45 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:13:47.01 ID:z/NpxMhU0
第二十二話

時はあっという間に過ぎていき、二年生も終わる。もう受験しか残っていない状態になっていた4人。

( ^ω^)「皆、そろそろ人生設計しないとマズいお!どうするんだお?」

(´・ω・`) 「決まってるさ、大学進学だよ。そうしないといい仕事につけないからね」

从'ー'从「私は短大に行くつもりかなぁ・・出来れば早めに働いて親孝行したいし」

(´・ω・`) 「さすがはマイハニー!!素晴らしい心の持ち主だ!!」

从///从「あ・・ありがとう」

( ^ω^)「・・・・・・」

ζ(゚ー゚*ζ「・・・・・・・」

47 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:16:25.86 ID:z/NpxMhU0
またデレとブーンはいちゃいちゃする二人を冷たい目で見つめている。

( ^ω^)「デレはどうするのかお?」

ζ(゚ー゚*ζ「えっ?わ、私?」

少し動揺するデレ。その様子に何か違和感を覚えたブーン。だが口にはしないでおいた。

ζ(゚ー゚*ζ「わ、あたしも大学進学だよっ」

それにしては何か口調に違和感がある。


48 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:17:52.86 ID:z/NpxMhU0
( ^ω^)「デレ、なんかあったのかお?」

ζ(゚ー゚*ζ「う、ううん!!何にもないよ!心配させてゴメン!!」

そういって自分のクラスへかけていくデレ。
三年になって、仲良し4人組は見事にクラスが離れてしまった。
ブーンとショボンが同じに、デレと渡辺も同じクラスだ。

( ^ω^)「・・?」

あきらかに不自然なデレの様子を不思議に思いながら、ブーンも教室へと戻っていった。


49 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:20:48.69 ID:z/NpxMhU0
ζ(゚ー゚*ζ「・・・・」

机に突っ伏しているデレ。その様子を心配したのか、渡辺が話し掛けてくる。

从'ー'从「どうしたの?元気ないね」

ζ(゚ー゚*ζ「・・・そう?」

从'ー'从「うん、あきらかに。今までこんなに元気無いときなんて思いつかないよ」

ζ(゚ー゚*ζ「・・なんでもないから気にしないで」

从'ー'从「なんでもなくないよ!その様子じゃ・・」

50 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:23:27.72 ID:z/NpxMhU0
珍しく声を荒げる渡辺。その様子に少しビックリするデレ。

从'ー'从「私たち、親友でしょ?話してみてよ。力になるから・・」

ζ(゚ー゚*ζ「・・・・うん」

渡辺の説得に応じてデレは自分の悩んでいた事を少しずつ話し出す。その話を静かに聞く渡辺。

ζ(゚ー゚*ζ「・・ってわけなんだ」

从'ー'从「それは・・確かに辛いね。ブーン君には話したの?」

ζ(゚ー゚*ζ「まだなんだ・・私自身、話すときメソメソしちゃいそうで」

从'ー'从「そっか・・」

51 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:25:07.97 ID:z/NpxMhU0
少し会話の無くなる二人。渡辺が口を開く。

从'ー'从「ブーン君なら分かってくれるよ。だから直接言った方がいいよ」

ζ(゚ー゚*ζ「・・・・・」

黙ったままのデレ。なかなか決心できずにいるみたいだ。

ζ(゚ー゚*ζ「考えてみる・・」

从'ー'从「それがいいよ。今すぐ言っても多分上手くはいえないでしょ。ゆっくり考えて決めなよ」

ζ(゚ー゚*ζ「ん・・・」

キーンコーンカーンコーン。


52 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:27:26.23 ID:z/NpxMhU0
先生「席に着いて〜」

从'ー'从「あっ、先生来ちゃったよ。後でね」

渡辺が席に着く。デレは考える。

ζ(゚ー゚*ζ(自分で決めた事くらい、ちゃんと恋人に話せないなんて情けないよぉ・・)

ζ(゚ー゚*ζ(でも・・この事を言ったらブーンに嫌われるかも・・それが怖い)

ζ(゚ー゚*ζ(どうすればいいのぉ・・?)

学校が終わるまで自分の脳をフルに回転させて考えてみた。でも結局答えは出てこない。


54 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:28:54.79 ID:z/NpxMhU0
从'ー'从「どう?決意できた?」

首を横にふるデレ。綺麗な巻き髪が揺れる。

从'ー'从「とりあえず話してみた方がいいよ。ブーン君なら分かってくれるって」

ζ(゚ー゚*ζ「・・・・・・」

ζ(゚ー゚*ζ「うん・・」

从'ー'从「まだ時間はあるから平気だよ。それじゃ、かえろ?」

二人はのんびりと帰路に着く。色々なことを話す。主には大学のことだが。


55 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:31:11.11 ID:z/NpxMhU0
从'ー'从「私は先生とか、幼稚園の先生になりたいよ。子どもと接するの楽しいからね」

ζ(゚ー゚*ζ「そっか〜」

从'ー'从「デレはもうさっき聞かせてもらったもんね。デレならなれるよ!」

ζ(゚ー゚*ζ「うん・・」

从'ー'从「ほらっ!そんな暗い顔しないの!そんな顔でブーン君に会ったら嫌がられちゃうよ?」

ブーンという単語を聞いて、一瞬で表情の変わるデレ。

从'ー'从「あはっ、変わるの早いねwそれでいいんだよ。それじゃあ頑張ってね」

ζ(゚ー゚*ζ「うん、じゃあね〜」

56 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:34:55.44 ID:z/NpxMhU0
二人はそれぞれの帰路へと分かれていった。デレは家に帰ってからもずっと踏み切れずにいた。

ζ(゚ー゚*ζ「・・・・・・・・・」

ζ(゚ー゚*ζ(嫌だよ、嫌われるのが怖いよ。今の関係が崩れるなんて嫌だよ)

楽しかったブーンとの生活。嬉しさもあれば恥ずかしさ、甘さもあって本当に楽しい日々。
それを壊してしまうかもしれないという思いは、誰だって怖いに決まってる。

ζ(つ‐゚*ζ「グスッ」

考えている内に涙が溜まってしまっていたデレ。我慢できなくなってしまったのだろう。

ζ(;‐:*ζ「嫌だよぉ・・」

泣き出してしまったその瞬間、ブーンからメールが来た。


57 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:37:02.52 ID:z/NpxMhU0
ζ(つ‐゚*ζ「なんだろ?」

内容は別に他愛も無いことだった。だがこのメールで、ついにデレは決意する。

「今日・・会う時間ある?」

( ^ω^)「おっ」

ブーンもデレの様子がおかしいことにしっかり気が付いていた。そしてこのメール。
何をはなしたいのかは分からないが、何か大事な事があるということに気が付く。

( ^ω^)「・・デレ」

カチカチ

「いつでも平気だお。むしろ今からでも平気だお」


58 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:38:46.90 ID:z/NpxMhU0
ζ(゚ー゚*ζ「・・」

「じゃあ今からブーンの家行っても平気?」

( ^ω^)「おっ」

今はなんというタイミングの良さなのか、バーちゃんもどこかに出かけていて誰もいない。

「いいお。準備できたらくるといいお」

ζ(゚ー゚*ζ「・・・・」

「じゃあ今から行くね。待っててね」

ζ(゚ー゚*ζ「ちゃんと・・伝えないと」

デレは自転車に乗り、ゆっくりとブーンの家へ向かいだす。十五分後・・

59 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:41:37.03 ID:z/NpxMhU0
( ^ω^)「そろそろ来てもいい頃だお・・」

ピンポーン

( ^ω^)「おっ、きたお」

ブーンは玄関へと駆け出し、デレを迎える。デレはやっぱり元気が無さそうだった。

ζ(゚ー゚*ζ「・・上がって平気?」

( ^ω^)「うん。僕の部屋いくお」

二人はゆっくり階段を上がり、部屋に入る。

( ^ω^)「じゃあ飲み物取ってくるお。ちょっと待っててお」

そう言って立ち上がろうとした瞬間・・

60 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:41:59.57 ID:z/NpxMhU0
( ^ω^)「お?」

腕を掴まれた。

( ^ω^)「どうしたんだお?デレ?」

ζ(゚ー゚*ζ「・・・・・・・・」

ζ(゚ー゚*ζ「今すぐ、話したいの。座って」

( ^ω^)「おっ・・・・」

デレの有無を言わせないその様子に押されて、すわり直すブーン。


61 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:44:00.90 ID:z/NpxMhU0
ζ(゚ー゚*ζ「・・あのね」

ζ(゚ー゚*ζ「まだブーンに、私がどういう進路を取るのか話してなかったじゃない?」

( ^ω^)「お」

ζ(゚ー゚*ζ「確かに大学進学は大学進学なんだけどね・・」

一瞬言葉の止まるデレ。

ζ(゚ー゚*ζ「看護系の大学に進みたくて・・」

ζ(゚ー゚*ζ「言ってなかったんだけど・・私、看護師になりたくて」

( ^ω^)「・・・」

62 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:44:28.26 ID:z/NpxMhU0
ζ(゚ー゚*ζ「でも・・知ってるよね?私たちの住んでるところに看護系の大学が無いって事・・」

( ^ω^)「・・知ってるお」

ζ(゚ー゚*ζ「だから・・高校卒業して、合格できたら看護系大学の近くで一人暮らしするつもりなんだ」

ζ(゚ー゚*ζ「・・」

ζ(゚ー゚*ζ「だから、なかなか会えなくなる・・」

また少し涙目になるデレ。ブーンは黙ったままだ。

ζ(゚ー゚*ζ「このことを言うのには流石に迷ったよ・・」

ζ(゚‐゚*ζ「もし・・ブーンに別れるって言われたら」

ζ(つ‐゚*ζ「私たちの・・ヒック、関係が壊れる事になったらって・・ヒック」

ζ(;‐:*ζ「怖くて・・!!」

デレが泣きじゃくり始めた。だが依然、ブーンは黙ったままだ。

63 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:47:56.09 ID:z/NpxMhU0
ζ(;‐:*ζ「・・なんで何も言ってくれないの?」

ζ(;‐:*ζ「やっぱり・・嫌いになったよね?そうだよね」

( ^ω^)「んなわけあるかお!!」

ブーンは泣きじゃくるデレをしっかりと抱きしめる。

ζ(;‐:*ζ「!!」

( ^ω^)「なんで会える機会が減るくらいで嫌いにならなきゃいけないお?」

( ^ω^)「デレは僕の大切な恋人、そして未来の婚約者だお」

( ^ω^)「またいつも一緒にいれる機会があるなら、それくらい耐えるお」

( ^ω^)「だから・・そんなに泣くなお。デレの悲しい顔なんてみたくないお」

そっとデレの涙を拭うブーン。

64 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:49:37.76 ID:z/NpxMhU0
ζ(;‐:*ζ「・・・・」

ζ(つー゚*ζ「グスッ・・うん」

ようやく泣き止み始めるデレ。

( ^ω^)「デレは自分の目標に向かって精一杯頑張ればいいんだお!僕も頑張るお!」

( ^ω^)「確かにあえなくなるのは辛いかもしれないお」

( ^ω^)「でも、大丈夫だお。僕等には見えない絆がついてるお!だから安心するお!」

ζ(゚ー゚*ζ「うん!ありがとう・・ブーンは本当に優しいね」

( ^ω^)「そうでもないおw」

ζ(゚ー゚*ζ「ねぇ・・ブーン」

65 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:50:03.39 ID:z/NpxMhU0
そう言った瞬間、目を閉じるデレ。

ζ(‐Δ‐*ζ「落ち着いたら、いつもの事、したくなっちゃった・・」

(*^ω^)「全く、デレはわがままな子だお」

そう言って、二人は唇を重ねる。激しく交じりあう二人。
しばらくして・・

ζ(///*ζ「今日は激しかったね・・」

(*^ω^)「おっ・・恥ずかしいこというなお」

ζ(゚ー゚*ζ「なんだかんだで、ブーンのおかげで吹っ切れたよ。ありがとう!」

( ^ω^)「お互い頑張ろうお。夢を叶えるために・・」

ζ(゚ー゚*ζ「うん。それじゃあ明日ね」


66 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:50:28.18 ID:z/NpxMhU0
デレは小走りで玄関を出て行った。その姿を見つめるブーン。
それと入れ違いに、ペニサスが帰ってきた。

('、`*川「あら、帰ってたのね、ブーンちゃん」

のんびり靴を脱ぎ、部屋へと入るペニサス。

( ^ω^)「・・・・」

('、`*川「・・どうしたの?ブーンちゃん」

ブーンの様子がおかしい事に気が付いたペニサス。優しく声をかけてみる。


67 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:51:40.58 ID:z/NpxMhU0
( ^ω^)「・・・・・・・」

( ;ω;)「うわぁーん!!」

涙を流しだし、いきなりペニサスに抱きつくブーン。

('、`;川「ちょ、ブーンちゃん、落ち着いて」

( ;ω;)「ヒック・・ヒック・・」

('、`*川「ほら、何があったか話してみて?」

優しく諭すペニサス。ブーンはゆっくりと口を開き、さっき起こったことを話す。

('、`*川「・・そう。デレちゃん、受かったらしばらく遠くに行っちゃうのね・・」

('、`*川「でも、ブーンちゃん、よく頑張ったね」

( ;ω;)「・・・・?」

68 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:54:04.66 ID:z/NpxMhU0
('、`*川「デレちゃんの前でよく泣かなかったね。偉いよ」

('、`*川「強く・・なったね」

( ;ω;)「グスッ・・ヒック・・」

ブーンの嗚咽はなかなか止まらない。ペニサスは話し続ける。

('、`*川「でもね、ずっと会えなくなるわけじゃないよ?」

('、`*川「会う回数は減るけど・・」

('、`*川「ブーンちゃんはデレちゃんのこと、信じてるよね?」

( ;ω;)「・・・・」

( ;ω;)「うん・・」

('、`*川「なら大丈夫だよ。きっと上手くいくよ」

('、`*川「相手を信じて疑わない心があれば・・」

('、`*川「特にブーンちゃんとデレちゃんならね」

69 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:54:21.80 ID:z/NpxMhU0
( ;ω;)「・・・」

('、`*川「だから涙を拭いて?ブーンちゃん」

( ;ω;)「・・・」

( つω^)「お・・」

('、`*川「うん、それでいいよ」

('、`*川「それとね」

('、`*川「デレちゃんが頑張ろうとしてるんだから、ブーンちゃんも頑張らなきゃね」

少し沈黙が包む。

70 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:54:34.80 ID:z/NpxMhU0
( ^ω^)「わかってるお!バーちゃん、ありがとうだお!」

('、`*川「ふふっ、いいのよブーンちゃん」

ペニサスのおかげで、元気を取り戻すブーン。

( ^ω^)「元気になったらTVみたくなったお!」

テレビをつけるブーン。ちょうど再放送のドラマがやっている。

( ・∀・)「・・・お前も、夢に向かって頑張ってるんだな」

( ^ω^)「このドラマは・・」

今やっていたドラマ。それはモララーが初主演をして、一躍有名になったドラマだ。
大学生になった主人公とその彼女の遠距離恋愛を描いたドラマである。

71 : ◆gk43jgqTBM :2007/02/01(木) 23:54:49.49 ID:z/NpxMhU0
( ・∀・)「・・俺も頑張ってるよ」

( ・∀・)「さて・・いくか」

どこかへ出て行ったモララー。

( ^ω^)「なんだか・・僕等の未来を見ているような気がするお」

不思議な感覚に襲われるブーン。そして決意する。

( ^ω^)「・・頑張るお」

それからブーンは本格的に受験勉強を始めた。今までとはまるで違う雰囲気をもって。
時はブーンたちを待つ事なく過ぎていく。入試の日が日に日に近くになっていた。

二十二話 完



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