130 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 12:39:59.31 ID:Ki30QSHu0
第五話

(;^ω^)「うう・・なんでこんなに動けないんだお」

(;´∀`)「ブーン!!どうしたモナ!!お前はいつもならアレくらい余裕なはずモナ!!」

(;^ω^)「す、すいませんお・・」

(;´∀`)「まだ、あいつの足は走れるほどよくなってないモナ!だから後半も行くモナよ!?」

(;^ω^)「わ、わかりましたお」

だが前半の失敗が鮮明に残っていて、次上手く動けるか分からないブーン。そんなブーンの肩を優しく叩くショボン。


131 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 12:40:45.96 ID:Ki30QSHu0
(´・ω・`)「大丈夫だよ、ブーン。君は今日までしっかり練習してきたじゃないか」

(;^ω^)「・・・・・」

(´・ω・`)「そんな険しい顔しない!自分を信じる!!」

(;^ω^)「う、うん。僕は出来るはずだお!頑張るお!!」

(´・ω・`)「うん、それでいいよ。あと先生」

( ´∀`)「どうしたモナ?」

(´・ω・`)「後半、僕を出してもらえませんか?僕がブーンのサポートをします」

同じ初心者から始めた二人。だがショボンには何故か余裕があった。中学生が持ってるようなオーラではなかった。

132 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 12:43:29.83 ID:Ki30QSHu0
( ´∀`)「・・・・・・・・」

(´・ω・`)「・・・・・・・・」

無言で見合う二人。

( ´∀`)「うん、いいモナ。君はいい目をしてるモナ。45で出るモナ!!」

(´・ω・`)「どうもです」

それだけ言い残し、アップを始めるショボン。

(´・ω・`)「ブーン、僕がしっかりサポートするから心配するな」

(´・ω・`)「君は自分の出来る事をしっかりやればいいから」

(;^ω^)「うん、ありがとうだお。ショボン」

133 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 12:43:53.71 ID:Ki30QSHu0
ショボンのおかげでだいぶ落ち着いたブーン。後半は自分の足を生かしたプレーを展開する事ができるだろうか。

ピーッ!!

後半が始まる合図が出た。それぞれがそれぞれの役割へと散っていく。

(´・ω・`)「ブーン、落ち着いてボールを見ろ!!」

( ^ω^)「わかってるお!任せてお!!」

ショボンが加入した事により、ブーンはいつもの動きを取り戻した。
だがVIP中はなかなか追いつく事が出来ずに、後半も残り五分を切った。

( ^ω^)「マズイお・・チャンスが無いお」

(´・ω・`)「ブーン、僕に任せて」

134 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 12:45:24.72 ID:Ki30QSHu0
ショボンのその言葉が何を意味するかはまだ分からないブーン。
相手の攻撃が開始された直後・・

(´・ω・`)「貰った!!」

ショボンがパスカットに成功する。

(´・ω・`)「ブーン!!走れ!!」

( ^ω^)「わかってるお!!」

既にスタートを切り、ショボンからのパスを貰い、ゴールへと一直線に走る。
さっきは攻める方向が違ったが、今度は観客席側のゴールに攻めるので、その様子を二人が見るには充分だった。


135 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 12:47:14.65 ID:Ki30QSHu0
ξ゚听)ξ 「あっ!ブーンが走ってくる!!」

('、`*川「あっ!!ホント!!」

息子が初めて近くでシュートを打ち込もうとする姿を見て、大興奮な二人。

ξ゚听)ξ 「ブーン!!!!!!」

('、`*川「ガンバレー!!!」

総立ちで応援する二人。ペニサスはデジタルカメラの存在すら忘れて、応援している。


136 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 12:49:03.52 ID:Ki30QSHu0
( ^ω^)(バーちゃん・・!カーチャン!!)

その声援はブーンに届いていたようだ。

(´・ω・`)「ブーン、決めるんだ!!その二人の為にも・・!!」

( ^ω^)「・・決めるお!!」

ついにギリギリまで相手のゴールに接近したブーン、そして跳ぶ。

ξ゚听)ξ ('、`*川「・・・・・・・っ!!」

(´・ω・`)「たのむ・・・!!」

その瞬間を固唾を飲んで見守る皆。


137 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 12:51:34.11 ID:Ki30QSHu0
( ^ω^)「おおおっ!!」

ブーンが高い打点から打ち込んだそのシュート。見事ゴールにする事は出来るのか。

ザシュッ!!

そのボールがゴールネットを揺らす音がする。

ξ゚听)ξ 「やった・・!!」

('、`*川「ブーンちゃん!よくやったわね」

ξ゚听)ξ 「母さん!ちゃんと取っといてくれた!?」

('、`*川「・・・・・」

('、`;川「あっ・・・・」

138 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 12:55:48.35 ID:Ki30QSHu0
ペニサスは下を向いた。ツンもその方向に目を向ける。そこには転がったデジタルカメラが・・

ξ゚听)ξ 「・・・・・・・・・」

ξ#゚听)ξ 「・・・かーさん?」

('、`*川「・・・ごめんね、ごめんね」

('、`*川「かーさん、機械とか苦手で・・」

ξ#゚听)ξ 「これは機械がどうとかの問題じゃないでしょ!!!」

('、`*川「ごめんなさーい!!」

観客席は軽い修羅場と化していた。

139 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 12:58:05.27 ID:Ki30QSHu0
この試合は結局VIP中が負ける結果になってしまった。だが保護者二人はブーンのシュートが見れただけで、充分満足だったらしい。

(´・ω・`)「残念だったね・・」

( ^ω^)「そうだお・・でも僕等は良くやったと思うお」

(´・ω・`)「ブーン、よくプレッシャーに負けずにシュートできたね」

( ^ω^)「ショボンに言われたことを思い出してたお。それでカーチャンとバーちゃんの応援も聞こえてきたお」

( ^ω^)「だから外す気なんて全くなかったんだお」

(´・ω・`)「・・・・・・・・・」

140 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 13:00:41.77 ID:Ki30QSHu0
ブーンを軽く見つめたショボン。丁度その時、

( ´∀`)「皆、集合するモナー!!」

全員がモナー先生の周りに集まる。

( ´∀`)「今日はあの中学を相手にお前等はよくやったモナ!!」

( ´∀`)「メソメソしちゃダメモナ!!おまいらには次があるモナ!それまでしっかり練習するモナ!!」

全員が軽く頷く。

( ´∀`)「よし、それでいいモナ!今日はこれで解散にするモナ。ゆっくり体を休めるモナ!!」

141 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 13:03:59.38 ID:Ki30QSHu0
それぞれが帰宅の準備をしている。試合に見に来ていた親と帰ったり、友達と帰ったり様々だった。

( ^ω^)「ショボン、ごめんお。今日はカーチャンとバーちゃんと帰るお」

(´・ω・`)「そういうと思ったよ。色々話してきなよ?」

( ^ω^)「わかってるお!それじゃあまただお!」

(´・ω・`)「うん、じゃあね」

ブーンがあの二人の方へと走っていった。

142 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 13:04:55.15 ID:Ki30QSHu0
('、`*川「ブーンちゃん、お疲れ様」

ξ゚听)ξ 「かっこよかったじゃない!!」

(*^ω^)「え、そうかお・・?」

('、`*川「うん、かっこよかったわよ!!」

(*^ω^)「ありがとうだお!あ、シュートシーンちゃんと撮ってくれたかお?」

('、`*川「あっ・・・・・・」

ξ゚听)ξ 「ブーン、実はね・・」

ξ゚听)ξ 「それ以外は撮ってたんだけど、その時だけ二人とも凄く興奮しちゃって・・」

('、`*川「撮り忘れちゃったのよ・・ごめんね、ブーンちゃん。私のせいで・・」

145 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 13:10:23.84 ID:Ki30QSHu0
ブーンはそんな二人の前で微笑んで見せた。

( ^ω^)「いいんだお!!二人の頭の中に僕のシュートが残ってるならそれで・・」

ξ゚听)ξ 「・・・・・・」

('、`*川「ありがとう、ブーンちゃん」

( ^ω^)「見に来てくれて・・嬉しかったんだお」

ブーンがそう言って、三人は車へと向かっていった。そこに一人残されたショボン。

146 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 13:12:01.44 ID:Ki30QSHu0
(´・ω・`)「ふぅ・・僕にもブーンの家族みたいだったらよかったのにな」

そう言って、あたりを見回す。自分の家族なんているはずがない。そう思いながら。

(´・ω・`)「・・いるはずないか。帰ろう」

校門の方へ向かっていくショボン。

(´・ω・`)「ん、あれは・・」

(´・ω・`)「・・・母さん!?」

綺麗な黒髪に、知的なイメージを併せ持つ人物。ショボンの頭には自分の母以外は思い当たらなかった。

147 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 13:13:40.26 ID:Ki30QSHu0
川 ゚ -゚)「良く頑張ってたな、ショボン。ちゃんと見ていたんだからな?シャキンは今日も忙しくてこれなかったがな」

川 ゚ -゚)「ビデオ見るのが楽しみだっていったたぞ?」

(´・ω・`)「・・・・・・・」

(´・ω・`)「母さん!!」

ショボンが走ってクーの方へ向かっていった。決してショボンの親は仲が悪い訳ではなかったのだ。あまりしゃべらないので、ショボンにはそう見えてしまっただけなのだ。
二人して、笑顔で家に戻っていった。

149 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 13:18:09.16 ID:Ki30QSHu0
一方、ブーン宅では・・

(;^ω^)「うわっ・・これだおこれ。ひどいお・・」

ξ゚听)ξ 「あんなイージーなパスが取れなかったんなんて予想外よ。ホントに」

('、`*川「うんうん、私でも取れたかもしれない」

(;^ω^)「・・・・・・・」

三人で試合のビデオを見ている。ちょうどブーンがパスを取り損ねたところだ。丁度その時・・

('A`)「おはよう・・」

ようやく家庭に関してはダメ夫なドクオが起きてきた。

151 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 13:20:40.83 ID:Ki30QSHu0
ξ゚听)ξ 「ドクオさん・・ちょっときてもらえるかしら?」

('A`)「はっ、はい!!」

さすがはツンの夫。ツンの空気が変化したのに気が付き、一緒にどこかに行ってしまった。

('、`*川「じゃあブーンちゃんは私とビデオ見てようか」

( ^ω^)「カーチャンとトーチャンはどこいったんだお?」

('、`*川「気にしなくていいんだよ?」

( ^ω^)「でも・・」

('、`*川「気にしないのっ!!」

( ^ω^)「はいっ!!」

152 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 13:23:25.69 ID:Ki30QSHu0
こっちもさっきと同じような感じになっていた。ビデオを見終わり、ペニサスは話しはじめる。

('、`*川「今日の試合は自分の出来はどうだった?」

( ^ω^)「うーん・・初めてだったから緊張して上手くプレーできなかったお。最初の方は特に・・」

('、`*川「そう・・私も見ててわかったよ。ブーンちゃんが固くなってるのは・・」

( ^ω^)「やっぱりかお?しかも折角見に来てくれた二人に勝利をプレゼントできなかったお」

('、`*川「それは仕方ないじゃない。相手の方が強かったんだから」

( ^ω^)「・・・・・・」

153 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 13:23:53.02 ID:Ki30QSHu0
('、`*川「でも」

('、`*川「ブーンちゃんは全力で頑張ったんでしょ?」

( ^ω^)「・・・・うん」

('、`*川「それならいいじゃない!私はそれで満足だよ。勝利はまた今度でいいからね」

( ^ω^)「ばあちゃん・・・」

('、`*川「これからも頑張るんだよ?ブーンちゃん」

( ^ω^)「うん!!」

('、`*川「ふふっ、それでこそブーンちゃんだよ。じゃあ夕ご飯の支度するからね」

154 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/21(日) 13:24:15.21 ID:Ki30QSHu0
台所でリズムのいい包丁の音が響くその時・・

ξ#゚听)ξ 「なんであんたは大事な時にすぐに起きないのよ!こうしてやるわ!!」

('A`)「アッー!!」

ドクオはツンによってひどい目に合わされていた。
そしてブーンは夕飯の時、ボコボコにされたドクオに向けて一言。

( ^ω^)「哀れなんだお・・トーチャン」

息子にまでいわれてしまったドクオだった。

それからブーンは根気良く部活を続け、チームも強くなっていった。様々な大会で賞を収め続けた。
そしてブーンが中三になったとき、また新しいことを知る事になる。

第五話 完




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