第一話
- 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:01:21.19 ID:wc3HgYVI0
- それはある日のお昼休みのこと。
VIP小学校では名の通ったワルガキ4人衆は、今は理科室にいました。
( ・∀・)「あれれー? 教室一番乗りはいいけど鍵がかかってるぞー?」
( ゚∀゚)「あ! 鍵が教室の中に入ってるぞ! これじゃ教室に入れない!」
( ^ω^)「せんせー、教室の鍵が封印されたんでマスターキー貸してくださいだお」
( ゚∀゚)「マスターキー入手、ド田舎だからって無用心すぎるだろこの学校。よし、いけ」
('A`)「あいよ」
( ・∀・)「窓が開いてるのに気付かないなんてな」
( ^ω^)「中から鍵を閉めた後 ??ランダへ出て、そこから屋根づたいに手洗い場の窓まで戻ってくる……大変だったお」
こんな彼らもピッカピカの小学3年生である。
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:10:31.28 ID:wc3HgYVI0
- ( ^ω^)「時は流れ昼休み……理科室潜入ミッション成功だお」
('A`)「すげー。顕微鏡とか虫眼鏡とかガスバーナーとかいろいろあるぞ」
( ・∀・)「虫眼鏡はこの前授業で使っただろ?」
( ゚∀゚)「なんでぇ、そんなつまんねーもんしかねーのかよ。もっといろいろあると思ったんだけどな」
( ・∀・)「マッチとかガスバーナーとか使ってみるか?」
('A`)「算数32点のテストを燃やすんだな」
(♯゚∀゚)「あぁ?」
('A`)「誰もお前のことだとは言ってないが」
(;^ω^)「おっおっ、ケンカはやめるお! ってか火は危ないお! やめるお!」
( ・∀・)「それもそーだよなー……火災報知器とかが発動したら困るし」
('A`)「お? あれって望遠鏡じゃね?」
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:17:01.05 ID:wc3HgYVI0
- ドクオの指差す方向にあったもの。それはどこからどう見ても望遠鏡だった。
( ^ω^)「これって星とか月を見るものだおね? すごいお! ロマンチックだお!」
('A`)「望遠鏡程度でそこまではしゃげるとは、子供なお前がうらやましいよ」
( ・∀・)「小学校の授業で望遠鏡使うようなことってあったかな……」
('A`)「さすが秀才様は目のつけどころが違いますねはいはい」
( ゚∀゚)「望遠鏡……か」
( ・∀・)「月でも見てみるか? 今は昼だけど月はでてるし」
( ^ω^)「おっ、お月様って夜じゃなくても見えるものなのかお?」
( ・∀・)「ああ。ちなみになんで見えるかって言うと……」
('A`)「エロ本とか隠してないかなあのエロジジイ。授業中でも平気でレベルの高い下ネタ使うからな……小3相手に」
( ゚∀゚)「…………」
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:21:43.64 ID:wc3HgYVI0
- (;^ω^)「おっ……結構重いおこれ。ずっと持ってるのは結構しんどいお」
( ・∀・)「乗せる台がないな……窓に乗せて見てみようぜ」
(;'A`)「か……浣腸器……だと……? なぜ理科室の棚にこんなものが」
( ゚∀゚)「よし、おまえら! 今から勇気試しするぞ!」
( ・∀・)「は?」
( ^ω^)「お?」
('A`)「犬猫怖いで手拍子パーンのあれか?」
( ゚∀゚)「なんでそんな考えが出てくんだよ!」
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:25:08.03 ID:wc3HgYVI0
-
( ゚∀゚)「この望遠鏡で、太陽を見るんだ」
( ・∀・)「バカかお前。勇気とかそういう問題じゃねーよ」
( ^ω^)「そうだお、望遠鏡で太陽を見たら……どうなるんだっけ」
('A`)「そーだそーだ、目が潰れるぞ」
( ゚∀゚)「大丈夫大丈夫、一瞬だけなら目が潰れることはねーだろ」
( ・∀・)「やっぱバカだおこいつ」
( ^ω^)「真似しないでほしいお。でも確かに危ないお」
('A`)「一人でやってろだお」
( ^ω^)「おいばかやめろ」
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:31:16.09 ID:wc3HgYVI0
- ( ゚∀゚)「え? おまえら逃げるのか?」
('A`)「カチン」
( ゚∀゚)「別にいいんだぜー、逃げても。いいっていいって、おまえらが腰抜けなのは前から知ってたからよ」
(♯'A`)「カッチンコーン」
( ・∀・)「バカが2人」
(;^ω^)「おー、ドクオ。やめるお。危ないお」
('A`)「離せブーン。男は舐められたら終わりなんだよ。臆病な男は女にもてねぇ」
( ・∀・)「そうなの?」
('A`)「イケメン死ねよ」
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:35:08.05 ID:wc3HgYVI0
- ( ^ω^)「ドクオ落ち着くお」
( ・∀・)「ブーンも結構あれだよね。ツンちゃんとかブーンにベタ惚れしてるし」
('A`)「ブーン……俺を売ったのか! 裏切ったのか!」
(*^ω^)「おっ、違うお、ってかモララーそれって本当なのかお? 別に僕はその」
('A`)「こぉの裏切りものおおおおおおおおおお」
ξ゚听)ξ「なにやってるのよ、あんたたち……」
( ・∀・)「お、噂をすればなんとやらだな」
(*^ω^)「ツ、ツツツツツン!?」
('A`)「てめぇが生き残るためにはあらゆる手を使うということか……汚いさすがブーン汚い ?
( ^ω^)「ドクオ……」
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:40:25.81 ID:wc3HgYVI0
-
ξ゚听)ξ「勝手に理科室に入ったりして! 望遠鏡なんかで遊ぶのがそんなに楽しいの!?」
( ゚∀゚)「おーおー、さすが学級委員様はまじめですこと」
ξ♯゚听)ξ「ふざけないで!」
(;^ω^)「お、ツン、ジョルジュ、やめるお。その……ごめんだお」
ξ゚听)ξ「ブーンまでいったいなにやってるのよ全く!」
(;^ω^)「おー……」
スッ
('A`( ^ω^)(ちょっとは反抗して見るのも手だ。不良ってのもかっこいいぜ?)
( ^ω^)
( ^ω^)
( ^ω^)
( ^ω^)「おっ! ツンにはかんけー?-ーことだお!」
ξ゚听)ξ「ぶ、ブーン?」
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:44:55.71 ID:wc3HgYVI0
-
( ^ω^)「へっ! 俺達はこれから、この望遠鏡で太陽を見てやるのさ!」
( ・∀・)「バカが3人。豊作だ」
ξ゚听)ξ「そ、そんな……な、なんて恐ろしいことを!」
( ・∀・)「4人だったか……」
( ^ω^)「さあ! ジョルジュ! ドクオ! やるお!」
('A`)「憎みきれなかった……お前を」
( ゚∀゚)「さすがブーンだ。モララーなんかとは大違いだな」
( ・∀・)「さすがに止めた方がいいか? リアルに危ないぞそれは」
('A`)「リアルに(笑)。リア充様の高貴なお言葉は卑しい卑しい私めには理解しがと??ございます」
( ・∀・)「もうだめだこいつ」
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:51:29.61 ID:wc3HgYVI0
-
ξ゚听)ξ「ちょっ、やめなさいブーン! 危ないわよ!」
('A`)「心配するのはブーンだけ……やっぱブサメンのことを思ってくれる美女なんていないんだな」
( ^ω^)「やってやるお!」
('A`)「なあ、ブーン」
( -ω-)「お? なんだお?」
(♯゚∀゚)「てめぇ目ぇつぶってんじゃねーか!」
( ^ω^)「おおおおおおっ!!!」
ジョルジュに蹴り飛ばされたブーンは地面を転がり、机にぶち当たって止まる。
ブーンが落とした望遠鏡を拾い上げるジョルジュ。
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:57:10.12 ID:wc3HgYVI0
-
( ゚∀゚)「どいつもこいつも腰抜けばかり……勇気試しってのはな」
望遠鏡を、右目に密着させて
(♯゚∀゚)「こうやるんだよぉぉぉ!」
太陽を、見た。
(;'A`)「ジョルジュ! ジョルジュ!」
(;・∀・)「バカ野郎! 目が潰れるぞ!」
(;^ω^)「ジョルジューッ!」
友のために、体を震わせて叫ぶ3人に対し。
ジョルジュの体は、微動だにしない。
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 15:59:39.30 ID:wc3HgYVI0
-
( ∀ )
(;^ω^)「ジョ、ジョルジュ?」
( ∀ )「……………う……………」
(;'A`)「ジョルジュ!?」
( ∀ )「………う……う、……うぅぉおえ……」
( ∀ )「うぅぅうぅぅうううあああああああああああああああああああ!!!!」
(♯・∀・)「ジョルジュ―――ッ!!」
(♯^ω^)「ジョルジュ! 望遠鏡を捨て……いや目をつぶるんだお!」
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:04:18.50 ID:wc3HgYVI0
- 友のために、全力で走る2人に対し
一歩も動かずに、「恐怖」を見る者が1人。
(;'A`)(な、なんなんだ………? ジョルジュのやつ………目が………真っ赤………)
実際に見たジョルジュは、全てを理解していた。
望遠鏡で直接太陽を見ることが、何故禁止されているのかを。
( ∀ )(ああ……もう、俺は助からないな……)
( ∀ )(俺の中に、入り込んでくる、これは……)
( ∀ )(もう……止められない)
( ∀ )(ブーン、ドクオ、モララー)
( ∀ )(地球は、終わりだ)
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:08:37.98 ID:wc3HgYVI0
- ( ∀ )「がああああああああああぁぁぁぁあぁああああああああああああ」
(;・∀・)「おっ、おい……ジョル……ジュ」
(;^ω^)「な……なにが」
理科の時間ずっと(授業時間45分に対し40分)眠っているブーンでも、事態の異常さは理解できた。
ジョルジュの肉は、まるで内側から盛り上がるかのように膨れ上がり
耐え切れずに裂けてしまった部分から、絶え間なく血が噴き出ている。
充血とは違う、もっと違う何かによって、眼は真っ赤に染まり、
口から泡を吹きながら、ガタガタと情けなく震えている。
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:12:11.86 ID:wc3HgYVI0
-
( ∀ )(見て………しまった)
( ∀ )(あれは、あれは、あれは……悪魔だ)
太陽と自らの目。この2つが望遠鏡によって繋がれた時、ジョルジュは見たのだ。
オレンジ色の炎の中を泳ぐ、悪魔を。
黒点の中を暴れまわる、悪魔たちの姿を。
その悪魔達が、一斉にこちらを見たのを、見てしまったのだ。
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:14:59.85 ID:wc3HgYVI0
-
望遠鏡によって繋がった、太陽から地球までの道。
我先にと押し寄せる悪魔の大群が見えているのに、ジョルジュは動くことができなかった。
そして、悪魔の1匹が、眼から自分の中に入り込んだのを、見てしまった。
望遠鏡という、細すぎる道と
ジョルジュという、小さすぎる扉のせいで
こちらへ来るのは、1匹が限界だったが
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:19:16.89 ID:wc3HgYVI0
-
( ∀ )「ああああああああああああああああああああああああ」
ジョルジュの肉体は、完全に裂け
骨は新鮮な酸素に直接触れた
床に転がった、歯や、耳の残骸が
ごく普通の小学校の、ごく普通の理科室を、異空間へと染め上げる。
ξ;凵G)ξ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
(;^ω^)「ツン! 見ちゃダメだお!」
(;'A`)「ジョル…………いや、一体、何が?」
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:23:16.93 ID:wc3HgYVI0
- クトゥルフって丸い部屋とかそういうやつだよね?
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:26:34.42 ID:wc3HgYVI0
-
望遠鏡と繋がっていた右眼が潰れて
血と硝子体が飛散すると同時に
悪魔は、姿を現した
(;・∀・)「……ジョルジュじゃ、ない」
(*゚∀゚)
(;A;)「だ……だれ……」
(*゚∀゚)アヒャ
ジョルジュの血と肉片が散乱する床に、悪魔は静かに立っていた。
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:35:24.84 ID:wc3HgYVI0
- (;^ω^)
(;・∀・)
(;A;)
ξ;凵G)ξ
(*゚∀゚)
異常な空気と血の匂いに満たされた理科室を、沈黙が支配する。
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:40:25.49 ID:wc3HgYVI0
- (*゚∀゚)「太陽系って」
(;^ω^)――ーそ
(;・∀・)そ
静寂を破ったのは悪魔の方だった。
(*゚∀゚)「まだ、生物いたんだね」
(;・∀・)「どういう……意味……」
恐怖でうまく声が出せないモララーは、とぎれとぎれながらに言う。
(;・∀・)「いったい……おまえ、は……」
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:46:18.24 ID:wc3HgYVI0
- クラス1の秀才であるモララーは、どうにかして悪魔とのコミュニケーションを取ろうとしている。
今にも泣き崩れてしまいそうなツンを、ブーンは必死で支えている。
この空気に耐えられない者が1人いた。
(;A;)「あ………あぁあ………」
(;A;)「あぁああああぁぁぁああぁ」
緊張の糸が、ぷっつり切れてしまったドクオ。
泣き喚きながら、出口へと走り出す。
(;^ω^)「――――ッ! ドクオォッ!」
(*゚∀゚)
ただ、手を振っただけだった。
ゆっくりと、走り出したドクオの方を向きもせず、手を振 ?£ただけだった。
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:50:59.23 ID:wc3HgYVI0
- 理科室のドアは消え去った。
(;A;)
今まさにドアに手を掛けようとしていたドクオは
一瞬の出来事に、何もできずへたりこむ。
(;^ω^)「溶け、た……溶けた、のかお?」
(;・∀・)「いや、でも……まったく……」
まったく跡が残ってない
その言葉を飲み込んで、モララーは叫んだ。
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:51:58.17 ID:wc3HgYVI0
-
逃 げ ろ
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 16:58:16.51 ID:wc3HgYVI0
- いち早く地面を蹴ったモララーはしばらく走ったあと、ドクオのことを思い出す。
(;・∀・)「おいドクオ! 早くここから逃げるぞ!」
(;A;)「あっ、あっ、うあぅっ、あっ」
(♯・∀・)「―――――!」
( ^ω^)「ドクオは僕が! 早く行くお!
4人の中で(今は3人となってしまったが)一番体格のいいブーンは、ツンを左肩に抱えて走ってくる。
( ・∀・)「でも……」
( ^ω^)「僕なら大丈夫だお! 力仕事は得意だし、それに」
「僕はバカだから、こういうときしか役に立てないんだお」
- 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:05:06.42 ID:wc3HgYVI0
- ( ・∀・)「――――っ」
思えば、ジョルジュと自分は、ブーンにはいつもバカだとかデブだとか言っていたかもしれない。
実際、そんなに深い意味はないし、友達同士だからこそ言える、一種の冗談のようなものとして言ってきた。
でも、クラス1勉強ができて、細身で運動も出来る自分の言葉を、ブーンはどうとらえていたんだろう。
今さらのようにモララーは思う。
( ・∀・)「………わかった! 早く来いよ!」
そう言い残して、ドアがなくなってスッキリした出口から飛び出すモララー。
ξ;凵G)ξ「うっ、ぶ、ブーン、お願い、助けて ?
( ^ω^)「わかってるお、君も、ドクオも、必ず助けるお!」
- 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:08:25.86 ID:wc3HgYVI0
-
(*゚∀゚)「なんなんだろ、これ」
悪魔が、手を
(;A;)「う、えぐっ、はぁっ、うぐ、はぅっ」
( `ω´)「ドクオオオオオオオオオ!」
振る
机が1つ、消え去った。
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:15:59.00 ID:wc3HgYVI0
- (*゚∀゚)「…………」
( ^ω^)「ふ、ふぅ……危なかったお」
間一髪だったが、ドクオはブーンの右手に納まっていた。
( ^ω^)「ドクオ、落ち着いて。ゆっくり息を吸うんだお」
(;A;)「はあ、はあ、はあ、はあ」
( ^ω^)(さすがに、結構……重いお……でも……逃げなきゃ)
すぐさま理科室をでて、走り始めるブーン。
モララーと合流しなくては、しかしこのままでは他の皆を巻き込んでしまう、どうすれば
ブーンの脳裏にさまざまなことが浮かんだが、そんな思考は一瞬で吹き飛ばされた。
(*゚∀゚)「はぁ」
悪魔が、目の前にいた
- 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:26:38.75 ID:wc3HgYVI0
- (;^ω^)「――――――!」
(*゚∀゚)「太陽系に、生物がいちゃいけないんだよ」
(♯・∀・(*゚∀゚)o彡「じゃ、バイバイ」
(♯・∀・)「おらあああああああああああ!」
(*゚∀゚)そ「!? くぅっ」
突如、悪魔の背後から差し棒を持ったモララーが現れた。
3本の差し棒を1本にまとめ、強度を高めている。
そしてその差し棒を、悪魔の右腕にたたき付けた。
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:35:50.93 ID:wc3HgYVI0
- ( ・∀・)「逃げるぞブーン!」
( ^ω^)「ありがとうだお、モララー!」
とは言え、差し棒を持った小学3年生の力なんてたかが知れていて
(*゚∀゚)「そんなにうれしそうに言われても困るな」
( ・∀・)「くっ!」
すぐに回り込まれてしまう。
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャヒャ!」
「こいつらむかつく」
ボウッ
悪魔が手のひらを広げると同時に、巨大な火の玉が現れる。
(;^ω^)「な、なんだお!?」
(;・∀・)「メラゾーマってやつか……?」
(*゚∀゚)「死んで♪」
- 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:39:46.29 ID:wc3HgYVI0
-
(*゚∀゚)「死んで♪」
火の玉はどんどん大きく、赤くなっていく。
その時――――
(`・ω・´)「コラコラコラ! 何をしとるかお前ら!」
理科教師、シャキンが現れた。
(`・ω・´)「嫌な予感がすると思えば、またお前らか! わしの理科室に忍び込みおって……」
(`・ω・´)「? ところで、あの変な格好をした人は一体?」
(*゚∀゚)「なんか増えたー? でもまあいいや。どうせこの星の生物全部殺すんだし。死んで」
バランスボールを悠々越える大きさになった火の玉は、悪魔の手を離れ―――
( ^ω^)「こっち ?≪飛んでくるお!」
( ・∀・)「伏せろぉぉぉぉぉぉぉ」
- 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:41:51.66 ID:wc3HgYVI0
-
ズドォン
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:46:04.23 ID:wc3HgYVI0
- 床が、壁が、天井が、真っ黒に染まり。
焦げ臭い匂いとともに、煙をもくもくと放っている。
一部分だけ火事にあったような状況の廊下で、立っているのはただ1人――人と言っていいのかはわからないが。
(*゚∀゚)「あれま。この星の生物は弱いっぽいしなあ、ちょっとやりすぎたかも」
もはや灰と化したシャキンの遺体を蹴り飛ばし、悪魔は1人つぶやく。
(*゚∀゚)「この程度の熱で……だらしないなぁ。しっかしここは寒いねぇ」
身震いしながら、あたりを見回す悪魔。
(*゚∀゚)「しっかし……おっかしいなぁ、灰が1つしかない」
たしか3匹いたはずだが、と悪魔は思う。
(*゚∀゚)「……煙にまぎれて……?」
- 89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:51:48.93 ID:wc3HgYVI0
- (*゚∀゚)「…………まっ、いっか」
(*゚∀゚)「きっと、この星の生物はあいつらだけじゃないだろうし」
(*゚∀゚)「まずは、そっちから殺しにいくかなー♪」
( ^ω^)「う……ううっ」
( ^ω^)「ここは、一体……どこだお」
あたりを見回して、しばらく考えるブーン。
( ^ω^)「………一階………」
そうだ。あの時僕は、階段から飛んだんだった。
いや――吹き飛ばされた、と言ったほうが正しいか。ブーンは1人思う。
- 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:55:18.87 ID:wc3HgYVI0
- 悪魔が火の玉を構えた時に、近くに階段があることに気付いたモララーが、なんのためらいもなくここ二階から飛び降りたのだ。
それを見て、自分も飛ぼうとしたのだが……間に合わず、爆風に巻き込まれた。
( ^ω^)「シャキン先生が、現れたから……」
シャキン先生が突然現れたから、悪魔の注意はそちらに向いた。
だからモララーは飛ぶことができたし、僕も逃げることができた。
でも、シャキン先生は、きっと――――
( ^ω^)「…………」
- 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:56:50.56 ID:wc3HgYVI0
-
( ^ω^)「なんにせよ、僕たちが軽はずみな行動を取ったせいで、こんなことになったのは確かなんだお」
( ^ω^)「僕たちが、あんなことをしたせいで」
( ^ω^)「ジョルジュも、シャキン先生も」
( ^ω^)「僕たちのせいで、地球は滅ぶかもしれない」
( ^ω^)「なら、その責任は」
「僕たちが、取らなくちゃならないのだろう」
( ^ω^)は望遠鏡で直接太陽を見てしまったようです 第一話 完
- 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 17:59:10.65 ID:wc3HgYVI0
- 我ながら酷い締め方だと思うけど、今はもうむりぽ
- 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/01(日) 18:17:08.81 ID:wc3HgYVI0
- ジョルジュ途中で死ぬしジョルジュが望遠鏡で〜ってのはちょっとどうかなと思ったんだ
( ^ω^)達が〜の方がよかったと途中で気付いた