」

とは言え、差し棒を持った小学3年生の力なんてたかが知れていて

(*゚∀゚)「そんなにうれしそうに言われても困るな」

( ・∀・)「くっ!」

すぐに回り込まれてしまう。

(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャヒャ!」

「こいつらむかつく」

ボウッ

悪魔が手のひらを広げると同時に、巨大な火の玉が現れる。

(;^ω^)「な、なんだお!?」

(;・∀・)「メラゾーマってやつか……?」


(*゚∀゚)「死んで♪」

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:39:46.29 ID:wc3HgYVI0

(*゚∀゚)「死んで♪」

火の玉はどんどん大きく、赤くなっていく。
その時――――

(`・ω・´)「コラコラコラ! 何をしとるかお前ら!」

理科教師、シャキンが現れた。

(`・ω・´)「嫌な予感がすると思えば、またお前らか! わしの理科室に忍び込みおって……」

(`・ω・´)「? ところで、あの変な格好をした人は一体?」


(*゚∀゚)「なんか増えたー? でもまあいいや。どうせこの星の生物全部殺すんだし。死んで」

バランスボールを悠々越える大きさになった火の玉は、悪魔の手を離れ―――


( ^ω^)「こっち ?≪飛んでくるお!」

( ・∀・)「伏せろぉぉぉぉぉぉぉ」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:41:51.66 ID:wc3HgYVI0








ズドォン









86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:46:04.23 ID:wc3HgYVI0
床が、壁が、天井が、真っ黒に染まり。

焦げ臭い匂いとともに、煙をもくもくと放っている。

一部分だけ火事にあったような状況の廊下で、立っているのはただ1人――人と言っていいのかはわからないが。


(*゚∀゚)「あれま。この星の生物は弱いっぽいしなあ、ちょっとやりすぎたかも」

もはや灰と化したシャキンの遺体を蹴り飛ばし、悪魔は1人つぶやく。

(*゚∀゚)「この程度の熱で……だらしないなぁ。しっかしここは寒いねぇ」

身震いしながら、あたりを見回す悪魔。

(*゚∀゚)「しっかし……おっかしいなぁ、灰が1つしかない」

たしか3匹いたはずだが、と悪魔は思う。

(*゚∀゚)「……煙にまぎれて……?」

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:51:48.93 ID:wc3HgYVI0
(*゚∀゚)「…………まっ、いっか」

(*゚∀゚)「きっと、この星の生物はあいつらだけじゃないだろうし」

(*゚∀゚)「まずは、そっちから殺しにいくかなー♪」





( ^ω^)「う……ううっ」


( ^ω^)「ここは、一体……どこだお」

あたりを見回して、しばらく考えるブーン。

( ^ω^)「………一階………」



そうだ。あの時僕は、階段から飛んだんだった。
いや――吹き飛ばされた、と言ったほうが正しいか。ブーンは1人思う。


90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:55:18.87 ID:wc3HgYVI0
悪魔が火の玉を構えた時に、近くに階段があることに気付いたモララーが、なんのためらいもなくここ二階から飛び降りたのだ。

それを見て、自分も飛ぼうとしたのだが……間に合わず、爆風に巻き込まれた。

( ^ω^)「シャキン先生が、現れたから……」

シャキン先生が突然現れたから、悪魔の注意はそちらに向いた。

だからモララーは飛ぶことができたし、僕も逃げることができた。

でも、シャキン先生は、きっと――――


( ^ω^)「…………」


91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:56:50.56 ID:wc3HgYVI0

( ^ω^)「なんにせよ、僕たちが軽はずみな行動を取ったせいで、こんなことになったのは確かなんだお」



( ^ω^)「僕たちが、あんなことをしたせいで」


( ^ω^)「ジョルジュも、シャキン先生も」








( ^ω^)「僕たちのせいで、地球は滅ぶかもしれない」


( ^ω^)「なら、その責任は」





「僕たちが、取らなくちゃならないのだろう」

( ^ω^)は望遠鏡で直接太陽を見てしまったようです 第一話 完

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:59:10.65 ID:wc3HgYVI0
我ながら酷い締め方だと思うけど、今はもうむりぽ

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 18:17:08.81 ID:wc3HgYVI0
ジョルジュ途中で死ぬしジョルジュが望遠鏡で〜ってのはちょっとどうかなと思ったんだ
( ^ω^)達が〜の方がよかったと途中で気付いた

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