129 :愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 05:35:08.23 ID:z8MDhwJsO
( ^ω^)「兄者おはいおー」
( ´_ゝ`)「おお、生きてたか…。心配したぞブーン。
なんだか大変だったらしいな。ニュースでも大騒ぎだぞ。VIPの抱えるレイヴンの半数が死亡したとかなんとか…」
( ^ω^)「何気に運は良いみたいなんだお。最近はよく死にかけるけど…」
( ´∀`)「え〜静かに! 全員来たみたいだしそろそろ始めるモナ」
 
太陽が真上に登る頃、全てのレイヴンは緊急召集された。なんでもこれまでに分かった事を伝えるらしい。
 
( ^ω^)「ツンがまだ来てないお。他にもドクオたちが…」
( ´∀`)「ドクオとミルナ君と荒巻さんとツンちゃんは重要な任務に就いてもらってるモナ。本当は三人に行ってもらう予定だったけど、今朝急にツンちゃんが志願してきたモナ。
ツンちゃんならそんなには足を引っ張らないと思うし、同行を許したモナ」
( ^ω^)「把握した」
( ´∀`)「じゃあ始めるモナ」
 
モニターに研究所の写真が映る。
 
( ´∀`)「これは前にドクオが調査した研究所モナ。奥には地下に繋がるリフトがあって、そこからはニューソクシティ地下に続いてたモナ」

173 :129の続き :2007/02/07(水) 18:19:19.15 ID:z8MDhwJsO
モナーがボタンを押すと写真が切り替わった。映るのは円形の部屋で、六つのドアがある。
 
( ´∀`)「それぞれがニューソクシティの東西南北の出口に繋がってるモナ。
一本はさっきの研究所、そして残った通路の先に答えがあったモナ。
ニューソクがこの地下施設を知らない訳ないモナ。そこでこれらのネタを元に圧力かけたら出るわ出るわ、多くの事が分かったモナ」
 
またボタンを押すモナー。
すると今度は人型兵器が組み立てられている様子の映像が流される。
これが通路の先にある施設だという。
 
( ^ω^)「コイツは…」
( ´_ゝ`)「あの時のヤツだな。組み込まれているのは特功兵器か? む、この人は…」

174 :愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 18:20:49.43 ID:z8MDhwJsO
兄者が発見した人物、それは職員たちに指示を出したりデータを入力したりしていた。
 
( ´∀`)「そう、高岡博士モナ。この映像はラウンジから押収した物モナ。
そして君たちが戦った無人機はここで製造されてたんだモナ。
最初は全面否定してたニューソクだったけど、圧力と脅迫を繰り返した結果、遂に吐いたモナ」
 
それによるニューソクはラウンジ・ファウンデーションと共同で研究、開発をしてたらしい。
研究はニューソクが旧世代のものと予想される施設を発掘した所から始まる。
そこはラウンジ・ファウンデーション近くにある大規模施設で、地下世界に存在していた。
それを察知したラウンジ・ファウンデーションは条約を掲げ、既に手中にあった特功兵器製造の技術と引き換えに、共同で発掘作業を進める事となったという。
彼らのトップは他の企業に利益を奪われないようにと、この発見を直隠しにしてきた。
老朽化の進んだ施設ではいつ崩壊するとも限らないので彼らは秘密裏に機材だけを運び出し、ニューソクシティの地下に新たな施設を儲け、そこで研究が続けられた。
この研究チームのリーダーこそがハインリッヒ高岡だったのだ。

175 :愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 18:22:59.17 ID:z8MDhwJsO
彼らの当初の目的は無人兵器による軍事力強化であったが、これらの強大さに気付いたニューソクとラウンジ・ファウンデーションは急遽目的を変更。
配備が完了し次第あらゆる企業とレイヴンズVIPに宣戦布告する算段だったという。
だが彼らの野望は叶わなかった。
特殊ACと特功兵器の量産は続き、配備完了まで後一歩の所で特殊ACが暴走したのだ。
結局彼らは旧世代の技術による兵器は制御不可能と判断を下す。幾重もの強化シャッターとゲートで無人兵器群をこの施設に封印した。
ところが最近になって何者かがゲートを開放したというのだ。
大半は既に機能を停止し、僅かに動いて地上へ溢れ出したの物がブーンたちの戦った特殊ACだった。
停止しているとはいえ、何の拍子で起動するか分かったものではないので放置は出来ない。
そこでドクオたちに残存する特殊ACの完全破壊を依頼したという。
VIP直属の依頼だった。

177 :愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 18:26:08.02 ID:z8MDhwJsO
( ーωー)「…zzZ」
(#´∀`)「って起きろモナ!」
( -ω^)「ほとんど寝てないから眠いお…」
 
言ってから後ろを振り返ってギコとクーを交互に見つめるブーン。
 
(,,゚д゚)「…なんだよ」
川 ゚ -゚)「どうした?」
( ^ω^)「眠くないかお?」
川 ゚ -゚)「私は平気だが」
(,,ーдー)「眠ぃってレベルじゃねーぞゴルァ…。でも今は居眠りしちゃダメだろ常識的に考えて…」
( ´∀`)「やる気ないのは君だけ──」
 
モナーはずっと渡辺の胸を揉んでいるジョルジュを見てからブーンに向き直って言う。
 
( ´∀`)「他にも一名いるけど…とにかくまた寝たりしたらツンちゃんにチクるモナ」
(;^ω^)「それは殺されるお…」
( ´∀`)「じゃあ真面目に話しを聞けモナ。
えー、どこまで話したっけ…そうそう、ニューソクとラウンジの全貌までモナ。
とりあえず分かっているのはこれだけで、今朝の旧式AC──ナインボールって言ったモナ?
あれはまだ調査中モナ。
ニューソクとラウンジへ制裁はもちろん加えるけど、それより問題は無人機の存在モナ。
大規模生産施設はドクオたちに任せるとして、君たちには各地に点在する施設の破壊をしてもらうモナ」
 
出撃ポイントは後に通達すると言い、この場は解散された。

178 :愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 18:28:14.45 ID:z8MDhwJsO
ξ-д-)ξ「ハァ…」
 
枕に顔を突っ込みながら深いため息をつくツン。
強くなろうと、何かヒントを得る為にドクオたちについて行ったまではよかったが、
彼らの圧倒的な実力を目の当たりにした彼女は完全に自信を失う結果となってしまった。
ツンは起動していた特殊ACを苦労しながら一機撃破したが、その間に他の者はそれぞれ三機を破壊していた。
ツンは彼らの戦いを思い返す。
高速移動で翻弄して強力なダメージを確実に与えるドクオ。
被弾しながらも精確にコアを破壊するミルナ。
普段の穏やかな老人とは思えないほど暴力的な攻撃の荒巻。
ドクオは少し違うが、ミルナと荒巻に共通しているのは戦場にいるという自覚がある事だ。

179 :愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 18:30:01.73 ID:z8MDhwJsO
一昔前ではレイヴンとは、共に作戦を遂行した次の日にも、共闘した戦友が殺しに来る事もある職業であった。
彼らは裏切られる事も念頭に置き、もしそれが原因で散ろうものなら力が無い己に非があると、全てを受け入れる覚悟が出来ていたのだ。
故に己の行動は自信に満ち溢れ一片の迷いもない。自信が強さに反映され、強さは自信に繋がる。
こうして彼らは戦場を生き抜いてきた。
ツンとは覚悟の量が違う。
もし敵となれば元仲間でさえも容赦なく葬り去るという凄みを二人から、そしてそれはドクオからも感じた。
自分にそこまでの覚悟があるだろうか。自問自答するツンの答えは出ている。
だが認めたくない。認める訳にはいかない。
ここが自分の限界なのか。これ以上強くはなれないのだろうか。
嗚咽が口の端から漏れ出すのを、彼女は止める事が出来なかった。

180 :愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 18:31:20.18 ID:z8MDhwJsO
PCがメールの着信を告げた。
 
ξ;д;)ξ「…誰、かしら…」
 
フラフラと起き上がってチェックしようとした時、チャイムが鳴る。
そしてドアを叩く音。
 
『ツンー! いるのかおー?』
『ブーン。そんなに叩くと、もしいたら怒られるぞ』
ξ;;)ξ「………」
『………出て来ないお。寝てるのかお?』
『フッ、ならば叩き起こす他ないな』
『チャイムとノックのダブル攻撃だお!』
『ぬぬ、ならばこっちは奥義十六連打!』
 
二人がかりのけたたましい音と連続で鳴らされるチャイム。
ドア越しに聞こえる、ツンの心中など知らない無神経な会話が、この時は反って救いとなった。二人の声を聞くと不思議と心が安らぐ。
…が、しかし五月蠅過ぎる。
ツンは涙を拭うと勢いよくドアを開けて怒鳴った。

181 :愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 18:34:42.91 ID:z8MDhwJsO
ξ##゚听)ξ「うッ!るッ!さーいっ!!!」
(;^ω^)「うおおお!!」
(;´_ゝ`)「す、すまん調子に乗った…」
ξ#゚听)ξ「なんか用!!?」
(;^ω^)「もう昼過ぎなのにツンが来ないから…」
ξ゚-゚)ξ「ああ…そういえば連絡入れてなかったわね…」
( ´_ゝ`)「む、どうしたんだ? 目が腫れて潤んでいるぞ。泣いていたのか?」

ξ;゚听)ξ「ち、違うわっ! 寝不足なのよ!」
( ´_ゝ`)「ふむ…なら今日は休むのか?」
ξ゚听)ξ「…そうね。たまには息抜きも必要だし、休みにしましょう。どっか出かけましょうか?」
(*^ω^)「mjd? 久しぶりの休みだおーwwwwww」
( ´_ゝ`)「俺たちは構わないが、寝るんじゃなかったのか?」
ξ゚ー゚)ξ「いいのいいの。私も気分転換したいし。パーッと遊ぶわよ!」
(*^ω^)「おっおっ ツンとどっか行くの初めてだおwwww」
( ´_ゝ`)(ちょっと待てブーン…。ツンの様子がおかしいとは思わないか? あの鬼の言葉とは思えん…)
( ^ω^)(言われてみれば…)
(;´_ゝ`)(これは良からぬ事を考えているに違いないぞ…。それか悲劇の前触れとか…)
(;^ω^)(隕石でも降りそうだお…)
ξ゚-゚)ξ「なにコソコソ話してるのよ」
(;^ω^);´_ゝ`)「………」ξ゚听)ξ「まあいいわ。着替えてくるからちょっと待ってなさい」
 
覗いたら殺すと言い残し、部屋に入って行くツン。
 
(;^ω^)「これは心の準備をしといた方がいいお」
(;´_ゝ`)「そうだな…」
 
何も知らない二人は、一抹の不安を抱えながらツンを待つのであった。

186 :愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 19:07:15.45 ID:z8MDhwJsO
──ラウンジに属する街:ガイドライン
ターミナルに繋がるショッピングモールを覆うのは強化ガラスで作られた透明のアーケード。
太陽の光が燦々と降り注ぎ、見上げれば天に手を伸ばす摩天楼が伺える。
そこから点々と等間隔で聳える木々を便りに足を伸ばせば、森林の残る自然公園に出る事が出来る。
若者から年寄りまで老若男女が一息つける憩いの場だ。
近代都市と自然の調和したガイドラインというこの街は、ラウンジ屈指の観光スポットとして名を馳せていた。
人々の行き交う道々は活気で溢れている。
その群衆の中に、ブーンたち三人はいた。

188 :愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 19:09:10.50 ID:z8MDhwJsO
(;^ω^)「………」
(;´_ゝ`)「………」
ξ゚听)ξ「何よ黙り込んじゃって。せっかく遊びに来たんだから、今日はちょっとくらいはしゃいでもいいのよ?」
(;^ω^)「お…おお、もちろんだお。こう見えてすごい楽しんでるお!」
(;´_ゝ`)「うむ、こんなに楽しい日は久しぶりだぞ!」ξ゚-゚)ξ「…ならいいけど」
 
怪訝そうな顔で小首を傾げるツン。ビクビクする二人の男を先導し、とりあえずレストランで遅めのランチを食べた。
それからは特に計画もないのでショップを眺めつつ歩いていると映画館がある。
 
( ^ω^)「最近の映画なんてどれも似たようなもんばっかだお。どうせ──」
( ^ω^)(こ…これは!)
ξ゚听)ξ「アンタたちどっか行きたいトコある?」
( ´_ゝ`)「俺は特に…」
(*^ω^)「ならここ入ろうお!」
ξ゚听)ξ「いいけど映画なんてここ何年も観てないしこれと言って見たいのもないわね…」
( ´_ゝ`)「まあいいではないか。良さそうなのが無ければ出ればいい」
(*^ω^)「とにかく入ってみるお!」
 
今までビクついていた様子とは打って変わり、ブーンは意気込んでツンと兄者の手を引いて入って行く。

189 :愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 19:11:31.30 ID:z8MDhwJsO
(*^ω^)「ツン!兄者! これ観ようお!」
 
『流し目カウボーイ危機一髪〜犬とジャワ原人の秘宝・夜に散る桜吹雪はカカオかよ〜』
 
(;´_ゝ`)「詰め込み過ぎな感じのするタイトルだな…。B級臭がプンプンするのだが…」
ξ;゚-゚)ξ「アンタのセンスに脱帽」
 
+ + + + +
 
上映終了
 
(*^ω^)「面白かったお〜」ξ;゚-゚)ξ「そ、そう…?」
(;´_ゝ`)「客を飽きさせまいとする努力は買うが、なんともカオスな映画だったな…。主人公っぽいカウボーイはは五分で消えたし…」
(*^ω^)「そこがまた素敵だお。しかしまさかあのホームレスのオッさんが隠し玉だったとは…パンツからチョコを取り出すシーンは最高にシビれたお。
でもやっぱクライマックスだお。あの犬が使ったエターナルフォースブリザードなんか失神モノだお!」
ξ;゚听)ξ「そ…相当楽しかったようね…」
(;´_ゝ`)「俺には理解出来ん世界だ…」
(;´_ゝ`)(それよりブーン…余韻に浸るのはいいがツンを忘れた訳ではあるまいな? この後なにかあるかもしれんぞ…)
(*^ω^)「嫌な事思い出させるなお。それよりライバルのぬこが──」

191 :愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 19:12:37.88 ID:z8MDhwJsO
ブーンの話はこれから三時間ほど続いたが、いい加減うざくなったツンの地獄突きでおとなしくなった。
それから用もなくショッピングモールをブラブラし、自然公園に向けて歩いていた所、ツンの耳に入る断続的な音。ヘリのものに違いない。
ヘリが飛んでいても気に止める必要はないが、種類による。見上げるとアーケードのガラスを介して見える輸送ヘリ。そこにはACがぶら下がっていた。
投下される深い青の機体。
落下の衝撃で道路に亀裂が走る。
 
(;^ω^)「ちょ…マジかお…」
(;´_ゝ`)「何か起こると思っていたが…これは想定外だぞ…」
ξ゚听)ξ「あのACは…」
 
呆然とするブーンと額を押さえてため息をつく兄者を残し、ツンがAC目指して駆け出した。
 
(;^ω^)「ツン! 危ないお! 早く逃げるお!!」
 
ブーンの声は届いていたが彼女は止まらない。慌てて追いかけるブーンと兄者。
ブーンは近寄って分かった。ACの正体はスナイパークールだ。

192 :愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 19:14:21.78 ID:z8MDhwJsO
ξ゚听)ξ「クーーー!!!」
 
ツンが大声で呼ぶと、それに気付いたのかスナイパークールの外部スピーカーから音声が発せられる。
 
『ツンじゃないか。お、ブーンと兄者もいるな。
テロ組織が襲撃する情報が入ってな。どうにか私の方が早く到着出来たがここは戦場になるぞ。早く逃げるんだ』
ξ゚听)ξ「作戦領域は?」
 
ツンが尋ねた時、MTが降ってきた。弾ける地面の破片が飛び散り、周囲にある店のガラスが割れる。
その音よりはるかに巨大な、鼓膜が破れそうになる轟音がスナイパークールのライフルから轟く。
装甲がひしゃげ、陥没し、爆発するMT。
飛来した破片がブーンの頬をかすり、彼は肝を冷した。
 
『作戦領域はこの街全体だ。早く出た方がいい。交通手段は鉄道にしてくれ。優先的に護衛する』

195 :愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 19:16:47.48 ID:z8MDhwJsO
ξ゚听)ξ「ガイドライン全体…けっこう広いわね…。
ありがと、今度なんかおごるわ」
ξ゚听)ξ「ブーン、兄者。さっさとガイドラインを出るわ。ターミナルに走るわよっ!」
 
ターミナルは逃げ惑う人々で混雑を極めたが、散り散りにならぬようにツンが二人の手を堅く握っていたのではぐれる事はなかった。
 
(*^ω^)(ツンと手つなぐの初めてだおwwwテラヤワラカスwwwww)
(;´_ゝ`)「何をニヤニヤしている。クーが護衛してくれているとはいえ流れ弾が来たら死ぬかもしれないんだぞ」ξ゚听)ξ「ホラ二人とも! 電車来たわよ!!」
 
短く言い、二人の手を引っぱり人込みをグイグイ分け入るツン。柔らかな手で完全に固定し、強靱な握力は二人を決して放さない。
 
(;^ω^)「ちょ…ツン…強…」
(;´_ゝ`)「て…手が潰れそうだ…」
(;^ω^)「痛たたた──!」
(;´_ゝ`)「骨が…ぁっ!」
 
二人の手の骨が軋む。それでもツンは手を放さない。
激痛と戦いながら、ツンの小柄な体からは想像も出来ない握力を恐ろしく思うブーンと兄者であった。

198 :愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 19:18:25.90 ID:z8MDhwJsO
ξ;--)ξ「あ〜…飲みすぎた…キモチワル…」
 
ガイドラインから避難し、三人はラウンジで降りた。
ラウンジに配置されている警備部隊の数はガイドラインの比ではないし、そもそも戦火が及ぶ事も考え難いからだである。
その頃には日も傾き始めていたので、ラウンジで飲む事にしたのだった。
何故か電車に乗ってから更に怯えていたブーンと兄者だったが、アルコールを摂取してからは吹っ切れたようにテンションを上げていた。
帰りに走り回っていた二人が胃の中身を盛大にぶちまけたのは言うまでもない。
ツンもかなり酩酊していたが二人を介抱し、ようやく帰宅した所だった。
 
ξ;--)ξ「シャワーは朝浴びる事にしてもう寝よ…」
 
と、千鳥足でベッドに向かうツンだったが、暗い部屋で輝いているPCが目に入った。
 
ξ;--)ξ「そういえばメールが来てたわね…。
んー…差出人不明…?」


199 :愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 19:20:54.65 ID:z8MDhwJsO
半眼でチェックするツンの瞳は内容を読むにつれて大きくなる。
 
ξ゚-゚)ξ「君が力を求めているのは知っている……私の下に来れば力を……ムラクモ・ミレニアム跡地に……?」
ξ゚听)ξ「なによこれ。馬鹿馬鹿しいわね!」
 
ツンは叩き付けるようにメールを削除した。
そのままベッドに潜り込むが、なかなかあのメールが何故か頭から離れず寝付けない。
昨日の今日で心は深く沈み、藁にもすがる思いだった彼女に這い寄る都合の良い内容。
…どうせ誰かの悪戯に決まっている、そう思い込む事にして何時しかまどろみに落ちるツン。
 
 
それから数日後、彼女はACと共に忽然と姿を消した。


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