第1話

5 名前: 社会科教諭(チリ) :2007/03/12(月) 20:25:19.65 ID:uN/c1M9V0
第1話


「じゃぁ今日はここまで。」

授業が終わった。
僕は内藤ホライゾン。VIP高2年。皆からはブーンと呼ばれてる。
走ることしか取柄のない、ちょっとピザだけど普通の高校生。
最近ある事にのめり込んでいる。


( ^ω^)「ドクオ、早く行くお!」

('A`) 「ちょっと用事があんだよ。すぐ終わると思うから校門で待っててくんない?」

彼はドクオ。僕の親友。
中学時代からの親友でキモイ顔をしてるけどとってもいい奴。僕の師匠でもあるしね。

6 名前: 社会科教諭(チリ) :2007/03/12(月) 20:29:34.36 ID:uN/c1M9V0
( ^ω^)「わかったお。校門で待ってるお。⊂二二二( ^ω^)二⊃ブ--…」

ξ#゚听)ξ「ちょっとブーン!今日あんたも掃除当番でしょ!サボる気!?」

彼女はツン。僕の幼馴染み。
巻き髪でフランス人形みたいな、ちょっぴり可愛い…いや、めちゃめちゃ可愛い女の子。
いつもツンツンしてるけど。

(;^ω^)「見つかってしまったお…。」

('A`) 「じゃ、校門で。」

( ´ω`)「わかったお…。」


帰宅部の僕等が毎日のように行く場所、Hobby Shop 『Bourbon House』。
MTGをやる為だ。

7 名前: 社会科教諭(チリ) :2007/03/12(月) 20:34:05.27 ID:uN/c1M9V0
僕がMTGを始めたのは1ヶ月前。

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たまたま入ったリサイクルショップ。
『何でも100円!!』と書かれているかごの中に、目に留まった1枚のカードがあった。

( ^ω^)「ごぶりんきんぐ?」

英語で書かれているカードが目に留まった。
その英語で書かれている文章の中で唯一解った単語。
ゴブリンと言えば、不細工で頭が悪くていたずら好き、けれど良い奴もいっぱいいる。
ゴブリンに対してそんなイメージを持っていた僕は、ゲームや本に出てくるゴブリンに対して妙な親近感を持っていた。

(*^ω^)「ゴブリンの王様なのかお?絵も面白いおw。これくださいだお。
       でもこれ何のカードなのかお?」

と裏を見てみると、

( ^ω^)「まじっくざ…?知らないお…。
       ドクオはこういう事に詳しいはずだお。明日聞いてみるお。」

本当に偶然だったMTGとの出会い。

8 名前: 社会科教諭(チリ) :2007/03/12(月) 20:38:24.66 ID:uN/c1M9V0
次の日。

( ^ω^)「これ何なのかお?」

('A`) 「(!)レアじゃん。あれ?お前もMTGやってんの?」

( ^ω^)「これMTGって言うのかお?
       たまたま買ったんだお…おまえ『も』ってドクオこれやってるのかお?」

('A`) 「ああ、1年くらい前からかな。面白いぜ。
    今日もMTGやりに店に行くんだけど、お前も来るか?」

( ^ω^)「行ってみるお!ところでこのカードはすごいカードなのかお?」

('A`) 「《Goblin King / ゴブリンの王》?まぁすごいよ、レアカードだし。
    ゴブリンデッキにしか使えないから、めちゃめちゃ強いわけじゃないけど。」

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それから毎日のようにバーボンハウスへ行くようになる。
MTGの先輩であるドクオに色々と教えてもらいながらMTGにはまっていった。
未だにスタックが良く解って無いけれど…。

10 名前: 社会科教諭(チリ) :2007/03/12(月) 20:43:19.84 ID:uN/c1M9V0
ξ゚听)ξ 「ボーっとしてないで早く終わらせるわよ。
      …そうだブーン、今日もあのお店に行くんでしょ?ちょっと図書館に寄りたいから私も一緒に行くわ。」

( ^ω^)「・・・。」

ξ///)ξ「べ、別にあんたと一緒に行きたい訳じゃないんだからね!!」


掃除が終わり学校を出ると、校門でドクオが待っていた。

('A`) 「お前らホント仲良いよな。sexでもしてた?」

ξ#゚听)ξ「##」ドゴッ!

('A(:)「…正直スマンカッタ。」

11 名前: 社会科教諭(チリ) :2007/03/12(月) 20:47:33.32 ID:uN/c1M9V0
( ^ω^)「最近MTG上手くなってきた気がするお。」

('A`) 「そりゃ初心者なんだから、やれば上手くなるに決まってんだろ。」

ξ゚听)ξ 「MTGってそんなに面白いの?」

( ^ω^)「面白いお!ツンもやってみるお。手取り足取りいやらs…やさしく教えてあげるお!」

ξ゚听)ξ 「…気が向いたらね…。」


そんな話しをしているうちにバーボンハウスが見えてきた。

ξ゚听)ξ 「じゃ、わたし図書館行くから。」

そう言ってツンは図書館へ。
僕とドクオはバーボンハウスへ。

12 名前: 社会科教諭(チリ) :2007/03/12(月) 20:51:44.27 ID:uN/c1M9V0
(´・ω・`)「やあ、ようこそ、バーボンハウスへ…ってブーンとドクオか。いらっしゃい。」

しょぼくれた顔の頼りなさそうな彼は、店長のショボン。
こんな顔をしているがMTGはかなり強い。
大きな大会で優勝したこともあるとか。
それから、このバーボンハウスはBarでもある。
何でBarを一緒にやっているかは知らないけど。

( ^ω^)「こんにちわだお。今日も来ましたお。」

(´・ω・`)「 や ら な い か ? 」

(;^ω^)「だが断る。」

(´・ω・`)「残念。じゃここに名前書いて。」

すでに何人かの常連がデュエルしていた。

( ^ω^)「ドクオ勝負だお!」

13 名前: 社会科教諭(チリ) :2007/03/12(月) 20:55:07.51 ID:uN/c1M9V0
僕のデッキはゴブリンデッキ。
たくさんのゴブリンと火力が入っているウィニーデッキ。
もちろん王様入り。
ドクオが言うには、「スライ型のゴブリン」あまり考える部分が少ないからお前に合ったデッキだと思う、だって。
ドクオ君、どう言う意味かな?

ドクオはこれと言って決まったデッキは無い。
「好きな色は黒、好きなデッキタイプはコンボ。」
だそうだ。最近は黒ウィニーを良く使ってる。


('A`) 「まだまだプレイが甘いな。」

強くなったと思っても、所詮始めて1ヶ月なわけだしね。

(;^ω^)「うぅ…。ドクオもう一回勝負だお!」

15 名前: 社会科教諭(チリ) :2007/03/12(月) 20:59:10.72 ID:uN/c1M9V0
MTGは考える要素が多い。

まずデッキ構築。
適当に作っても、それは『デッキ』ではなくただの『紙の束』。
メタ、デッキタイプ、シナジー、etc…。
何より自分に合ったデッキであるかどうか。

ようやくデッキを作り、始まるデュエル。
最初のマリガンチェックから始まり、最後の勝利条件を満たすまで気が抜けない。
1本目が終わってもデュエル中に得た相手の情報をしっかりと整理し、相手のデッキに合わせたサイドボード。

デュエルにしても、ただカードを出せば良いものではない。
相手の手札を読み、逆にブラフ等を駆使し相手には読ませない。
様々な選択肢の中から最良の選択を行い実行する。
それは自分が使っているデッキ内容によって全く違う。
序盤、中盤、終盤でも大きく変わる。
言葉で言うのは簡単なのだが、いざやるとなると難しい。

これら以外にも様々な要素が複雑に絡み合いながら、勝利に向かって「MTG」と言うゲームが進められて行く。
最良の選択をしたつもりでも、デュエルが終わった後ショボンに指摘されてから気付く事がまだまだたくさんある。

16 名前: 社会科教諭(チリ) :2007/03/12(月) 21:04:36.30 ID:uN/c1M9V0
ショボンから教えてもらった事はたくさんある。
その一つがアドバンテージ重要性。
ただ色々説明してもらったけど、何となくしか解らないかった。

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(´・ω・`)「君のデッキはウィニーだからテンポが重要だね。」

( ^ω^)「(テンポ…?…!!)オーイェー!わかったんだおベイべー!」

(´・ω・`)「…!?」

(*^ω^)「テンポは大切だおチェケラ!ノリノリでいくおベイベー!!」

(´・ω・`)「・・・。」

その勢いでお酒の瓶を割ってしまい、ショボンにグーで殴られた。

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17 名前: 社会科教諭(チリ) :2007/03/12(月) 21:07:49.90 ID:uN/c1M9V0
(;^ω^)「負けましたお…。」

('A`) 「さっきのプレイングおかしくね?」

とは言っても、最近はドクオにも勝てるようになってきた事は事実。

( ^ω^)「そうなのかお?」

お店の人達ともデュエルして最近は結構勝てるようになったし。

( ^ω^)「今度こそ勝つお!」

僕はMTGにはまりまくっている。



第1話、終わり


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