- 167 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 16:11:28.84 ID:Ki30QSHu0
- 第六話
(´・ω・`)「やぁ、ブーン、また同じクラスだね」
( ^ω^)「そうだお!三年間同じクラスなんだお!」
もう二人は何でも話せる親友になっていた。
( ^ω^)「三年も頑張ろうだお!」
(´・ω・`)「言われなくてもわかっているよ!受験だからね」
( ^ω^)「ショボンはどこに進学希望なんだお?」
(´・ω・`)「僕はVIP高だね。あそこは公立高校ではトップ高校だしね」
- 168 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 16:12:55.15 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「奇遇だお!僕もなんだお!なんとしてもVIP高に行って、賢くなるんだお!」
(´・ω・`)「そうなのかい。ライバルが一人増えちゃったな・・」
( ^ω^)「大丈夫だお。一緒に受かれば問題ないお」
笑顔でショボンにそう言ってみせるブーン。
(´・ω・`)「全く・・能天気だね、君は。でも僕等なら受かれるかもしれないよ。頑張ろう」
( ^ω^)「うん、頑張ろうお!!」
この二人、実はテストの順位一位、二位を争うライバルだった。
- 169 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 16:17:09.68 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「今回のテストこそショボンに勝つお!!」
(´・ω・`)「課題テストじゃ一回も僕に勝った事無いくせによく言うよ」
( ^ω^)「むっ・・みとけお!!」
(´・ω・`)「ふふっ、しっかり見てるよ。出来るならやってみなw」
二人は言い合っているが、どこか楽しそうだ。そして、課題テストが始まった。
( ^ω^)(むっ!これは塾のときやった問題!てこずったけど、これはできるお!)
( ^ω^)(楽勝だお!これならショボンに勝てるお!!)
- 170 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 16:22:23.41 ID:Ki30QSHu0
-
ブーンは確かな手ごたえを感じていた。
( ^ω^)(よしっ!完璧だお!)
( ´∀`)「終わりモナー!それじゃ集めてくるモナー!!」
(´・ω・`)「どうだった?」
( ^ω^)「完璧だお!今回はショボンに勝てるお!!」
(´・ω・`)「結果・・楽しみにしてるよ」
今日は半日だったので、二人してのんびり帰っていった。
- 171 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 16:27:41.29 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「ただいまだおー!!」
('、`*川「お帰り、ブーンちゃん」
今日も親は仕事な為、家にはペニサスしかいなかった。
( ^ω^)「バーちゃん、昼飯あるかお?」
('、`*川「あるわよ。今日のお昼ご飯はチャーハンよ」
( ^ω^)「マジかお!バーちゃんのチャーハンはおいしーんだお!」
( ^ω^)「カーチャンのよりも十倍・・」
- 172 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 16:29:48.01 ID:Ki30QSHu0
- 最後の一文はペニサスに聞こえないように小声でいった。だが・・
('、`*川「そう・・私のチャーハンはそんなにおいしいのね。嬉しいわ♪」
(;^ω^)「やべっ、バーちゃんが地獄耳なのを忘れてたお」
( ^ω^)「お願いだお!バーちゃん!黙っといてくれお!!」
('、`*川「どうしよっかなー・・」
( ^ω^)「おおおお願いだお!!!」
('、`*川「あはは、ちゃんと黙っといてあげるよ、ブーンちゃん」
ブーンは一度、ツンの料理のことに関して口を出した時、こっぴどく叱られたのをよく覚えていたので必死になっていた。
- 173 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 16:34:28.43 ID:Ki30QSHu0
- (;^ω^)「よかったお・・殺されるところだったお」
ブーンは安心して、バーちゃんが作ってくれたチャーハンを口に運んだ。
(*^ω^)「やっぱりバーちゃんの作るチャーハンは世界一おいしいお!!」
('、`*川「そう言ってくれると嬉しいよ、ブーンちゃん」
すぐにそのチャーハンをたいらげて、ブーンは勉強を始める。
( ^ω^)「絶対ショボンに勝つんだお!!」
('、`*川「ブーンちゃん、最近頑張ってるね。何か目標でも出来たの?」
- 174 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 16:37:27.07 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「うん!友達に勝つことと、VIP高に行く事だお!」
('、`*川「そうなんだ。私からは頑張ってとしか言えないけど・・」
( ^ω^)「それだけで充分なんだお!また、ばーちゃんに新しい制服姿を見せるために頑張るんだお!!」
('、`*川「ふふっ、ありがとう、ブーンちゃん」
('、`*川(まだ私のためにも頑張ってくれるんだね。ブーンちゃん)
ペニサスは少し目を涙目にしながらそう思った。
- 175 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 16:39:08.33 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「・・ばあちゃん?どうしたお?」
('、`*川「ん?ん、なんでもないよ。ブーンちゃん」
( ^ω^)「変なバーちゃん・・」
それだけ言い残し、もう一回勉強に戻ったブーン。
('、`*川「それじゃブーンちゃん、私は一回部屋に戻るね」
( ^ω^)「わかったお!!」
一度部屋に戻ったペニサス。
- 176 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 16:42:59.42 ID:Ki30QSHu0
- ('、`*川「・・あなた?」
いつものように父の遺影に話しかける。
('、`*川「私は心からブーンちゃんを孫に持った事を誇りに思う」
('、`*川「だって、あそこまで私を思ってくれる子なんて他にツンくらいしかいないもの」
('、`*川「だから今、凄く幸せなんだ」
夫の遺影を見つめるペニサス。
('、`*川「でもね、恐いとも思うんだ」
- 177 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 16:46:04.49 ID:Ki30QSHu0
- ('、`*川「私ももうだいぶ歳だわ。いつまでブーンちゃんの事を見ていられるのか・・」
('、`*川「今まで、死に対しては自然な物なんだって思ってた」
('、`*川「あなたが死んでしまったのも運命だって受け入れたんだ」
('、`*川「でも・・」
('、`*川「今は死ぬのが恐い。死んだらもうブーンのことを見れなくなっちゃう」
('、`*川「それを想像したら涙が出そうになるんだ」
ペニサスは軽く自分の目頭を拭う。
- 178 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 16:50:53.94 ID:Ki30QSHu0
- ('、`*川「・・私は絶対ブーンが大人になるまでは死なないよ」
('、`*川「あなたのためでもあり、私の為にも・・」
そういって、軽く遺影を抱きしめる。その時、写真は隠れていて、ペニサスに何を伝えようとしているのかはわからなかった。
('、`*川「ごめんね、あなた。苦しかった?」
('、`*川「・・私はあの子のために今出来ることを精一杯やるよ。それがせめてもの恩返しだから」
('、`*川「それじゃあなた、またあとでね」
ペニサスは自分の部屋を後にし、買い物に出かけていった。
- 179 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 16:56:57.36 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「う、うぅ・・随分頑張って眠いお」
( ^ω^)「ちょっと寝るお・・」
そのままブーンは机に突っ伏してしまった。三十分後・・
('、`*川「あらっ、ブーンちゃん、寝てるのね」
ペニサスが、毛布をかけてあげようとしたその時、
( ^ω^)「うわあっ!!」
ブーンが跳ね起きた。ペニサスがしりもちをついてしまう。
- 184 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 17:03:59.34 ID:Ki30QSHu0
- (;^ω^)「あっ!バーちゃん!平気かお!?」
('、`*川「う、うん、大丈夫だよ」
( ^ω^)「それよりばーちゃん、きいてくれお!!凄い夢をみたんだお!!」
('、`*川「どんな夢を見たんだい?」
( ^ω^)「じいちゃんが夢にでてきたんだお!!」
一瞬身が硬直するペニサス。その話が信じられるといった様子ではなかった。
- 187 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 17:07:11.31 ID:Ki30QSHu0
- ('、`*川「ま、まさかそんなこと・・」
( ^ω^)「ホントだお!バーちゃん!信じてくれお!!」
('、`*川「う、うん。信じるよ」
( ^ω^)「ホントかお!?じゃあ夢の内容を話すお」
('、`*川(あの人、ブーンちゃんに何を伝えたのかしら・・)
( ^ω^)「僕が気が付いた時、緑の草原の上にいたんだお」
( ^ω^)「回りを見回しても誰もいない。何故自分がここに連れてこられたのか疑問に思ったお」
('、`*川「・・・・」
- 188 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 17:09:02.01 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「とりあえず走ってみたんだお。でもやっぱり誰もいなかったんだお」
( ^ω^)「疲れたから、一回顔を下げたんだお。そしたら何故か目の前から僕のことを呼ぶ声がしたんだお」
( ^ω^)「僕は顔をあげてみたんだお」
('、`*川「・・・・」
( ^ω^)「でもそこには誰もいなかった・・。でも声だけはするんだお。「ブーンや」って」
( ^ω^)「その声は僕に話し掛けるんだお」
- 189 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 17:10:47.64 ID:Ki30QSHu0
- 「ブーンや、ワシがついとる。ペニサスバーちゃんとツンを守ってやってくれ」
「信じてるからな・・」
( ^ω^)「そういって、その声は聞こえなくなっちゃったんだお」
( ^ω^)「そして目が覚めてしまったんだお」
('、`*川(あなた・・私が恐いっていってたから励ましにきてくれたんだね)
ペニサスの胸の中はいっぱいになった。死んでもなお私たちを想ってくれる人がいる。それだけの思いで。
- 190 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 17:13:00.31 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「・・ちゃん、バーちゃん!!」
('、`*川「ああ、ごめんね、ブーンちゃん、ちょっと考え事しててね」
( ^ω^)「どうしたのかと思ったお」
一呼吸おいて、またブーンが話し出す。
( ^ω^)「だから僕がバーちゃんを守るお!絶対僕の孫を見せるまでは生きててもらうお!」
('、`*川「・・・・ありがとう。ブーンちゃん」
孫の一言があんまり嬉しくてまた涙目になってしまうペニサス。
- 192 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 17:15:00.66 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「ばーちゃん、今日は涙目になるのがおおいお」
('、`*川「ごめんね、ブーンちゃん」
( ^ω^)「イインダオ!!グリオーンダオ!!じゃあ夕飯作ろうお」
なんだかしんみりした雰囲気を吹き飛ばそうと、ブーンがそういい、夕飯作りを始める二人。
その内、家族も帰ってきて、今日もいつもの家族団欒の食卓を囲み、一日を終了したブーン一家。
- 193 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 17:15:19.50 ID:Ki30QSHu0
- 数日後・・
( ^ω^)「フヒヒw今日こそ、ショボンを越えて1位に君臨する時がきたお!!」
(´・ω・`)「そう簡単にはいかないさ。負けるはずがないよ」
( ^ω^)「むっ!その自信はどこから出てくるんだお!」
(´・ω・`)「そこはブーンも同じじゃないか」
( ^ω^)「あっ、そういえばそうだお」
二人で笑いあい、教室に入る。既に、課題テストの順位は発表されていた。
- 194 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 17:17:50.59 ID:Ki30QSHu0
- (´・ω・`)「僕の順位は・・三位!?」
( ^ω^)「フッヒヒヒwwww三位とは落ちぶれたもんだお!ショボン!じゃあ僕も見てくるお」
(;^ω^)「二位・・!?」
どちらも1位に君臨する事は敵わなかった。
( ^ω^)(´・ω・`)「1位は・・!?」
二人して1位の名を必死に探す。
- 195 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 17:20:11.88 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「あっ!いたお!出砺 麻里奈・・?」
(´・ω・`)「初めて聞く名前だね・・」
( ^ω^)「あっ!確かに初めて聞いたけど、僕等と同じクラスなんだお!!」
(´・ω・`)「どの子だろう・・」
その時、
从'ー'从「デレ!!凄いじゃない!!あの秀才二人を抜いて1位じゃない!!」
ζ(゚ー゚*ζ「ええっ!?私1位なの!?」
从'ー'从「何で気が付かなかったのよ!あんた凄いわ!!」
- 196 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 17:23:11.06 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「・・どうやらあの子みたいだお」
ブーンは思った。あの子、母とバーちゃんに何となく似ている気がする。特に関係は無いのだが。
(´・ω・`)「おい、ブーン、どうしたんだ?」
その声にも反応しないブーン。相当見入っているようだ。
( ^ω^)(なんなんだお。この感情。なんだか体が熱くなる・・。あの子を見てるとなんだか気持ちがもやもやするお)
(´・ω・`)「おいっ!!」
それでも反応を示さない。
- 197 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 17:25:26.74 ID:Ki30QSHu0
- ζ(゚ー゚*ζ「・・・・・!!」
デレもブーンの視線に気が付いた。だが二人とも何故か目を逸らそうとしない。
(´・ω・`)「どうしたんだってば!!ブーン!!」
从'ー'从「デレッ!!」
そんな二人を一緒にいた二人が我に返す。ブーンの、凝視した理由はこうだった。
( ^ω^)「い、いや、あの子の面影がどことなくバーちゃんに似ていて・・」
(´・ω・`)「全く・・僕の言葉に反応すらしないからどうしたのかと思ったよ」
それだけ言って二人はそれぞれ自分の席へと戻っていった。
- 198 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 17:25:43.38 ID:Ki30QSHu0
- 从'ー'从「デレッ!どうしたのよ、いきなり・・」
ζ(゚ー゚*ζ「わかんない。でもなんだか目を逸らすことが出来なかったの」
从'ー'从「はぁ・・?デレ、あなたたまに不思議ちゃんよね」
ζ(゚ー゚*ζ「私自身もよくわからないのよ・・」
そういって女子二人組みも自分達の席へと戻っていった。
( ^ω^)「なんなんだお・・胸のドキドキがおさまらないお・・」
( ^ω^)「胸も苦しいんだお・・なんなんだお、この感情」
- 199 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 17:26:49.22 ID:Ki30QSHu0
- 結局放課後までこの気持ちがいつも通りになることは無かった。
今日は部活が休みだったので、ブーンとショボン、仲良く二人で家へと向かった。その時、
(´・ω・`)「なあ、ブーン。明日僕の母親の誕生日なんだけど・・何あげればいいかな?」
( ^ω^)「多分、ショボンが何をあげてもきっと喜ぶと思うお。要は気持ちなんだお」
(´・ω・`)「気持ち・・うん、分かった」
( ^ω^)「頑張るといいお!」
(´・ω・`)「うん、頑張るよ。ありがとう、ブーン」
( ^ω^)「うん。それじゃあまた明日だお。ばいぶー」
- 200 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 17:29:07.04 ID:Ki30QSHu0
- 二人はそれぞれの帰路へついていった。
( ^ω^)「・・あの気持ち、まだおさまらないお。今日バーちゃんに聞いてみようかお」
( ^ω^)「ただいまー」
('、`*川「お帰り、ブーンちゃん」
('、`*川「今日はお母さんもお父さんも少し遅くなるみたいだから私と一緒のご飯食べようか」
( ^ω^)「ちょうどよかったお!聞いて欲しいことがあったんだお!!」
('、`*川「どうしたの?」
- 201 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 17:29:23.67 ID:Ki30QSHu0
- ( ^ω^)「今日、課題テストの順位が二位だったんだお」
( ^ω^)「それで1位の子が女の子で・・」
( ^ω^)「その子は少しバーちゃんににていたんだお。僕はその子を見た途端に体が熱くなって、なんだかへんな気分になったんだお」
( ^ω^)「これって病気なのかお・・?」
心配そうにペニサスの顔を覗きこんだブーン。そんなブーンにペニサスは優しく、こういった。
('、`*川「それはね・・恋っていうのよ」
( ^ω^)「恋って・・川とかにいる奴かお?」
('、`*川「それは違うわよ・・恋っていうのは・・簡単に言えば異性の子を好きになることかな」
( ^ω^)「えっ・・今までそんなこと一度もなかったお」
('、`*川「それなら・・それはブーンの初恋ね」
( ^ω^)「初恋・・・」
そのままブーンは黙ってしまい、何かを考えていた。その様子をペニサスは優しく見守っていた。
この感情がのちのちもブーンを悩ます事になってしまう。これからブーンはどうするのか。
第六話 完
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