- 234 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:08:30.82 ID:I9MYfbak0
- 最終話
( ^ω^)「・・・・・・・・・」
ブーンの目の前には棺の中に入っているペニサスがいた。
(‐、‐*川 「・・・・・・・」
いくら見ても眠っているようにしか見えなかった。
周りの皆は黒い服を着て、涙ながらにペニサスは見つめている。
(´;ω;`)「聞いた時は嘘だって思った・・耳を疑ったよ」
从;ー;从「まさか・・ペニサスさんが亡くなるなんて」
その声もブーンには届いていなかった。
- 236 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:09:17.84 ID:I9MYfbak0
- ( ^ω^)(まだまだ見せたいものは沢山あったんだお・・)
( ^ω^)(僕とデレの晴れ姿・・子ども・・)
( ^ω^)(それなのに・・)
( ;ω;)「もう逝っちゃうなんて・・あんまりだお」
前あんなに泣いたのに、なかなか涙はかれてくれなかった。
- 237 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:09:55.63 ID:I9MYfbak0
- ( ;ω;)「バーちゃん・・」
( ;ω;)「バーちゃん・・・」
頭の中がまた混乱して、バーちゃんという単語しか出てこないブーン。
ζ(つー゚*ζ「あんまりですよ・・」
涙をこらえながらデレはそう呟く。
ζ(つー゚*ζ「私の夢は・・あの仕事は何度も同じような事に遭遇するのかな・・」
ζ(つー゚*ζ「なんなんだろう・・何がいいんだろう。私の仕事って・・」
死に直面したデレは、自分の夢について疑問を持ちはじめていた。
- 238 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:10:53.66 ID:I9MYfbak0
- ('A`)「さぁ、そろそろ告別式だ。行こう」
ブーン、ツン、ドクオは親族の席へと座る。特別にデレも親族の席へすわっていた。
( ;ω;)「・・・・・・・」
ブーンはズボンをきゅっと握って、ずっと泣きながら下を向いていた。
('A`)「ブーン、泣いててもいい。でもな、ペニサスさんとお別れするんだ。顔をあげろ」
( ;ω;)「お・・・」
ブーンはゆっくりと顔を上げ、ペニサスの遺影を見つめる。あたりにはお経が響いていた。
- 239 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:11:36.85 ID:I9MYfbak0
- ('A`)「ブーン・・」
('A`)「生き物ってのは、いつか必ず死ぬ」
( ;ω;)「・・・・・・」
('A`)「俺もそう、お前もそう・・皆そうだ」
('A`)「死ぬまでにどれだけ自分の目標を達成できたか・・それが重要だと思う」
('A`)「バーちゃんは自分の人生に満足しているように、ブーンには見えたか?」
- 240 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:12:21.79 ID:I9MYfbak0
- ( ;ω;)「・・・・・・」
ブーンは首を縦にふった。
('A`)「それなら・・いいじゃないか。お前はあんなにいいおばあちゃんを持てて本当に幸せものだよ」
( ;ω;)「でも・・僕の子どもを見せることは出来なかったお・・」
('A`)「それは仕方ないじゃないか・・寿命だったんだから」
( ;ω;)「おっおっ・・」
ブーンの涙はずっと止まることは無かった。お焼香の時間になる。1番最初にツンが出てくる。
- 241 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:13:36.46 ID:I9MYfbak0
- ξ゚听)ξ「母さん・・」
ξ゚听)ξ「私は母さんと父さんの子で本当に幸せでした・・」
ξ;凵G)ξ「ゆっくり・・眠ってね・・」
そう呟いて焼香をあげるツン。
('A`)「次は俺か・・」
ドクオが泣くツンを少し慰めてから、お焼香へ向かう。
- 242 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:14:00.85 ID:I9MYfbak0
- ('A`)「ペニサスさん・・」
('A`)「今でも・・俺の無計画で、ツンを無理矢理お嫁に貰ったのは申し訳なく思っています」
('A`)「でもあなたとシャキーンさんは・・」
('A`)「優しく見守ってくれましたよね・・」
('A`)「本当に・・」
(つA;)「ありがとうございました・・」
泣かないと決めていたはずなのに、自然とあふれてくる涙。
そしてドクオも席に戻る。
- 243 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:14:51.84 ID:I9MYfbak0
- (つA;)「ほら・・ブーン、行ってこい」
出てくる涙をゴシゴシこすりながらブーンに焼香をするよう促した。
( ;ω;)「おっ・・」
ブーンが焼香へ向かう。
( ;ω;)「バーちゃん・・」
( ;ω;)「本当に色々お世話になったお・・」
( ;ω;)「相談とかもたくさん乗ってもらったおね」
( ;ω;)「特に・・デレとの恋愛の時はいっぱいはなしたおね」
( ;ω;)「あんなに真剣に僕の相談に乗ってくれて嬉しかったお・・」
- 244 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:15:43.22 ID:I9MYfbak0
- ζ(つー゚*ζ「・・・・・・」
デレが黙ってその様子を見つめている。
( ;ω;)「ありがとうだお・・バーちゃん」
( ;ω;)「僕はバーちゃんが親代わりのようなもんだったお」
( ;ω;)「トーチャンとカーチャンは仕事で・・」
( ;ω;)「バーちゃんがいなかったら今の僕はないんだお」
( ;ω;)「言葉で言い表せないくらい、いっぱい感謝してるお」
( ;ω;)「いっぱい・・いっぱい・・おっ・・・」
涙で声が詰まる。ぽとぽとと雫を落としながら、焼香を終わらせ自分の席へ戻るブーン。
- 245 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:16:36.89 ID:I9MYfbak0
- ( ;ω;)「デレ・・いってくるお」
ζ(つー゚*ζ「・・うん」
ゆっくりとした足並みで向かうデレ。
ζ(つー゚*ζ「・・私も沢山お世話になりましたよね」
ζ(;ー;*ζ「遊びに行ったときも嫌な顔ひとつせずに私と話してくれたり・・」
ζ(;ー;*ζ「ブーンのことも沢山教えてくれましたね」
ζ(;ー;*ζ「結婚したら、一緒に暮らせるってずっと楽しみにしてました」
ζ(;ー;*ζ「なのに・・グスッ・・ヒック・・」
落ちる涙を拭こうとせず、遺影を見つめながら席に戻るデレ。
沢山の参列客がお焼香を行う。
- 246 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:17:03.91 ID:I9MYfbak0
- (´;ω;`)「・・・・・・・・・」
从;ー;从「グスッ・・・・・・」
ショボンと渡辺も焼香をし終わる。
(*;∀;)「ペニサスさん・・まだ亡くなるには早いですよ・・」
(*;∀;)「あまりにも突然で・・報告できませんでした。私、彼氏が出来たんです」
(*;∀;)「ホントに優しい人ですよ・・結婚を前提にお付き合いしています・・」
(*;∀;)「いつかはペニサスさんにも見てもらおうと思ってたのに・・!!」
つーも号泣していた。
他にも沢山の人たちのすすり泣く声が聞こえてくる。
全ての過程を終了し、霊柩車に運ばれていくペニサスの棺を見ながらブーンは思う。
- 247 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:18:45.35 ID:I9MYfbak0
- ( ;ω;)(バーちゃん・・わかるかお)
( ;ω;)(バーちゃんはこんなに沢山の人たちに愛されてたんだお・・)
( ;ω;)(幸せ・・ものだおね)
その後すぐに火葬が行われ、骨だけになるペニサスの亡骸。
しばらく日は経って、皆で用意したお墓にペニサスの骨を入れて、全ての過程が終了した。
その帰りに、ブーンの家に立ち寄って、部屋で話しているときにデレがこんな話を持ちかける。
- 248 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:19:17.52 ID:I9MYfbak0
- ζ(゚ー゚*ζ「私・・」
( ^ω^)「どうしたお?」
ζ(゚ー゚*ζ「自分の夢に対して、情熱を失っちゃった気がするんだ・・」
( ^ω^)「なんでだお?」
ζ(゚ー゚*ζ「だって・・看護士は・・あんなに悲しい事態に何度も遭遇しなくちゃいけない・・」
ζ(゚ー゚*ζ「もしかしたら今回みたいに親しい人の時もある・・」
ζ(゚ー゚*ζ「そんなことに・・私、耐えられない気がして・・」
( ^ω^)「・・・・・・」
ζ(゚ー゚*ζ「なんで何も言ってくれないの?」
- 249 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:20:53.70 ID:I9MYfbak0
- ( ^ω^)「慰めの言葉なんてかけても仕方ないんだお」
ζ(゚ー゚*ζ「!!」
( ^ω^)「看護のことについて何も分からない僕が口出ししても、絶対いい方向に向かわない事は確かだお」
ζ(゚ー゚*ζ「・・そう、だよね」
二人の間を沈黙が包む。
ξ゚听)ξ「ブーン!ちょっといい!?」
ツンの呼ぶ声にひかれ、部屋の外に出る二人。
- 250 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:22:15.43 ID:I9MYfbak0
- ξ゚听)ξ「うん、デレちゃんもいるなら都合がいいわ。ちょっとおばあちゃんの部屋で手紙を見つけてね」
( ^ω^)「手紙かお!?」
ξ゚听)ξ「ええ、おばあちゃんはやっぱり自分の死期が分かってたみたいで・・私、ドクオ、ブーン、そしてデレちゃんに手紙を書いてたみたいなの」
ξ゚听)ξ「はい。これがそう。読んでみて」
( ^ω^)「お・・」
達筆な字、ペニサスの字に間違いが無かった。
( ^ω^)「あけるお・・」
中にはこんな内容が書かれていた。
- 251 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:23:08.73 ID:I9MYfbak0
- 「この手紙を読む頃には・・私はなくなっているでしょうね。
ちゃんとお別れがいえなくてごめんね。顔を見たら絶対にこんなこといえないと思って、手紙にしたことを許してください」
( ^ω^)「・・・・」
「ブーンちゃん、あなたとは生まれたときからずっと一緒の付き合いだったよね。
いろんな事があったよね。ブーンちゃんがお母さんに怒られたこと・・一緒に買い物に行ったこと。
デレちゃんとの事を相談されたり・・ドライブに行ったり。
私にとって、楽しいことや、ブーンちゃんは毎日成長してるって実感させられる事ばかりでした」
( つω^)「・・・・・・」
「1番嬉しかったことは・・ちゃんと恋人を見せてくれた事かな?ちゃんと約束守ってくれたね。
私の方が子どもを見せるっていうブーンちゃんからの約束を守れなくてごめんね。もう体が言うことを聞かなくて・・
でもね、人は死んでも決して全てが無くなる訳じゃないんだって思ったんだ」
- 252 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:23:37.87 ID:I9MYfbak0
- ( つω^)「ウッ・・・・」
「ブーンちゃん、話してくれたよね?おじいちゃんのこと・・夢で会ったり、電車の中で助けてくれたり・・
私の話もしたもんね?交通事故に遭ったとき、おじいちゃんに会ったって・・」
「人は死んでからも大切な人達を見守れる。私はいつでもブーンちゃんのこと見てるからね。
だから悲しまないで。姿はなくなってもずっと私はブーンちゃんの近くにいるからね」
( ;ω;)「バーちゃん・・!!」
ブーンは涙でまた顔をぐしゃぐしゃにしていた。
「それじゃあ・・ブーンちゃんが幸せになることを祈ってます。 ペニサスより」
( ;ω;)「バーちゃん・・!!!」
ブーンだけではなく、そこにいたツンとデレも号泣していた。
- 253 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:24:02.18 ID:I9MYfbak0
- ζ(;ー;*ζ「・・ペニサスさん、私の思ってる事・・わかってたんですね・・」
ξ;凵G)ξ「わかった・・母さん。これから私はブーンのことに専念するから安心してね・・」
泣き声はしばらく止まることが無かった。皆はペニサスがいかに大切な人かを失ってから改めて思った。
それから半年後・・ブーンは一人でペニサスのお墓参りにやってきていた。
( ^ω^)「バーちゃん、久しぶりだお」
お墓を掃除しながらブーンはつぶやく。
( ^ω^)「あれから皆、それぞれのことを一生懸命頑張ってるお」
( ^ω^)「バーちゃんのおかげで自分の夢に疑問を持ったデレもまた看護大学で頑張ってるお」
( ^ω^)「手紙の内容までは見せてもらえなかったけど・・きっと書いといてくれたんだおね?」
静寂が流れる。
- 254 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:24:24.25 ID:I9MYfbak0
- ( ^ω^)「つーさんは結婚したみたいだお。結婚式に呼んでもらったけど、凄く綺麗だったお」
( ^ω^)「バーちゃんも見れればよかったお」
( ^ω^)「ショボンと渡辺さんは相変わらずだお。仲良くやってるお」
一度沈黙するブーン。そして口を開く。
( ^ω^)「最後の最後までバーちゃんにお世話になりっぱなしだったお」
( ^ω^)「カーチャンは仕事を辞めて、家事に専念してるお。バーちゃんより料理上手になる!!って凄く張り切ってるお」
( ^ω^)「トーチャンは前より仕事をさらに頑張るようになったんだお。そろそろ昇進も近いらしいお」
( ^ω^)「僕としては、バーちゃんが死んでしまった事は凄く悲しかったお」
( ^ω^)「何もしたくないって・・最初はおもってたお」
( ^ω^)「でもバーちゃんの手紙のおかげで、またやる気が出たお」
( ^ω^)「僕は今夢を叶える為に一生懸命勉強してるお」
( ^ω^)「大変なことばっかりだけど・・めげずに頑張っていくつもりだお」
- 255 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:24:43.02 ID:I9MYfbak0
- お墓の掃除が一通り終了して、お線香を刺し直す。
( ^ω^)「バーちゃんが手紙でいってたおね?」
( ^ω^)「死者でも大切な人達なら見守っていけるって」
( ^ω^)「僕はバーちゃんがいつも見てくれてるって信じてるお」
( ^ω^)「必ず・・幸せになってみせるお」
暖かい日差しがブーンの体を覆っている。
( ^ω^)「・・・・・・・・」
目を閉じ、手を合わせるブーン。
- 256 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:24:59.48 ID:I9MYfbak0
- ( ^ω^)「・・バーちゃん」
( ^ω^)「バーちゃんは心配性だおね。心配しすぎないでおね」
( ^ω^)「僕はバーちゃんが心配する事のないように頑張るお・・」
そう言って時計を見るブーン。
( ^ω^)「もうこんな時間かお、そろそろ行くお、バーちゃん」
お墓に背中を向けて歩いていくとき、何か自分の右腕が温かくなるのを感じるブーン。
- 257 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/04(日) 10:25:14.47 ID:I9MYfbak0
- ( ^ω^)「・・ありがとうだお。ちゃんと見守ってくれてるんだおね」
きっとそれはバーちゃんが見えないけれど、隣にいてくれてる。そう感じるブーン。
('、`*川「ふふっ、頑張りなさいね」
( ^ω^)「!!!」
ペニサスの声が聞こえたような気がした。
( ^ω^)「・・・頑張るお!!」
⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン!!
小さい頃見せた、特徴的な走り方をしながらブーンはその場を去った。
これから、ブーンにどんな困難が待ち受けているかは誰もわからない。
だがブーンはきっとくじけずに向かっていくだろう。幸せになる、というバーちゃんとの約束があるから・・
( ^ω^)「きっと・・上手くいくお!!バーちゃん、しっかり見といてくれお!!」
( ^ω^)ブーンと('、`*川 おばあちゃんのようです 完
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