- 2 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/02(金) 19:45:59.63 ID:paDTkU3r0
- 第二十三話
今日はブーンの入試当日。とても緊張した様子のブーンがそこにいる。
センター試験はブーンはそこそこ取れたみたいなので少し有利といった所だ。
(;^ω^)「やべーお・・ドキドキするお」
ξ゚听)ξ「ほらっ!もっとシャキッとしなさいよ!」
ツンに思い切り背中を叩かれるブーン。
- 3 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/02(金) 19:48:44.85 ID:paDTkU3r0
- (;^ω^)「わわわかってるお!でも緊張するお・・」
('、`*川「ほらっ!男の子でしょ!しっかりしなさいよ!!」
(;^ω^)「バーちゃん!」
('、`*川「ブーンちゃん?」
(;^ω^)「なんだお?」
('、`*川「デレちゃんより、今日まで頑張ったって胸を張っていえる?」
(;^ω^)「・・・・・・・」
- 4 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/02(金) 19:50:14.72 ID:paDTkU3r0
- 少し硬直するブーン。だが顔を引き締めてこういうのだった。
( ^ω^)「わからないお。でも今日までの自分の頑張りは胸を張って自慢できるんだお」
( ^ω^)「心配しないでお。必ず受かってみせるお」
三人はそう言ったブーンの姿が昔よりもずっとたくましく見えた。
( ^ω^)「それじゃ・・行ってくるお」
バタン。ブーンがついに入試会場へと向かっていった。
- 5 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/02(金) 19:53:17.86 ID:paDTkU3r0
- ξ゚听)ξ「なんだかあの子・・父さんに似てきたような気がするわ」
('、`*川「うん、なんだかブーンちゃんから出てる雰囲気が、似てきたね・・」
('A`) 「なんだか・・頼りになるようになったよな。ブーン」
家族三人は今までブーンに対して感じたことのないものを感じていた。
('、`*川(あなた。ブーンちゃんがあなたに似てきたよ)
('、`*川(なんでかね・・私にはよくわからないけれど・・)
('、`*川(きっとあなたもブーンちゃんに期待してるのよね)
ペニサスはそう思った。何故ブーンがシャキーンに似てきたかは分からない。
でもシャキーンは見守ってくれている。期待していると、そう感じたのだった。
- 6 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/02(金) 19:54:51.62 ID:paDTkU3r0
- ξ゚听)ξ「ブーン、頑張るのよ・・」
ツンがそう呟いた。ブーンのこの一年の努力は見事実るのだろうか。
一方、ブーンはというと、
( ^ω^)「えーと・・今日受けるのは・・志望校だお」
ブーンが志望校にしている大学。その名も「比呂之大学」
全国で見ても偏差値はかなり高め。ブーンの頭をもってしても受かるかどうかは正直微妙と言ったところだ。
( ^ω^)「・・ここで頑張んなかったらいつ頑張るお」
ブーンは自分に気合を入れる。そしてそれと同時に携帯がなる。
- 7 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/02(金) 19:56:39.51 ID:paDTkU3r0
- ( ^ω^)「おっ・・デレからだお!」
「試験頑張ってね♪ブーンなら大丈夫!ふぁいと〜!!」
( ^ω^)「・・ありがとうだお、デレ」
あえて返信はしなかった。返信するのは試験の後。しっかり出来たら返信する、そう決めた。
( ^ω^)「さて、ここからが勝負だお」
ブーンは電車に揺られながら最終チェックをする。単語の見直し、公式の見直し・・
そんな時、事件は起こるのだった。
- 8 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/02(金) 19:58:29.51 ID:paDTkU3r0
- ガタン!!!
(;^ω^)「な、なんだお!?」
凄まじい衝撃がブーンを襲った。一度電車は止まる。
アナウンス「ただいま人身事故が起こりました。本線は復旧作業に入ります。そのままお待ちください」
(;^ω^)「えっ!それはマズイお!!」
試験を控えた人達(ブーンも含め)は大混乱に陥った。
A「そんな!こっちは人生かかってるってのに!!」
B「いや、駅で確か遅れた事を証明する紙もらえば平気じゃね?」
- 9 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/02(金) 20:03:43.01 ID:paDTkU3r0
- 様々な声が飛び交う。ブーンもその一員になっていた。
(;^ω^)「どどどどどどうすれば・・」
酷く混乱していた。アナウンスや、他の人達の声なんて全く届かずに。
(;^ω^)「おおおおおおおお・・・・・」
そんな時、頭の中に声が聞こえた。
???「ダメじゃないか、そんな混乱しちゃ、落ち着くんだ」
聞き覚えのある、暖かい声だった。
- 11 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/02(金) 20:05:24.11 ID:paDTkU3r0
- (;^ω^)「じいちゃん・・?」
???「声は出さなくていい、思えば分かるから」
(;^ω^)(じいちゃんなのかお!?)
(``・ω・´)「あぁ、そうだよ。いつもは見守ってるだけだが見かねてね」
(;^ω^)(えええええ!!!!!!!!)
ブーンの頭の中に更に混乱が広がった。
- 12 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/02(金) 20:07:24.64 ID:paDTkU3r0
- (;^ω^)(幽霊なのかお!?じいちゃん)
(``・ω・´)「ああ、そうさ。飲み込みが早いね。幽霊だろうと強く念じれば形にはできるさ」
(;^ω^)(こんな経験初めてだお・・)
(``・ω・´)「そりゃそうだろう。そんなことはどうでもいいんだ。聞け、ブーン」
(;^ω^)(なななんだお?)
(``・ω・´)「この電車はすぐに動きだす。だから遅れることはない」
(``・ω・´)「お前は余裕を見せながら勉強を続けていればいいさ」
- 14 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/02(金) 20:08:14.98 ID:paDTkU3r0
- (``・ω・´)「俺を信じるんだ、ブーン」
( ^ω^)(確かに・・じいちゃんが生きてた頃、じいちゃんの予想は外れた事がなかったお)
( ^ω^)(信じるお、ジーちゃん)
(``・ω・´)「よし、それでいい。試験頑張るんだぞ」
それだけ言い残して、じいちゃんの声は聞こえなくなった。
( ^ω^)(一体今の現象は・・僕には霊感なんてないお」
ガタン。電車が動き始めた。
- 15 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/02(金) 20:09:52.02 ID:paDTkU3r0
- ( ^ω^)「おっ!じいちゃんの予想はやっぱり当たったお」
( ^ω^)「ありがとうだお・・じいちゃん」
きっとシャキーンがこうしてくれたのだと信じ、ブーンは動いた電車の外を見つめる。
( ^ω^)「見えたお。受験会場が・・」
ついにやってきたのだ。「比呂之大学」へ。
電車が駅につく。ざわめくホーム。降りていく半分の人達は受験生だろう。
- 16 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/02(金) 20:12:25.74 ID:paDTkU3r0
- ( ^ω^)「ここで負けてられないお。自分のために・・」
( ^ω^)「いくお!!」
ブーンは勢いよく駆け出し、受験大学を目指す。気合はもう充分だ。後は自分がどれだけやったかだろう。
( ^ω^)「着いたお・・入るお」
( ^ω^)「やっぱ大学は広いお。綺麗だお〜」
( ^ω^)「いけないお、早く試験会場へ急ぐお」
ちょっと寄り道をしてしまったが、無事会場へと到着した。
- 17 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/02(金) 20:15:23.64 ID:paDTkU3r0
- 試験官「お名前は?」
( ^ω^)「内藤ホライゾンですお!」
試験管「受験番号54285 内藤ホライゾンさんで間違いないですね?」
( ^ω^)「大丈夫ですお!!」
試験管「ではついてきてください」
( ^ω^)「はいですお」
試験管「ここがあなたの席になります。では、座って待っててください」
- 18 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/02(金) 20:17:01.47 ID:paDTkU3r0
- 席に着くとブーンは早速復習を始めだした。
( ^ω^)「あんなにやったんだお。きっといけるお」
もう滑り止めの大学は受けて、その時は手ごたえがあった。
( ^ω^)「自信を持つんだお・・大丈夫だお」
ふと目の前に目をやると、すでに問題用紙が配布されている。
( ^ω^)「おっ、参考書しまわないといけないお」
ブーンが参考書を片している間に、試験官が話を始める。
- 19 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/02(金) 20:19:09.83 ID:paDTkU3r0
- 試験官「・・・・・・・・・・・、・・・、それでは不正のないよう、頑張ってください」
(;^ω^)「おっ!やべーお!!」
開始の合図が出る。その合図の音とともに響くペンの音。
(;^ω^)「さて、始めるお!」
ブーンは少し他の受験生よりも出遅れるも、学力は確実につけてきていたので、確実に問題を解いていった。
( ^ω^)(おっ!これは覚えてるお!)
( ^ω^)(いけるお!!)
確実な手ごたえを感じるブーン。
- 20 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/02(金) 20:21:38.36 ID:paDTkU3r0
- ( ^ω^)(よしよし・・)
終始、自分のペースを崩さず問題に集中するブーン。そして最後の受験教科になる。
( ^ω^)(ちょっと難しいお・・)
最後はさすがに苦戦気味のブーン。だが、しっかりと全回答をする。
そして・・終わりの合図が出る。
試験官「はい、ペンを置いてください。答案用紙は係が集めるのでそれまで座って待機してください」
全員の回答を集め終わる係。
- 21 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/02(金) 20:22:46.23 ID:paDTkU3r0
- 試験官「それでは今日はこれでおしまいです。お疲れ様でした」
( ^ω^)「おっ・・ようやく終わったお。帰るお」
( ^ω^)「おっ、デレにメール返さないとだお」
「今日の出来はよかったお。きっと受かれるお」
それだけ打って、メールを送信する。自信の表れなのかもしれない。
ノンビリと帰宅するブーン。帰ると、家族全員がブーンのことを待っていた。
- 22 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/02(金) 20:24:01.95 ID:paDTkU3r0
- ξ゚听)ξ「どうだった!?」
( ^ω^)「そこそこ出来たお。可能性は充分にあると思うお」
('A`) 「それなら安心だな」
( ^ω^)「それより・・バーちゃん」
('、`*川「どうしたの?」
( ^ω^)「ちょっと話したいことがあるんだお。バーちゃんの部屋で話せるかお?」
('、`*川「なんでわざわざ私の部屋に?」
( ^ω^)「その方が都合がいいんだお」
- 23 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/02(金) 20:24:21.77 ID:paDTkU3r0
- 少し考えるペニサス。
('、`*川「うん、いいよ。それじゃあ行こうか」
二人はペニサスの部屋に向かっていく。
('、`*川「それで・・話って?」
( ^ω^)「今から話すこと、いつもみたいに信じてくれるかお?」
チラッとシャキーンの遺影を見るブーン。その様子からペニサスはどんな話なのか一発で見切る。
('、`*川「おじいちゃんのことでしょ?信じるわ」
( ^ω^)「おっ!よくわかったお!」
- 24 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/02(金) 20:25:51.09 ID:paDTkU3r0
- ( ^ω^)「バーちゃんならそう言ってくれると思ったお」
( ^ω^)「実は今日、電車が人身事故で止まっちゃったんだお」
('、`*川「そんなことが・・」
( ^ω^)「その時、頭の中にじいちゃんの声が聞こえたんだお」
('、`*川「ホントに?」
( ^ω^)「ホントだお。大丈夫だから俺を信じろって言って、また消えちゃったんだお」
( ^ω^)「少しして、電車が動きだしたんだお。きっとじいちゃんのおかげだったんだお」
('、`*川「・・・・・・・・」
- 25 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/02(金) 20:26:08.88 ID:paDTkU3r0
- 少し黙り込むペニサス。
('、`*川「やっぱり、助けてくれたのね。あなた・・」
('、`*川「実はね、昨日夢を見たんだ」
( ^ω^)「どんな夢だお?」
('、`*川「一瞬だったけどおじいちゃんが出てきたの」
('、`*川「もしブーンのことで何か起こったら俺に任せとけって」
('、`*川「守ってくれたんだね。ブーンちゃんのこと・・」
二人は話すことを忘れ、ひたすらシャキーンの遺影を見つめる。
('、`*川( ^ω^)「ありがとう(だお)じいちゃん・・」
一緒にお礼を言う二人。その遺影はどこか微笑んでいるように見えた。
それからは、結果を待つだけになったブーン。その日々が凄く長く感じるようだ。
だが、ついに運命の日がやってくる。果たしてブーンの努力は身を結んだのだろうか・・
第二十三話 完
前へ 次へ 目次