内藤エスカルゴ - 現行作品一覧 - †吸血鬼ハンター川 ゚ -゚)のようです - スレ1
†吸血鬼ハンター川 ゚ -゚)のようです
1 名前:作者 ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:08:09.88 ID:VCfki1490
※注意書き
このブーン系小説「†吸血鬼ハンター川 ゚ -゚)のようです」は原作「吸血鬼ハンターD 妖殺行」を元にして書いています。
映画版と小説版の両方を参考にしながら書いていきますが、参考というか、もうそのまんまの部分が多々あります。
この小説を書いたのは、私が原作の吸血鬼ハンターシリーズの大ファンだからで、
もっとこの作品を知らない人に読んで欲しいと思い布教活動をしたくなったからです。
もし私の小説を読んで面白いと感じてくれたならば、原作シリーズを読んでみてください。
面白いと感じなくても読んでみてください。
映画版の「バンパイアハンターD 妖殺行」も素晴らしい神映画です。
一度観てみることをオススメします。多分DVDがレンタルされていないので、購入するしか観るすべがないのが残念ですが・・・
あと、この作品のクーは「男」です。
クーが男とかマジ許せん!氏ね!という人は読まないほうがいいです・・・。
努力してオリジナルの展開を入れていくつもりですが、上記を踏まえて読んでいただけると幸いです。

2 名前:第一話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:09:27.76 ID:VCfki1490
――西暦12090年
   遥か遠い未来。
   貴族の支配の時代は終わり、人類は再び地球の支配者として君臨した。
   しかし、今なお生き延び、人々の生き血を吸う貴族―吸血鬼―の存在に、人々は脅えていた。
  
   並の武器では傷すらつけることはできず、闇の術を用い、高度な機械を使いこなす恐るべき存在―
   人々の恐怖はその貴族に対抗できる存在の誕生を促した。
   人ならざる技量を持ち、貴族に対抗できる術と技を持つ者たち―それが吸血鬼ハンターである。
   その中でも、貴族と人間の混血であるダンピールは、理想の吸血鬼ハンターとして使命を託された。


†吸血鬼ハンター川 ゚ -゚)のようです

3 名前:第一話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:11:13.25 ID:VCfki1490
「第一話 伝説の吸血鬼ハンター」

 巨大な満月が空に浮かんでいた。
 美しくも何か魔性を感じさせるその月は、地上に存在する小さな町を照らしていた。
 
 近代的な部分はあるものの、レンガ造りで、
 どこか中世のヨーロッパを連想させるその町並みには、人の影すら見当たらなかった。
 日中は人々が行き交うこの大通りも、この時刻になると深い霧と静寂につつまれていた。
 
 その静寂は彼方から聞こえてくる蹄の音に破られた。
 霧の中、黒い馬四頭に引かれた漆黒の馬車が、大通りを駆けていく。
 
 異様な威圧感を纏ったその漆黒の馬車が駆けると、街頭の光は消え、
 昼間は人々の憩いの場となるであろう噴水の水は凍り、
 道端に植えてあった草花は腐っていく。
 
 瘴気を撒き散らしながら、馬車は駆ける。
 町一番の大きな屋敷の前まで行くと、馬車は止まった。


†††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††


白いドレスを身に纏った、長髪の美しい女性がベッドに横たわっていた。
 彼女の部屋は豪華とは言えないものの、窓際に置いたバラの花や、彼女の纏ったドレス、家具などから、
 それなりの身分の女性であると判断できる。 

ζ(゚―゚*ζ「・・・」

4 名前:第一話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:12:35.78 ID:VCfki1490
 彼女は眠っていなかった。
 どこか儚く不安げなその表情は、なぜか後ろめたさを感じさせた。
 
 窓の鍵がひとりでにはずれ、窓が音をたててゆっくりと開く。
 風が部屋に流れ込む。
 窓際に置いてあったバラの花は、瘴気を受けたように腐り果てた。
 部屋の鏡が音を立ててひび割れ、直後窓が勢いよく開かれた。

ζ(゚―゚*ζ「!?」

 その音と窓から勢いよく吹き込んでくる風に、女性は驚き身を起こした。
 
 窓の外には、いた―逆さに釣り下がった姿の何者かが。
 そいつは蝙蝠の羽のように漆黒のマントを開き、部屋に飛び込み、女性を抱きかかえた後、部屋の外へと消え去った。
 誰もいない部屋のカーテンがむなしく風にはためく。
 
 女性が連れ去られた時、鏡に映っていたのは、力なくうなだれ、なすがままに連れ去られた女性の姿だけだった。


†††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††




5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 21:13:37.52 ID:J8sCho810
塩沢兼人支援

6 名前:第一話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:14:02.04 ID:VCfki1490
町の長、ロマネスク=エルバーンの屋敷の、日差しが差し込む大きな窓がある客間。
 座り心地の良さそうなソファが幾つか置いてあり、今は季節外れの暖炉があった。
 そこに五人の男女がいた。
 一人がけのソファに座る男の前で、

( ゚Д゚)「・・・なるほどねえ」

 立ちながら、ガタイの良い、黒髪単発の緑のバトルスーツを着た浅黒い肌の男が呟く。
 野獣のような目つきとその逞しい体からは百戦錬磨の風格が漂っている。 
 椅子に座っているのはシャツを着た男一人だけだ。
 椅子に座っている男はこの屋敷の人間だろうか。
 他の男女四人は立ちながら話をしている。

( ゚Д゚)「報酬は一千万ダラスか。流石、エルバーン家だ。羽振りが良いな」

 その呟きに、金髪で、全身赤のバトルスーツに身を包んだ、筋肉質な女が応えた。 

ξ゚听)ξ「ま、辺境一の吸血鬼ハンターと言われる私たちへの報酬だもんね。
      法外な値段かと思うかもしれないけど、それぐらいが妥当なのよ」
 
 身長は女性にしては高いほうだろうか。
 女性ながら引き締まった無駄な贅肉のない体は、平和な世界に生きる女性ではないことを知覚させる。 

( ・∀・)「いやいや、この規模の町の町長なら一千万ダラスくらい安いもんだろ。
     あー金持ちってケチばっかで嫌になるねえ」

 赤い長髪で、赤のバトルスーツを着ている。
 小柄で、浅黒い肌の男ほどの太さはないが、細くも筋肉質な体つきをしている。
 
(#’e’)「・・・」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 21:15:15.74 ID:ViT5ybIsO
支援させてもらおうか

8 名前:第一話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:15:20.18 ID:VCfki1490
(#’e’)(むかつくやつらだ。早いとこ支度金を受け取って出ていってくれないだろうか)
 
(´・ω・`)「やめろよギコ兄さん、ツン、モララー。肉親を貴族にさらわれたんだぞ。
      すみません、セントジョーンズさん、妹さんは必ず無事に帰して見せます」
  
 見上げるほどの巨体の、ハの字眉毛の男がなだめる。
 ハゲだ。
 動きは鈍そうだが、鉛弾を何発撃ち込んでも平気そうな体付きをしている。

(’e’)「妹を頼むぞ。君らの腕は超一流と聞いている。
     もちろん依頼を果たせなかったら報酬は払わん」

 こいつらはマーカス兄弟。
 辺境一と呼ばれる吸血鬼ハンターだ。
 
 彼らに狙われて生き延びた貴族は存在しないという。
 彼らについての黒い噂は絶えなく、その手口は残虐非道で、同業者にさえ牙を向き、
 依頼を共にしたハンターはみな無事では済まないという。
  
 こんなやつらでも腕は確かなのだ。
 デレを助け出すためには何を差し出しても惜しくない。
 妹を助け出すためには悪鬼とも手を組んでやろう。

(’e’)「依頼の説明は以上だ。すまないが、この後人に会う約束をしている。
     君たちには早急に依頼を解決してもらいたい」


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 21:16:26.35 ID:sPeOeggnO
様子見支援

10 名前:第一話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:16:49.57 ID:VCfki1490
( ゚Д゚)「へいへい、わかりゃしたよ。とっととその貴族をぶっ殺してきますよ。
    あーあ、俺たちみたいなならずものはどこへいってもこういう扱いなんだよなあ」

 浅黒い肌の男が、背中を向けたまま右手をひらひらさせ、不満を言いながら、マーカス兄弟は部屋を出ようとする。
 
(’e’)「そうだ、一つ言い忘れたことがある。これから会う人物も君たちと同業だ。
     彼にも依頼をするつもりだ。報酬は妹を助け出してくれたほうにしか払わん」

 足をピタリと止め、浅黒い肌の男が振り返りセントジョーンズを睨み付ける。

( ゚Д゚)「んだと?俺たちだけじゃ不満だっていうのかい?」
 
( ・∀・)「ほらみろよツン。金持ちっていうのはこういう連中ばっかりなのさ。
     俺たちのことを知っててほかの同業者に依頼するんだぜ。
     その同業者がどうなろうと知ったこっちゃないんだ。
     自分たちだけのことしか考えちゃいない」 

ξ゚听)ξ「ほんとだわ。まぁ心配しなくても報酬は私たちが貰うことになるだろうけどね」

(´・ω・`)「だからやめなって・・・こんなんだから僕たちお茶も出してもらえないんだよ。
      だいたい、僕なんかは体が大きいから座れないけど、君たちは座らせてもらって話を聞けたじゃないか。
      普段から横柄な態度だからまともに客として扱ってもらえないんだぞ。
      いつもいってるけど人と接するときは・・・」

 浅黒い肌の男が、ハノ字眉毛でハゲの男をやれやれといった感じで横目で見る。

( ゚Д゚)(やれやれ・・・またショボンのやつ説教始めやがった。めんどくせえ)

( ゚Д゚)「んで、誰なんだその同業者ってのは。ここらで腕がたつのはアドルフの野郎か?
     それともロナルドか?あぁ、あいつはこの前ヘマやらかして右腕と右足がなくなっちまったんだっけ」

11 名前:第一話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:18:25.86 ID:VCfki1490
(’e’)「その男の名前はクーという」

( ゚Д゚)(´・ω・`)ξ゚听)ξ( ・∀・)「!?」

 クーという名前を聞いた一瞬、マーカス兄弟が明らかに動揺の色を見せる。
 しかし、それは次の瞬間消えてなくなり、元の人を食ったような態度に戻る。
 
( ゚Д゚)「クーだと?なるほど、こいつはおもしれぇ。
     あの伝説のダンピールのハンターか。
     こりゃうかうかしてらんねえな。
     おいみんな、とっとと仕事に取り掛かろうぜ
     じゃあな依頼主さん、俺たちの報酬はちゃんと準備しといてくれよ」

ξ゚听)ξ「・・・わかったわ兄さん。行きましょうみんな」

( ・∀・)「あのダンピールのクーかぁ。実際大したことないと思うけどなぁ。
     だけど正直一千万ダラスはデカイし、さっさと片付けちゃおっか」

(´・ω・`)「今回の仕事は面白くなりそうだね。油断せずいこうね」

 それぞれが口々に言った後、マーカス兄弟は部屋をあとにした。



†††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††

12 名前:第一話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:19:53.90 ID:VCfki1490
(’e’)「・・・」

 やっとでていったか。鬼どもめ。
 デレにこんなことが起きなければ一生縁などなかったものを。
 正直関わりあいたくない連中だ。
 だいたい吸血鬼ハンターなどまともな人間には務まらん。
 畜生の道に落ちた修羅にしか無理なのだ。
 デレを返してもらったらさっさと報酬金を払って手を切ろう・・・
 しかし、問題はマーカス兄弟よりも次に会う約束をした男のほうだ。
 やつはダンピールだ。対応を間違えたら、皆殺しにされるかもしれん・・・
 

†††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††


 セントジョーンズがマーカス兄弟に依頼をした数刻後。
 セントジョーンズとその親、ロマネスク=エルバーンは町外れの廃教会にいた。
 
 教会の天井は崩れていて、日光が教会の中まで差し込んでいる。
 教会の中は荒れ果てており、床には崩れた天井の破片などが散乱し、
 いくつかの壊れかけた台と机と椅子、以前は信仰の偶像であった朽ち果てた像などがあるのみだ。
 一目見ただけでもはや教会としての役目を終えていると理解できる。 
 教会の外は砂漠となっており、夏の強い日差しが陽炎を作っていた。

13 名前:第一話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:21:12.19 ID:VCfki1490
 崩れた教会の二階に、銃で武装した男たちが十数人、これから来る客人を待ち構えている。
 強い日差しのせいか、それともほかの理由からだろうか―
 男たちの額には汗が滲んでおり、誰しも口を聞かず、重苦しい雰囲気であった。
 
 しばらくして、男たちが何かに気が付いた。
 遠くから、漆黒が歩いてくる。
 
 黒い馬に跨り、黒の鎧、黒のマント、黒の旅人帽、背中に黒の長剣を身に着けた男が―
 いや、本当に男なのだろうか。
 その顔立ちは中性的、美しく整えられた眉、鋭くも美しい目、スラリとした鼻、真一文字に結んだ口。
 
 彼の顔を見た芸術家はそのあまりの美しさに見とれ、その美しさを表現するために苦悩し、
 やがてそれは不可能だということに気づき絶望しその命を絶つだろう。
 黒の長髪のその男は、想像を絶する美貌で、男女問わず見る者を釘付けにする、全てを超越する美しさを持っていた。
 
(;∵)1(;∵)2(;∵)3「・・・」

 武装した男達は銃のスコープ越しにその美貌を目にし、
 一瞬は見とれたものの、やはり恐怖のほうが大きいのだろうか、
 緊張した表情で男に見つからないよう、照準を男に合わせ続ける。

川 ゚ -゚)「・・・」

 本能的に勝ち目はないであろうことは悟っていながらも、男達は震える手で狙い続ける。
 今目の前にいる存在は、いとも簡単に自分の生命を刈り取れる存在であることを知っているからだ。

 男は教会の前まで来ると、馬から降り、教会の入り口を開けた。

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 21:21:29.08 ID:sPeOeggnO
支援

15 名前:第一話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:22:28.21 ID:VCfki1490
 中にはセントジョーンズと、電動車椅子に乗ったままこちらを向かない男―ロマネスク=エルバーンがいた。
 セントジョーンズは男が来たことを知っていたのか―恐らく見張りの男達からの連絡だろうが―
 入ってきた男を睨み付けながら言った。 

(’e’)「よく来てくれた。私はセントジョーンズ=エルバーンだ。
 父に代わって私が事情を説明させてもらっ・・・」
 
 二階の男達が待機している場所から砂埃が落ちる。
 その場に気まずい沈黙と緊張が走る。
 ダンピールにはこの場にいる人間全てを殺すことなどいとも容易い。
 もしこれで男の機嫌を損ねでもしたら― 

(;’e’)(まずい、気づかれてしまったか・・・?)

(;’e’)「ッ・・・」  

川 ゚ -゚)「話を聞こう・・・」

(;-e-)「・・・」

 セントジョーンズは心の底から安堵した。
 まだ、命はある。
 依頼を聞く気もあるようだ。
 この男と接するにあたっては、一度のミスも許されない。
 なぜなら男はダンピールだからだ。

(’e’)「二日前の晩だ。屋敷の寝室から妹のデレの姿が消えた。
     そこの写真の娘だ」

16 名前:第一話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:23:51.93 ID:VCfki1490
ζ(゚―゚*ζ

 白黒の写真にはドレスを着た女性の姿が写っていた。
 
(’e’)「四頭立ての黒い馬車が北へ走り去るのを何人かが目撃している。
     貴族の馬車だ。デレはヴァンパイアにさらわれたのだ。
     私は二十人ほどの捜索隊を集め、それを追った・・・
     しかし、後一歩のところで、貴族の妨害にあった。
     捜索隊の馬の足は全て切断され、私たちは貴族を追う術を失った・・・
     不意をつかれさえしなければ・・・」

 貴族は人外の存在であり、理解できない技を使う。
 セントジョーンズらの捜索隊は、駆ける貴族の馬車を発見したものの、
 一瞬のうちに貴族の技により足止めされた。
 怪我人はいたものの、死亡者がでなかったのは幸いだった。
 
 セントジョーンズはクーの近くの机に皮の袋を投げた。
 中に入った金属質な物質が音を立てる。

(’e’)「五十万ダラスの支度金だ。妹を連れ戻してくれたら一千万ダラスの報酬金を払う。
     手に入れたければ早く行きたまえ。君以外にもハンターは雇った。
     先を越されるぞ」

川 ゚ -゚)「もう手遅れかもしれん」

 初めて聞いた呟くようなクーの声。
 セントジョーンズとクーの間の距離は近くない。
 警戒しているのだろうか、セントジョーンズはクーと距離をとって話をしている。

17 名前:第一話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:25:10.87 ID:VCfki1490
 しかし、彼がボソッと呟いたような声は、ハッキリこちらまで響いてきた。
 美しい、心を奮わせるような声だった。

(;’e’)「!?」

川 ゚ -゚)「娘のことだ。もうすでに、貴族の洗礼を受けていたとしたらどうする」

 貴族の洗礼とは、吸血鬼の口づけ―血を吸われ、夜の眷属の仲間入りをすることだ。
 クーは依頼主の肉親のデレが、既に貴族の手にかかっている可能性があることを指摘した。

 貴族にとって、吸血したいという欲求は人間でいう性欲にあたる。
 抑えきれぬ本能から来る強い衝動。
 そのため、貴族がさらった人間の娘に手をつけずにいる可能性は、低い。

(;’e’)「ッ・・・!その前に助けるんだ!そのための大金だ!」

( ФωФ)「落ち着けジョーンズ」

 電動車椅子に乗った年配の男が車椅子を回転させ、こちらに振り向く。
 今まで一切の言葉を発しなかったこの男こそ、エルバーン家の長、ロマネスク=エルバーンだ。

( ФωФ)「デレは私にとってかけがえのない大切な娘だ。
       誰に対しても優しく接する姿は、慈悲深い聖母さながらだった・・・
       どうか、力を貸してくれ。
       そして、もし娘を手にかけねばならないときは、苦しませぬよう・・・」

 父の言葉を聞いて、セントジョーンズは激昂した。

(;’e’)「バ、バカなっ!?デレを殺すためにあいつを雇うんですか!?

18 名前:第一話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:26:28.54 ID:VCfki1490
(;’e’)「バ、バカなっ!?デレを殺すためにあいつを雇うんですか!?
     冗談じゃない、ダンピールなんかに妹を!」

 彼はダンピールはけがらわしい存在だと思っている。
 呪われた吸血鬼の血を受け継いでいるからだ。
 それはセントジョーンズだけでなく、多くの人々がそう思っていることなのである。
 ロマネスクはセントジョーンズの顔を見ず、俯いている。

( ФωФ)「お前にできるかジョーンズ。
       吸血鬼に変わり果てたあの子を殺すことが」

(;’e’)「・・・」

( ФωФ)「わしらには・・・とても・・・」

 ロマネスクにセントジョーンズは何も言い返せなかった。
 ダンピールや人外とも言えるハンターに妹を殺されるのは許せぬ彼であったが、
 やはり自らの妹を手にかけることはできなかった。
 ロマネスクがセントジョーンズを直視できずに諭したのも、
 息子の気持ちを理解しているからだったのだ。
   
川 ゚ -゚)「報酬は二千万ダラス。それ以下では応じぬ。」

( )「ちょwwwおまwwwKYwwwwww」

(;’e’)「ッ・・・!貴様ぁっ!!」

(;’e’)(今なんか変な声が聞こえたような・・・気のせいか)

 セントジョーンズの怒号と共に、二階の男達が一斉に、クーに向けて音を立て銃を構える。

19 名前:第一話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:27:46.77 ID:VCfki1490
( ФωФ)「よさぬかっ!」

 ロマネスクの声に男達は一瞬動揺したのち、銃を下げる。
 
( ФωФ)「・・・約束しよう。二千万ダラスだ。
       娘を・・・呪われた運命から、救ってくれ・・・」

 川 ゚ -゚)「・・・」
 
 クーは無言のまま近くの机に歩み寄ると、セントジョーンズが投げてよこした支度金を手にとった。


第一話 終

20 名前:作者  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:29:11.58 ID:VCfki1490
投下する前から薄々感じていたのですが、
どう考えてもボリューム不足です。ありがとうございました。
続けて書き溜めの第二話投下します。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 21:30:06.31 ID:5baH/pdo0
何故だろう、凄く見にくい

22 名前:第二話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:31:00.85 ID:VCfki1490
「第二話 邂逅」

 エルバーン家の者から依頼を受けたクー。
 依頼の内容は、貴族にさらわれたエルバーン家の娘、デレを取り戻してくれというものであった。
 クーはデレをさらった貴族を追うべく、北へと向かっていた。

 クーの乗る黒馬はサイボーグ馬だ。
 生物である以上、普通の馬と同じく疲れもするが、
 機械で強化してあるだけあって、性能は普通の馬よりも優れている。
 サイボーグ馬にも等級があり、ランクが高い馬ほど値段も高くなるのだが、
 クーの乗るサイボーグ馬はいたって通常の性能、値段のサイボーグ馬である。

 しかし、クーの乗馬術は馬の性能を何倍、何十倍にも引き出すことができる。
 通常ならサイボーグ馬の体力を考慮して走れぬ距離も、クーならば馬を疲れさせず走り続けることができる。
 通常のペースより遥かに早いペースで、ひたすら貴族を追いかけ走り続けるクーに、
 どこからともなく話かけてきた声があった。

( )「しっかしお前さんもがめついねえww
    ってかあのタイミングで『二千万ダラスだ。それ以下では応じぬ』ってwww
    どんだけKYなんすかwwwセントジョーンズ涙目www」

川 ゚ -゚)「・・・」

 クーはその声に応えない。
 真っ直ぐ前を見たまま、黒馬を走らせる。
 クーの周りに人影は見当たらない。
 しかしその声はクーのすぐ近くから聞こえているようだ。

23 名前:第二話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:32:25.99 ID:VCfki1490
( )「そんなにお金貯めてどうすんの?wあ、風俗通いっすかw羨ましいぜww
    お前も男だもんなぁwあ、ダンピールって性欲なかったっけwサーセンwフヒヒwwww」

川 ゚ -゚)「黙れ」

( )「むぎゅっ!」

 謎の声が苦しげな声を発した後、それきり謎の声は聞こえなくなった。


†††††††††††††††††††††††††††††††††††††††


 辺境のとある町。
 エルバーン家が治める町より少し北に存在しているその町の深夜、誰しも寝静まった頃。

 巨大な装甲車が町に入ってきた。
 装甲車の至るところに十字架型のデザインが見られ、
 外装が傷だらけの装甲車は見ただけで乗る物がただものではないことを知覚させる。

 装甲車は町の中の井戸の前で停車した。
 その井戸には、飲んだくれがもたれ掛かって酔いつぶれている。

<ヽ`∀´>「・・・んあ?」

 男は装甲車が停車したのに気づき目を覚ました。
 装甲車の十字架型の覗き窓がついたドアが開く。
 直後、装甲車の中から浅黒い色の男の手がのび、飲んだくれの胸元を掴む。
 その手は片手で軽々と飲んだくれの体を持ち上げた。


24 名前:第二話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:33:41.35 ID:VCfki1490
<;ヽ`∀´>「ウェッ!?い、いきなり何をするニダ!
      ウリがなんかしたニダか!?謝罪と賠償を」
 
 装甲車の中から男の声が聞こえる。

( )「北へ向かう四頭立ての黒い馬車を見なかったか?」

<;ヽ`∀´>「ウ、ウリは何も知らないニダ!
       苦しいから早くその手をどけるニダ!」

( )「おかしいな・・・この町を通ったはずなんだが・・・」

 胸元を掴んでいる手と逆の空いた手で、飲んだくれの顔を鷲づかみにし、首元を確認する。
 首元には小さい二つの穴が空いていた。

<ヽ ∀ >「・・・ッゥゥウ」

 飲んだくれが浅黒い手を押し返していく。
 男の顔が徐々に露になる。
 男の目は真紅に染まり、その口には鋭く尖った犬歯が生えていた。
 貴族の洗礼を受けし者の顔であった。

<ヽ゜∀゜>「ゥウガァァゥゥゥ!!」

 飲んだくれは装甲車の中の男に飛びかかった。
 本能から来る吸血衝動。
 それはどんなものにも変え難い、究極のエクスタシー。
 乾きを癒すため、恍惚を得るため。
 飲んだくれは目の前の獲物の首筋に牙を向けた。

25 名前:第二話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:35:00.23 ID:VCfki1490
 が、その刹那。
 飲んだくれは右胸に突き刺さった矢と共に井戸の中へ落ちていった。
 装甲車の男は気づく。
 先ほどまでひと気がなかった町の、至るところから聞こえる足音とうめき声。
 
 この町の人々は全員、すでに人ならざる存在となっていた。
 夜の世界に生き、人の血を求めて徘徊する低級な吸血鬼達―
 だらしなく口から涎を垂らしながら、獲物を求め装甲車へと続々と集まってくる。
 
 町の人々が装甲車を取り囲む。
 その数、数十人―
 
 強靭な身体能力を持つ吸血鬼に取り囲れた状況となれば、普通の人間ならば死を覚悟し、神に祈りをささげるだろう。
 それは人々が彼らの獰猛さと強さを知っているからであり、
 非力な人類が彼らに対抗する手段がないことを知っているからである。
 
 装甲車の中の者たちが普通の人間ならば―
 絶体絶命の危機に陥ったと言えよう。

 直後、装甲車に取り付けられた照明が一斉に強烈な光を放つ。
 突然の強烈な光に町の人々は驚き、後ずさる。
 装甲車は急発進し、取り囲んだ町の人々を何人か跳ね飛ばしながら町の出口へ向け走り出す。

 一瞬怯んだものの、せっかくやってきた餌を逃しはしまいと町の人々は装甲車を追いかける。
 既に人にあらざるものである彼らは、強力な脚力を持ち、
 飛び跳ねるように―さながら、その姿はノミのよう―猛スピードで走る装甲車を追う。

 町の人々の何人かが、装甲車に追いついた。
 強靭な脚力で装甲車に飛び掛り、窓に嵌められた格子を手で破壊し、進入しようとする。
 彼らの手にかかれば、鉄の格子を引きちぎることなど容易い。 

26 名前:第二話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:36:36.61 ID:VCfki1490
 後少しで獲物に手が届くというところで、彼らは装甲車の中からの攻撃により死亡した。
 一人の顔が一部分を残し、球状にえぐれ吹き飛ぶ。
 違うものは、額に矢を生やし、装甲車から吹っ飛ばされる。
 また違うものは、その顔を真っ二つに切断される。
 装甲車の中の者たちにより、彼らは獲物を手にする直前で絶命していった。
 
 飛び掛る悪鬼達を滅ぼしながら、装甲車は走る。
 町の出口付近まで装甲車が差し掛かった時―
 装甲車の行方を上から突然降ってきた像が遮る。
 教会の屋根の上にある像が、縄で引き落とされ、道を塞いだのだ。
 町の人々が獲物を逃すまいと、あらかじめ準備しておいた罠だった。

( )「畜生ッ!」
 
 装甲車は像に突っ込まないよう、急ハンドルを切り、横滑りした後その場に停止する。
 装甲車は退路を絶たれた。
 装甲車のドアが開き中の者達がでてくる。
 彼らはエルバーン家の者の依頼を受け、吸血鬼討伐の任についたマーカス兄弟であった。
 彼らが装甲車から降りた場所は、教会の前、死者の安息の場所―墓地であった。
 面積の大きい墓地で、そこはなだらかな丘になっており、数え切れぬほどの墓標が目に入ってくる。
 
( ゚Д゚)「呆れたもんだ・・・町中の人間が吸血鬼にされちまってる」

( ・∀・)「仕方ないなぁ、成仏させてやろうよ」

(´・ω・`)「神のご加護を・・・」
 
 ―装甲車の中から声が聞こえる。
 その声は儚げで、弱弱しく、今にも消えてなくなってしまいそうな不安を掻き立てるような声だった。 

27 名前:第二話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:38:18.45 ID:VCfki1490
( ヽ´ω`)「ツン・・・」

 ベッドに横たわる生気のない顔の男が女に呼びかける。
 月明かりに照らされた男の顔はやせ細っており、健康というには抵抗がある外見をしていた。
 ベッドに横たわるその男こそ、マーカス兄弟の次男、ブーン=マーカスであった。
 彼は生まれつき病弱であり、外を長時間歩いたことはない。
 ベッドの上で身を起こすのが精一杯で、いつも兄弟に面倒を見てもらっていた。

ξ゚听)ξ「兄さんはそこでじっとしてて。心配ないわ、すぐ終わる」

 男は不安げで、悲しそうな表情をツンに向けながら無言で応える。 

 人にあらざる者達が丘の向こうから姿を現した。
 ゆっくりと丘のふもとにある装甲車に向かって歩いてくる。
 そのうち、一人が我慢できなくなったかのように駆け出した。
 それをきっかけに吸血鬼達は装甲車に向かって物凄いスピードで迫ってくる。
 彼らの表情は悪鬼そのものであった。
 涎を垂らし、餌となる人間の生き血を求め、その口を大きく開けながら―
 人としての面影は残っておらず、ただ目の前の餌に向かい全力で突っ走る。

( ゚Д゚)「おいでなすったぜ」

 浅黒い色の肌の男―ギコ=マーカスはボウガンを取り付けた右腕を上空に向けてかかげる。
 そのごつく大きい左手には、大量の矢が握られている。
 左手の矢をボウガンの弦にかけると、一本ずつ、次々と矢を上空へ向けて発射していった。
 その速さはまさに神業。
 女性の胴ほどもあるごつい手が、目にも留まらぬスピードで矢を発射していく。
 空から矢が降り注ぎ、装甲車へと向かって走る悪鬼達を次々と貫いていく。
 それはさながら、天が悪しき者達を葬るために降らせた銀の雨のようであった。

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 21:38:31.14 ID:sPeOeggnO
支援する

29 名前:第二話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:39:37.92 ID:VCfki1490
( ・∀・)「よっ、と」

 装甲車の上から男が軽やかに跳躍する。
 男が両手に持つ武器は十字架型の刃物である。
 真ん中が柄となっており、サイズが大きい手裏剣のようなデザインをしている。
 その武器を彼は器用に回転させながら、吸血鬼達を真っ二つにしていく。
 吸血鬼の、人間よりもはるかに優れたその動体視力でも、捉えられぬほどの素早い動き―
 男は踊るように吸血鬼達を真っ二つにしていった。
 距離が離れている吸血鬼にその武器を投げつけると、吸血鬼を切り裂いた後、武器は彼の手元へと舞い戻った。
 軽い笑みを浮かべた後、男は次の獲物へと飛び掛る。

(´・ω・`)「ふんぬっぅぅぅううおおおおぉぉぉぉ!!!!」
 
 巨漢が振り回すもの、それは巨大な金属製のハンマーだった。
 男の身長ほどもあるそれは、長さは二メートルほどだろうか―
 見ただけでわかる、何百キロもありそうなハンマーを男は軽々と振り回す。
 そのスピードは神速の域に達していた。
 まるで熟練した剣士が目にも留まらぬスピードで剣を振るうような動作を、彼はハンマーでやってのけた。
 その圧倒的な重量の前に、吸血鬼達はボロ切れのように吹き飛ばされていく。
 彼の一撃を貰った者は、全身の骨を砕かれ、さながら巨大なダンプカーと衝突したかのような有様となっていた。

 吸血鬼達を亡き者にしていく彼らの間を、満身創痍ながら―幸運にもすり抜けた一人の女性の吸血鬼が女に迫る。
 女は装甲車の周りを警戒していた。
 恐らく、中にいるブーンの護衛に当たっているのだろう。

ξ゚听)ξ「・・・」

30 名前:第二話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:41:32.81 ID:VCfki1490
 女性の吸血鬼の動きは緩慢で、まるで砂漠を彷徨う中、一杯の水を見つけたような、
 縋るような動きで女に迫る。その口を大きく開きながら―
 女は手にした巨大な重力銃―サッカーボールほどの大きさの銃口から、強力な衝撃弾を放つ―
 を目前まで迫った女性の吸血鬼の顔に向けた。
 女性には両手ですら扱うことが困難な巨大な重力銃を、女は片手で軽々と扱う。
 その重量も相当なものであるが、発射の際の反動は凄まじく、華奢な体つきのものなら簡単に肩が外れてしまうだろう。
 女は表情を変えることなく、引き金を引く。
 女の顔は返り血で濡れた。

 数分後、男性の吸血鬼が、仲間は全て倒され、残りは自分だけだと気づいたとき、男性の吸血鬼は全力で丘の上へと逃げ出した。
 人外の力を持つマーカス兄弟に、自分一人では勝てぬことを悟ったのである。
 男は凄まじいスピードで丘の上へ逃げ、その姿を消す。

( ゚Д゚)「逃がすわけには・・・」

 浅黒い肌の男が狙いすまし、弓を発射した。
 発射された弓は曲線を描きながら、丘の上のその奥、もはや視認できないところまで逃げた吸血鬼目掛け飛んでいく。
 その直後、矢が何かを貫いた音と、男性の断末魔の声が響く。
 男が放った矢は脅威の命中精度で遥か遠くの、すでに見えない所まで逃げていった男性の吸血鬼を貫いたのだ。

( ゚Д゚)「いかねぇよ」

 男は目を閉じ祈りをささげる。

( -Д-)「アーメン・・・」

 全ての吸血鬼を倒し、やれやれと浅黒い肌の男が思った直後―
 遠くから近づいてくる蹄の音に、マーカス兄弟全員が気づく。

31 名前:第二話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:42:50.79 ID:VCfki1490
( ・∀・)「新手か?」

 蹄の音は丘の向こう側から聞こえてくる。
 
( -Д-)「・・・」
 
 浅黒い肌の男は目を瞑り、音の主の位置を把握しようとする。
 段々と音がこちらへ近づき、丘の上へその音の主が姿を現そうとする直前―

( ゚Д゚)「そこだっ!」

 浅黒い肌の男は矢を発射した。
 先ほどの見えない位置の男性の吸血鬼に命中させた技である。
 矢は曲線を描き、物凄い速度で音の主の元目掛けて飛んでいく。

 音の主が丘の上に現れ、矢にその顔を貫かれた―
 はずだった。
 矢は主人の命令通りに飛んで行き、音の主の顔を正確に捉えたものの、その任務を達成することはできなかった。
 その音の主―クーは顔の前で、左手で矢を掴んでいた。
 突然の出来事に、黒馬が前脚を上げ、嘶く。
 クーの羽織った漆黒のマントが、はためく。

川 ゚ -゚)「・・・」
 
 クーは左手で掴んでいた矢を圧し折った。
 
 マーカス兄弟は矢が命中しなかったことと、クーの持つ異様な雰囲気―
 まるで絵画の中から抜け出してきたような、いや、それ以上の美しさ―
 に一瞬驚き、目を丸くした。

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 21:43:52.47 ID:0flrdr46O
物書きとしてこの文章はゆるせない…

33 名前:第二話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:44:08.96 ID:VCfki1490
 静寂を破ったのは、浅黒い肌の色の男の拍手だった。
 にやりとした笑みを浮かべ、クーを見る。 

( ゚Д゚)「いやいや、素晴らしい。
     あんたも同業者なんだろ?
     今の非礼は詫びるよ。
     俺はギコ。ギコ=マーカス。
     良かったらあんたの名前を聞かせてくれないか?」

川 ゚ -゚)「・・・クー」

 クーは呟くような声で名乗った。
 マーカス兄弟とクーの間は距離があったが、なぜかマーカス兄弟全員がクーの声をはっきりと聞き取ることができた。
 名乗るとすぐにクーは風のような速さで黒馬を走らせ、マーカス兄弟の前から消えた。

( ゚Д゚)「なるほどねぇ。あいつがクーか。
     凄ぇやつだな・・・」

 そう言いながらも、ギコはクーの凄みに圧倒された様子はない。
 むしろ、素晴らしい好敵手の存在に喜びを感じているかのようにさえ見える。

( ・∀・)「兄貴、感心してる場合じゃねえだろうがよー」

(´・ω・`)「そうだよ兄さん、あいつに先を越されちゃったら僕達は報酬金をもらえないんだよ?」

 ギコは先ほど放った矢を、吸血鬼の死体から回収しながら応える。

( ゚Д゚)「まぁそう焦るなって・・・お前達、三つ目リスと蛇鳥の話を知ってるか?」

( ・∀・)「なんだそりゃ?」

34 名前:第二話  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:45:21.80 ID:VCfki1490
( ゚Д゚)「夏の間、冬に向けて三つ目リスはせっせと餌を蓄える。
     蛇鳥はそれをじっと待つ。
     餌が集まったところで、蛇鳥は集めた餌ごと三つ目リスをたいらげちまうのさ・・・」

 一瞬の間の後、話を理解したのか、
 
(´・ω・`)「ウプッ・・・フフフ・・・アーッハッハ!」

 ショボンはモララーをその巨大な手で抱きかかえながら腹を抱えて笑う。

(´・ω・`)「そりゃあいいや!なぁモララー!」

( ;・∀・)「やめろってショボン!痛いし暑苦しい!ってかお前の笑いのツボおかしいだろ!」

ξ゚听)ξ「・・・」

 その様子を黙って見つめていた女は、装甲車に収納されている一輪バイクを取り出し、エンジンをかける。
 アクセルを吹かし、装甲車に収納されていたミサイルランチャーを片手に走り出した。

( ゚Д゚)「な?だから焦らずに、向こうに好きなようにやらせて、俺達は美味しいところだけを持っていけば・・・
     っておい?ツン!どこへ行くんだ?おーい!!」

 ツンはギコの問いかけに応えず、クーの後を追うように、丘の向こうへと消えていった―



第二話 終


35 名前:作者  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:49:00.12 ID:VCfki1490
投下終了です。
>>5 >>7 >>9 >>14 >>28
数々の支援ありがとうございました!

>>21
地の文の前にスペースを入れているのですが、反対にAAの前にスペースを入れたほうが見やすくなるかもしれませんね。
以後気をつけます。

>>32
すみません^^;
自分自身でも基礎がなってないと思います。
精進します。


36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 21:51:19.47 ID:0flrdr46O
>>35
もうちょっと文章力をあげてきてから来たほうがいいよ
その文章じゃブーン系では相手にされないから


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 21:55:13.57 ID:0flrdr46O
付け加えておくと
よくそんなんで投下できたな
でていけゆとり
わかったらチラシ裏で書けな
じゃあな

38 名前:作者  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:55:41.16 ID:VCfki1490
>>36
わかりました><
酷い文章で申し訳ないですが、めげずに頑張っていきたいと思います。
思いつきで書いたんですが、甘かったですね・・・
原作を熟読してレベルアップしてきます。

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 22:04:32.45 ID:C7S7Z2pBO
>>32
許せない までなら誰にでもいえるわけで

自分一人でブーン系では……って総意語って恥ずかしくないの?

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 22:06:32.75 ID:7WTeYHgp0
>>38
文章云々といってる奴はそこかしこのスレに
全く同じ言葉を書き込んでいる荒しだから気にすんな

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 22:08:27.99 ID:0flrdr46O
おまえらみたいな甘ちゃんゆとりが居るからブーン系は衰退したんだ
邪魔で糞なゆとりは徹底的に排除だ

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 22:12:45.87 ID:v1r5oH7mO
これはエスカルゴ行きだな

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 22:14:37.16 ID:C7S7Z2pBO
>>40
ありがとう。
書き込んでからそれに気づいて、反応したことに赤面した。

それでも一応、許せない理由とか改善の具体案が出てくるかと期待はしてたんだけど。
上見る限りただの構ってだな。

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 22:16:01.44 ID:0flrdr46O
>>42
>>42
>>42
>>42
>>42
>>42
>>42

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 22:19:38.82 ID:C7S7Z2pBO
煽るならもっとうまくやれよ。
使い古ししか引き出し無いのかよw

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 22:22:01.31 ID:v1r5oH7mO
これはあれかな?
原作は出来のいい方のOVAになった奴?

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 22:24:19.40 ID:7WTeYHgp0
>>45
厨ごときに構うな。
どうしても構いたいのなら、
その前に荒らしてるのがほっぺたふくらませた幼女だと考えて見ろ。
構う気がなくなるから。

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 22:25:45.63 ID:86DbzA60O
>>45
いや、コレは本当にアレな人なんじゃないか?

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 22:30:04.97 ID:ojka4YMRO
何か雰囲気アレだな

ところで題名の「改」ってどういうことだ?

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 22:30:20.74 ID:C7S7Z2pBO
ほっぺたふくらました幼女をからかう楽しさを知らないと見えるな

だんだんムキムキになって一生懸命反抗するんだけど、最後に言葉に詰まって泣く瞬間が可愛いのに

幼女かまわなくて何が変態か
ほっぺが膨らんでるなら指で押して
ξ゚3゚)ξぶふぅ
ってさせろよ

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 22:32:06.72 ID:ojka4YMRO
何か雰囲気アレだな

ところで題名の「改」って注意書きにあった通りの意味でいいのかな?

52 名前:作者  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 22:32:27.21 ID:VCfki1490
>>40
ありがとうございます。
ただ、私はブーン系小説は小説書いたことのない初心者にもオープンな、
間口の広い存在として捉えていて、多少文章力がなくても許されるだろうという、
甘い気持ちで投下してしまったのも事実です。
次回の投下までに、その次の投下ではもっと、質の高いものを提供できるよう頑張ります。

>>46
そうですね。
塩沢さんではなく田中さんがDの声を当てているほうです。

>>49
携帯の方は題名が文字化けして見えるかも知れません。
一応吸血鬼の前に十字架の、短剣符という記号を使っています。


53 名前:作者  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 22:35:45.63 ID:VCfki1490
二連続投稿すみません。

>>46
OVAではなく劇場で公開されてますよ。
ちなみに自分は日本語吹き替え版のDVDと、英語字幕版のVHS持ってます。

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 22:37:26.03 ID:UUIPVbRZ0
吸血鬼好きだがハンターD読んだことないからwktkしとく

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 22:40:24.77 ID:ojka4YMRO
>>52
うん、見えるよ

だから、アレは「改」って意味じゃないの?ってことです

56 名前:作者  ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 22:44:21.80 ID:VCfki1490
>>54
ありがとうございます。
原作の雰囲気、面白さを伝えられて、原作に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

>>55
改って意味ではないですね。
ただ単に装飾としてつけただけです。

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 22:48:57.12 ID:ojka4YMRO
>>56
そうか、わかった

まあ単にアレに「改」って意味があるから訊いただけ
深い意味はないです

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 22:51:13.38 ID:ojka4YMRO
おぅふ
よく見たら俺似たレス2回してるwww
スレ汚しすまんこ

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/20(水) 23:05:46.45 ID:sPeOeggnO
乙!

内藤エスカルゴ - 現行作品一覧 - †吸血鬼ハンター川 ゚ -゚)のようです - スレ1
inserted by FC2 system