第二章・臨界突入!!立ち込める暗雲、少々の晴れ間 〜その1、内藤退魔師事務所〜
1 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 22:49:18.80 ID:ZLjioq200
      r ‐、
      | ○ |        r‐‐、
     _,;ト - イ、     ∧l☆│∧  良い子の諸君!
    (⌒`    ⌒・   ¨,、,,ト.-イ/,、 l  『やればできる』
    |ヽ  ~~⌒γ⌒) r'⌒ `!´ `⌒)  良い言葉だな
   │ ヽー―'^ー-' ( ⌒γ⌒~~ /|  なんと現行が進んだぞ。
   │  〉    |│  |`ー^ー― r' |
   │ /───| |  |/ |  l  ト、 |
   |  irー-、 ー ,} |    /     i
   | /   `X´ ヽ    /   入  |


3 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 22:49:54.93 ID:ZLjioq200
゚д゚ ) 俺は原付に乗って買い物に出かけた。
     普段どうり国道を走っていると真っ赤なワンピースを着た綺麗な女性が眼に映った。
     お、綺麗な人だな、そう思った瞬間俺は対向車線から来たトラックに撥ねられた。
     柔道を習っていた俺はとっさの瞬間受身をとる事ができたため両足を骨折する重傷ですんだ。

     それから半年たったある日友人のKが同じくトラックに撥ねられた。
     直ぐに病院に駆けつけたが、Kに意識は無くその後死亡した。


     その場で救助に当たった人の話によるとKは

( #∋#)「赤いワンピースを見てついよそ見しちまった・・・」

     と呟いていたという。俺は驚いた。
     アレは死神なんじゃないか?俺がそう思っている頃またあそこで事故が合ったらしい。

     話を聞いてみるとひき逃げらしく、この辺りは見通しがいいにも拘らずそういう事故が多いらしい。
     俺はあの赤いワンピースの女が死神だと確信した。

     数日後俺はバイトの先輩ブーンさんの車に乗ってその道を走っていた。
     ブーンさんは人気AAでレギュラー常連らしく、俺は死神の話をしてみた。


4 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 22:50:32.29 ID:ZLjioq200

( ^ω^)「ふーん」

     っと素っ気なく聞いていたブーンさん。
     だが少し走ってからブーンさんが突然

( ^ω^)「あの女か!」

     と叫んだ。


     見ると確かにあの赤いワンピースを着た女が道を歩いている!!


( ゚д゚ )「そうです!あの女です!!」
     俺が叫ぶと

( ^ω^)「そうじゃない!あっちの方だ!!」
     と正面を指すブーン先輩!!


5 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 22:51:00.69 ID:ZLjioq200

     見ると顔の抉れた女が対向車線を走るトラックの方向を狂わそうと、車体に飛び移っている所だった!

( ^ω^)「ハンドル頼んだぜ・・・」

     ブーンさんはそう呟くと車の窓から上半身を外に出し、狙いを定め

(# ゚ω゚)「破ぁーーーーー!!」

     と叫んだ、するとブーンさんの両手から青白い光弾が飛びだし、女の霊を吹き飛ばした!!


( ^ω^)「これで安心だな・・・」
     そう呟いて片手でタバコに火をつけるブーンさん。


     レギュラーってスゲェ・・・その時初めてそう思った。





6 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 22:51:22.95 ID:ZLjioq200
 

このブーン系小説は

原作『孔雀王』

内藤エスカルゴ様
http://www.geocities.jp/local_boon/

の提供で




以下、正義の如く何事もなかったかのように開始します



8 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 22:56:05.97 ID:ZLjioq200
 

裏高野座主、荒巻スカルチノフ大阿闍梨の指令。
鬼の王を倒せとの難題。
それが為される数日前、深夜のバーボンハウス──


ブーンとドクオは既に就寝し、でぃはツンの家へ出張中なのか帰ってこない。
カウンターでショボンは、氷の入った三つのロックグラスに琥珀色のウィスキーを注ぐ。



都合、この夜のバーボンハウスには三人の人間が存在することになる。




9 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 22:56:48.57 ID:ZLjioq200
 
酒を受け取るのは、刈り込まれた白髪、白鬚、僧衣の老人、荒巻スカルチノフ。
もう一人は、力に溢れる体躯、巨躯、何故かオカマ、ジョルジュ長岡。

ふざけた存在であるジョルジュの表情が硬い……。
道化に道化である事を許さない緊張感。
この三人の会話の内容はそれを生み出していた。

(´・ω・`)「……そういう事だ。ジョルジュ、頼めるか?」
  _
( ゚∀゚)「ヘビーだわ……。でも貴方みたいなイイ男に頼まれたらノーとは言えないわね 」

/ ,' 3 「場はそれなりのをオレが用意してやる。
    さて……、鬼が出るか蛇が出るかねぇ…… 」


この夜、秘密裏に一つの事柄に決定が下された。



元裏高野退魔師・内藤ホライゾンと、彼を取り巻く環境に関する事柄に決定が下された──


  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼  △  ▼


10 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 22:57:37.56 ID:ZLjioq200
 
  ▽  ▲  ▽  ▲  ▽  ▲  ▽  ▲  ▽  ▲  ▽  ▲  ▽  ▲  ▽  ▲

∧_∧
(#゚;;-゚)「聞き捨てならんぞ、ショボン!!」

(#'A`)「っざけんなよ!! 何考えてんだコラァッ!!
    言うに事欠いてツンを渡すだ?
    事と次第によっちゃ、いくらアンタでも黙ってねぇぜ!?」

(´・ω・`)「……」

その言葉を発したショボンは、怒りに任せた一匹と一人の言葉をただ聞いていた。

想定していた。
でぃとドクオは間違ってはいない。
当然の反応だ。


━━━『ツンを裏高野に渡す』


その言葉を契機として、何もかもが変わった。
それを発したのがショボンだったからだ。
誰よりも、何よりも頼りになる男。

今まで間違っていた事は一度もない。
心の底から信頼出来るリーダーだった。



12 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 22:58:55.99 ID:ZLjioq200

……しかし、そんな者はもうここには居ない──
                     ──今はもう、居ない。







             ( ^ω^)ブーンは退魔師稼業のようです━╋RETURNS━━

        ――――第二章・臨界突入!!立ち込める暗雲、少々の晴れ間――――


                     〜その1、内藤退魔師事務所〜








13 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:00:51.27 ID:ZLjioq200
 
今、ショボンは当たり前のように裏高野の側からブーン達を見ている。
裏高野の僧兵・五輪坊達に的確に指示を出し、ブーン達を取り囲ませるその姿。

それはもうこちら側の人間ではないようにしか見えない。

そしてショボンの表情──
これが決して冗談では無い事を無言のまま知らしめていた。

しかし──

( ^ω^)「落ち着けお、愚民共www」

ショボンと最も寝食を共にしてきたブーンは、いきり立つでぃとドクオを制する。
このブーンだけはいつもと何ら変わりない。

( ^ω^)(ショボンの事だから何か考えがあるんだお )

ドクオにそっと耳打ちする。


15 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:02:05.81 ID:ZLjioq200
 
(#'A`)「テメッ……!!」

余りにも場違いなふざけた言い方に、ドクオは一瞬ブーンを殴り飛ばそうかと思った。
しかしその表情を見て思い留まる。
ブーンはこの状況でもショボンを信じきっている。

ドクオはそれがもどかしくてたまらない。
確かにブーンとショボンが築き上げてきた信頼は大きいだろう。

しかし、今回は……

(#'A`)。o ○(そうも言ってられねぇみたいだぜ、ブーン!!)

ドクオもでぃも、そして脇に目をやるとクーもそうだ。
今回はそうではないことを感じ取っている。
荒巻に確保されているツンは、不安を通り越して怯えてしまっていた。

(#'A`)。o ○(何でお前だけが分かんねぇんだよ!?)

子供のようにショボンを信用するブーン。
それを見るとドクオは何も言えなかった。


18 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:03:21.63 ID:ZLjioq200
 
( ^ω^)「で、何を企んでるんだお?」

怖がるツンには『心配ないから』と視線を送り、ブーンは極めて明るく言った。
その先にはブーンとは正反対の表情のショボン。

ショボンの顔の筋肉は表情を作ることなくそれに答える。

(´・ω・`)「パンゲアが何をしようとしているのか。それが分かった 」

ショボンが吐き捨てるように言った。
その言い方には若干の苛立ちのようなものが感じられる。

誰に対しての苛立ちか?

それは他でもない、この場で唯一事態を飲み込もうとしない者に対してだ。

( ^ω^)「構わん。続けて 」

冷たい空気が流れる。


20 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:05:08.23 ID:ZLjioq200
 
(´・ω・`)「パンゲアの狙い。それは『黄泉路』の開通だ 」


──『黄泉路』──

太古の日本に存在したとされる根の国──死の国への通路。

天地と八百万の神を創造したイザナギとその妻イザナミ。
最後に火の神を生んだ時、イザナミはその業火に呑まれて死んだ。

しかしイザナギは妻に会いたい気持ちを日に日に募らせていく……


そしてついにイザナギは死者の国へ妻を取り戻しに行く事を決意する。


その時に通ったとされる道、『黄泉路』

行きつく先は死者の世界。
出会った妻は生前の面影既になく、腐敗してウジにたかられた姿。

あまりの恐ろしさに、創造神イザナギですら逃げ出したとされる。


21 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:06:58.62 ID:ZLjioq200
 
(´・ω・`)「黄泉路の扉を開くには二つの鍵が必要だ。
      一つは『エイジャの赤石』。
      М王町でオレ達が吸血鬼兄弟と共に守ったアレだ 」

( ^ω^)「あ〜 」

爪'ー`)「今は私の寺にて厳重に保管しています。
     何重もの結界の中ですから、外部の魔の者には感じる事すらできないでしょう 」

ブーンが思い出していると、そこにフォックスが付け加える。
確かにショボンはあの時、『心当たりに預ける』と言った。
それが裏高野であり、中でも最も安全なのがフォックスの目の届く所なのだろう。

(#'A`)「それとツンを預けるってのと何の関係があるってんだよ!?」

(´・ω・`)「言っただろう。黄泉路を開く鍵はもう一つ……」

ドクオの怒気を孕んだ声。
しかしショボンはそれを受け流すかのように淡々と続けた。

/ ,' 3 「オレが若い頃な、黄泉路を開こうとした馬鹿どもが居たんだよ。
    その時なぁ、一人の少女が現れた 」

(´・ω・`)「少女はある魔神の化身だった。
      その強大な力を利用して、黄泉路の扉、地獄門をこじ開けようとしたんだ 」

( ^ω^)「魔神……?」


24 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:09:43.75 ID:ZLjioq200
 
おおよそ魔神と呼ばれる者等に関わりなど……
そう思った時、不意に思い出した。

……居る。

すぐ傍に居る。
ブーンにとって最も大切な少女の中に──炎の魔神が──。

(´・ω・`)「阿修羅。
      ツンの中に眠る阿修羅こそが、黄泉路を開く第二の鍵 」

何気なく視線を向ける。
そこで不安に青褪めた顔をしているのはツン。

ξ;゚听)ξ「私……?」

事態を把握するのは容易なことだった。

∧_∧
(#゚;;-゚)「それが何じゃ!?
    ワシがおればパンゲアなど歯牙にもかからぬわ!!」

/ ,' 3 「お前さんは確かに強力だよ?
    しかし一匹しかいねぇ。
    パンゲアは大勢いるんだ。どいつもこいつも相手してられるかい?」

でぃが叫ぶと、それがどうしたと荒巻が答える。


25 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:10:35.68 ID:ZLjioq200
∧_∧
(#゚;;-゚)「やかましいぞ、この生臭坊主めが!!
     いくらでもワシが追い返してくれる!!」

怒りに震えるでぃの声。
ブーン達と行動を共にしているとはいえ、元々でぃは千年の長きを生きる魔物。
その強力な妖怪の怒りに裏高野の僧兵達はうろたえる。

しかしその中に一人、でぃの怒気を一笑に付す者がいた。

(=゚ω゚)ノ「はっ!! 妖怪風情が!!
      オレが祓ってやろうか? あ?」

小さな若き退魔師ぃょぅ。
何ら臆することなく一歩でぃに近づく。
∧_∧
(#゚;;-゚)「小僧……。今のワシに冗談は通じぬぞ……!!」

牙を剥き出し威嚇する。
縦に閉じた瞳孔に映るのは、食い破る喉笛のみ。

(=゚ω゚)ノ「たかが猫が。このぃょぅ様が踏み潰してやるぜ!!」

ぃょぅが印を結ぶ。
突端に眩く輝き始めるその体。


27 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:11:57.04 ID:ZLjioq200
 
爪#'ー`)「お止しなさい、ぃょぅ!!」

一瞬時が止まる。
そのような錯覚を受けるほどフォックスの声は響いた。
幼い顔を醜悪に歪めながら、ぃょぅの光が薄まって行く。

(=゚ω゚)ノ「ち……。命拾いしたな、猫又ぁ……」

くるりと背を向け、自身を睨み上げる師の横へと退く。
フォックスは一切声を発することなく、ぃょぅに自粛を押し付けた。

……が、鼻先まで出かかったでぃの怒りは治まらない。

(´・ω・`)「考えた結果だ。
      ツンは然るべき場所で保護して貰うべきだ。
      分かってくれ 」
∧_∧
(#゚;;-゚)「利いたような口をきくな!!
     断じて許さんぞ!!」

でぃの忠言も、ショボンの表情を見るに暖簾を押すように手応えを感じない。
怒りをぶつけるばかりでは話が何も進展しない。


29 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:13:48.07 ID:ZLjioq200
 
('A`)「待てよ、でぃさん。
    なぁ、ショボン。で、アンタはツンを裏荒野に渡してどうするつもりなんだ?」

ドクオは決して気の長い方ではない。
しかし自分よりも遥かに頭に血が上っている猫又を見て若干冷静さを取り戻していた。
その冷静さがショボンの真意を出させる事の必要性を見出した。

∧_∧
(#゚;;-゚)「聞かずとも分かっておるわ!!
    ツンを暗い結界の中に永劫に閉じ込めておく気じゃろう!?
    ツンはまだ子供じゃぞ!?
    貴様、よくもそのような事をぬけぬけと!!」

尤も、頭に血が上った当のでぃは変わらず喚いている。

( ^ω^)「でぃさん落ち着けお。
      何か方法があるはずだお。
      何もそんなにムキにならなくたってwww。
      ねぇ、ショボン?」

茶々を入れるブーンにショボンは何度目かの溜息を吐いた。

(´・ω・`)「そうだな。方法はあった。
      オレはそれに賭けてた。
      だがもうダメだ。やはりツンは渡す 」

( ^ω^)「は? 何で……?」


30 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:16:06.64 ID:ZLjioq200
 
事態を把握しようとしないブーンの言葉など、もはや大して気にも留めていない。
ぶっきら棒に、突き放すようにショボンは続けた。

(´・ω・`)「ジョルジュをお前に付けたのはその査定だった。
      強敵と戦わせてお前の可能性を見たんだ。
      お前次第ではツンは手放さずに済んだ 」
  _
( ゚∀゚)「ゴメンネ、ブーンちゃん……」

ジョルジュの謝罪は心からのものである。
その場の全てのものがそう認識した。


そしてショボンが───


(´・ω・`)「不合格だ。
      お前ではツンは守れない。
      これはお前が成長しなかった事が招いたんだよ 」

(; ^ω^)「なっ……」


───死の宣告に近いセリフを、微塵の躊躇もなく言った。



33 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:17:26.65 ID:ZLjioq200
 
(´・ω・`)「さぁ、ツン。
      一緒に行くんだ 」

ショボンはツンの腕を取りそのまま立ち去ろうとする。
その様子は人買いが商品を持って行くかのような光景。

ξ 凵@)ξ「……や……」

身にかかった理不尽な事態に閉じ切っていたツンの喉。
それをこじ開けようやく言葉が出る。

ξ゚听)ξ「嫌!! 私、みんなと一緒にいたい!!」

拒絶。
少女の心からの叫び。
羨望や期待、願いと自らの意思が詰まった言葉だった。

(´・ω・`)「仕方ないな。
      ぬんっ!!」

ξ;--)ξ「うっ!!」

ショボンの回答はツンの腹部への当て身だった。


34 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:18:25.32 ID:ZLjioq200
 
(#'A`)「ショボン!! テメェ!!」

先ほど冷静を演じたドクオは、気絶し、力なくショボンの肩にぶら下がるツンを見て逆上する。
折れた足など関係ない。
駆け出そうとしたその時──

爪'ー`)「動くのは得策ではありません!!
     彼らは裏高野五輪坊。
     一人一人が御山を守護する退魔師です。
     日本最強の裏高野のね 」

('A`)「ちっ!! (奴らの隙を見て……)」

直ちに裏荒野・五輪坊の僧兵達がドクオを始め、内藤退魔師事務所の面々を取りんだ。
どの顔にも同じことが書いてある。

『動けば攻撃する』と。


39 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:20:00.92 ID:ZLjioq200
 
/ ,' 3 「おっと、クー。
    懐に手ぇ突っ込んで何しようってんだい?」

何気ない仕草で着込んだ外套の中へ手を入れたクーを荒巻が抜け目なく牽制する。
クーは封魔管を取り出すことを諦め舌打ちした。

川 ゚ -゚)「ち……。
     ショボン。今回だけはお前に賛同しかねるぞ。
     私が見るに、お前らにはブチャラティのチームのように固い結束があると思い込んでいたが 」

(´・ω・`)「ツンがパンゲアの手に渡れば世界が滅びるかもしれない。
      オレ達の絆がどうした?
      そんな物、同じ秤にはかけられない 」

川 ゚ -゚)「そうか……」

(;'A`)「っ!!クー!!」

クーは何の躊躇もなくショボンに向かって歩く。
予想外の行動にドクオは戦慄する。
しかし、五輪坊の面々もそれは同じ。
当たり前のように脇目も振らずに直進するクーに呆気に取られ、攻撃することを忘れていた。


41 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:21:19.90 ID:ZLjioq200
 
川 ゚ -゚)「ショボン 」

ショボンに手が届く距離。
その距離まで近づいた瞬間──

川 ゚ -゚)「婚約は破棄だ。
     お前の顔など見たくもない 」

言葉と同時に小気味良い音が響く。
頬を平手で打たれたショボンはそれでも無言で表情を変えなかった。
ショボンの心は動くことはなかった。

しかし──

(#'A`)「おい、でぃさん!!
    アンタもオレと同じ事考えてんじゃねぇか!? どうだ!?」

彼らの心は動いた。
∧_∧
(#゚;;-゚)「ふん。当然じゃ!!」

相手は日本守護の退魔師、裏荒野五輪坊。
それがどうしたというのだ?

全て倒してツンを奪い返す。
動けば攻撃される?
上等だと言わんばかりにドクオとでぃ、そしてクーは各々戦う気概を奮い立たせた。


43 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:22:16.09 ID:ZLjioq200
 
(  ω )「待つお……」

だがここに水を指すように力ない声が制止を懇願した。

(  ω )「ショボン。
      僕が成長しなかったのが悪いのかお?
      だったら頑張るお。
      これからは修行も真面目にやるお。
      だからもう少しだけ待ってくれお。
      またみんなで一緒にバーボンハウスに帰るお 」

俯いているので表情は分かり難い。
しかしその声音から、心底失意を感じていることならば分かる。

無理もない。
信頼すべきショボンから、全ての要因は自分にあると言われたのだ。

(´・ω・`)「ブーン……」

(  ω )「え?」

ブーンの声が若干明るみを帯びた。
ショボンの返答の中身に期待したのだ。


45 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:22:55.60 ID:ZLjioq200
 
(´・ω・`)「お前はどうしようもない甘ちゃんだな。
      現実というものを受け入れられそうにない。
      だったら辛い現実など見なくて済むように……」

ショボンの返事は抜刀によって締めくくられた。
刀を抜くという行為。
その意味するところは紛れもなく……

('A`)「っ!! まさか!?」
∧_∧
(#゚;;-゚)「フゥゥゥー───!! そこまで堕ちたか、ショボン!!」

(´・ω・`)「長い付き合いだ。
      オレはお前が悲しむ顔を見たくないんだよ 」

凍りついたように冷たく、微動だにしない白面。
そして当然のようにショボンがブーンに向けたのは……


ショボンが数々の魔に向けてきたものと同じもの。


──それは殺気。



48 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:24:02.89 ID:ZLjioq200
 
(# ω )「ち……」

その瞬間、ブーンの姿勢が変わる。
力なく垂れていた双肩、前かがみに曲がっていた背骨。
それらがエネルギーに満ち、相手を見下すのに丁度良い程度に反り返る。
   
(# ω )「せっかく人が戦わずに済むように計らってやってるってのに……。
      下手に出てりゃ調子に乗ってくれちゃってねぇ……えぇ 」

('∀`)「ブーン!!」

ドクオは歓喜せずには居られなかった。
腑抜けになってしまったかとも思った。

しかしブーンはそんなタマではなかったのだ。

『ちょっとだけメンドクサイな』
ブーンはおそらくそう思っていただけだろう。
ドクオのよく知っているブーンはそういう男であることを忘れるところだった。


50 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:24:58.94 ID:ZLjioq200
 
(# ^ω^)「そっちがその気なら僕だって考えがあるお!!
      久々に喧嘩だお!!
      このショボくれ眉毛の根性叩きなおしてやんお!!
      みんな、そこで黙って見てろお!!」

いや、そういうわけにはいかない。
ブーンがやる気を見せたことで、ドクオにも火が付いてしまった。
そう言われて『はいそうですか』と引くわけにはいかない。

(#'A`)「黙って見てろだと!!
    ふざけr──」

(# ゚ω゚)「 だ ま っ て み て ろ 」

(;'A`)「……はい 」

ドクオの抗議は言い切る前に捻り潰された。
今日のブーンの激昂は、それだけの勢いと迫力と力を持っていた。

『相当我慢していたんだな……』

ドクオは密かにそう思った。


54 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:26:47.63 ID:ZLjioq200
  
爪'ー`)「しかし残念ながら……」

ぞわり、と五輪坊の気配が際立つ。

(=゚ω゚)ノ「オレ達が大人しくしてると思ってんなら、そりゃ無理だ。
     諦めるこった 」

激昂するブーンを嘲笑うようにその包囲網は徐々に狭まって行く。
一斉に攻撃を──
過酷な修行により身につけられた、それぞれの鋭い法力が練り上げられようとしている。

(#'A`)「へっ……。上等じゃねぇか……」

黙って見ていろと言われた。
その通りにしよう。
ブーンとショボンの対決には手を出さないようにしよう。

ただし、それを妨害するものは排除する。

足が折れているが、ドクオにとってそんなことは大した障害ではない。


56 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:28:15.73 ID:ZLjioq200
∧_∧
(#゚;;-゚)「千年を生きた猫又の妖……。小僧共め。身を以って知るが良いわ!!」

足元ではでぃが牙を剥き

川 ゚ -゚)「……」

少し後ろではクーが外套からいつもの二体が封じられた銀筒を取り出していた。

ドクオにはこれが何千の援軍に感じる程に心強かった。
今、確かに目的を同じくする者達と戦おうとしているのだ。
折れた足の痛みなど、蚊に刺された程度にも感じない。

('A`)「行くぜ……。ブーン、しくじるなよ!!」

そのドクオの一言が引金となった。
二人と一匹に対し、多数の裏荒野達の真言と共に法力が高められる。

それとは既に別の世界。
一人と一人は互いを視界の中央に捉えながら機を伺っていた。

(#'A`)「殺されるんじゃねぇぞ、オレ!!」

並はずれた速度で飛び出す。
とりあえず一番近くにいた裏荒野の兵を殴り飛ばしてやる。
それだけを考えていた……


60 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:29:40.33 ID:ZLjioq200
 
/ ,' 3 「待ちやがれっ!!」

乱戦になる寸前、高らかに響く声。
その声が持つ否応なき強制力は、ドクオの拳を寸前で止めた。

ドクオだけではない。
でぃもクーも裏荒野の面々も、この一瞬完全に思考が停止してしまった。
これ以上ない、絶妙のタイミングだった。

/ ,' 3 「おい、ホライゾン!!
    おめぇさん、ショボンとやりたいかぃ?」

(# ^ω^)「ったりめーだお!!
      邪魔すんじゃねーお、このクソジジイ!!」

(´・ω・`)「……」

太く白い眉の下でギラリと双眸が輝く。
何かを探るような視線だ。

暫く二人を選別するように眺める荒巻。
そしてやはり白い、短く刈り込んだ髭に囲まれた口を釣り上げた。

/ ,' 3 「良いだろう。
    やれよ。
    おい、野郎ども。テメェら絶対手ぇ出すんじゃねぇぞ!!」


61 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:30:20.16 ID:ZLjioq200
 
荒巻のこの言葉。
それからものの数秒だろうか。
殺気立った五輪坊の気概は水を打ったように消え失せ、ブーンとショボンから一斉に一定の距離を取った。

ブーン達と共に突然生まれた空間に残ったドクオ達三人は、
初めきょとんとしていたが、あわててその場から離れる。
一先ず荒巻やフォックスの近くに陣取った。
良い気持はしないが、依然としてツンが気を失ったまま荒巻に抱かれているからだ。



……今、この場で戦闘態勢にあるのはただ二人。



決して戦うことなど考えられなかった二人……




63 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:31:11.26 ID:ZLjioq200
 
(# ^ω^)「……いつまでそうしてるつもりだお?」

睨み合いの中、とうとう痺れを切らしたブーン。
そんなことはお構いなしと、ショボンは依然としてブーンの出方を伺っている。

(´・ω・`)「全くだ。そろそろかかってきたらどうだ?」

刀を正眼に構えたまま、凍るような視線。
挑発とも本気とも取れる言い方。

(# ^ω^)「だったらお願いしてみたらどうだおっ!!」

ブーンは爪先に瞬時に力を込めると、言葉と裏腹に飛び出した。
ショボンの鼻先まで一気に距離を詰め真上に跳躍。
その右手には独鈷杵が握られている。

真上のブーンが真下のショボンへ、疾風とも言える速度で独鈷杵を振り下ろす。
対してショボンは手にした妖刀・百足丸を振り上げ受け止めた。
甲高い金属音と共飛び散る火花が、二人の肌を焦がす。
交わる両者の武器を挟んで、ブーンとショボンはお互いを力有る双眸で見る。

かくして、決闘の火蓋は切って落とされた。


70 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:35:18.47 ID:ZLjioq200
 
(# ^ω^)「チィッ!!」

ブーンは自身の舌打ちを聞きながら、横薙ぎに払われるショボンの妖刀に向けて発勁を放つ。
満足に法力を練りこんではいないが、それでも十分な攻撃力を有する破魔の光だ。

だがショボンは刀の軌道を僅かに反らし、対象をブーンの胴から発勁へと瞬時に転換する。
その刹那のタイムラグでブーンはバックステップ。
妖刀は発勁を切り裂き、続いてその切っ先をブーンに向ける。
ブーンは体を真っ二つにしようとした斬撃から逃れ、瞬時に法力を練りこんだ。

(# ^ω^)「これはどうするお!? 大発勁!!」

先程とは圧倒的に異なる発勁。
閃く光は直視することが難しい程に輝き、轟音が鼓膜を暴力的に叩く。
人も魔も、これを受ければ一溜まりもない。

(´・ω・`)「まぁ、それなりに綺麗だな 」

持っていた刀を片手に持ち替え、空いた手をスーツの内側へ突っ込む。
露わになった手には数枚の護符が握られており、そのまま前方へと静かに放した。

(# ^ω^)「クッ!!大発勁が!!」

ショボンの眼前で護符が円形に展開する。
宙空で護符同士が輝く線で結ばれると方陣が形成され、
それがブーンの法力を何事もないかのように阻んだ。


71 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:36:55.09 ID:ZLjioq200
 
(´・ω・`)「オレが器用なのを知ってるだろう?
      簡易結界だ。そして……」

再びショボンは刀を両手に持つと、一瞬だけ半身になり鍔を引き切っ先をブーンに向ける構えを取る。
そして疾風のような突きが、たった今張った方陣諸共貫きその先のブーンを襲った。

(# ^ω^)「ぬっ……あっ!!」

自身の発勁に目が眩んでいたのか、ブーンは判断が遅れた。
それでも体を横に倒し回避に出る。
しかし十分ではなかった。
刀は肩先に冷たい感覚を残し、瞬時に熱さが訪れる。

(# ^ω^)「痛ぇお……!!」

(´・ω・`)「当たり前だ。切ったんだからな 」

ブーンは肩から血が流れる感覚を感じるが、傷を確かめている余裕はない。
まだ指先まで力が入る。
重症ではないはずだ。


74 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:38:08.63 ID:ZLjioq200
 
(# ^ω^)「その余裕面……ムカつくお!!」

独鈷杵を眼前に構え、ショボンの刀に備える。
グリップの上下に刃渡り20センチほどの刃を備えているこの武器。
リーチでは圧倒的に差があるが、素手で刀に対することは死を意味する。
ましてやショボンは既に達人の領域に達し、更に使用しているのは妖刀だ。

(´・ω・`)「少しは頭を冷やしたらどうだ。
      手応えがなさすぎる。……弱い!!」

そしてショボンは刀を鞘に納めた。
しかし決して戦いの終焉を意味しているのではない。

反時計回りに半身を捻り、柄に手をかける。
右足を前に、腰を僅かに下げ、ブーンを右側に捉えるような構えを見せた。


77 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:41:21.98 ID:ZLjioq200
 
(# ^ω^)「居合……かお……」

必殺の構えを取るショボンを目の当たりにし、ブーンの心の内には再び怒りが灯る。

(# ^ω^)「何のつもりだお!?
      それは……っ!! それは相手を……っ!!」

(´・ω・`)「殺すための技さ。
      だからどうした? 何を勘違いしている?
      オレはお前を『殺す』つもりなんだが 」

(; ^ω^)「――っ!?」

ブーンはショボンが何を言っているか一瞬分からなくなった。
確かにショボンの攻撃には殺気が篭っていた。
しかし本気で自分を殺そうとまではしていないはずだ。

ブーンは心の底でそう思っていた。


78 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:42:58.43 ID:ZLjioq200
 
先程の突きも本気だったら脳天を貫かれていたに違いない。
肩に裂傷を負った程度で済んでいるのは、ショボンが敢えてそうしたのだと思っていた。

( ^ω^)「殺す? 僕を殺す……?」

これは喧嘩。
ただの仲違い。
そう思っていたからこそ、ショボンが殺すための構えを取った時怒りを感じた。

(´・ω・`)「何度も言わせるな。
      ツンを失えばお前は死んだほうが良いと苦しむだろう。
      だからその前に……分かるだろう?」

ショボンの行動の裏には何も意味はなかった。
全てを前面に押し出していた。


──殺される。



80 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:44:05.19 ID:ZLjioq200
 
(  ω )「全方位の一切如来に礼し奉る……」

ショボンの真意を悟った時、ブーンは無意識の内に印を組んでいた。
そして今現在、自身が持つ最も強力な法力を───

/#,゜ 3 「バカ野郎!!」

瞬間、ブーンの視界は地面で覆われた。
強力な腕力で地面に組み敷かれている。
憤怒の形相を浮かべた荒巻だった。

(# ゚ω゚)「何すんだお、ジジイ!!
      邪魔してんじゃねーお!!」

自分に何が起こっているか悟った時、ブーンは怒りに狂った。
大声を張り上げると、再び視界が回転する。
組み敷かれた体を強引に反転させられ仰向けに。
目の前には今まで見たこともないような恐ろしい形相をした師匠・荒巻の顔があった。


82 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:45:13.20 ID:ZLjioq200
 
/#,゜ 3 「テメェ、それは魔を殺すための法力だろうが!?」

(# ゚ω゚)「だから何だってんだお!?
      アイツだって魔を殺す妖刀で僕を殺──!!」

/#,゜ 3 「五月蠅ぇっ!!」

荒巻の固く、大きな拳がブーンの顔面を叩く。
口の中に血の味が広がり、ブーンは荒巻を睨み上げた。
──が、荒巻もまたブーンを睨み下ろしていた。

/#,゜ 3 「相手がどうだろうと関係ねぇ!!
     テメェはテメェらしく戦え!!
     じゃなきゃ、お仲間を薙ぎ倒して嬢ちゃん連れて今すぐ帰ぇるぞっ!!」

ブーンの身にかかる力が弱まった。
荒巻はもう一度ブーンを力強い眼で見降ろすと元居た位置に引き下がる。
ブーンは天を見つめたまま一人残された。


84 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:47:35.92 ID:ZLjioq200
 
(#)^ω^)「……ペッ!!」

ゆっくりと立ち上がったブーンは口中に滲んだ血を乱暴に吐き出した。
ショボンは居合の構えを取ったまま微動だにしていなかった。

(#)^ω^)「クソッ!!クソー───ッ!!
      ったく、意味わかんねーお……。
      おっと、そうだった。
      アンタは僕を殺すつもりなんだったお……」

(´・ω・`)「………」

ブーンは口の中を舌でなぞる。
丁度右の頬の裏側を舐めた時、鋭い痛みと鉄の味を感じた。

(#)^ω^)「アンタは器用だけど……」

拳を合わせて法力を練り込む。
練り込み、更に練り込む。
結んだブーンの両手は次第に発光し、それは輝きを強めていく。


86 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:50:43.87 ID:ZLjioq200
 
/ ,' 3 「………」
 
黙って戦局を見極めている荒巻の邪魔は入らない。
恐らくこれは使ってもいいのだろう。
 
(´・ω・`)「発勁か……。
      さっき防いで見せたのをもう忘れたのか?」

柄に添えていた右手を静かにジャケットの内側に忍ばせた。
結界の護符が仕込まれているそこに……


──つまり、今ショボンは居合を放てない──



87 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:51:28.70 ID:ZLjioq200
 
(#)^ω^)「アンタは器用だけど!!」

ブーンが駆け出す。
自身の発勁に更に力を込めながら。
その輝きは両手だけに留まらず、疾走するブーンの全身が清浄の青い光に包まれた。

(#)^ω^)「僕だってそれなりに器用だお!!
      したり顔で舐めてんじゃねーお!!
      破ァァァァアアー────!!」

放たれる。
ブーンの極限にまで研ぎ澄まされた発勁が。

(´・ω・`)「………」

ショボンは指先に挟んだ数枚の護符を弾くように前方に放り投げた。
同時に描かれていく方陣は、先程と同じように発勁を弾こうとする。


90 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:54:03.36 ID:ZLjioq200
 
ブーンが発勁を放ったその瞬間、全身を覆った光は全てそこに収束した。
そしてそれを見た面々が……。

(;'A`)「なッ!!」

(=;゚ω゚)ノ「アイツ……!!」

爪'ー`)「……ほぅ」

……驚愕する。
外に放たれた発勁は飛ぶもの。
ドクオはおろか、裏荒野の面々のほとんどがそう認識していた。
  _ 
(; ゚∀゚)「あれはアタシの……!!」

ジョルジュは知っていた。
何故ならつい先刻、モララーとの戦いでジョルジュ本人が見せたモノと酷似していたからだ。

飛ばない発勁。
解き放たれたエネルギーをその場に留める絶技だ。


92 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/19(金) 23:55:30.00 ID:ZLjioq200
 
(´・ω・`)「っ!!」

ショボンが最上のタイミングで張った結界に発勁の衝撃が来ない。
最上のタイミング故に最上のフェイントになる。

(#)^ω^)「それなりに驚いた顔してくれてどーも!!
      じゃ、もっと青い顔してみろお!!
      破ァー──ッ!!」

眼前、ショボンとブーンの鼻先で留まったままの眩い発勁の塊にブーンは拳を叩きこんだ。
当然この拳にも法力のエネルギーを込めている。
絶妙のバランスで停滞しているエネルギーにエネルギーを加える。

するとどうなるか。

(#)^ω^)「発勁のショットガン!!
      出来るもんなら全部防いでみろお!!」

(;´・ω-)「グッ、ハッ!!」

弾かれた法力の散弾は細かく拡散し、ショボンが張った結界の隙間を穿つ。
一発二発……十発二十発……!!
次々とショボンを捉える発勁がショボンの全身を次々と打ち抜いていく。


98 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:02:12.16 ID:xZyyl0Al0
 
/ ,' 3 「大したもんだ……。
    あの野郎は天才だよ。なぁ、フォックスよ 」

爪'ー`)「えぇ、えぇ。そうでしょうとも。
     アレは荒巻さん、貴方にもできますまい。
     ジョルジュさん、ホライゾンさんに手解きをしたのは貴方ですかな?」
  _ 
(; ゚∀゚)「えぇ……。でもアタシは見せただけよ。
     まさかそれだけで……」

(;'A`)「強い!!ブーンの奴、滅茶苦茶強ぇぞ!!」

(=;゚ω゚)ノ「あのヤロ……」

フォックスが笑いジョルジュが目を見開く。
ドクオはブーンの実力を改めて目の当たりにし、ぃょぅが歯を食いしばる。

そして荒巻の破顔一笑。
顎鬚を弄り、腕を組んだ。


101 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:03:29.46 ID:xZyyl0Al0
 
/ ,' 3 「ホライゾンの野郎には見せるだけで十分よ。
    ついでに自分だけの技に昇華させちまう。
    手の付けられない天才っぷりだ……。だがな……」

爪'ー`)「えぇ、えぇ。『だがしかし』、と言ったところですかな 」

老獪二人の言葉に『ガッ』という鈍い音が被さった。
同時に辺りを照らしていたブーンの発勁の光が消えていく。

誰もがその音のした方向を見た。



──ブーンが崩れ落ちる瞬間だった──




103 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:04:11.82 ID:xZyyl0Al0
 
(; ω )。o ○(バ……カ……な……)

(´・ω・`)「………」

沈んで行くブーンを上方から眺め下ろす。
地に到達するまでの時間は、
ブーンにとってはゆっくりで、ショボンにとっては一瞬の事だった。

ショボンの右手が拳を握ったまま前方に突き出されている。
その位置は先程までブーンの顎があった高さに一致する。

微かな砂煙を立て、ブーンの全身が地面に到達した。
ショボンは拳を突き出したまま目線だけを下に下ろす。
スタイリッシュに着込んだスーツはブーンの攻撃で方々が破れ、所々血が滲んでいる。


104 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:05:41.18 ID:xZyyl0Al0
 
ショボンもダメージは負っている。
ブーンもそうだった。
両者、戦って共に傷を負い、ショボンは今立っており、ブーンは地に伏した。





──ブーンは 『 負 け た 』 のだ。







106 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:08:00.83 ID:xZyyl0Al0
 
/ ,' 3 「『だがしかし』──、これに言葉を繋げるとしたらこうだ 」

決着に誰もが言葉を失っていたその時、荒巻は声を大にする必要もなく全員の注意を引いた。

/ ,' 3 「ショボンの野郎はホライゾンを遥かに超える天才だった。
    恐ぇヤツだ。
    アイツがもし敵になったらと思うと……、ゾッとするね 」

荒巻の言葉が耳に届いているかは分からない。
ショボンとブーンは未だ、決着の体制のまま動かずにいた。

(´・ω・`)「ブーン……」

(; ω )。o ○(クソ……。声が……。体が動かな……)

ブーンはうつ伏せに倒れながらもまだ戦う気力が折れてはいない。
しかし体が言う事を聞かない。
発勁の散弾を貫き、自身が張った結界をも貫き、
ショボンの直突きはブーンの顎を正確に捉えていた。

脳を揺らしたのだ。


109 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:09:29.16 ID:xZyyl0Al0
 
(´・ω・`)「ブーン。聞こえているかは知らんが、お前の敗因を教えてやろうか 」
     
ようやく拳を下ろし力を抜くと、しっかりとブーンを見据えたまま大きく息を吐いた。

(; ω )。o ○(待て……お……。勝負はまだ……)

戦いの構えを解くショボン。
既に全身に漂う殺気は失せ、決着がついたと無言で語っている。
ブーンにはそれが我慢ならないが……体が動かない。

(´・ω・`)「オレはいつもお前との戦いを想定していた。
      ほとんどの魔はお前より弱いからな。
      イメージトレーニングをするにも相手はお前しかいなかったし、そして最高の相手だったよ。
      だからオレも強くなった 」

ブーンの攻撃で痛んでいたのか、ショボンのネクタイがはらりと落ちる。
初めから飛んでいたのか、シャツにはボタンが付いておらず胸元がはだけていた。
そこには頑強な筋肉で覆われた強者の肉体があった。

(´・ω・`)「この程度の事、お前ならやると分かっていたよ。
      だがお前はオレとの戦いなど考えたこともなかったはずだ。
      それがオレとお前の差。お前の最大の敗因だよ 」


112 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:13:40.95 ID:xZyyl0Al0
 
うつ伏せのブーンは頭の後ろにチリチリとショボンの視線を感じ続けていた。
声も出せずにショボンが語る自らの敗因を聞き続けていた。
悔しさで拳を握りたいが、指先に力が入らない。

(; ω )。o ○(チ……クショ……ウ)

眼から何かが溢れ出てきたのを感じる。
熱いし気持ち悪いからさっさと拭ってしまいたい。
しかしブーンは指一本動かせなかった。

(; ω )。o ○(チ……ク……)

頭が冷たくなっていくのを感じる。
気を失う。
不思議とそれが認識でき、その歯痒さに悶えそうだった。


115 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:15:29.35 ID:xZyyl0Al0
 
瞼が閉じて暗くなった視界が白くぼやけていく……。
自分は今から意識を失うが、気がついた時にはツンは裏荒野に連れて行かれた後だろう。
もう一度閉じた両目から涙が溢れ、それを最後に失神しようとした時……



(???)『おい、ちょっと来いミョウオウ!!』



何かが聞こえた──。
そして急激に気が遠くなっていく。

だが何か感じる。
ブーンは自分の手を、何かが引っ張っていくような感覚を最後に感じていた。


116 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:16:15.17 ID:xZyyl0Al0
 

(???)『……ったく。今回は随分と世話を焼かせるミョウオウ 』





             ( ^ω^)ブーンは退魔師稼業のようです━╋RETURNS━━

        ――――第二章・臨界突入!!立ち込める暗雲、少々の晴れ間――――


                     〜その1、内藤退魔師事務所〜







129 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:25:50.85 ID:xZyyl0Al0
 
(*゚ー゚)「どぉぉぉりゃぁぁぁぁー───!!」

( ゚∋゚)「お!!おぉぉぉぉぉーおあ〜ぁぁぁああ!!
     惜しい!!でも9本なら全然オッk── 」

(#゚ー゚)「オイ待てコラァッ!!
    今絶対当たったぞ!?何で倒れねぇんだよ!!
    おいミルナ!!スタッフ呼んでこいスタッフ!!
    あのピン、底にボンド付いてんだろ!!
    早くスタッフ呼んで来い!!スタッッッフ〜!!」

(;゚д゚ )「ハイ、今すぐに!!」

(#゚ー゚)「4秒な、4秒!!
    それ以上待たされたらクレーム付けまくるかんな!!」

(;,,-Д-)「穴があったら入りたい……」

从 ゚∀从「アヒャヒャヒャwww。ボンドは付いてねーだろwww」

(//‰ ゚)「あ、今私たち前回の続きでボーリングに来てます 」

(#゚ー゚)「ハイ!!もう28秒経過!!
    スタッッッフ〜!!スタッッッッッフ〜〜〜〜!!」


134 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:28:29.40 ID:xZyyl0Al0
 
                ∩
                ( ⌒)      ∩_ _ ..。:*゚
               /,. ノ      i .,,E)
              ./ /"      / /"
゚*:。.._n         ./ /_∧   / ノ'  ゚*:。..   
  ( l     ノノノノ / / *゚ー゚)/ /
   \ \  (゚∈゚  )(      / ( ゚д゚ )      n 
. ..。:*゜\___ ̄ ̄ ノ ヽ     |  ̄     \    ( E) (//‰ ゚)b
       /    /   \   ヽフ    / ヽ ヽ_//  (|  /´
 
 
        〜〜おまけのようです〜〜

  〜♪
 从从从∧∧
  /⌒,つ⌒ヽ,,)
_,_,(  (    );;:::;;::







138 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:31:29.70 ID:xZyyl0Al0
 
(*゚ー゚)「どぉぉぉりゃぁぁぁぁー───!!」

( ゚∋゚)「お!!おぉぉぉぉぉーおあ〜ぁぁぁああ!!
     惜しい!!でも8本なら次スペア狙── 」

(#゚ー゚)「ちょっと待てコラァッ!!
     今の床が滑った!!ワックス効かせすぎなんだよクソが!!
     訂正な訂正!!投げ直すから画面いじれよ!!」

(;゚д゚ )「ハイ、4秒でやります!!」

(;,,-Д-)「マジでもう帰りたい……」

从 ;∀从「アヒャヒャヒャwww。大変だな、お前らもwww」

(//‰ ゚)「人気AAって治外法権なんですね〜
      おや?隣のレーン……」


143 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:32:50.26 ID:xZyyl0Al0
    オレはかっこいいB-BOY 君はかっこいいFly Girlだった 〜♪

 確か出合いはかっこいい 新山下のベイサイドファクトリーだった 〜♪
\___________________________/
            )ノ

 イ从゚ ー゚ノi、  ⊂( ・∀・ )つ-、从´ヮ`从ト
  i)っ`y'〉っ ///   /_/:::::/ と(y´ i(つ、   
⊂ん、ハゝ   |:::|/⊂ヽノ|:::| /」  んハ_ノつ_.
  し'/ ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄/|    (_/  ヽ、_,))
  /______/ | |
  | |-----------| | 

( ・∀・)「肉体関係 」

イ从゚ ー゚ノi、「Oh〜,Yeah♪」

( ・∀・)「肉体関係 」 
  
从´ヮ`从ト「Ah〜,Ha〜♪」   
    
( ・∀・)「肉体関係 」

(//‰ ゚)「Oh〜,Yeah♪」

( ・∀・)「肉体関係 」 
  
(#゚ー゚)「誰が言うかボケ!!」


145 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:34:13.26 ID:xZyyl0Al0
 
( ・∀・)「あ、しぃさんチョリ〜っすwww」

(#゚ー゚)「何が『肉体関係 part2 逆feat.クレイジーケンバンド』よ!!
    懐かしすぎて涙がちょちょぎれるわ!!
    こんなシモネタラップに読者が付いてくるか!!
    っていうか何あんた当たり前のように2回連続で来てんのよ!!」

从´ヮ`从ト「モラ様ァ〜。このオバさん私怖〜い」

(;゚ー゚)「オバッ……!!」

从 ゚∀从「アヒャヒャヒャwww。言われちゃったなオイwww」

イ从゚ ー゚ノi、「主は誰じゃ?」

(#゚ー゚)「じゃかぁしゃぁー!!
    何ババァ言葉使ってんのよ、このドマイナーAAが!!
    過去の栄光に浸ってんじゃないわよ!!
    正義ヒーローはもう終わったのよ!!」

( ・∀・)「あ、こちら新人の狸娘ちゃんに狐娘ちゃんッすwww。  
      狐ちゃんはもちろんご存じっすよね?」 

(//‰ ゚)「銀様だ!!サイン下さい!!」

イ从゚ ー゚ノi、「気味の悪い顔じゃのぅ。どれどれ……」

(#゚ー゚)「その小憎たらしいババァ言葉を 止 め ろ 」


146 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:35:40.12 ID:xZyyl0Al0
     
・・・・・・

・・・・

・・・

(狐/‰ ゚)「いや〜、光栄です!!まさか2回連続でモララーさんに会えるなんて!!」 
      しかも今日はAA界のシンデレラガール、狐娘さんまでいらっしゃるとは!!」

(#゚ー゚)「確か前回も言ったけど、ここは貴方のような人気AAが来るところじゃないのよ。
    さっさと帰ってくれないかしら?」

( ・∀・)「せっかく来たのに帰れって言われてもなァ〜www。
      それにこの二人にはこの後僕と寝て仕事をゲットしようって魂胆があるんすよwww。
      新人の努力を無下にしちゃ可哀そうじゃないっすかwww」

从////从ト「やっだぁ〜www。モラ様ったらなんでもお見通し〜www」

イ从///ノi、「意地悪なモラ様……素敵!!抱いて!!」

(;゚д゚ )(; ゚∋゚)「………」

( ・∀・)「あれれ〜?この二人おっかしぃぞぉ〜www。
      急に静かになっちゃってどうしちゃってんすかwww?」

(;゚ー゚)。o ○(あ、ヤバ。まだモララー君の誤解説いてなかったわ )


150 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:38:12.17 ID:xZyyl0Al0
 
( ・∀・)「ま、良いんすけどねwww。
      それにしてもアレっすね〜。
      せっかく隣同士のレーンなんだからチーム戦やりません?チーム戦www」

(狐/‰ ゚)「いいですねぇ〜!!
      しぃさん、受けて立ちましょうよ!!」

从´ヮ`从ト「モラ様可哀そうよ〜www。
       このオバさん、きっと肩が上がんないわよ〜www」

(#゚ー゚)「誰が四十肩じゃコラァッ!!」

イ从゚ ー゚ノi、「誰もそんなことは言うてはおらんがのぅwww。
       あ〜、もしかして自覚してるwww?」

(# ー )「球持てや……久しぶりにキレちまったよ……」

(,,゚Д゚)「お、やんのか?勝負となっちゃ負けねーぞモララーwww」

从 ゚∀从「ヒャヒャヒャwww。おもしろそーじゃねーかwww」

(狐/‰ ゚)「でも三対六じゃ人数合いませんね〜。
      じゃ、とりあえずこっちはメジャーな順番ということで」


152 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:38:56.12 ID:xZyyl0Al0
 

  (#゚ー゚) (,,゚Д゚) 从 ゚∀从
   AAスーパースターズ

       ∧∧∧ 
     < V S >
       VVVV 

  ( ・∀・)从´ヮ`从ト イ从゚ ー゚ノi、
 モララー&ファッキンビッチ軍団



 \ワーワー!!ワッセロ〜イ!!/

 ( ゚д゚ )(狐/‰ ゚)(゚∈゚ )
  名もなきヤジ馬軍団


155 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:41:00.99 ID:xZyyl0Al0
 
( ・∀・)「じゃ、僕から行きますよ〜」

  ┌──┐
∪ |::━◎┥
 V|    |\
  |:日 日:|  \     ゴロゴロゴロ
  └┬┬┘  ⊂      三●
   亠亠      

( ・∀・)「ストライ〜クwww」

从´ヮ`从ト「わ〜いwww」

イ从///ノi、「モラ様素敵!!抱いて!!」

( ・∀・)「余裕っすwww」

(; ゚∋゚)「ちょっと待てぇ〜い!!」

( ・∀・)「なんすか?」

(; ゚∋゚)「今何にボール投げさせた?アンタ一体何にボール投げさせたんだよ!?」

( ・∀・)「何って、スタントマンっすwww」


158 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:42:01.03 ID:xZyyl0Al0
 
(; ゚∋゚)「いくらアンタでもそんなのがまかり通ってたまるかー──っ!!
     しぃさん!! ここは流石にガツンと言って──」

(*゚ー゚)「は?アンタ何言ってんのよ。投げるからそこどいてくんない?」

(; ゚∋゚)「えぇ〜!?良いの!?これ良いの!?ギコさん、これ良いんすか!?」

(,,゚Д゚)「そりゃスタントマンだからな 」 

从 ゚∀从「クックル、今日おかしいぞwww」

(; ゚∋゚)「嘘ぉ!!オレが間違ってるの!?オレに常識がないの!?
     あんなの、どう見たってサイボーグじゃないっすか!?」

(狐/‰ ゚)「ちょっと今何て言いました?」

(; ゚∋゚)「は?」


162 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:43:48.85 ID:xZyyl0Al0
 
(狐/‰ ゚)「ワタシ ヲ 差シ置イテ サイボーグ ナドト……片腹痛イワ!!」

(; ゚∋゚)「ちょっと何急にカタカナで喋ってんの!?
     封印されし忘れら去られた自分を思い出したの!?
     イボ太郎!?おい、イボ太郎!?」

(狐/‰ ゚)「ワタシ ハ サイボーグ横掘……
      総合ガ 生ミダシシ 心無キ 人形ナリ!!」

(,,゚Д゚)「おうイボ太郎。じゃ、変わってやろうか」

( ;∋;)「うわぁ〜ん!!みんなおかしくなっちゃったよ〜!!」

( ゚д゚ )。o ○(さて、トイレにでも行ってくっか)


           ───「おい!!今当たったのに倒れなかったぞ!!」
   

             ───「しぃさん、今回はダメっすよ〜www」


                  ───「オバちゃんムキになっちゃってwww」
・・・・・・

・・・・

・・・


166 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:45:20.50 ID:xZyyl0Al0
 
ジャァー……
 ┏━━━━━━━┓
 ┃          ┃
 ┃    ( ゚д゚ )  ┃
       |つ⊂ |  ┃
  (    )      ┃
   |   つ━━━━┛
   |  |
   |  |   <フゥー。すっきりした。
   ∪∪

( ゚д゚ )「オレ達ってさ〜……」

( ゚д゚ )「しぃさんに振り回されっぱなしだよなぁ〜……」

( ゚д゚ )「……でも」

(*゚д゚ )「しぃさん、可愛いよなぁ……」

(*゚д゚ )「いいなぁ〜。ギコさんは。あんな可愛い彼女居て……」

(*゚д゚ )「でもギコさんカッコいいからなぁ……。はぁ〜ぁ……」


     ──ギコ……さん……?──


168 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:46:51.29 ID:xZyyl0Al0
 
( ゚д゚ )「ん?なんか今声が……?」


     ──ギコさんが……ここにいるの……?──


(;゚д゚ )「何だこの……精神を圧迫するような……
     井戸の底から響いてくるようなこの不気味な声は……」


     ──ギコさんが居るのなら……──



(;゚д゚ )。o ○(!!突然……金縛りに!!体が動かな……!!)



170 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:47:45.89 ID:xZyyl0Al0
 
ずるぅーり……ピシャッ!!


       ずるぅーり……ピシャッ!!


 ┏━━━━━━━┓
 ┃          ┃
 ┃    (;゚д゚ )   ┃
       |つ⊂ |  ┃
  (   ;)      ┃
   |   つ━━━━┛
   |  |
   |  |   。o ○(何だこの……濡れた服を引きずるような音は!?)
   ∪∪



173 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:49:21.28 ID:xZyyl0Al0
 

ずるぅーり……ピシャッ!!!!


       ずるぅーり……ピシャッ!!!!


 ┏━━━━━━━┓
 ┃          ┃
 ┃    (;゚д゚ )   ┃
       |つ⊂ |  ┃
  (   ;)      ┃
   |   つ━━━━┛
   |  |
   |  |   。o ○(だんだん……近づいてくる!!)
   ∪∪



175 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:50:17.53 ID:xZyyl0Al0
 

ずるぅーり……ピシャシャッ!!!!


       ずるぅーり……ピシャシャァッ!!!!


 ┏━━━━━━━┓
 ┃    ピト     ┃
 ┃   川(;゚д゚ )  ┃
      | |つ⊂ | ┃
川川川 ;)      ┃
|   |   つ━━ ━┛
|   |  |
|   |  |   。o ○(ん?何だこの……長い髪の毛のような……。あ)
∪∪∪∪

 
( ;д; )「あぁぁぁぁぁー─────!!」

・・・・・・

・・・・

・・・


179 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:52:07.14 ID:xZyyl0Al0
 
(#゚ー゚)「プンスカプンスカ!!=3
     カッカカッカ!!=3」

(; ゚∋゚)「しぃさん、落ち着いてください!!」

(;,,-Д-)「ゲームが進まねぇ……」

从 ゚∀从「ひゃっひゃっひゃwww。面白いだろ、お前らwww」

从´ヮ`从ト「くそ笑えますぅ〜www」

イ从゚ ー゚ノi、「愉快じゃwww」

( ゚д゚ )「………」

(,,゚Д゚)「ん?おぉ、ミルナ。便所遅かったな。うんこか?」

( ゚д゚ )「ジッ………」

(;,,゚Д゚)「な、なんだよミルナ。今日はいつも以上に見てくるな。
     あぁ、今ちょっとしぃが駄々こねててな……
     ん?ミルナ立ちあがって何処へ……?」

( ゚д゚ )「ツンツン………」      

(#゚ー゚)「五月蠅い!!何よ!!」


180 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:53:11.31 ID:xZyyl0Al0
 
|||||||||||||||||||||| ||  || |||||||||||||||||||||||||||||||||
|||||||||||||||||||||| ||  ||  |||||||||||||||||||||||||||||||
|||||||||||||||| |||| ||  || ,,,,,,,|||||||||||||||||||||||||||||
|||||||||||||||| ||| || ,,-||-;;':::::::::||||||||||||||||||||||||||||
|||||||||||||||| ||| ||::::,||;;;;--""" |||||||||||||||||||||||||| きっと来る……
|||||||||||||||| :|| ||-"|   Y  |||||||||||||||||||||||||
||||||||||||||||| || | :||  l  X ||||||||||||||||||||||||
|||||||||||||||||| | | ||  ,,_,,    ||||||||||||||||||||||
|||||||||||||||||| | |,-||'lllll||O|||lllll-,, |||||||||||||||||||||
|||||||||||||||||||| ||||||||||||||||||||||||||l' |||||||||||||||||||
|||||||||||||||||||| |-||llllllllllllllll-:::::::::"" |||||||||||||||||
||||||||||||| |||||| | ||:::::::::::::::::::::::::::::::::::|| ||||||||||||||
||||||||||||| ||||| | |-;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;|| ||||||||||||||
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||||||||||| :|| ||| ||         ||  |||||||||||||||
||||||||||  || ||| ||         || :| ||||||||||||||
||||||||||   || ||| ||        || | |||||||||||||
||||||||||   ||  || ||        || | |||||||||||||


(;゚ー゚)「ぎゃぁー────!!」

( ゚д゚ )「………」    

(;,,゚Д゚)「どうしたしぃ!?」


182 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:53:57.18 ID:xZyyl0Al0
 
(;゚ー゚)「なんか……急にあと一週間で死ぬような気がしたわ!!」

(;,,゚Д゚)「ミルナ、何かしたのか?」

( ゚д゚ )「フルフル………」  

(;,,゚Д゚)「そうか……」

(*゚д゚ )「ジッ………」

(;,,゚Д゚)。o ○(何か視線が……)

从 ゚∀从「あひゃっひゃっひゃwww」

(狐/‰ ゚)「真ノ マシーン ノ 力、存分ニ 見ルガイイ!!」

|::━◎┥「ピッ!!ガー──!!」


・・・・・・

・・・・

・・・


185 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:56:45.98 ID:xZyyl0Al0
 
( ゚д゚ )「ジッ………」

(;,,゚Д゚)「おい、そんなに見るな……」

( ゚д゚ )「ピタ………」

(;,,゚Д゚)「くっつきすぎだぞ……あと股間を触るな 」

( ゚д゚ )「ギコさん………」

(;,,゚Д゚)「何だよ……いいから股間から手を離せ 」

(*゚д゚ )「好きです………」

(;,,゚Д゚)「やめろぉぉぉぉー────!!」

(狐/‰ ゚)「ギコサン?ドウシマシタ?」

(; ゚∋゚)「なななっ!!またオレの知らない何かが!?」

(*゚ー゚)「一体どうしたってのよ?」


187 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:58:04.86 ID:xZyyl0Al0
 
(;,,゚Д゚)「こ……」

( ゚д゚ )「ピタ………」

(,,;Д;)「このミルナ……変なんです!!」

(*゚ー゚)「なんだ君は!?」

( ゚д゚ )「何だてめぇはってか?
     そうです。私が変なミルナd── 」

Σ(;,,゚Д゚)「っ!?」

(; ゚∋゚)「女の声!!お前は誰だ!?」

(*゚д゚ )「テヘッwww。ミスっちゃったわwww。」


188 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 00:59:03.42 ID:xZyyl0Al0
 
从 ゚∀从つ( ゚三゚ )「お〜いwww」

(;,,゚Д゚)「ハイン!!ん?誰だその猿ぐつわされてるやつは?」

从 ゚∀从つ三「ほらよwww」(;゚д゚ )「ぷはぁっ!!」

(;,,゚Д゚)「ミルナ!!じゃ、こいつは一体……」

(;゚д゚ )「ギコさん!!騙されちゃだめです!!
     こいつは……痴女です!!男子便所に潜む痴女なんです!!
     オラ!!髪を元に戻しやがれ!!」

(#゚д゚ )「ちょっと痛いわね!!放しなさい!!放しな……」
 バサ
川д川「あらヤダwww」

(; ゚∋゚)「貞子!!
     貴様はマイナーAAに分類されながら
     小賢しくもブログ連合で何らかのイベントを企画されている貞子じゃないか!?」

川д川「どーもぉwww」


191 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 01:00:52.65 ID:xZyyl0Al0
 
(; ゚∋゚)「貴様というやつは何と面の皮の厚い女だ!!
     このコーナーは基本、本編に登場して出番が終わったAAが来る場所だ!!
     本編未出場にも関わらず、さらに主役の企画があるにも関わらず!!
     何という卑しい女だ!!恥を知れ!!」

川д川「出てますケド……」

(;,,゚Д゚)「実は第一話でオレ達と一緒に……なぁ、しぃ?」

(*゚ー゚)「さぁ〜?もう覚えてなぁ〜ぃ 」

川*д川「あの時ギコさんったら私の目の前でおしっこ漏らしたりなんかしちゃってwww。
      可愛かったわぁ。
      将来は私がおしめ変えてあげるんだから☆キラッ」

(;,,゚Д゚)「いや、あれ台本だから仕方なく……。
     それにオレには心に決めた相手が……なぁ、しぃ?」

(*゚ー゚)「知らなぁ〜い♪そうなのぉ?」

(;,,゚Д゚)「ちょっと待て!!オレにはまだ仕事が!!
     元ネタ解説が!!」

从 ゚∀从「今日は別にないみたいだぜぇwww」


193 名前:おまけ ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 01:02:58.00 ID:xZyyl0Al0
  
(;,,゚Д゚)「………」

川*д川「………」

(;,,゚Д゚)「………」

川*д川「………スキ☆キラッ」

(;,,゚Д゚)「ちょ!!待て!!まっ……!!」

      ───あぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜

・・・・・・

・・・・

・・・

从 ゚∀从「さーてと。アタシは仕事あるな。次回予告すっかぁーwww。
      ん?そういえばモララー達いねぇな……」

(狐/‰ ゚)「ヨキ 勝負デアッタ……」

|::━◎┥「ピッ……ピピー!!」


195 名前:予告 ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 01:03:51.09 ID:xZyyl0Al0
 
( ^ω^)「キモい。語尾と顔がキモい 」

(炎 `ω´)「顔は基本テメェと同じだミョウオウ!!」

気がついたブーンは一面真っ白な世界で自分にそっくりな青年と出会う。
ブーンを意識の深淵へと引き込んだのは彼なのか?

その白い世界でブーンは……

( ^ω^)「でかっ!! でも卵じゃねぇかwww」

巨大な卵を目にすることとなる。
滑らかな殻には一切のひびや裂け目はなく、それでも中から確かな鼓動を感じる。


この白い空間は?


出会った青年の正体は?


この卵は?


……ショボンとの決着は?



198 名前:予告 ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 01:05:29.60 ID:xZyyl0Al0
 
更に姿を現す招かれざる客……パンゲア。
  
( <●><●>)「そのままお待ちください、退魔師の面々よ 」

───月下の怪人 ワカッテマス

 _、_
( ,_ノ` )「お望みとあらば今すぐ貴様らを殲滅してやっても構わんがね 」

───宵闇の炎 渋沢


(’e’)「やれやれ……大事なサンプルが台無しだ 」

───中世の錬金王 セントジョーンズ


(  ゚_ゞ゚) 「ふむ……退魔師の血は中々にエネルギーに満ちている。美味だな 」

───始祖 オサム・ヴラド・ツェペシュ


200 名前:予告 ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 01:06:22.35 ID:xZyyl0Al0
 
そして………

/ ,' 3 「この……波動はっ!?
    フォックス!! 若いモンを下がらせろ!!」
 
力なき者はその出現により朽ち果て、灰燼に帰す。
  
爪;'ー`)「あぁ、何という……何ということを……」



    『老いたな荒巻よ……いや、昔の名で呼んでやろうか?』



現れるのはパンゲアの主……



次回
             ( ^ω^)ブーンは退魔師稼業のようです━╋RETURNS━━

        ――――第二章・臨界突入!!立ち込める暗雲、少々の晴れ間――――



                     〜その2、魔帝降臨〜



202 名前:予告 ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 01:07:55.25 ID:xZyyl0Al0
 
从 ゚∀从ノシ「それでは皆さん、まったね〜 」

(*゚ー゚)「さぁ〜て、そろそろギコから誰かに乗り換えっか〜」

(*゚д゚ )。o ○(え?しぃさんまさか僕のこと言ってるんじゃ……)


・・・・・・

・・・・

・・・
フンフンフンフンッ!!
( ・∀・)「貞子さんが出てきたとこで帰って正解っすね〜www」

从*´ヮ`从ト 「モラ様ぁ〜。そこッ!!きゃうん!!」

イ从///ノi、「もぉ〜。たぬ子ばっかりズルイのぉ〜!!」
フンフンフンフンフンフンフンッ!!
( ・∀・)。o ○(コイツラに仕事紹介するのダリぃ〜な)


204 名前:予告 ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 01:08:30.56 ID:xZyyl0Al0






             続 く







201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 01:07:49.70 ID:5TIH9HIpO
乙!




質問おk?

205 名前:予告 ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 01:09:38.11 ID:xZyyl0Al0

今回のおまけは没ネタスレ?で◆ROYFjJ0Gfsさんが考えた

『( ゚д゚ )二人は入れ代わるようです川д川』

を元に許可をいただいて作成しました。
気に入る出来に仕上げることができたか自信はありませんが…

良い設定を快く提供してくれたネタ主様には感謝です。

では今日はここまで。
遅い時間にありがとうございました。


>>201 おk

209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 01:13:55.07 ID:IhHM3A27O
予告で( ^ω^)のペ…もとい、守護仏が不動明だと分かったワケだが



/ ,' 3とか、他の裏高野の人達って守護仏とかいるの?
…いたら、kwsk

214 名前:予告 ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 01:22:58.43 ID:xZyyl0Al0
>>209
います。

(=゚ω゚)ノ 守護神:大日如来
         密教の最高神。
         大日如来を守護神とする者はあらゆる法力を使いこなすことができる。
         ……と原作にありましたww

爪'ー`) 守護神:風天神
        前回の元ネタでもちょろっと触れましたが、風天神という神はいません
        原作ではこう表記しているのでそのまま流用しましたが、
        恐らく風天(ヴァーユ)の事かと。
        風天神はかなり好きww

/ ,' 3 守護神:こいつは次回出しますwwお楽しみに

あと裏高野じゃなくても一人一人に守護神は存在します。
ドクオやショボンは法力を使わないので関係ないですが。
もしかしたら今後彼らの守護神も出てくるかもしれませんねww


212 名前: ◆ROYFjJ0Gfs :2008/12/20(土) 01:16:51.17 ID:5TIH9HIpO
合ってっかな?

>>205
没ネタスレで拾ってもらいwktkしてたがホントに本人か不安になって一ヶ月………
てめぇwwwwwwwwww入れ替わるとこしか使ってないじゃないかwwwwwwwwwww

216 名前: ◆FnO7DEzKDs :2008/12/20(土) 01:32:05.10 ID:xZyyl0Al0
>>212
あ、こりゃどうもwwww
貰った設定をヒントに話を小出しにして行きたいと思って
貞子はまだ出すんで今後も頂いたネタを使わせてもらってもいいですか?

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