130 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 19:06:43.25 ID:noggv47k0
第二十六話

( ^ω^)「ただいまだお・・」

('、`*川「お帰り、ちゃんとデレちゃんを送れた?」

何も答えないブーン。少しして、ようやくこう答えた。

( ^ω^)「・・ダメだったお」

( ^ω^)「デレの顔を見たらやっぱり泣いちゃったお・・」

('、`*川「そう・・」

('、`*川「それでも、後悔はないでしょう?」

( ^ω^)「・・・・・」


131 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 19:07:18.43 ID:noggv47k0
少し考え込むブーン。

( ^ω^)「うん、後悔はしてないお。僕なりに頑張ったお」

('、`*川「それなら・・充分だよ。良く頑張ったね」

優しくブーンに笑いかけるペニサス。その笑顔を見て、気が緩んでしまったのか、またブーンの目に涙が溜まる。

( つω^)「・・・・」

('、`*川「今は沢山泣きなさい。明日からまた頑張ればそれでいいよ」

( ;ω;)「お・・・」

家に帰ってもずっと泣き続けたブーン。その悲しさを拭えるのは自分自身だけだった。
そして、数日後・・

132 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 19:07:32.75 ID:noggv47k0
( ^ω^)「今日は初めての大学の日だお、頑張るお!!」

('、`*川「ふふっ、頑張ってきなさいね」

やる気十分のブーン。大学に合格して少ししてからアルバイトも始めたブーン。
もう大学生だから親を頼るわけにはいかないとか。

( ^ω^)「おっおっ!行ってきますお!!」

すでに車の免許を取ったブーン。だが、大学には自分の足で向かうようだ。

('、`*川「あの子ももう大学生なのね・・」

なんだか昔よりも元気のなくなっているペニサス。顔色も心なしかあまり良くないようにも見える。

('、`*川「ふぅ・・そろそろ限界なのかもしれないわねぇ・・」

何か意味ありげな言葉を残し、家の中へ入っていくペニサス。何か様子がおかしいことだけは確かだ。
その頃、何も知らないブーンは・・


133 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 19:07:47.80 ID:noggv47k0
( ^ω^)「大学では勉強頑張るお。福祉のことについて沢山学んで、すぐ福祉関係の仕事に就職できるようにするお!」

やる気は充分なようだ。期待できるだろう。

( ^ω^)「それと・・金貯めて自分の車を買うんだお!!」

何度かツンの軽自動車に乗せてもらって練習はした。だが肝心の車がない。

( ^ω^)「車無きゃ、デレの所まで行けないんだお」

( ^ω^)「だからバイト頑張るお!!」

ブーンはかなり張り切っていた。大学生になり行動範囲も広がったからだろうか。

( ^ω^)「さて・・それはいいから、早く行くかお」

駅に着いて、歩きで大学へ向かっていくブーン。
それから順調に勉強し、様々なことを学んでいくブーン。
友達も何人か出来て、何不自由ない生活を送っていた。
だが・・一つ難点もあった。


134 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 19:08:26.55 ID:noggv47k0
阿部さん「おっ、また君か、良く会うな。やらないか?」

(;^ω^)「え、遠慮しますお!!」

阿部が先輩にいた為に完全に狙われるはめになってしまった。
だがブーンも知恵を働かせて、ことごとく逃げていた。
そして、大学三年生になったある日・・

( ^ω^)「おっおっおっ、ようやく車が今日納車されるお!!」

( ^ω^)「今まで電話とメールでしかデレとコミュニケーション取れなかったお」

( ^ω^)「久々に会えるお・・楽しみだお〜♪」

今日は金曜日。明日から休みなので、どちらの日でも会いにいけるのでとても楽しみにしているようだ。

135 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 19:08:48.82 ID:noggv47k0
( ^ω^)「おっおっ、それじゃあバイトに行くかお」

いつものようにバイト先に向かうブーン。

(*゚ー゚) 「あら、ブーン君、おはよう」

( ^ω^)「おはようだお、しぃさん」

ブーンのバイト先は「ROUND3」というボーリング場だ。自給がいいという理由でここに決めたみたいだ。
彼女はブーンと同い年の同僚、しぃだ。

(*゚ー゚) 「ここんとこ沢山、バイト入ってるよね。体は大丈夫なの?」

( ^ω^)「全然平気だお!生活費くらいは稼がないといけないお!」

(*゚ー゚) 「へぇ、偉いね」


136 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 19:09:09.13 ID:noggv47k0
( ^ω^)「そういうしぃさんも沢山バイト入ってるお」

(*゚ー゚) 「あ、そういえばそうだねw」

笑いあう二人。

(*゚ー゚) 「あ、車をかったってことは、彼女さんに会いにいけるのね?」

( ^ω^)「そうだお!今から楽しみで楽しみで仕方ないお!!」

(*゚ー゚) 「へぇ・・恋人がいるとか羨ましいよ」

( ^ω^)「しぃさんならすぐ彼氏は見つるお!僕が太鼓判おすお!!」

(*゚ー゚) 「ホントに?信用しちゃうよ?」

( ^ω^)「信用していいですおw」

楽しそうな二人、出勤の時間が迫っている。

137 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 19:09:28.38 ID:noggv47k0
( ^ω^)「お、そろそろ時間だお。行こうかお」

(*゚ー゚) 「そうだね」

二人はゆっくりとした足取りで仕事場に向かっていく。ブーンは仕事中も今日納車される車のことで頭がいっぱいだった。
そしてブーンの上がる時間になる。

( ^ω^)「おっ!これで車取りにいけるお!」

(*゚ー゚) 「お疲れさま〜」

ブーンは凄い速さでバイト先を飛び出した。車を買った所は家の近くだったので帰り道によれるくらいの所にあった。

( ^ω^)「おいすー車届いてますかお?」

店員「あたりまえっすよwwwwwwww」

144 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 21:06:10.08 ID:noggv47k0
何だかしゃべり方に特徴のある店員が指を指す。その方向を向くと・・

( ^ω^)「おっ!!僕の車だお!!」

届いていた。ブーンの車が。中古車だが、まだまだ使えるいい車だ。

店員「かっこよく乗って帰っちゃってくださいよwwwwwwwww」

( ^ω^)「もちろんですお」

店員「これが車のキーっす。お気をつけてwwwww」

変な店員から目を逸らし、愛車に乗り込むブーン。運転席に乗って、なんだか嬉しい気分になったみたいだ。

145 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 21:11:04.46 ID:noggv47k0
( ^ω^)「ただいまだお!バーちゃん」

( ^ω^)「ついに車がきたお!!これでデレに会いにいけるんだお!」

('、`*川「あら・・よかったじゃない。今度私も乗せてねw」

( ^ω^)「バーちゃん、明日は暇かお?」

('、`*川「うん、暇だよ」

( ^ω^)「じゃあ一緒にドライブにいこうお!」

突然の誘いで少し戸惑うペニサスだが・・

146 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 21:15:02.39 ID:noggv47k0
('、`*川「うん、いいよ。明日楽しみにしてるよ」

( ^ω^)「任せてお!!」

二人は明日ドライブに行く事になった。ブーンは夕食を済ますとすぐに自分の部屋へ行き、メールを打ち始めた。

「デレ、ついに車が手に入ったんだお!日曜日、暇かお?」

( ^ω^)「送信するお!」

ブーンは会いに行く事も楽しみだったが、デレがどんな反応を示すのかも楽しみだった。

( ^ω^)「おっ!メールきたお!!」

「ホントーッ!?凄いね!日曜日は・・大丈夫だよ、バイト休みだし・・」

148 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 21:17:38.95 ID:noggv47k0
( ^ω^)「おっおっおっ」

「じゃあ行っても平気かお?」

( ^ω^)「返信だお!!」

その五分後、返事が返ってくる。

「うん♪でもごめんね、ホントは車で一時間以上かかるんだ。道はその駅まで単純だから平気だろうけど・・
だから、日曜日、駅まで来てくれれば後は私が案内するよっ」


149 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 21:22:16.16 ID:noggv47k0
「把握したお。それじゃ、駅まで行くお!時間はどうするお?」

「早くブーンに会いたいな・・午前中からでも平気かな?」

「うん、大丈夫だお!それじゃあ九時に駅集合にするお!!」

「わかった!それじゃあ日曜楽しみにしてるね!」

( ^ω^)「おっおっ!日曜楽しみだお!!」

しっかりと約束を取り付け、その日はすぐに風呂に入ってブーンは眠った。
次の日・・

150 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 21:25:21.54 ID:noggv47k0
( ^ω^)「ふああ・・今日はバーちゃんとドライブに行く日だお、準備するお」

ペニサスが早起きなのを想定して、すぐに準備を済ませ、下に降りていくブーン。

('、`*川「あら・・おはよう、今日は早いわね」

( ^ω^)「当たり前だお!バーちゃんとドライブだから早めにおきたんだお!!」

('、`*川「あら、そうなの?ありがとうね、ブーンちゃん」

('、`*川「じゃあ早めに行こうか、実はお昼ご飯作ってあるんだ♪」

( ^ω^)「ホントかお!?じゃあ自然が沢山あるところに行こうお!!」

('、`*川「うん♪もう準備は出来てるの?」


151 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 21:28:58.58 ID:noggv47k0
( ^ω^)「出来てるお!!」

('、`*川「じゃあもう行かない?楽しみで仕方ないんだっ♪」

なんだか若い女性のようにはしゃいでいるペニサス。その姿がブーンには凄く微笑ましく見えた。

( ^ω^)「じゃあいこうかお!バーちゃん!」

('、`*川「うん♪」

ブーンは自分の買った車の助手席にペニサスを乗せる。そして車は動きだす。

( ^ω^)「バーちゃん、僕はまだ車の運転に慣れてないから、しっかりシートベルトしててお」

152 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 21:32:23.34 ID:noggv47k0
('、`*川「大丈夫よ、しっかり固定されてるから」

( ^ω^)「おっ!それなら安心したお!」

車は安全運転で走り続ける。やがて、綺麗な湖へ到着した。

('、`*川「ここは昔と変わらず、ホントに綺麗なままね・・」

( ^ω^)「おっおっ!バーちゃん、ここにきたことあるのかお?」

('、`*川「若い頃、おじいちゃんとねw」

( ^ω^)「ホントかお!思い出の地だお!」

('、`*川「ふふっ、そういうことになるね♪」

二人は湖の周りを少し歩いていた。他愛も無い話で二人は凄く盛り上がっていた。

153 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 21:37:47.82 ID:noggv47k0
( ^ω^)「へー・・じいちゃんは若い頃そんな人だったのかお?」

('、`*川「うん、本当に一途な人でね・・」

( ^ω^)「さすがはじいちゃんだお!おっ、そろそろおなか減ったお・・」

('、`*川「そうだね、ご飯にしようか」

二人は一度車まで戻り、ペニサスは持ってきていたレジャーシートを広げる。

('、`*川「今日は力入れて作ったんだよ。沢山食べてね♪」

( ^ω^)「おっ!いただきますお!!」

自分の作った弁当をおいしそうに食べるブーン。それをいつもと変わらない笑顔で見つめるペニサス

155 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 21:41:13.07 ID:noggv47k0
('、`*川(本当に・・私の人生色々あったわね)

('、`*川(ブーンちゃんがこんなにおいしそうに私の作った料理を食べてくれるの、後何回見れるかな・・)

('、`*川(なんにしろ・・もう沢山見れるわけじゃないわね)

ペニサスは感じていた。自分の体が少しずつ弱ってきているのを。

('、`*川(これが私の寿命なら・・仕方ないね。もう助からないだろうな・・)

('、`*川(なら、私が出来ることは一つ・・)

('、`*川(家族への恩返し・・かな)

156 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 21:43:43.06 ID:noggv47k0
( ^ω^)「ん?バーちゃん、どうしたお?ボーっとして・・」

('、`*川「ん?ちょっと考え事してたんだ」

( ^ω^)「そうなのかお。バーちゃん、バーちゃんの料理は全部おいしいお!」

ペニサスが弁当の方を見ると、もう空になる直前くらいまで量が減っていた。

('、`*川「ふふっ、ブーンちゃんは食いしん坊だねw」

( ^ω^)「バーちゃんの料理がおいしいからだお!!」

二人は笑いあう。

157 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 21:45:17.73 ID:noggv47k0
( ^ω^)「おっおっ・・おなかがいっぱいになったら眠くなったお。そろそろ帰ろうお」

('、`*川「そうだね、帰ろうか」

二人はまた車に乗り、帰路へと着く。その途中・・

('、`*川「ブーンちゃん」

( ^ω^)「なんだお?バーちゃん」

('、`*川「もし私がいなくなっても・・今まで通り強くやっていける?」

( ^ω^)「なんでそんな質問するんだお・・?」

('、`*川「いいから。答えて」

いつもと口調の違うペニサス。その様子に少し圧倒されつつもブーンは、

( ^ω^)「・・バーちゃんがもしいなくなっても強くやってくお。バーちゃんを心配させたくないお」

158 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 21:47:52.20 ID:noggv47k0
('、`*川「そう・・それなら・・いいわ」

いきなり口調に元気の無くなるペニサス。

(;^ω^)「ちょ、バーちゃん平気かお?」

('、`*川「大丈夫・・」

ブーンは心配しつつも運転に気を配る。ようやく家へ到着した。
その日は明日の準備をして、早く寝るブーンだった。ペニサスの異変にあまり気が付かずに。

160 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 21:51:20.68 ID:noggv47k0
翌日

(;^ω^)「お・・もう七時かお!早く準備するお!!」

ブーンはすぐに準備をすませて、下へと降りていく。時間は七時十分を回っていた。

(;^ω^)「あれ・・」

(;^ω^)「バーちゃんがおきてないお」

珍しくいつもは朝早くおきているはずのペニサスが起きていない。

(;^ω^)「きっと疲れてるんだお。朝食は簡単な物食べるお」

食パンを食べて、歯磨きをしっかりと済ませる。

161 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 21:54:20.26 ID:noggv47k0
(;^ω^)「お、今日はデレとゆっくり過ごすために携帯の電源はオフにしておくお」

自分の携帯の電源をオフにして、車に乗り込むブーン。

( ^ω^)「さて、デレを迎えにいくお!!」

車を走らせる。駅までは一時間半ほどでつくみたいだ。

( ^ω^)「ホントに久しぶりにデレと会うお」

( ^ω^)「劇的に変わってたらどうしようかお・・」

何かよくわからない心配をしだすブーン。そんなくだらない心配ごとをしてるうちに駅に着いた。
デレらしき人物が駅の入り口で待っている。


163 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 21:56:09.42 ID:noggv47k0
( ^ω^)「デレーッ!!」

大声を出して恋人を呼んでみるブーン。その人物はブーンの方を向く。

ζ(゚ー゚*ζ「ブーンッ!!」

やはりデレだった。デレはブーンの車の方へ小走りで向かってくる。
ブーンも車から降りて、デレの方へ走っていく。そして久しぶりの再会を喜んだからなのか強く抱き合う二人。

ζ(゚ー゚*ζ「久しぶりだね・・ブーン」

( ^ω^)「うん・・何だかまだ大人っぽくなったお?デレ」

ζ(゚ー゚*ζ「ふふっ、それはブーンもだよw」

( ^ω^)「そうかお?」


164 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 21:56:41.80 ID:noggv47k0
ζ(゚ー゚*ζ「うん、絶対そうだよw」

( ^ω^)「おっおー、実感が湧かないお」

二人は照れ笑いしながら、少し話していた。

ζ(゚ー゚*ζ「それじゃあ今日は私がこの町を案内してあげるね!」

( ^ω^)「ヨロシクだお!」

デレを車に乗せて、出発する。
携帯の電源を切ったことが災いして、とても大事な連絡を受けられなくなる事を知らずに。

第二十六話 完



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