第12話
- 3 : ◆eJLzIN9cVY :2007/06/02(土) 21:21:49.73 ID:IZAiZYdZ0
- 第12話
(;^ω^)「…。」
ここはバーボンハウス。
僕はPCとにらめっこ。
カードリストを見ていたのだ。
今日はドクオに用事があり僕一人。
(;^ω^)「…いつ見ても大杉だお…。」
最近またカードが追加され9000種近くになった。
僕の頭ではとても覚えきれそうも無い。
けれどMTGが上手くなる為には頑張らなくては。
この前の大会の後、一人の時は色々な情報を集め覚えていた。
もちろんデュエルすることも必要なんだろうけど僕はMTGを知らなすぎる。
以前ドクオにも言われたのだが、今回の大会でそれを再確認した。
- 4 : ◆eJLzIN9cVY :2007/06/02(土) 21:23:56.22 ID:IZAiZYdZ0
- ( ^ω^)「早くゴブリン覚えるお。」
色々なカードを覚えなければならないことはわかるが、とりあえずゴブリンを覚えなきゃね。
ゴブリンを検索。
そこに並ぶ150種以上のゴブリン。
僕はゴブリンが好きでゴブリンデッキを使っている。
しかし、ここに並ぶゴブリンの3割も知らないのではないだろうか?
初めてカードリストを見た時の驚きは未だに覚えている。
それ以上に、このカードを全て把握している人がいると言う事に驚いた。
そう言う人達は、頭の中でデッキ構築の6〜7割ができてしまうそうだ。
( ^ω^)「ゴブリンのレアカードは王様しか見たことないお。」
リストの中には1度も見たことの無いカードがたくさんある。
特にレアカードはほとんど見たことが無い。
- 5 : ◆eJLzIN9cVY :2007/06/02(土) 21:26:17.75 ID:IZAiZYdZ0
- (´・ω・`)「ブーン、熱心だね。」
( ^ω^)「もっとMTG強くなりたいですお。でも大杉ですお。」
(´・ω・`)「まぁゆっくり覚えればいいさ。」
( ^ω^)「そう言えばこの前の大会で言っていたことってなんだお?」
(´・ω・`)「君って本当に馬鹿だよね。」
(;^ω^)「ストレート杉て逆に気持ちが良いですお。」
(´・ω・`)「君のデッキについてだよ。」
( ^ω^)「そこは理解できましたお。」
(´・ω・`)「君のデッキのデッキタイプを改めて考え直したらどうだろう?と言う提案さ。」
(;^ω^)「!?僕はゴブリンを使い続けるお!!」
(´・ω・`)「いや、ゴブリンは止めなくても良いよ。」
(;^ω^)「どう言う事だお?」
- 6 : ◆eJLzIN9cVY :2007/06/02(土) 21:30:16.99 ID:IZAiZYdZ0
- (´・ω・`)「君のデッキはゴブリンの他に火力をたくさん入れてるよね?」
( ^ω^)「そうだお。火力は便利だし強いお。」
(´・ω・`)「確かにその通り。ところでブーンはゴブリンデッキの種類はどれくらい知ってるんだい?」
(;^ω^)「ゴブリンデッキの種類って何だお?」
(´・ω・`)「まずその辺りを説明しないといけないね。」
( ^ω^)「kwsk。」
(´・ω・`)「ブーンが今使っているゴブリンデッキは、初めて大会で使っていたデッキとはだいぶ変わったよね。」
( ^ω^)「そうですお。強くなったと思いますお。」
(´・ω・`)「でも『軽量なゴブリンと火力を使って素早く相手のライフを0にする』って言うコンセプトは変わってない。」
( ^ω^)「確かにそうですお。」
(´・ω・`)「ゴブリンを使っていてもコンセプトが違うデッキが色々あるのさ。」
( ^ω^)「どんなデッキがあるんですかお?」
- 9 : ◆eJLzIN9cVY :2007/06/02(土) 21:33:55.22 ID:IZAiZYdZ0
- (´・ω・`)「まずブーンのような火力とゴブリンを入れたようなデッキだよね。『ゴブリンスライ』とか『ゴブリンバーン』と言われてる。」
( ^ω^)「ずっと使ってますお。」
(´・ω・`)「土地破壊を入れて相手の動きを封じつつゴブリンで攻撃する『ゴブリンランデス』。」
( ^ω^)「僕のサイドボードには《石の雨》が入ってますお。」
(´・ω・`)「《炎の儀式》等のマナ加速と共に《巣穴からの総出》を入れた『ゴブリンストーム』。」
( ^ω^)「…ストームって知らないお…。」
(´・ω・`)「《総帥の召集》や《生ける屍》を使った『ゴブリン召集』。」
(;^ω^)「墓地からゴブリン出すのかお…?」
(´・ω・`)「《霊気の薬瓶》と共に30体以上のゴブリンを入れる『薬瓶ゴブリン』。これはタッチ白やタッチ緑やタッチ黒もある。」
(;^ω^)「今のブーンのデッキでもゴブリン23体しか入ってないお。」
(´・ω・`)「この他にも色々なコンセプトのゴブリンデッキがあるんだよ。」
( ^ω^)「一概にゴブリンデッキと言っても色々あるもんだお。」
- 10 : ◆eJLzIN9cVY :2007/06/02(土) 21:36:51.00 ID:IZAiZYdZ0
- (´・ω・`)「もう一つ質問。」
( ^ω^)「何ですかお?」
(´・ω・`)「1部で主流のゴブリンデッキを知ってるかい?」
( ^ω^)「……そう言えば知らないお。」
(´・ω・`)「まぁ1部の情報はあまり外へは出さないからね。」
( ^ω^)「そうなのかお?」
(´・ω・`)「色々あってDCVが情報統制してるんだよ。」
( ^ω^)「ネットでも1部の情報はほとんど見たことがありませんお。」
(´・ω・`)「1部に上がったら大会で色々情報を集めなきゃいけないんだ。」
( ^ω^)「なるほどですお。それで1部で主流のゴブリンデッキって何ですかお?」
(´・ω・`)「1部の主流、主流と言うか1部でゴブリンと言えば『薬瓶ゴブリン』なんだ。」
- 12 : ◆eJLzIN9cVY :2007/06/02(土) 21:40:39.52 ID:IZAiZYdZ0
- ( ^ω^)「そうなんですかお?でも30体のゴブリンと《霊気の薬瓶》入れたら他のスペルはほとんど入れられませんお?」
(´・ω・`)「そうだね。」
( ^ω^)「《Fireblast / 火炎破》とか《Goblin Grenade》はとっても強いですお。」
(´・ω・`)「確かに。」
( ^ω^)「それでも1部では『薬瓶ゴブリン』なんですかお?」
(´・ω・`)「うん。」
( ^ω^)「強いんですかお?」
(´・ω・`)「とっても。」
(;^ω^)「強さがさっぱり解りませんお。」
(´・ω・`)「まぁゴブリンと《霊気の薬瓶》だけが強さの秘密ってわけじゃないけどね。」
(;^ω^)「…え?でも他のスペルはほとんど入れられませんお?」
(´・ω・`)「まぁ色々考えてみると良いよ。」
(;^ω^)「さっぱりですお…。」
(´・ω・`)「MTGの基本の部分さ。ゴブリン以外のカードもしっかり覚えなきゃね。」
( ^ω^)「解りましたお。」
- 13 : ◆eJLzIN9cVY :2007/06/02(土) 21:43:07.74 ID:IZAiZYdZ0
- 大会1週間前。
僕は色々情報を集めていた。
ゴブリンを何となくだが一通り覚え、他のカードもカードリストを見て覚えていた。
しかし、ショボンの話しを色々考えてはみたもののデッキの方向性について答えは見つかっていなかった。
( ^ω^)「《Lightning Bolt / 稲妻》テラツヨスwwwwww。…《Shock / ショック》テラショボス。」
('A`) 「お疲れ。」
( ^ω^)「キモイ顔が来たと思ったらドクオかお。」
('A`) 「ウツダシノウ。」
ドクオは先週初めての1部の大会に出場した。
デッキはこの前の2部の大会でも使ったサイクリング。
結果は1勝4敗だったがドクオは「しょうがない」と言っていた。
強力なカウンター呪文や、2部や3部ではほとんど見られない墓地対策がしっかりしているのだそうだ。
僕はなぜ墓地対策が必要なのかは知らないが、1部になると必要なのだろう。
それ以上に1部で1勝し、あるレアカードが手に入ったことが嬉しかったようだ。
何を貰ったのかは教えてくれなかったが、あるデッキのキーカードだそうだ。
『面白いデッキ』『普通ではないデッキ』と言っていた。
まぁドクオが使うデッキにまともなデッキがあるとは思えないけど。
- 14 : ◆eJLzIN9cVY :2007/06/02(土) 21:47:03.89 ID:IZAiZYdZ0
- ( ^ω^)「最近来るのが遅いお。」
('A`) 「お前みたいに暇じゃないんだよ。今日も真面目にカード覚えてたんだな。」
( ^ω^)「結構覚えたと思うお。」
('A`) 「本当かよ。」
(;^ω^)「バカにするなお!今日は『デュアルランド』覚えたお!」
('A`) 「……今まで知らなかったのか?」
(;^ω^)「しょうがないお!英語のカードなんて知らないお!それに1回しか見たこと無かったんだお!」
('A`) 「そうか、3人組の一人が《Scrubland》使ってたっけ。まぁ貴重だからね。」
( ^ω^)「そんなに貴重なのかお?」
('A`) 「1部の試合で勝っても1枚しか貰えないからな。」
( ^ω^)「勝つと1種類貰えるんじゃないのかお?」
('A`) 「普通のレアカードなら1種4枚貰えるけど、デュアルランドは1枚しか貰えないんだよ。ベスト8で勝つと2枚貰えたかな?」
( ^ω^)「全部集めるの大変じゃないのかお?」
('A`) 「10種類あるわけから普通の試合なら40勝。毎大会3勝しても1年以上かかるな。」
(;^ω^)「大変だお…。」
- 15 : ◆eJLzIN9cVY :2007/06/02(土) 21:49:08.64 ID:IZAiZYdZ0
- ('A`) 「ところでショボンが言ってたことはどうなったんだ?」
(;^ω^)「良く解らないんだお。ドクオは1部の大会でゴブリンと対戦しなかったかお?」
('A`) 「無かったよ。それに1部は他の試合が見えないようになってるからな。」
( ^ω^)「とりあえず今のコンセプトのままデッキを強くして行くお。《稲妻》テラホシスw」
('A`) 「まぁそれでも良いと思うよ。1部にもバーンとかスライ居るし。」
( ^ω^)「次こそは1部に上がるお。」
( ^ω^)「ドクオ!デュエルするお!」
('A`) 「おう。」
( ^ω^)「サイクリングデッキじゃないのが良いお。」
('A`) 「好き嫌いすんなよ。」
(;^ω^)「あのデッキとやっても上手くなる気がしないお…。」
僕は大会に向けてデュエルもしっかりとこなしていった。
- 16 : ◆eJLzIN9cVY :2007/06/02(土) 21:51:38.45 ID:IZAiZYdZ0
- ( ^ω^)「ばいぶー。」
('A`) 「またな。」
⊂二二二( ^ω^)二⊃ブ---ン
バーボンハウスを後にし、僕は色々考えていた。
1部の主流は『薬瓶ゴブリン』だそうだ。
しかしどれほど強いのか解らない。
いやショボンが言うのだから強いのだろう。
けれど僕は火力が抜けることに不安がある。
火力には色々な場面で助けられてきた。
うーん、どうしたら良いものか。
はっきりとした答えが出ないまま僕は大会当日を迎えたのだった。
第12話、終わり
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