( ^ω^)ブーンは退魔師稼業のようです ―――第一話・破戒僧―――
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/26(日) 20:24:46.30 ID:Dhv5xQlM0
- 暗い室内。
窓から遠慮がちに指す街灯の明かりで完全な闇ではない。
しかしその部屋で一人呆けるオレの胸はどす黒い完全な闇に侵されていた。
自らの考えなき行動で一生の後悔を背負う事になった。
そしてその夜から毎晩狂気の時間を味わう事になった。
今夜も彼女が来る。
自分が狂うまでか死ぬまでか。
それとも死して魂となった後も未来永劫か。
そろそろ自分は狂う。
恐怖に耐えられるのはあと数日だろう。
嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…
今朝郵便受けに放り込まれていたこのビラ。
『不可解な出来事に関する相談承ります』と冠した怪しさ全開のビラにさえ頼ろうとしている自分はもう正気ではないのかもしれない。
しかし1厘でもこれをどうにかしてくれる可能性があるなら頼ってみよう。
今彼女が来た。
今夜の恐怖が終わってまだオレがオレなら頼ってみよう。
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/26(日) 20:25:23.88 ID:Dhv5xQlM0
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( ^ω^)ブーンは退魔師稼業のようです
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/26(日) 20:26:43.34 ID:Dhv5xQlM0
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( ^ω^)「おい、そこのボンクラ。さっさと仕事の一つでも見つけて来いお」
(´・ω・`)「ぶち殺すぞ」
( ^ω^)「正直スマンかったw」
薄暗い店のカウンター越しに二人の男が何やら言い合っている。
一直線のカウンターテーブルには丸いすが8つ。
頭上には天井から下がった4つのランプが頼り無く、しかしバーとしては十分な光源として存在を主張している。
カウンター内には和洋折衷、古今東西、多種多様のリキュールを整然と並べた2つの棚。
その前でワイングラスを磨くのはショボン。
この『バーボンハウス』の若きマスターである。
(´・ω・`)「とりあえずお使いでも頼むよ。ジンとウォッカ、それからテキーラを3本ずつ 」
( ^ω^)「ザケンなお!昨日も一昨日も買ってきたお!
既にその三種類はストックが300本を超えてるお!バー潰して酒屋でも始める気かお!?」
(´・ω・`)「……このクソバイトが…」
(;^ω^)「今ケツの穴にツララを突っ込まれたような気分を味わったお…」
そして若きマスターに精神に食い込むようなドス黒い圧迫感を与えられているクソバイトは内藤ホライゾン。
通称ブーン。
20歳を過ぎても大学にも行かず定職にも付かず…ご近所さんは誰もが彼をNEETだと思っている。
しかし、彼は断じてそうではない。なぜなら…
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/26(日) 20:29:00.97 ID:Dhv5xQlM0
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カランカランカラン…
入り口のドアが備え付けたベルの無機質な金属音と共に開く。
同時に入ってくるスーツを着た男。
土色はある一定の悩みを抱えて来店する者に共通の顔色。
そしてその悩みを抱えている者、特有の匂い。
男は何も言わずカウンターに歩み寄る。
ショボンとブーンも何も言わずその様子を眺めている。
男がカウンターに座って初めてショボンが言葉を発した。
(´・ω・`)「ようこそバーボンハウスへ。
このテキーラはサービスだからまず飲んで落ち着いてほしい。で、ご注文は?」
男は重々しい口調であるカクテルを注文した。
( ,,゚Д゚)「………シルバーバレットを…」
…なぜなら、魔を祓う銀の弾丸を注文する客が現れたとき、バーは事務所へと変わり、クソバイトは所長へと変わるから…
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/26(日) 20:29:59.82 ID:Dhv5xQlM0
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―――第一話・破戒僧―――
- 10 名前:第一話:2007/08/26(日) 20:31:39.15 ID:Dhv5xQlM0
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( ^ω^)「ほぅほぅ、不倫相手が自殺未遂を。それから身の回りでおかしなことが起こり始めたわけですかお?
あぁ、そこのクソ助手、お客様にお茶をお出しして」
(´・ω・`)「チッ!!」
盛大な舌打ちをしつつも、数分後2つの湯飲みをトレイに乗せて戻ってくるショボン。
男とブーンに湯飲みを渡すと自らも傍らに待機した。
( ,,゚Д゚)「はぁ、ありがとうございます」
(;^ω^)(ペロッ、これは青酸カリ!!)
ブーンは湯飲みを静かに置いて男の話に耳を傾けた。
(´・ω・`)「チッ!!」
その後、その湯飲みに触れることはなかった。
( ,,゚Д゚)「1年前、妻が体を壊しまして…実家で静養させていた時期に同僚の貞子と言う女性と関係を持ちました。
私達はお互いの欲望を貪り合いました。妻が離れて寂しかったこともあるかもしれません。」
(#^ω^)「…ヤリチンは死ね…」
( ,,゚Д゚)「え?」
- 11 名前:第一話:2007/08/26(日) 20:33:27.31 ID:Dhv5xQlM0
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(´・ω・`)「あ!いや、何でもないですよ〜♪さ、続きをどうぞ」
困惑の表情を見せる男を、あわててショボンは促した。
男は首を傾げつつも話を進める。
それはよくある恋愛の縺れ話だった。
もっとも途中まではであるが。
( ,,゚Д゚)「はぁ…妻が回復し帰ってきたのがつい先月なんですが、私は元気になった妻を見て思わず涙してしまいまして…
遅ればせながら妻を愛している事を再認識しました。
こんな関係続けるべきではない。そう思った私は貞子を会社の屋上に呼び出して別れを告げました。
その直後…彼女は手すりを乗り越えて…一命は取り留めたのですが 」
(´・ω・`)「そして?おかしなことって言うのは?」
( ,,゚Д゚)「はい。ある日の夜中、私は寝付けずにいました。
ベッドで寝ている妻に悪いので居間に出てビールでも飲もうかと思ったとき、唐突にテレビがついたんです」
不意に話の種類が変わる。
男もここから先は口調が心なしか重い。
男の気持ちを知ってか知らずか、ブーンとショボンは続きを促す。
( ^ω^)(´・ω・`)「「ほう、それでそれで?」」
( ,,゚Д゚)「テレビには井戸が映っていました。不思議とその画面に見入ってしまっていると…井戸から…井戸から!!」
( ^ω^)(´・ω・`)「「井戸から?」」
- 12 名前:第一話:2007/08/26(日) 20:34:43.71 ID:Dhv5xQlM0
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二人して『ワクワクテカテカ』とでも言い出しかねない食いつきよう。
聞き上手な二人に思わず男も力を入れて話す。
( ,,゚Д゚)「彼女が!!貞子が現れてこっちに近づいてくるんです!!
毎晩毎晩私は夜中に目が覚め、誘われるようにリビングでテレビに見入ってる!!
コンセントを抜いても彼女の映像は映る!
日ごとに彼女は近づいてくるんだ!!今夜にもテレビから出てきてしまうかのように!!」
(´・ω・`)「わっ!!( ゚ω゚)「いゃぁぁーーーーーーーっ!!」
( #゚Д゚)「(ビキビキ)……私としては深刻な問題なんですが…」
自分と二人の間の温度差が大きいことに多少ムカッときている男。
しかし社会人としての立ち位置が鉄拳制裁に出ることを拒ませる。
真面目かどうかは分からないが、しょぼくれた顔をしている助手と呼ばれた方が聞き返してきた。
(´・ω・`)「サーセンwwなるほどねぇ。で、問題の貞子さんはどうしてるんですか?まだ生きてるんでしょ?」
( ,,゚Д゚) 「はい…昏睡状態ではありますが…」
(´・ω・`)「おk。さて所長、どう思います?」
これだけで何かが分かるのか?
男は二人に対する疑惑の念を大きくしていったが、緩い顔をした所長と呼ばれた方が事も無げに答えた。
- 14 名前:第一話:2007/08/26(日) 20:35:46.99 ID:Dhv5xQlM0
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( ^ω^)「呪いだお。しかも極めて悪質なケースだお 」
( ,,゚Д゚)「そんなに悪いんですか!?でも…!解決してくれるんですよね!?」
( ^ω^)「解決?あぁ、そっちは無問題だお。さっさと片付けてやるお。悪質なのはそこじゃないお… 」
( ,,゚Д゚)「??」
呪い…
日常では関わりのない言葉が耳に飛び込んできた。
男はつい先程まで疑っていた相手に藁にも縋る思いで助けを求めた。
非日常に叩き込まれて判断力が低下していたのだろうか。
しかしどうやらこの二人の言い分では頼りにはなるらしい。
(´・ω・`)「この程度の呪いならオレ1人でもどうにかなると思いますが、どうします所長?」
( ^ω^)「今回は僕がやるお。じゃ、ギコさん。今夜お邪魔しますお 」
( ,,゚Д゚)「え、えぇ…よろしくお願いします 」
多少引っかかる言い方もしていたが、今夜すぐに対応してくれるという事で男はそれは些細な事だと切り捨てた。
- 15 名前:第一話:2007/08/26(日) 20:36:40.12 ID:Dhv5xQlM0
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―――深夜―――
( ,,゚Д゚)「いやだぁー―――!!助けて!!内藤さん!!ショボンさん!!怖い!!怖いぃー―――!!」
男の自宅には泣き叫ぶ男の姿。
その下半身には顔が隠れるほど前髪をたらした女がまとわり付いている。
川 -川「・・・・・・・」
女からは生気は感じられない。
感じられるのは強い思い。
しかし、男が必死で抵抗しているその傍では、何事もないかのように涼しい顔をしたブーンとショボンがいた。
そして女性がもう一人。
男の妻である。
(*゚ー゚)「これは!?一体何が!?」
(´・ω・`)「あなたが静養中に旦那が不倫
女は捨てられて自殺未遂
これは女の生霊 」
(*゚ー゚)「把握した。ですが何故こんな目に… 」
- 17 名前:第一話:2007/08/26(日) 20:37:37.62 ID:Dhv5xQlM0
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産業で説明するショボンに物分りのいい妻。
妻の疑問にはブーンが答える。
( ^ω^)「彼女の名前は貞子さん。貞子さんは可哀想な人だお。
不倫でもギコさんを愛していた。自殺を図るほど苦しんでいたんだお。
でもギコさんはそんな事お構いなし。ただの性欲のはけ口としか見てなかったお。
苦しむのは貞子さんだけでいいのかお?それじゃ不公平だお 」
その退魔師の男はにやけた表情を崩す事もなく淡々と言った。
( ^ω^)「それに奥さんも浮気されっぱなしでは収まらないお?どうせだから苦しめてやるお。
何事もなく解決してしまったらどうせ奥さんには秘密にしてたお。
ご希望ならこのまま呪い殺されるまでここで見てるお 」
( ,,゚Д゚)「なっ!!それじゃ話が違う!!助けてくれ!!助けてくださいぃー―――!!」
恐怖を餌にしているかのように、絶叫で喜びに打ち震えるかのように、呪いはゆっくりと、だが確実に男の体を這い上がってくる。
やがて目の前に達したとき、そして目が合ったとき自分は死ぬのだろう…
男は漠然とだが感じた。
しかし、今ならこれを打開する方法を知っている者がこの場にいる。
死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない…
- 19 名前:第一話:2007/08/26(日) 20:39:56.97 ID:Dhv5xQlM0
- ( ,,゚Д゚)「お願いだぁ…しぃ…お前からも頼んでくれぇ…俺は死にだぐないよぉ…」
既に喉が潰れたか、絞りカスのような懇願が口を付いて出た。
顔は既に涙か鼻水か、それとも涎か区別も付かない液体にまみれ、プライドのかけらもない崩れた表情を見せている。
あまつさえ失禁で股間を濡らしすらしている自らの夫を見て妻はこう言った。
(*゚ー゚)「…情けない人… 」
( ,,゚Д゚)「え…?」
(*゚ー゚)「全部自分のせいじゃない。自業自得ね。私が苦しい思いをして病気と闘ってるときにあなたは!! 」
( ,,゚Д゚)「……い、いやだ!死にたくない死にたくない死にたくない!!
助けて助けてタスケテェェェェ!!すまなかった!!その通りだ!!オレが悪いんだ!!」
当然の抗議だった。
妻に対して後ろめたい気持ちがなかったわけではない。
しかし現実には自分は他の女と快楽に溺れていたのだ。
(*゚ー゚)「このまま呪い殺されても仕方のないことだわ…」
( ,,;Д;)「ゴメンナザイユルジデグダザイゴメンナザイユルジデグダザイゴメン…」
対魔師二人が妻に判断を委ねている以上、これは死刑宣告に等しかった。
男は体裁もプライドもかなぐり捨てて自らの命を乞う。
既に頭は正常に回らず、ただただ許しを請うだけの言葉が口から漏れていた。
妻は裏切った自分をどんな目で見ているのだろうか。
涙で滲んだ視界、そして泣き腫らした瞼で狭くなった視界では妻の細かい表情まで読み取る事ができない。
恐らく自分を虫けらでも見るような目で見ているのだろう。
ぼやけた視界の中で妻は身を動かす。
- 20 名前:第一話:2007/08/26(日) 20:41:18.55 ID:Dhv5xQlM0
- 二人の対魔師の前に膝を付き、両手を突き、額を下げ…
次に聞いたのは妻の思いもよらない言葉だった。
(*゚ー゚)「でもね…こんな人でも私の夫です。私が愛するのはこの人の他にいません。どうか助けてあげてください。お願いします 」
( ,,;Д;)「ゴメ…………え?」
ただただ無表情に経過を見守っていた退魔師とその助手は同時に微笑んだ。
( ^ω^)「よく言ったお。それでは…」
直後、いつも緩んで止まない青年の表情が俄かに緊張した。
( ^ω^)「元裏高野 退魔師 内藤ホライゾン。魔を祓わせていただく! 」
両の掌を胸の前にかざし精神を集中させる。
虚空から光の粒子がそこに集まる。
始めはただ明るいだけに思われた光の集合体は徐々に質量を帯びているかのような存在感を持ち始めた。
( ^ω^)「破っ!!」
同時に光は帯を成し、男に覆いかぶさり今にも視線を合わさんとする呪いを包んだ。
光に触れた呪いは、その箇所から次々と光の粒子へと姿を変える。
呪いが完全に光になる瞬間、男が見たその表情は、
川ー゚川「・・・・・・」
( ,,;Д;)「さ…さだ…こ?」
嫉妬に狂った女の顔ではなく愛する男に向けた微笑だった…
- 21 名前:第一話:2007/08/26(日) 20:42:11.69 ID:Dhv5xQlM0
-
―――後日―――
(´・ω・`)「おい、そこのクソバイト。ジンとウォッカとテキーラ仕入れて来い 」
(;^ω^)「ちょwまたかおwすでにストックは400本を超えてるお。もはやバーってレベルじゃねーお…」
相変わらずの押し問答が聞こえる店内に一人の客が入ってきた。
(*゚ー゚)「先日はどうもお世話になりました 」
(´・ω・`)「やぁ、いらっしゃい。どうぞお掛けください 」
サービスのスピリッツと共にカウンター席に迎え入れたショボン。
テキーラを喉に流し込んだしぃは、事後の状況を産業でまとめた。
(*゚ー゚)「貞子は亡くなった
ギコは精神的ショックで入院したがもうすぐ退院
あれはカメハメ波?」
度数の高い酒を飲んでも物ともしない。
それを見て二人は微笑みつつ今回の依頼の報告を行う。
- 24 名前:第一話:2007/08/26(日) 20:43:34.96 ID:Dhv5xQlM0
- ( ^ω^)「呪いは思い。悪いものばかりとは限らないお 」
(´・ω・`)「貞子さんはギコさんの目の前で飛び降り自殺を図った事をとても悔やんでたんだろう。
愛する人に見せるべきではなかったとね 」
( ^ω^)「だからその事を謝りたくて死ねなかったんだお。思いを遂げて逝くことができたんだお 」
(´・ω・`)「まぁ、オレ達もちょっと悪乗りしすぎた感はあるけど、旦那さんにはいい薬になったんじゃないかな?
これからはあなたの為に尽くしてくれると思うよ 」
多分これからは全てが元通りになるだろうと言う二人。
だがしぃが聞きたいことはそういうことではなく…
(*゚ー゚)「で、カメハメ波は?」
華麗にスルーを決め込んでいたがここまで食いつかれてはそういうわけにもいかない。
別に秘密にする事でもないし、とショボンは答える。
(´・ω・`)「ブーンは徳の高いお坊さんの下で修行を積んだことがあってね。あれは発勁といって法力の一種さ。
天国に行く手助けみたいなもんだね。ちなみに一般人には真似のできない芸当だから、練習しても出ないよ 」
(*゚ー゚)「なんだ。私じゃ無理なんですね… 」
あからさまに肩を落とすしぃ。
このような中二病の妄想にふけるのを見て見ぬ振りをする情けがバーボンハウスにも存在した。
- 25 名前:第一話:2007/08/26(日) 20:44:18.43 ID:Dhv5xQlM0
- (*゚ー゚) 「主人が退院したら一度貞子さんのお墓参りに行きますわ。彼女も主人の顔が見たいだろうし 」
( ^ω^)「人は死んで成仏しても供養の気持ちは伝わるお。ぜひ行ってあげて下さいお」
(´・ω・`)「そうだね、このお札はサービスだから受け取ってほしい。
ブーンが法力をこめて書いた古くから伝わる魔除けのお札だよ。将来の保険と思ってくれればいい 」
晴れやかな表情の妻が帰った後、バーボンハウスはいつもの寂れたバーに戻った。
一直線のカウンターテーブルに丸いすが8つ。
頭上には天井から下がった4つのランプ。
カウンター内には和洋折衷、古今東西、多種多様のリキュールを整然と並べた2つの棚。
カウンター越しのマスターとクソバイト。
マスターは神妙な面持ちでクソバイトに語りかける。
(´・ω・`)「ところでブーン、聞いていいかい?」
神妙とは無縁の表情でクソバイトは答える。
( ^ω^)「なんだお?」
(´・ω・`)「君はどうして裏高野を抜けたんだっけ?」
( ^ω^)「そんなの一つしかないお 」
きりりと表情を引き締めて彼は言い放った。
- 26 名前:第一話:2007/08/26(日) 20:45:04.42 ID:Dhv5xQlM0
- ( ^ω^)「あのクソジジィ!自分はおにゃのこと遊びまわってるくせに僕には『女淫は禁止ぢゃ』とか言うんだお!!
あのままあそこにいたらジジィが生きてる限り僕の純潔が失われる事はないお!!
魔法使いなんて真っ平ゴメンだお!!だから逃げてきたんだお!!」
(;´・ω・`)「ふ、ふ〜ん…じゃ、とりあえずジンとウォッカとテキーラをk…」
そのとき無機質な金属音と共に土色の顔をした客が入ってきた。
特有の匂い…魔の残り香を漂わせて…
客は何も言わずカウンターに歩み寄る。
ショボンとブーンも何も言わずその様子を眺めている。
男がカウンターに座って初めてショボンが言葉を発した。
(´・ω・`)「ようこそバーボンハウスへ。このテキーラはサービスだからまず飲んで落ち着いてほしい。で、ご注文は?」
( ^ω^)ブーンは退魔師稼業のようです―――第一話・破戒僧――― 終
- 28 名前:第一話・元ネタ解説:2007/08/26(日) 20:49:16.62 ID:Dhv5xQlM0
- 第一話投下終了です。
一厘の説明代わりにしてくれた人d
iVPsFAA2Oすごく助かるよ
すぐ猿さん食らうんだ
あまりにも分かりにくいため元ネタ解説
元ネタは孔雀王です
ブーンが言ってる『裏高野山』はその昔、
弘法大使空海が日本に持ち込んだ密教を伝える影の組織で、
平たく言えば法力を駆使するゴーストスイーパーのエリート坊主集団です。
引き続き、二話投下します
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