ξ゚听)ξ とーちゃん! とーちゃん! (^ω^; ) なようですお 第3話

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 17:24:56.81 ID:z6xJ4L1G0




川 ゚ -゚) ・・・第三話






114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 17:25:24.95 ID:z6xJ4L1G0

・・・うーん。

何ともいえない雰囲気だおね・・・。


Σ(  ^ω^) おっ!?

あ、いきなり愚痴から始まってすまんお。

漏れの名はブーン。

今、今日知り合ったばかりの女の子二人と海を見に行ってるんだお。

・・・ていうと、ナンパに成功したイケメンぽいけど


残念ながら、現実はそんなに甘いものではなくて・・・






116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 17:30:31.14 ID:z6xJ4L1G0


川 ゚ -゚) ・・・狭いな

ξ゚听)ξ この車、ちょっと臭いよ? とーちゃん!


( ;^ω^) そいつは、悪かったおね・・・

はるばる運転3時間。

道中、汚い、臭い、狭いの愚痴に耐えながら
ようやく、海の近くまでこれたお。

しょうがないお。

こちとら、薄給でなんとか生きている身分なんだお?


いい車なんて買えないお。
大体、生活するには中古のミラちゃんで十分・・・




118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 17:31:39.17 ID:z6xJ4L1G0


ξ*゚听)ξ あ、海だよー



ツンちゃんの一声で、
ブーンと日本人形は進行方向右手に目を向ける。

海を見に行く事が決まった途端
雨は止み、

天気も綺麗に晴れてしまった。

なんともまあ・・・都合のいい天気だお。

水平線も綺麗に見えて
ため息でも吐きたくなるような素晴らしい景色だ。

ちょっと皮肉な気分になりながら、
海岸沿いにある公園の駐車場へと車を入れる。

ガラガラの駐車場に悠々と車を止めると、
ブーン達3人は車から降りた。



121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 17:34:13.79 ID:z6xJ4L1G0

ξ゚ー゚)ξ 綺麗だねー

川 ゚ -゚) ・・・本当だな

(  ^ω^) ここの公園にある灯台からの眺めがいいんだお。
       行ってみるかお?

川 ゚ -゚) うむ。だが、その前に

(  ^ω^) ん? なんだお?

ξ゚听)ξ どうしたの? クーねぇ

川 ゚ -゚) レコーディングに行ってくる

(  ^ω^) レコーディング?

川 ゚ -゚) おトイレだよ。やれやれ、デリカシーのない奴だな。
     相変わらず・・・



127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 17:37:51.09 ID:z6xJ4L1G0


( ;^ω^) お・・・悪かったおね・・・

川 ゚ -゚) うむ。では、いてくる

ξ゚听)ξ はーい

(  ^ω^) ん?相変わらず?

ξ゚听)ξ どーかした? とーちゃん

( ;^ω^) いや、別に・・・


何か違和感だお。

相変わらずっていうのは、今日はじめて会った人には使わないおね・・・?

ブーンが考えていると、ツンちゃんが右手を引っ張ってきた。




146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 17:52:11.47 ID:z6xJ4L1G0

ξ゚ー゚)ξ ・・・とーちゃん! とーちゃん!

(  ^ω^) お? なんだお?

ξ゚听)ξ いいこと、教えてあげよっか?

(  ^ω^) ?

ξ゚ー゚)ξ クーねぇはね?

(  ^ω^) クーねぇは?

ξ゚听)ξ おねーちゃんじゃなくて・・・

(  ^ω^) お?




151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 17:53:52.46 ID:z6xJ4L1G0





「おかーさんなの!」







153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 17:54:17.00 ID:z6xJ4L1G0

( ;^ω^) おかーさん???

ξ゚听)ξ うん。おかーさんなの

(  ^ω^) ・・・

ξ゚−゚)ξ ・・・

(  ^ω^) そうなのかお?

ξ゚听)ξ そうなんだお!

(  ^ω^) そっかおー・・・

ξ゚ー゚)ξ ・・・




156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 17:55:38.40 ID:z6xJ4L1G0


んー・・・

あの日本人形が、おかーさん?

ブーンが、とーちゃんで・・・

ないない。


悪いがツンちゃん。
そんな期待した目で見るなお。

あの日本人形がブーンの奥さん役をやるのは、
たとえツンちゃんの頼みでもないと思うお?




161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 17:58:31.68 ID:z6xJ4L1G0

日本人形がオトイレから帰ってくるまでの間、
ブーンとツンちゃんの周りは、沈黙が支配したお。

ツンちゃんはブーンの右手を握って、
じっと見上げてくる。

ブーンはその視線に、ずっと戸惑っていたお。




・・・近づいてくる、足音が聞こえた。






163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 18:01:52.67 ID:z6xJ4L1G0

川 ゚ -゚) ・・・? どうした?

( ;^ω^) いや、別に

ξ゚听)ξ 何でもないよ、くーねぇ!

( ;^ω^) さあ、行くお!

ξ゚听)ξ おっ!

川 ゚ -゚) ? まあ、いいか。
     それで? 灯台に登るのか?

(  ^ω^) おお。灯台から見る景色は綺麗だおー!

ξ゚听)ξ 見たい、見たい!



164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 18:04:46.07 ID:z6xJ4L1G0

灯台の下へ移動する3人。

そして、登っていく。

ξ゚听)ξ うー・・・この階段、段差が高すぎ・・・

川 ゚ -゚) ゆっくりでいいぞ、ツン。私も一緒にゆっくり行くから

(  ^ω^) 背中に乗るかお? ツン

川 ゚ -゚) むっ・・・!

ξ゚ー゚)ξ 大丈夫だよ、とーちゃん。クーねぇ。自分の足で登れるよ!

( *^ω^) そうかお、偉いお

川 ゚ -゚) よしよし。ツンはいい子だ

ξ*゚ー゚)ξ ・・・




165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 18:05:11.60 ID:z6xJ4L1G0

灯台内部の螺旋階段を登りきる。

ちょっとした苦労の上に立つ、
美しい報酬。

地上に比べ視界を遮るものが少なくなり、
代わりに一面が青色に支配される事による、圧倒的な開放感が得られる。

ブーンたち3人は一斉に目を細めて、
しばらく景色に見とれてましたお。

潮風に、吹かれながら・・・





166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 18:06:56.29 ID:z6xJ4L1G0

沈黙がしばらく続いていたけど、ツンちゃんがそれを破った。

ブーンの左手と、日本人形の右手を握って
ツンちゃんはブーン達2人を交互に見上げてくる。

ξ゚听)ξ とーちゃん。クーねぇ

(  ^ω^) なんだお?

川 ゚ -゚) どうした?

ξ゚听)ξ あの・・・

(  ^ω^) ・・・?

川 ゚ -゚) ?


ξ゚听)ξ 今日だけじゃ、ないよね?





167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 18:07:44.85 ID:z6xJ4L1G0

(  ^ω^) ・・・

川 ゚ -゚) ・・・今日だけじゃ、ない?

ξ゚听)ξ 3人でね、ここに来れるの。今日だけ?

( ;^ω^) えーと・・・そりゃあ・・・

川 ゚ -゚) ・・・

ξ゚−゚)ξ 今日だけ・・・なのかな

川 ゚ -゚) ツンは、3人がいいのか?

ξ゚听)ξ うん! 3人がいいの!

川 ゚ -゚) ・・・

(  ^ω^) ・・・




168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 18:08:20.02 ID:z6xJ4L1G0

ツンからの問いかけ。

それに対し、ブーンの中に二つの選択肢が浮かび上がったお。

一つは、素直にうんと答えてあげる。
日本人形が嫌がるかもしれないが。

もう一つは、先ほどから消えない疑問をぶつける事。

正直、ツンが好きになってきたから(恋愛対象としてじゃないお!)
うんと答えてあげたいお。

でも、ブーンの心にある疑問は毒となってしまって、
それが解毒されることをブーンは望んでしまったんだお。






170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 18:09:30.91 ID:z6xJ4L1G0

(  ^ω^) ツン。何故ブーンもいれて3人なんだお?


ξ゚听)ξ え・・・


(  ^ω^) たまたまじゃ、ないのかお?


ξ゚−゚)ξ ・・・


(  ^ω^) ツン・・・


ξ゚−゚)ξ ・・・





219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 18:38:29.91 ID:z6xJ4L1G0

ツンちゃんは喋らない。

珍しく、ツンちゃんは無表情な顔をブーンに向けている。

そして、普段無表情なクーが、ツンちゃんを心配そうな顔で見ている。

無表情なままのツンちゃんに、
ブーンは質問を重ねたお。





223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 18:40:12.06 ID:z6xJ4L1G0


(  ^ω^) クーさんとツンは、そりゃ家族かもしれないお?
       でもブーンは二人とは今日初めて会ったし・・・

       ブーンが二人の輪に入るのは正直違和感があるお

ξ゚−゚)ξ ・・・

川 ゚ -゚) ブーン

(  ^ω^) なんだお

川 ゚ -゚) ツンはお前の何処かが気に入った。それでいいじゃないか

(  ^ω^) ・・・クーさん

川 ゚ -゚) それにな、私とツンは家族じゃない。昨日知り合ったばかりの、友達だ

( ;^ω^) お!?

川 ゚ -゚) だから、お前が入ってきても違和感など無い

( ;^ω^) ・・・






227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 18:42:09.03 ID:z6xJ4L1G0

意外だったお。

いや、ツンちゃんと、日本人形・・・いや、
クーさんが姉妹じゃなかったことじゃなくて。

クーさんから、「違和感など無い」なんて言葉がでるとは・・・

クーさんはツンちゃんが好き。
でも、ブーンの事は気に入らないようだったから。

・・・ブーンは、どうしたいんだお?
この二人との不思議な関係に惹かれ始めてる。

だけど、何かが引っかかる。

その何かが気になって・・・
ブーンは沈黙してしまったお。




229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 18:43:03.22 ID:z6xJ4L1G0


( ;^ω^) ・・・

川 ゚ -゚) ・・・

ξ゚−゚)ξ ・・・

川 ゚ -゚) ・・・白けたな。降りるか?

ξ゚听)ξ ・・・うん

(  ^ω^) ・・・そうだおね

下りの階段は無言。

灯台から出ても、無言。

海岸を散策する気にもなれず、
3人は車に乗り込みましたお。



232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 18:44:51.69 ID:z6xJ4L1G0

(  ^ω^) ・・・

川 ゚ -゚) ・・・

ξ゚−゚)ξ ・・・


車を走らせ出して、1時間。

海などとうに見えなくなって、
それでも沈黙は破られなくて。

ブーンは、決心したお。

心に引っかかる何かを忘れたフリして、
ある事を言うことに。

沈黙に、単に耐えられなくなったからかもしれないお。




236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 18:47:30.47 ID:z6xJ4L1G0

・・・もしくは、このまま別れたら・・・


本当に、もう終わりかもしれなかったから・・・かもしれないお。


ブーンは、言ったお。





240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 18:49:56.95 ID:z6xJ4L1G0


(  ^ω^) 今日だけじゃないお

ξ゚听)ξ えっ!?

(  ^ω^) 今日だけじゃ、ないお

ξ゚听)ξ ・・・!

(  ^ω^) また、3人で遊びに行くお!

ξ*゚听)ξ とーちゃん!!!



ぴょん! ぎゅーーーーーっ!





242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 18:51:29.50 ID:z6xJ4L1G0


子猫がじゃれ付いて来る様に、ツンちゃんはブーンに抱きついてきたお。

でも、ツンちゃんの体重は子猫じゃなかった。


小さい子でも、重い・・・



( ;^ω^) ちょwこら、運転中!!!

ξ*゚听)ξ とーちゃん! とーちゃん! とーちゃん!!!

( ;^ω^) ぎゃーーーーーーーーー! 前が見えんて!!!!

川 ゚ー゚) ふっ・・・



245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 18:53:00.27 ID:z6xJ4L1G0

日が落ち始めて空が紅色に染まりだした中
ブーン達3人の顔も紅色に染まって・・・

車の中の硬い空気も、
柔らかな空気に変わりましたお。

同時に、この空気がブーンにとって、
とても、とても、掛け替えのない物に変わってしまいましたお。

願わくば・・・


・・・・・・・・・・・






246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/05(日) 18:53:18.54 ID:z6xJ4L1G0




川 ゚ -゚) 第3話、終わりだな・・・







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