- 86 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 15:56:00.84 ID:noggv47k0
- 第二十五話
その着信はブーンが自分の部屋にいる時、かかってきた。
( ^ω^)「もしもし、デレかお?」
ζ(゚ー゚*ζ「うん、そうだよ〜合格おめでとうっ♪」
デレの声に憂いはなかった。
( ^ω^)「ありがとだお!!最初は落ちたかと思ったんだお」
ζ(゚ー゚*ζ「え?なんで?」
( ^ω^)「自分の学部じゃない所の発表を見ちゃったんだお」
- 88 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 15:57:30.39 ID:noggv47k0
- ( ^ω^)「おかげで落ちたかと思ってボロボロ泣いちゃったんだお」
ζ(゚ー゚*ζ「うふふっwおっちょこちょいだね、ブーンw」
( ^ω^)「サーセンwwwデレはどうだったんだお?」
ζ(゚ー゚*ζ「そう!それを言いたかったんだ!私はねぇ・・」
( ^ω^)「その様子から結果は見えてるおw」
ζ(゚ー゚*ζ「あ、やっぱり?受かったよ〜♪」
- 89 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 16:00:05.44 ID:noggv47k0
- ブーンは一瞬、複雑な感情に包まれる。だが気を取り直し、
( ^ω^)「おめでとうだお!デレ!」
元気な声でそう言った。
ζ(゚ー゚*ζ「ありがとう!!でも・・これで四月からは沢山会えなくなるね」
( ^ω^)「その選択に後悔はあるかお?」
唐突に聞かれたので少し戸惑うデレ。だが、
ζ(゚ー゚*ζ「ないよ。だってブーンと一緒に決めたことじゃない」
- 90 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 16:04:18.28 ID:noggv47k0
- ( ^ω^)「ならいいお!あっちに行っても必ず上手くいくお!!」
ζ(゚ー゚*ζ「ねぇ・・?ブーン」
( ^ω^)「なんだお?」
ζ(゚ー゚*ζ「卒業までもうあんまり無いし、遊べるのも限られてくるね・・」
ζ(゚ー゚*ζ「それまでいっぱーいっ!!遊んで・・」
ζ(///*ζ「あ、愛し合おうね・・」
照れながらその言葉を言うデレがなんだか凄く可愛く感じるブーン。
- 91 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 16:06:44.65 ID:noggv47k0
- (*^ω^)「もちろんだお。沢山二人だけの思い出を作ろうお」
ζ(゚ー゚*ζ「うん、あ!後・・私があっちに行っても暇なときは来てね?車があれば一時間くらいで来れるから・・」
( ^ω^)「把握したお!!」
ζ(゚ー゚*ζ「浮気とかは絶対しないから信用してねwあとそれと・・」
デレの母「デレー!!ちょっと手伝いしてー!!」
ζ(゚ー゚*ζ「はーい!!ごめんね、ブーン。また今度ね」
( ^ω^)「うんだお。まただお」
電話はそこで切れる。携帯をおいて、ベットにねっころがるブーン。
- 92 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 16:10:52.56 ID:noggv47k0
- ( ^ω^)「やっぱりデレが受かったのは嬉しいお」
( ^ω^)「でも・・やっぱり寂しいんだお」
今まで毎日のように顔を合わせて、愛し合った恋人が四月からはもうこの地域からいなくなり一人暮らしを始める。
ブーンは大きな喪失感に襲われていた。
( ^ω^)「デレ・・」
事実など変わるはずもないのに、恋人の名前を呟く。
- 93 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 16:14:53.99 ID:noggv47k0
- ( ^ω^)「こんなんじゃ・・ダメだお」
そう自分に言い聞かせても、本心は言う事を聞いてくれない。寂しい。悲しい。一緒にいたい・・
思いだけが頭の中を駆け巡る。
( つω^)「グスッ・・」
少しだけ涙ぐむブーン。さっきまで流していたラジオからこんな曲が聞こえてきた。
♪さよなら、さよなら、さよなら〜、もう君に会いたくは無いよ〜僕は君を卒業するよ・・
( つω^)「卒業かお・・ちょっと違うような気がするけど・・」
( つω^)「こんな泣いてちゃデレが悲しむお・・」
( つω^)「でも・・」
( ;ω;)「今だけは泣かせてくれお・・!」
- 95 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 16:17:09.38 ID:noggv47k0
- ブーンはひたすら泣いた。時間も忘れるほどに。泣いて泣いて泣きまくった。気がつけば顔はグシャグシャになって、
頬も涙の伝った後でいっぱいだった。
( ^ω^)「・・・・・・」
( ^ω^)「ようやく落ち着いたお。ちょっと飲み物でも飲みにいくお」
今日は平日でブーンは学校が四時間だった為、早かった。
( ^ω^)「そういえば・・ショボンと渡辺さんも受かったって言ってたお」
時は学校へと戻る・・
- 96 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 16:19:04.61 ID:noggv47k0
- (´・ω・`)「ブーン、僕も無事大学に受かったよ。これで一安心だよ」
( ^ω^)「確か、ショボンは法学部だったおね?」
(´・ω・`)「うん、そうだよ」
( ^ω^)「法学って事は・・弁護士とかになりたいのかお?」
(´・ω・`)「うん、そういう人の為に役に立つやり方もあるだろう?」
( ^ω^)「うん、そうだおね」
(´・ω・`)「もしブーンが裁判を受けるようになったら、僕が弁護するから言えばいいよ」
( ^ω^)「ktkr」
- 97 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 16:23:15.30 ID:noggv47k0
- (´・ω・`)「ただし料金は二倍だよ?」
( ^ω^)「ちょwwwwwwwwww」
楽しそうな二人。もう一方では・・
从'ー'从「受かったんだってね!おめでとう!!」
ζ(゚ー゚*ζ「あなたもじゃないwww」
从'ー'从「そうだったねww」
二人とも顔をクシャクシャにしながら笑ってる。
从'ー'从「ねぇ、デレ?」
ζ(゚ー゚*ζ「なに?」
从'ー'从「いい顔してるね・・前に比べて」
- 98 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 16:32:53.68 ID:noggv47k0
- ζ(゚ー゚*ζ「えっ?」
从'ー'从「なんだか・・前みたいに影がないっていうか・・明るい感じになったっていうのかな?」
从'ー'从「言い方は良く分からないけど・・とにかくよくなったよ」
ζ(゚ー゚*ζ「そうかな?」
从'ー'从「うん、絶対そうだよ」
ζ(゚ー゚*ζ「ありがとうw」
二人はまた笑いあう。
从'ー'从「住むところは遠くなっちゃうけど・・これからも頑張ろうね?」
ζ(゚ー゚*ζ「当たり前だよ!!」
そう言って、デレは渡辺に抱きつく。
- 99 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 16:36:24.48 ID:noggv47k0
- 从///从「ひゃん!」
ζ(゚ー゚*ζ「もう〜そんなに赤くならないでよ、スキンシップだってば〜」
从///从「恥ずかしいよぉ・・」
ζ(゚ー゚*ζ「女同士なのに?」
从///从「うぅぅ・・」
なんだかんだで二人ともやっぱり仲良しだ。
その後、4人で集まって色々と話した。沢山話したがまだ足りないくらいだった。そして今に至る。
- 100 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 16:38:11.68 ID:noggv47k0
- ( ^ω^)「皆、夢へ向かって頑張っているお・・そして僕も」
( ^ω^)「このまま4人までもバラバラになっちゃうのかお・・」
一人で悩んでいても答えなんて出てこない。
( ^ω^)「・・ごめんお。バーちゃん。また頼ることになるお」
そういい残し、階段を降り、リビングへと向かっていくブーン。
('、`*川「あら、ブーンちゃん。・・どうしたの?目が赤いけど・・」
簡単に見破られてしまった。
- 101 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 16:40:14.27 ID:noggv47k0
- ( ^ω^)「実は・・」
さっきまで悩み続けていた事を全部隠さずにペニサスへ話すブーン。
('、`*川「そう・・やっぱり悩むよね。前から分かってたことって言っても・・」
( ^ω^)「お・・」
('、`*川「ブーンちゃんが出来ること・・それはね」
( ^ω^)「・・・・?」
('、`*川「デレちゃんが悔いを残さないように、しっかりと見送ってあげること」
( ^ω^)「お・・・・」
('、`*川「しばらくお別れの時、泣きながらだったら後味悪いじゃない?」
- 102 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 16:42:36.31 ID:noggv47k0
- ( ^ω^)「・・・・・・」
('、`*川「だから・・その時だけは頑張らなくちゃダメ。男の子でしょ?」
( ^ω^)(男の子、かお・・・・)
昔何度も聞かされたセリフ。男の子だから我慢しなさい。
( ^ω^)(・・デレの恋人として、ちゃんとしなきゃいけないお)
('、`*川「大丈夫?今回だけは無理しなくちゃいけないけど・・」
( ^ω^)「大丈夫だお!任せてお!」
ブーンの心の中は不安でいっぱいだった。でも、自分が頑張らなくちゃデレを気持ちよく送ってあげられない。
その思いがブーンの心を動かす。
- 103 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 16:42:56.59 ID:noggv47k0
- ('、`*川「ふふっ、やっぱり強いね、ブーンちゃんは」
( ^ω^)「僕は男だお!任せておいてお!」
心なしかそのセリフはどこか力強く聞こえた
( ^ω^)(デレとしばらくお別れするその時まで、沢山思い出作るんだお)
ブーンはそう決意した。次の日からデレとブーンは毎日のように遊んだ。
高校時代の最後の思い出を作る為に。時間というのは非情なものであっという間、楽しければさらにだ。
二人が離れる日があっという間にやってきた・・
( ^ω^)「ついに出発の日かお。デレ、準備はもう平気なのかお?」
ζ(゚ー゚*ζ「うん、必要な物以外は先に送っといたから大丈夫だよ♪」
( ^ω^)「そうかお・・」
少しその場が静かになった。周りからは色々な生活音が聞こえてくるだけで、二人に会話はなくなった。
- 105 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 16:43:17.20 ID:noggv47k0
- ζ(゚ー゚*ζ「ねぇ・・」
( ^ω^)「なんだお・・?デレ?」
ζ(゚ー゚*ζ「私がいなくなる事、やっぱり寂しいって思う・・?」
デレがブーンの顔を覗き込みながらそう聞いた。
( ^ω^)「・・当たり前じゃないかお」
( ^ω^)「僕の恋人にふさわしい人はでr
突然口をふさがれる。デレがキスをした。
( ^ω^)「・・・・・・」
ζ(゚ー゚*ζ「・・これからしばらくこういうことも出来なくなるね」
ζ(゚ー゚*ζ「私も寂しいよ・・」
二人は駅に到着する。電車までもあまり時間がない。
- 106 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 16:43:44.68 ID:noggv47k0
- ζ(゚ー゚*ζ「ねぇ・・」
ζ(゚ー゚*ζ「ブーンも夢、あるでしょ?」
( ^ω^)「うん、あるお」
ζ(゚ー゚*ζ「私もある。私たち二人が夢を叶えられたら・・その時は・・」
ζ(///*ζ「結婚、しようね・・」
( ^ω^)「おっおっおっ、当たり前だお。前からそのつもりだお」
ζ(///*ζ「・・嬉しい」
電車がやってくるまで二人はお互いのぬくもりを感じていた。しばらく会えなくなることもあってか、ずっとお互いの手を握りしめていた。
- 107 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 16:44:07.29 ID:noggv47k0
- ζ(゚ー゚*ζ「ブーンの手・・いつもあったかいけど」
ζ(゚ー゚*ζ「今日は冷たいね・・」
( ^ω^)「おっ・・そうかお」
自分の体もなんだかいつもと調子が違っていた。何故なのかはブーン自身にも良く分からなかった。
また沈黙が二人を包む。しゃべる事はもう無いのかもしれない。ただ、お互いのぬくもりを感じるだけ・・
ブーンはその様子で、さらに切なくなってしまう。
( ^ω^)(確かに泣くなって言われたお・・でも我慢できない知れないお)
ζ(゚ー゚*ζ「ブーン・・」
( ^ω^)「お・・?」
ζ(゚‐゚*ζ「これでおしまいじゃないんだから、そんなに悲しい顔しないで・・私も今泣きそうなんだから・・」
- 108 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 16:44:27.23 ID:noggv47k0
- デレの声はかすれていた。
( ^ω^)「ごめんお・・」
そして二人はもう一度唇を重ねる。人が見てようが今の二人には関係なかった。
でも幸せは感じれない。初めての悲しいキスのような気がした。
ζ(つー゚*ζ「グスッ・・」
( ^ω^)「泣くなお、デレ。さっき自分でそういう風に言ったばっかだお」
ζ(つー゚*ζ「ごめんね・・でも我慢できないよ」
ブーンはデレの涙を見て、自分は泣かないと決意する。これ以上、デレを悲しませるわけにはいかないから。
( ^ω^)「最後は・・ちゃんと笑ってばいばいするんだお」
ζ(つー゚*ζ「うん・・・」
まもなく1番線に電車が参ります。危険ですので黄色い線の内側まで・・
- 109 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 16:44:44.60 ID:noggv47k0
- ( ^ω^)「デレ・・電車、きたお」
ζ(つー゚*ζ「うん・・」
二人は並んで、電車の入り口まで向かう。昔とは違う二人の姿。もう大人なのだ。
( ^ω^)「デレ、向こうに行っても元気で頑張るんだお」
ζ(つー;*ζ「グスッ・・ヒック・・うん」
涙腺が崩壊してしまったデレは、ちゃんとしゃべれていなかった。
( ^ω^)「また会えるお。そんなに泣かないでおくれお」
ブーンの声も少しかすれていた。笑顔も崩れる直前になっていた。それでもブーンは耐えた。
( ^ω^)「最後に・・いつものデレの笑顔を見せてくれお」
- 110 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 16:44:59.84 ID:noggv47k0
- ζ(つー;*ζ「・・・・」
ζ(;ー;*ζ「うん」
もう涙で顔がぐしゃぐしゃだったが、精一杯笑顔を作るデレ。
( ^ω^)「それでこそ・・」
( ;ω;)「それでこそデレだお・・頑張るぉ・・」
ついに泣き出してしまうブーン。それでも話すことをやめようとはしなかった。
( ;ω;)「ごめんお、最後は笑顔で送ろうって・・そう決めてたんだお」
ζ(;ー;*ζ「ううん、いいよ・・ありがとう、ブーン」
プシュー。電車のドアが閉まる。
( ;ω;)「頑張れお!頑張れお!!」
動きはじめる電車に走ってついていきながら、そう叫び続けるブーン。デレもそれに答えるように何度も頷いた。
電車はホームを越していく。もう追いつけない。
- 111 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 16:45:15.20 ID:noggv47k0
- ( ;ω;)「ハァ・・ハァ・・」
( ;ω;)「おっおっおっ・・・・・・」
ブーンは静かに泣いた。ペニサスとの約束を守れなかった。それもあったが、今は悲しさに身を任せる。
ζ(;ー;*ζ「うぅ・・」
デレも、動く電車の席で声を殺しながら泣いていた。幸い人はほとんどいなかった。次の駅、その次の駅を超えても、デレは泣き続けた。
( ;ω;)「いつまでも・・泣いてても仕方ないお」
( ;ω;)「帰るお・・」
ブーンはゆっくりと足並みを家の方向へ向かせる。その間もブーンはずっと涙を流し続けた。
少し天気の悪い空が、ブーンをずっと見つめていた。
第二十五話 完
- 123 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/03(土) 17:37:46.39 ID:noggv47k0
- デレの引っ越した所は車を使わないといけない遠い所です。
デレは自分の引越し先に1番近いとこで降りて、タクシーを使いました。
なのでかなり遠い場所になります。
と修正しておく・・
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