- 1 名前:作者 ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:08:09.88 ID:VCfki1490
- ※注意書き
このブーン系小説「†吸血鬼ハンター川 ゚ -゚)のようです」は原作「吸血鬼ハンターD 妖殺行」を元にして書いています。
映画版と小説版の両方を参考にしながら書いていきますが、参考というか、もうそのまんまの部分が多々あります。
この小説を書いたのは、私が原作の吸血鬼ハンターシリーズの大ファンだからで、
もっとこの作品を知らない人に読んで欲しいと思い布教活動をしたくなったからです。
もし私の小説を読んで面白いと感じてくれたならば、原作シリーズを読んでみてください。
面白いと感じなくても読んでみてください。
映画版の「バンパイアハンターD 妖殺行」も素晴らしい神映画です。
一度観てみることをオススメします。多分DVDがレンタルされていないので、購入するしか観るすべがないのが残念ですが・・・
あと、この作品のクーは「男」です。
クーが男とかマジ許せん!氏ね!という人は読まないほうがいいです・・・。
努力してオリジナルの展開を入れていくつもりですが、上記を踏まえて読んでいただけると幸いです。
- 2 名前:第一話 ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:09:27.76 ID:VCfki1490
- ――西暦12090年
遥か遠い未来。
貴族の支配の時代は終わり、人類は再び地球の支配者として君臨した。
しかし、今なお生き延び、人々の生き血を吸う貴族―吸血鬼―の存在に、人々は脅えていた。
並の武器では傷すらつけることはできず、闇の術を用い、高度な機械を使いこなす恐るべき存在―
人々の恐怖はその貴族に対抗できる存在の誕生を促した。
人ならざる技量を持ち、貴族に対抗できる術と技を持つ者たち―それが吸血鬼ハンターである。
その中でも、貴族と人間の混血であるダンピールは、理想の吸血鬼ハンターとして使命を託された。
†吸血鬼ハンター川 ゚ -゚)のようです
- 3 名前:第一話 ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:11:13.25 ID:VCfki1490
- 「第一話 伝説の吸血鬼ハンター」
巨大な満月が空に浮かんでいた。
美しくも何か魔性を感じさせるその月は、地上に存在する小さな町を照らしていた。
近代的な部分はあるものの、レンガ造りで、
どこか中世のヨーロッパを連想させるその町並みには、人の影すら見当たらなかった。
日中は人々が行き交うこの大通りも、この時刻になると深い霧と静寂につつまれていた。
その静寂は彼方から聞こえてくる蹄の音に破られた。
霧の中、黒い馬四頭に引かれた漆黒の馬車が、大通りを駆けていく。
異様な威圧感を纏ったその漆黒の馬車が駆けると、街頭の光は消え、
昼間は人々の憩いの場となるであろう噴水の水は凍り、
道端に植えてあった草花は腐っていく。
瘴気を撒き散らしながら、馬車は駆ける。
町一番の大きな屋敷の前まで行くと、馬車は止まった。
†††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††
白いドレスを身に纏った、長髪の美しい女性がベッドに横たわっていた。
彼女の部屋は豪華とは言えないものの、窓際に置いたバラの花や、彼女の纏ったドレス、家具などから、
それなりの身分の女性であると判断できる。
ζ(゚―゚*ζ「・・・」
- 4 名前:第一話 ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:12:35.78 ID:VCfki1490
- 彼女は眠っていなかった。
どこか儚く不安げなその表情は、なぜか後ろめたさを感じさせた。
窓の鍵がひとりでにはずれ、窓が音をたててゆっくりと開く。
風が部屋に流れ込む。
窓際に置いてあったバラの花は、瘴気を受けたように腐り果てた。
部屋の鏡が音を立ててひび割れ、直後窓が勢いよく開かれた。
ζ(゚―゚*ζ「!?」
その音と窓から勢いよく吹き込んでくる風に、女性は驚き身を起こした。
窓の外には、いた―逆さに釣り下がった姿の何者かが。
そいつは蝙蝠の羽のように漆黒のマントを開き、部屋に飛び込み、女性を抱きかかえた後、部屋の外へと消え去った。
誰もいない部屋のカーテンがむなしく風にはためく。
女性が連れ去られた時、鏡に映っていたのは、力なくうなだれ、なすがままに連れ去られた女性の姿だけだった。
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- 6 名前:第一話 ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:14:02.04 ID:VCfki1490
- 町の長、ロマネスク=エルバーンの屋敷の、日差しが差し込む大きな窓がある客間。
座り心地の良さそうなソファが幾つか置いてあり、今は季節外れの暖炉があった。
そこに五人の男女がいた。
一人がけのソファに座る男の前で、
( ゚Д゚)「・・・なるほどねえ」
立ちながら、ガタイの良い、黒髪単発の緑のバトルスーツを着た浅黒い肌の男が呟く。
野獣のような目つきとその逞しい体からは百戦錬磨の風格が漂っている。
椅子に座っているのはシャツを着た男一人だけだ。
椅子に座っている男はこの屋敷の人間だろうか。
他の男女四人は立ちながら話をしている。
( ゚Д゚)「報酬は一千万ダラスか。流石、エルバーン家だ。羽振りが良いな」
その呟きに、金髪で、全身赤のバトルスーツに身を包んだ、筋肉質な女が応えた。
ξ゚听)ξ「ま、辺境一の吸血鬼ハンターと言われる私たちへの報酬だもんね。
法外な値段かと思うかもしれないけど、それぐらいが妥当なのよ」
身長は女性にしては高いほうだろうか。
女性ながら引き締まった無駄な贅肉のない体は、平和な世界に生きる女性ではないことを知覚させる。
( ・∀・)「いやいや、この規模の町の町長なら一千万ダラスくらい安いもんだろ。
あー金持ちってケチばっかで嫌になるねえ」
赤い長髪で、赤のバトルスーツを着ている。
小柄で、浅黒い肌の男ほどの太さはないが、細くも筋肉質な体つきをしている。
(#’e’)「・・・」
- 8 名前:第一話 ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:15:20.18 ID:VCfki1490
- (#’e’)(むかつくやつらだ。早いとこ支度金を受け取って出ていってくれないだろうか)
(´・ω・`)「やめろよギコ兄さん、ツン、モララー。肉親を貴族にさらわれたんだぞ。
すみません、セントジョーンズさん、妹さんは必ず無事に帰して見せます」
見上げるほどの巨体の、ハの字眉毛の男がなだめる。
ハゲだ。
動きは鈍そうだが、鉛弾を何発撃ち込んでも平気そうな体付きをしている。
(’e’)「妹を頼むぞ。君らの腕は超一流と聞いている。
もちろん依頼を果たせなかったら報酬は払わん」
こいつらはマーカス兄弟。
辺境一と呼ばれる吸血鬼ハンターだ。
彼らに狙われて生き延びた貴族は存在しないという。
彼らについての黒い噂は絶えなく、その手口は残虐非道で、同業者にさえ牙を向き、
依頼を共にしたハンターはみな無事では済まないという。
こんなやつらでも腕は確かなのだ。
デレを助け出すためには何を差し出しても惜しくない。
妹を助け出すためには悪鬼とも手を組んでやろう。
(’e’)「依頼の説明は以上だ。すまないが、この後人に会う約束をしている。
君たちには早急に依頼を解決してもらいたい」
- 10 名前:第一話 ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:16:49.57 ID:VCfki1490
- ( ゚Д゚)「へいへい、わかりゃしたよ。とっととその貴族をぶっ殺してきますよ。
あーあ、俺たちみたいなならずものはどこへいってもこういう扱いなんだよなあ」
浅黒い肌の男が、背中を向けたまま右手をひらひらさせ、不満を言いながら、マーカス兄弟は部屋を出ようとする。
(’e’)「そうだ、一つ言い忘れたことがある。これから会う人物も君たちと同業だ。
彼にも依頼をするつもりだ。報酬は妹を助け出してくれたほうにしか払わん」
足をピタリと止め、浅黒い肌の男が振り返りセントジョーンズを睨み付ける。
( ゚Д゚)「んだと?俺たちだけじゃ不満だっていうのかい?」
( ・∀・)「ほらみろよツン。金持ちっていうのはこういう連中ばっかりなのさ。
俺たちのことを知っててほかの同業者に依頼するんだぜ。
その同業者がどうなろうと知ったこっちゃないんだ。
自分たちだけのことしか考えちゃいない」
ξ゚听)ξ「ほんとだわ。まぁ心配しなくても報酬は私たちが貰うことになるだろうけどね」
(´・ω・`)「だからやめなって・・・こんなんだから僕たちお茶も出してもらえないんだよ。
だいたい、僕なんかは体が大きいから座れないけど、君たちは座らせてもらって話を聞けたじゃないか。
普段から横柄な態度だからまともに客として扱ってもらえないんだぞ。
いつもいってるけど人と接するときは・・・」
浅黒い肌の男が、ハノ字眉毛でハゲの男をやれやれといった感じで横目で見る。
( ゚Д゚)(やれやれ・・・またショボンのやつ説教始めやがった。めんどくせえ)
( ゚Д゚)「んで、誰なんだその同業者ってのは。ここらで腕がたつのはアドルフの野郎か?
それともロナルドか?あぁ、あいつはこの前ヘマやらかして右腕と右足がなくなっちまったんだっけ」
- 11 名前:第一話 ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:18:25.86 ID:VCfki1490
- (’e’)「その男の名前はクーという」
( ゚Д゚)(´・ω・`)ξ゚听)ξ( ・∀・)「!?」
クーという名前を聞いた一瞬、マーカス兄弟が明らかに動揺の色を見せる。
しかし、それは次の瞬間消えてなくなり、元の人を食ったような態度に戻る。
( ゚Д゚)「クーだと?なるほど、こいつはおもしれぇ。
あの伝説のダンピールのハンターか。
こりゃうかうかしてらんねえな。
おいみんな、とっとと仕事に取り掛かろうぜ
じゃあな依頼主さん、俺たちの報酬はちゃんと準備しといてくれよ」
ξ゚听)ξ「・・・わかったわ兄さん。行きましょうみんな」
( ・∀・)「あのダンピールのクーかぁ。実際大したことないと思うけどなぁ。
だけど正直一千万ダラスはデカイし、さっさと片付けちゃおっか」
(´・ω・`)「今回の仕事は面白くなりそうだね。油断せずいこうね」
それぞれが口々に言った後、マーカス兄弟は部屋をあとにした。
†††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††
- 12 名前:第一話 ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:19:53.90 ID:VCfki1490
- (’e’)「・・・」
やっとでていったか。鬼どもめ。
デレにこんなことが起きなければ一生縁などなかったものを。
正直関わりあいたくない連中だ。
だいたい吸血鬼ハンターなどまともな人間には務まらん。
畜生の道に落ちた修羅にしか無理なのだ。
デレを返してもらったらさっさと報酬金を払って手を切ろう・・・
しかし、問題はマーカス兄弟よりも次に会う約束をした男のほうだ。
やつはダンピールだ。対応を間違えたら、皆殺しにされるかもしれん・・・
†††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††
セントジョーンズがマーカス兄弟に依頼をした数刻後。
セントジョーンズとその親、ロマネスク=エルバーンは町外れの廃教会にいた。
教会の天井は崩れていて、日光が教会の中まで差し込んでいる。
教会の中は荒れ果てており、床には崩れた天井の破片などが散乱し、
いくつかの壊れかけた台と机と椅子、以前は信仰の偶像であった朽ち果てた像などがあるのみだ。
一目見ただけでもはや教会としての役目を終えていると理解できる。
教会の外は砂漠となっており、夏の強い日差しが陽炎を作っていた。
- 13 名前:第一話 ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:21:12.19 ID:VCfki1490
- 崩れた教会の二階に、銃で武装した男たちが十数人、これから来る客人を待ち構えている。
強い日差しのせいか、それともほかの理由からだろうか―
男たちの額には汗が滲んでおり、誰しも口を聞かず、重苦しい雰囲気であった。
しばらくして、男たちが何かに気が付いた。
遠くから、漆黒が歩いてくる。
黒い馬に跨り、黒の鎧、黒のマント、黒の旅人帽、背中に黒の長剣を身に着けた男が―
いや、本当に男なのだろうか。
その顔立ちは中性的、美しく整えられた眉、鋭くも美しい目、スラリとした鼻、真一文字に結んだ口。
彼の顔を見た芸術家はそのあまりの美しさに見とれ、その美しさを表現するために苦悩し、
やがてそれは不可能だということに気づき絶望しその命を絶つだろう。
黒の長髪のその男は、想像を絶する美貌で、男女問わず見る者を釘付けにする、全てを超越する美しさを持っていた。
(;∵)1(;∵)2(;∵)3「・・・」
武装した男達は銃のスコープ越しにその美貌を目にし、
一瞬は見とれたものの、やはり恐怖のほうが大きいのだろうか、
緊張した表情で男に見つからないよう、照準を男に合わせ続ける。
川 ゚ -゚)「・・・」
本能的に勝ち目はないであろうことは悟っていながらも、男達は震える手で狙い続ける。
今目の前にいる存在は、いとも簡単に自分の生命を刈り取れる存在であることを知っているからだ。
男は教会の前まで来ると、馬から降り、教会の入り口を開けた。
- 15 名前:第一話 ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:22:28.21 ID:VCfki1490
- 中にはセントジョーンズと、電動車椅子に乗ったままこちらを向かない男―ロマネスク=エルバーンがいた。
セントジョーンズは男が来たことを知っていたのか―恐らく見張りの男達からの連絡だろうが―
入ってきた男を睨み付けながら言った。
(’e’)「よく来てくれた。私はセントジョーンズ=エルバーンだ。
父に代わって私が事情を説明させてもらっ・・・」
二階の男達が待機している場所から砂埃が落ちる。
その場に気まずい沈黙と緊張が走る。
ダンピールにはこの場にいる人間全てを殺すことなどいとも容易い。
もしこれで男の機嫌を損ねでもしたら―
(;’e’)(まずい、気づかれてしまったか・・・?)
(;’e’)「ッ・・・」
川 ゚ -゚)「話を聞こう・・・」
(;-e-)「・・・」
セントジョーンズは心の底から安堵した。
まだ、命はある。
依頼を聞く気もあるようだ。
この男と接するにあたっては、一度のミスも許されない。
なぜなら男はダンピールだからだ。
(’e’)「二日前の晩だ。屋敷の寝室から妹のデレの姿が消えた。
そこの写真の娘だ」
- 16 名前:第一話 ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:23:51.93 ID:VCfki1490
- ζ(゚―゚*ζ
白黒の写真にはドレスを着た女性の姿が写っていた。
(’e’)「四頭立ての黒い馬車が北へ走り去るのを何人かが目撃している。
貴族の馬車だ。デレはヴァンパイアにさらわれたのだ。
私は二十人ほどの捜索隊を集め、それを追った・・・
しかし、後一歩のところで、貴族の妨害にあった。
捜索隊の馬の足は全て切断され、私たちは貴族を追う術を失った・・・
不意をつかれさえしなければ・・・」
貴族は人外の存在であり、理解できない技を使う。
セントジョーンズらの捜索隊は、駆ける貴族の馬車を発見したものの、
一瞬のうちに貴族の技により足止めされた。
怪我人はいたものの、死亡者がでなかったのは幸いだった。
セントジョーンズはクーの近くの机に皮の袋を投げた。
中に入った金属質な物質が音を立てる。
(’e’)「五十万ダラスの支度金だ。妹を連れ戻してくれたら一千万ダラスの報酬金を払う。
手に入れたければ早く行きたまえ。君以外にもハンターは雇った。
先を越されるぞ」
川 ゚ -゚)「もう手遅れかもしれん」
初めて聞いた呟くようなクーの声。
セントジョーンズとクーの間の距離は近くない。
警戒しているのだろうか、セントジョーンズはクーと距離をとって話をしている。
- 17 名前:第一話 ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:25:10.87 ID:VCfki1490
- しかし、彼がボソッと呟いたような声は、ハッキリこちらまで響いてきた。
美しい、心を奮わせるような声だった。
(;’e’)「!?」
川 ゚ -゚)「娘のことだ。もうすでに、貴族の洗礼を受けていたとしたらどうする」
貴族の洗礼とは、吸血鬼の口づけ―血を吸われ、夜の眷属の仲間入りをすることだ。
クーは依頼主の肉親のデレが、既に貴族の手にかかっている可能性があることを指摘した。
貴族にとって、吸血したいという欲求は人間でいう性欲にあたる。
抑えきれぬ本能から来る強い衝動。
そのため、貴族がさらった人間の娘に手をつけずにいる可能性は、低い。
(;’e’)「ッ・・・!その前に助けるんだ!そのための大金だ!」
( ФωФ)「落ち着けジョーンズ」
電動車椅子に乗った年配の男が車椅子を回転させ、こちらに振り向く。
今まで一切の言葉を発しなかったこの男こそ、エルバーン家の長、ロマネスク=エルバーンだ。
( ФωФ)「デレは私にとってかけがえのない大切な娘だ。
誰に対しても優しく接する姿は、慈悲深い聖母さながらだった・・・
どうか、力を貸してくれ。
そして、もし娘を手にかけねばならないときは、苦しませぬよう・・・」
父の言葉を聞いて、セントジョーンズは激昂した。
(;’e’)「バ、バカなっ!?デレを殺すためにあいつを雇うんですか!?
- 18 名前:第一話 ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:26:28.54 ID:VCfki1490
- (;’e’)「バ、バカなっ!?デレを殺すためにあいつを雇うんですか!?
冗談じゃない、ダンピールなんかに妹を!」
彼はダンピールはけがらわしい存在だと思っている。
呪われた吸血鬼の血を受け継いでいるからだ。
それはセントジョーンズだけでなく、多くの人々がそう思っていることなのである。
ロマネスクはセントジョーンズの顔を見ず、俯いている。
( ФωФ)「お前にできるかジョーンズ。
吸血鬼に変わり果てたあの子を殺すことが」
(;’e’)「・・・」
( ФωФ)「わしらには・・・とても・・・」
ロマネスクにセントジョーンズは何も言い返せなかった。
ダンピールや人外とも言えるハンターに妹を殺されるのは許せぬ彼であったが、
やはり自らの妹を手にかけることはできなかった。
ロマネスクがセントジョーンズを直視できずに諭したのも、
息子の気持ちを理解しているからだったのだ。
川 ゚ -゚)「報酬は二千万ダラス。それ以下では応じぬ。」
( )「ちょwwwおまwwwKYwwwwww」
(;’e’)「ッ・・・!貴様ぁっ!!」
(;’e’)(今なんか変な声が聞こえたような・・・気のせいか)
セントジョーンズの怒号と共に、二階の男達が一斉に、クーに向けて音を立て銃を構える。
- 19 名前:第一話 ◆v6MCRzPb66 :2009/05/20(水) 21:27:46.77 ID:VCfki1490
- ( ФωФ)「よさぬかっ!」
ロマネスクの声に男達は一瞬動揺したのち、銃を下げる。
( ФωФ)「・・・約束しよう。二千万ダラスだ。
娘を・・・呪われた運命から、救ってくれ・・・」
川 ゚ -゚)「・・・」
クーは無言のまま近くの机に歩み寄ると、セントジョーンズが投げてよこした支度金を手にとった。
第一話 終