( ><)わかんないんですが謎を解きながら旅をするようです
- 1 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 13:24:41.41 ID:yxl5aI4W0
- 前々スレ
http://wwwww.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1172841330/
前スレ
http://wwwww.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1173100488/
第六話を見逃した方続出&前スレが早くに落ちたので、今の内に第六話から投下しなおします
第八話は予告通りの時間に投下する予定です
- 2 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 13:25:11.58 ID:yxl5aI4W0
- 第六話『フーンの町/謎掛け編・上』
モテナイ村で自転車を手に入れた後の数日間、わかんないんですの旅は比較的順調に続いていた。
重いリュックは荷台に載せているので肩が非常に軽く、徒歩よりもはるかに早く平地をすいすいと進んで行く事が出来た。
(メ ><)「とっても速いんです!」
ドクオに自転車の乗り方を教わった際、慣れるまでに何度も転んだお陰で、わかんないんですの顔は傷だらけになっていた。
しかし何度転んでも諦めず、最終的には乗りこなせるようになったのである。
(メ ><)「これで世界樹まで急ぐんです!」
それからわかんないんですは地図を頼りに北へ北へと旅を続けていった。
大きな町に小さい村に、いろいろな所を訪ねては情報を集めていった。
そんなある日、ふらりと立ち寄ってある町の酒場で、わかんないんですはある一人の男と出会ったのだった。
- 3 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 13:26:01.56 ID:yxl5aI4W0
- <丶`∀´>「おい親父、もっと酒をよこすニダ」
( ゚д゚)「お客さん、さっきからすげえ飲んでるけど、御代はあるんだろうね?」
<丶`∀´>「見ての通りウリは貧しい旅人ニダ。こんな哀れな者から金を取ろうだなんて酷い奴ニダ」
( ゚д゚)「金を払わなんなら酒を出す訳には行かないよ」
<# `∀´>「そうやって何度か弱いものを差別すれば気が済むニダ!!」
店主からは呆れによってそれ以上反論する気力が失われていた。その代わりに無言の視線で不快感を客に伝えた。
( ゚д゚ )「……」
<# `∀´>「こっちみるなニダ!」
( ><)「あの人とっても怖そうなんです……」
わかんないんですは少し離れた所でその様子を見ていた。あの客には関わらない方が良いと判断し、そっと酒場を出ようとしていた。
しかし出口をくぐろうとした瞬間に、後ろから思い切り肩を掴まれてしまったのであった。
<丶`∀´>「おいお前、ちょっと金貸してくれるニカ?」
(;><)「うわあああ! なんです!」
<丶`∀´>「本当にちょっとで良いニダ、でないとウリはあの親父に絞められてしまうニダ」
(;><)「えっ、でも僕もあんまりお金を持っていないんです」
<丶`∀´>「頼むニダ! 一生のお願いニダ!」
- 4 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 13:26:58.80 ID:yxl5aI4W0
- もともと決断力が弱く、押されてしまいがちな性格のわかんないんですには、男の頼みをはっきりと断るだけの勇気が無かった。
その上男が余りにしつこく迫ってくるので、困り果てた挙句にわかんないんですは財布を出してしまったのであった。
( ><)「いくら必要なんですか?」
<丶`∀´>「3万ウーピールーピーニダ」
(;><)「高いんです、ちょっと無理なんです」
<丶`∀´>「良いからとっととよこせニダ!」
そう言うと男はわかんないんですの財布に手を伸ばし、その中から適当に紙幣を掴み取った。
そして素早くその店から飛び出していったのであった。
(;><)「……2万5千ウーピールーピーも借りていったんです」
( ゚д゚)「あーあー、お客さんまで……」
それを見ていた店主がわかんないんですに声をかけてきた。
( ><)「あの人が何処に行ったのかわかんないんです」
( ゚д゚)「どうせもうこの町にはいないだろうよ、ペッ」
( ><)「え? 僕にお金借りたまま行っちゃったんですか?」
( ゚д゚)「んなわけねーだろ。お前さん金を盗られたんだって」
(;><)「ええっ!?」
- 5 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 13:27:37.60 ID:yxl5aI4W0
- ( ゚д゚)「あいつ最近この町に来た奴でね、素行は悪いし何かあるとすぐいちゃもんつけてくるしで困ってたんだよ。
結局ここの代金も踏み倒しやがったし」
(;><)「そんな汚い真似をする人がいるなんて……」
わかんないんですの発言を聴いた店主は、思わずその感情を無言の視線で表現してしまった。
( ゚д゚ )「……」
(;><)「こっち見ないで下さいなんです!」
( ゚д゚ )「お前、世の中舐めとんのか? あんなのよりもっと酷い奴だってゴロゴロいるんだよ」
( ><)「僕の村の人達はみんな優しい人ばかりなんです。あんな事する人なんていないんです」
( ゚д゚ )「いいねー、平和なとこにいたんだねー」
店主は顔の向きを戻し、ふうと溜息を付いた。
( ゚д゚)「ま、これから気をつけるんだな。もしまたあいつに会ったらぼこぼこにして川に流してやりな」
(;><)「そんな怖い事出来ないんです」
- 6 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 13:28:22.82 ID:yxl5aI4W0
- わかんないんですがその町を出たのはその日の夕方であった。
本当はもっと長く滞在する予定であったが、資金を盗まれてしまった為それはもうできなくなってしまったのである。
( ゚д゚)「え? 世界樹を探してるって?」
別れ際にわかんないんですに旅の理由を訪ねた店主は、その答えを聞いた驚きを無言の視線で表現した。
( ゚д゚ )「……」
(;><)「こっち見ないで下さいなんです!」
( ゚д゚ )「癖だから無理」
そして顔の向きを直してからこんな話を聞かせてくれた。
( ゚д゚)「そう言えば昔、世界樹の研究をしてるって奴がこの店に来た事があったなー」
( ><)「え? どんな人なんですか?」
( ゚д゚)「若い男だったよ、兄弟揃ってきていたな。フーンの町に住んでるって言ってたかな」
( ><)「わかんな……わかったんです。有難う御座いますなんです」
わかんないんですは地図でフーンの町の位置を確認し、自転車に乗って北を目指した。
( ><)「だんだん世界樹に近付いてきてるんです」
フーンの町はここから更に北へ進んだ地点、ボスケテ山のふもとに広がる大きな町であると地図に記されていた。
- 7 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 13:28:26.57 ID:3Jk35ZtTO
- 喜んで支援しよう
- 8 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 13:29:21.64 ID:yxl5aI4W0
- わかんないんですがフーンの町に到着したのは、その二日後の事であった。
( ><)「…凄い所なんです」
そこは今まで立ち寄ったどの町よりも大きく、そして人で溢れ返る場所であった。
のんびりとしたぽっぽ村の雰囲気とはうって変わって、
あらゆるものの存在感がぐいぐいとこちらに向かって押し付けられてくるように感じられた。
建物と建物はかなり近接して建てられており、しかもたくさんの人が歩いているのでその僅かな隙間さえ埋め尽くされ、
全てがぎゅう詰めになっているように見えた。
( ><)「あっ、そうなんです。世界樹の研究をしている人を探すんです」
わかんないんですはその人ごみの中へ飛び込み、聞き込みを始めた。
最初は人の流れに押されてなかなか声をかけられずにいたが、それでも近くを通りかがった人の何人かに声をかける事が出来た。
そして世界樹の研究をしている兄弟の事を尋ねると、その答えはすぐに返ってきたのであった。
「それなら東の屋敷の流石兄弟の事だろ?」
誰もがその名前を口にし、そして「あれは変わりものだから関わらない方がいい」と告げるのであった。
( ><)「どうしても会いたいんです。お屋敷の場所を教えてくださいなんです」
そう尋ねると人々は一応場所を教えてはくれるものの、でも行かない方がいいよと念を押すのである。
(;><)「なんかちょっと不安になってきたんです…」
ともかくわかんないんですは教えて貰った通りに東へ向かい、兄弟が住んでいると言う屋敷を訪ねる事にした。
- 9 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 13:29:37.24 ID:sUs2ol5c0
- カワユス
- 10 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 13:30:01.80 ID:yxl5aI4W0
- 丁度その時、わかんないんですのお腹から胃の運動によって空気が動く音が聞こえてきた。
(;><)「……その前にお腹が空いてきたんです」
わかんないんですは近くの店で食事を取る事にした。
この町の物価は今まで立ち寄ったどの町よりも高く、先日金を盗まれた件もあって、一番安いスープしか注文する事が出来なかった。
( ><)「スープじゃ腹もちが悪いんです……またすぐお腹空いてしまうんです」
しかし運ばれた来たスープを一口すすった瞬間、わかんないですの不満は一気に吹き飛んだのであった。
( ><)「とっても美味しいんです!」
( ゚д゚)「お気に召されましたか」
料理を運んできた男が横から話し掛けてきた。
( ><)「(なんかこの人どこかで見たような気がするんです……)はいなんです!」
( ゚д゚)「そうで御座いましょう。ウプキボン川の中流から汲み上げられた水を使用しておりますから」
( ><)「うぷきぼ……なんなんですか? わかんないんです」
( ゚д゚)「おやご存じないとは。ウプキボン川はこの町に流れている世界的に有名な美しい河川で御座います
川の水は古来より飲用水として普段からこの町で利用されていますが、その質と味は最高のものです」
料理を食べ終えた後、わかんないんですを店を後にして再び屋敷探しを再開したのであった。
( ><)「あの人前に会った人と似ているけど……でも喋り方も違うし、こっち見なかったんです」
- 11 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 13:32:05.13 ID:1eJh5De6O
- 支援
- 12 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 13:33:26.38 ID:yxl5aI4W0
- 屋敷はそれはすぐに見つける事ができた。それは他の建物よりも少し離れた所に建てられていた。
わかんないんですはその玄関の前に立ち、そっと呼び鈴を鳴らした。
( ><)「突然すいませんなんです。お話がしたいんです」
すると扉の向こう側からなにやらどたどたという激しい足音が響いてきた。そして物凄い速さで扉が開いたのだった。
(´<_` #)「全くしつこいぞ! いい加減帰ってくれ!」
その瞬間わかんないんですは開いた扉にぶつかって跳ね飛ばされた。
(;><)「キャー! デジャヴなんですー!」
そのまま地面に叩きつけられ、わかんないんですの意識は少しずつこの世から遠ざかっていった。
(´<_` )「おや? 違う人?」
(#)><)「…………きゅー……」
(´<_`;)「おい、大丈夫か」
頬の痛みと、何やら騒いでいる家主の声はだんだん小さくなっていった。わかんないんですはそのまま気絶してしまった。
(´<_`;)「ううむ、仕方が無い。とにかく手当てをせねば」
- 13 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 13:33:55.15 ID:3Jk35ZtTO
- ちんぽっぽはまだ苦しんでいるんだろうか…。
- 14 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 13:35:46.83 ID:3Jk35ZtTO
- (;><)「キャーなんです!」←これ好き支援
- 15 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 13:36:51.09 ID:yxl5aI4W0
- ( ><)『この木にいっぱい蜜柑がなっているんです』
(*‘ω‘*)『ちんぽっぽ♪』
( ><)『体当りしたらきっとたくさんの蜜柑が落ちてくるんです。ちんぽっぽちゃんやってみてくださいなんです』
ΣΣΣ====(((*‘ω‘*)『ちんぽっぽおおおお!!!』
(;><)『……え、違うんです、僕じゃなくてこっちの木に……』
どかぼいんっ
( ><)(そう言えば昔から良くちんぽっぽちゃんにどかぼいんされていたんです……)
(´<_` )「なかなか起きないな」
( ><)「う……ん」
(´<_` )「と言った矢先に目を覚ましたか」
わかんないんですが目を覚ますと、高い高い天井が視界に飛び込んできた。
頭の下には枕があり、暖かい布団もかけられており、どうやらベッドに寝かされているようであった。
- 16 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 13:40:06.87 ID:yxl5aI4W0
- (´<_` )「君、気分はどうだ?」
そして呼びかけてくれた声に反応して顔を横に向けると、玄関の扉を開けた人の姿を見る事が出来た。
( ><)「ここは……何処ですか?」
(´<_` )「君がベルを鳴らした家の中だ。どうだ、立てるか?」
( ><)「あっ……はいなんです」
わかんないんですはゆっくりと上半身を起こした。体が揺れた襲撃で一瞬顔の側面に痛みが走ったが、大したものではなかった。
(´<_` )「そうか、良かった良かった」
( ><)「あのすいません、あなたが世界樹の研究をしている人なんですか?」
(´<_` )「如何にも、俺が世界樹の研究者・流石だ」
( ><)「良かったらお話を聞きたいんですけど、構わないですか?」
(´<_` )「ふむ……ではこっちにきてくれ」
わかんないんですは男に案内されて隣の部屋へと移動した。
その部屋のドアを開くと、等間隔に並べられて空間を埋め尽くしている高い本棚と、部屋の中央にポツリと置かれた机と、
その机に向かうもう一人の男の姿が見えた。
わかんないんですを案内した男は机に近寄ってもう一人の男の隣に並び、机を挟んで改めてわかんないんですと向かい合った。
- 17 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 13:40:11.88 ID:1eJh5De6O
- 支援
- 18 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 13:43:36.00 ID:yxl5aI4W0
- ∧_∧
∧_∧ (´<_` )
( ´_ゝ`) / ⌒i
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ / .| .|____
\/____/ (u ⊃
( ´_ゝ`)「ようこそ。俺がこの家の主であり世界樹の研究者、流石兄者」
(´<_` )「そして改めて、俺は弟者と言う。よろしくな」
( ´_ゝ`)「君の名前はなんと言うんだ?」
( ><)「わかんないんです」
( ´_ゝ`)「ほう、わかんないんです君か。よろしく」
(´<_` )「そんな名前の訳が無いだろ兄者。自分の名前が判らないとは、悪い事を訊いてしまったな」
(;><)「ごめんなさいなんです。わかんないんですって言う名前なんです」
(´<_`;)「……正直すまんかった」
既にお決まりとなっている自己紹介を終えた後、わかんないんですは勧められた椅子に座った。
兄者は机の上に置いてある折り曲げられた板のようなものを更に折り曲げて二つに畳んで、わかんないんですの顔を見た。
- 19 名前:ウンコB ◆unkoQr.CGI :2007/03/06(火) 13:45:10.86 ID:Jk+5RY2N0
- ウンコB「ドーーーーーーーーーーーーン(ブリリ〜〜〜〜ン」
- 20 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 13:47:00.47 ID:yxl5aI4W0
- ( ´_ゝ`)「さて、われわれの話を聞きたいそうだが、君も世界樹を探しているのか?」
( ><)「はいなんです」
( ´_ゝ`)「そうか……では具体的にどんな事が知りたいのだ?」
(;><)「えーっと……わかんないんです」
(´<_` )「それではこっちも教えようがないな」
(;><)「すいませんなんです。僕まだ世界樹の事よく知らないんです」
( ´_ゝ`)「君は世界樹についてどのくらいの事を知っているんだ?」
( ><)「えーと、物凄い力を持っているっていう事と、ここから離れた北の島にあるっていう事だけなんです」
その発言を聞いた時、兄弟は顔を見合わせて何かをひそひそ声で話し始めた。
そしてその話が終わったのか、弟者が再び顔をこちらへと向けて質問をしてきたのであった。
(´<_` )「君はどうも世界樹の位置を知っているらしいが、それはどうやって知ったのだ?」
( ><)「地図に書いてあったんです」
(´<_`;)「……そ、それはどんな地図だ? 何処で手に入れたんだ?」
( ><)「世界樹に行ったっていう人の孫が持っていたものなんです。良かったら見てくださいなんです」
わかんないんですは鞄からクーの地図を取り出して二人の前に差し出した。
- 21 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 13:50:29.83 ID:yxl5aI4W0
- その地図を手にとるや否や、兄弟は真剣な表情でそれを見つめていた。そして何かを真剣に話し合い始めたのであった。
(´<_` )「見ろ兄者、かなり正確に描かれているぞ」
( ´_ゝ`)「この座標はハニャーン港の文献とも一致しているな。やはりあの地図が一番正しかったのだな」
(´<_` )「という事はあの記述も真である可能性が高くなったな」
(;><)「あのー……ちょっと良いですか?」
(´<_` )「あ、ああすまない。何だ?」
( ><)「それでその、世界樹の事に付いて教えて貰いたいんですけど……」
しかし二人はわかんないんですの質問にはすぐには答えず、再び顔を合わせて何かを相談し始めたのであった。
(´<_` )「どうする? あの子はかなり本気のようだぞ」
( ´_ゝ`)「ふむ、なかなか礼儀も正しいしな。この地図を持っている所を見るとただものではあるまい。俺は別に構わんぞ」
(´<_` )「それならこうするのは……」
(;><)「あのー……」
わかんないんですはだんだん寂しい気分になってきていた。それは二人組み作った際の余りになった人の気持ちそのものであった。
そしてようやく長い話を終えて、再びわかんないんですに話し掛けてきた。
( ´_ゝ`)「よし、君に世界樹についての情報を与えよう」
( ><)「本当なんですか!?」
- 22 名前:ウンコB ◆unkoQr.CGI :2007/03/06(火) 13:51:15.62 ID:Jk+5RY2N0
- ウンコB「神コテ!!!!!!!!!!!!!7「」」「
- 23 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 13:51:34.37 ID:98fNsz6D0
- 「ギャ!グッワ!待ってくれ!待ってくれ!」
オヤジは、叫んだ。
「許してくれよ!入れたかっただけなんだから」
「バキッ!ボコッ!」
ケンはかまわず殴り続ける。
「ヒッー!助けてー!助けてー!」
オヤジが悲鳴に近い叫び声をあげた。
「お前みたいな奴がいるからいけないんだ!」
ケンが叫びながら殴り続ける。
「ギャー」
オヤジの血があたりに飛び散った。ケンのコブシも血で染まっている。
「世の中!狂ってんだよ!狂ってんだよ!」
ケンの形相は、もうフツウではなかった。その様子を見ていた、ミクも従業員も言葉を失ってしまっていた。思わずミクが言った。
「店長!それ以上やったら死んじゃう!」
「ガッシ!ボカ!」
ケンには、まったく聞こえていない。オヤジも失神したのか動かなくなった。
「キャー、やめて!」
ミクが叫んだ。
「あっ……はい」
従業員が後ろからケンを押さえた。
- 24 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 13:53:59.97 ID:yxl5aI4W0
- (´<_` )「但し一つ条件がある。この地図を我々に譲って欲しい」
( ><)「え……」
(´<_` )「これは研究に大いに役立つ貴重な資料だ。どうか譲ってはくれないか?」
わかんないんですはしばらくの間俯いて何かを考えていた。しかし顔をしっかりと上げて前を向くと、はっきりとこう言ったのだった。
( ><)「それは出来ないんです」
( ´_ゝ`)「む?」
( ><)「その地図は借りたものなんです。だからあなた達にあげる訳には行かないんです」
(´<_` )「それならこちらも情報を与える訳には行かないのだが」
( ><)「でも駄目なんです。それを必ず返すって約束したんです。それだけはあげられないんです」
わかんないんですは椅子から立ち上がると、深くお辞儀をした。
( ><)「どうもすみませんでした。お邪魔しましたなんです」
そしてそのまま二人に背を向けて扉の方へ向かって歩き始めた。
( ><)(結局何もわからなかったんです……でもクーさんとの約束は守らなきゃならいけないんです)
扉の取っ手に手をかけてそのまま部屋を出ようとした、その時であった。
- 25 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 13:57:15.38 ID:yxl5aI4W0
- ( ´_ゝ`)「ちょっと待ちたまえ」
突然兄者が声をかけてきたのであった
( ><)「えっ?」
( ´_ゝ`)「君は約束を守る為に、自らの目的を断念するつもりなのか?」
( ><)「そうじゃないんです。僕は世界樹を絶対に見つけたいんです」
( ´_ゝ`)「では何故今の取引を断ったんだ?」
( ><)「お話は聞きたいんです。でもやっぱり約束は破っちゃいけないんです。だからお話は聞かないで世界樹まで行くんです」
( ´_ゝ`)b「……おk、その心意気受け取った。そこに座ってくれ」
(;><)「……ええっ?」
わかんないんですは唖然としながらも、取り敢えず兄者に言われた通りに椅子に座り直す事にした。
- 26 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 14:00:38.24 ID:yxl5aI4W0
- しかし弟者は兄者の独断にうろたえているようであった。
(´<_`;)「お、おい兄者」
( ´_ゝ`)「どうした弟者よ」
(´<_`;)「本当に話すつもりなのか? それでは俺達の今までの方針が……」
( ´_ゝ`)「弟者よ、この子は今までの奴らとは違うぞ。先の質問の答えで俺は確信した」
(´<_`;)「しかし……」
( ´_ゝ`)「さっきの奴の事で機嫌が悪いのはわかる。しかしこの子は関係ないだろう」
(´<_` )「……それはそうだが」
( ´_ゝ`)「それにお前この子を気絶させてしまったのだから、その詫びもしなくてはならないではないか」
(´<_` )「……わかった」
弟者も何とか納得したらしく、軽くうなずいていた。
- 27 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 14:03:51.88 ID:eUBbLnfAO
- 支援
- 28 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 14:03:56.67 ID:yxl5aI4W0
- それから二人は揃ってわかんないんですの方に向き直った。
( ´_ゝ`)「さてわかんないんです君。君はこれからこの地図に書かれている世界樹の島まで行く訳だな?」
( ><)「はいなんです」
(´<_` )「ここから大陸の端までは陸路で行ける訳だが、その後この島までどうやって行くつもりだ?」
(;><)「えーっと……船に乗って行けば良いと思うんです」
(´<_` )「操縦の心得はあるのか?」
(;><)「ないんです」
( ´_ゝ`)「……それも大きな問題だが、もし君が船を操縦できたとしても島まで辿り着ける可能性は極めて低いのだ」
(;><)「ええっ!? どうしてなんですか?」
すると弟者が一旦机から離れて本棚の傍へ行き、ある一冊の書物を取り出した。
それを持って机へ戻ってくると、わかんないんですの前であるページを開いて見せた。
(´<_` )「これはハニャーン港で手に入れたものなのだが、これには世界樹についての様々な記述があるのだ」
わかんないんですもその本の中を覗いてみたが、今までに見た事の無い文字ばかりが並んでいて内容を理解する事が出来なかった。
(;><)「これ何語なんですか? わかんないんです」
(´<_` )「地方の古い言葉で記されているから判らないのも無理はないな……」
(;><)「だったら僕に見せる意味が無いんです」
- 29 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 14:04:59.13 ID:eUBbLnfAO
- 支援
- 30 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 14:07:27.24 ID:yxl5aI4W0
- (´<_` )「文字ではなくこちらの挿絵を見てくれ」
わかんないんですは弟者が指した部分を見てみた。そこには港周辺の地図と思しき図が載せられていた。
(´<_` )「ここに書かれている島が世界樹の島だが、その周りを囲むように円が書かれているだろう?」
( ><)「はいなんです。これは何なんですか?」
(´<_` )「この書によればそれは『見えない壁』なのだそうだ」
( ><)「……壁?」
(´<_` )「船で島へ近付いて行くと、ここから先にはどうしても進めないと言う場所があるらしい。挿絵はその場所を図示しているのだ」
(;><)「えええっ? 本当にそんな場所があるんですか!?」
その話はにわかには信じがたいものであった。
そもそも架空のものとされていた世界樹が実在する事が既に信じがたい事であり、今更何が起こっても不思議ではないのかもしれない。
それでも超越的な事象と言うのはそう簡単には信じられないものなのであった。
( ´_ゝ`)「その図に書かれた島の位置は、多くの文献から推測される島の位置と一致している。
更にハニャーン港は島から最も近い位置にある港だ。信憑性は高い」
(´<_` )「おそらく世界樹の持つパワーにより、島の周辺に結界のようなものが形成されているのではないかと思われる」
(;><)「……よくわかんないんですけど、島にはいけないって事なんですか?」
それは絶望的な事実であった。今まで数々の苦難を乗り越えてきたわかんないんですとはいえ、人知を超えた力には勝てる筈も無かった。
( ><)「……ううっ……折角ここまで来たのに……」
- 31 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 14:09:23.42 ID:TTxb/Jgm0
- 支援
- 32 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 14:11:16.34 ID:yxl5aI4W0
- どれだけ地道な努力を重ねようとも、たった一つの絶対的な壁に阻まれれば全てが水の泡となると言うその理不尽さ。
わかんないんですは思わず涙を流しそうになった。
しかしその時、兄者がぽんと肩を叩いてくれたのであった。
( ´_ゝ`)「そんな顔をするな。落ち着け」
( ><)「だって……ぼく……ちんぽっぽちゃん……」
( ´_ゝ`)「この書には世界樹の島へ辿り着いた者がいると言う記録も残されている。
それに君は先程『世界樹に行った人の』孫から地図を貰ったと言っていたではないか」
( ><)「……あ」
スナオの町で出会ったクーは、祖父が息子の命を世界樹の実で救ったから自分が生まれたのだと話していた。
もし誰も世界樹の島へ行けなかったのだとたら、わかんないんですがクーと出会う事も無かった筈である。
( ><)「じゃあ、見えない壁を何とかできる方法があるって事なんですか?」
(´<_` )「ああ。書にはその方法も記されている」
( ><)「それはなんなんですか? 教えて下さいなんです」
(´<_` )「港のある地方では十年に一度、海の神に供え物をする儀式が行われるそうなのだ。
その際に十年寝かせた特別な酒を用意するのだそうだ」
( ´_ゝ`)「その酒には霊的なパワーが宿っていて、それを壁に向かってぶつけたら先に進めるようになったのだそうだ」
( ><)「じゃあ港でそのお酒を手に入れれば良いんですね!」
- 33 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 14:11:53.13 ID:BnsLAFKr0
- 支援
- 34 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 14:12:31.51 ID:BnsLAFKr0
- 支援
- 35 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 14:14:05.48 ID:BnsLAFKr0
- 支援
- 36 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 14:14:36.78 ID:yxl5aI4W0
- しかし兄弟はその意見に対して揃って首を横に振ったのであった。
( ´_ゝ`)「残念ながら、現在ではこの儀式は行われていないのだ」
(´<_` )「同時にその酒の製法も失われてしまっている。
もし判ったとしても十年寝かせなければならないと言うのだから、とても間に合わないな」
(;><)「そんなあ……」
わかんないんですはがっくりと肩を落とした。
先程から希望が見えたり隠れたりの連続で頭が疲れきっており、そのまま床に倒れてしまいそうなほど体の力が抜けていた。
(;><)「結局島には行けないんですか……」
(´<_` )「文献に残された方法の中で、現在実行可能なものは存在していない」
( ´_ゝ`)「確実な方法は我々にも判っていないのだ」
( ><)「そんな……僕は……今まで何の為にがんばって……」
更にわかんないんですの首の力が抜けて俯いてしまった。
しかし絶望に打ちのめされかけているわかんないんですの耳に、兄者の声が聞こえてきた。
( ´_ゝ`)「……確実な方法は判らないが、可能性のある方法ならば判っているぞ」
( ><)「えっ!?」
わかんないんですが素早く顔を上げると同時に、弟者が説明をし始めた。
- 37 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 14:14:40.64 ID:BnsLAFKr0
- 支援
- 38 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 14:15:17.50 ID:BnsLAFKr0
- 支援
- 39 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 14:15:55.79 ID:BnsLAFKr0
- 支援
- 40 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 14:16:52.09 ID:BnsLAFKr0
- 支援
- 41 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 14:18:01.44 ID:yxl5aI4W0
- (´<_` )「文献に残された見えない壁を突破法に共通しているは、何かしらの大きなパワーを持ったものを使用していると言う事だ。
つまりそう言ったものを手に入れれば、島へ行く事ができるかも知れない」
( ><)「凄いパワーのあるものを探せば良いんですね?」
( ´_ゝ`)「ああ。というか探すまでも無く、この近くにある」
( ><)「それは一体何なんですか!」
わかんないんですがそう尋ねると、弟者は机から離れて壁の方へと近寄った。
壁にかけられている大きなカーテンを開けると、大きな窓が姿を現した。
(´<_` )「フーンの町に流れるウプキボン川の水だ」
弟者によって開け放たれた窓の向こうには町の景色が広がっていた。そして町の中を悠々と流れている大きな川の姿を見る事が出来た。
( ><)「川の水……? そんなに凄い力があるんですか?」
(´<_` )「ああ、ウプキボン川の水質は非常に良好で美しい事から世界的に有名なのだが……知らなかったのか?」
(;><)「ごめんなさいなんです、知らなかったんです」
( ´_ゝ`)「まあ気にするな、世の中には30まで童貞でいると魔法使いになれるという事を知らない者もいるのだからな」
(´<_` #)「そんな事を信じるな!」
(;><)「どうていって何なんですか? わかんないんです」
(´<_` #)「君も訊くんじゃない!」
- 42 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 14:21:49.97 ID:BnsLAFKr0
- 支援
- 43 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 14:21:54.63 ID:yxl5aI4W0
- 弟者が机に戻ってきたところで、改めて説明が始まった。
( ´_ゝ`)「遠くの方に山が見えるだろう? あれはボスケテ山といって、古来より不思議な現象が数多く発生する霊山として有名なのだ」
(´<_` )「あの山では多くの薬草が取れ、他の地には見られない生物が多数生息している。
おそらく山の発するパワーによって生物が特殊な進化を遂げたからだと考えられている」
( ´_ゝ`)「そしてボスケテ山を水源とするウプキボン川にもまた、大きなパワーが宿っているのだ」
( ><)「成る程なんです。そう言えば川の水で作ったって言うスープはとても美味しかったんです」
( ´_ゝ`)「おお君も飲んだのか。あの店は中流の水に拘っているからなあ、絶品だぞ」
( ><)「中流だと何か良い事があるんですか?」
( ´_ゝ`)「ああ、川の水は上流へ向かえば向かうほど水質も良くなり、味もより素晴らしいものになるのだ」
(´<_` )「それは即ち、より上流で取れる水ほどパワーが強いという事になる」
( ><)「じゃああの山の高い所へ登って、そこの水を汲めば良いんですね」
( ´_ゝ`)「ああ……」
わかんないんですは今の話で元気を取り戻していたが、しかし二人の表情は決して明るいものにはならなかった。
むしろやや暗くなっているようにも見えた。
- 44 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 14:22:30.08 ID:BnsLAFKr0
- 支援
- 45 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 14:23:19.62 ID:BnsLAFKr0
- 支援
- 46 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 14:26:06.89 ID:yxl5aI4W0
- ( ><)「……どうかしたんですか?」
( ´_ゝ`)「実はな、我々の計算によると見えない壁を破るのに必要なパワーを持った水を採取するには
かなり高い所まで登らなければならないんだ」
( ><)「高いって……どのくらいなんですか?」
(´<_` )「最低でも水源の500メートル以内、大体8合目辺りだ」
(;><)「8合目? それってどのくらいなんですか?」
(´<_` )「ここから見て頂上に近いところの、ちょっとくぼんでいる辺りだな」
平坦な地で育ったわかんないんですは登山の道のりを示す「合」と言う単位を知らなかった。
だが弟者に示された場所の高さを見て、8合と言うのが大きな量であると知ったのであった。
(;><)「とっても高いんです!」
- 47 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 14:28:01.59 ID:BnsLAFKr0
- 支援
- 48 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 14:29:49.66 ID:BnsLAFKr0
- 支援
- 49 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 14:30:25.30 ID:yxl5aI4W0
- それから三人は話し合い、明日の朝に三人揃って山へ向かい、川の水を汲みに行く事に決めた。
( ´_ゝ`)「おそらく8合目につくのは夕暮れになるだろう……明日に備えてしっかり眠るといい」
( ><)「はいなんです!」
わかんないんですは二人に空いている部屋に案内され、そこのベッドに入った。それを見た二人は部屋を出てそっとドアを閉めた。
(´<_` )「しかし兄者、本当に行くのか?」
( ´_ゝ`)「この子を一人だけで行かせる訳にも行かないだろう。俺達が案内をしなければならない」
(´<_`;)「しかし俺達はそこまで高い所へ行った事はないし、なによりずっと家に篭ってばかりの兄者の体力が持たないだろう」
( ´_ゝ`)「それは弟者も同じではないか」
(´<_` )「いや俺は頻繁に外出しているからな。この部屋と寝室の往復しかしていない兄者と違って」
(# ´_ゝ`)「……弟者よ、それは正確ではない。俺は風呂にも台所にも行くぞ」
(´<_` #)「どちらにしろこの家から出る事は滅多に無いだろう」
(# ´_ゝ`)「……それがどうかしたか? 家に篭る事は犯罪ではないぞ」
(´<_` #)「……自分は楽をして人に負担を押し付けると言う大罪だ」
部屋のすぐ外での二人の言い合いは、ベッドの中のわかんないんですに筒抜けであった。
(;><)(……明日は大丈夫なんでしょうか)
- 50 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 14:32:47.79 ID:1eJh5De6O
- 支援
- 51 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 14:33:40.91 ID:yxl5aI4W0
- そんな不安も生き物の基本的欲求である眠気に前には大した障害とはならず、その後すぐにわかんないんですは眠りに付いたのであった。
しかしその眠気さえも吹き飛ばすほどの大きな音が屋敷中に響き渡り、わかんないんですは深夜に目を覚ましてしまった。
(;><)(う、うるさいんです……)
どおんどおんと言う何かものを叩く音が響き、家具を揺らしていた。この状況の中でもう一度眠りにつくのは至難の技であった。
更に呼び鈴を鳴らす高い金属音がそれに混じるようになった。
音のする方向ともあわせて、何者かが玄関を叩いているのだと言う事が何となく予測できた。
(;><)「一体何なんですか?」
わかんないんですはベッドから起き上がり、部屋のドアを開けて廊下へ出て行った。すると丁度そこに兄者がいるのが見えた。
( ´_ゝ`)「わかんないんです君、君も起きてしまったのか」
(;><)「はいなんです。とてもうるさいんです」
( ´_ゝ`)「追い返してくるから少し待っていてくれ」
兄者は一人玄関へと向かい、玄関の鍵を開けた。開いた扉の向こうには、どこかで見た事のある人物が立っていた。
<丶`∀´>「ウリをここに泊めるニダ!」
それはフーンの町にくる前の町で出会った、酒場でわかんないんですの金を盗んで男であった。
- 52 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 14:36:56.12 ID:yxl5aI4W0
- ( ´_ゝ`)「悪いがニダーさん、俺の家は宿屋ではない。泊まりたいなら他を当たってくれ」
<# `∀´>「どの宿もウリが金を持ってないからと泊めてくれなかったニダ!
さっきやっと泊めてくれる所を見つけのにまたすぐに追い出されたニダ!」
( ´_ゝ`)「それはあなたの態度が良くなかったからではないですかね」
<# `∀´>「態度が悪いのは向こうニダ! ベッドのシーツの端にしわが寄っていたり、窓が曇っていたりしたニダ!」
( ´_ゝ`)「……少しくらいしわが付いていても眠れるし、この寒い季節なら窓も曇って当然ですが」
<# `∀´>「宿の奴も同じ事言ったニダ! 謝罪と倍賞を要求しても責任をとってくれなかったニダ!」
( ´_ゝ`)「……まあとにかく、それで困って家へきたと?」
<丶`∀´>「頼むニダ、一生にお願いニダ」
( ´_ゝ`)「あなた昼に来た時も一生のお願いと言っていたでしょう。一度しかない一生に何回『一生のお願い』をするつもりですか」
<# `∀´>「へりくつを言うなニダ! お前もそうやってか弱いものを差別しているニカ!!」
- 53 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 14:40:21.02 ID:yxl5aI4W0
- 玄関先での口論はその後も延々と続き、最終的には男が疲れて去って行くとい言う形で終結した。
兄者は玄関に鍵をかけなおすと、腕を思いっきり上げて伸びをしながら戻ってきた。
( ´_ゝ`)「すっかり目が覚めてしまったな……早く寝なければ」
(;><)「あの人こんな所でも大騒ぎしているんですか……」
( ´_ゝ`)「ん? 君もニダーさんを知っているのか?」
( ><)「この町に来る前に会ったんです。その時はお金を盗られたんです」
( ´_ゝ`)「……それは災難だったな」
( ><)「兄者さんはあの人に何かされたんですか?」
( ´_ゝ`)「ああ、君が訪ねてくる少し前にニダーさんがやって来てな。俺達に世界樹についての情報を尋ねてきたのだ」
( ><)「あの人も世界樹を……?」
( ´_ゝ`)「ただ俺達は基本的に研究の内容を人には教えない主義でな。
その上あいつの態度が非常に悪く、無礼にも程があって……それで追い返したのだ」
( ><)「……追い出したくもなるんです」
- 54 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 14:44:05.84 ID:yxl5aI4W0
- その時、わかんないんですは兄者の言葉に疑問を感じた。
( ><)「あれ? お二人は研究を人に教えない主義なのに、どうして僕には話してくれたんですか?」
( ´_ゝ`)「……悪いが、今はとても眠くて……話は明日しようではないか」
( ><)「あっ、はい……」
( ´_ゝ`)「お休み」
兄者はそう一言残すと、そのまま階段を上がって自分の寝室へと戻って行った。
( ><)「おやすみなさいなんです」
わかんないんですもまた、明日に備えて眠りに付いたのであった。
第六話 終
- 55 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 14:44:57.57 ID:1eJh5De6O
- 支援
- 56 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 14:45:35.22 ID:yxl5aI4W0
- 一旦休憩してから第七話の再投下をはじめます
- 57 名前:Hクマ ◆HKUMAyme82 :2007/03/06(火) 14:47:03.86 ID:TgycMxxx0
- クマスレ 優良スレ 普通 糞スレ
┝ - - - - ┿━━━━━┿━━━━━┥
∩___∩ /)
| ノ ヽ ( i )))
/ ● ● | / /
| ( _●_) |ノ / ここクマ――!!
彡、 |∪| ,/
/__ ヽノ /´
(___) /
- 58 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 14:50:05.40 ID:P2aYZ3Cq0
- 乙!
昨日のスレ落ちてたのね…
- 59 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 14:53:34.22 ID:e8k0isOiO
- おつおー
- 60 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 14:53:50.17 ID:YPcspFXK0
- まとめまだできてないならやってもいいかな?
- 61 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 14:59:29.18 ID:BnsLAFKr0
- 乙!
やっぱりおもしれー
>>60
助かる
- 62 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 15:16:03.93 ID:P2aYZ3Cq0
- いちおうほ
- 63 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 15:35:34.03 ID:yxl5aI4W0
- 第七話『フーンの町/謎掛け編・下』
朝日が室内を照らす頃、わかんないんですは寒さと眠気をぐっと我慢してベッドから起き上がった。
((( ><))「とっても寒いんです」
本格的な寒さが間もなく訪れようとしているこの季節。
フーンの町の気温は低く、窓を開けると朝の風がわかんないんですの頬につき刺さってきた。
昨日夜中に起こされた事もあっても早起きしたわかんないんですの頭は半ボケの状態であったが、
その風のあまりの冷たさに一気に目が覚めたのであった。
それからわかんないんですと流石兄弟の三人は朝食を済ませ、登山の為の準備を始めた。
( ´_ゝ`)「まずは地図だろ、それからコンパスだろ、それから食料だな」
(´<_` )「兄者よ、そう言いながら世界地図とぶんまわしとちり紙を入れてどうする。というか何故最後がちり紙なのだ」
( ´_ゝ`)「ちり紙は食えるだろう?」
(;><)「そんなの食べたらお腹壊すんです!」
(´<_` )「それらは出しておけ兄者。それから水を汲むための容器を持っていかないとならないな。この瓶で良いか」
兄者が地図とコンパスと食料を鞄から出している隣で、弟者は小さなガラスの空き瓶を手に取っていた。
( ><)「これで荷物はバッチリなんです!」
(´<_` )「ぶんまわしではなく方位磁針は入れたか、兄者?」
( ´_ゝ`)「ああ入れたぞ。おっと、念のためにこれも持って行くか」
- 64 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 15:39:15.49 ID:yxl5aI4W0
- そう言うと兄者は机の上に置いてあるものを持ち上げた。
それは昨日わかんないんですが訪ねた来た時にも置いてあった二つ折りの板であった。
(´<_` )「それまで持って行くのか? それは持ち運ぶには重くないか?」
( ´_ゝ`)「これがあれば何かの役に立つかも知れないだろう。重さなら気にするな」
( ><)(あの板はいったい何なんでしょう……)
程なくして装備を整えた三人は屋敷出て、ボスケテ山のふもとへと向かったのである。
( ´_ゝ`)「さあ行くぞ!」
(´<_` )「弱音を吐くなよ!」
( ><)「頑張るんです!」
そうして意気込んでいる三人の背後に、怪しい影が見え隠れしていた。
<丶`∀´>「ニダニダ。あいつら何か凄い事をしようとしているらしいニダ」
昨晩兄者に宿泊を断られ、結局は流石邸の裏庭でこっそり野宿していた男・ニダーである。
<丶`∀´>「何をするつもりかは知らんが、あいつらに付いていけばきっといい事があるニダ」
ニダーは姿を隠しながらこっそり三人の後を追いかけていったのであった。
<丶`∀´>「あいつらのやった事を全部ウリのものにすればいいニダ! これでウリは不死に一歩近付くニダ! ウェーハッハッハッ!」
- 65 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 15:42:56.09 ID:yxl5aI4W0
- そんな事にはまったく気が付いていない三人は、順調にボスケテ山を登り始めていたのであった。
( ><)「山登りって思ったより楽なんですね」
(´<_` )「途中までは登山道が敷いてあるからな、それに沿って行けばいい」
( ´_ゝ`)「俺達も一合目までなら登った事があるからな」
( ><)「その先に行った事は無いんですか?」
(´<_` )「兄者が体力の限界だったので仕方なく引き返したのだ」
しかし最初は楽だった登山も、より高い所へ進むにつれてだんだんと苦しいものになっていった。
体力はどんどん削られ、足への痛みが激しくなっていった。
(;><)「ゼェゼェ……つ、疲れたんです」
(´<_`;)「そ、そろそろ三合目の終わる頃か……」
(;><)「こんなに歩いたのにまだそれだけなんですか……?」
(;´_ゝ`)「に、荷物に潰される……」
(´<_`;)「だからそれを本当に持って行くのかといったんだ」
兄者は二つ折りの板を大事そうに抱えながら膝をついた。その後方の岩の陰では、ニダーも同じ様に息を切らしていた。
<;`∀´>「ハァハァ……あいつらウリにこんなきつい事をさせて……」
- 66 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 15:46:26.97 ID:yxl5aI4W0
- 五合目の辺りまで登った所で丁度昼を迎え、三人はそこで昼食を取る事にした。
( ><)「おにぎり美味しいんです!」
(´<_`;)「……兄者、俺の握り飯には何を入れたんだ?」
( ´_ゝ`)「とりあえず近くにあったものを入れてみた」
(´<_` #)「バナナやコーヒー豆はともかく、明らかに食べられないものまで入れるとはどう言う了見だ!」
( ><)「弟者さん、好き嫌いはいけないんです」
(´<_` #)「石鹸や爪楊枝が入った握り飯をどう好きになれば良いんだ!」
一方思いつきだけで付いてきたニダーは食料を準備しておらず、木の陰で空腹を堪えていた。
<;`∀´>「ウリにひもじい思いをさせるとは許せんニダ! 戻ったら謝罪と倍賞を要求してやるニダ!」
そして居所がばれないように腹の音を懸命に堪えているのであった。
- 67 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 15:50:15.26 ID:yxl5aI4W0
- 一休みの後に登山を再開した三人であったが、休憩による回復の効果など無視されてしまう程に辛い思いをする事になったのであった。
(;><)「ゼェゼェ……く、苦しいんです!」
(;´_ゝ`)「空気が……ゼェゼェ……薄く……ハァ……なっているからな……」
(´<_`;)「大丈夫か兄者よ。良ければそれは俺が持つぞ」
(;´_ゝ`)「いや……俺が持ってきたのだから最後まで自分で……うっ……」
(;><)「兄者さん!しっかりしてくださいなんです!」
(´<_`;)「だから昨日本当に行くのかと訊いたのだ!」
とりあえずわかんないんですと弟者は一番疲れているであろう兄者を近くに木に寄りかからせて座らせた。
その木の影は赤い光に照らされて長く長く伸びていた。
(´<_` )「もう大分日も傾いてきたな……早く川へ行かないと帰れなくなってしまうな」
( ><)「でも兄者さんとっても辛そうなんです。先には進めないんです」
(;´_ゝ`)「なら……俺を置いて先に二人で行ってくれ」
(´<_` )「馬鹿な事を言うな。俺達が離れている間に何かあったらどうするんだ!」
(;´_ゝ`)「弟者よ、俺は身の程はわきまえているつもりだぞ。俺がお前達の足手まといになっているという事ぐらいはな」
( ><)「でも置いてく何て出来ないんです!」
弟者は兄者を見ながら何かを考え込んでいた。しばらくうなずいたり腕を組んだりしていたが、きっぱりとこう言い放った。
- 68 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 15:50:33.12 ID:V1EbnuKL0
- 支援
- 69 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 15:54:47.47 ID:yxl5aI4W0
- (´<_` )「わかんないんです君、先に行く事にしよう」
( ><)「えっ? でも……」
(´<_` )「兄者よ。俺達が通った所に目印をつけておくから、疲れが取れたら後から来てくれ」
(;´_ゝ`)「……把握した」
その措置に対してわかんないんですが意見を言う暇もなく、弟者はさっさと先へと進んでしまった。
わかんないんですも仕方なく弟者の後を追い、兄者を置いて先へ進んだ。
( ><)「弟者さん! 本当にこれで良いんですか?」
(´<_` )「……兄者が決めた事だ」
( ><)「でも……」
弟者はそれだけ返事をすると地図を見ながら枝を掻き分けて歩いて行った。わかんないんですはただ黙って付いて行くしかなかった。
二人は歩きながら時々近くの木にナイフで矢印を刻み、兄者のための目印をつけていった。
そうして地図の通りに進んで行くと、水の流れる音が聞こえ始めてきた。
- 70 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 15:58:54.47 ID:yxl5aI4W0
- (´<_` )「よし。このまま進めば水源から400メートル程離れた地点に着く筈だ」
( ><)「これで水が汲めるんですね」
するとその時、強い光がわかんないんですの目に当たった。
( ><)「うおっまぶしなんです!」
それは川面に反射した日の光あった。わかんないんですがそっと目を開くと、前方にサラサラと流れる川の姿が見えた。
( ><)「川に着いたんです!」
わかんないんですは嬉しさの余りに、今までの疲れは何処へ行ったのかと言う程の速さで川へと走り出した。
(´<_` )「おい、足元に気をつけ……」
弟者の忠告が届く前に、わかんないんですは転んでしまった。
しかしわかんないんですは足が引っかかって前につんのめったのではなかった。
目の前にあるものに弾かれたかのように後ろに向かって飛ばされていたのである。
しかしそこにはわかんないんですが体をぶつけたと思われる障害物は一切見当たらなかった。
弟者はその事に疑問を抱きながら、自分も川へと近寄っていった。
わかんないですが倒れていたその傍には、謎の人物が立っていたのであった。
- 71 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 16:02:44.25 ID:yxl5aI4W0
- やあ (´・ω・`)
ようこそ、ウプキボン川へ。
この壁は君たちへの足止めだから、まず立ち止まって落ち着いてほしい。
うん、「結界」なんだ。済まない。
山の神の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でも、ここへ来ようと思ったとき、君は、きっと言葉では言い表せない
「覚悟」みたいなものを決めていたんだと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを本物かどうか知りたい
そう思って、この場所へ現れたんだ。
じゃあ、試させて貰おうか。
- 72 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 16:07:17.13 ID:yxl5aI4W0
- (´<_` )「結界……?」
弟者はそっと腕を前へ突き出した。すると謎の人物の30センチほど手前で腕が何かにぶつかり、それ以上先へ伸ばす事は出来なかった。
(´<_` )「これは一体……」
(#)><)「あいたたたた……何があったんですか?」
わかんないんですが起き上がったのを見て、謎の人物は話を始めたのだった。
(´・ω・`)「初めまして。僕はウプキボン川の精霊なんだ」
(#)><)「精霊……? 妖精さんなんですか?」
(´<_`;)「ほ、本当に精霊なのか?」
弟者がそう言うと、精霊はずっと手を上げてわかんないんですの方に向けた。
すると転んだ時に出来たわかんないんですの顔の腫れが見る見る内に引いていったのであった。
( ><)「あっ……治ったんです! 痛くないんです!」
(´・ω・`)「これで信じて貰えたかな?」
(´<_`;)「あ、ああ……」
( ><)「あの、僕達川の水を汲みたいんです。だから道を開けて下さいなんです」
- 73 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 16:10:19.45 ID:1eJh5De6O
- 支援
- 74 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 16:10:50.77 ID:P2aYZ3Cq0
- しぇ
- 75 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 16:12:51.88 ID:yxl5aI4W0
- しかし精霊の表情は思わしくなく、首をぶんぶんと横に振っていた。
(´・ω・`)「残念だけどそれは無理な相談だね」
( ><)「どうしてなんですか? わかんないんです!」
(´・ω・`)「君たちはこの地点の川の水を汲むという事が、どういう事か判っているのかい?」
(´<_` )「ああ、わかっているとも。俺達はこの川の持つパワーを手に入れたいのだ」
(´・ω・`)「ふむ……どうやら君たちは僕が思ったより賢い人達のようだね」
精霊は一人でうんうんとうなずいて、何かを考えていた。
(´・ω・`)「ようし。それなら一つ試させて貰うよ」
精霊がぱちんと指を鳴らすと、二人と精霊との間に、丁度結界がある位置に何かの模様のようなものが浮かんできた。
(´・ω・`)「僕の出す問題に答えられたら、川の水を汲んでも良いよ。出来なかったら諦めて欲しい」
二人の目の前には青い線で描かれたいくつかの絵が並び、それがふわふわと中を漂っていた。
(;><)「な、何なんですか? わかんないんです!」
- 76 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 16:18:01.05 ID:yxl5aI4W0
- 〇_〇 \|/ ______
=ニニフ (・(ェ)・ ) _| ̄|○ ─〇─ ├┼┼┼┼┼┤ /^o^\
/|\
(´・ω・`)「この6つの中から『光が見えぬ時』を選んで欲しい」
精霊はそれだけ言うと口をつぐんでしまった。
(;><)「光って何なんですか? わかんないんです!」
(´<_` )「わかんないんです君、落ち着くんだ。まずはこの絵が何なのかを見てみようではないか」
=ニニフ
(´<_` )「これは浅い鍋のようだな。フライパンか」
〇_〇
(・(ェ)・ )
( ><)「これはくまさんなんです」
_| ̄|○
(´<_` )「土下座している人か? それにしても棒人間とはえらく簡素な表現だな」
- 77 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 16:21:14.19 ID:bChSNz3z0
- ほ〜ら☆
えっちなものだよぉ〜
(携帯可)
http://kissho.xii.jp/1/src/1jyou2379.htm
- 78 名前:うんこ ◆8CxA9xwU4w :2007/03/06(火) 16:21:46.80 ID:pyAPEUnB0
- フッジサーン
- 79 名前:うんこ ◆8CxA9xwU4w :2007/03/06(火) 16:22:17.91 ID:pyAPEUnB0
- _| ̄|○
↑これじゃね?
- 80 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 16:22:52.09 ID:yxl5aI4W0
- \|/
─〇─
/|\
( ><)「4番目はお日様なんです」
______
├┼┼┼┼┼┤
(´<_` )「これは囲い……フェンスのようだな」
/^o^\
(;><)「最後のは山……で良いんですよね? なんか顔が描いてあるんです」
(´<_` )「しかし光が見えぬ時とはいったい何の事なのだろうか」
( ><)「うーん……お日様は間違いなんですかね?」
(´<_` )「いや、そんな簡単なものでは無いと思うぞ。なあ精霊よ、他にヒントはないのか?」
(´・ω・`)「………」
精霊は相変わらず、先ほどから眉一つ動かさず悠々と二人を眺めていた。
(´<_` )「……まあ、そう簡単に言う訳が無いか」
- 81 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 16:27:13.68 ID:yxl5aI4W0
- ( ><)「ヒント……ヒントならあるんです!」
わかんないんですは鞄に手を突っ込み、あるものを探し始めた、
( ><)「えーっと確かこの辺に……あったんです!」
わかんないんですはわかってますから借りた小さな鍵を取り出した。
( ><)「この問題を解く鍵を教えてくださいなんです!」
鍵は再び光り始めた。そしてまた先端から伸びた光が今度は空中に文字を書いていったのであった。
(´<_`;)「な、何だこれは?」
(´・ω・`)「ふうん……随分と珍しいものを持っているんだね」
(´<_`;)「わかんないんです君、その鍵は一体何なんだい?」
( ><)「予言士の友達から借りたものなんです」
やがて文字を書き終えた鍵はその役目を終え、線状の光がぷつり途切れ、宙に浮かぶ文字がそこに残された。
- 82 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 16:31:02.82 ID:yxl5aI4W0
- 『「全てが見える時」と問われたらならば _| ̄|○ を選ぶのが正しい』
(;><)「へ?」
それは非常に短く、簡素な文章であった。
(;><)「あの、僕が知りたいのは『光が見えぬ時』なんですけど……」
(´<_`;)「……どうすれば良いんだ?」
(´・ω・`)「僕はなかなかいいヒントだと思うんだけどね」
二人が問題と相変わらず難解な鍵のヒントに悩んでいた頃、ニダーはそのやや後ろの木の陰に隠れていた。
<丶`∀´>「どうやらこの川の水を手に入れるといい事があるみたいニダ」
そして二人の様子を伺い、にやにやと笑みを浮かべていた。
<丶`∀´>「あいつらが問題を解いてその答えを聞けば、ウリは楽に水を手に入れられるニダ! ウェーハッハッハッ!」
( ><)「あれ? 今誰かの声が聞こえたような気がするんです」
(´<_`;)「今はそれ所ではないな。何とかしてこれを解かないと……」
日はどんどん落ちて行き、辺りは次第に薄暗くなっていった。間もなく夕方が終わろうとしていた。
第七話 終
- 83 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 16:31:57.38 ID:yxl5aI4W0
- 再投下を終わります
- 84 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 16:33:47.30 ID:P2aYZ3Cq0
- おっつ!
纏め作る人がいたらログ提供できる…かなあ(´・ω・`)
- 85 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 16:36:09.40 ID:YPcspFXK0
- おつ
ttp://www.geocities.jp/local_boon/wakannai_Nazotoki/top.html
- 86 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 16:36:29.03 ID:btyu/3iNO
- 「〜た。」で文締めるのが多いな。いや、別にいいんだけど
- 87 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 16:37:13.33 ID:3Jk35ZtTO
- ぐおー、わからん
- 88 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 16:50:42.72 ID:AUJZv7qUO
- >>85
まとめ乙ー!
キャラの味が出てて好きだ。特にニダーww
- 89 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 17:08:05.62 ID:1eJh5De6O
- 乙!
>>86
それって基本的な文体だと思うんだが。
- 90 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 17:20:01.64 ID:btyu/3iNO
- >>89
僕は洗濯物を干した。
そういう仕事をするのが、毎日の日課だった。
でも、今日は違った。この村では特別な、スーパーパーティーがあるからだ。
↓
僕は洗濯物を干す。
そういう仕事をするのが、毎日の日課だから。
でも、今日は違った。この村では特別な、スーパーパーティーがあるからだ。
即席だが、個人的にはかなり読みやすさが違う
あくまでも主観だから気にしないでくれ 第一話見てて違和感を感じたからであって、他意はない
〜た。〜する。〜して。〜だった。……と、語尾を変えるだけで読みやすさが違うよ、と言いたかった。
すまない、物書きやってるから敏感過ぎだったかも試練
- 91 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 17:38:49.25 ID:1eJh5De6O
- >>90
なるほど。言いたい事は理解した。
それと、ちょっと気になるんだが、その2つの例文から読み取れる意味がだいぶ違う。
前者では「今日は洗濯物を干さなかった」っていう意味に読み取れる。
後者では「今日もいつもの様に洗濯物を干すが、それをやるのはパーティーのため」っていう意味に読み取れる。
即席だから仕方ないかもしれんが、例に出すには向いてないと思った。
- 92 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 17:47:44.11 ID:btyu/3iNO
- >>91
すまない、確かにおかしいな。わざわざすまなかった
だけど、この文体が駄目だーって押し付けたい訳じゃない。
むしろブーン小説なんだから、特徴あっていいかもわからん。
この作品自体が珍しい面白さだし。
毎回長文ですまなかった 作者さん頑張ってくれ
>91も理解ある反応ありがたかった、サンクス
- 93 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 18:12:35.52 ID:P6V8sTmJO
- ほ
- 94 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 18:34:31.43 ID:kfu8eMsf0
- ほ
- 95 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 19:01:32.66 ID:AUJZv7qUO
- ほ
- 96 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 19:25:18.71 ID:P2aYZ3Cq0
- ほ
- 97 名前:Hクマ ◆HKUMAyme82 :2007/03/06(火) 19:58:03.74 ID:TgycMxxx0
- クマー
- 98 名前:Hクマ ◆HKUMAyme82 :2007/03/06(火) 20:34:02.01 ID:TgycMxxx0
- クマー?
- 99 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 20:51:36.91 ID:P2aYZ3Cq0
- ほ
- 100 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 20:52:21.25 ID:CYpwS1qDO
- (^^ω)ホマー
- 101 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 20:54:36.42 ID:SIWl0Ft/O
- 謎解きのレベルがだんだんと・・・。もうさっぱりわかんねー
- 102 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 21:15:36.30 ID:V1EbnuKL0
- hosyu
- 103 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 21:19:39.40 ID:l45+Mkl7O
- ほ
- 104 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 21:30:49.80 ID:CYpwS1qDO
- あと三十分
- 105 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 21:48:55.47 ID:yxl5aI4W0
- 保守してくださった皆様、まとめを作ってくれた方 有難う御座います
少し早めですが第八話の投下をはじめます
- 106 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 21:52:06.41 ID:l0zzoPTg0
- ktkr
- 107 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 21:56:56.24 ID:u2Ia8I+e0
- あっちくしょう……ううあああ……
解けなかったorz
- 108 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 21:57:42.86 ID:lldwe/PLO
- gngr
- 109 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 21:57:57.58 ID:yxl5aI4W0
- 第八話『フーンの町/謎解き編』
わかんないんですと弟者が精霊の出した謎に挑み始めてから、かなりの時間が経過していた。日はとっくに沈み、夜が訪れていた。
(´<_` )「……光が見えぬ時、か。そもそも光とは何の事をそしているのだろうか」
((( ><))「……ううっ、なんだか物凄く寒いんです」
(´<_` )「うむ、ただでさえ寒い季節である上にこんな高い所に登っているのだからな。しかも夜になって日が落ちたものだから……」
((( ><))「は、はくしょん! なんです!」
隠れていたニダーもわかんないんですと同じく寒さに耐えかねているところであった。
<<<;`∀´>>「く、くしゃみが出そうニダ……しかしこんな所でしたら奴らにばれてしまうニダ」
その時、ニダーは暗闇の奥から何者かが近付いてくる気配を感じた。
しかしそれはがさがさと言う音を立て、木の枝を掻き分けながらこっちに近付いてくるのであった。
<;`∀´>「ま、まさか熊でも来たニカ?」
ニダーは崖っぷちに立たされていた。もしもこのまま野生動物に襲われたらひとたまりも無いであろう。
しかし逃げようとすれば川の傍にいる二人に自分の存在がばれてしまうのである。
<;`∀´>「ウ、ウリはキムチが好きだから辛いニダ! あっちの二人の方が旨いニダ、そっちを食ってくれニダ!」
しかし懸命な祈りも虚しく、足音はどんどんとニダーへ迫ってくるのであった。
- 110 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 22:01:34.45 ID:yxl5aI4W0
- 一方ニダーに迫る危機など全く知らない二人は、考え疲れて木によりかかって休んでいるのであった。
(´<_` )「ふう……なあ精霊よ、本当に何か他にヒントは無いのか?」
(´・ω・`)「……」
ウプキボン川の精霊は問題を出してからは殆ど喋らず、ただそこに立っているだけであった。
(´<_` )「しかしこのままでは不味い。ここまで帰りが遅れると言う事は想定していなかったからな。
早く解かねばここで野宿する事になってしまうぞ」
(;><)「プッシャーかけないで下さいなんです! 余計に頭がこんがらかってくるんです!」
(´<_` )「まあそうなったら星を眺めつつ一晩を明かすとしようか」
(;><)「星……ですか」
わかんないんですはふと顔を上げて、空を見上げた。頭上には夜を埋め尽くすたくさんの星が輝いていた。
( ><)「とっても綺麗なんです……」
木の真下にいると枝が邪魔でよく見えなかったので、わかんないんですは立ち上がって数歩前に進んだ。
そこで改めて夜空を見上げた瞬間、強い光がわかんないんですの目に突き刺さってきた。
( ><)「わっ! 眩しいんです!」
わかんないんですは一度目を瞑ってから、またそろそろとまぶたを開いてみた。
そして強い光を出すものの正体をしっかりとその目で捉えたのであった。
( ><)「こうして見るとあれもとても明るいんですねえ……」
- 111 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:01:44.28 ID:Q6bCpgJaO
- キタ―――(゚∀゚)―――!!
支援
- 112 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:02:46.12 ID:Q6bCpgJaO
- 支援
- 113 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:03:31.61 ID:Q6bCpgJaO
- 支援
- 114 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:04:21.01 ID:Q6bCpgJaO
- 支援
- 115 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 22:05:43.39 ID:yxl5aI4W0
- その時、わかんないんですの頭の中にある一つの考えが浮かんだ。
( ><)「もしかして……もしかしたらこれなのかも知れないんです!」
(´<_` )「どうした? 何か判ったのか!」
( ><)「わかったんです、でもわかんないんです!」
(´<_`;)「どっちなのだ!」
(;><)「もしかしたらあれが謎を解く鍵なのかもしれないんですけど、でも僕それに余り詳しくないから良く判らなくて……
調べらればわかると思うんですけど……」
(´<_`;)「調べれば、か……兄者がいれば……」
その時、二人の後方からがさがさと言う枝を揺らす音が聞こえてきた。それに驚いて二人は思わず体をビクッと振るわせた。
(;><)「だ、誰なんですか?」
(´<_`;)「お、おおお落ち着け。死んだ振りをすればいい筈だ!」
弟者が有名な迷信を披露している間にも、足音はどんどんと迫ってきた。
(;><)「し、死んだふりですね!?」
(´<_`;)「地面に倒れて動くなよ! 息を抑えるんだ!」
(;><)「わかんな……わかったんです!」
- 116 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:08:13.71 ID:u2Ia8I+e0
- しーえん、しえん
- 117 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 22:09:21.99 ID:yxl5aI4W0
- 二人は揃って地面に倒れ伏した。
しかし死体の振りをしようとしているにも関わらず手足は恐怖で振るえ、呼吸が荒くなってハァハァと言う息の音が大きくなってるのであった。
足音がすぐ傍まで近づいた時、二人はその生き物がこのまま素通りしてくれますようにと心の中で懸命に祈っていった。
( ´_ゝ`)「……弟者よ、何をしているんだ?」
しかしそこに聞こえてきたのは熊の唸り声ではなく、兄者の声であった。
(´<_`;)「……お、驚かせるんじゃない! 全く人騒がせな!」
( ´_ゝ`)「よく判らないが、そっちが勝手に騒いでいただけだろうが。それよりも、遅くなってすまなかったな」
( ><)「兄者さん、無事だったんですね!」
(´<_` )「まあ無事で何よりだ……ところで早速で悪いが、頼みたい事があるのだが」
( ´_ゝ`)「何だ? 俺にできる事ならなんでもやるぞ」
その頃ニダーは、近寄ってくる足音を恐れて必死に地面に伏せていた。
<;`∀´>「し、死んだ振りをすれば大丈夫だってばっちゃが言ってたニダ」
しかし川辺にいる人間の人数が一人増えているのを見て、ようやく勘違いに気が付いたのであった。
<;`∀´>「ただの人間じゃないかニダ! ウリを怖がらせるとははた迷惑な奴ニダ! 謝罪と倍賞を……」
- 118 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 22:13:02.90 ID:yxl5aI4W0
- ニダーが勝手に腹を立てているその一方で、弟者は兄者に何か頼み事をしていた。
(´<_` )「……と言う訳で、わかんないんです君が言うにはそれに付いて調べる事ができれば、問題が解けるのだそうだ」
( ´_ゝ`)「よし、それなら任せろ」
( ><)「でもここじゃわかんないんです。町に戻って本を読んだりしないと調べられないんです」
( ´_ゝ`)「何、心配無用だ。これを持ってきていて本当に良かったな」
兄者はここまでずっと抱えていた二つ折りの板を地面に置いた。そしてそれを開いてその上に手を載せたのである。
/ ̄ ̄ ̄ ̄/
__ / /
\/____/
( ´_ゝ`)「起動せよ!」
兄者がそう唱えると、開いた板の内側の面が青白く輝き始めた。そしてそこに無数の文字が浮かび上がったのである。
(;><)「こ、これは何なんですか? わかんないんです!」
( ´_ゝ`)「我がが流石家に伝わりし家宝、『情報の箱』だ」
(;><)「どう見ても箱じゃなくて板なんです!」
- 119 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:15:27.44 ID:Q6bCpgJaO
- 支援
- 120 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:15:58.90 ID:Q6bCpgJaO
- 支援
- 121 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 22:16:26.71 ID:yxl5aI4W0
- ( ´_ゝ`)「箱と言ったら箱なのだ!」
(´<_` )「そういう事を言っている場合では無いだろ!
それはともかく、この箱は流石家の屋敷に所蔵されている書物の内容を引き出して映し出す事ができるものなのだ」
( ><)「あの家にある本全部なんですか?」
( ´_ゝ`)「ああ。君を通した部屋の他に4つある書斎と、地下の書庫に収められている5000冊以上の蔵書の全て。
それらを離れた所にいても知る事ができるのだ」
(;><)「ご、ごせん……」
( ´_ゝ`)「更に調べたい内容を入力する事で、それに相応しいと思われる本のみを選んで映してくれるのだ」
兄者は板を操作して、わかんないんですが知りたいと言った事をその板へと伝えた。
光っている面はしばらく点滅した後に、本の1ページと思しきものをそこに映したのであった。
( ´_ゝ`)「わかんないんで君、ここに君の知りたい事は書かれているか?」
( ><)「えーっと……」
わかんないんいですは光る面を見つめ、そこに書かれている文字を端から読んでいった。
そしてある一文を目にした時、その顔がぱっと明るくなったのであった。
( ><)「あっ、これなんです!」
わかんないんですは兄者から離れると精霊の前へと移動した。
- 122 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:16:28.98 ID:P2aYZ3Cq0
- さる?
- 123 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:18:31.37 ID:adZ7NELT0
- sien
- 124 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:19:00.89 ID:u2Ia8I+e0
- そうさせない為にも支援支援
- 125 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 22:19:59.41 ID:yxl5aI4W0
- ( ><)「精霊さん、答えが判ったんです!」
(´・ω・`)「そうかい。じゃあ『光が見えぬ時』を選んで貰えるかな?」
( ><)「はいなんです!」
わかんないんですは指をすっと伸ばし、宙に浮く6つの絵の中の一つを指し示した。
( ><)「これなんです!」
(´・ω・`)「ほうほう……」
精霊はうんうんとうなずくと、更にこう言った。
(´・ω・`)「ではそれを選んだ理由を聞かせてもらって良いかな?」
( ><)「それはですね……」
- 126 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:21:53.65 ID:P2aYZ3Cq0
- wktk
- 127 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:22:30.95 ID:Q6bCpgJaO
- 支援
- 128 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:23:07.83 ID:d8xT2g2E0
- wktk
- 129 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 22:23:59.36 ID:yxl5aI4W0
- ( <●><●>) さてここで恒例の解説をさせていただきます
(U )つ
u u
〇_〇 \|/ ______
=ニニフ (・(ェ)・ ) _| ̄|○ ─〇─ ├┼┼┼┼┼┤ /^o^\
/|\
( <●><●>)これの中から「光が見えぬ時」を選ぶと言うのが前回出された問題でしたね
『「全てが見える時」と問われたらならば _| ̄|○ を選ぶのが正しい』
これが私の鍵の出したヒントでした
- 130 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:25:00.47 ID:u2Ia8I+e0
- ktkr
- 131 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:25:35.38 ID:P2aYZ3Cq0
- アッー!そういうことか!
- 132 名前:うんこ ◆8CxA9xwU4w :2007/03/06(火) 22:27:15.05 ID:pyAPEUnB0
- /^o^\
↑これじゃね>
- 133 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 22:27:48.71 ID:yxl5aI4W0
- ( <●><●>)
さてそもそも問われている『光が見えぬ時』『全てが見える時』とはいったい何の事をさしているのでしょうか……
皆さんここで少し戻って、わかんないんですさんが謎を解く糸口を掴んだシーンをご覧下さい
>そこで改めて夜空を見上げた瞬間、強い光がわかんないんですの目に突き刺さってきた。
>
>( ><)「わっ! 眩しいんです!」
>
>わかんないんですは一度目を瞑ってから、またそろそろとまぶたを開いてみた。
>そして強い光を出すものの正体をしっかりとその目で捉えたのであった。
>
>( ><)「こうして見るとあれもとても明るいんですねえ……」
>
>その時、わかんないんですの頭の中にある一つの考えが浮かんだ。
どうやらわかんないんですさんは夜空にあるものを見て何かを閃いたようです
夜空にある、強い光を放つ、光が見えぬ時と全てが見えぬ時があるもの……といえば何の事かはおわかりですね?
それずばり『月』です
- 134 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 22:31:23.92 ID:yxl5aI4W0
- ( <●><●>)つまり『光が見えぬ時』とは新月 『全てが見える時』とは満月の事を指しているのです
『「全てが見える時」と問われたらならば _| ̄|○ を選ぶのが正しい』
と言う事はこのヒントに寄れば _| ̄|○=満月 と言う事になります しかしこれの何処が満月を表してしているのでしょうか?
( <●><●>)
皆さん「望月」(もちづき)と言う言葉を聞いた事はありませんか? かの藤原道長の詠んだ和歌の中にもこの言葉が出て来ますね
辞書を引いてもらえればすぐに判ると思いますが、これは「満月」と言う意味です
単に「望」だけでも「満月」の意味を表します
望=ぼう=棒=棒人間……つまり _| ̄|○(棒人間)の「ぼう」の読みが「望」、即ち満月を表しているのです
( <●><●>)え? ただの駄洒落だろって? ウボァー
- 135 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 22:34:48.36 ID:yxl5aI4W0
- ( <●><●>)では問題の方に戻りましょう
〇_〇 \|/ ______
=ニニフ (・(ェ)・ ) _| ̄|○ ─〇─ ├┼┼┼┼┼┤ /^o^\
/|\
この中から光が見えぬ時、つまり新月を表すものを選べば宜しいのです
( <●><●>)
満月を「望」と言うように、新月にも特殊な呼び方があります
それを「朔」(さく)と言います
詩人・萩原朔太郎の名は、彼が一日・旧暦では新月になる日・朔日に生まれたからだそうです
そしてこの6つの絵の中で「さく」と言えば……
______
├┼┼┼┼┼┤
( <●><●>)5番目のフェンスの絵 即ち「柵」の絵です
それでは、物語の続きをお楽しみください
- 136 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:36:08.23 ID:YNLwTwUP0
- http://www.orange-mushroom.com/qvga/
- 137 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:37:14.82 ID:u2Ia8I+e0
- 解る訳がヌェーwww
悔しいのにイラつかねえのは何故だwww
- 138 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 22:38:24.73 ID:yxl5aI4W0
- ( ><)「……だから僕はこの柵の絵を選んだんです!」
わかんないんですは精霊の顔をじっと見つめた。
精霊はその眉の下がったどことなく切なげな表情を崩さず、じっとわかんないんですと向き合い、睨みあっていた。
(´・ω・`)「お見事だね、正解だよ」
精霊がそう言った瞬間、はり詰めていた空気はぱっと解けたのであった。
( ><)「やったなんです!」
(´<_` )「まさか本当に解いてしまったとは……」
( ´_ゝ`)「これは流石としか言いようがないな」
(´・ω・`)「さあ、川の水を汲むといい」
精霊は三人の前からさっとどいて道を開けた。わかんないんですが前に進むと今度は壁に邪魔される事無く川へと近寄る事が出来た。
その後に兄者と弟者が続き、弟者は鞄に仕舞っていた空き瓶をわかんないんですに手渡した。
わかんないんですは川の水をその瓶に詰めると、しっかりと蓋を閉めたのであった。
( ><)「これで世界樹の島に行く事ができるんです!」
そしてそれを丁寧に布で包んで自分の鞄にしまったのであった。
( ><)「兄者さん、弟者さん、本当にありがとうなんです!」
- 139 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:38:57.26 ID:1eJh5De6O
- チクショウ!そういうことか!
- 140 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:39:57.58 ID:P2aYZ3Cq0
- わかったっていったのに間違ってたwww恥ずかしいwww
- 141 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:40:32.05 ID:Q6bCpgJaO
- ああああああそういうことか
昨日某ゲームで気になったから調べたばっかりだったのに………
- 142 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:41:53.28 ID:tP/NcMnBO
- 頭が悪かった訳じゃない!
知識がなかっただけだ畜生!
- 143 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 22:43:04.62 ID:yxl5aI4W0
- ( ´_ゝ`)「なあに、礼には及ばないさ。おかげで俺達も貴重な体験が出来た事だしな」
(´<_` )「それに精霊の出した問題を解いたのは君自身だ」
( ><)「でもお二人に会わなかったら世界樹の島へ行く事は出来なかったんです。それに問題を解けたのも情報の箱のお陰なんです」
わかんないんですが水を手に入れられた事に喜んでいるその横で、弟者は川の精霊に近寄ってこう問い掛けた。
(´<_` )「ところで精霊よ、何故俺達にあのような問題を出したのだ?」
(´・ω・`)「あれ? 最初に言わなかったっけ?」
(´<_` )「俺達を試す為と言っていたな……しかしどうにも腑に落ちないのだ」
(´・ω・`)「何がだい?」
(´<_` )「あの問題を解くには月齢の特殊な呼び方と言う知識が無ければならなかっただろう?
俺達に知恵があるかどうかを試したのかもしれないが、知恵と言ってもその種類は千差万別だ。
数式は解けるが地理は判らないと言う者もいるだろう」
(´・ω・`)「うんうん、そうだよね」
(´<_` )「あの問題では特定の知識を持っているかが問われる事になり、知恵ある者かどうかを試すものでは無い。
そんな問題で本当に俺達を試した事になっているのか?
或いは特定の知識の有無で水を得る資格があるかどうかを判定するのか?」
(´・ω・`)「ふむふむ、なかなか鋭い指摘だね」
精霊は弟者の意見を聞いて深くうなずいた。そしてこう返事をした。
- 144 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:45:04.62 ID:u2Ia8I+e0
- 今更だけどこういうショボンってなんか新鮮だな
- 145 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 22:46:31.08 ID:yxl5aI4W0
- (´・ω・`)「君の言う通り、あの問題は知識を試すものでは無いんだ」
(´<_` )「では一体俺達の何を試したんだ?」
(´・ω・`)「最初に言っただろう? 『覚悟』だよ」
(´<_` )「最初に……そう言えばそんな事を言っていたような……」
(´・ω・`)「良ければ復唱しようか?」
(´<_`;)「いや、それは別にいい」
そこへ兄者がさっと二人の間に割り込んできた。
( ´_ゝ`)「いや是非復唱を頼む。俺は聞いていないんだ」
(´・ω・`)「やあ、ようこそ、ウプキボン川へ」
(´<_` #)「兄者! 手間取らせるんじゃない!」
(´・ω・`)「(中略)でも、ここへ来ようと思ったとき、君は、きっと言葉では言い表せない「覚悟」みたいなものを決めていたんだと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを本物かどうか知りたい そう思って、この場所へ現れたんだ」
精霊は兄者の頼みに応えて、律儀に最後まで復唱していた。
(´<_` )「……覚悟が知りたい?」
(´・ω・`)「そう。君たちの覚悟をね」
( ´_ゝ`)「覚悟なら決めていたさ。酸欠で倒れるかも知れないとか……」
- 146 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:46:45.91 ID:P2aYZ3Cq0
- >>144
そういえば最近ksmsなショボンを見ない気がするなぁ
- 147 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:48:13.06 ID:Rbx1MkglO
- >>144そうか?ハマり役だと思うが。
新鮮では無いかな……
そんなことよりwktkだ
- 148 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 22:51:06.58 ID:yxl5aI4W0
- (´・ω・`)「そんなものでは無いよ。山に登れば酸欠になるかもしれないと言う予測なら誰にでも出来るだろう?
しかし僕が現れるという事は流石に判らなかったんじゃないかな」
( ><)「確かにそうなんです。吃驚したんです」
(´・ω・`)「そう、何かに挑む時には想定外の何かが起こる可能性がある。
確実に安全だと判っている道を行く時には必要のない『何があっても進み続ける』覚悟が必要なんだ」
(´<_` )「ふむ……」
( ><)「ふむふむなんです」
(´・ω・`)「強い力を持ったウプキボン川の水を使えば、それこそどんな事が起こるかは予測が出来ない。
どんな事が起ころうと、全てを放棄する事無く対処して行く覚悟。それが無ければ水を渡す訳には行かなかったんだ」
その時、それまで変わらなかった精霊の表情が変化した。頼りなさげな顔から一転し、覇気の溢れる力強い顔になったのである。
(`・ω・´)「しかし君たちは、僕の出した問題と言う想定外の出来事に対して、諦める事無く挑み続け、そして見事に解く事が出来た」
(´<_` )「……だから俺達には覚悟があると判断したと言う訳か?」
(`・ω・´)「うむっ! 君たちは問題を解く事以外の解決法を考えたり、執拗にヒントを求めてくる事も無かった。
逃げる事無く自分の力でやり遂げたのだ」
( ´_ゝ`)「ところで、もしも俺達がたまたま月の呼び方の事を知っていて、この問題をすぐに解いてしまったらどうしていたんだ?」
(`・ω・´)「そしたら別の課題を出していただけさ!」
- 149 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 22:54:29.94 ID:yxl5aI4W0
- そして精霊の眉が下がり、再び元の表情に戻ったのであった。
(´・ω・`)「さあ、もうすっかり暗くなってしまった事だし、山を降りると良いよ」
(´<_` )「……しかし降りると言っても……」
月が出ているとはいえ、辺りは深い闇に包まれていて灯りがなくては数メートル先も見えなかった。
その上冷たい風が肌に吹き付けては体温と体力を奪っていくのである。
途中で野生動物に襲われる可能性も大きく、何より降りるのにどれだか時間がかかるか判らなかったのである。
(;><)「お腹が減ってそれ所じゃないんです……」
(;´_ゝ`)「この状況で移動するのは危険だぞ」
(´<_`;)「頑張れば朝日が昇るまでには下山できるだろうが、夜通し歩き続ける訳にもいかない」
(´・ω・`)「そうだよね。じゃあちょっとサービスしてあげよう」
精霊は川のすぐ傍まで移動すると、手招きをして三人をそちらへ呼び寄せた。
三人は不思議に思いながらも、それに従って川の傍までやってきた。
(´・ω・`)「いくよー、えいっ!」
精霊が突然姿を消した。と思った次の瞬間、精霊は三人の背後に立っていた。
そして両手を勢いよく突き出して、三人を川へと押し出したのである。
- 150 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:55:19.96 ID:u2Ia8I+e0
- >>146
短編になら結構でてたと思うんだぜ
>>147
大抵はバーのマスターか友人ポジションな気がしただけだぜよ
>>149
ちょwwwwwwwショボwwwww
- 151 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:56:45.32 ID:yV1a+EE70
- 呼んでいる〜
- 152 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 22:58:06.28 ID:yxl5aI4W0
- ( ´_ゝ`)「えっ?」
(´<_`;)「あれ?」
(;><)「きゃあああああなんです!」
しかし三人が水面に落ちるその直前、川の水の一部が持ち上がり、三人の周囲を取り囲んだ。
(´・ω・`)「そのまま川に流されていけば、すぐにふもとにつくよ」
そのまま水は球状に変化して三人を包み込み、シャボン玉のようになった。そして流れる水から三人を守っているのであった
(´・ω・`)「それじゃあ、お元気で」
水の膜に包まれた三人は、そのまま川に流されてどんどん下流へと下っていった。
精霊がこちらに向かって手を振っていたが、それもあっという間に見えなくなってしまったのであった。
( ><)ノシ「精霊さん、さようならなんですー」
(´<_` )「これは速いな、すぐに帰れそうだ」
( ´_ゝ`)「うむ、少し冷たいがな……」
- 153 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:58:18.78 ID:d8xT2g2E0
- wktk
- 154 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 22:59:36.50 ID:1UfKokTJ0
- あれ?水汲んでなくね?
- 155 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 23:01:29.97 ID:1eJh5De6O
- >>154 >>138
- 156 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 23:01:53.52 ID:yxl5aI4W0
- 一方川辺で三人を見送っていた精霊は、後ろを振り返らずにそこにいる者に声をかけた。
(´・ω・`)「ところで、さっきからそこでこそこそしている君、そろそろ出てきても良いんじゃないかな」
その呼びかけに驚いたものの、ニダーはずっと隠れていた木陰からようやく姿を現した。
<丶`∀´>「精霊さま、ウリにも川の水を分けて下さいニダ。お願いしますニダ」
そして精霊に近寄るなり、手をすり合わせて揉みながら願い始めたのであった。
(´・ω・`)「ふうむ、それじゃあ僕の出す問題に答えられたら、川の水を汲んでも良いよ。出来なかったら諦めて欲しい」
<丶`∀´>(ホルホル。問題も答えもさっき全部聞いたニダ。これで水はウリのものニダ!)
ニダーが胸を躍らせながら精霊が問題を出してくれるのを待っていた。精霊は先程と同じ様にぱちんと指をならし、空中に文字を出現させた。
『ゼロが2に勝つ 張り手が拳骨に勝つ 刃物は何に勝つ?』
<丶`∀´>「……ニダ?」
そこに現れたのは、先程とは違う問題であった。
<# `∀´>「さっきと問題が違うニダ! 可笑しいニダ!」
(´・ω・`)「なんだい、折角君のレベルに合わせてあげたと言うのに」
<# `∀´>「それはどう言う意味ニカ!? ファビョーン!!!」
- 157 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 23:02:00.30 ID:u2Ia8I+e0
- >>154
>>138
- 158 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 23:04:19.51 ID:P2aYZ3Cq0
- ひでぇww
- 159 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 23:04:39.28 ID:d8xT2g2E0
- レベル低いなww
- 160 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 23:05:01.33 ID:WmB42P120
- やべwwwwwwわかんねwwwwwwwww
- 161 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 23:05:13.95 ID:1UfKokTJ0
- >>157
アッー!りがとう
- 162 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 23:05:30.10 ID:yxl5aI4W0
- 一方、わかんないんですと流石兄弟三人は川の流れにのってフーンの街へと向かっていた。
( ´_ゝ`)「なあ弟者よ」
(´<_` )「どうした兄者よ」
( ´_ゝ`)「先程から大きな音と地響きを感じているだが、その発生源はこの先だと思われるのだ」
(´<_` )「ああ。そしてそれは俺達にとって悪い結果をもたらすものであると、俺は思っているぞ」
( ´_ゝ`)「奇遇だな、俺もだ」
そこへわかんないんですが横から話し掛けてきた。
( ><)「あの、お話の途中ごめんなさいなんです」
(´<_` )「ああすまん、どうした?」
( ><)「お二人に訊きたい事があるんですけど……」
( ´_ゝ`)「何でも言ってみろ」
( ><)「昨日兄者さんは、研究の内容は人に教えない事にしているって言っていたんです。
でもどうして僕には教えてくれたんですか? わかんないんです」
( ´_ゝ`)「ああ……」
兄弟は一度顔を見合わせると、改めてわかんないんですと向きあって質問に答えた。
- 163 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 23:08:55.00 ID:Etfl53lRO
- wktk
- 164 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 23:09:05.82 ID:yxl5aI4W0
- ( ´_ゝ`)「以前はそうでもなかったのだ。訪ねて来た者には快く教えていたのだが、それがだんだん嫌になってきたな」
(´<_` )「世界樹に付いてはまだまだ未解明な部分も多く、俺達も判らない事が山ほどあるのだ」
( ´_ゝ`)「しかし尋ねられた事に俺達が答えられないと、訊いてきた者は俺達をその程度のものかと馬鹿にした……」
( ><)「嫌な事があったんですね……」
( ´_ゝ`)「確かにまだ判らない事も多いが、少なくとも俺達に尋ねなければ知りえなかった情報も数多く教えてきた。
しかし無礼な態度を取るものが後を絶たなかった」
(´<_` )「俺達はそれこそ血の滲むような苦労を重ね、長い時間をかけた研究してきた。
それなのに、お前たちの研究なんてそんなものかと、馬鹿にされた……」
( ´_ゝ`)「自分は何の苦労もせずに結果だけを楽に手に入れているくせに、な」
それは辛く重い話であった。聞いているわかんないんですも思わず胸が痛くなってしまった。
( ´_ゝ`)「自分は何もしないくせに、結果だけ知りたがる。そんな奴らが嫌になって、俺達は研究の内容を教えない事にしたのだ」
(´<_` )「教えて欲しいと言う者が来た時には質問をして、その者が自ら知る努力をしているかどうかを試す事にしている」
( ><)「そう言えば僕にもそんな事訊いていたんです」
- 165 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 23:12:25.19 ID:yxl5aI4W0
- ( ´_ゝ`)「しかし君はあの地図と言う大変貴重なものを自分の力で手に入れていた。
そして俺達から話を聞く事より約束を守る事を優先し、何よりもそれでも目的を諦めようとはしなかった」
(´<_` )「俺としては少し不服だったがな……ニダーさんの所為で少し苛立っていたのもあるが」
( ´_ゝ`)「だが、そんな君にこそ俺達の研究を活かして貰いたいと思ったのだよ」
兄者はわかんないんですの手を取り、ぎゅっと力をいれて握り締めた。
( ´_ゝ`)「世界樹に辿り着いてくれ、そして俺達の研究の成果を証明してくれ!」
( ><)「わかんな……わかったんです!」
(´<_` )「俺達がいつでも応援しているぞ!」
わかんないんですもまた兄者に手をしっかりと握り返した。
- 166 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 23:16:03.52 ID:Q6bCpgJaO
- 支援
- 167 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 23:16:15.55 ID:yxl5aI4W0
- (´<_` )「ところで兄者よ。先程からの音と地響きが大きくなっているようなのだが」
( ´_ゝ`)「それが発生している地点に近付いているのだからな。当然だろう」
自分達を包んでいる水を伝って、三人は地面や空気が大きく震えているのを感じ取った。
そして川の流れの先からドドドドと言う大きな音が、激しい流水音が聞こえてきたのである。
(;><)「あ、ああ……」
(´<_` )「どうする兄者よ?」
( ´_ゝ`)「ここから出る事も出来ないし、下手に騒がずじっとしているのが一番だろう」
(´<_` )「把握した」
わかんないんですは、我が身に迫っている危険を目の当たりにしてすっかり腰が抜けてしまった。
(;><)「こっこここここのままだと滝に落ちちゃうんです!」
川幅も大分広くなり、流れもやや落ち着いた所ではあるが、物凄い勢いで水が落ちているのが感じられた。
その音と水量からして、巻き込まれたらただでは済まないであろうという事が容易に予測できたのであった。
(´<_` )「川の精霊はこうなる事をわかっていたのだろうか」
( ´_ゝ`)「わかっていてくれた事を願おう弟者よ」
(;><)「いやああああああああああなんですううううううううう!」
わかんないんですはそこで気を失ってしまった。
- 168 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 23:17:12.29 ID:d8xT2g2E0
- わかんないんです可愛いww
- 169 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 23:21:29.21 ID:yxl5aI4W0
- わかんないんですが目を覚ました時には、三人はかなり町に近いところまで流されていて、無事に屋敷に戻る事が出来た。
この三人が水の膜に包まれて川を下っている様子が何人かの登山者に目撃されてしまい、
しばらくの間フーンの町はその話題で持ちきりになったのであった。
( ´_ゝ`)「色々と大変だったな……しかし無事に戻ってくる事が出来てよかったな」
(´<_` )「短い間だったが、いい経験をさせてもらったよ。ありがとう」
( ´_ゝ`)「次は大陸では世界樹に一番近いハニャーン港まで行くといい。
そこでは世界樹の伝説も数多く残されていて、きっと役に立つ情報が得られる筈だ」
( ><)「わかんな……わかったんです! ありがとう御座いましたなんです!」
わかんないんですは兄弟に見送られて、ウプキボン川の水と共にフーンの町を出発したのであった。
さてその後、町は新たな事件が発生し、またしばらくの間はその話題で持ちきりになっていた。
えらの張った顔をした男の旅人が、ウプキボン川で溺れて浮かんでいたのだと言う……
第八話 終
- 170 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/06(火) 23:23:06.00 ID:yxl5aI4W0
- ( <●><●>) 本日の投下はここまでです
(U )つ ちなみにニダーに出された問題の答えですが…まあ簡単に解ける事でしょう
u u
次回の投下は明日の22時頃を予定しております
ちなみに>>90あたりで指摘された文末表現に付いてですが
「〜する」と言う表現は主に一人称(主観)で使うのに適していて、この作品の三人称視点(客観)では「〜た」の方が相応しいと感じたからです
元々日本語の文末表現は明治以降に発達してきたものなので、どれが読みやすいかとか適しているかと言う事はまだまだ研究の余地があるようです
- 171 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 23:24:04.82 ID:d8xT2g2E0
- 乙っした!
- 172 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 23:25:45.61 ID:Etfl53lRO
- ニダーww
乙!
- 173 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 23:27:35.80 ID:u2Ia8I+e0
- 昔話の良いじいさんと悪いじいさんのようだなwwww
>>1乙!
- 174 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 23:31:01.20 ID:JPw8wYHS0
- 乙乙!!!
- 175 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 23:33:33.85 ID:Q6bCpgJaO
- 乙!
ニダーどざえもんwwwwwwww
精霊やフーンの言ってることが深いな
- 176 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 23:49:14.39 ID:yV1a+EE70
- 乙
- 177 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 23:52:33.18 ID:1eJh5De6O
- 乙!
- 178 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/06(火) 23:53:29.31 ID:Rbx1MkglO
- 乙!!
- 179 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 00:32:24.10 ID:UOu2Fz0SO
- 保守
- 180 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 00:32:28.77 ID:Fehw8Ycn0
- 乙!!
- 181 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 01:15:35.05 ID:jrJJF9uKO
- ( ^^ω)
- 182 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 01:51:13.28 ID:x2oxps6CO
- 超乙
本当に和むなぁ…続きwktkしてます
- 183 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 02:00:08.63 ID:Wtf/X8buO
- 乙。
ニダーはわかんないんですから奪ったウーピールーピーを瞬く間に使い切ったのかw
- 184 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 02:23:13.68 ID:x2oxps6CO
- ほ
- 185 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 03:06:14.29 ID:jrJJF9uKO
- 保守
もう限界zZzZ
- 186 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 03:19:11.12 ID:UOu2Fz0SO
- 保守
- 187 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 05:27:57.86 ID:oENVPj/FO
- ほ
- 188 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 06:26:11.67 ID:5QeNUtl/O
- ほ
- 189 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 07:19:39.26 ID:oorQbLkb0
- し
- 190 名前:うんこ ◆8CxA9xwU4w :2007/03/07(水) 07:19:51.29 ID:nWfKO+QO0
- の
- 191 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 07:49:43.72 ID:jrJJF9uKO
- せ
- 192 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 08:28:14.60 ID:W0fZTYV3O
- ん
- 193 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 10:03:45.38 ID:x2oxps6CO
- い
- 194 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 10:48:22.90 ID:5QeNUtl/O
- ほ
- 195 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 11:46:01.82 ID:NSky3JLgO
- ほ
- 196 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 12:30:45.69 ID:o/YLyI0T0
- に
- 197 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 13:32:52.42 ID:jrJJF9uKO
- タマホーム
- 198 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 14:33:54.00 ID:x2oxps6CO
- ほ
- 199 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 15:44:12.11 ID:jrJJF9uKO
- も
- 200 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 16:35:55.44 ID:x2oxps6CO
- ほ
- 201 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 17:01:08.83 ID:y+ZdifXI0
- も
- 202 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 17:08:16.61 ID:jrJJF9uKO
- さ
- 203 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 17:52:22.73 ID:jrJJF9uKO
- ぴ
- 204 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 18:45:51.63 ID:UOu2Fz0SO
- え
- 205 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 18:52:43.46 ID:6Rrcg9jC0
- ん
- 206 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 19:28:55.28 ID:rLytiT+G0
- す
- 207 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 20:24:37.67 ID:x2oxps6CO
- 人類完成保守
- 208 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 20:58:55.83 ID:UOu2Fz0SO
- 保守
- 209 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 21:58:27.58 ID:UOu2Fz0SO
- 保守
- 210 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 22:06:12.18 ID:OXPfUUgE0
- 保守してくださった皆様、お待たせしました これより第九話を投下します
- 211 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 22:07:12.59 ID:I4Pk4RPcO
- わくてか
- 212 名前:Hクマ ◆HKUMAyme82 :2007/03/07(水) 22:07:20.19 ID:Qa8zhshR0
- ┏/ >>>>ゝヽ'人∧━∧从〈〈〈〈 ヽ.━┓。
┏┓ ┏━━┓ < ゝ{ ⊂>’ 、 ' 〃Ν ; 〈⊃ }..ゝ '┃. ┏┓┏┓┏┓
┏┛┗┓┃┏┓┃ ∇ | | ∩___∩ | | .〆 ,┃ / ┃┃┃┃┃┃
┗┓┏┛┃┗┛┃┏━ ┠| | . | ノ ヽ.! !'´; ┨゚━━┓┃┃┃┃┃┃
┏┛┗┓┃┏┓┃┃。冫▽ヽ \/ ● ● | / ▽┃< ゚ ┃┃┃┃┃┃┃
┗┓┏┛┗┛┃┃┗━ ┃ \ | ( _●_) ミ/ て く、 ━━┛┗┛┗┛┗┛
┃┃ ┃┃ ┠─ムヽ 彡、 |∪| / .┼ ァ Ζ┨ ミo'’` ┏┓┏┓┏┓
┗┛ ┗┛ 。、゚`。、 iヽ ヽノ / 、'’ × 个o ┗┛┗┛┗┛
○ .┃ `、,~´+√ ▽ ',!ヽ.◇ ; o┃
. ┗〆━┷ Z,.' /┷━.''o ヾo┷+\━┛,゛;
- 213 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 22:07:44.45 ID:mGQdHomn0
- キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_-)=゚ω゚)ノヨォ━━━!!!!
待ってました!wktk!
- 214 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 22:07:54.14 ID:1YutrtgXO
- ワクワクギトギト
- 215 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 22:09:52.72 ID:OXPfUUgE0
- 第九話『ハニャーン港/謎掛け編・上』
大陸最北に位置する港町。ここでは他の地域とは比べ物にならない程気温の低下が激しくなっていた。
ξ゚听)ξ「ふうう……そろそろ雪が降るんじゃないかしら」
少女は手袋をはめた両手をあわせてぎゅっと握りながら、大通りを歩いていた。
/ ,' 3 「やあお嬢ちゃん、雪が振るのは明日の夜じゃよ」
少女の呟きを聞いた一人の老人が、テーブルの上に並べたカードを見ながらそう話し掛けた。それを聞いた少女は老人の方へ振り返った。
そこにはトタン板で作られた簡単なひさしの下にテーブルが置かれただけの、小さな露店が開かれていた。
ξ゚听)ξ「それ本当なの……?」
/ ,' 3 「わしの占いはよく当たるんじゃ。間違いない」
ξ゚听)ξ「よく当たるって事は、外れる時もあるんでしょ。全く占いだなんて、ばかばかしい」
少女は首を回してぷいっとそっぽを向いた。
/ ,' 3 「ふむ……大抵の女の子は占いが好きだと言うのにのう。変わった子じゃな」
ξ゚听)ξ「そんなのただカードを適当に並べているだけじゃない。そんな事で運命が判ってたまりますかっての」
/ ,' 3 「む、これは厳しいお言葉」
ξ゚听)ξ「じゃあねおじいさん。そんな下らない事やってる暇があったら、温かい服でも買いなさいよ。風邪引いちゃっても知らないんだから」
皮肉なのか気遣っているの判らない台詞を残し、少女はその場から歩き去って行った。
- 216 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 22:13:50.17 ID:OXPfUUgE0
- 少女は勤め先である酒場に行くと、制服に着替えて早速仕事を始めた。
ξ゚听)ξ「いらっしゃいませー」
寒さが厳しくなっていくこの季節、風除け欲しさと酒でも飲んで温まりたいと言う気持ちが高まるからなのか、酒場は満員になっていた。
少女は店内を駆け回って注文の品を運び、新たにやってきた客に挨拶をしていくのであった。
ξ゚听)ξ「お待たせしました。ビールとポテトお持ちしました」
_
( ゚∀゚)「おう!さんきゅーさんきゅー!」
男性客は少女からビールを受け取ると一気に飲み干した。
_
( ゚∀゚)「うひゃーっ、うめーっ!」
そしてカウンターに戻ろうとする少女のスカートの端を掴んで引き止めたのだった。
ξ゚听)ξ「きゃっ!」
_
( ゚∀゚)「なあなあ嬢ちゃん嬢ちゃん!」
ξ゚听)ξ「な、なんで御座いましょう、お客様」
_
( ゚∀゚)「ちょっとおっぱい触らせて!」
ξ*゚听)ξ「ハァ……? あのうちはそういうお店ではありませんが」
_
( ゚∀゚)「いいジャンいいじゃん。ちょっとおっぱい触られたからって死ぬわけじゃあるまいし」
客は片手を大きく振り上げ、節をつけて大声で叫び始めたのだった。
- 217 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 22:16:32.65 ID:UOu2Fz0SO
- wktk
- 218 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 22:17:12.33 ID:mGQdHomn0
- おっぱいキ…(-_-)キ(_- )キ!(- )
- 219 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 22:17:17.52 ID:gt9o663F0
- おっぱい!お…いや、なんでもない、しえ
- 220 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 22:17:30.95 ID:OXPfUUgE0
- _
( ゚∀゚)o彡゜「おっぱい! おっぱい!」
ξ゚听)ξ「お静かにお願いします。他のお客様の迷惑になり……」
_
( ゚∀゚)o彡゜「おっぱい! おっぱい! おっぱい! 触らせて〜!」
客は少女の言葉を無視し、尚も騒ぎ続けた。そしておもむろに席から立ち上がると、少女の方へ迫ってきたのであった。
_
( ゚∀゚)o彡゜「おっぱい! おっぱい!」
ξ゚听)ξ「お、お客様……」
_
( ゚∀゚)o彡゜「おっぱい! おっぱい!」
ξ#゚听)ξ「止めて下さいってんだよ!!」
少女は大きな声をだし、近寄ってくる客の手を平手で払い落とした。
ξ;゚听)ξ「あっ、しまっ、申し訳あり……」
_
( #゚∀゚)「……っ……痛え……何すんだよ!」
しかし次の瞬間少女の行動に逆ギレした客は、少女に向かって突進してきたのであった。
_
Σ三三( #゚∀゚)o彡゜「おっぱい! おっぱいぃぃぃぃぃ!」
ξ;゚听)ξ「うわっ……きゃああああああ!」
少女が壁際に追い詰められて客から逃げる術を失ったその瞬間、彼女の前に小さな影がさっと現れたのであった。
- 221 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 22:20:57.30 ID:OXPfUUgE0
- (;><)「やっ、ややややややめるんです!」
少年が目の前に立ち塞がったのを見て、客はその足の動きをぴたりと止めた。
_
( #゚∀゚)「何だよこのガキ。そこをどけよ」
(;><)「そんな事出来ないんです、ウエイトレスさんが困っているんです」
_
( #゚∀゚)「良いからどけってんだよ! 俺はねーちゃんがおっぱい揉ましてくれればそれで良いんだよ!」
(;><)「女の子にえっちな事言ったらいけないって、わかってますちゃんが言っていたんです」
_
( #゚∀゚)「うるせえ! おっぱい! おっぱいぃぃぃぃぃ!」
客は手を大きく振り上げ、わかんないんです目掛けて振り下ろした。同時にパアンという乾いた音が店内に響き渡った。
(#)><)「ううっ……」
わかんないんですの頬には客の手形が赤くくっきりと残されていた。その様を見た少女はわかんないんですに駆け寄って声をかけた。
ξ;゚听)ξ「ねえ、あんた大丈夫なの?」
(#)><)「とっても痛いんです……」
頬を腫らしたわかんないんですの姿を見て少女は激しい怒りを感じた。そしてわかんないんですの前に移動すると、客を鋭く睨みつけた。
- 222 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 22:24:41.97 ID:OXPfUUgE0
- ξ#゚听)ξ「あんた、こんな小さい子に手を上げるなんて何考えてるの! 最低!」
_
( #゚∀゚)「おっぱいを妨げる者はなんびとたりとも容赦はしない! それが俺のジャスティス!」
ξ*゚Д゚*)ξ「どのへんがジャスティスだコルァ! 叩きのめしたらぁ!」
少女が拳を強く握り締めた、その次の瞬間の事であった。
白い大きな影が颯爽と彼女の目の前をすり抜けたのである。
ΣΣΣ====⊂二二二( ^ω^)二⊃「必殺! ブーンラリアットだお!」
白い肌と人並み以上の横幅を持つ男が両腕を広げて走り、ひじを客の顔面にぶち当てたのである。
_
( ∀ )「………ウボァー」
客は意識を失い、派手な音を立ててその場に倒れたのであった。
(#)><)「……ぶ、ブーンさん?」
ξ゚听)ξ「……えっ?」
- 223 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 22:27:43.75 ID:UOu2Fz0SO
- 支援
ブーン生きてたのか
- 224 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 22:28:12.84 ID:OXPfUUgE0
- そこにいたのは紛れも無くわかんないんですがモテナイ村で出会った男であった。
一連の様子を見ていた酒場の客たちはブーンの華麗な体術を見て拍手と声援を送り始めた。
呆然としているわかんないんですと少女の前に、ブーンはつかつかと歩み寄ってきた。
( ^ω^)「二人とも、大丈夫かお?」
(#)><)「僕は見ての通りなんです……」
( ^ω^)「まったく、とんだ災難だったお」
ブーンは懐から小さな袋を取り出し、わかんないんですの目の前に差し出した。
( ^ω^)「傷によく効く木の実が入っているお。これを茹でて皮剥いて、絞り汁を塗るといいお」
(#)><)「ううっ……ありがとうなんです。また助けられちゃったなんです」
( ^ω^)「君だって女の子を助けたんだお、とっても立派だったお」
そしてブーンは次に少女のほうへ向き直った。
( ^ω^)「お嬢さんは大丈夫ですかお?」
ξ゚听)ξ「あ……え……ああはい、あたしは平気」
( ^ω^)「それは良かったお」
少女の無事を確認するとブーンは倒れている客の襟首を掴み上げ、片手でひょいとその体を持ち上げた。
( ^ω^)「じゃあ僕はこれで失礼するお。お店を騒がせてすまなかったお」
- 225 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 22:29:47.24 ID:gZzGcSu10
- ブーン再登場ww
支援
- 226 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 22:32:07.91 ID:OXPfUUgE0
- ブーンが客を担いで酒場の入り口へと歩き始めた時、少女はその背中に向かって声をかけた。
ξ゚听)ξ「ねえ……ブーン……」
( ^ω^)「おっ?」
自らの名前を呼んだ少女の声を聞き、ブーンは立ち止まって後ろを振り返った。
ξ゚听)ξ「あ、あの……やっぱなんでもな……いやなんでもないって言うか……その、ありがとう」
( ^ω^)「礼には及ばないお」
ブーンはそのまま伸びっ放しの客と共に酒場を出て行ったのであった。
ξ゚听)ξ「そんな事ある訳無いわよ……ただの偶然だわ」
少女は誰に言うでもなく、小さな声でポツリとそう呟いた。
ξ゚听)ξ(だってブーンは……)
- 227 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 22:32:20.31 ID:mGQdHomn0
- ブーンいいやつwwwwwww
- 228 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 22:35:17.26 ID:gt9o663F0
- これは…あのフラグか?
- 229 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 22:35:49.16 ID:OXPfUUgE0
- (#)><)「痛いんですううううー!」
店内に響いたわかんないんですの大きな声が少女の思考を遮り、我に返らせた。少女はすぐさまわかんないんですに話し掛けた。
ξ;゚听)ξ「ちょ、あんた本当に大丈夫? 顔凄い事になってるじゃない」
(#)><)「なんだがだんだん痛さが強くなってきたんです」
ξ゚听)ξ「ちょっと待ってて、今救急箱持って来るから」
しかしわかんないんですはその場から離れようとする少女の服の裾を掴んでその移動を止めた。
ξ゚听)ξ「ちょっと! なにすんのよ!」
(#)><)「あの、これを茹でてくださいなんです」
わかんないんですの手には先程ブーンに貰った小さな袋が握られていた。
(#)><)「これ傷に効くらしいんです。これを使ってくださいなんです」
ξ゚听)ξ「ハァ……本当に効くかどうか判らないのにそんなの使って良いの?
そんなのよりちゃんとした薬を使った方が安全に決まってるでしょ」
(#)><)「ブーンさんには前にも薬草を貰って助けられた事があるんです。だからこれもきっと効くんです」
ξ゚听)ξ「はいはい……」
- 230 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 22:37:06.39 ID:gt9o663F0
- このわかんないですは萌えるわかんないですだな。
- 231 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 22:39:27.31 ID:OXPfUUgE0
- 少女はその袋を受け取って厨房へ行き、わかんないんですに言われた通りにそれを茹でて布に包んで絞り、その汁を器に溜めた。
それを持ってわかんないんですの元に戻ると、少女は出来た薬をわかんないんですの肌に塗りつけた。
(#)><)「いたたたたた! 染みるんです!」
ξ゚听)ξ「こんな事くらいでがたがた言わないでよね。ほらっ!」
薬を塗った後わかんないんですは顔に包帯を巻き、少女に礼を述べた。
(□><)「ありがとうございますなんです」
ξ゚听)ξ「別にいいわよ、お礼なんて」
(□><)「親切にされたらお礼をしなきゃいけないってわかってますちゃんが言っていたんです。だからお礼を言うんです」
ξ゚听)ξ「はいはい、わかったわよ……ところであんた見ない顔だけど、旅の人?」
(□><)「はいなんです」
ξ゚听)ξ「ふーん……泊まる当てとかはあるの?」
(□><)「さっきここに来たばかりだからわかんないんです。これから探すんです」
少女はその話を聞きながらうんうんとうなずき、そして小さな声でこう告げた。
- 232 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 22:40:46.50 ID:kdmfS3U60
- わかんないんです純粋でかわいいなぁ・・・
てかこの作品のほのぼのとしたふいんき(ry大好き
- 233 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 22:42:54.85 ID:OXPfUUgE0
- ξ゚听)ξ「んじゃさ……良かったらあたしの家に泊まらない?」
(□><)「えっ? いいんですか?」
ξ゚听)ξ「勘違いしないでよね。寝床貸してあげるだけなんだからね」
(□><)「……勘違いって何の事なんですか? わかんないんです!」
ξ゚听)ξ「それはあの……女の子の誘いだからって……」
少女はそこまで言いかけたところで俯いてしまい、顔が真っ赤になってしまった。
ξ////)ξ「へ……変な事言わせんじゃないわよ、ばかッ!」
(□><)「え……僕はばかなんですか?」
ξ////)ξ「とにかく、泊めてあげるんだからね! 感謝しなさいよね!」
(□><)「えと……ありがとうございますなんです」
ξ////)ξ「親切にされたらお礼しなきゃいけないって言ったのはあんたなんだから、だからあたしもお礼し返すだけなんだからね。
別にあんたの事なんかなんとも思ってないんだからね」
(□><)「あっ……そうなんですか。はいなんです」
わかんないんですには結局少女の心の機微を理解する事は出来ないようであった。
- 234 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 22:43:47.07 ID:UOu2Fz0SO
- 支援
- 235 名前:Hクマ ◆HKUMAyme82 :2007/03/07(水) 22:44:23.56 ID:Qa8zhshR0
- わかんないんですは♂なのか?
- 236 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 22:46:22.96 ID:OXPfUUgE0
- 少女は夕方まで仕事があるので、その間わかんないんですは町を見て回る事にした。時間になったら酒場に戻ると決めた。
ξ゚听)ξ「そう言えば名前まだだったわね。あたしはツン」
(□><)「僕はわかんないんです」
ξ゚听)ξ「ハァ……へー、わかんないんですって言うの、変わった名前ね」
(□><)「一度で僕の名前ちゃんとわかってくれたんです! 嬉しいんです!」
ξ;゚听)ξ「え、本名だったの? 今の冗談で言ったのに……」
(□><)「悲しいんです……」
それからわかんないんですはツンと別れて、港町の探索を始めたのであった。
今まで旅してきた数々の町とは違い、この町では世界樹の話を持ち出しても笑われる事はなかった。
そして町の人達に教えられた通りに図書館へ向かえば、そこで世界樹について書かれたたくさんの書物と出会う事が出来たのである。
(□><)「この町は凄いんです! こんなにたくさんの事がわかるなんて!」
かつて世界樹へ向かおうとして失敗した冒険家の記録。世界樹にまつわる伝統や文化に付いて記した書物。
ハニャーン港よりも世界樹に近い所にあるといわれるコモリ島の古い伝承。
どれも世界樹の存在を架空のものとしてではなく、実在するものだと言う観点に立って記されたものであった。
(□><)「ふむふむ……この港から船に乗って北へ半日行けば着いてしまうんですか。思ったより近いんです」
しかしそれだけの資料がありながら、世界樹へ辿り着いたとはっきり記されているものは一つも無かった。
船で接近したと言う記録は幾つか見つけたものの、いずれも辿り着く事は出来ずに戻ってきたり、行方不明になってしまっているらしい。
(□><)「……本当に辿り着けるんでしょうか」
- 237 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 22:50:35.36 ID:OXPfUUgE0
- やがて日が落ちて辺りが薄暗い夜に包まれた頃、わかんないんですは約束の通りにツンの働いている酒場へと戻って来たのだった。
ξ゚听)ξ「おまたせ。それじゃあ行きましょ」
( ><)「はいなんです!」
ξ゚听)ξ「あれ? ほっぺたの包帯はどうしたの?」
( ><)「痛くなくなったから外してみたら治ってたんです。ブーンさんの薬が効いたんです」
ξ゚听)ξ「……偶然よ、偶然」
ツンはわかんないんですを連れて、海の近くにある自宅へ向かった。
二人が大通りを通っている時、何処からか落ち着いたしわがれた声が聞こえてきた。
/ ,' 3 「やあお嬢ちゃん、お仕事が終ったのかな?」
ツンが昼にあった占い師の老人であった。
ξ゚听)ξ「ええ……まあ」
- 238 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 22:54:58.89 ID:jrJJF9uKO
- 支援
- 239 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 22:55:55.29 ID:gt9o663F0
- しぇ
- 240 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:04:02.24 ID:mGQdHomn0
- しえんしえんしえん
- 241 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:04:30.14 ID:gZzGcSu10
- しえん
- 242 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 23:13:16.58 ID:OXPfUUgE0
- ( ><)「うわあ、綺麗なカードなんです」
ツンがだるそうな返事をしている間に、わかんないんですはテーブルに並べられたカードに惹かれて露店へと近寄っていた。
/ ,' 3 「旅のお方かね? 何か占って差し上げようかの? 料金は一回500ウーピールーピーじゃ」
( ><)「占いなんですか? おじいさんはこの道具を使って占うんですか?」
/ ,' 3 「そうじゃよ」
( ><)「そうなんですか。僕の予言士の友達は道具をあまり使っていなかったんです」
/ ,' 3 「ほほう、お友達は随分と強い力をお持ちのようじゃな」
しかしその時、興味深そうに露天を覗いていたわかんないんですの襟首をツンが掴み、思いっきり後ろに引っ張ったのであった。
( ><)「きゃっ! ぐえっ!」
ξ゚听)ξ「そんなの見てないで、さっさと行くわよ」
( ><)「でもまだおじいさんとお話したいんです……」
ξ゚听)ξ「占いだとか迷信だとか、そんなものに夢中になってどうすんのよ」
( ><)「あああ、おじいさんさよならなんですー……」
わかんないんですはツンに引っ張られながらも手を振って老人に別れを告げた。
老人もまた手を小さく振ってわかんないんですを見送っていたのであった。
/ ,' 3 「何か困り事があったらいつでもわしに相談してくだされ。力になりますぞ」
- 243 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:13:25.49 ID:gt9o663F0
- さぁぁぁぁぁぁぁる
- 244 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:15:49.00 ID:o/YLyI0T0
- ほぁー
- 245 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:17:04.33 ID:gt9o663F0
- しえんでさるにかかる勢いで支援してみようと思う
- 246 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:17:09.63 ID:jrJJF9uKO
- 支援
- 247 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 23:17:18.88 ID:OXPfUUgE0
- 最後に老人が言った事は辛うじて聞き取る事が出来たが、ツンが早足で引っ張っ行くためにあっという間に露店から遠ざかってしまった。
わかんないんですはそれからしばらくのツンに引っ張られ続け、海の方へと移動していった。
やがてツンは石造りの小さな家の前に辿り着き、玄関の鍵を開けたのであった。
ξ゚听)ξ「さ、ついたわよ。上がって上がって」
ツンがそう言って後ろを見た時、そこには真っ青な顔をしたわかんないんですがぴくりとも動かずその手に下げられていた。
ξ;゚听)ξ「あ……しまった……」
ずっと襟首を捕まれた引っ張られていた為に、わかんないんですは首が絞められて気絶してしまっていたのである。
( ,,゚Д゚)「おうツン! ただいまだゴルァ!」
丁度そこへ一人の男が現れ、ツンに声をかけてきた。
ξ゚听)ξ「あ、お帰り」
(;,,゚Д゚)「……ってなに死体持ち帰ってきてんだゴルァぁぁぁ!」
- 248 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:17:56.48 ID:gZzGcSu10
- しえん
- 249 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:18:12.92 ID:gt9o663F0
- しえ
- 250 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:18:40.62 ID:gt9o663F0
- しえ
- 251 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:19:06.92 ID:jrJJF9uKO
- 試演
- 252 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:19:25.04 ID:UOu2Fz0SO
- 支援
- 253 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:20:07.51 ID:mGQdHomn0
- 支援するお
- 254 名前:Hクマ ◆HKUMAyme82 :2007/03/07(水) 23:20:14.37 ID:Qa8zhshR0
- 自演
- 255 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:20:26.42 ID:gt9o663F0
- しぇ
- 256 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:20:53.28 ID:/ePuTYe90
- しえn
- 257 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 23:21:07.80 ID:OXPfUUgE0
- わかんないんですが意識を失っているその頃。人気の無い海岸の岩場で一人の男が意識を取り戻していた。
_
( ゚∀-)「おっぱい……おっぱい……?」
( ^ω^)「やっと目を覚ましたお」
先程酒場でツンに絡み、ブーンの攻撃で気絶させられた男であった。
_
( ゚∀゚)「おう、おはよー御座います」
( ^ω^)「おはようだお。気分はどうだお?」
_
( ゚∀゚)「あんたにぶん殴られたから最悪でーす」
( ^ω^)「自業自得だお、何を人様に迷惑かけてるんだお」
_
( ゚∀゚)「いいじゃんいいじゃんwwwちょっとくらい」
( ^ω^)「お前あんなとこで何やっていたんだお?」
_
( ゚∀゚)「なにって、そりゃ酒場にいたんだから酒を飲んでいたに決まってんだろ」
(# ^ω^)「そういう事じゃないお、僕が言った事忘れたのかお」
- 258 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:22:35.42 ID:gt9o663F0
- しょえん
- 259 名前:ずれてないことを祈る :2007/03/07(水) 23:23:58.80 ID:UOu2Fz0SO
- ∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵。∴∵
∴∵∴∵:。∴∵∴∵∴: --─- ∴∵∴∵∴∵∴∵
∴∵゜∴∵∴∵∴∵ (___ )(___ ) ∴∵。∴∵∴∵ ゜
∴∵∴∵∴:∵∴∵_ i/ = =ヽi ∴∵∴∵。∴∵∴
∴∵☆彡∴∵∵ //[|| 」 ||] ←ID:gt9o663F0∴:∵∴∵∴∵:∴∵
∴∵∴∵∴∵ / ヘ | | ____,ヽ | | ∴:∵∴∵∴∵:∴∵
∴゚∴∵∴∵ /ヽ ノ ヽ__./ ∴∵∴∵:∴∵∴∵
∴∵∴∵ く / 三三三∠⌒ ∴:∵∴∵:∴∵
∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∵∴∵∴∵
∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧
( )ゝ ( )ゝ( )ゝ( )ゝ 無茶しやがって・・・
i⌒ / i⌒ / i⌒ / i⌒ /
三 | 三 | 三 | 三 |
∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪
三三 三三 三三 三三
- 260 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 23:25:10.88 ID:OXPfUUgE0
- _
( ゚∀゚)「はいはい、わかってるってwww」
(# ^ω^)「ほうほう、よーく覚えていてくれていたみたいで嬉しいお」
_
(;゚∀゚)「……顔が全然嬉しがってないんだけど」
(# ^ω^)「……酒場でお前が殴った子の顔をよーく思い出すお」
_
(;゚∀゚)「えっ? 何で?」
(# ^ω^)「さっさとするお!」
_
(;゚∀゚)「はいはいはい! わかったよ! えーと……」
男は思い出した瞬間にその表情を激しく変化させた。
思い出せてスッキリした気分になれた爽やかさ。それと同時にある重大な事に気がつき閃いた事による悟り。
そして湧き上がってきた恐れと不安。
それらがすべて男の顔の上に現れたのであった。
_
(; ∀ )「もしかして……あの子が……」
(# ^ω^)「このおっぱい星人がああああああああああああ!」
ブーンのラリアットが再び炸裂したのであった。
- 261 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:26:04.81 ID:jrJJF9uKO
- じおん
- 262 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:27:33.96 ID:mGQdHomn0
- こひなたしえ
- 263 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 23:28:35.91 ID:OXPfUUgE0
- 一方わかんないんですは再びを目を覚ましていた。ツンの声と男の声を聞こえてきて、まだぼんやりとしている頭でそれを認識していた。
ξ゚听)ξ「だからこの子は、お店でトラブルがあって……」
( ,,゚Д゚)「それでカッとなってぶっ殺しちまったのか?」
ξ゚听)ξ「いやだからこの子生きてるって言ってんでしょうが」
( ,,゚Д゚)「お前がそういう性格だってのは充分承知してっけどよ、仕事の時は我慢しろって前から言って」
ξ゚听)ξ「違うっつーの! 確かにそうなりそうだったけど、この子があたしを庇ってくれて……」
( ><)「……………うーん」
ξ゚听)ξ「あ、起きたわ」
わかんないんですが起き上がるとそこにはツンと、ツンと会話していたと思われる男がいた。
ξ゚听)ξ「ごめん、あたしの所為でこんな事になっちゃって……」
( ,,゚Д゚)「うちの暴力娘が迷惑かけたな、すまねえ。大丈夫か?」
( ><)「はいなんです。大丈夫なんです」
( ,,゚Д゚)「そりゃあよかった。あ、でもツンの事は悪く思わねえでくれ。女の癖に乱暴者で血の気の多い奴だけど、これでも根はいい奴なんだ」
( ><)「はあ……」
( ,,゚Д゚)「だから頼む、店に苦情いれてツンを辞めさせるような真似はよして……」
- 264 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:29:52.66 ID:jrJJF9uKO
- 詞園
- 265 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 23:32:02.73 ID:OXPfUUgE0
- ξ゚听)ξ「いやだから、確かにこの子を気絶させちゃったのはあたしなんだけど、お店の事とかそうじゃなくて」
ツンは男に店で起こった事件のあらましを説明し、何とか誤解を解こうとしていた。
その間わかんないんですは辺りをきょろきょろと見回し、今自分がいる場所が何処なのかを確かめようとしていた。
石つくりの壁が四方を取り囲み、天井から下げられたランプの明かりが室内を照らしていた。
何処からかパチパチと言う音が聞こえたのでそちらを見てみれば、暖炉から時折火の粉が飛んでいるのが見えた。
( ><)(ここがツンさんのお家みたいなんです)
ξ゚听)ξ「……そう言う訳で、あたしはこの子にお礼をしようと思って連れてきたのよ」
( ,,゚Д゚)「なんでぇ、お前が面倒起こしたんじゃねえのか」
ξ#゚听)ξ「……その言い方は何? 放火事件の犯人がハン村の住民じゃなかったって感じの不服そうな言い方は」
( ,,゚Д゚)「おいわかんないんですとやら! どうもツンが世話になったようだな!」
( ><)「あ、はい……どうもなんです」
ξ#゚听)ξ「あたしの話聞け!」
男はわかんないんですの前に来ると、お辞儀をして深く頭を下げたのであった。
- 266 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:33:57.71 ID:jrJJF9uKO
- しえんた
- 267 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 23:35:23.35 ID:OXPfUUgE0
- ( ,,゚Д゚)「俺はツンの兄貴のギコってもんだ。ツンを守ってくれてありがとうよ」
( ><)「ど、どういたしましてなんです」
( ,,゚Д゚)「あんな乱暴ものでも俺のたった一人の妹、何かあったら気が気じゃねえよ。
昔から喧嘩っ早くてすぐに周りといさかい起こして拳ぶつけまくりでよお……どれだけ心配かけさせられた事か」
ξ#゚听)ξ「余計な事言うんじゃないっ!」
( ,,゚Д゚)「まあとにかく、お前には借りが出来ちまったからよ、俺からも礼をさせてもらえねえか?」
( ><)「き、気にしないで下さいなんです。それに僕は結局なにも出来ませんでしたし、解決したのは僕じゃないんですし……」
( ,,゚Д゚)「遠慮すんなって! 俺にできる事ならなんだってやってやるよ!」
ξ#゚听)ξ「ただの漁師の癖にでかい口叩くんじゃないっ!」
ツンがギコの頭を平手ではたいているその横で、わかんないんですは頭上にクエスチョンマークを浮かべていた。
( ><)「りょうしさん? お魚とる人なんですか?」
( ,,゚Д゚)「おうよ、このハニャーン港で長い事漁をしてるぜ」
( ><)「と言う事は、船を持っているんですよね?」
( ,,゚Д゚)「モチのロンよ!」
( ><)「それじゃあ……」
- 268 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:38:36.62 ID:jrJJF9uKO
- しえ
- 269 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 23:39:28.75 ID:OXPfUUgE0
- わかんないんですはやや小さめの声でこう願い出た。
( ><)「船を貸して貰っても良いんですか?」
( ,,゚Д゚)「おう、それくらい朝飯前だぜ!」
ξ#゚听)ξ「ちょっとなに軽軽しく言ってんのよ! 船がなくなったらどうするつもりなの!」
( ,,゚Д゚)「へーきへーき。ところで、船を借りて何処かへいくつもなのか?」
( ><)「僕は北の島に行きたいんです」
( ,,゚Д゚)「って事はコモリ島へ行くのか? でもあすこなら定期便が出てるからそれに乗りゃあいいだろ。
っても月に数本しか出ねえからえらく不便だけどよ……」
( ><)「えっと、そこじゃなくてもっと北へ行きたいんです」
ξ゚听)ξ「ハァ……そこから北なんて何もないじゃない……」
( ,,゚Д゚)「おいまさかお前……世界樹の島へ行きたいとでも言うんじゃあるめぇよな?」
(;><)「すみませんなんです、ずばりそのものなんです」
- 270 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:41:09.15 ID:gZzGcSu10
- 支援
- 271 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:43:19.13 ID:jrJJF9uKO
- wktk
- 272 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 23:43:44.13 ID:OXPfUUgE0
- わかんないんですはそう言った瞬間に、場の空気が一変したのを感じ取っていた。
特にツンの表情の険しさは、どんなに鈍い者でも見逃す筈はないと言う程に凄まじい変化であった。
ξ゚听)ξ「……そんなありもしないものの本当に探しているの? 馬鹿げているわ」
( ,,゚Д゚)「おいツン」
ξ゚听)ξ「何が何でも船を貸す訳には行かない」
(;><)「え、でも世界樹は本当に」
( ,,゚Д゚)「落ち着けツン。世界樹の伝説の事はお前もよーく判って」
ξ゚听)ξ「あたしたちも船がなくなったら困るし、あんただって命を落としたくはないでしょ? 夢なんか見てないで、現実を見なさい現実を!」
( ,,゚Д゚)「おい、だから落ち着けって……」
ξ(゚ 、゚ξ「あたしお風呂入ってくるから、じゃ」
強い口調でそう吐き捨てるとツンはその場から離れ、つっけんどんにドアを開いて違う部屋へと行ってしまったのだった。
( ,,゚Д゚)「ったく、一度切れると止まらねえんだからよ……」
( ><)「僕悪い事言ったちゃったんですか?」
( ,,゚Д゚)「いんや、お前は何も悪くねえって。気にすんな」
ギコはツンが乱暴に閉めていった所為で半開きになっていたドアをしっかりと閉め直した。
- 273 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:45:09.70 ID:jrJJF9uKO
- 支援
- 274 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:46:24.85 ID:gZzGcSu10
- 試演
- 275 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 23:47:26.55 ID:OXPfUUgE0
- ( ,,゚Д゚)「しかしあいつの言うように、世界樹の島へ向かうのは確かに危険だ。俺達にとっちゃ船は命だし、そう簡単に貸せるもんでもねえ」
( ><)「そうなんですか……」
( ,,゚Д゚)「大体お前さん、世界樹へ行ける見込みはあるのか?」
( ><)「それならあるんです……多分」
( ,,゚Д゚)「多分って……」
(;><)「だって世界樹ってわかんない事だらけで、いくら調べても安心出来ないんです」
冷や汗をたらたらと流すわかんないんですを見て、ギコは溜息をついた。
それからわかんないんですのかなり傍まで移動して、小さな声でこう言った。
( ,,゚Д゚)「あのな、ここだけの話だけどよ」
( ><)「なんですか?」
(,,゚Д゚)「俺世界樹の島に行った事がある…………かも知れん」
(;><)「えええええええええええええええええええなんです!?」
(;,,゚Д゚)「ちょ、声でかっ!」
(;><)「だだだだだって急にそんな事言われたら……」
(;,,゚Д゚)「もちつけもちつけ。ぶっちゃけその時の記憶が曖昧で本当に行ったかどうかはわかんねえんだ」
(;><)「どっちなんですかあー! もおー!」
- 276 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:48:23.42 ID:jrJJF9uKO
- wktk
- 277 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:49:07.68 ID:UOu2Fz0SO
- 支援
- 278 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 23:51:19.16 ID:OXPfUUgE0
- それからギコは世界樹の島へ行った時の事をわかんないんですに話してくれた。
( ,,゚Д゚)「あれは今から十年位前になるか、俺がまだ見習いだった頃の事よ。
俺は親父と、親父に弟子入りしていたダチと一緒に漁に出たんだ……」
その漁の途中で舵が壊れてしまい、港へ帰れなくなってしまうアクシデントが発生してしまった。
船は流されるままに北へ北へと進み、その内にどんどん天候が悪くなっていった。
ギコ一行は分厚い黒い雲から注がれる大雨と、船をひっきりなしに揺らす風と、そして船を引きずり込もうとする波に襲われた。
( ,,゚Д゚)「終いにゃ船がぶっ飛んじまってよお。俺はダチの手を握ったまま海に落ちて、そこで気絶しちまったんだ」
そして再び意識を取り戻した時、ギコの目の前にはこの世のものとは思えない美しい風景が広がっていたのだと言う。
( ,,゚Д゚)「辺り一面真っ白だったから最初は雪かと思ったらよ、白い花が咲いていたんだよ。んでもって顔を上げたらよ……」
目の前にあったのは天にも届きそうな程の巨大な木の姿。
枝を縦横無尽に広げてそびえ立ち、ほんのりと薄い光に包まれている木の姿だった。
( ><)「それが世界樹だったんですか?」
( ,,゚Д゚)「多分な。俺はこの後また寝ちまったらしくて、気がついたら病院のベッドのにいたんだ」
( ><)「他に何か覚えている事は無いんですか?」
( ,,゚Д゚)「残念だが、その他の事はさっぱりでな……」
ギコはそこで一呼吸おき、それまでの淡々とした語りから強い言い切りの口調へと言葉の調子を換えた。
( ,,゚Д゚)「だが、アレが現実だったとしても夢だったとしても、俺は世界樹があるって事を信じてる」
- 279 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:52:21.69 ID:jrJJF9uKO
- 支援
- 280 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 23:55:05.83 ID:OXPfUUgE0
- そしてギコはわかんないんですの肩をぽんと強く叩いた。
( ,,゚Д゚)「本当に世界樹を見たかも知れねえ俺にだって、わかんねえ事は山ほどあるんだ。
つかそもそもありとあらゆる事を何でもかんでもわかろうなんて、無謀な事なんだろうよ」
( ><)「……そうなのかも知れないんです」
( ,,゚Д゚)「けどわかんねえからってただ手をこまねいているよりは、当たって砕けるつもりで行動する方がよっぽど前に進めるじゃねえか」
ギコは強い目でわかんないんですの目をじっと見て、こう問い掛けた。
( ,,゚Д゚)「お前に砕ける覚悟はあるのか?」
最初はギコの強い視線に怯んでしまい、わかんないんですは冷や汗を浮かべそうになった。
だがギコの目を見つめ返すとはっきりとこう言った。
(;><)「……もしも砕けても、僕は世界樹へ行かなきゃならないんです!」
その返事を聞くとギコはにやりと笑みを浮かべた。
( ,,゚Д゚)「いい返事じゃねえか。よっしゃ、協力してやる」
( ><)「……へっ?」
先程まで真剣で深刻に話をしていたと言うのに、ギコは重大な事をさらっと言ってのけてしまった。
その突然の変化にわかんないんですは戸惑った。
- 281 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:56:18.46 ID:gZzGcSu10
- これはwktk
支援
- 282 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/07(水) 23:57:03.84 ID:mGQdHomn0
- 私えん
- 283 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/07(水) 23:58:36.98 ID:OXPfUUgE0
- (;><)「えっでも、危ないから船は貸せないってさっき言っていたんです」
( ,,゚Д゚)「バッキャロ、どんな事があっても借りは返すのが男だろうが」
(;><)「えっ? えっ? そうなんですか?」
( ,,゚Д゚)「お前が半端な気持ちで世界樹を目指してるってんなら、死んでも力なんか貸さなかったけどな」
そしてギコはまたわかんないんですの顔を見るとにやりと笑ったのである。
( ,,゚Д゚)「但し、相当の覚悟はして貰うけどな……」
わかんないんですはギコの笑みに何か只ならぬものを感じて不安を覚えたが、ギコの方はまたけろっとして次の話題に移ったのであった。
( ,,゚Д゚)「んで、いつ出発する予定なんだ?」
(;><)「えっ? あっ、えっ、えーっと……」
( ,,゚Д゚)「そういや明日は仕事の予定無かったな。んじゃ明日にするか」
(;><)「えっ!?」
( ,,゚Д゚)「あ、駄目だったか?」
(;><)「あー……明日で良いです」
その一方的な態度に押されてわかんないんですはギコの提案に従う事にしてしまった。
本来ならばしばらく町に滞在して旅の疲れをとり、また船を貸す事に反対するツンを納得させると言う段階を踏まえるべきだったのであろう。
しかしギコのせっかちな話の進め方につられてしまったのである。
- 284 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 00:00:15.73 ID:SeK04p7YO
- wktk
- 285 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 00:00:35.77 ID:fK44Mz7Y0
- 支援
- 286 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 00:03:04.08 ID:DI62GIKq0
- その晩わかんないんですは二人に夕飯をご馳走になった。
しかしツンはまだ不機嫌であったらしく、ギコとわかんないんですに対して殆ど口を利いてはくれなかった。
( ,,゚Д゚)「つー訳でなツン、俺は船を貸す事にしたぜ」
ξ゚听)ξ「……もぐもぐ」
( ,,゚Д゚)「ところでわかんないんです、船の操縦は出来るのか?」
( ><)「実は全然出来ないんです……本物の船を見るのも始めてなんです」
( ,,^Д^)「おいおいそれで貸してくださいとか言ってたのかよwwwギコハハハ」
(;><)「ごめんなさいなんです」
( ,,゚Д゚)「良いって良いって、明日は俺が操縦してやるからよ。ってまあ、元々お前一人だけで乗せるつもりじゃなかったけどな」
( ><)「どうしてですか? わかんないんです!」
( ,,^Д^)「もしかしたらおまえが犯罪者で逃走用の船を欲しがってるかも知れねーだろwww何つって」
ギコのその一言で食卓はエターナルフォースブリザードをかまされたかのごとく見事に凍り付いてしまった。
(;><)「ぼっ、僕はそんな事しないんです! 信じてくださいなんです!」
ξ゚听)ξ「……もぐもぐ」
(;,,^Д^)「いやあの……冗談なんだが……あー……すまん(ネタが通じないタイプなんだな……)」
ξ゚听)ξ「ご馳走様(ネタにマジになってどうすんのよこいつ)」
- 287 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 00:04:19.09 ID:OFHqViUwO
- 相手は死ぬwwwwwwwwwwwwww
- 288 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 00:07:31.69 ID:OFHqViUwO
- 支援
- 289 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 00:08:25.77 ID:DI62GIKq0
- その後わかんないんですはギコの部屋の床に毛布を敷いて寝かせて貰う事にした。
部屋は寒く床は冷えていたが、ギコが暖かい毛布を貸してくれたお陰でゆっくり眠る事が出来たのであった。
( ><)「ZZZ……なんです……」
( ,,-Д-)「むにゃむにゃ……ゴルァ……」
一方ツンは一人自分の部屋にベッドに潜っていたが、なかなか寝付く事が出来ずにいた。
ξ゚听)ξ(……あのばか。世界樹だなんて夢に決まってるじゃない)
そして大きく転がって体をうつ伏せにして、枕に顔をうずめていた。
ξ--)ξ(大体北の方は危険だって身をもって体験してるってのに、学習能力がないの?)
部屋にはツン一人しかいない筈なのだが、ツンは何故だか顔を隠したい気分になっていた。
ξ--)ξ(本当に世界樹があるんだったら、なんで……)
気がついたらツンはそのまま眠りに付いていた。
第九話 終
- 290 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 00:10:26.08 ID:fK44Mz7Y0
- 乙!
- 291 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 00:11:13.62 ID:DI62GIKq0
- 本日の投下はここまでです
次回の投下も明日の22時頃を予定しています
>>235に付いてですが
ガ板のちんぽっぽスレではわかんないんですは性別不祥と言う事になっています
なので一応どちらでもないように(或いはどちらでも良いように)書いているつもりです
- 292 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 00:11:19.10 ID:aju+R+FDO
- 乙!
- 293 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 00:13:11.80 ID:SeK04p7YO
- 乙!
- 294 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 00:17:22.74 ID:jynUoxIcO
- 乙です!
まとめサイトあるなら教えてください><
- 295 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 00:21:50.09 ID:DI62GIKq0
- >>294
>>85にあります
- 296 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 00:23:06.72 ID:4i8oFN7OO
- 乙乙!wktkwktk
- 297 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 00:28:52.57 ID:jynUoxIcO
- >>295
ありがとうございます!!!!!
- 298 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 01:07:41.84 ID:4i8oFN7OO
- ほ
- 299 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 01:49:47.19 ID:UzavDZljO
- 保守しなきゃ保守
- 300 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 02:10:35.24 ID:coX1A/KkO
- 300
ほ
- 301 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 03:21:32.52 ID:aju+R+FDO
- 保守
- 302 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 03:33:48.33 ID:aju+R+FDO
- 保守
- 303 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 06:13:42.87 ID:coX1A/KkO
- ほす
- 304 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 07:38:30.06 ID:SeK04p7YO
- ほしゅ
- 305 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 08:29:37.71 ID:bKp4E83FO
- ほしゅ
- 306 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 09:39:40.16 ID:bKp4E83FO
- ( ><)ほしゅ
- 307 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 09:41:29.89 ID:zfBxXlkFO
- うんこぷりぷり^^
- 308 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 09:49:41.83 ID:zfBxXlkFO
- はいはいわろすわろす
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( -ω-)
`ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
- 309 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 11:33:08.25 ID:SeK04p7YO
- あぶないぽっぽ
- 310 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 12:37:56.50 ID:YSNqpe4u0
- ほぁー
- 311 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 13:27:19.69 ID:NUPv0vUEO
- ほしゅ
- 312 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 14:14:41.78 ID:jJ4JsTz6O
- ほしゅ
- 313 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 15:01:57.43 ID:aju+R+FDO
- 保守
- 314 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 15:34:38.41 ID:IfINAkbt0
- ほしゅ
- 315 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 16:59:08.25 ID:SeK04p7YO
- ほしゅ
- 316 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 18:07:04.10 ID:SeK04p7YO
- ほしゅ
- 317 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 18:57:20.11 ID:4i8oFN7OO
- ほ
- 318 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 19:55:15.37 ID:aju+R+FDO
- 保守
- 319 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 20:37:16.32 ID:aju+R+FDO
- 保守
- 320 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 21:28:33.45 ID:SeK04p7YO
- あとさんじゅっぷん
- 321 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 21:37:50.19 ID:cIMEnAWYO
- ほしゅ
- 322 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 22:02:01.05 ID:DI62GIKq0
- 保守して下さった皆様 有難う御座います
これより第十話を投下します
- 323 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 22:05:07.48 ID:M+t/omgUO
- wktk
- 324 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 22:05:34.00 ID:DI62GIKq0
- 第十話『ハニャーン港/謎掛け編・下』
( ><)「ふわあああ……よく寝たんです」
わかんないんですが目を覚まして布団から起き上がった途端、冷たい空気がその肌へと襲い掛かってきた。
(((;><))「ひやっ! さ、寒いんです!」
わかんないんですが毛布から出られなくなって困っているとギコが起き上がり、無理やりわかんないんですの毛布を奪い取ったのだった。
( ,,゚Д゚)「寒い日に丸まっていいのはぬこだけだゴルァ! シャキッとせんかあ!」
(((;><))「むむむ無理なんです! 僕の村ではこんなに寒い日なんてなかったんです!」
( ,,゚Д゚)「北国を舐めんじゃねえぞゴルァ! ほらとっとと起きろ!」
わかんないんですはギコに連れられて居間へと足を運んだ。
居間では暖炉に火が灯されていた為、毛布に包まらなくても良い室温になっていた。
ツンはしきりにキッチンと居間を往復しており、テーブルの上に並べられた朝食からはまだ湯気が立っていた。
( ,,゚Д゚)「しっかり食っとけよ。今日は体力使うからな!」
( ><)「はいなんです!」
わかんないんですとギコは目の前に並べられた目玉焼きやサラダを物凄い勢いでがつがつと食べ始めた。
ツンは相変わらず一切口を利こうとせず、二人の行儀の悪さにも注意すらしようとしなかった。
ツンは自分の分を食べ終えるとさっさと皿を片付けてその場を去り、居間からいなくなってしまった。
- 325 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 22:05:54.64 ID:SeK04p7YO
- 支援
- 326 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 22:10:20.89 ID:Uk10uuBK0
- wktk
- 327 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 22:10:38.21 ID:DI62GIKq0
- ( ,,゚Д゚)「ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」
( ><)「……ツンさん、やっぱり僕達の事怒ってるんでしょうか」
( ,,゚Д゚)「あいつの事なら気にすんなって。そんな事よりもっと食え食え!」
( ><)「は、はいなんです。ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」
朝食を食べ終えた後、二人は出向に向けて準備を始めた。わかんないんですはギコに教えられながらたくさんの荷物を用意した。
( ,,゚Д゚)「あー、この雨具じゃぶかぶかになっちまうな……あいつちっちゃいからなあ」
( ><)「ギコさーん、荷物纏めたんですけどこれで良いんですか?」
( ,,゚Д゚)「おっ、OKOK! それ船まで運んでくれ!」
( ><)「船ってどこにおいてあるんですか? わかんないんです!」
( ,,゚Д゚)「あーそうだったか……じゃあ俺の準備が終わるまで待っててくれ。一緒に行くぞ」
( ><)「はいなんです!」
わかんないんですはまとめた荷物を一旦床において、ギコの作業が終るのを待つ事にした。
その時ふとツンの事が気にかかり、彼女に何か一言言わなければならないと感じたのだった。
- 328 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 22:13:08.76 ID:Rzi9XD8fO
- http://wwwww.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1173358975/
- 329 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 22:14:45.57 ID:DI62GIKq0
- ( ><)「このまま黙って行ったらツンさんきっととても心配するんです。挨拶して行かなきゃなんです」
わかんないんですはツンを探して家の中を歩き回り始めた。しかしいくら探せど探せど、ツンの姿を見つける事は出来なかった。
用を足しているのではと思ってトイレのドアをノックして見たり、朝風呂と言うものをしているのかと思って浴室のドアをノックしてみたり、
寒さを堪えて庭へ出てもみたのだが、それでも見つからなかった。
庭を一回りしたところでいよいよ寒さが堪えてきたので、わかんないんですは捜索を止めて室内に戻る事にした。
( ><)「あのー、ギコさん……」
( ,,゚Д゚)「おう、こっちゃ終ったぞ」
( ><)「ツンさんが家の何処にもいないんです。どこかに行っちゃったんです」
( ,,゚Д゚)「あ? 仕事にでもいったんだろ! そんじゃ行くぞ!」
ギコは上着を着こんで荷物を背負うと、まだツンの事で頭がもやもやしているわかんないんですの手を引いて港へ向かったのだった。
( ,,゚Д゚)(あれ? でもツンの奴今日は仕事午後からだった筈だし、何処いったんだ?)
- 330 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 22:15:52.36 ID:lJ4Bwax80
- wktkぽっぽ
- 331 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 22:18:48.56 ID:aju+R+FDO
- wktk
- 332 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 22:18:57.93 ID:DI62GIKq0
- 大陸最北端の漁港・ハニャーン港では寒い時期にしか獲れない海産物も多く、凍てつく冬の海でも漁に出る船が多い。
故に停泊所に泊まっている船も少なく、どれがギコの船なのか判らなくなると言う事は決してなかった。
( ,,゚Д゚)「あの真ん中あたりのあるのが俺の船だ! ちょっとちいせぇけどどんな荒波にだって耐えてきた根性のある奴だ!」
(((;><))「そそそそそ、それはすごっ、すごいんですねねねねねね」
( ,,゚Д゚)「何を壊れた蓄音機みてぇな喋り方してやがるんだよ」
(((;><))「ごめんなさあああいなんですうううう。はは歯がガチガチししししてしまうんですううう」
( ,,゚Д゚)「ったく仕方のねえやつだな……」
寒さで体を震わせるわかんないんですを横目に見ながらギコは自分の船を目指して歩いた。
しかし船に近付いていくに連れて、何かいつもと様子が違うことに気がつき始めていた。
本来ならそこにある筈の無いものが徐々に見えてくるのである。
(;,,゚Д゚)(まさか……んな訳……)
ギコは自分の見たものを信じる事が出来ず、現実を否定して自分を誤魔化そうとしていた。
しかしギコと違ってわかんないんですは素直に自分の驚きを言葉にして叫んでいた。
(;><)「ツ、ツンさん!? ツンさんがいるんです!」
ギコの船の甲板に仁王立ちしているのは間違いなく、家を探しても見つける事の出来なかった少女であった。
ξ゚听)ξ「あんた達ー! とっとと家に戻んなさい!」
そしていきなり二人に向かってとんでもない事を言い放ったのであった。
- 333 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 22:22:32.33 ID:DI62GIKq0
- ( ,,゚Д゚)「何言ってやがんだ! お前こそとっととそこから降りろ!」
ギコは慌てつつもそれを出来るだけ顔には出さず、いつもの様に力強い声でツンに命令した。
ξ゚听)ξ「いーえ! あたしは絶対にここから動かないんだから!」
しかしツンは一歩も引こうとはせず、船の上からギコを睨みつけた。
ξ゚ー゚)ξ「どうしても行きたきゃあたしごと連れていけば?」
そしてふふっと鼻で笑いながらギコを挑発したのである。
(;,,゚Д゚)「畜生あいつ……何考えてやがんだ」
(;><)「このままじゃ世界樹の島にいけないんです! ツンさん降りてくださいなんです!」
ギコとツンは互いに睨み合い、説得し合い、時々悪態をついたり悪口を言ったりしていた。
ξ゚听)ξ「あんた達が諦めるまで絶対動かないんだからね!」
( ,,゚Д゚)「本気か? お前仕事があるだろ! 午後になったらそこから降りなきゃならねーだろ!」
ξ゚听)ξ「仕事? それがどうしたの?」
( ,,゚Д゚)「んだと? サボる気かゴルァ!」
ξ゚ー゚)ξ「今日は休むってお店に連絡してきたもんね〜だ。へっへーん」
(#,,゚Д゚)「てめえ……!」
- 334 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 22:22:46.46 ID:SeK04p7YO
- wktk
- 335 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 22:23:39.99 ID:aju+R+FDO
- 支援
- 336 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 22:25:55.29 ID:DI62GIKq0
- その傍らで見ている事しか出来ないわかんないんですは、寒さに震え続けていた。
(((;><))「は、早く出発したいんです……」
体にじわじわと迫ってくる寒さと、このままでは延々続いて仕舞いそうな兄弟喧嘩に痺れを切らし、わかんないんですはギコに提案した。
(;><)「ギコさん、もういっそツンさんも一緒に連れて行くというのは駄目なんですか?」
(#,,゚Д゚)「バーロー! んな真似できっか!」
しかしそれはあっさりと一蹴されてしまった。
(#,,゚Д゚)「女を船に乗せるなってのは漁師の鉄則だ! それに万が一事故があったらあいつも巻き込む事になっちまう!」
(;><)「わわ、わかんな……わかったんです」
ギコが物凄い剣幕でかかってきたのでわかんないんですは自分の意見を取り下げるより他になかった。
また船に女を乗せてはいけないと言う理屈はわからなかったが、妹を危険な目に遭わせたくないと言う兄の優しさは理解する事ができた。
(#,,゚Д゚)「ツンは俺が自分を連れていけないってのをわかってて居座ってんだ……あー畜生腹が立つ!」
しかしその優しさを逆手に取られてしまったら、いくら妹を大切に思っていても怒りを感じずにいる事など出来ないであろう。
(#,,゚Д゚)「てめえええええ! 何でこんな真似しやがんだあああああ! 答えろおおおおお!」
ギコの余りの叫び声にわかんないんですは思わず耳を塞いでしまった。
しかしふさいだ状態にも関わらず大きく聞こえてくるツンの声も、それに負けず劣らず凄まじいものであった。
- 337 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 22:28:31.66 ID:Uk10uuBK0
- wktk
- 338 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 22:29:21.82 ID:DI62GIKq0
- ξ゚听)ξ「世界樹なんてある訳ないじゃない! それなのにわざわざ危険な海域に行くなんて! ばかみたいじゃない!」
(#,,゚Д゚)「兄貴に向かって馬鹿とはなんだああああゴルァ!」
ξ*゚Д゚*)ξ「馬鹿だから馬鹿っつったんだよ! コルァ!」
(;><)(ツンさんって怒ると顔がギコさんそっくりなんです……)
次の瞬間、わかんないんですはツンの言った言葉の中に物凄い重大な事実が含まれている事に気が付いた。
( ><)「あれ? 今ツンさん『危険な海域に行く』って言ったんです!? もしかして僕達危ない事しようとしているんですか?」
わかんないんですがそう言った瞬間、それまで騒いでいた二人がぴたっと声を出すのを止めた。そして嫌な静けさが流れたのであった。
( ,,゚Д゚)「いや、俺昨日『世界樹の島へ向かうのは確かに危険』だって言ったぜ?」
(;><)「で、でもどのくらい危ないのか聞いていないんです」
ξ゚听)ξ「……危ないって言うレベルじゃないわよ」
ツンの声には、今まで聞いた事の無い悲壮な感じが、暗い感情が込められていた。
ξ゚听)ξ「北の方……俗に世界樹の島があると言われている場所の周辺は年がら年中荒れていて、毎年何隻もの船が沈んでいのよ」
(;><)「ええええ! なんギコさんその事教えてくれなかったんですか!?」
(;,,゚Д゚)「あっ、いやあの、その、わざとじゃねえんだが……」
ξ゚听)ξ「なんて事なの……」
- 339 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 22:32:25.10 ID:SeK04p7YO
- WkTk
- 340 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 22:32:38.85 ID:DI62GIKq0
- 更にツンの表情が曇り始めたかと思うと、その曇りは一気に嵐へと変化していった。
ξ#゚听)ξ「その子に何にも言わないで、黙って連れていこうとしてたの!?」
(;,,゚Д゚)「いやそんなんじゃねえって! 違えって……」
ξ#゚听)ξ「あんなに酷い目にあっておきながら、何にも学習してないの!? このばか!」
やがてツンの感情の嵐は鎮まっていき、代わりに静かな雨が降り出した。
ξ;凵G)ξ「お父さんや………ブーンが……しんじゃ……のに……」
ツンの足は彼女自身を支える力を失い、膝ががくんと曲がってその場に崩れた。ツンはただ顔を両手で覆って泣き続けていた。
( ,,゚Д゚)「……ツン、すまねえ」
ξつ凵シ)ξ「うえっ……ひっく……」
( ,,゚Д゚)「でも俺は行く。親父とブーンを奪ったあの海から、俺だけ逃げる訳にゃいかねえ」
ξつ凵G)ξ「駄目! 嫌よ! この上兄貴まで奪われたらあたしはどうすればいいのよ!」
わかんないんですはただ黙って二人の会話を聞いていた。
二人が話しているのは、昨日ギコが話してくれた10年前の海難事故の事だというのは何となく推理する事が出来た。
しかしそう考えると、わかんないんですが知る事実と10年前の事故との間にひとつ矛盾が生じてしまうのである。
( ><)(でも僕……昨日確かに……)
そしてその隣では、ギコがはきはきした喋り方でツンにこう言っていた。
- 341 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 22:34:41.92 ID:SeK04p7YO
- wktk
- 342 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 22:35:58.61 ID:DI62GIKq0
- ( ,,゚Д゚)「おしっ! 今から守り神様のとこ行ってきたらぁ! それならいいだろ!」
ξつ凵G)ξ「えっ?」
( ,,゚Д゚)「おい、わか! 街に戻るぞ!」
( ><)「……えっ? わかって僕なんですか?」
( ,,゚Д゚)「他にいねえだろうが。ほら行くぞ!」
(;><)「えっ、ああの、あのちょっとなんです!」
( ,,゚Д゚)「ツン、船の中から適当なもん持って降りてきてくれ!」
ギコはわかんないんですとツンの意見を無視して、いや意見など聞こうともせずに事を進めようとしていた。
ξ;゚听)ξ「ちょ、ちょっと待ちなさい!」
わかんないんですは困惑し、ツンは焦り始めていた。
ξ;゚听)ξ「守り神様の所に行ってどうするのよ!」
( ,,゚Д゚)「何って、ご加護を受けるに決まってんだろ」
ξ#゚听)ξ「何がご加護よ! あの時だってお父さん達を守ってくれなかったじゃない! その前に社の扉が開けられないじゃないの!」
( ,,゚Д゚)「扉を開ける方法なら判ってる! だから船の中のものを持って……」
ξ#゚听)ξ「一度お父さん達を見捨てた神様なんて信じないんだから!」
- 343 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 22:38:06.32 ID:SeK04p7YO
- (´ω`)
- 344 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 22:38:39.85 ID:aju+R+FDO
- 支援
- 345 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 22:39:48.01 ID:DI62GIKq0
- 話がどのように進み、どのような結論に至ろうとしているのかが見えなくなっていたわかんないんですは、そろそろとギコに尋ねた。
( ><)「あの……まもりがみさまって何の事なんですか? わかんないんです」
( ,,゚Д゚)「でも神様は!………あ、そいつぁ船を守る女神様の事だ」
( ><)「神様なんですか? その人がいるところへ行くと何か良い事があるんですか?」
( ,,゚Д゚)「ああ。街の外れにその神様を祭っているお社があってよ、そこでお祈りしてご加護を受けると船が無事に漁から戻ってこられんだ」
( ><)「そうなんですか。わかんな……わかったんです」
わかんないんですはその説明を聞いて納得したが、ツンの方はそうではないようだった。
ξ#゚听)ξ「だけどね! それは昔の風習よ! 第一加護の儀式を司る司祭がいなくなったらからもうそれは出来ないの!」
( ,,゚Д゚)「司祭がいなくても儀式の仕方は覚えてっぞ、何とかならぁ!」
ξ#゚听)ξ「あーもう、第一そんな半端な加護とやらで本当に守られるとでも思ってんの!」
そしてツンは怒りに身を任せたままに、こんな事を叫んだのだった!
ξ#゚听)ξ「どうせだったらご神体ごと持っていくくらいしなさいよ!」
- 346 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 22:42:44.53 ID:uvDyaC+lO
- しかるべき場所においてこその御利益だろ・・・
- 347 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 22:42:58.27 ID:SeK04p7YO
- ヽωヽ
- 348 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 22:44:00.22 ID:DI62GIKq0
- ( ,,゚Д゚)「それ良いな、貰った」
ξ゚听)ξ「え?」
ギコが賛成した意見に対して、提案した本人が一番驚いていた。
ξ゚听)ξ「え、あの、マジ?」
( ,,゚Д゚)「確かにあの海を抜けるにはそんくらいはやらなきゃなるめぇよ。じゃあ行ってくるぜ」
(;><)「えっ? ギコさん? わっ! うわわわっ!」
ギコは自分の持っていた荷物を下ろすとそれを船に向かって投げ、次にわかんないんですの荷物を無理やり下ろしてそれを投げた。
( ,,゚Д゚)「それ中に仕舞っておいてくれ! じゃーな!」
ξ;゚听)ξ「待ちなさ……うわっ!」
ツンが慌てて荷物をキャッチしている間に、ギコはわかんないんですの手を引いて、さっさとその場を離れてしまったのだった。
ξ;゚听)ξ「兄貴の奴、本当にやるつもりなの……」
- 349 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 22:44:59.55 ID:SeK04p7YO
- ギコ萌え
- 350 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 22:48:17.44 ID:DI62GIKq0
- 一方、わかんないんですはギコに半ば引き摺られるようにして町へ戻されていた。
(;><)「あいたたたた! 引っ張らないで下さいなんです!」
( ,,゚Д゚)「あ? そんな強く引いちゃいねーだろ! 行くぞ!」
(;><)「あだだだだだだだ! なんです!」
(;><)(ツンさんもギコさんも引っ張る力が強いんです……)
それからわかんないんですは何とかギコに手を離して貰い、二人で肩を並べて歩く事が出来た。
そして先程から気になっていた事を、ツンがあれだけ二人の出発を止めようとしている理由を尋ねる事にした。
( ><)「あの、ギコさん……」
( ,,゚Д゚)「ああ?」
( ><)「本当はこんな事訊いちゃいけないんですけど……」
( ,,゚Д゚)「何だ? 何でも言ってみろ」
( ><)「ギコさんが昨日話してくれた、世界樹の島へ行った時の事……詳しく教えてくださいなんです」
それを聞くとギコは一瞬その表情を固まらせたが、ふうと溜息をつくと静かに語り始めたのであった。
( ,,゚Д゚)「あんな所見てたら仕方ねえよな……」
(;><)「あっ、で、でも嫌なら聞かせてくれなくていいんです!」
( ,,゚Д゚)「良いって良いって。やっぱりあいつの気持ちも判って欲しいからよ……」
- 351 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 22:51:04.75 ID:SeK04p7YO
- しえん
- 352 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 22:51:50.58 ID:DI62GIKq0
- 10年前のその日、ギコと父と友人は遠くの海域にまで漁に行く事になっていた。
しかし北の海域が常に荒れていると言う事はよく知られており、またその日の天気が余りよくなかった。
そこで3人は守り神の加護を受けに行く事にしたのであった。
( ,,゚Д゚)「と言うのも、実はダチが司祭の一族の奴だったんだよな」
( ><)「え、でもお友達はギコさんのお父さんに弟子入りしていたんじゃなかったんですか? 司祭さんなのにどうしてなんですか?」
( ,,゚Д゚)「昔は司祭の役目ってすげえ大事らしかったんだが、今じゃそういうのに興味ある奴なんていなくてよ……
あいつの一族も落ちぶれていたんだよ」
また友人は幼い頃に両親を亡くしており、彼が一族最後の一人であったという。
そのためギコの家に引き取られ、その流れで父に弟子入りする事になったのだ。
( ,,゚Д゚)「まあ儀式やってるだけで食っていける訳もねえしな。漁の技術は必要だろうって親父が言っててな」
加護の儀式には品物が必要であり、それに捧げて司祭とともに祈る事で、物に加護が宿るのだと言う。
( ,,゚Д゚)「あん時は確かバケツを持ってったんだっけな。で、それを船に乗せていくと船が守られるって訳よ」
しかしその祈りも虚しく、嵐に巻き込まれて船は沈んでしまった。
( ,,゚Д゚)「後は昨日話した通り、俺は世界樹っぽいものを見たあとまた気絶して、気が着いたら病院にいたって訳だ。俺一人だけが……」
( ><)「それじゃあ、ギコさんのお父さんとお友達は……」
( ,,゚Д゚)「……わかんねえよ。俺だけが浜に転がってて、親父もダチも……」
- 353 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 22:55:33.20 ID:DI62GIKq0
- ( ><)「ごめんなさいなんです……」
( ,,゚Д゚)「まてまて、俺が勝手に話してんだぜ? お前がそんな顔するなって」
それ以来残されたギコはツンを支えていく為に仕事に励み、一人前の漁師になった。
ツンもまた家計を助ける為か、その数年後に酒場での仕事を始めたのだと言う。
( ,,゚Д゚)「俺だって悲しかったけどよ、ツンもショックだったんだろうよ……」
( ><)「あの、ツンさんと話していた時に言っていたブーンさんって、そのお友達の名前なんですか?」
( ,,゚Д゚)「ああん? まあそうだけどよ」
( ><)「お肌が白くて体が大きくて、言葉の終わりに『お』ってつけていませんでしたか?」
( ,,゚Д゚)「ああ、変な喋り方する奴だったぜ」
( ><)「そうなんですか……」
ギコが言うかつての友・ブーンとは、わかんないんですが出会った男・ブーンと同じ名前と顔と特徴を持っているようであった。
( ><)(ブーンさんは本当は死んでいなかったんですか……? わかんないんです)
話しても信じて貰えるかどうかわからなかったので、わかんないんですは今はこの事を話さないでおく事にした。
- 354 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 22:57:42.83 ID:SeK04p7YO
- しえん
- 355 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 22:59:04.54 ID:DI62GIKq0
- やがて二人は賑やかな町から離れて行き、進むに連れて人々の気配も民家も少なくなっていった。
細くなっていく道の上を歩いて行くと、その先に小さな白い建物が姿を表したのであった。
( ,,゚Д゚)「着いたぞ。ここが守り神様のお社だ」
そして二人は更に近付いてとうとうその目の前までやってきた。
しかし社の入り口には大きな南京錠が掛けられており、とても力ずくでは壊せそうには無かった。
( ><)「鍵がかかってるんです。これじゃ開けられないんです」
( ,,゚Д゚)「まあ見てろって」
ギコは入り口に近寄るとそこで膝を曲げてかがみ、近くにあった大きな石を掴んで持ち上げた。
するとその下から砂と土で汚れた赤い鍵が姿を現したのである。
( ><)「こ、こんな所に鍵が隠してあったんですか!? ギコさんよく判ったんです!」
( ,,゚Д゚)「ったりめえだろ。隠したのは俺なんだから」
(;><)「え? そうなんですか?」
( ,,゚Д゚)「元々鍵を持っていたのはブーンだったんだが、あいつが死んだ後に遺品をどうするかで迷ってよ……
司祭の道具なんかは俺らが持ってても仕方ねえだろうと思って、社の中に入れて鍵をかけて、鍵は石の下に置いたって訳だ」
( ><)「成る程なんです」
ギコは鍵の表面についた汚れを払うと、それを南京錠に差し込んだ。
ガチャリと言う音と共に錠前は外れ、ギコは社の扉を大きく開ける事が出来たのである。
- 356 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 23:00:07.57 ID:aju+R+FDO
- 支援
- 357 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 23:02:26.02 ID:DI62GIKq0
- ( ,,゚Д゚)「守り神様の姿を見るのも、かれこれ10年振りって事にになるな……」
建物の中が暗かったために最初は何があるのか全く見えなかったが、しばらくすると目が慣れて中の様子がわかるようになってきた。
空間の中央には鉄製と思われる碁盤縞状の格子が設置されており、こちら側とあちら側とを隔てていた。
格子の少し手前には低い台があり、その傍にはたくさんの箱や袋など、多くの荷物が転がっていた。
( ><)「これが守り神さまですか……」
そして鉄格子の向こう側には、大きくて豪華な装飾の施された台座があり、その上にご神体と思しき小さな像が置かれていた。
( ,,゚Д゚)「相変わらず綺麗な姿してるよな……さてとっ!」
ギコは台の――おそらく祭壇であろう――の前に立つと合唱して深く頭を下げた。
( ,,-Д-)「俺たちこれから危ねえ所に行くんです。だからあなた様をここから持ち出す事をお許しください……っと」
半ばいい加減な神への挨拶を済ませたギコは、先程の鍵を片手に格子へと近付いていった。
( ><)「ギコさん、ここの開け方も判っているんですか?」
( ,,゚Д゚)「おう、任せとけ!」
ギコは格子の丁度中央の辺りのある一点を指し示した。最初は光の加減でよく見えなかったが、そこには小さな鍵穴が開いていた。
( ,,゚Д゚)「最後にここに来た時にたまたま見つけたんだ。ここに鍵を差せば開く筈だぜ!」
( ><)「ギコさん凄いんです!」
ギコは自身満々の表情で鍵を鍵穴に差し込み、わかんないんですはわくわくしながらそれを眺めていた。
しかしギコは何度も何度も鍵をガチャガチャと回しているばかりで、一向に格子を開けてくれる様子は無かった。
- 358 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 23:08:04.03 ID:DI62GIKq0
- (;,,゚Д゚)「あ……あれ?」
( ><)「どうしたんですか? 早く開けてくださいなんです」
(;,,゚Д゚)「手ごたえがねえ……開ねえ……」
(;><)「ええええええ?」
(;,,゚Д゚)「な、何でだ!? ちゃんと鍵穴に差しているんだぞ!?」
ギコが鍵をガチャガチャ言わせて悪戦苦闘し続けているその横で、わかんないんですはうなだれて格子の下の方を見つめていた。
(;><)「うう……これじゃ船を出せないんです……」
そしてその時、今自分が見つめているその視線の先にある、もうひとつの鍵穴を見つけたのであった。
(;><)「ギ、ギコさん! ここにも鍵穴があるんです!」
(;,,゚Д゚)「何だとお!?」
更に良く見てみれば、上の方にもひとつ、右の端にもひとつ、左の端にもひとつ、合計5つの鍵穴が見つかったのである。
(;><)「どれが本物なのわかんないんです!」
(;,,゚Д゚)「こうなったら一つ一つ確かめていくしかねえな……」
ギコは全ての鍵穴を試す為、右の方のある鍵穴から順に鍵を差し込んでいった。
しかしどの鍵穴からも手ごたえは無く、最後に上の鍵穴一つを残すところとなったのである。
- 359 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 23:08:42.21 ID:Uk10uuBK0
- しえん
- 360 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 23:11:44.29 ID:DI62GIKq0
- ( ,,゚Д゚)「あすこは手が届かねえな……」
( ><)「でもこれが最後だから、あそこに差せばきっと開く筈なんです」
( ,,゚Д゚)「わか、お前体重は軽いか?」
( ><)「えっ? 確かに僕は軽い方なんです……」
わかんないんですがそう答えた途端、ギコは自分の持っていた鍵をわかんないんですに渡し、しっかりと握らせた。
( ,,゚Д゚)「よしっ、じゃあ行くぞ」
そしてわかんないんですの体をひょいと持ち上げると、自分の肩の上に載せたのである。
(;><)「キャーッ! 怖いんです!」
( ,,゚Д゚)「これなら届くだろ! ほら、開けてくれ!」
(;><)「高いんです! 揺れるんです!」
( ,,゚Д゚)「じたばたすっと余計揺れるだろ! 落ち着け!」
(;><)「はいなんです……」
わかんないんですは片手で格子に捕まり、片手で鍵を握ってそれを鍵穴に差し込んで回した。
( ,,゚Д゚)「開いたか? 開いたか?」
しかしこれも回せど捻れど何の手応えもなく、ただガチャガチャという音だけが空しく響くだけであった。
- 361 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 23:16:03.81 ID:SeK04p7YO
- 支援
- 362 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 23:16:51.28 ID:DI62GIKq0
- (;><)「駄目なんです、開かないんです」
( ,,゚Д゚)「マジかよ………」
その知らせを聞いてギコは落胆した。
そして同時に体の力が抜けてしまい、肩に載せているわかんないんですの重さの堪えられなくなってしまったのであった。
( ,,-Д-)「どうすりゃ良いんだよ……」
(;><)「わっ! うわっ! キャアアアアアアアア!」
(;,,゚Д゚)「ってうわああああああああ!」
二人はそのまま背中から転倒してしまった。 更にわかんないんですの背中が丁度祭壇に直撃し、台をひっくり返してしまったのである。
(;,,xДx)「いてててて……おいわか! 大丈夫か?」
(;><)「背中が物凄く痛いんです……」
(;,,゚Д゚)「おいしっかりしろ!」
わかんないんですは台の上に仰向けになって倒れていた。ギコはわかんないんですの体を抱き上げて起こしてあげた。
( ,,゚Д゚)「ふう……それにしても派手にやっちまったもんだな」
そしてギコはひっくり返った祭壇を元に戻そうとして台を持ち上げた。その時であった。
(;><)「背中が〜背中が〜!」
( ,,゚Д゚)「……何だこれは……こんなの書いてあったのか?」
- 363 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 23:18:57.59 ID:SeK04p7YO
- 謎ktkr
- 364 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 23:20:32.90 ID:DI62GIKq0
- (;><)「え? 何かあったんですか?」
わかんないんですはギコが持ち上げている台を覗き込んでみた。
ギコが見ているのは格子の方に向けられていた面、つまり正面から見た時には裏になっている面であった。
そこにはこんな文字が書かれていたのである。
『えさわみにぎみあこぎさしなないがこにらぢHなびち』
( ><)「えさわみ? なんなんですかこれ? わかんないんです!」
( ,,゚Д゚)「そう言えば前にブーンが言っていたぞ……」
それを見たギコははっとした表情になり、こう語り始めた。
( ,,゚Д゚)「司祭の一族のみが知る儀式の方法とか道具の作り方とか、外に漏らしちゃ行けねえ秘密は暗号で書かれて伝えられるって」
( ><)「じゃあ、これもその暗号なんですか?」
( ,,゚Д゚)「おそらく間違いねえ。もしかしたらこれで格子が開けられるかも知れねえぞ!」
(;><)「でも何て書いてあるのか全然わかんないんです!」
( ,,゚Д゚)「暗号の解き方を知っているのも一族の奴だけだからな……ブーンがいなくなった今じゃ意味もねえか……」
(;><)「わかってますちゃんからは自分で先に考えてからって言われたんですけど、今は急いでるんです! 許してくださいなんです!」
わかんないんですはわかってますから借りた鍵を取り出そうとした。しかし大事な事を忘れていたのであった。
- 365 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 23:22:15.24 ID:Uk10uuBK0
- wktk
- 366 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 23:22:32.37 ID:0dOLxz4b0
- wktk支援
- 367 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 23:23:58.57 ID:DI62GIKq0
- (;><)「アッー! そう言えば荷物を船に置いて来ちゃったんです!」
( ,,゚Д゚)「ん? どうかしたのか?」
(;><)「ギコさん、僕今すぐ船に戻るんです! 待っててくださいなんです!」
(;,,゚Д゚)「えっ? おい待て!」
わかんないんですは社を飛び出すと物凄い勢いで町の方へ向かって戻っていった。
(;><)「ゼェゼェ……こ、こんな時こそ自転車に乗れば早いのになんです……」
そして走っている間に、もうひとつ大事な事を思い出したのである。
(;><)「アッー! そう言えば自転車も昨日から酒場の前に停めっ放しだったんです!」
ドクオから預かった大切な自転車をなくしては堪らないと、わかんないんですは港への道からから酒場の方へ走る方向を転換した。
昨日と同じ賑やかな大通りを通りかかった時、不意に声をかけられたのであった。
- 368 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 23:25:32.55 ID:SeK04p7YO
- wktk
- 369 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 23:25:48.82 ID:0dOLxz4b0
- 支援
- 370 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 23:27:25.97 ID:DI62GIKq0
- / ,' 3 「旅のお方よ。探しものはここに預かっておりますぞ」
(;><)「えっ?」
声を聞いて立ち止まり、聞こえてきた方を向いて見た。
そこには昨日と同じく露店を広げている占い師がおり、その傍らには紫の自転車が停めてあったのである。
( ><)「あっ! 僕の自転車なんです!」
/ ,' 3 「酒場の前だと盗まれる危険がありますでの、ここに動かして置きましたぞ」
( ><)「有難う御座いますなんです!」
/ ,' 3 「なあに、困ったときはお互い様ですじゃ」
( ><)「じゃあ僕急いでいるんです、失礼しますなんです」
わかんないんですはお礼もそこそこに、自転車にまたがると急いで港に向かって進み始めたのであった。
/ ,' 3 「予言士程の力は無くとも……少し近い運命くらいならばわしにも見える」
占い師はそう呟くと、テーブルの上に載せてあったカードの束を懐に仕舞ったのであった。
- 371 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 23:30:41.86 ID:5FvpDKGFO
- 追い付いた
wktk
- 372 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 23:30:49.53 ID:DI62GIKq0
- 一方船に乗っていたツンは暇を持て余し、更には寒さを凌ぐ為に船室にこもっていた。
ξ゚听)ξ「ふう……もう一枚何か着て来るんだった……」
自分の肩を抱いて震えていると、何処からとも無く自分を呼ぶ声が聞こえてきた。
( ><)「ツンさん! ツンさーん!」
その声を聞いたツンが船室に置いてあった上着を肩からかけて甲板に出た所、わかんないんですの姿を見つけたのであった。
ξ゚听)ξ「あれ? あんた一人だけ? 兄貴は?」
( ><)「ツンさん! 僕の鞄の中に小さい鍵が入ってるんです! それを渡してくださいなんです!」
ξ゚听)ξ「ハァ……まあ良いけど」
ツンは言われた通り船室に戻ってわかんないんですの鞄を取り、その中に入っている鍵を探した。
そして鍵を見つけ出すと甲板に戻り、それをわかんないんですに向かった投げたのである。
ξ゚听)ξノ ⌒ 。「はい! これで良い?」
( ><)「有難うなんです! じゃあ僕は戻るんです!」
ξ;゚听)ξ「あ、待って! あたしはご神体を持ってきたら出航して良いなんて一言も……」
- 373 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 23:34:21.92 ID:DI62GIKq0
- しかしわかんないんですのツンの言葉を聞く事無く港を後にしてしまったのであった。
(;><)「うおおおおおおお! なんです!」
そして全力で自転車を漕ぎ、ギコの待つ社へ向かった。
(;><)「この時間も勿体無いんです! 今の内にさっきの暗号を解くヒントを教えて下さいなんです!」
わかんないんですがそう叫ぶと、自転車の荷台に入れられていた鍵が光り始め、いつもの様に光の線が伸びいていった。
光の線は背後から前へ向かって伸びてきて、自転車をこぐわかんないんですの目の前に文字を書いていった。
わかんないんですは中に浮かぶ文字を見つつ、足を急いで動かした。
やがてヒントが書かれ終わって光の線が鍵から途切れても、
宙に浮かぶ文字はわかんないんですの移動する速さにあわせて一緒に移動し、ふわふわと漂っていた。
『2つで1つを表し、占い師の12番のカードのとおりにせよ』
(;><)「へっ?」
またいつもの回りくどくわかり辛いヒントを目にして、またいつもの様に呆気に取られた。
(;><)「ふたつでひとつ? なんなんですか? お箸ですか? わかんないんです!」
自転車の勢いは止まる事無く、町の外れへと突き進んでいった。
第十話 終
- 374 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 23:35:48.55 ID:SeK04p7YO
- 乙!
これ見たくて寝らんねえwww
- 375 名前: ◆J8mKltWM9M :2007/03/08(木) 23:36:32.36 ID:DI62GIKq0
- 本日の投下はここまでです
次回もまたいつもと同じ時間に投下する予定です
- 376 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 23:36:33.47 ID:aju+R+FDO
- 乙!
- 377 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 23:36:34.94 ID:lJ4Bwax80
- 乙
- 378 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 23:37:01.70 ID:0dOLxz4b0
- 乙!
- 379 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 23:38:47.36 ID:Uk10uuBK0
- おつっ!
- 380 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 23:47:48.40 ID:YSNqpe4u0
- 守り神なら日々シーサー。乙
- 381 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/08(木) 23:59:11.50 ID:Wj1BBUxq0
- おもしれえええええ!
おつ!
- 382 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/09(金) 00:14:36.76 ID:Ph+iR0yX0
- 今初めて読んだがおもろいwwwwwwww
一話とか読みたいんだがどっかまとめられてるとこか読めるところある?
- 383 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/09(金) 00:14:45.64 ID:v2y46j1aO
- 今回は前のに比べて簡単っぽいな…
- 384 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/09(金) 00:18:46.33 ID:Ph+iR0yX0
- 多分の範囲なら予測が出来たけど、占い師のおじいさんの使ってるカードはやっぱアレなのかね?
- 385 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/09(金) 00:28:30.89 ID:n++nhwnWO
- 間違いなくあれだろう。
描写もされていたし。
- 386 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/09(金) 00:57:07.57 ID:P+qdI9A+O
- ほっしゅ
- 387 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/09(金) 01:11:09.12 ID:fWobKvhYO
- 保守なんです><
- 388 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/09(金) 02:15:34.92 ID:+uTsCW+l0
- よくわかんないですけど保守です ><;
- 389 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/09(金) 02:57:39.47 ID:+uTsCW+l0
- ペースは速いがもう一丁!
そろそろ限界なんで、あとの保守は誰かに任せる
- 390 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/09(金) 03:59:24.20 ID:+uTsCW+l0
- うう゛ぉ
- 391 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/09(金) 04:01:19.65 ID:+uYuQH9KO
- >>382
つhttp://www.geocities.jp/local_boon/wakannai_Nazotoki/top.html
- 392 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/09(金) 05:09:09.03 ID:n++nhwnWO
- 保守
- 393 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/09(金) 09:26:41.48 ID:L7hBiZZMO
- ほ
- 394 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/09(金) 10:32:22.49 ID:p4mjU7UB0
- ほっす
- 395 名前:愛のVIP戦士 :2007/03/09(金) 12:13:34.55 ID:Z7rr1RovO
- ほ
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