内藤エスカルゴ - 現行作品一覧 - (  ^ω^) お嬢様たちとぶーんなようです - 第11話
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 19:33:03.81 ID:Kd71dtY20

(  ^ω^) ・・・

川 ゚ -゚) よお

(  ^ω^) あ、クーさん

川 ゚ -゚) ツンは?

(  ^ω^) ・・・そこだお

川 ゚ -゚) ああ



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 19:34:39.96 ID:Kd71dtY20

頬の裂傷の縫合手術、
多くの打撲傷などの治療から
ブーンは1週間ほど学校を休んでいますお。

ツンさんは学校の開始時間になるとブーンの病室に現れて
ブーンのベットの脇で、思いつめた顔で押し黙っています。

そして、いつの間にかブーンのベットに突っ伏して寝だす。

・・・寝たら、ブーンは空いてるベットに、
勝手にツンさんを移動させていますお・・・

学校が終わる頃、クーさんが来る。

そして、ツンさんを起こして
二人で帰っていく。

この毎日が、続く。


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 19:35:39.72 ID:Kd71dtY20

( ;^ω^) いい加減。・・・ツンさんは、どうしたんだお

川 ゚ -゚) ・・・

(  ^ω^) ・・・?

川 ゚ -゚) ・・・ちょっと、外で話さないか?

(  ^ω^) いいけどお・・・



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 19:37:40.30 ID:Kd71dtY20

ブーンは体力自体はほとんど回復していましてお。

もう退院したいくらい。

クーさんとともに、一緒に病室をでて
長い長い病院の廊下をとぼとぼ歩く。

歩きにくい階段を上り、屋上に出た。


・・・生暖かい風が吹く屋上。他には、誰もいない。
そこに設置してあったベンチに腰掛ける。



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 19:39:42.97 ID:Kd71dtY20

川 ゚ -゚) ・・・さきに、ツンのこと以外でお前に言いたい事がある
     もっと、前に言わなきゃいけなかったんだが・・・

(  ^ω^) なんだお

川 ゚ -゚) 巻き込んで、すまない。

(  ^ω^) 別にいいお

川 ゚ -゚) ・・・ありがとう。
     それから、助けに行けなくて、すまない

(  ^ω^) ・・・それも、別にいいお

川 ゚ -゚) ・・・私、気絶してたからなぁ

( ;^ω^) 気絶・・・?

川#゚ -゚) ・・・ツンのやつ。
     私がついて行こうとしたら鳩尾に貫き手だぞ。
     死ぬかと思った

( ;^ω^) はぁ?

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 19:44:00.80 ID:Kd71dtY20

川 ゚ -゚) ・・・何が何でも、お前を助けたかったらしい。
     一人で来いと書いてあったからなぁ。
     殺人をほのめかす文章があったから、私を残したみたいだ

( ;^ω^) ・・・

川#゚ー゚) 無謀なやつ。それで、まわされそうになってるんだから世話ない

(  ^ω^) ・・・まったくだお

川 ゚ー゚) ・・・ブーンが強かったから、助かったものの

( ;^ω^) 別に強くないお。拉致されたのもブーンの不手際

川 ゚ -゚) ・・・そんなことはない。
     それに、あの状況でツンを助けようとするなんて
     並みの人間には出来ないと思う

( ;^ω^) ・・・さあ、どうだかお・・・

川 ゚ -゚) ・・・

( ;^ω^) ・・・


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 19:45:08.90 ID:Kd71dtY20

川 ゚ -゚) ・・・さて、本題に入る

(  ^ω^) あ、うん。お願いだお

川 ゚ -゚) あいつがああなったのは、
     2回目だなぁ

(  ^ω^) ・・・2回目?

川 ゚ -゚) うん。2回目

(  ^ω^) 何があったんだお?

川 ゚ -゚) 私とツンの、昔話に付き合ってくれるか?
     少し、長くなるが・・・

(  ^ω^) ・・・話してくれお



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 19:46:22.83 ID:Kd71dtY20

川 ゚ -゚) ・・・私たちは、幼稚園のころからの付き合いでな
     小さなころから、よーく一緒に遊んでいた

(  ^ω^) ・・・ふんふん

川 ゚ -゚) あのころのツンは、今と全然違ってなぁ。
     本ばかり読んでる、運動とか苦手な大人しい子だった

( ;^ω^) ・・・うそだおー

川 ゚ -゚) ほんとだ。ある切っ掛けがあってな・・・

(  ^ω^) 切っ掛け?

川 ゚ -゚) ・・・これから、話すことだ

(  ^ω^) ・・・


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 19:48:16.12 ID:Kd71dtY20

川 ゚ -゚) ある日、ツンが私の家に遊びにきた。
     その時は珍しく両親がいて、
     それから、ずっと家にいる叔父がいたんだ

(  ^ω^) 叔父・・・

川 ゚ -゚) そう。私の・・・叔父にあたる人だ

(  ^ω^) ・・・

川 ゚ -゚) 叔父はツンを見て、かわいい子だね、と私に言った。
     私は友達が褒められてうれしくて、うん!と言った

(  ^ω^) ・・・



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 19:50:38.70 ID:Kd71dtY20

川 ゚ -゚) それから、しばらく経った日。
     私の両親は忙しく、ほとんど家にいない。
     その日もいなかった

川 ゚ -゚) そして、叔父と私だけだった。
     叔父は私の頭を撫でてきた。

     ・・・私はちょっと嫌だった

川 ゚ -゚) 叔父は、残念そうに手を引っ込め、こう言った。
     「そうだ。遊びに連れて行ってあげる・・・
      どこか、いきたいところないかい?」

川 ゚ -゚) ・・・私は、お稽古事ばかり両親にいわれていたので
     遊びには行きたかった。
     でも、叔父と二人なのは嫌だった

川 ゚ -゚) 私が微妙そうな顔をしているのに気がついたんだろう
     叔父は「二人が嫌なら・・・そうだ、あの子も連れておいで」
     そう言った


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 19:51:55.13 ID:Kd71dtY20

( ;^ω^) ・・・クーさん

川 ゚ -゚) ん?

( ;^ω^) すごく、嫌な予感がするのだけれど・・

川 ゚ -゚) ・・・聞きたく、ないか?

( ;^ω^) ・・・

川 ゚ -゚) ・・・

( ;^ω^) ・・・

(  ^ω^) きくお・・・

川 ゚ -゚) ・・・うむ



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 19:54:34.16 ID:Kd71dtY20

川 ゚ -゚) 私は、ツンと二人ならいいかと思った

川 ゚ -゚) だから、遊びに連れて行ってもらうことにした。
     ツンは、ピアノとか、バイオリンとか・・・
     苦手なお稽古ばかりさせられてた時で、嫌になっていたらしい

川 ゚ -゚) 二つ返事で、ついてきた

川 ゚ -゚) ・・・

川 ゚ -゚) ・・・ブーン。もしかしたら、気が付いてるかもしれないが

( ;^ω^) ・・・なんだお

川 ゚ -゚) ・・・

( ;^ω^) ・・・

川 ゚ -゚) つづける


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 19:57:36.73 ID:Kd71dtY20

川 ゚ -゚) 行先は、遊園地にした。
     今まで、普通の子が遊ぶような所にいったことなかったから、
     興味があったんだ・・・。

川 ゚ -゚) 叔父は、私の両親に買ってもらった車に私たちを乗せ
     出発した・・・

     すごく、遠いところらしい。

川 ゚ -゚) 出がけに、メイドさんたちと、私の叔父が
     物凄い口喧嘩をしていたのが印象的だった。

(  ^ω^) ・・・

川 ゚ -゚) ほんと、遠かった。
     出たのはお昼頃だったのに、いつまで経ってもつかず
     私とツン二人は、眠り込んでしまった。

川 ゚ -゚) ・・・気がついたら、私の叔父が、
     私の両親に買ってもらった山中にある別荘の駐車場にいた

川 ゚ -゚) ・・・「ごめん、道に迷ってね。今日は、ここに泊ろうか・・・」

川 ゚ -゚) この時の叔父の顔が、可笑しそうに笑っていながら崩れていた。
     今でも忘れられない

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 20:00:53.57 ID:Kd71dtY20

川 ゚ -゚) その顔に私は恐怖を覚えた。
     何が怖かったのか分からない。

     だが、そこに叔父の本性を見た気がした。

川 ゚ -゚) 叔父は運転席から降りて、私たち二人のいた後部座席に回ろうとした
     ・・・眠っていたツンを叩き起し、
     私は叔父のいる反対側のドアから逃げ出した。

川 ゚ -゚) 私たちは、そのとき小学生の低学年。
     しかも、ツンは寝起きだった。

     ・・・でも、運動不足でよく肥えた叔父よりも
     早く走れた

(  ^ω^) ・・・

川 ゚ -゚) でも・・・

川 ゚ -゚) 所詮、私たちはまだ小さな子供だった。
     山の中をはしって、すぐ道に迷う・・・
     しかも、体力はすぐに尽き、物陰に隠れた


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 20:02:14.18 ID:Kd71dtY20

川 ゚ -゚) 逆に、愚鈍な叔父とはいえ、向こうは大人だった。
     子供の逃げそうなところは、すぐ分かるらしい

(  ^ω^) ・・・

川 ゚ -゚) あるいは・・・

川 ゚ -゚) 叔父は、同じようなことを別でもしてて
     ・・・慣れていたのかもしれない。

川 ゚ -゚) もう、分かっていると思うが、叔父は特殊な性癖を持つ。
     その欲望のまま、私たちを捕まえ、引きずり、
     別荘にある鍵付きの部屋へと監禁した。

川 ゚ -゚) ・・・実際に何されるかなんて、当時の私たちはわからなかった。
     だが、叔父がナイフ片手に部屋に戻ってきたとき

     死を覚悟した。


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 20:04:08.99 ID:Kd71dtY20

川 ゚ -゚) 実際、その覚悟は少し違っていた。

     だが、ナイフで脅しながら
     子ども相手に性的欲求をみたそうとする

     下衆野郎の被害者になりかけた。

(  ^ω^) ・・・助かったんだおね・・・よかった

川 ゚ -゚) ・・・

川 ゚ -゚) ・・・私の服を切り裂いた叔父が、
     私を襲うことに夢中で、ナイフを放り投げた

川 ゚ -゚) 私は半狂乱になりながら、暴れた。
     そして、のしかかる叔父越しに、ツンがナイフを持ち上げるのを見る。
     両手でしっかりと持ち、こちらに向かうツン

川 ゚ -゚) ・・・叔父は、ぐびって変な声をだした

川 ゚ -゚) ・・・


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 20:05:22.29 ID:Kd71dtY20

( ;^ω^) し、しんだのかお・・・?

川 ゚ -゚) いいや。耳障りな叫び声をあげながら部屋から逃げて行って
     それから救急車がしばらくして来た

     血まみれで放心状態のツンと、見っとも無くがくがく震えてる私が
     叔父が運ばれた後に発見された

(  ^ω^) ・・・

川 ゚ -゚) ・・・しばらくして、私が落ち着いたとき。
     ツンはまだショックで塞ぎ込んでいた。

     私はツンに何度も謝った。
     まきこんで、ごめん。まきこんで、ごめん

(  ^ω^) ・・・

川 ゚ -゚) でも、ツンは塞ぎ込んだままだった。

川 ゚ -゚) ・・・私はツンという、友達を失うんじゃないかと、怖かった


川 ゚ -゚) 私が誘ったせいで、人を刺す、なんて事を
     しなければならなくなったのだから


41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 20:07:18.44 ID:Kd71dtY20

(  ^ω^) ・・・

川 ゚ -゚) 今回、ツンは自分の所為で君に酷い傷を負わせてしまった

川 ゚ -゚) ・・・今のツンは、まるであの頃の私だ

(  ^ω^) ・・・

川 ゚ -゚) レイプ未遂にナイフの刺し傷。符合する点も多く・・・
     きっと、ツンも・・・あの時の事を思い出してる気がする。
     ツン自身、ショックも大きいだろうな
     
(  ^ω^) うん・・・

川 ゚ -゚) それに・・・

(  ^ω^) お?

川 ゚ -゚) ・・・ツンは、あの時のショックを思い出して
     自分が中々立ち直れなかったように、
     君にショックが残ることを恐れてるんじゃないだろうか

川 ゚ -゚) ・・・でも、どうすればいいかわからないから。
     ずっとお前の近くで塞ぎ込んでいるのかも

(  ^ω^) ・・・そんなヤワじゃねぇお


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 20:08:39.84 ID:Kd71dtY20

川 ゚ -゚) ・・・なあ、ブーン

(  ^ω^) ん?

川 ゚ -゚) 今回の件は、私にも・・・いや
     私にこそ、責任がある

(  ^ω^) ・・・

川 ゚ -゚) 安易にお前に任せてしまって
     お前に降りかかる迷惑なんて考えてなかった

(  ^ω^) ・・・

川 ゚ -゚) 本当に、すまなかった。
     ツンに、責任はない


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 20:10:07.95 ID:Kd71dtY20

(  ^ω^) それは・・・ちがうだろうお

川 ゚ -゚) ・・・

(  ^ω^) クーさんの責任は、クーさんの責任として

(  ^ω^) 根本は、ツンさんの責任だろうお?
       ツンさんをかばおうとする気持ちも分かるけど・・・

川 ゚听) ・・・いや。 そうじゃない・・・

(  ^ω^) ・・・

川 ゚ -゚) ・・・あの、私が巻き込んだ事件。
     あれこそが、ツンの人格形成に大きな影響を与えてしまったと思う

(  ^ω^) ・・・

川 ゚〜゚) ・・・乱暴な性格に徐々に変わっていったし
     人を信じられなくたった。

     根本的な責任は、私に全てつながっている


51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 20:11:57.45 ID:Kd71dtY20

(  ^ω^) うーん・・・

川 ゚ -゚) ・・・

(  ^ω^) いや、その件で悪いのは、あくまで叔父でしょうお?

川 ゚ -゚) でも・・・

(  ^ω^) そら、その件で、ツンさんに対する責任が
       クーさんにないとは言わない。でも・・・

川 ゚ -゚) ・・・

(  ^ω^) 今回の件は、やんちゃしてたツンさんと
       ・・・やっぱ、それ相応に下衆だったあの3人の男
       間違いなく悪いのはその4人

川 ゚ -゚) ・・・だから、それは・・・

(  ^ω^) ・・・友達の心配をしてただけでしょうお?

川 ゚ -゚) ・・・


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 20:13:30.54 ID:Kd71dtY20

(  ^ω^) ツンさんが辛い過去があったってのは分かったけどお。
       辛い過去があったって、まともに生きてる人は幾らでもいるお

川 ゚ -゚) ・・・そりゃ、そうなんだが

(  ^ω^) ・・・

川 ゚ -゚) ・・・すまん、お前だって色々あったんだよな

(  ^ω^) ・・・

川 ゚ -゚) ・・・

(  ^ω^) ・・・大事なのは、これから、なんだお

川 ゚ -゚) ・・・む

(  ^ω^) ツンさんは もうやらないって言ったし
       なにより、ブーンを助けに来てくれた

川 ゚ -゚) ・・・

(  ^ω^) それだけで、もうブーンは、怒ってませんお


59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 20:16:29.06 ID:Kd71dtY20

川 ゚ -゚) ・・・

( ;^ω^) てか、何度もいってるだろうお?
       もう、いいって。

川 ゚ -゚) ・・・それでも、怖くなるんだ

(  ^ω^) もう、いいんだお。
       ・・・めでたし、めでたしだお

川*゚ -゚) ・・・ありがとう

(  ^ω^) ・・・

川*゚ -゚) ・・・

(  ^ω^) クーさん?

川 ゚ -゚) うん?


63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 20:18:46.46 ID:Kd71dtY20

(  ^ω^) ・・・ツンさん

川 ゚ -゚) うん

(  ^ω^) なんとか、元気付けてやれないかお?

川 ゚ -゚) ・・・

( ;^ω^) ・・・いつまでも、自縛霊がいるのは嫌だお

川 ゚ -゚) ううーん・・・私だって、元気付けているつもりだぞ?

川 ゚ -゚) ・・・でも、私の声は届かないんだよ

(  ^ω^) ・・・


65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 20:20:31.66 ID:Kd71dtY20

川 ゚ -゚) ・・・うーん・・・そうだなぁ

柏 ゚ー゚) !

(  ^ω^) ん?

川 ゚ -゚) ブーン、耳、耳。

( ;^ω^) はぁ?


・・・ごにょごにょごにょ



68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 20:21:42.02 ID:Kd71dtY20

「・・・あははは。何それだお。
 あんた、ブーンのキャラ勘違いしてるお」

「うー。笑うなよ・・・。でも、効果ありそうだがなぁ」

「それ・・・本気で言ってるのかお?」

「うむ。本気だ。前の時は、これでうまくいった」

「前の時・・・?」

「・・・叔父の時。
 これやって、また友達でいられるようになった」

「・・・失笑されて終わりだと思うんだがお・・・」

「失笑されたら、受け狙いとでもいえばいい」

「・・・」

「・・・」



71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 20:23:55.21 ID:Kd71dtY20

「そうだなぁ、やってみるかおー・・・」

「おお、がんばれ!」

「・・・あんた、楽しんでないかお」

「・・・いや、ブーンさんに迷惑ばかりかけて、
 本当に申し訳なく思っています・・・」

「・・・なんか、顔が笑ってるんだがお?」

「そ、そんなことないぞ!」

「・・・」

「・・・」

「・・・まあ、いいがお・・・」

「・・・うん」


76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 20:28:39.77 ID:Kd71dtY20

ブーンが病室に戻る・・・

ツンさんは寝ていたベットに腰掛けていましたお。

ブーンの方を一瞬見て、それから目をそらす。

下にある白いシーツを見ながら、
押し黙っていました。


・・・ブーンは、そんなツンさんに手を伸ばす。

ビクッとするツンさん。

ブーンは少し戸惑ってから
ゆっくり、やさしく、ツンさんの頭の上に手をのせましたお。



78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 20:29:54.26 ID:Kd71dtY20

「・・・」

「・・・」

二人、妙な空気が流れる。

ブーンはおそらく、間抜け面でしたお。

ツンさんは、上目遣いで呆けた顔をむけていました。


「・・・ツンさん」

「・・・?」

「ありがとう」



80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 20:31:59.08 ID:Kd71dtY20

買プ听)ξ エッ・・・

(  ^ω^) 助けてくれて、ありがとだお

ξ*゚〜゚)ξ ・・・

(  ^ω^) 正直、来ないと思ってましたお。
       来てくれて、嬉しかったお

ξ*゚听)ξ !

(  ^ω^) ・・・ありがとう

ξ*゚−゚)ξ ・・・

(  ^ω^) ・・・


82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 20:32:51.34 ID:Kd71dtY20

小さな声で、ツンさんはいいました。

「こ、こっちこそ、ありがとう」

ブーンはいいました。

「・・・元気出して、ツンさん」

・・・暫くすると、ツンさんは、ぎこちなく
笑いかけてきました。

「・・・クーだ。クーでしょ」

「お?」

「あの時と同じ・・・」

「・・・」

「・・・ありがとう」


84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 20:33:52.17 ID:Kd71dtY20

クーさんが、前言った方法。

それは、単純なもの。
謝るのを止めて、
「助けてくれてありがとう」
そう、お礼を言ったことでしたお。

ブーンも、そのやり方に習って真似てみました。


・・・それが、上手くいったようですお。


ツンさんは顔を真っ赤にしながら、
はにかんだ表情でブーンに笑いかけてきました。

おもわず、ツンさんをまじまじと見つめる。

ツンさんはうっすら目に涙を浮かべていたけど
それでも、嬉しそうだお。

こんな風に笑える子だったかお?

そんなことをぼんやり考えながら
ブーンは脳裏にツンさんの笑顔を焼き付けていました。


87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/01(土) 20:36:38.33 ID:Kd71dtY20
ひとまず投下終わり。

個人的な理由のため
しばらく休憩してから
12話はります



ちなみに、
ブーンがキャラじゃないと笑ったのは
クーが頭を撫でながらと注文付けたから。

補足つけるの忘れた・・・

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