- 217 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 19:19:28.26 ID:Ki30QSHu0
- 第七話
それから三ヶ月が立った。ブーンは未だ、自分の感情を理解できずにいた。
( ^ω^)「・・・」
( ^ω^)(あのデレって子とは話せるようになったお。でもなんだか恥ずかしいんだお・・)
( ^ω^)(デレのことを考えると、なんだかどうしようもなくなっちゃうお)
( ^ω^)(これが好きってことなのかお?)
自問自答をするブーン。でも答えは返ってこない。
次の日・・
- 218 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 19:22:01.14 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「おいすー、ショボン」
(´・ω・`)「やぁ、ブーン」
いつものように学校に登校する二人。
(´・ω・`)「あっ、そういえば言い忘れてたんだけど」
( ^ω^)「どうしたんだお?」
(´・ω・`)「母親の誕生日にいい案が思いつかなかったから、とりあえず母親の好きな料理を作ることにしたんだ」
- 219 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 19:24:36.10 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「それでそれで?」
(´・ω・`)「でもなかなか料理が上手くいかなくてさ。普段滅多にやらないからさ」
( ^ω^)「wktk」
(´・ω・`)「でも何とか完成せたんだ。味見したけど自分でもマズイってわかってさ・・」
(´・ω・`)「母親に謝りながらその料理を食べてもらったんだ。そしたらさ」
川 ゚ -゚)「確かにこの料理は不完全かもしれない。でもお前の気持ちはしっかりこもっている。ありがとうショボン」
川 ゚ -゚)「ステキなバースデープレゼントだよ」
(´・ω・`)「そう言って、僕のこと抱きしめてきたんだ。恥ずかしかったけど、嬉しかったよ」
- 220 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 19:26:27.27 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「よかったじゃないかお!ショボン!」
(´・ω・`)「ブーンの言う通りにしといてよかったよ」
( ^ω^)「お・・?」
(´・ω・`)「覚えてないのかい?気持ちのこもった物がいいって言ってくれたじゃないか」
( ^ω^)「・・お、そういえばそうだったお!!」
(´・ω・`)「ははっ、やっぱりブーンはブーンだね」
( ^ω^)「し、仕方ないんだからねっ!」
よく判らない所で母親の口癖を真似ってしまったブーン。
- 221 :閉鎖まであと 2日と 1時間:2007/01/21(日) 19:29:03.69 ID:Ki30QSHu0
- (´・ω・`)「・・・・?」
その様子を不思議そうに見ていたショボンだった。そして二人はクラスに到着する。
( ^ω^)「おいすー」
ζ(゚ー゚*ζ「おはよう、ブーン君」
(´・ω・`)「おはよう」
从'ー'从「おはよう、ショボン君」
それぞれが挨拶を交わす。
( ^ω^)(うう、やっぱりドキドキは変わらないお・・恋なのかお?これは)
- 223 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 19:33:10.58 ID:Ki30QSHu0
- またブーンは一人で苦悩していた。
ζ(゚ー゚*ζ「・・・?」
デレはその様子を不思議そうに見つめていた。偶然にも席替えがあり、4人は近くになっていた。
だから授業中も・・
从'ー'从「ショボンくん!これどうやってやるの!?」
(´・ω・`)「あぁ・・これはね・・」
从'ー'从「ショボン君!当たりそうだから助けて!」
(´・ω・`)「うん・・」
渡辺さんはショボンにずっと話し掛けていた。
- 224 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 19:35:55.72 ID:Ki30QSHu0
- ζ(゚ー゚*ζ「いつも元気だよね・・あれっ、ブーン君?」
( ^ω^)「おおっ!?ど、どうしたんだお!?」
ζ(゚ー゚*ζ「いや、ブーン君、いつも窓の景色なんて見てないから、珍しいな・・って」
( ^ω^)「い、色々と考えごとしてたんだお。気にしないで欲しいお!!」
ζ(゚ー゚*ζ「えー・・何考えてたの?教えて〜」
デレが更にブーンの近くに寄ってくる。
(;^ω^)「おっ・・おっ」
(;^ω^)(ちょ、近すぎだお。やべぇ心拍数はえーお!!勘弁してくれお!)
- 226 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 19:39:54.42 ID:Ki30QSHu0
- (;^ω^)「わかったお!教えるから、元に戻るお!!」
ζ(゚Δ゚*ζ「大げさだなぁ・・はいっ、戻ったよ」
(;^ω^)「えーと・・」
(;^ω^)(デレのこと考えてたなんていえるはずないお!!ここは誤魔化すしか!!)
(;^ω^)「い、いや・・・受験のことについて考えてたんだお!!」
ζ(゚Δ゚*ζ「え〜?嘘っぽいなぁ・・ほんとに?」
(;^ω^)「ほほほほほほほほほほほ、ほんとだお!!」
- 228 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 19:43:20.08 ID:Ki30QSHu0
- ζ(゚Δ゚*ζ(どもるとこが怪しいなぁ・・もしかして私のことだったりしてw)
ζ(゚Δ゚*ζ(そうだったら・・嬉しいかも。でもここは納得した振りしてあげようかな)
ζ(゚Δ゚*ζ「そうなんだ!ブーン君はどこ受けるつもりなの?」
( ^ω^)「僕は・・VIP高を受けるつもりなんだお」
ζ(゚ー゚*ζ「えっ、奇遇だね!私たちもなんだ。一番レベル高いとこ行きたいと思って・・」
从'ー'从「私は凄く辛いのになぁ・・デレがどうしてもって言うから私も目標はそこなんだ」
ζ(゚ー゚*ζ「えーっ、よく言うよ、学年トップ10に入るくらいの実力者なのにさ」
从'ー'从「・・あんたとは頭の出来が違うのよ!!」
- 229 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 19:47:49.16 ID:Ki30QSHu0
- ζ(゚ー゚*ζ「テヘッ、ゴメス☆」
从'ー'从「あんたねぇ・・」
でもこんなデレが大好きな渡辺さんだった。そんなデレを見て、ブーンは思う。
( ^ω^)(やっぱりデレは魅力的な女性なんだお。やっぱり・・好きなのかもしれないお)
キーんコーンカーンコーン。
その日の授業も終わった。ハンド部にはもう部活が無かった。
他の部よりも試合が早く、結局負けてしまったので、もう勉強しか残っていなかったのだ。
- 230 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 19:52:30.87 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「じゃあショボン、帰ろうお!」
(´・ω・`)「把握した」
ζ(゚ー゚*ζ「じゃあね、二人とも〜」
从'ー'从「またね〜」
( ^ω^)(´・ω・`)「じゃあね〜」
二人は学校を後にした。そして二人の間では珍しくこんな話が飛び出した。
- 231 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 19:55:28.63 ID:Ki30QSHu0
- (´・ω・`)「ねぇ・・ブーン?」
( ^ω^)「なんだお?ショボン・・」
(´・ω・`)「単刀直入に言おう。君はデレが好きなのか?」
( ^ω^)「!!!!」
( ^ω^)「・・・・・・・」
( ^ω^)「かも、しれないお」
(´・ω・`)「やっぱりな。ブーンの態度でわかったよ」
( ^ω^)「そういうショボンは渡辺さんのことすきなのかお!?」
(;´・ω・`)「!!!!!!」
- 233 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 20:00:08.59 ID:Ki30QSHu0
- いつも動揺を見せないショボンが珍しく動揺している。
( ^ω^)「やっぱりそうかお!!被らなくて良かったお」
(;´・ω・`)「た、確かにね・・実は、これが初恋なんだ。僕・・」
( ^ω^)「安心しろお。僕もだお」
(´・ω・`)「やっぱりブーンは親友としてふさわしい人物だ」
( ^ω^)「おっおっおwwwたりまえだお!!」
(´・ω・`)「ブーン!!恋愛の仕方を知らない者同士、頑張ろう!!」
( ^ω^)「おっ!!」
再び、熱い絆が出来た二人だった。そしていつものように別れていく二人。
- 234 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 20:03:51.14 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「ただいまだおー!!」
('、`*川「お帰り、ブーンちゃん♪」
( ^ω^)「おっ!バーちゃん機嫌よさそうだお!なんかいい事あったのかお!?」
('、`*川「昔の友達と会えてね。いろいろ話しちゃったのよ〜♪」
( ^ω^)「そうなのかお!昔・・やっぱりバーちゃんもれんあいしたのかお?」
('、`*川「うん、したよ。好きな人はいたなぁ・・今でも思い出すと胸がドキドキしちゃうような・・そんな恋愛を」
( ^ω^)「ふーん・・じゃあバーちゃん、僕にアドバイスしてお」
- 236 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 20:06:17.80 ID:Ki30QSHu0
- ('、`*川「うん、いいよ。やっぱり例のあの子が好きなの?」
( ^ω^)「そうみたいだお。やっぱりデレが頭から離れないお」
ペニサスは目の色を変えて、ブーンの相談に乗っている。
( ^ω^)「でも・・僕、恋なんてするの初めてだからどうすればいいのかわからないお」
('、`*川「うーん・・」
少し考え込むペニサス。
- 238 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 20:11:50.08 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「・・・・・?」
('、`*川「その子とはもう普通におしゃべりできるの?」
( ^ω^)「うん!仲良しだお」
('、`*川「それなら・・」
('、`*川「とりあえず遊ぶ約束でもしてみればいいんじゃないかな?そろそろ夏休みだし・・」
( ^ω^)「おっ、その手があったかお。でも緊張していえないかもしれないお」
('、`*川「その時はその時で、ブーンちゃんの気持ちはそんなものだったって事」
('、`*川「女の子は恥ずかしくて、自分からそういうこといえないの。だから男の子が積極的になってあげなきゃだめなのよ?」
- 240 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 20:13:47.32 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「そういうもんなのかお・・?」
('、`*川「絶対そう!私がそうだったんだから!経験者がいるのよ!?」
珍しくペニサスが語尾を荒げて話している。
( ^ω^)「ば、バーちゃん」
('、`*川「あらっ、ちょっと力みすぎたみたいね。ごめんね」
('、`*川「とにかく!ブーンからいかないとチャンスは出来ないわ!検討を祈るわよ!」
- 241 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 20:14:13.17 ID:Ki30QSHu0
- (;^ω^)(女の人は恋愛好きだってよく言うけど・・よくわかったお)
( ^ω^)「バーちゃん、これは二人だけの秘密だお。絶対にいわないでお」
('、`*川「分かってるわ!その代わり、上手くいったらちゃんと報告するのよ?」
( ^ω^)「把握だお」
その後も二人は色々な話をして、楽しんでいた。
だが、次の日も次の日も、ブーンはその約束を言えずにいた。何故かといえば・・
- 242 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 20:14:45.05 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「あっ、あの・・」
ζ(゚ー゚*ζ「なーにぃ?ブーンくん」
( ^ω^)「・・・・・・」
(;^ω^)「・・・・・・・・・・・・・」
ζ(゚ー゚*ζ「????」
( ^ω^)「な、なんでもないお。気にしないでお」
本人を目の前にするとどうしても緊張してしまうからだった。
結局いえずについに夏休み前日になってしまう。ここでいえなければもう遊ぶようなチャンスは無い。
- 246 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 20:18:54.16 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「あの・・デレ」
ζ(゚ー゚*ζ「なーにぃ?ブーン君」
終業式が終わってから、声をかけてみたブーン。その姿はいつもと何も変わらないように見えた。
( ^ω^)「あ、あの・・夏休み、よかったら4人であそb・・いてっ!!」
肝心な所で噛んでしまったブーン。デレに伝わったのだろうか?
ζ(゚ー゚*ζ「それ面白そうだね!!行こう行こう!!」
( ^ω^)「僕の行ったこと、わかったのかお?」
ζ(゚ー゚*ζ「わかったよ?私と渡辺とブーン君とショボン君で遊びに行こうっていったんでしょ?」
- 247 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 20:20:20.86 ID:Ki30QSHu0
- (*^ω^)「そうだお!!行こうお!!」
ζ(゚ー゚*ζ「らしいよ!渡辺、あなたは平気だよね?」
从'ー'从「うん、私はショボンさえい・・いや、なんでもないよ!いけるよ!」
(*´・ω・`)「ニヤニヤ」
( ^ω^)「あの様子だとショボンも平気そうだお。いつにするお?」
ζ(゚ー゚*ζ「明日!!」
( ^ω^)「ええ!!随分急だお!!でも僕は平気だお」
从'ー'从「私も〜!」
(*´・ω・`)「ニヤニヤ」
- 248 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 20:20:38.53 ID:Ki30QSHu0
- ζ(゚ー゚*ζ「皆平気そうだね〜じゃあ行く場所は・・最近近くに出来たプールでいい?」
(*´・ω・`)「ニヤニヤ」
( ^ω^)「うん、僕もあそこには一度言ってみたかったんだお」
从'ー'从「うん、いいよ!(こんな時のために新しい水着、デレと買いに行っといて良かった♪)」
ζ(゚ー゚*ζ(明日は少し大胆にいってみようかな・・)
( ^ω^)(うはっ・・緊張するお)
(*´・ω・`)「ニヤニヤ」
それぞれ、思ったことは似たようなことばかりだった。ショボンだけはずっとニヤニヤしてただけだが。
- 249 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 20:20:58.45 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「ただいまー!!」
('、`*川「お帰り、ブーンちゃん」
ペニサスはいつもと変わらぬ満面の笑みでブーンを迎えた。
( ^ω^)「バーちゃん!やっと言えたお!遊ぶ約束・・」
('、`*川「ホントッ!?いつ遊びにいくの?」
( ^ω^)「明日だお!!」
('、`*川「じゃあちょっと待ってて!!」
( ^ω^)「・・・・・?」
少しして、ペニサスが戻ってくる。
- 250 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 20:21:16.33 ID:Ki30QSHu0
- ('、`*川「はいっ、これっ!」
( ^ω^)「えっ・・こんなにいいのかお?バーちゃん」
('、`*川「うんっ!でもお昼ご飯とかは出してあげるんだよ?」
( ^ω^)「わかったお!!明日頑張るお!!」
そう言って、ブーンは明日の準備を始める。あっという間に夜になり、皆で仲良く夕飯を食べて、寝る。
- 251 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 20:21:31.54 ID:Ki30QSHu0
- ('、`*川「・・あなた?」
いつものように夫の遺影に話し掛けるペニサス。
('、`*川「ブーンちゃんにも、好きな人が出来たみたいだよ」
('、`*川「上手くいくといいよね・・」
('、`*川「あの子は私の孫だものね」
('、`*川「ブーンちゃんももう少しで高校生だよ・・?」
('、`*川「早いよね。この前までは小学生だったのにね」
('、`*川「あなた?これからもブーンを見守っていってあげてね?」
遺影が何かを言うはずもない。でもペニサスにはその表情が「任せておけ!」といいたそうに見えた。
('、`*川「ふふっ・・ありがとう、あなた。それじゃ、今日はもう寝るね。おやすみ・・」
そして次の日。ブーンの男としての戦いが今、幕を上げようとしていた。
第7話 完
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