- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/29(土) 21:48:26.87 ID:AyIVJUZW0
- ( ^ω^)誰もが悩みを抱えているようです
第4話 「あなたに届けこの臭い」
朝だ。ブーンにとって憂鬱な朝がやってきた。
今日は様々な書類を提出するために学部ごとに集まらねばならない。
つまり、ツンに会わねばならないのだ。嫌でも昨日の光景が脳裏をよぎる。
( ^ω^)「ドクオ・・・大丈夫だろうか」
昨日、奇跡的に意識を取り戻したドクオはブーンに書類の書き方を教えると
よろけた足取りで下宿先に戻っていった。体調とは裏腹に顔がにやけていたのを覚えている。
( ^ω^)「ドクオがあんな風ににやけているのは、きっと何か企んでいるときだお」
- 43 名前: ◆1H.yGXiHI. :2009/08/29(土) 21:49:19.20 ID:AyIVJUZW0
-
少し心配になるが、今は人のことより自分の安全である。
鼻の中だけでなく、体中の穴という穴に鼻栓を装着する。
これで奴の悪臭から逃れることができるのだ。
( ^ω^)「大学とは恐ろしいところだ」
ブーンは重い足取りで大学へと向かった。
- 44 名前: ◆1H.yGXiHI. :2009/08/29(土) 21:49:59.01 ID:AyIVJUZW0
-
―――――――――美府大学工学部、大講義室
(-@∀@)「はい、それでは三日後から講義が行われますので、
よろしくおねがいします。ではでは」
(リ充ア)「よっしゃwwwトイザラス行こうぜwwww」
(イ面ケ)「おkwwwww」
(そ他の)「俺も俺もwww」
ガヤガヤ・・・
ガヤガヤ・・・
( ´ω`)「おー。やっぱり友達できなかったお・・・」
ξ゚听)ξ「あ、内藤君!」
(^ω^ )ビクッ!「あ、ツンさん(鼻栓してても微妙に臭いな・・・)」
ξ-听)ξ「私もまた一人だったんだ。というか周りに人が座らないのよね」
- 47 名前: ◆1H.yGXiHI. :2009/08/29(土) 21:51:05.81 ID:AyIVJUZW0
-
(;^ω^)「そ、それは。あれだお!男ばっかりだし、ツンさんみたいな美人さんには
近寄りがたいんじゃないかお?」
ξ////)ξ「そ、そうなのかな・・・(やだ、内藤くんたら)」
(;^ω^)「(女って、たくましい!)」
ξ゚听)ξ「途中まで一緒に帰らない?」
( ^ω^)「おkだお」
ξ゚听)ξ「そういえば、内藤君、あだ名とかってある?」
( ^ω^)「ぼくは昔からブーンって呼ばれてるお!」
ξ゚听)ξ「何でブーンなの?おかしな名前」
( ^ω^)「いつも蚊が僕にまとわりつくからだお。ツンさんもブーンって呼んでほしいお」
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/29(土) 21:51:47.68 ID:AyIVJUZW0
-
ξ;゚听)ξ「う、うん。私もさん付けじゃなくてツンでいいわよ。・・・ブーン」
( ^ω^)「おっおっ!ツンにあだ名で呼ばれると恥ずかしいお!」
ξ////)ξ「・・・もう」
( ^ω^)「(これで臭いさえなければな・・・)」
( ^ω^)「(なんだかどんどん仲良くなってるが、まずい。
こいつと会った後、服が必ず黄ばんでいるからな・・・)」
( ^ω^)「(それに・・・周囲からのこの目線。確実に増えている。
もうこの異臭兵器の存在は学内全てに知れ渡っているだろう。
心なしか救急車を見る回数が増えている気がする・・・)」
(;^ω^)「(俺の身が、危ない!)」
- 49 名前: ◆1H.yGXiHI. :2009/08/29(土) 21:52:27.80 ID:AyIVJUZW0
-
ξ゚听)ξ「どうしたの?急に考え込んで」
(;^ω^)「な、なんでもないお!そ、それにしても
あっこに人が沢山集まっているお!何なんだお!」
ξ゚听)ξ「本当ね、何かみんな何かを買いに集まっているみたいね・・・
あ、人だかりの中心にいるの、ドクオ君じゃない?」
( ^ω^)「あ、マジだお。何してるんだお?」
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/29(土) 21:53:33.72 ID:AyIVJUZW0
-
(゚A゚)「さあああああああああ、集まった集まった!!
この県内の鼻栓は全部買占めちまったよ!!安全な学園生活にこの鼻栓!
1セット1万で売っちゃうよ!買わなきゃ死ぬよ!さぁ買いな!!」
(;´・_ゝ・`)「医務室用に10セットくれーーー!」
(;リ充ア)「俺も1セットくれー!」
(;イ面ケ)「さっきまで気を遣って言わなかったけど
工学部で集まるとき、殺人的な臭いがするんだ!
友達の分も買うから3セット」
(;そ他の)「俺も買うーーー!」
(;,,゚Д゚)「よく分からんが俺にも売ってくれ!2セット!」
(;-@∀@)「教務課全員分下さい!23セット!」
(゚A゚)「毎度ありいいいいいいいい!!!」
ガヤガヤ 2セット!
俺も! ワーワー
私も! 全部くれ!
( ^ω^)「流石経済学部、ただでは起きぬか」
- 51 名前: ◆1H.yGXiHI. :2009/08/29(土) 21:55:42.44 ID:AyIVJUZW0
- ξ゚听)ξ「ドクオ君、何してるのかしら?」
( ^ω^)「知らないほうがいいお。さぁ、帰るお」
ξ゚听)ξ「う、うん」
―――――――――― 一方その頃ギコたちは・・・
(,,゚Д゚)「ふぅ、まさか再提出の書類があるなんて・・・」
(*゚ー゚)「ギコくんはおっちょこちょいだね!今度からは
私が見てあげないとだめかなー?」
(,,゚Д゚)「その時はよろしく頼もうかな」
(*゚ー゚)「まぁ、とりあえず帰ろうよ。荷物置いたら家にこない?」
(;,゚Д゚)「え、いいのかゴラァ!」
(*゚ー゚)「別に部屋が隣同士なんだし、いいんじゃない?
少し運んでほしい荷物があるし」
(,,-Д゚)「あぁ、そういうことね。OK」
(*゚ー゚)「ギコ君、えっちな事期待したなー」
(;;゚Д゚)「ち、違うし」
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/29(土) 21:56:28.46 ID:AyIVJUZW0
- 家が隣同士ということもあり、ギコとしいは一緒に行動することが多くなっていた。
大学への道中では、車椅子では困難な段差もあり、ギコと一緒だと安心だからである。
そんな中で、ギコはしいに確実に惹かれていった。
(*゚ー゚)「あれ?あの人だかりは何?」
(,,゚Д゚)「何かを売ってるみたいだな」
(*゚ー゚)「ギコ君、ちょっと見てきてよ」
(,,゚Д゚)「おう、ちょっと待ってな」
〜10分後〜
(,,゚Д゚)「おまたせ」
(*゚ー゚)「何売ってたの?」
(,,゚Д゚)「鼻栓」
(;*゚ー゚)「・・・」
(;,,゚Д゚)「1セット、1万円」
_、_
(;*゚ー゚)「・・・」
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/29(土) 21:57:08.55 ID:AyIVJUZW0
-
(;,,゚Д゚)「2セット買ってきました」
(;*゚ー゚)「えええええええ!それってどうなのよ?」
(,,゚Д゚)「流されて買いました。でももう県内にないんだって」
(*゚ー゚)「なんで鼻栓が必要なのよ!」
(,,゚Д゚)「そ、それは・・・」
(*゚ー゚)「何でも、乗せられて買っちゃだめでしょ!
まったくもう・・・・・・・・っつ!何?この臭い!」
(;,,゚Д゚)「く、臭い!!どこからだ!」
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/29(土) 21:58:31.35 ID:AyIVJUZW0
-
(*゚ー゚)「あ、あの人じゃない?みんな見てるし」
(,,゚Д゚)「そんな!200m以上離れてるぞゴラア!」
(*゚ー゚)「それでこの臭い・・・。ギコ君、はい1万円」
(,,゚Д゚)「こりゃ買ったほうが正解だったな。良かった」
(*゚ー゚)「あの臭い・・・いや、まさかね・・・」
(,,゚Д゚)「?」
(*゚ー゚)「ん、何でもないよ!さ、帰ろうよ!」
(,,゚Д゚)「おう」
(*'A`)「2500万儲かったwwww」
学内中に広まった。悪臭被害。それによって利益を得るもの。
だが、彼らは知らない。恋する狂人乙女はまだまだ存在するということを・・・
第4話 おなる